このページでは大泉寛三衆議院議員の25期(1952/10/01〜)における国会発言(質問、答弁等)をまとめています。国会活動の統計や役職、質問主意書の数や内容は25期国会活動統計で確認できます。
○大泉委員 この補正予算のことについては、あまりお尋ねするわけじやないのですが、きのう局長が、来年度の予算編成にあたつて、富裕税を廃止すれば高額所得者の税率を引上げるのが妥当だろうというような言明をされたのでありますが、それについて政府の考え方を二、三点伺つておきたいと思います。またその意味において自分の意見も申し上げておきたいと、こう思うのであります。 高額所得者の大体二百万円以上のわくですが、こういう高額所得者はきわめて私は少いと思う。そういう少い者に対して国民感情からいつて、高額所得者に多く負担させる、税率の高いのは当然だというような考え方で、はたして税制政策にほんとうの成果が上げられ……
○大泉委員 せんだつて主税局長から大体聞いておりますが、富裕税のかわりに高額所得者の税の引上げを考えているということですが、富裕税はおのずから違うのでありまして、今富裕税を納めておる者が困つておるのは、一つはあまり財産を根掘り葉掘り聞かれる、あるいは調査されるという、この心理的な面において非常に敬遠するのです。しかし富裕税の立場は、財産をただしまつておかないというところにまた非常に意味があると思うので、財産を生かして常にこれを活用して行くというようなことは、むしろ富裕税がある方が私はそういう面にかえつて意義があると思う。そのかわりに税率を上げるということは、これはどうも無理ではないか。しかもど……
○大泉委員 さつき平田局長から税の自然増収について、所得がわずかふえても税収が非常に多くなるというお話はよくわかりますが、そこで承つておきたいことは、これが実質上の減税にはたしてなつておるかどうか。たとえば控除額を二万円から三万円に引上げても、給与所得は前年度から見ると相当多くなつておる。多くなつた分から引いてもらつても、実質上では減税になつておらぬという結果になつて来る。たとえば去年十二万円であつたものが今年は十五万円、しかし去年二万円控除されたものが、今年は三万円控除されても、課税率はかえつて重くなつておつて、実質的な減税には何らなつておらない。こういう結果になつておるのではないか。あらゆ……
○大泉委員 所得税法の特例に関し、愛知政務次官がおいでになつたので、お伺いいたします。 農家の超過供出の所得に関して免税されることは、私は、税制上から考えてもこの特例はやむを得ないと思うのでありますが、現在の税制度から申して不合理な点がありはしないか。こういうことは農業政策の一環として、あるいは食糧政策の上から農家の供出奨励のためにやるならば、むしろこれは奨励金、あるいは交付金というような名称においてなすべきであつて、税制上にこれを結びつけてやることはどうもあんまりぴんと来ない。これに対して、臨時特例であるからやむを得ないが、政府としてはどんな考えを持つてこれに対処せられるか。党籍のない大蔵……
○大泉委員 大体今の説明でわかりましたが、一点だけはつきりしておきたいと思いますので、お尋ねいたします。 これは奨励金だけであるかどうかということを、はつきりお尋ねしておきたい。いわゆる超過供出の分に対しては、所得に算入しないというように聞き及んでおる者もあり、私どももそういうふうに考えておつたのでありますが。超過供出はやはり所得の基本収入である。またこの超過供出のおかげで、結局税率の累進という建前から、当然税率の低いところから高いところへ持つて行かれる。これに対しては何らの措置がないようであります。やはり奨励金はきわめて少額であるけれども、超過供出の金額が多ければ、税率が高くなるという結果……
○大泉委員 所得税の引上げについてお伺いしたいのです。低額所得の方は引下げられるようでありますが、その引下げに対しては異論はありません。低額所得の方は、何といつても賃金あるいは給与所得の増加等によつて、当然引下げも必要でありますが、物価あるいはまた給与所得等の関係からいつたならば、全体がやはり引下げの対象にならなければならないと思います。一方において引下げられた分は引下げられておるけれども、他の分はいわゆる引上げになつておる、かように私は思うのであります。やはり全体を引下げなければならないと思います。 それから富裕税廃止について、高額所得の方は五%あるいは一〇%上げるというようなことになつて……
○大泉委員 ちよつとこの際お伺いいたします。
証券会社がいわゆる株式の信託投資というようなことで非常に資金を募集せられておりますが、この信託会社が信託を受けて有価証券に投資するということは、一向私たちは問題にしないのであります。証券を売買する業者が証券信託の業と同じような立場にあつて、しかも株式の投機的な投資をされておることを当局としては何ら弊害を認めないのであるかどうか、これをお尋ねします。
【次の発言】 それから証券会社はそれでもまだいい、相当な資本を持つていて、万一の場合にはその資本によつて弁済あるいは責任を負うことができますが、近頃法人でもなく、組合でもなく、匿名組合のような投資団の……
○大泉委員 法人税のうち、交際費、機密費の一定限度以上に課税するということについて、その一定限度という線はどういう線をもつてこれに充てるベきか、当局のお考えを伺いたい。
【次の発言】 当局としても、はつきりまだきまつていないようでありますから、私も多少自分の意見を加えて質問してみたいと思います。利益の高において、あるいは資本の高において、あるいは業の規模においてというようにいろいろ見方もありましようが、結局利益の点においては、これはあくまでも利益は生れて来た一つの結果であつて、交際費をやはり経費として使う、機密費を経費として使つた結果が利益であるのであるから、この利益の高によつてきめるというこ……
○大泉委員 解散団体のことについてちよつとお伺いいたしたい。解散団体の現況について大体御説明を願いたいのです。たとえば解散団体の総数とか、あるいは総資産とか、あるいは完全に解散したもの、あるいは完了したもの、あるいは本年度中に解散するようなもの、その他の状況について承りたい。
【次の発言】 私はあまりわからなかつたものですから質問したのですが、この財産の処分ですが、不動産その他の財産の処分方法などはどういうぐあいにやつておられますか。たとえば競売にするとか、あるいは任意譲渡するとかいうような、いわゆる財産そのものを生かす行き方で行つているか、ただ処分さえすればいいというような方法、ただ競売に付……
○大泉委員 金子さんにお伺いいたします。大体私どもの考えも金子さんのお考えも同じでありますが、そこで今までの実例として交際費、機密費等に対する税務官吏のいわゆる経費の費目に対する甲乙の差がなかつたか。いわゆるあるべきはずではないのですけれども、往々にしてやはり人によつて違う、あるいは会社によつて違うというようなことを私どもは聞いておりますので、長年経験していらつしやる金子さんに承つておくことは非常に貴重であると存じます。それでこういう実例はなかつたかどうかを承りたいと思います。
【次の発言】 経営者が自信を持つて、はつきりとこれは経費であるという立場をとつておるのに、それは利益であるというよう……
○大泉委員 昨日の公聴会で大体聞いたのですが、中小企業組合に対する課税取扱いに対して、当局はたいへん手をやいていられるようであります。それに対して、中小企業が今日発展しておるゆえんは、中小企業庁が相当組合の設立に努力されているという点にあろうかと思うのであります。この組合が生産的な共同的な組合で、そして共同の利益のために立つているにもかかわらず、やはりどうも税の方面においても相当共同的な一つの手段を講じておるので、これが組合設立に対するある程度の盲点である。区域とか、あるいは業種別とか、その他いろいろ脱法的に行われているような組合などは、結局生産的な利益よりも、そういう税務行政に対する税務事務……
○大泉委員 今の法人税に対しては比較的合理的にできているが、個人企業に対しては課税の査定がまことにどうも納得の行かない点が多々ある。それは先ほど吉田さんからも、中小企業の立場から不満の意を相当述べられたのでありますが、近ごろこの小法人が激増しているということは、個人企業があまりにも税負担が重いから、結局八百屋でもお医者さんでもみな法人にしているのであり、これはやはり重税の結果である。そこで、やはり個人に対しても法人の取扱いをする必要があるのではないかと思うのであります。いわゆる企業をやつている以上は、一つの法人と同じような――同じようでなくても、それに近いような性格を持つている企業に対しては、……
○大泉委員 きのうも時間がなくなつたが、きようも時間がなくなつたので簡単に申し上げます。 査察行政のことについてきのうちよつと伺いましたが、この査察活動の最もはなやかであつた占領直後においては、これは何といつても占領政策の一環として、またドツジ公使の九原則が非常にものをいつてああいう一つの旋風を起したのであると思いますが、今日の情勢で占領政策を是正するというならば、一番先にああいう政策をやめてもらいたいと私は思うのだけれども、しかしやめろと言つたつて、今脱税問題やいろいろな問題を起しておるときに、やめろということもなかなかはつきり言えない。これに対して新しい日本の税制の行き方として、やはり査……
○大泉委員 法人税、または事業をやつている個人においても同じでありますが、税の査定に対して借入金の利息が経費に出る場合と出ない場合がある。これは第一線に立つておられる税務署員の考え方によつて二つあるということははなはだ解せないのです。本来事業をやつている者の借入金の利息というものは経費であるべきだ、これを局長ははつきりひとつ御答弁を願いたいと思います。
【次の発言】 事業をやつている者が金を借りるのは、事業のためであることはもうはつきりわかつている。ところがこれは税金を払うために借りたのだから、この利息は経費と認められないというようなことを言う、これはたいへんな間違つた解釈だと思う。たとえ税金……
○大泉委員 別に大したことじやないのですが、銀行局長が見えておりますので、この際伺つておきたいと思います。最近市中銀行、あるいは地方銀行、また庶民銀行といわれておる相互銀行とか信用金庫、こういうようなすなわち大きな銀行、地方銀行、小さな銀行、銀行から見ればそうなるのですが、そこで銀行局は銀行の立場を相当に考慮してやられていると思いますが、私は何といつても国民本位に、いわゆる銀行を背景として活動するところの産業関係を中心に置かなければならないのじやないか、こう考えておるのであります。相互銀行というものは非常に進出しており、これは相当政治的な活動もしておるが、地方銀行などはどうもとかく銀行局の意思……
○大泉委員 物品税の問題についてちよつと伺つておきたい。これは政府の所信を聞きたいのでありますが、物品税の問題については、ずいぶん国会内でいろいろの陳情が行われて、私どもはどうもこの判定に困つておるくらいであります。そこで一番の問題として陳情を受けておるのは、貴金属いわゆる貴石等の小売課税、あるいは製造課税に対し、われわれは政府案に対して相当信頼を持つているのでありますけれども、やはり陳情を受けているとどうもこちらももつともだ、こちらももつともだという立場に立つて、それで政府の所信を聞きたいのですが、製造課税というものは、本来はでき上つた製品の価格にかけると思うのであります。そこで原料には課税……
○大泉委員 今回はそれでよろしいが、今後はそういうことがないように委員長において善処してもらいたいと私は思う。今回は賛意を表しておきますが……。
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