重光葵衆議院議員の在職時の本会議での質問や答弁などの発言回数・文字数、発言時の役職、立場、各発言冒頭の一覧を掲載しています。委員会や各種会議での発言等については委員会統計/発言一覧のページを参照してください。
※「発言」は発言が記録された本会議の数、「文字数」は発言として記録された文字の総数を示しています。
※「議会役職」は議長、副議長など国会の役職、「政府役職」は大臣などの内閣、政府関係の役職が記録に付されていた場合を集計し、「非役職」は議会役職、政府役職いずれでもない場合を集計しています。
※国会会期は各選挙期中で最初にその役職での発言が記録された会期を示しています。
○重光葵君 諸君、過般総選挙が行われて、その結果自由党が多数を獲得したのでありますから、政権を担当することは当然であり、改進党が野党としてその義務を尽すこともまた当然のことでございます。(拍手)この総選挙の結果を尊重することが民主政治の出発点でございます。従つて、わが改進党は、この国民の意思を尊重し、健全なる野党として、国家的にこの難局打開のため懸命な努力をいたす決心であり、かくして民主政治の正しき運用に貢献せんとするものであります。この立場に立つて、新日本建設に関する重要点について吉田総理大臣の御所信を伺いたいのでございます。 新しい日本が、その発足にあたつて置かれている国際的地位は、決し……
○国務大臣(重光葵君) 今の御質疑に対してお答えをいたします。
私の声明について、二つの声明を出した、これはどういうわけであるかというお話であります。私の出した声明は実は一つでございます。
【次の発言】(続) しかし、私は、内閣のかわりますときに、対外関係を動揺せしめることは非常に国家のために不利益である、こう考えまして……
【次の発言】(続) それがために、私は詳細に私の考えるところを外国の新聞記者に説明をいたしました。その説明は私が発表した政策の説明に少しも違反はしていないのであります。これは同じ趣旨でございます。そこで、それはどういう趣旨であるかというと、どちらも同じように、平和主義を……
○国務大臣(重光葵君) 現在の国際政局を概観いたしまするに、幸いにして一応平穏な様相を呈しております。しかしながら、米英等の民主陣営においては、これを共産陣営の戦術の転換による平和攻勢に基くものであると見て、これが対策に怠りがないのであります。すなわち、欧州方面においては、西ドイツの再軍備を認めて北大西洋軍事機構の強化をはかり、中近東方面においては、トルコ、パキスタン等の武力を充実し、またアジア方面においては、東南アジア防衛機構を樹立し、あわせて背後戦線の整備に努めております。かくのごとくして、力による平和の体制を築き、もつて勢力の均衡を有利にすることによつて、共産側を真の平和共存に誘導せんと……
○国務大臣(重光葵君) お答えします。 私が自主独立の完成を外交上目ざしておる、こう昨日申しました。その通りであります。私は、今日の困難なる国際情勢のもとにおいて、日本が戦後いまだに国交の回復のできていないような地位にあるのは、国際上から見て十分に自主独立の完成ができていない、こう見ております。(拍手)私は、終戦後十年にして、一かような事態は外交上矯正していかなければならぬと考えております、(拍手)それからまた「そうであるから、アジアの外交、アジア諸国との国交を回復するということは、当然努めなければならぬことと思つております。 さらに、ソ連との関係は、今総理大臣の答弁に尽きておりますから、……
○国務大臣(重光葵君) 先ほどの御質問に対して私が答弁をしようと思つておるときに、また再質問でおしかりをこうむりました。 沖縄の問題でありますが、沖縄は、サンフランシスコ平和条約第三条によつてわが国は遺憾ながら沖縄に行政権を有しておりません。そこで、直接にどうすることもできないのであります。しかしながら、わが同胞である沖縄住民の生活の困難を緩和する措置は、できるだけの措置をとらなければなりません。私は、これを外交上の手段によつて、米国側と緊密なる連絡の一つとしてこれを是正するように、もし困難があれば困難を緩和するように努力をいたす方針で今やつておる次第でございます。(拍手)
○国務大臣(重光葵君) お答えをいたします。 ソ連との交渉は、御承知の通り、日ソの関係が法律上いまだに戦争関係が続いておるということを正常化せんとする趣旨に出ておるものでありまして、これは、日本の外交政策はこれまでとも引き続いて平和外交である。平和を強化したい外交である。このソ連との関係において、法律的ではあるといっても、いまだに戦争状態が続いておるということは、これはやめなければいかぬ。すなわち正常化しなければいかぬ。これは平和を強化する政策に根本的に合致しておるもしのでありますから、これを遂行しようというのでございます。そのソ連の意図がどこにあるかということにつきまして、ソ連の東京におけ……
○国務大臣(重光葵君) ここに政府の外交方針についていささか所信を申し述べますことは、私のすこぶる光栄に存ずる次第でございます。 最近の国際情勢は、前国会において申し述べまして以来少しも改善を見ておりません。世界情勢の緊張は依然として緩和されない状態でございます。欧州においては、パリ諸協定の批准手続が完了した結果、西ドイツの再軍備は始められ、西欧連盟は結成いたされましたが、ソ連は二月政変によって軽工業主義から重工業主義に移行して、力には力をもってする政策に転換をして以来、いわゆる共産勢力の平和攻勢は様相を変えて、ために国際関係は緊張の度を増してきたと判断せざるを得ないのであります。 しかし……
○国務大臣(重光葵君) お答えいたします。 外交の根本問題につきましては、今総理大臣からお答えがありましたわけでありますから、私から特に申し上げません。私は日本本位の独立自主の外交をやることに努めておるつもりでございます。(拍手) それから、日ソの交渉は、これまた発表の通りでありまして、すなわち間もなく本交渉がロンドンにおいて行われることに相なっております。これを申し上げます。決して上げも下げもならぬようになっておるわけじゃございません。(拍手) それから経済問題は、東南アジアの経済問題等が着々進んでおりまして、成績をあげておるつもりでございます。 以上をもって私のお答えといたします。……
○国務大臣(重光葵君) 外交一般につきましては、今鳩山総理大臣からしさいに御答弁に及んだことでございますから、私から申し上げることは差し控えます。私は、二、三の具体的問題について、御質問に対して御答弁をいたします。 中共貿易に対するココムのリストの制限を緩和するということは、今お話の通りに、前内閣時代から努力を続けられておったということでございますが、私もそう承知をいたしております。そうしてその努力をさらに強化して進んでおるわけであります。それで、昨年の対中共貿易の実績は、緩和の処置がとられて、それがために西欧並みに緩和された結果として、非常に貿易は伸張いたしました。その数字を申し上げますと……
○国務大臣(重光葵君) 私に対する御質問は移民政策の問題でございました。中南米方面の情勢が好転するに応じまして移民政策を推進しなければならぬということは、当然のことでございます。政府は、本年度移民関係の費用として約六億の予算を組みました。そうして、これによって約六千の移民を送り出す計画でございます。その国別といたしましては、御希望に応じて、国別の数字を申し上げます。ブラジルは、北ブラジルでは千五百、南ブラジルでは千、中部ブラジルに五百、アルゼンチンに五百、パラグァイに五百、ボリビアに六百、ドミニカに六百、その他三百となっております。もちろん受け入れ国の希望はさらに大きいのでございますが、しかし……
○国務大臣(重光葵君) 鳩山総理が公務のために欠席いたされておりますから、私から政府の本件に対する所見を申し述べます。
今回の紫雲丸事件は、まことに悲しむべきできごとでありまして、遭難せられたる方々に対し心から弔意を表するとともに、遺家族の方々に対し深く御同情申し上げる次第でございます。ただいま運輸大臣より御報告並びに御答弁申し上げましたごとくでありますが、政府といたしましては、すみやかに事件の真相を調査いたし、将来再びかかる悲惨事の起らないように、これが善後処置に万全を期する所存でございます。(拍手)
【次の発言】 お答えいたします。富士山ろくの演習地の問題は、御承知の通りに、日米合同委員……
○国務大臣(重光葵君) ただいま御採決に相なりました未帰還同胞の引揚促進に関する決議につきましては、もちろん、政府といたしましても、本問題の重要かつ緊急性にかんがみ、早急に、御決議の趣旨に従い、これが解決するよう、さらに一段の努力を尽す決意でございます。以上。(拍手)
○国務大臣(重光葵君) ソ連の対日宣戦以来そのままになっておりました日ソの関係を正常化し平和を回復するための交渉はようやく開かれる運びと相なりました。これまでの経緯については、すでに公表せられたところによって御承知の通りでありますが、その大要と、これに対処する政府の方針をあわせてここに明らかにいたしたいと思う次第でございます。(拍手) 御承知のごとく、ソ連は、サンフランシスコ平和条約の調印を拒否いたしまして以来ずっと同じ態度をとり続けて参ったのでございますが、国際情勢の変化に伴い、昨年半ばごろよりその態度を改めて、日本との平和正常の関係を回復するに異存のない意思表示をなすに至りました。昨年十……
○国務大臣(重光葵君) 沖繩の問題につきましては、昨日るる御説明申し上げた通りでございますが、直接わが同胞の、すなわち沖繩同胞の福祉に関する土地問題等がたくさんございます。これらにつきましては、従来とも政府は重大な関心を持って米国政府の注意をそのつど喚起しておる状態でございます。 最近、御承知の通りに、米国におもむいた行政主席比嘉氏のことにつきましては、米国において、この行政主席が米国議会にも陳情するということでございます。これには十分の便宜を与えておりますが、われわれといたしましては、その目的を貫徹することを祈っておる次第でございます。 それから、土地の賃借料等の詳細のことについては、材……
○国務大臣(重光葵君) お答えいたします。防衛分担金交渉において防衛六カ年計画を相手方に提示した事実があるかどうかと、こういうお尋ねでございました。さような計画もございませんわけでありますから、さような事実は全くございませんことを御報告いたします。(拍手)
【次の発言】 お答えいたします。
私は、自衛軍なるものは、自衛のためであって、いかなる他国をも侵略する目的を持っていないのでありますから、これが日ソ国交正常化の交渉に悪影響を与えることは、今内閣総理大臣の御説明の通りに、そういうことはない、こう考えます。
それから、オーストリアの問題でお話がありましたが、オーストリアは、御承知のように、……
○国務大臣(重光葵君) 去る五月三十一日私と米国大使との間に署名を了しました農産物の購入に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について国会の御承認を求める件に関し、提案の理由をここに申し述べます。 昨年七月米国において成立いたしました農産物貿易の促進及び援助に関する法律によりまして、従来のMSA協定に基く農産物の買付とは別個に、米国の農産物を円によって購入すること及びその贈与を受けることができる道が開かれたので、当時、前内閣は、これを利用するの方針のもとに、昨年秋以来ワシントンで交渉を始めたのでございますが、現内閣におきましても、この問題について慎重な検討を加えた上に、この交渉を継……
○国務大臣(重光葵君) ただいま御決議になりました在外財産処理促進に関する決議、この御趣旨は十分に尊重いたしまして、政府としては慎重に検討をいたすことにいたします。(拍手)
○国務大臣(重光葵君) お答え申し上げます。 現在の国際情勢が緊張緩和の方向にあるようには認められますが、いまだ最小限度の自衛力を不必要とするには至っておらないのでありまして、現在不十分なわが自衛力の充実のために、飛行場の拡張が必要となっておる次第でございます。国際情勢がさらに一そう緩和して、かようなことが不必要になる時期の来たらんことを希望するものでございます。 行政協定等を尊重して対米協力をなすというのは、国際信用を重んずるがためでありまして、すべて自主的にこれを行うものでございます。われわれはあくまで自主独立の外交をやることを申し上げて、お答えといたします。(拍手)
○国務大臣(重光葵君) 戦争受刑者の釈放問題につきましては、政府におきまして、これまで関係諸国に対し熱心にその要請をなし来たったのでありまして、関係国の態度は漸次好転して参りましたものの、今なお多くの末釈放者があることは、戦争終結後十年の今日、まことに遺憾にたえません。政府は、ただいまの御決議の趣旨を体して、いわゆる戦犯釈放具現方につき今後とも全力を尽し、その実現を期する所存でありますことをここに申し上げます。以上。(拍手)
○国務大臣(重光葵君) 私は、わが対外関係についてその概要を申し述べんとするものでございます。 これがためには、まず最近の国際情勢の動向についても言及するの要がございます。世界が共産陣営と自由民主陣営とに分れて激しく冷戦が続けられましたが、この形勢は本年七月ゼネバに開かれた米英仏ソの首脳者会談によって緩和せられ、原子爆弾による戦争は回避せられたかの観を呈し、全世界は一応安心をいたしたのでありますが、この会談においては、両陣営和解の基礎となる諸問題の処理はすべて次に来たるべき外相会議にゆだねられたのでありました。 十月ゼネパに開かれた四国の外相会議におきまして取り上げられた問題は、第一にドイ……
○国務大臣(重光葵君) 外交問題の御質疑にお答えいたします。 日韓関係について、正義を正義として強力に主張して交渉すべきだという御議論に対しては、私もその通りに考えております。主張すべきは主張しなければなりません。(拍手)しかし、砲撃の声明があったから直ちに激越なる言葉でもってこれに応酬するということは、平和外交の趣旨には沿いません。(拍手)あくまで平和的に国交の調整をやろうというのが政府の方針でございます。 対米外交につきましては、先ほど鳩山総理の御説明の通りであります。私は、対米外交について、自主独立の外交ということを言っております。自主独立の外交ということは、必ずしも、ただに反米政策……
○国務大臣(重光葵君) ただいま国際連合加盟に関する本院の決議が全会一致をもって採択いたされましたことは、わが国及び国民の重要なる意思表示として、必ずや世界各国の最も重要視するところとなることを信じて疑いません。私は、本決議を、直接に電報をもって国際連合事務総長、総会議長及び安全保障理事会議長に伝達し、かつ全加脚国代表に周知方取り計らうよう要語することにいたします。 今期国際連合総会は、会期余すところわずか数日と相なりました。関係国、特に安全保障理事会の常任理事国が、漏れなく、新たに多数国の加盟による国際連合の強化という大局的見地から、本問題を解決するに協力されるよう望んでやまないものでござ……
○国務大臣(重光葵君) わが国と韓国との間の諸懸案を解決して、もって両国永遠の和親関係を樹立することは、政府の熱望するところでありまして、極力これに努力いたしてきたのでありますが、いまだにその実現を見ないことは、まことに遺憾とするところでございます。最近、いわゆる李ライン問題をめぐって事態悪化の感がありますが、わが方としては、あくまでも話し合いによりましてこの問題の解決をはかる決意でございます。このためには、日韓双方に緊密な利害関係を有する米国政府の協力をも要請しておる次第でございます。 なお、韓国に不法抑留されておる日本人漁業者の救出については、重大なる人道上の問題として、他の問題に先だっ……
○国務大臣(重光葵君) 国際連合加入の問題について、概略の報告を申し上げます。 わが国は昭和二十七年国際連合加盟の申請を行なったのでございますが、同年九月の安全保障理事会においてソ連の拒否権行使のために否決をされました。しかるに、同年の国際連合総会におきましては、圧倒的多数決によりまして、わが国の国連加盟資格を承認された次第でございます。その後、わが国を含む申請国の加盟の問題は、国際連合において行き詰まりの状況を呈しておったのでございますが、本年、第十総会において、加盟問題の行き詰まりを打破すべく、カナダの提案にかかる、わが国をも含む十八カ国一括加盟案が上程されまして、これが圧倒的多数をもっ……
○国務大臣(重光葵君) 第二十四回通常国会の開会に当りまして、最近の国際情勢の動向とわが外交の諸問題とについていささか所見を申し述べますことは、私の最も光栄とするところであります。(拍手) 昨年十月ゼネバに開かれた外務大臣会議が事実上ソ連側と西欧側との間に物別れとなりまして以来、両者の緊張は不幸にして緩和されない形勢であります。 欧州においては、安全保障の機構もドイツ統一の構想もすべてたな上げのまま、形勢は行き詰まりの状態でありますが、欧州以外の地域においては、ソ連の新たなる積極政策によって、形勢は著しく動いて参りました。すでに御承知の通り、ソ連は、エジプトに対して、武器供与の手段によって……
○国務大臣(重光葵君) お答え申し上げます。総理のお答えを補足し、かたがた、その他の問題についてのお答えを申し上げます。 中国問題について、東亜の緊張を緩和しなければいかぬというような御趣旨は、全く私もその通りに考えます。世界の動いておることもその通りであります。しかしながら、今日世界の情勢は変化があるから中共との間に国交を回復するというふうなことには中共を承認するというところまでは動いておらぬと思います。 それから、その理由として、日本は、自主外交を放棄して、他国の外交に追随しておるということでございますが、私はさようには考えません。自主外交を維持すればこそ、自由民主の諸国と協力をいたし……
○国務大臣(重光葵君) 去る三月二日当院の本会議で行われた受田新吉君の御質問に対して、今日私から御答弁を申し上げます。 第一問は、近日中に米国国務長官ダレス氏が来訪する由であるが、その際日本に対して米国から新たに圧力が加えられることにならぬか、こういう趣旨の御質問でございました。お答えいたします、ダレス米国国務長官は、カラチにおけるSEATOの理事会の帰途にわが国に立ち寄るものでありますが、滞在期間がきわめて短かいのでございます。それで、改まった話し合いをする時間も少うございますが、政府といたしましては、その機会を利用いたしまして、日米間の了解を進めるために努力いたしたいと考えております。そ……
○国務大臣(重光葵君) 日ソ交渉の経過について、その後の情勢を御報告申し上げます。 ロンドンにおける日ソ交渉は、昨年六月以来正式に会談を重ねること二十三回に及び、その間、二回にわたり、ソ連全権が不在となったために、交渉は中断されましたけれども、国交を回復するということについては互いに熱意を示し、また、その方法として、平和条約を締結し、日ソの関係の正常化をはかるということに対しても、双方の意見は完全に一致し、自来そのため右平和条約の内容について交渉が進められてきましたことは、すでにしばしば申し述べた通りでございます。 交渉の結果、平和条約の内容は、本月二十日までに、約九カ項目について大体意見……
○国務大臣(重光葵君) 御質問にお答えいたします。 日ソ交渉の最中に、今お話のごとき事態の発生が報道せられました。このことはきわめて遺憾に存じます。在ハバロフスク同胞の境遇に対しては、もとより深く同情をいたすものでございます。この抑留者の待遇改善のためには最善を尽すべきことは当然でございます。しかも、非常に急を要するものでありますので、政府は、直ちに、ロンドンにおける全権団をして、このことをソ連の全権団に通告せしめて、即時事態の改善をはかるように強く要請して、その反応を待っておる次第でございます。なお、抑留者の状況につきましては、もちろん、可能な限りの手段を尽して、その状態を調査いたしておる……
○国務大臣(重光葵君) ただいま御決議になりました三件、すなわち、一、在ソ未帰還同胞の引揚促進に関する決議、二、北洋漁業確保に関する決議、三、日中貿易促進に関する決議、以上の三件につきましては、本院の御決議の趣旨を尊重して、政府としては十分これに善処いたしたい所存でございます。(拍手)
○国務大臣(重光葵君) ただいま、いろいろ事例をあげて、米国の態度を非難せられております。また、御意見をも付加されております。その御意見の趣旨には、私は賛成するわけに参りません。御指摘の諸点については、必要なる場合には米国政府との間に折衝を進めておる次第でございます。 なお、私に対する御質問は、大使館を引き揚げろということでありましたが、引き揚げる意向のないことを申し上げます。(拍手) 〔国務大臣石橋湛山君登壇]
○国務大臣(重光葵君) 日ソ交渉について御報告をいたします。 ソ連政府は、さきに極東魚族の増殖及び保護について審議を行なった結果、極東のサケ、マスの減少は日本漁業者の公海における乱獲によるものであるから、これを停止させるための緊急措置を考えたい旨を発表いたしまして、ロンドンにおける日ソ交渉が自然休会に入るや、直ちに北洋におけるサケ、マスの漁獲を制限する措置を発表いたしました。 よって、政府は、三月二十二日、松本全権をして、ソ側に対し、右ソ連の不法措置に抗議せしめ、さらに、日本側においてサケ、マスの乱獲の事実のないことをも指摘し、魚族資源の保持及び海難救助の問題についてソ連側と話し合いをなす用……
○国務大臣(重光葵君) お答えをいたします。 私の国会に対する本件の報告及び外務委員会における答弁は、漁業交渉を開始するに至りました経過をそのまま御説明をいたしたものでございます。本件のきわめて重要な、また緊要なことは、よく承知をいたしております。それでありますから、日ソ交渉が自然休会になるとともに、この交渉を開くことを提案いたしたわけであります。その提案に対して、ソ連側は交渉を開始しようということに承諾をしてくれました。そこでこの交渉が始まるわけでございます。一般の問題としては、日ソ国交をすみやかに調整するために、懸案の解決に努力をしてきたことは御承知の通りであります。政府の方針は少しも変……
○国務大臣(重光葵君) 日比賠償交渉は、鳩山内閣以前すでに数年にわたって継続いたされておりましたが、双方の熱意にもかかわらず、ついに結実するに至らなかった次第であります。今日ようやくその解決の見通しを得るに至って、ここに交渉の経過の大要を報告申し上げるの機会を得ましたことは、私の最も欣快とするところでございます。(拍手) フィリピン賠償問題の解決は、これが日比両国の国交正常化の前提として必要であるばかりでなく、これによって通商貿易の増進もまた期待せられる次第でございます。昨年春、第二次鳩山内閣が成立するや、フィリピン大統領マグサイサイ氏は、鳩山総理に、賠償問題を早期に解決し両国国交の正常化を……
○国務大臣(重光葵君) 日本国とフィリピン共和国との間の賠償協定の批准について承認を求めるの件につきまして、提案趣旨の説明を申し上げます。 去る五月九日にマニラにおいてわが国とフィリピン共和国の全権委員の間で署名を了しました、日本国とフィリピン共和国との間の賠償協定の批准について御承認を求めるの件について、その交渉の経過及び協定の内容を御報告申し上げます。 フィリピン共和国は、昭和二十六年九月サンフランシスコにおいて平和条約に署名いたしたのでありますが、同国は、わが国との間の賠償問題が解決せられない限り、同平和条約の批准を行わず、従って、わが国との間に正常な国交関係を樹立しないとの方針をと……
○国務大臣(重光葵君) お答えいたします。 御質問の大部分は御意見の表示でありました。御意見のあるところは十分傾聴いたして、外交の運営に参考に供したいと思っております。(拍手) なお、日ソ関係について、お前に認識不足はないかと言われます。認識不足のないように、せいぜい努力をいたしておる次第でございます。(拍手)私は、日ソ国交調整をはからんとするわが政府の従来の方針は決して間違っていないと考えおります。(拍手) さらに、領土の問題について、日ソ交渉のことに関連して御質問がございました。この問題について、今日までの方針を何ら変更いたしておりません。将来交渉が再開する上はどう発展をするかという……
○国務大臣(重光葵君) 第二十五回臨時国会の開会に当りまして、最近の緊張したる一般国際情勢について、いささか所見を申し述べますことは、私の最も光栄とするところであります。 本年初めの通常国会において、私は、国際情勢の動向について述べ、今後の推移に対しては特別の注意を払う必要のあることを警告した次第でありますが、最近の世界の形勢はまさに容易ならぬもののあることを認めざるを得ないのであります。言うまでもなく、これは中東及び東欧における異変に基くものであります。 中東アラブ界におきましては、民族主義はすでに最高潮に達し、本年七月エジプト政府がスエズ運河会社の国有化を宣言したのを契機として、英仏と……
○国務大臣(重光葵君) お答えいたします。 最後の御質問から順次にお答えをいたします。国際情勢の見通しを十分にしなければならない。全く私もそう考えて努力をいたしておるのでございます。国際情勢の見通しは非常に困難でございまして、まず、小さな具体的の問題はなかなか予見することが困難でありますけれども、大体の大勢に当っては、これをよく把握しなければならぬと思います。昨今非常に緊張の度が増してきたのでありまして、しかし、それにもかかわらず、各国とも平和確保のために全力を注いでおるわけでございますから、これもあまりに悲観することも当らぬと思います。しかし、それがためには、これに対する対策としては、貿易……
○国務大臣(重光葵君) 日韓会談をぜひ進めていかなければならぬ、必要に応じては米国のあっせんをも促さなければならぬという御意見につきましては、私どもも、まことにその通りに考えて進んでおります。今日まで遅々として進みませんけれども、いろいろの話し合いができるように相なっておりますことも、米国の関心が非常に強く、そのあっせんがあずかって力があったことを申し上げます。しかし、まだ目的は達しません。そこで、日韓会談をどういう糸口をつけて始めるかという点について、まずお話がございました。久保田発言などのごときものはもちろん撤回して差しつかえないのでございます。さようなことで先に進み得るならば、これはその……
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