このページでは芦田均衆議院議員が委員会や各種会議(※)で行った質問や答弁などの発言の冒頭部分と会議録本文へのリンクを一覧化しています。芦田均衆議院議員「委員会統計」(全期間)には委員会および各種会議の活動状況の集計結果を示しています。本会議での発言の統計と一覧については本会議発言のページを参照してください。
※「各種会議」は本会議、常任委員会、特別委員会以外の会議録の存在する会議を指します。具体的には、小委員会、分科会、公聴会、調査会、審査会などです。
○芦田國務大臣 本會議において引揚促進に關する緊急質問を行われてることは、委員會の多数の御意向であるならば、これは至極適當な御措置であろうと思います。これに對して政府は隔意なき答辯をいたすことに取計つて差支ないと思います。ただ政府の答辯といたしましては、御承知の通りのような情勢でありますから、諸外國を刺戟するごとき言葉を用いることは、十分愼まなければならぬ立場にあります關係上、あるいはそれらの點について多少齒がゆくお感じになるような場合があるかもしれないと思います。その邊のことはすでに各位において十分御承知のことでありますから、あらためて申し上げるまでもないことでありますけけども、その點はあら……
○芦田國務大臣 安東君の御質問に對してお答えいたします。數日來新聞紙上においても、終戰連絡事務局の機構を中央官廳のいずれの部分において管掌することが適當であるかどうか。また現状の外務省の一外局のごとき形において外務大臣が兼ねることが適當であるかどうかという問題が論じられておるというふうに傳えられております。その問題が政府部内においてただいま研究されつつあるということは事實でありまして、その結論に到達していないというのが今日までの實情であります。御承知のごとく、占領軍が上陸して間もなく、日本政府に對する一つの指令が發せられて、日本國政府と連合軍總司令部との間に事務連絡及びこれらの事務の總合的の任……
○芦田國務大臣 ただいま原君から質問せられました問題は、おそらく日本全國民が重大な關心をもつている問題であるばかりでなしに、世界各國においても、きわめて注意深く考慮しつつある問題であると思うのです。新憲法制定以來、日本が平和愛好國民として、また文化的國家を目標とする新しい民族として、一切の軍備を放棄し、絶對に戰爭を否認するという態度を明らかにしたのでありますから、われわれの志すところ、その目標は、すでに明らかであるけれども、しからばその一方的な理想の表明をもつて、將來安泰に民族の經營を營むことができるのであろうかということは、われわれの當面する問題のうちで、最も重要なものであることは、いまさら……
○芦田國務大臣 高瀬君は少し誤解をしておられると思うのです。御承知の通り行政事務と國会事務とは車の両輪であります。國会が開会中といえども、行政事務を怠るわけにいかない。大臣が常に國会に出席し、所管局長がそれぞれその事務について國会に出るとすれば、だれかその官廳に居残つて、行政事務を掌る責任者が必要であることはよく御承知のことであると思います。しかるに大臣も、事務次官も政府次官も、局長も、あげて國会に來ておつては、政府の行政事務というものがいきおい澁滯のおそれがあるというので、これはすでに数年來の慣例として、事務次官は政府委員に任命しないというのが歴代内閣の方針としてとり來つたものであります。こ……
○芦田國務大臣 本法案の提案理由につきまして御説明申し上げます。 連合國官憲による日本占領の開始以來、政府と連合國官憲との連絡につきましては、終戰連絡事務局がその衝に当つていたのであります。占領当初におきましては、國内諸機関の側におきましても、また占領軍当局の側におきましても、相互の機構に不案内であり、從つてその間において終戰連絡事務局は行政の各般にわたり両者の連絡の窓口としての機能を行つていたのでありますが、その後漸次総司令部各部局及び日本側各機関において、その所管の事務につき相互に直接連絡の、途が開かられるに至り、終戰連絡事務局が連絡を行う事務の内容は漸減してきた実情であります。これは直……
○芦田國務大臣 ただいまの御質問に対して、その前半にお述べになつた佐々木君の考え方は、全然私の同感に思う点であります。日本は平和の理想を高く掲げて世界に呼びかける。そしてどこまでもその理想の貫徹に國民あげて力を盡す以外に、みずから武力をもつて國を護り、もしくは武力によつて世界の平和に貢献するという力はもつていないのであります。從つて今日わが國がこの世界の情勢に鑑みて、どうすれば國民生活を安全に営んでいくことができるかという問題は、必ずや國民多数の頭に往來しておることと信ずるのでありますが、私の考えをもつてすれば、おそらく現在の日本に対して、侵略の手を差伸ばすというがごとき國が世界にあるとは少し……
○芦田國務大臣 高瀬君の多大の関心をもたれる平和会議の問題は、日本國民あげて同樣なる関心をもつ点であることは、申すまでもありません。いつ対日講和会議を開くかという点は、連合諸國の間にそれぞれ違なつた意見が行われているようであります。しかし現在のところわが國の政府においてこの問題に対して発言し得る立場にいないことは、高瀬君も御承知の通りであります。またこれらの諸國に対して、いかなる見解をもつているかという正確な意向を確かめる方法もないのであります。われわれ日本國民としては、一日も早く連合諸國が一致してわが國と平和條約を締結するごとき手段をとられることを熱望する、そういう意思表示を國民が行うことは……
○芦田國務大臣 ちよつと附け加えて申し上げておきますが、五月七日に会期が終つてしまうと、おそらくまたすぐ六月以後の本予算を審議していただく時期が來るのではないかと思う。そこで会期を延長することがいいのか、あるいは七日で打切つて、また臨時國会ということですぐ開くのがいいのかということは、これは政府でかれこれ言うべき問題でもなし、國会の意思できまるべきものだから、政府はまだそこまで実は閣議等で決定しておりません。第二國会を期日通りに閉めてすぐ臨時國会にするか、あるいは会期の延長で行くのかということをきめてはおりません。しかし今のところでは、第二國会を終了してもおそらくすぐ臨時國会を開いて、本予算の……
○芦田國務大臣 私からお答いたします。この前の運営委員会で、政府が本予算を中旬には出しますから、ついては二十日まで会期の延長を御考慮煩わしたいということを言つたのは、実は一つの前提の上でそういう日にちを計算したのであります。というのは、ここですから率直に申しますが、大体政府の案は五月の十日にできたのです。それですから順調に行けば二十日以前に提案ができるので、これに必要な審査を加えるために約一箇月の会期延長を許してもらえば、何とか予算の審議が願えるのではないか、こういうことで、あのときいろいろ事情を述べてお願いをしたわけです。ところがいよいよ十日にできても、また一つ関係筋を通らなければならぬとい……
○芦田國務大臣 この際賠償廳設置に関する法律案の提案の理由を説明いたします。 賠償事務の処理は賠償物件を管轄する官廳が大藏、商工、運輸、文部の各省にわかれておる関係がありまして、実施作業は各省の責任においで現に行つております。しかし実施計画の立案及び事務の連絡調整は安本の生産局と、終戰連絡中央事務局賠償部とが協力して今日まで処理してまいつたのであります。しかるに今回終戰連絡事務局の廃止に伴いましで、この際賠償に関する責任大臣を定めると同時に、賠償廳を設置する案を立てた次第。あります。 賠償事務の処理が、前に申し述べましたように、各省にわかれた複雑になつておる点につきましては、かねて連合軍総……
○芦田國務大臣 ただいま委員長から、委員会の御意向を三箇條にわけて御説明がありました。一々御指摘の点は理由のあることと思いますが、根本の統制の問題につきましては、すでに御承知の通り、今日のごとく全世界にわたつて需給の関係が崩れており、物と人口との比例が著しく均衡を失つているという時代においては、やむを得ざる統制をある程度行つていることは、各國みなその例に漏れません。アメリカのごとき物資の豊かな國においてさえも、必要に應じて相当廣い範囲の統制を行つているのであります。統制なくして全然自由経済のもとに住んでいる國がきわめてまれであるという例を見ても、今日の世界的の経済危機に際して、各國とも統制制度……
○芦田國務大臣 第一の質問は、予算の提出が非常に遅延したことについて、政治的の責任を感じないかという質問でありました。この質問は予算審議の本会議において再三提議せられた質問でありまして、その都度政府においては相当詳細にお答えしたと考えております。今日特にこれに附け加えてお答えする点はないと思いますが、政府としては三月十日に組閣が完了して以後、四月、五月、六月の暫定予算をつくり、さらに引続き昭和二十三年度の本予算を編成いたしたのでありまして、期間的に考えて、從來いずれの政府に比べましても、特に現政府が予算の編成に長時日を要したとは考えておりません。そのことは青木君は、前々議会において石橋大藏大臣……
○芦田國務大臣 経過のことは私の記憶をたどつてお答えいたしますが、原案は大藏省の給與局と法務廳との事務的研究の結果を閣議に提出したのでありまして、閣議においては、きわめて愼重にこれを論議いたし、正式の政府原案として國会に提出したわけであります。
【次の発言】 閣議は原則として内閣総理大臣が招集して議長を勤めますから、いずれの場合においても、原則として総理大臣が主宰をし決定を與えます。國会に提出したしましたものが、これが閣議の正式の決定であることを御了承願います。
【次の発言】 占領治下における日本の政治のあり方は、政府の独自の見解において立案したものといえども、この案について関係方面の協力を得……
○芦田國務大臣 内閣総理大臣及び國務大臣は、ともに國民の公僕でありまい。いずれも國民に奉仕するをもつてその重要なる使命としておるのでありますが、政務及び事務の取扱いの上において、いずれかの人間が統一を保つだけの権限をもたなければならない。そういう意味において憲法並びに國家行政機構の法規においては、内閣総理大臣にその意味の権限を與えておることは、岡井君にただいま御指摘になつた通りであります。そういう意味において、内閣が一つの会議体としての政務及び事務を運用する上において、総理大臣が十分の責任をとつて、その統合調整をはかる決心をしております。
○芦田國務大臣 花村君の御指摘になられた点は、まことにごもつともで、われわれ一同の遺憾とするところであります。一國文化は交通機関の状態で判断できるといわれるくらいに、わが民族の持性と、文化程度とが、鉄道運輸によつて判断される次第であります。敗戰後の道義頽廃振りは、わが大和民族がかほどまでに堕落したかと思えば残念な次第です。これを解決するには、どうすればよいか。これには花村君指摘される通り、刑事訴訟法に詳細な規定を設けるのもよい方法でしよう。しかしそれだけで救済できるかというと、そうではない。各方面にわたつて複雜な事柄を考えなければならない。 鉄道公安については、鉄道公安官を設けて犯罪を搜査し……
○芦田國務大臣 第一点の出先機関整理の問題につきましては、数日前に参議院の本会議において発表したものが第一次整理案であります。御記憶の通り、出先機関が設けられたのは主として一昨年の春でありまして、吉田内閣の末であります。その当時の経過を辿つて考えますと今日多数にのぼつておる出先機関の大多数のものは、全國的に仕事を行うために必要な機関であつて、たとえば経済生活の上からみまして生産縣と消費縣とが互いにその縣の利害関係のみに重点をおいて、必要物資を配給することがあると、生産縣は非常に豊かな配給を受け、消費縣は常に物資の不足に悩むのでは國家全体の経済生活に差支えがある。これは一例でありますが、さような……
○芦田國務大臣 ただいまの御質問は、実は私としてはかえつて意外に感ずるのでありまして、私どもは十分國会の権威、意向を尊重するのであります。從つてもし出先官憲の問題において、衆議院がこれだけのものは廃止すべきである、整理すべきであるということであれば、法律案として修正案なりあるいは特に改正案なりを御提議になつて、その意思を貫徹せられる途は十分に開かれておるのであります。むろんわれわれの方は、國会としては必要な場合にはかような法案が出ることはよく了解しておるのであります。從つて、國会のそういう権限を心得ておるから、特に國会に向つてわれわれがかれこれと返事とか回答とかいうものは必要としない関係にある……
○芦田國務大臣 わが國の政界を粛正して、民主主義政治をほんとうの軌道に乘せていくためには、まず國会みずからの姿が透明なガラス箱の中にはいつて、どこから見ても、どこから衝かれてもさびの出ない、屑の出ない姿であることが先決問題であることは申すまでもないのであります。そういう意味において、本委員会が活動せられるということは、政府としても満幅の同感をもつ問題でありまして、今後のわが民主政治確立のためにこの委員会の活動に大きな期待をもつておるのであります。そういう意味において、今後本委員会の活動上必要な場合には、政府は極力協力することを惜しまないものであります。のみならず政府としても、この委員会がりつぱ……
○芦田證人 三月の二十二、三日に私が自由党を脱党しまして、間もなく三月三十一日に民主党が結党式をあげたと記憶しております。そのころ集まつた者は、進歩党、自由党からの一部分及び國民協同党、無所属、それらの所属議員が集まつて民主党と称するものを結成したわけであります。
【次の発言】 当時党の結成についての費用は、もちろんある程度必要であつたろうと思いますが、その方面の事務は一切地崎君が担当しておりましたから、私自身としては当時の事務に関係はしていなかつた関係上、内容等について申し上げることは非常に困難であります。
【次の発言】 当時の民主党は最高委員が六、七名集まつてこれが最高の機関であつて、幹事……
○芦田國務大臣 磯崎郡にお答えいたします。ただいま種々政府に向つて予算の提出その他機宜を失しない敏速の処置をとるようにという御要請に対しましては、至極ごもつともなる御意見であると存じます。御承知の通り、今日わが國の財政は未曽有の窮状に立つておるのでありまして、國費は日に月に増加するにかかわらず、これを賄うべき財源の発見には、一方ならぬ苦心を要する点もあります。また占領下の日本としましては必ずしも政府の所信の通りに、諸般の問題を解決し得ないような事情もありまして、かたがた明年度の予算編成の時期も、この月いつぱいに來年度予算を提出して御審議を仰ぐことは、あるいは困難な事情にあるかとも思いますけれど……
○芦田國務大臣 ただいま御質問の点は、すでに一箇月余前に財政法の第三條をいかすという方針を決定いたしたのでありますから、財政法の規定する趣旨に基いて、國会の御審議を受けることになると思います。
【次の発言】 行政整理を行うことは、片山内閣当時にすでに決定いたしておつたのでありますが、さらに今回の組閣以前に、與党三派の間の政策協定においても、行政整理を行う方針を明らかにいたしておるのでありますから、この内閣の存続する限り、行政整理を行うに問違いないと御了承願います。
【次の発言】 西村君の御存じの通りに、すでに本年は年度末に追つている関係上、明年度予算の当初は、一時暫定予算によつて國会の審議を受……
○芦田國務大臣 ただいまの上林山君の御質問は、私あまり公債について詳しいことを知らないので、そのときどういうふうに答えましたか、一應速記録を見てお答えいたします。
【次の発言】 この問題について、大藏大臣より数度にわたり答弁をされたはずであります。内閣はこの問題については、大藏大臣のここで言明せられた通り、処置をするつもりであります。
【次の発言】 お答えいたします。大藏大臣がこの席で答えていることは、内閣の意見を代表して答えているのでありまして、一々委員会の前に打合せをしたわけではありませんけれども、大藏大臣がこの席において責任をもつて答弁したことは、すなわち私をも含む内閣全体の意向であると……
○芦田國務大臣 西村君にお答えいたします。ただいま御質問の趣意は、政府においても全然その通りに考えて提案いたした次第であります。
【次の発言】 お答えいたします。昨日政府閣僚が予算委員会開会の時間にここに出席することができなかつたということは、はなはだ残念なことでありますが、率直に申しますと、やむを得ざる差支えのために出席ができなかつた事情でありまして、かような事故がなければ、もとより本予算委員会に出席して、それぞれ國会の審議に対して、政府の立場を十分に説明する意向はもつておつたのであります。その事情は御了承あらんことをお願いいたします。
○芦田國務大臣 磯崎君にお答えいたします。われわれ國民が一日も早く平和條約を締結いたしたいという熱望をもつていることは、たれも変りはないのであります。しかるに連合國側においても、いろいろ國際情勢を考慮した結果とみえまして、昨年の夏ワシントン政府から、平和予備会議を招集する招請状を発した後、その会議招集の機運が、いろいろの難関に逢着したとみえまして、今日のところでは、いつ対日講和会議が開かれるかという見透しは、立ちにくいという情勢になつているごとくみえます。むろんこれらの点につきましては、わが政府は、いずれの國の政府とも、直接に話合うことの権能をもたないために、個々の政府に向つて、その意向を確か……
○芦田國務大臣 お答えいたします。不用意で三党政策協定の成文及び予算のこまかいものを、ただいま持つておりませんが、大体全体としては、三党政策協定に掲げたものは、予算に織りこんであります。織りこんでない箇條は、きわめて少数だと心得ております。
【次の発言】 ただいま上林山君が引用せられました民主党党大会の決議というのは、どこから御入手になりましたか。私の承知している限り、さような決議をいたしたことはありません。分科会において今お述べになつたような意見が出たことは、よく承知いたしております。しかし決議の中には、さような項目は一つもないことを信じておりますが、もしその上林山君の出所がどういう筋であつ……
○芦田國務大臣 最近に至つて巷間國民の道義の標準から、はなはだ好ましからざる傾向をもつ種々の印刷物が出ておることは、上林山委員の御指摘の通りであります。政府としても、できることならば、今日非常に貴重な紙を、風教に害があつても益のないような方向に使用せられることは、まことに憂うべき現象であると考えております。しかしながら、文部大臣から説明をいたしましたごとく、わが國の憲法の精神は、あくまでも民主的な、そうして言論の自由を尊重するという建前でありまして、法規に反するごとき卑猥な文字は、これを嚴重に取締ることは当然でありますけれども、その範囲にわたらざる言論の自由を拘束することは、一方において、また……
○芦田國務大臣 中崎君のお話のように、わが國の通信及び運輸特別会計においては、終戰以來莫大な赤字を出しておる。日本は米英その他と違つて、運輸及び通信を主として國営に一任しておる結果、その赤字がひいて一般國民に租税の過重となつて現われておる。いわばわが國特殊の現象ともいうべきものであります。これらの問題は、根本にさかのぼつて考えて、一切の赤字の政府事業を民間に拂下げたならば、これで黒字の経営ができるのかどうかという点まで深く掘下げて研究すべき問題であると考えますが、現在の段階においては、それらの問題をとり上げて考慮しておるわけではありません。さしあたりの問題は、國営事業の赤字をどういう方法で埋め……
○芦田國務大臣 中原君の指摘されましたごとく、とかく今日のごとき激動期においては、あるいは民主主義精神の行き過ぎが起つたり、あるいはきわめて善意ではあるが、物事を了解しないがために、時としてはまた過去の反動的な政策を十分に清算し得なかつたりする現象の起ることが、見受けられるということにおいては、私も同感であります。現政府においても、新しい憲法の精神に則つて、労働組合の健全な発達を希望しているということは、繰返し述べております。私個人としても、今日の労働組合法は、私が責任をもつて起案をして國会に提出をして、國会の承認を得た労働組合法であります。当時世間は内外ともに比較的進歩的な労働組合法であると……
○芦田國務大臣 ただいま田中君より長野縣下の事例を引いてのお話は、私自身にとつてはまつたくあたかも藤村の「破戒」の感を新たにしていただいたような感じがいたします。というのは、身の郷里にも川一つ隔てて同じような部落があります。しかし京都府下における親和事業は、比較的よく実施されてきたように観察しておるのでありまして、直接自分の耳にはいる限り、今お述べになつたような不祥事件は、あまり起つておらなかつたのでありますから、その他の地方に起つた事件についても、実ははなはだ不注意にして、その事件の報告を受けておりません。しかし今お話の事件は、たしかに重大な問題であります。その他にもまたかような問題が現にあ……
○芦田國務大臣 海野君の科学研究を強調せられる御精神は、政府においても全然同感でありまして、さなきだに科学的精神の欠乏を痛感しているわが國において、一日も速やかに科学振興の方法を講じなければならぬことは、申し上げるまでもないのであります。海野君も指摘されましたごとく、現在の科学振興に関する経費が少いことは、アメリカその他に比べてほとんど雲壤の差があると考えられるのであります。しかるところ戰敗國として、われわれが今日戰災をこうむつたる諸般の救済費用、あるいは災害に悩まされている地方の実情に鑑みて、災害復旧に多額の費用を必要とし、また國民教育の完成のためにも六・三制その他に莫大な経費を要する関係上……
○芦田國務大臣 財閥の解体については、野坂君もかねて御承知の通り、ポツダム宣言の規定するところに從つて、今日まで種々の方面から財閥勢力を瓦解することに努めてきたのでありまして、今日においては、ほぼその事業も終了しておると思います。あとは、かつて財閥の威力を振つていた会社に殘つている重役、経営者の任免の問題が殘つておる程度であります。人的構成においては、大体これを一新することができたと思います。また財閥の持株等については、持株会社整理委員会がこれを全部管理しております。最近にはその一部分を一般市場に賣却をしております。その他財閥家族の日常生活に対しても、嚴重な制限を加えており、一々の生活費にまで……
○芦田國務大臣 ただいまの御質問は、昨日野坂參三君より御樣の質疑がありました。その際一應政府の見解を答えておいたのでありますが、われわれはどこまでも、國民の総意によつてでき上つた新憲法の精神に基いて行動すべきが当然であると考えております。御退位問題等につきましては、今日のところ政府において何ら問題といたしておりません。
【次の発言】 現在の難局に処して、いなかる政策が最も適切緊要であるかという見地から、昭和二十三年度の予算案を編成し、また行政整理その他については、今朝参議院の本会議で発表した通り、第一着手の行政整理も実行いたす所存であります。その他國内諸般の施設については、それぞれ國会の審議を……
○芦田國務大臣 現内閣は三党政策協定に基いて、その基盤の上に成立しておるのでありまして、超然内閣であるとは考えておりません。
【次の発言】 國会の多数が予算案を修正せられたときには、政府はこれを尊重する考えであります。
【次の発言】 この予算の修正につきましては、具体的に日本社会党、民主党及び國民協同党より、修正の要望を受けたのであります。政府の見るところによれば、これら三党に所属せられる議員諸君の数は、國会の過半数を占めておるものと考えましたから、その要望に從つて、修正することは、民主主議政治の原則に反しないと考えたわけであります。
○芦田國務大臣 お答えいたします。去る四月一日に外務委員会において、本問題について私が答弁をいたしましたのは、もつぱら三党政策協定の線に沿うて答弁をいたしたのであります。言葉をかえて言うと、労働法制の改惡は断じて行わないという線に沿うて答弁をしたのでありまして、ただいまお読み上げになつた速記録はきわめて一部分でありまして、私が写してきた速記録には、もう少し長く答えておるのであります「アメリカにおいて最近立法せられたるタフト・ハートレー法のごときものを、日本にはたして急遽制定する必要があるかどうかということは、目下政府においても考慮しております。現在のところすぐにこれを立法化するかどうかというこ……
○芦田委員 今回の平和條約は、わが国の歴史における画期的の記録であり、永久に民族の脳裡に残さるべき記念塔であります。しかもこの條約は、戦争によつて引起されたる一切の過去に終止符を打つと同時に、日本が世界的怒濤の中に処して将来進むべき新しい針路を決定したものであります。新しい方針を決定したと私が申すのは、単に日本のみの問題ではありません。連合諸国、なかんずくアメリカの政界、言論界の間においては、今回の対日條約調印は、アメリカの安全保障に関する新しい政策の出発点であると申しております。この平和條約と安全保障條約とを一体として考えてみれば、それは将来日本がいわゆる民主主義諸国群と歩調を合せて共産勢力……
○芦田委員 現在われわれ国民が深い関心を持つ問題は、何といつても国家防衛の問題であります。わが国周囲の情勢が依然として不安定である限り、防衛問題がますます朝野の関心を集めることは当然のことでありましよう。ところが吉田内閣の防衛に関する方針はすこぶるあいまいであり、明瞭を欠いております。その上に政府閣僚諸公の発言は、申せば朝令暮改、毎日のようにかわるために、一般国民は政府の真意がどこにあるかということは迷う点がすこぶる多いのであります。それゆえに内閣総理大臣の口から直接政府の政策を聞き取り、国民に徹底させるようにとりきめなければならぬというので、本日委員会が開かれたのであります。吉田総理ば職務柄……
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