中曽根康弘衆議院議員の在職時の本会議での質疑や答弁などの発言についてまとめています。発言回数、発言文字数、発言時の役職、立場、各発言の冒頭部分の内容の一覧が掲載されています。
委員会や各種会議での発言等については委員会統計/発言一覧のページを参照してください。
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※「発言」は発言が記録された本会議の数、「文字数」は発言として記録された文字の総数を示しています。
※「議会役職」は議長、副議長など国会の役職、「政府役職」は大臣などの内閣、政府関係の役職が記録に付されていた場合を集計し、「非役職」は議会役職、政府役職いずれでもない場合を集計しています。
※国会会期は各選挙期中で最初にその役職での発言が記録された会期を示しています。
○中曽根康弘君 私は、地方自治と行政改革の問題に関しまして、警察制度の改革はいかにあるべきか、具体的の方策を論じて見たいと思います。 御承知のように終戰以來の日本の治安状態は、敗戰國といたしましてはかなり良好に推移いたしておるのであります。これは一方においては当局のなみなみならぬ苦心もあると思いますが、占領軍側におけるところの陰ながらのいろいろな御苦心や、あるいは陰ながらの権威に頼るところが甚大であると考えます。殊に近く講和会議が開かれましても、もし一本立ちになつた場合は、自分で自分たちをまとめ治める力を養わなければならない。そういう事態に立至つております。もしこの改革の方向において適期を失……
○中曽根康弘君 二日にわたりまする各議員の熱心なる御討論を拜聽いたしまして、政府においてももちろん、われわれも非常なる示唆と感銘とを得た次第であります。各党派ないしは議員によりまして発言の表現は違うようでありますが、私は次のような点において大体において思想の一致があるように見受けた次第であります。 まず第一は、地方分権をもう少し実質的に断行し、拡充しろという意見であります。この意見は、権限の地方に対する大幅な委讓をやれ、あるいは出先機関を徹底的に整理して、地方のことは地方で收まりがつくようにやれ、あるいは煩瑣なる統制手続はこの際撤廃して、もつと物と人が有効に迅速に動くような措置をやれ、こうい……
○中曽根康弘君 私は、民主党を代表して、國家公務員法改正に関し質問したいのでありますが、総理大臣は所用でおりませんようですから、明日御答弁を伺います。労働大臣、大藏大臣、臨時人事委員長に質問をいたしたいと思います。私が質問をいたしますことは、大略次の三点であります。すなわち、本改正案における憲法、行政法上の問題、第二は労働法上の問題、第三は財政法及び本法の実地運用上の問題であります。 まず、第一の問題の内容について申し上げますと、その一は、本改正案における憲法違反に関する疑義の問題であります。その二は、本法の反立憲的性格の問題であります。その三は、反國家的不法行為に対する措置、その四は、雇用……
○中曽根康弘君 ただいま一括議題となりました四法案並びにその修正案に対して、民主党を代表いたしまして賛意を表する次第であります。(拍手) 日本國有鉄道法案並びに日本專賣公社法案は、從來の國有國営企業を一括して公共企業体に改編し、もつて企業の民主化と能率化と、それから独立採算制へ一歩前進せんとする試みでありまして、この点ついて、われわれは賛意を表する次第であります。 次に、郵政省並びに電氣通信省設置法案につきましては、文化國家として世界水準に肉迫せんとする意図、また特に郵便業務の信用性を確保し、從來の官廳機構並びに機能に一大刷新を加え、能率主義と合理主義を徹底せしめんとする意図を持つておる点……
○中曽根康弘君 私は、民主党を代表いたしまして、ただいま議題となつております両議案に対して、忍びがたきを忍んで賛威の意を表する者であります。 吉田内閣成立してここに三箇月、われわれは、この内閣の能力とこの内閣の出現が日本民族の國際信用に及ぼす影響を考慮したがゆえに、國家の前途を思つて、この内閣の誕生に消極的見解をとつたのであります。はたせるかな、内閣出現と同時に、ニユーヨーク・ヘラルド・トリビユーンを初めとして、日本は國際世論の猛烈な反撃を浴び、吉田内閣は、國際的には好ましからぬ勢力の傀儡としての刻印を押されたのであります。 しからば、國内的にはこの内閣の治績いかんと言えば、統制撤廃をもつ……
○中曽根康弘君 私は、民主党を代表いたしまして、ただいま上程されました昭和二十四年度一般会計並びに特別会計予算に対して反対の意を表するものであります。次に私は、本予算編成に関する政府の構想を批判しつつ、われわれの見解を披瀝せんとするものであります。 本年度予算を審議するにあたつて、われわれがまず究明しなければならない問題は、現政府における政治責任の不明確の問題であります。政治責任が不明確であるがゆえに、現在の政界と政府の政策の昏迷があり、國民の忿懣のはけ口がないのであつて、まことに今次予算編成における政府の態度は遺憾にたえないのであります。 まず第一に、吉田内閣は本予算を策定する基礎として……
○中曽根康弘君 私は、民主党を代表いたしまして、ただいまの統制撤廃の問題に関して、関係大臣に質問をいたしたいと思います。 このたびの指定生産資材割当規則を中心とする一連の統制撤廃に関しては、私は、ある程度の経緯を実は表するのであります。御存じのように、今回の統制撤廃によつて、まず第一に、国家財政の負担がかなり軽減されるであろう、第二番目に、今まで統制あるがゆえに流通を阻害されておつた部位が、かなり打開されるのであろう、第三番目に、統制あるがゆえに、統制にからむいろいろな犯罪、そういう暗黒面が、社会からある程度払拭されるであろう、こういう、いい結果を反面生むと思うのであります。しかし、この統制……
○中曽根康弘君 私は、国民民主党を代表いたしまして、ただいま議題となりました諸予算のうち、昭和二十六年度一般会計予算を次のごとく組みかえせんことを政府に要求し、本諸原案について反対の意思を表明するものであります。(拍手) 昭和二十六年度一般会計予算に対する修正――歳入、外国為替特別会計への操入れ中止五百億、歳出、一、緊急食糧増産対策費百五十億、内訳、土地改良百億、寒冷地対策その他農業経営改善費三十億、農林漁業協同組合再建利子補給二十億、二、価格調整費増百億――食糧、燐鉱石、カリ等輸入品の価格調整のためであります。三、地方財政平衡交付金増百十五億、四、社会保障費七十五億、内訳、戰争犠牲者援護費……
○中曽根康弘君 私は、改進党、社会党両派を代表いたしまして、ただいま議題になりました件について関係大臣に質問をいたします。私の質問は技術的な質問でありまして、こまかい点に触れまするので、関係大臣の明快なる、親切なる御答弁をお願いいたしたいと思います。その御答弁の状況によりましては再質問の権利を留保いたしまして、ここに質問をいたします。 御存じのように、本議会における政治的な焦点は、日本国とアメリカとの行政協定、特にその刑事裁判管轄権に関する問題、それから緊急非常事態、すなわち駐留軍が日本国の内乱に出動する場合及び外国に出動する場合の條件、基準に関する事項が現在の焦点になつておるのであります。……
○中曽根康弘君 万延元年三月三日、井伊大老は桜田門外で勤皇の志士に殺されました。昭和二十八年三月二日、吉田総理は、本議場において、政治的に殺されたと同然のことになつたのであります。勤皇の志士を井伊大老は刀をもつて切つても、時代の波を切ることはできなかつた。吉田総理も同じ例であります。なぜこのような事態になつたかといえば、無理をしたからであります。(拍手)今回の予算委員会の実態も、このような不幸な事件が起るような非常な無理をやつておると私は信じます。(拍手)そこで、委員会の審議は十分に尽されておらない。私は、以下四点について、太田委員長に対して質問をいたさんとするものであります。簡単に質問をいた……
○中曽根康弘君 私の質問は三点であります。第一は国防の問題であります。第二は国際収支の危機に関する問題であります。第三は憲法に関する問題であります。ただいまより質問をいたします。 昭和二十九年の今日は、独立第二回目の新春であります。形式的には独立第二回目の春を迎えたとは言え、この日本に必ずしも完全な独立国としての資格を持つた政府が存在するかいなかは、遺憾ながら疑問とするところであります。(拍手)独立後の政府の施策を見ると、あたかもいまだ麻酔剤からさめ切らないうちに病院から退院した患者のごとく、もうろうたるうちに政治も経済も漂流し続けている感じを禁じ得ないのであります。しかしながら、近来に至つ……
○中曽根康弘君 ━━━━━━━━━
○国務大臣(中曽根康弘君) お答えいたします。 新潟地方の地盤の沈下の原因につきましては、特別委員会の報告は少数説と多数説に分れておりまして、その結論は、地下水の大量かつ急激な揚水によるという説を重視せざるを得ないという表現になっております。それと同時に、これが対策につきましては、実情に即した対策を立てることを特に要望しておるのであります。 さらに、新潟地区の地盤は構造が非常に複雑でありますので、正確なデータを得るために、昨年の五月から約一年間、二十メートルから千二百メートルの深さの観測井戸を十二本掘って観測を続けてきました。その結果、短かきは二ヵ月、長きは一年に及ぶ観測を行いまして、そう……
○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛問題を除きまして、科学技術振興に関する岡さんの御意見には同感の点が非常に多いと考えます。防衛問題につきましては、遺憾ながら、考えを異にいたしております。特に、国産技術を保護奨励しなければならない、貿易の自由化に即応して対策をとる必要があるという御議論は、非常に傾聴すべき御議論だと思いまして、科学技術庁といたしましても、この面に関する対策を目下いろいろ検討中であります。大勢といたしましては、貿易の自由化という大勢に即応して参らなければならぬと思いますけれども、今まで資金面で単にこれを考えておったのを、国産技術の保護という技術面からも取り上げなければならないというの……
○国務大臣(中曽根康弘君) 科学技術庁といたしましては、第一に、ガスの自動警報装置を完全にするということ、第二に、自然発火の徴候を早期に発見する計測機を完全にするということ、第三番目に、落盤の防止のために水圧鉄柱等の研究を促進する、その他、鉱山通気、保安技術の研究を特に重視いたしまして、重点的に取り上げていくつもりでございます。(拍手)
○国務大臣(中曽根康弘君) お答えいたします。 国鉄は、通勤輸送、幹線輸送等を中軸とする第三次輸送力増強計画を遂行中でありまして、建設工事等のために、来年度は約千百億円余の赤字が見込まれ、これがため、若干の定期値上げを含めた対策を要望しております。しかし、運輸省といたしましては、これは来年度予算編成に関係することでもありまして、できる限り努力をして定期値上げを回避する考えで、財政当局と折衝する所存であります。(拍手)
○国務大臣(中曽根康弘君) 運輸省は、最近の自動車の非常な激増とか、あるいは交通事情の変化とか、そういう新しい事態に対応して、行政体系を刷新しなければならぬ段階に来ていると痛感しております。 従来、運輸省の大臣というのは、課長とか係長だとさえいわれております。なぜかと申しますと、許可認可の権限を持っているのはその人たちでありますから、その権限の上にあぐらをかいているという感じがなくもないのであります。そこで、もう少しいわゆるトップマネージメントという行政の方向を取り入れて、上の人が責任を持って判断、方向を示して誘導していくという形に変える必要があるように思います。そこで、運輸省の内部に行政刷……
○国務大臣(中曽根康弘君) 新東京国際空港公団法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 新東京国際空港は、将来における航空輸送需要の急激な増大と航空機の急速な進歩に対応できる国際空港として建設されるものでありますが、これが建設に当たる新東京国際空港公団においては、当面の最大の課題として空港用地の確保に全力をあげているところであります。 ところで、新空港の敷地予定地の一部は、国有地である下総御料牧場によって占められておりますので、その移転先として空港公団は、目下栃木県高根沢地区に新御料牧場を建設しており、その竣工後においてこれと下総御料牧場との建築交換を行ない、同……
○国務大臣(中曽根康弘君) まず、航路及び航空路の問題が起きますが、復興資材及び人員の輸送は、国及び都において実施いたします。復興が進むにつれまして、民間輸送の問題が起きますが、民間事業者によりまして、小笠原航路をいずれ開設させる予定であります。小笠原航路は、当初は相当欠損になるとも思われますので、その場合には国及び都において助成する考え方であります。 なお、硫黄島におきましては、三千メーターの滑走路がある飛行場がございますが、これが大型ジェット機の訓練飛行場として使えるかどうか、調査いたしまして、使える場合には共用してまいりたいと思います。当分民間航空路をつくる考えはございません。現地の観……
○国務大臣(中曽根康弘君) 沿岸漁業の漁船乗り組み員の待遇改善を要することは御指摘のとおりであります。そこで、昭和三十七年以来、労働条件の改善あるいは労働環境の改善のための措置要綱をつくりまして、指導しております。 労働条件の問題では、歩合制の改善、休日休暇の設定、長期雇用契約への切りかえ、船内食料の改善等が眼目であります。それから環境の問題では、安全基準の問題、居室基準の改革、船内衛生、これらの問題につきまして、基準を指示して改革をやっております。なお、漁船の船主がわりあいに近代化されていない欠点がありますので、労務管理講習会等を開きまして、法令あるいは取り扱いの改革についていろいろ啓蒙し……
○国務大臣(中曽根康弘君) 青函連絡港湾施設の被害が若干ございまして、青森岸壁はだいじょうぶでございましたが、函館において相当な亀裂が出ました。昨日は青函連絡の航送力は約五〇%でございましたが、本日は大部分復旧いたしまして、九〇%に回復をいたしました。
空港につきましては、空港間及び空港内部における電話回線、テレタイプ回線の一部不通がございました。空港の問題は非常に大事な問題でございますので、自家発電装置であるとか予備機の整備であるとか、こういうことによりまして万全を期していきたいと思っております。(拍手)
【次の発言】 地震の予知の問題でございますが、まず、気象庁の報告によりますと、今回の……
○国務大臣(中曽根康弘君) 中国経由で日本へ飛行機の乗り入れを希望している国は、フランスとパキスタンでございます。それから外国で目下中国へ民間航空を入れている国は、フランス、パキスタン、ソ連、北鮮、モンゴル、カンボジアの国々でございます。お話しのように、東京―北京ルートというのは、非常に魅力のある国際観光ルートになると思いまして、そういう正式のルートが平和裏にできる日を私は待ち望んでおります。しかし、現在の情勢から見ますと、正式の国交関係もございませんし、そのほかの情勢を見ますと、遺憾ながらまだ適当でないと考えております。ただし臨時便などにつきましては、状況により将来検討してみたいと思います。……
○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛庁設置法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 この法律案は、防衛庁設置法のほか、自衛隊法並びに防衛庁職員給与法の一部改正を内容としております。 法律案の概要を申し上げますと、防衛庁設置法の一部改正は、自衛官の増員及び審議会等の統合、改組のためのものであり、自衛隊法の一部改正は、准尉制度を新設し、予備自衛官を増員するためのものであり、防衛庁職員給与法の一部改正は、准尉の俸給月額を定めるためのものであります。 さらに、法律案の具体的内容について、御説明いたします。 防衛庁設置法の一部改正は、 第一は、自衛官の定数を、海上自衛隊五百……
○国務大臣(中曽根康弘君) 板付から金浦飛行場に対する飛行は、全く防衛庁としては関知しませんでした。当方といたしましては、韓国の領海付近を通過するものでありますから、安全飛行を米軍を通じて、韓国に強くお願いをしておったのであります。私も、米軍を通じて、飛行経路が刻々私のところに通報されてまいりましたが、三十八度線付近まで行ったときには、清浄のほうへ行くのではないかと実は思っておったくらいであります。それが西のほうに転換しましたので、非常に驚きました。 第二に、対空砲火の問題でございますが、当時はいろいろ断片的な情報が、米軍等を通じて入っておりました。その中に、そういうような断片的情報がござい……
○国務大臣(中曽根康弘君) 三島事件は、まことに遺憾な事件でございます。調査の結果によりますと、あのように世界的に有名な人が、面会の予約をいたしまして平穏裏に入ってきたところ、突如として手足を縛り、さるぐつわをはめたというのが状況でありまして、時の要求項目を見ますと、もし要求を聞かなければ益田総監を殺して自決するということが明らかになってまいりました。八名の人間が救出に行きましたが、みな二カ月ないし四カ月の重傷を負わされまして、いま病院におるところでございます。 こういう状況を見ますと、無用の殺傷を避けて――三島事件は、覚悟の事件でありますから、いかなる場合においても三島本人はあそこで自決す……
○国務大臣(中曽根康弘君) 防衛庁設置法及び自衛隊法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 まず、防衛庁設置法の一部改正について、御説明いたします。 第一は、自衛官の定数を、海上自衛隊六百六十三人、航空自衛隊六百四十三人、統合幕僚会議五人、計千三百十一人増員するための改正であります。海上自衛官の増員は、艦船の増加、対潜航空機の増強及び後方支援部隊の充実等のため必要となる人員であり、航空自衛官の増員は、主としてナイキ部隊の編成のため必要となる人員であり、統合幕僚会議の増員は、情報機能強化のため必要となる人員であります。 第二は、防衛庁の付属機関として、自衛隊離職者就職……
○国務大臣(中曽根康弘君) お尋ねの件は、団体の意見を会長名で伝えたものと思います。私は、自民党員として、党議及び閣議の決定に従うものであります。(拍手)
○国務大臣(中曽根康弘君) 昨年十二月二十一日に、日米安保協議委員会を通じまして、米軍から、八千四百名の離職者を出すということ、これを三月から六月の間に実行したいという希望の表明がありました。 当方といたしましては、各省とも協議をいたしまして、ただいま労働大臣その他が申されたような政策を推進中でございますが、特に、当方といたしましては、米軍に対して、この削減の数を減らすということ、それから離職の時期を延期するということ、離職する人々に対して基地内相互で再雇用の機会を与えること、このことにいま全力を尽くしております。 なお、府県等とも連絡をとりまして、再就職、職業訓練等にいまつとめております……
○中曽根康弘君 私は、自由民主党を代表して、佐藤内閣総理大臣に質問をいたします。(拍手) 私は、今日は、日本の当面する内外の根本的問題について、政府の見解をただすこととし、残余の事項は、他日同僚の質問にお譲りいたしたいと思います。 まず、質問に入る前に、沖繩が来たる五月十五日わが国に返還されることになりましたことに対し、沖繩全県民の諸君に心からお祝いを申し上げ、また、全国民諸君とともにこの喜びを分かち合いたいと思います。(拍手)そして、この歴史的壮挙を断行されたアメリカ合衆国国民及びニクソン大統領に対し、はるかに謝意を表しますとともに、前後五回にわたって訪米し、その政治生命をかけて今日の成……
○国務大臣(中曽根康弘君) 今回の通貨調整は、わが国の中小企業に対して相当な影響があるものと懸念し、その対策に万全を期しております。 すなわち、金融関係につきましては、政府関係金融機関並びに民間銀行に対しまして、臨時、緊急の金融措置を講ずるように指示または要請をいたしました。 それから、下請業に対してしわ寄せが来ないように、この点も公取委員長と連名で、約百三十二の親企業の団体に対して、書面で通達したところでございます。今後も、下請にしわ寄せが来ないように厳重に監視をいたします。 さらに、近代化資金あるいは合理化資金、高度化資金の返済猶予制度についても、これを実施したいと思っております。 ……
○国務大臣(中曽根康弘君) 第一に、商品取引所法を改正して、もっと規制する必要はないか、こういう御質問でございますが、商品取引所は、元来、商品流通を円滑にしたり、あるいは将来の取引をヘッジするという重要な機能があるところでございます。ところが、これが投機に用いられたりして、かえって、商品取引を不円滑にしたりあるいは不安を与えたりする、そういう情勢も多少見えてまいっております。そのために、私らも、商品取引所というものをこのままに放置してよいかどうかという御質問に対しては、確かに検討の必要ありという感じがしております。 そこで、この商品取引業務をもう少し正常化し、円滑にし、正常な活動を活発にする……
○国務大臣(中曽根康弘君) 商社に買占めあるいは投機ありやということでございますが、三月の十三日から十五日にわたりまして、通産省で、六大商社について調査を実施いたしました。 四十六年上期から四十七年下期にかけまして調べましたところ、四十七年九月末におきましては、通常の営業に必要な運転資金を上回る、約六千六百億円にわたるきわめて流動性の高い手元資金がありました。そして、四十六年度においては、これらの流動性の高い資金が債券に主として回って、四十七年にはそれが株式に回り、また四十六年から四十七年にかけて、土地が商品取引として相当対象にされてきたということが判明いたしました。 これらのものは相当な……
○国務大臣(中曽根康弘君) 国際経済上の調整措置の実施に伴う中小企業に対する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 去る二月十四日に実施されました円の変動相場制への移行は、輸出関連の中小企業の事業活動に著しい影響を及ぼすことが憂慮されております。 政府といたしましては、直ちに中小企業製品に係る輸出の円滑化をはかるために外貨預託を裏づけとする先物為替予約制度を実施しましたが、中小企業対策の重要性と緊急性にかんがみ、政府部内で所要の措置の検討を進めた結果、三月十四日、国際通貨情勢の変化に伴う緊急中小企業対策について、閣議決定を行ないました。閣議決……
○国務大臣(中曽根康弘君) 大規模小売店舗における小売業の事業活動の調整に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 わが国の小売商店数は、百四十万店をこえ、そこに働く人々も約四百五十万人に達しておりますが、大部分の商店はきわめて零細であるので、百貨店、スーパー等の大規模な小売店の進出によって著しい影響を受ける場合が少なくありません。 このため、昭和三十一年には、小売業における当時唯一の大企業であった百貨店業を対象として、その事業活動を調整し、もって中小商業の事業活動の機会を確保することを目的として、百貨店法が制定されたのであります。 以来十数年を経過し、一方では消費者利益確……
○国務大臣(中曽根康弘君) 木材の海外の輸出制限の動向でございますが、わが国の輸入依存率は五五%になっております。ところが、輸入量の約四分の一を占める米国におきまして、最近パックウッド法案とかあるいはアシュレー法案という法案がアメリカ国会に提出されております。 パックウッド法案によれば、七七年に輸出全面禁止、アシュレー法案によれば、七二年の丸太八三%を七三年に認める、製材については六九%を認める、こういう法案が出ておりまして、特にアシュレー法案の成立の可能性については非常に懸念しているところであり、われわれはいま内面的にアメリカ当局と折衝しておるところでもございます。 このようにアメリカ方……
○国務大臣(中曽根康弘君) 発電用施設周辺地域整備法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 わが国の電力需要は、国民生活の向上と国民経済の発展に伴い、今後とも毎年一〇%程度の伸びが予想されています。 他方、ここ数年、電力会社が発電所の立地を計画しても、地元の同意が得られないため、国の電源開発計画に組み入れることのできないものが増加しており、また、これに組み入れた後においても、地元住民の反対にあって建設に着工できない例も多々生ずるに至っております。このままの状態が続けば、数年後には電力不足がきわめて深刻な問題となることが懸念されるところであります。 このような住民の反対の根底には、一……
○国務大臣(中曽根康弘君) PCBや水銀の汚染に関しましては、心から遺憾の意を表する次第でございます。 通産省といたしましては、有害物質は極力これを使用させないという方針のもとに、いま指導しております。 PCBにつきましては、製造、使用を中止させまして、代替品によってこれを行なわしめておりますが、一部熱媒体につきましては、本年中にこれをかえるように、新幹線用のトランスにつきましては、本年度中にこれを代替するように、これですべてPCBの使用は中止されるということになります。 第二に、水銀につきましては、全面禁止をいますぐやることは困難な事情にあります。基準を順守させまして、万全の措置を講じ……
○国務大臣(中曽根康弘君) 中小企業基本法第八条に基づきまして、先般、政府が国会に提出いたしました昭和四十七年度中小企業の動向に関する年次報告及び昭和四十八年度において講じようとする中小企業施策の概要を御説明申し上げます。 初めに、中小企業の事業活動について申し上げます。 昭和四十七年に入って中小企業の事業活動は、経済全体の景気回復の過程と軌を一にして、前年の停滞基調から徐々に立ち直りを見せ、年央以降着実な上昇過程をたどってまいっておりました。倒産につきましても四十一年以来の低水準に推移しておりました。 しかし、本年に入って、円の変動相場制への移行、原材料の高騰、金融引き締めなどの問題が……
○国務大臣(中曽根康弘君) 韓国と友好親善を維持し、隣国の民生と福祉の向上に協力したいというのは、日本国民の念願であります。これは現在といえども変わっていないと思います。また、独立国家としての日本の尊厳を維持するということは、われわれ政府当局の国民に対する大きな責任であると思います。
問題は、主権侵害の事実があったかどうかということがまず第一であります。しかし、主権侵害の事実の有無がいまだ明瞭に解明されない今日、援助打ち切り云々ということは適当でないと考えます。(拍手)
【次の発言】 韓国や東南アジアに対する経済援助は、無原則で行なっているものではございません。それは平和の維持、民生、福祉の……
○国務大臣(中曽根康弘君) 総需要の抑制につきましては、総理から御答弁がございました。通産省といたしましても、第四・四半期の民間設備投資の削減について、審議会の議を経て近く発表いたします。 産業構造の転換につきましても、すでに御答弁がございましたが、石油をはじめ、資源について不急不要のものから重点的に回せという御議論については同感でございます。特に、中小企業、農漁業、一般の民生並びに大衆交通手段等につきましては、傾斜的に調整していかなければならぬと思っておりまして、近く石油需給適正化法案を御提案申し上げますが、どうぞ御審議を早目にお願いいたしたいと思います。 次に、所得政策をやるかという御……
○国務大臣(中曽根康弘君) インフレを抑制するために、大口設備投資を規制せよ、これは同感でございまして、すでに九月から政府は建築関係の抑制を強力に実施しておりますと同時に、この十六日の緊急対策要綱におきましても、総需要抑制の一環として、設備投資の抑制、規制をすることになっております。けさほども閣議におきまして、民間設備投資、公共事業並びに一般消費について、企画庁中心に作業を進めていくということを確認してやっておるとおりでございます。 次に、生活物資優先という点についても、すでに実施しておるところでございまして、特に生活並びに生産関係においては、中小企業、農漁業、一般市民、大衆交通手段等を中心……
○国務大臣(中曽根康弘君) 物資の調査の問題でございますが、一月七日に田中総理から指示がありまして、約千件ばかりの倉庫の調査を至急やれ、こういう御指示に基づきまして、関係各省で集まりましてその手はずをきめて、一月十六日から実施しておるところでございます。 通産省といたしましては、六品目、灯油、LPG、合成洗剤、塩ビ管、印刷用紙、トイレットペーパー、これについていま追跡調査を実施しておりまして、大体千二百人から千三百人ぐらいの人間を動員して、五百三十件にわたってやっております。現在、すでに終わったものが百件以上ございます。これらの結果は、御要請もございますので、成果を集計いたしまして、二月末ま……
○国務大臣(中曽根康弘君) 石油の対策がおくれたではないか、こういう第一の御質問でございますが、私はおくれたと思っておりません。日本の国情に合うように、弾力的に処置してきたと思っております。と申しますのは、十月に中東戦争が起こりまして、各国はいろいろ措置をやりましたけれども、日本政府の場合は、日本国民の社会的心理を考えまして、政府があんまり早目にあわててやると、心理的パニックを起こすという情勢でもありました。したがって、あの場合には、政府はむしろゆったりとして、自信を持っているというほうがよかったと私は思うのであります。 もう一つは、物価が鎮静に帰する方向にありまして、八月三十一日の公定歩合……
○国務大臣(中曽根康弘君) 石油開発公団法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 石油開発公団は、創立以来六年余にわたり、海外における石油、可燃性天然ガスの探鉱資金の投融資業務、開発資金の債務保証業務等を通じ、文字どおり海外石油開発の中核的推進母体となって活動してまいりました。 昨年来の石油危機に直面いたしまして、石油の安定供給の確保がわが国国民経済の円滑な運営の前提であることをあらためて痛感したわけでありますが、この安定供給の確保をはかる方策として最も効果的なものは、言うまでもなく、わが国企業による自主開発の推進であります。 政府といたしましては、この自主開発……
○国務大臣(中曽根康弘君) インフラストラクチュアにまで手を出すことは、経済侵略の手助けをすることにならぬかという御質問でございますが、そのように思いません。第一、インフラストラクチュアをどういうふうにやるかということは、相手国政府または公共団体等の要請に基づいて行なうものでございます。それから、仕事の内容は、そのプロジェクトの周辺における病院とか橋梁とか道路とか、そういうような、大体公共的な仕事ないしは都市計画等の仕事が大部分でございまして、これらはそれらの国々がいままで強く要望してきたところでございます。今度は、その面について大体いままでの関係国の御要請にこたえようとするものでございまして……
○国務大臣(中曽根康弘君) 地熱発電の推進については、同感でございます。 地熱発電は、日本では大体二千万キロワットの潜在力があるといわれておりまして、現在稼働中のものはわずかに三万キロワット、建設中のものが十六万キロワットでございますから、日本のこれからのエネルギー源としては、大いに注目して開発すべき部分でございます。 昨年、政府は、三十カ所の基礎調査を行ないまして、ことしはさらに精密調査を進めて開発を促進したいと思っておりますが、現在、国会の議員の皆さま方でこれが促進のための議員立法の議が進められております。われわれは、この議員立法をもしやってくださるということでございますならば、大いに……
○国務大臣(中曽根康弘君) 中小企業基本法第八条に基づきまして先般政府が国会に提出いたしました、昭和四十八年度中小企業の動向に関する年次報告及び昭和四十九年度において講じようとする中小企業施策の概要を御説明申し上げます。 最初に、中小企業の事業活動の動向について見ますと、昨年一年は、国内面では、石油製品をはじめとする物資の供給逼迫と物価上昇等のきびしい試練に直面し、また、国際面では、二度目の通貨調整が実施され、さらに、中東動乱に端を発する石油問題の発生など、激しい経済環境の変化にさらされたととは、記憶に新しいところであります。この間、中小企業の景況は、総じては平常裏に推移したものの、後半以降……
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政改革は現在の政治の最重要課題の一つであると心得まして、鈴木総理大臣御指導のもとに、内閣一体になって大いに真剣に努力するつもりでおります。 当面は、いわゆる昭和五十五年行革と言われるもののやり残しを完成することでございまして、八つの重大法案がまだ残っております。ブロック機関の整理とかあるいは公社、公団の整理とか、国鉄再建とか、それらの重大問題、これらをぜひ今度の臨時議会等を通じて成立さしたいと考えており、御協力をお願い申し上げる次第でございます。 それから、これからやる仕事でございますが、三つの目標を立てました。 第一は、いわゆる機構いじりというようなことは……
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨時行政調査会設置法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 近年、わが国内外の社会経済情勢は大きく変化し、わが国は、今後、エネルギー・資源の制約、財政赤字の累積等の多くの困難を克服しつつ、経済の発展と社会の成熟化の進展、先進国家としての国際的役割りの増大等に伴う新たな課題に対応していくことが要請されております。 このようなわが国行政を取り巻く諸情勢の変化の中で、国民の要請に的確にこたえる簡素で効率的な行政を実現するとともに、新たな時代への移行に対応した行政の諸制度の確立を図ることが強く求められているところであります。そこで、政府といたしましては、今後にお……
○国務大臣(中曽根康弘君) 春田議員の第一問は、第二臨調の位置づけいかんということでございました。 いわゆる第一次臨調は、高度経済成長期に当たりまして、行政の効率を中心に答申がなされたと思います。 今回つくられます臨時調査会におきましては、この安定成長期のしかも非常に多元化した社会にふさわしい行政のビジョンをつくっていただく、一言に言えばこういう性格があると思っております。そして、八〇年代以降におきまする日本の行革の軌道を設定したい、その指針をつくっていただく、こういう考えに立ってやっていきたいと思っております。 第二に、当面の行革をいかにするか、こういう御質問でございますが、第一に、宇……
○国務大臣(中曽根康弘君) 税務職員の御苦労に対しましては、われわれもよく理解もし、配慮もしてあげなければならないと思っております。 政府といたしましては、ただいま総定員法のもとに第五次定員削減計画を実施中でございまして、昨年から始めて、五年間に三万七千六百五人の定員を減らすということを、いま進行さしておる最中でございます。 しかし、一方において、どうしても重大なところにつきましては補充を認めなければなりませんので、いろいろな学校関係、病院、国税、外交当局、司法関係の登記事務所あるいは海上保安官、そういう方面についてはできるだけ増員の配慮もしてきておるところでございます。 本年度におきま……
○国務大臣(中曽根康弘君) 電電公社の経営は、関係者の努力によりましてかなり良好、順調でありまして、この点につきましては、関係者の努力を大いに評価するものでございます。 しかし、この背景には、国家の独占企業で競争者がいないということ、それから、五十一年に料金を決めましたけれども、結果的に、やや余裕を持った料金となった、こういうような背景から利益金、すなわち収支の差額がかなり出てきておるわけであります。五十五年末におきましても、約一兆六千億円と推定されるいわゆる剰余金、収支差額が生まれております。しかも、ここ二、三年の間、また相当額の剰余金が見込まれる状態でございます。こういう状態でございます……
○国務大臣(中曽根康弘君) 建設省におきまする審議会の答申につきましては、できるだけ尊重さるべきものと心得ております。 住宅基本法制定に関する審議会の答申につきましては、いま御答弁がありましたように、建設省におきまして関係各省庁の意見を調整している最中でございまして、この推移を見守ってまいりたいと思います。 それから、この新しい組織の役員の数が多過ぎはしないかという御指摘がございます。 これは、行革を行います現在、われわれも最も注意しなければならぬ点であると思いますが、これは五十五年行革の一環として行われておるものでございまして、できるだけ縮減することに努めました。 しかし、ただいまお……
○国務大臣(中曽根康弘君) 私が訪米いたしました際に報告書のようなものをつくったと言われますが、そういう事実はございません。防衛庁長官が報告書をつくるということはないのです。出すとすれば総理でしょうけれども、総理に対しても、そういうものをつくった例はございません。ただ、当時私に随行した者が、部内の資料として私の行動をメモしたその記録文書はございます。そのことを言われているのではないかと思います。その文書は、もう十年前にできた文書でございまして廃棄処分になっておる、こういうことを聞いております。 そのときの話でございますが、十年前のことで記憶は定かではございませんが、当時、沖繩の返還問題が重大……
○国務大臣(中曽根康弘君) 行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環としての国の補助金等の縮減その他の臨時の特例措置に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 先般、政府は、行政の合理化、効率化を推進するとともに、財政再建に関する緊急な課題に対処する等のため、去る七月十日に行われた臨時行政調査会の行政改革に関する第一次答申を最大限に尊重し、速やかに所要の施策を実施に移すとの基本方針を決定いたしました。この基本方針に基づき、今般、この法律案を取りまとめ提出した次第であります。 この法律案は、同答申の趣旨にのっとり、行政改革を推進するため当面講ずべき措置の一環として、昭和五……
○国務大臣(中曽根康弘君) 臨調の七月答申が今度の予算編成でどの程度実施されたかというのが第一の御質問でございますが、かなりの程度実現したと考えております。ただ、大部分の臨調委員から、たとえば給与の抑制、公務員や政府関係要員の給与の抑制が不徹底であった、こういう御批判をいただいております。しかし、今回の答申は当面の緊急措置でございますが、いよいよ六、七月には本格答申が出てまいる予定でございまして、これをいただきましたならば、全力を挙げまして総理の御指導のもとに行革を断行する決意でございます。 第二に、どの点で実現したかという御質問でございますが、第一は、予算編成におきまして、相当程度の予算の……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) このたび、私は、内閣総理大臣に任命されました。決意を新たにし、国民の皆様の御信頼と御期待にこたえてまいります。 いまや世界情勢は、問題山積の中に、いよいよ厳しい様相を呈し、さらに、内政もまた重大な転換期を迎えております。私は、この風雪を突破して、日本に新たな黎明をもたらすよう全力を尽くします。(拍手) それは、各党、各会派の御協力はもとより、全国民の皆様の御支援なしにはできません。私は、「わかりやすい政治」、国民の皆様に「話しかける政治」の実現を心がけ、政治が国民に密着し、国民の気持ちをくみ上げる場として、常に、そしてさらに健全に機能するよう懸命の努力を続け……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 飛鳥田議員にお答えいたします。 まず、清潔、公正な政治を確立せよという御質問でございますが、まことに同感でございます。やはり民主主義は国民の信頼の上に初めて確立されると思います。そういう意味におきまして、政治家一人一人あるいは政党、政治団体、すべてが国民の意を体して、見本になるようなりっぱな清潔な行動をとらなければならないと考えております。 また、国民の声を聞かなければならないという御主張にも同感でございまして、私はかねてから、わかりやすい政治、あるいは国民に語りかける政治ということを申し上げているのは、同じような趣旨で申し上げている次第でございます。 今……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 竹入議員にお答え申し上げます。 まず、先般の自民党の総裁公選等によりまして政治の空白が起きましたことにつきましては、遺憾の意を表する次第でございます。 また、組閣に際しまして種々の御批判をいただきましたことは、私に対する戒めとして心にとめて研さんしていきたいと思っております。(拍手) 確かに、この間におきまして、景気の停滞、財政の困難、貿易摩擦等、わが国を取り巻く内外の情勢はきわめて厳しくなっております。しかし、その原因はおのおの根の深いものもあり、また国際的要因が絡んでいるものもありまして、一朝一夕に解決することはむずかしいと思います。私といたしましては……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 伊藤議員の御質問にお答えいたします。 まず、歳入欠陥に対する責任論でございますが、本年度におきまして六兆一千億円に及ぶ租税収入の欠陥を生じましたことは、はなはだ遺憾でございます。 これは、御指摘のように、高度経済成長時代の情性になずんだ考え方、あるいは世界経済の冷厳な動きに対する見方が甘かった、そういう点を大いに反省しなければならぬと思っております。今後は、この見積もりの精度を向上させまして、そうしてこのような情性になずんだ考え方を一てきいたしまして、歳入歳出ともに厳正な見積もりを行い、財政の均衡を回復して、財政の対応力も回復するように努力してまいりたいと思……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 第九十八回通常国会の再開に当たり、内外の情勢を展望して私の施政の方針を明らかにし、国民の皆様方の御理解と御協力を得たいと思います。 近年、世界は、東西の軍事的対立や南北問題という現代の構造的問題に加え、先進国、開発途上国、自由圏、共産圏を問わず、未曾有の経済的社会的困難に直面しており、失業と生活の不安は世界を覆っている感があります。各国がそこからの出口を求めて必死の努力をしているのが今日の世界の姿であります。 わが国もまた、程度の差こそあれ、このような世界の中にあって苦悩を抱えている一員であります。国際社会における相互の依存関係が深まった今日、世界の運命はま……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 飛鳥田委員長にお答えをいたします。 まず、昨日のロッキード裁判における所見でございますが、政治家の一人といたしまして、厳粛な気持ちでこれを受けとめており、冷静にこの推移を見守っていきたいと思っております。 組閣につきまして御批判をいただきましたが、前にも申し上げましたように、私は、仕事本位で人材を抜てきする内閣をつくる、こういう考えでやっておるのでございまして、内閣を改造する意思はございません。 また、ロッキード事件につきましては、現在公判係属中の事件でございまして、行政府の最高責任者として私が意見を申し述べることは、この際差し控えさせていただきたいと思い……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 竹入委員長の御質問にお答え申し上げます。 まず、政治倫理の問題でございましたが、先般の論告求刑につきましては、厳粛な気持ちで受けとめております。今後、裁判の行方を冷静に見守ってまいりたいと思っております。 議員は、国権の最高機関である国会の構成員でございまして、この議員の辞職という問題は慎重を要すると私は考えております。これは先般、臨時議会で申し上げたとおりでございます。最終的には、進退の問題は御本人の御判断に任せるのが適切ではないかと考えております。 また、御質問にございました議院証言法の改正、証人喚問、議員辞職勧告決議案、政治倫理委員会の設置及び政治資……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 上田議員の御質問にお答えいたします。 まず第一は、不公平税制への不満の問題でございます。 税負担の公平は、税制を維持する一番大事な信頼関係という点におきまして、不可欠の前提であると考えます。 租税特別措置につきましては、昭和五十一年度以来、その主要な項目のほとんどについて改善措置を講じてきておりますけれども、今後ともさらに負担公平を図るという観点から、社会経済情勢の変化に対応して、必要な見直しを行ってまいりたいと思います。 なお、今回の財政措置につきまして、つじつま合わせではないかという御質問でございますが、昭和五十八年度予算につきましては、すべての歳出……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 加藤議員の御質問にお答えをいたします。 最初の御質問は、五十七兆に及ぶこの大きな借金財政をいかにするかという御質問でございます。 地方財政は、国の財政と同様に景気の停滞等によりまして税収の伸び悩み、公債、借入金残高の累増等により非常に危機的な状況にあることはまことに遺憾でございます。今後、国と同一の基調に立ちまして、行財政の守備範囲の見直しや歳出の節減合理化等を厳しく行っていただき、国と地方との間の事務配分や財源配分、費用負担のあり方等についても幅広く検討いたしまして、地方財政の収支均衡に取り組むことが必要であり、中央といたしましても、そういう考えで進んでま……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 野口議員の御質問にお答えをいたします。 まず、赤字公債脱却の時期いかんという御質問でございました。 五十九年度特例公債依存体質からの脱却につきましては、わが国を取り巻く環境が大きく変化いたしまして、その実現は困難になったとすでに申し上げておるところでございます。そして、財政の対応力を至急回復するということが刻下の急務であると考えております。そのために、財政改革を断行いたしまして、歳出歳入を全面的に、構造的に見直す必要があると考えております。これらはいずれも特例公債依存体質からの脱却と、さらには公債依存度の引き下げということを目標として行いたいと思っております……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 渡部議員にお答えいたします。 まず、運命共同体でありますが、日本とアメリカの関係は、自由、民主主義を奉ずるという共通の信条を持ち、また膨大な経済の相互依存関係を持ち、さらに日米安全保障条約による防衛上の協力関係を持っておる、こういう意味において運命を分かち合う緊密な関係にあると私は申しておるのでありまして、この考えは間違っていないと私は考えます。(拍手) 次に、同盟という言葉について御質問がございました。 日米関係は、集団的自衛権を両方が持って相互防衛をやるという意味における軍事同盟関係はありません。しかし、日米安全保障条約という防衛上の協力関係を持ってお……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 近岡議員の御質問にお答えをいたします。 まず第一は、国鉄の長期債務、青函トンネルあるいは本四架橋のような膨大な負担について、どのように対応するかという御質問でございます。 以上お挙げになりました諸問題は、国鉄事業を再建する上で解決しなければならない重要な課題であると認識しております。もちろん、これらの膨大な、重要な問題につきましては、単に国鉄の責めに帰すべからざる理由によるものもあると思います。これらのものにつきましてはこれらのものとして、やはり別途考慮する要素もなければならぬと思っておりますが、しかしいずれにせよ、国民の負託を受けた国鉄当局及び今後設置され……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 矢山議員の御質問にお答えをいたします。 まず、行革に取り組む基本姿勢について御質問がありました。 私は、総理大臣就任時に当たりましては、急迫した外交案件がございましたので、そちらを片づけ、かつまた臨時行政調査会において最終答申をつくるべく当時御努力を願い、最近に至りまして最終答申をいただきましたので、いよいよ本格的に行政改革に取り組んできておる次第でございまして、不退転の決意をもって真剣に取り組んでいくものでございます。決してこれをもてあそんでいるようなことはございません。 次に、臨調答申について財界主導主義ではないかとかいろいろ御批判がございましたが、こ……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 山花議員の御質問にお答えをいたします。 まず、第二臨調答申を白紙に戻せ、そういう御質問でございますが、白紙に戻す考えはございません。 臨時行政調査会は、国民的見地に立った幅広い人材によって構成されておるものでございまして、この委員会は国民の圧倒的御支持を得ているものと考えております。このような委員会によってつくられました答申は、私たちはこれを最大限に尊重すると申し上げてきておるのでございまして、そのような考えに一貫してまいるつもりでございます。 政府といたしましても、今後とも各方面の御意見等をも聴取しつつ、簡素で効率的な行政改革の実現に、最大限努力してまい……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 小川議員の御質問にお答えをいたします。 まず、その前に、私のASEAN訪問につきまして御懇篤なお言葉をいただきまして、謹んで感謝申し上げる次第であります。 まず第一は、わが国の林業政策のあるべき姿でございます。 森林は、木材供給機能に加えて、国土の保全、水資源の涵養あるいは自然環境の保全、形成等、きわめて多方面の公益的な機能を果たしているところでございます。このために、長期的視野に立って林業振興を図るとともに、国民各位の御理解と協力を得ながら、緑の資源の保護、森林を育てることは、わが国の林業政策の基本としてきわめて重視しておるところでございます。 最近は……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 第百回国会の開会に臨み、所信の一端を申し述べ、国民の皆様の御理解と御協力を仰ぎたいと存じます。 去る九月一日早朝、大韓航空機がサハリン西南端の海上で行方不明になるという事件があり、諸般の情報を分析した結果、当該航空機は驚くべきことに、ソ連軍用機のミサイルにより撃墜されたことが確認されております。 政府はここに、今回の不幸な事件に遭われた方々並びにその御家族の方々に心からお見舞いを申し上げます。 政府は、いかなる理由があるにせよ、今回のごとき非武装かつ無抵抗の民間航空機を撃墜するということは、人道にもとり、国際法に反するのみならず、国際民間航空の安全確保とい……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 田邊議員にお答えをいたします。 多様な御質問をいただきましたので、一つ一つお答え申し上げたいと思います。 まず、大韓航空機の事件でございますが、ここにおります議員の皆様とともに、御家族の皆様方に改めてお見舞いを申し上げる次第でございます。 非武装かつ無抵抗の民間航空機を撃墜することは、まことに人道にもとり、国際法に反するのみならず、国際民間航空の安全確保という点からも断じて許されることではございません。 その上、ソ連側が自己の非を率直に認め、真相を公表するようにわれわれは要望しているのでございますが、このような納得する措置をいささかも行っていないというこ……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 浅井議員にお答えを申し上げます。 質問は多岐にわたりましたので、要点を簡潔に申し上げたいと思います。 まず第一に、政治倫理の問題でございます。 この所信表明演説でも申し上げましたとおり、政治倫理の問題は、議員一人一人の道徳性、あるいは政党や政治機関の運営の澄明度の問題、あるいは民主政治に対する責任感、積極的な貢献の問題等々ございまして、いずれにつきましても、われわれは戒心していかなければならぬと申し上げたとおりでございます。 ただ、田中判決の問題につきましては、裁判の判決が近づいております折から、近づけば近づくほど、やはり静かにこれを見守るというのが正し……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 嶋崎議員の御質問にお答えをいたします。 まず第一は、安保、防衛、そのほかの政策問題について臨調がこれを検討することは越権ではないかという御質問でございますが、この臨時行政調査会設置法におきましても、行政の制度並びに運営、この問題につきまして総合的に検討するように、臨時行政調査会は使命づけられ、また、それを受けて、政府はその行政改革を実行しておるものでございます。したがいまして、行革にはタブーがないという姿勢のもとに、いままで国民の皆様や各党各派の御理解をいただいて進めてきておるものでございまして、そのような憲法上の原則やあるいは国の基本政策、政策の方向等につい……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 佐藤議員にお答えをいたします。 まず、政治資金規正法の問題でございますが、確かに、時代の変化に相応いたしまして、政治資金規正法は絶えず検討を加えていく必要があると思っております。 また、政党法の問題でございますが、現在、民主主義世界におきまして、政党の役割りはきわめて重大であります。 特にわが国におきまして、参議院の比例代表制が施行されまして以来、いわゆる政党選挙という形に選挙制度も色濃くなってきたわけでございます。しかし、このような政党法の問題は、議会制民主主義の基本に係る問題でございまして、そう軽々に考うべき問題ではございません。 したがいまして、特……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 私は、昨年十二月二十七日、再び内閣総理大臣の重責を担うことになりました。 私は、現代が大きな歴史的転換期にあることを深く自覚しつつ、国際的信頼の維持強化を図り、堅実に内政を固め、二十一世紀へ向けて順を追って内外の準備を進めるべく、国民の皆様の信頼にこたえ、その御協力を得て全力を傾けて国政に取り組んでまいります。(拍手)何とぞ御理解と御鞭撻をお願い申し上げます。 我々を取り巻く内外の環境や時代の潮流には、最近顕著な転換の兆しがあらわれております。我が国も、政治、経済、文化、教育、福祉、外交、安全保障等各分野をさらに総合的に再点検し、適切な改革を強力に推し進め、……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 石橋議員の御質問にお答えをいたします。 まず、選挙の結果や政治倫理に関するお話が最初にございましたが、これは御親切な御助言として承っておく次第であります。(発言する者あり) 次に、いわゆる戦後政治の総決算の問題について御質問がございました。 私は、戦後政治の総決算という意味は――政治倫理に関する問題につきましては、後でまたお答えをすることになっております。私が言う戦後政治の総決算という意味は、戦後の歴史を否定して申し上げておるのではございません。むしろ戦後三十八年間、平和あるいは民主主義あるいは平等、経済的繁栄、これらの各面で日本は世界史に残る輝かしい実績……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 竹入議員から、各方面にわたる極めて御示唆に富む御質問をいただきました。順次、御答弁を申し上げます。 まず、時代の課題克服への具体的施策を冒頭御質問をいただきました。現代は、国際環境におきましても、また国内関係、特に財政問題等におきましても、極めて厳しい状態のもとに日本はございます。この厳しい中にありまして、国民の皆様方の結束をお願いし、かつまた政治に対する信頼を確立いたしまして、与野党協調のもとに議会政治を円満に発展させまして、国民の御期待におこたえしなければならない立場にあると思っております。このような観点から、先般の選挙の結果示されました国民の御意思を尊重……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 渋沢議員にお答えをいたします。 まず、減税の真意いかんということでございます。 今回の所得税及び住民税減税は、初年度一兆一千八百億円に及ぶ大規模かつ本格的な減税でありまして、それはさらに回復しつつある景気をより確実に回復させるものと期待されております。 酒税等の税率引き上げ等は、減税を一面行いつつ、財政事情をこれ以上悪化させないという見地からやむを得ない措置として行ったものであり、それは一昨年来、与野党間の話し合いにおきましても財源を確保してという、そういうことで減税を行うことになっておった次第であり、我が党からすればこれは公約の実行であります。特にサラリ……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 上田議員にお答えをいたします。 まず、前回の選挙に関する御質問がございました。 前回の選挙の結果は私の不徳のいたすところでございまして、まことに恐縮に存じておる次第でございます。特に政治倫理の問題につきまして、国民の皆様方の御理解を十分に得ることができなかったことはまことに残念で、申しわけなく思う次第であります。 次に、防衛費GNP一%の問題と人事院勧告の関係について御質問がございました。 昭和五十九年の人事院勧告の取り扱いにつきましては、勧告が出されましたその段階で、人事院勧告制度尊重の基本姿勢に立って、国政全般との関連において勧告の実施に向けて努力を……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 安田議員の御質問にお答えをいたします。 まず、国の都合によって財源措置や歳出抑制策が適当に行われるということは地方自治の発展を阻害しないかということでございます。 従来から、公経済の車の両輪として国及び地方の財政が円滑に運営されるように、毎年度の地方財政対策において考慮してきたところでございます。今回の地方財政対策におきましては、地方財政の健全化に資するために、交付税特会の新規借入措置を廃止するとともに、既定借入金につきましても所要の整理を行い、地方財政の借入金依存からの脱却を図ったところであります。今後は、国、地方を通ずる行財政改革をさらに推進するために、……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 網岡議員にお答えをいたします。 最初の御質問は、雇用の安定を図るための基本政策についての御質問でございます。 最近の雇用情勢は厳しい情勢がまだ残っておるものの、景気の回復を機に改善の動きが少しずつ見えつつあります。今後におきましても、財政と一体となった適切な金融政策あるいは経済運営あるいは民間活力の増大等々の政策を巧みに組み合わせまして、現在の事態に対応していくつもりでございます。特に、第五次雇用対策基本計画に基づきまして、失業の予防、再就職のあっせん等の雇用対策を推進し、雇用の安定を図ってまいるつもりでおります。 次に、第五次雇用対策基本計画の目標達成の……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 野口議員にお答えをいたします。 御質問は三点であります。 第一は経済運営の問題、第二は財政金融運営の問題、第三は財政改革実現の時期という三点であると思います。 最近の経済の情勢を見ますと、物価の安定のもとに円為替が回復してまいりまして、そのような中に景気がじわじわと上昇しつつあることは御同慶の至りであります。特に物価の安定のもとに、最近は在庫積み増しあるいは設備投資意欲等が顕著に出てまいりまして、経済の自律回復の基調が出てきたことは力強い限りでございます。このようなものを背景に、さらに物価の安定を維持しつつ内需を振興して、特に民間活力を増大せしめるように努……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 村山議員にお答えをいたします。 まず第一は、今回の健康保険制度の改正は選挙中の公約と違うではないかという御質問でございます。 この医療保険の改革案は、厚生省原案に対する国民の意見をよく聞き、幅広い観点から再検討し、再調整して提出したものなのでございます。例えば、初めの原案におきましては、本人二割負担ということでございましたが、今回は初めの二年一割負担というふうに改革を加えた。あるいはビタミン剤の給付とか本人に対する食事費等につきましても、除外するという考えが原案にございましたが、それらも取りやめました。これらは、いずれも国民の皆様方の声をよくお聞きして、その……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 左近議員にお答えをいたします。 私の水泳に大きな関心を寄せていただきまして、まことにありがとうございます。大いにスポーツを振興したいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 さて、本案の法案作成の過程におきまして、特別の指示や横やりを入れたのではないかという御質問でございますが、この点につきましては、法案作成の過程におきまして、官房長官から問題点を指摘して検討をお願いしたことはございます。 その理由は、この株式会社の配当につきまして、配当の基準を数字で法律事項としている点がございました。何割とか何割とかという法律で決めるようにしておる点があったので……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 和田議員にお答えをいたします。 確かに御指摘のように、消費者信国産業は近年非常に多様化し、拡大化し、かつ複雑化しておりまして、節度のなさあるいは消費者の無知や情報不足に基づいて、それに乗じてきているようなトラブルも少なくございません。そういう新しい事態にかんがみまして、本法を制定したいと考えておる次第なのでございます。 例えば、今御指摘のように、与信額が五十七年では大体十三兆六千億に上ると言われております。そのうち物品供給者がみずから信用を与えているものは約四〇%、第三者が信用を与えているものは四一%であると言われております。今回の法改正等におきましては、こ……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 佐藤議員にお答えをいたします。 まず、今回の改正案が教育の機会均等の方針に対して教育基本法の理念に反するのではないかという御質問でございます。 教育の機会均等の理念の実現に努むべきことは当然でありまして、政府としても、施策上重要な課題としてこれを推進しております。このたびの制度の改正は、事業の量的拡充を図ってできるだけ多くの学生にこの機会を与えるという考えに基づくものでありまして、教育の機会均等を拡大するという意味において教育基本法の趣旨に沿っていると考えております。 次に、育英奨学金制度のあり方について御質問がございました。 今回の教育改革は、来るべき……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 松前議員にお答えをいたします。 まず、「むつ」のあり方についての御質問でございます。 原子力船「むつ」による舶用炉の開発のあり方につきましては、いろいろな御議論がございまして、今後も十分に検討してまいりたいと思っております。特に舶用炉の研究開発は、非常に今後とも重大であると考えております。そういうような考えを一貫して今後も進めていくという点においては変わってはおらないのでございます。それを進める意味におきましても、このような本法案による統合は、行政簡素化の面から見ても必要であると考えております。 次に、「むつ」について科学技術に関する認識の甘さがあったので……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 竹村議員にお答えをいたします。 まず、児童扶養手当の見直しは制度の改悪ではないかという御質問でございます。 今回の制度改正は、離婚の急増等制度発足後今日までの社会的、経済的諸情勢の変化を踏まえた新たなる対応措置として考えたものでもあり、臨時行政調査会の答申においても検討が指摘されたものであります。今回の改正におきましては、所得が低く、真にこの手当を必要とする方には手当額を引き上げるとしておるのでありまして、後退ではないのであります。 いわゆる未婚の母についての御発言がございましたが、この未婚の母の問題については、本制度の趣旨、目的、手当の必要等考慮し、また……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 元信議員の御質問にお答えをいたします。 閣僚は誠心誠意御答弁していると思います。どうぞ御質問もわきにそれずにまともな御質問をお願いいたしたいと思います。 まず、地方事務官制度は地方自治の歩みに逆行するものではないか、こういう御質問でございます。 この地方事務官制度は、暫定的かつ異例の制度として実は制定されたものであります。臨時行政調査会は、それぞれの事務の性格と実態に即して事務配分をすることによって問題の解決を図ることが必要であると判断をして、このような答申をしたものでございます。政府といたしましては、この臨調答申を最大限に尊重するという立場からこの法案を……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 町村議員にお答えをいたします。 まず、教育に対する認識と基本的理念いかんという御質問でございます。 最近の教育の現状を見ますと、社会の急激な変化及び教育の量的拡大、それに加えまして、ややもすれば教育の制度自体が硬直化している嫌いがありますし、人間中心の教育というよりも、むしろ試験制度やその他の面におきまして子供たちを数字で扱うという嫌いがなきにしもありません。また、教育をめぐる環境も大きく変化しておる状態でございまして、家庭並びに企業並びに社会全体としても、教育と一環のもとにこれを考えてみる必要が出てきていると思います。 そういう観点に立ちまして、非常に国……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 去る四月二十五日の本会議において、臨教審法案の各党質疑に対し答弁中、国会同意は中立性を損なうと受け取られる内容がありましたが、国会同意は中立性を損なうものではありません。(拍手)
【次の発言】 田中議員にお答えをいたします。
まず、今回の改革は行政改革、臨調答申との関係においていかんという御質問でございます。
今回の改革は、臨時行政調査会の答申を尊重いたしまして、その線に沿って行わんとしておるものでございます。臨調答申の趣旨とするところは、要するに、経営並びに労働関係の主体性と責任性を回復さして効率化を上げようというのが主な中心点でございます。そういう意味に……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 佐藤議員にお答えをいたします。 まず、教育改革のねらいは何であるかということでございますが、これは前から申し上げますように、二十一世紀を目指す世界的日本人をつくる、これが我々の教育改革であり、教育の権力支配や戦前回帰を意図するものではありません。 行政改革あるいは憲法問題との関係につきまして御質問がありましたが、行政改革や教育改革は自主自律、自由民主の民族精神に発するものでありまして、これは憲法を守り、あるいは憲法をつくり、あるいは憲法を改正する国民主権の精神に通ずるという趣旨で申し上げたのであります。 次に、文教政策に対する御質問がございました。 文教……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 鈴木議員にお答えをいたします。 まず、現行公社制度を廃止して、株式会社形態に改正する理由いかんという御質問でございます。 今まで一元的運営を電気通信事業についてとってきたのでございますが、近年は新しい通信メディアが次々と実用化され、また、国民の需要も高度化され極めて多様化されつつある状態でありまして、必ずしも単一の事業体だけで行うことが適当でないという状況になってきております。特に、高度情報社会への先導的役割を果たしていくためには、ある意味において競争体制への政策転換を図って、そしていろいろな事業体が参画し、かつ競争し得るようにすることが国民に対するサービス……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 私は、今般、国会のお許しを得て六月七日から九日まで英国ロンドンにおいて開催された第十回主要国首脳会議に安倍外務大臣及び竹下大蔵大臣とともに出席し、引き続き英国公式訪問の後、六月十三日に帰国いたしました。 ここに、その概要を御報告申し上げます。 今次ロンドン・サミットは、米国を中心とする景気回復の本格的な進行もあって基調としては明るいサミットになることが予想されていましたが、他方、米国の財政赤字や高金利問題、累積債務問題、自由貿易体制の維持強化等、全世界が注目している重要な問題についての力強い対応が求められるという背景のもとに開かれたのであります。また、国際政……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 林議員にお答えをいたします。 その前に、今回のロンドン・サミット出席に際しまして、国民の皆様方からは多大の御支援をいただき、また野党の党首の皆様方からはいろいろ御見識あるお考えを拝聴させていただきまして、厚くお礼申し上げる次第でございます。一生懸命やったつもりでございますが、必ずしも御期待に沿い得なかったことを遺憾に存じます。 以下、林議員の御質問に対しまして御答弁申し上げます。 まず、民主主義の諸価値に関する宣言の経過並びに意義を述べよということでございます。 この宣言ができまする理由は、恐らく、今回のサミットが十回目のサミットに当たりまして一つの節目……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 土井議員にお答えいたします。 まず、婦人差別撤廃条約を一切留保することなく完全に批准を目指すべきであるという御質問でございます。 政府といたしましては、条約批准に必要な措置につき鋭意検討を進めてきておるところであり、今回の法案提出も国内法制整備等準備のために行っておるものでございます。我々はこれらの法制整備を行いまして、批准につきましては着々その手順を進め、慎重に検討の上批准してまいりたいと思っております。 次に、本法案の内容で条約の批准が可能であるかという御質問でございますが、本法案の内容で雇用の分野に関して本条約の批准は可能であると考えております。 ……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 第百二回通常国会の再開に当たり、内外の情勢を展望して施政の方針を明らかにし、国民の皆様の御理解と御協力を得たいと思います。 私は、内閣総理大臣の重責を担って以来、戦後政治の総決算を標榜し、対外的には世界の平和と繁栄に積極的に貢献する国際国家日本の実現を、また、国内的には二十一世紀に向けた「たくましい文化と福祉の国」づくりを目指して、全力を傾けてまいりました。(拍手)このような外交、内政の基本方針を堅持し、国民の皆様の幅広い支持のもとに、これをさらに定着させ、前進させることが、私の果たすべき責務であると考えます。(拍手) 昭和六十年、一九八五年は、昭和二十年の……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 石橋委員長から重要かつ膨大な質問をいただきましたので、若干時間をいただきまして、一つ一つ御答弁申し上げたいと思います。 なお、ことしは社会党結党四十年でございまして、まことにおめでとうございます。(拍手) まず政治倫理の問題でございますが、政治倫理の問題につきまして、委員長からは、まじめにこれを推進するのかという御懸念の御表明がございました。 我々は真剣な態度でこの問題に臨んでまいりたいと思っております。既に政治倫理協議会も設定され、また政治倫理に関する綱領も決定されまして、今行為規範につきまして各党で真剣な討議が行われておるところであります。 なお、政……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 竹入委員長にお答えを申し上げます。 まず第一は、憲法問題でございます。 私は、前から申し上げておりますように、現行憲法が戦後日本の発展に果たした偉大な役割については、非常に高く評価しておるものであります。特に、その基本理念であります民主主義、平和主義、国際協調主義、基本的人権の尊重等々のこれらの諸原理は、これは確かに人類不滅の原理であり、我々が擁護しなければならない大きな責務であると考え、これが果たしてきた役割について、戦後の日本の経過を見ましても、非常に高く評価しておる次第であり、あくまでこれらは護持していくべきものであると考えております。 しかし、憲法……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 上田議員にお答えを申し上げます。 まず、大型間接税の問題でございます。 私は、衆議院予算委員会におきまして、矢野書記長に対する御答弁の中で、「多段階、包括的、網羅的、普遍的で大規模な消費税を投網をかけるようなやり方でやることはしないこそういうことも申しておりまして、いわゆるEC型付加価値税との関係について御質問いただきましたが、EC型付加価値税というのもいろいろな態様があります、しかし、その中でも今のようなものに該当するものがあれば自分はやりたくない、そういうことを申し上げたのでございます。私は昭和二十二年以来国会へ出まして、取引高税とかあるいはいわゆる一般……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 山下議員にお答えをいたします。 まず、地域経済格差の是正の問題でございます。 我が国経済の現況を見ますと、景気には地域的にばらつきが見えますが、全体としては拡大上昇の傾向にあると思います。政府は、今後とも、景気の持続的拡大を図るために機動的な経済運営に努めるとともに、地域の特性を生かした地域経済の自立的発展を促す所存でございます。特に、公共事業費の配分等につきましても、きめ細やかな配慮をいたしまして万全を期するつもりでございます。 次に、地方財政計画の策定における地方団体等の関与についてお答えいたします。 地方財政計画は、毎年度、国の経済見通し、国の予算……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 大島議員にお答えをいたします。 第一問は、補助金等の整理合理化の基本的な考え方に対する御質問でございます。 六十年度の予算を見ましても、補助金の総枠は交付金等補助金的性格のものを入れますと約十四兆四千億円ぐらいになります。一般行政経費が約三十二兆五千億円でございますから、約三分の一は補助金的性格を持っている、こういうことでございます。補助金等の整理合理化に当たっては、行財政の簡素合理化、地方公共団体の自主性、自律性の尊重の観点を踏まえつつ、国、地方の機能分担、費用負担の見直しの一環としてもこれを推進してまいっていく必要があります。今回の措置につきましても、そ……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 伊藤議員にお答えをいたします。 第一問は、現在の国債の累積の状況に対する責任と返済の手順の質問でございます。 石油危機後の経済の停滞と税収の伸び悩みの中で、政府といたしましては、景気を維持し雇用を維持していくためにやむを得ず巨額の公債発行に踏み切らざるを得なかったのでございます。その結果、経済の運営は、ほかの国に比べて良好の状態を日本は呈してきておったのであります。しかし、その反面、公債残高が累憎いたしまして、国債の利払いだけでも約十兆円に達しており、今後の財政の対応力の回復を図ることが必要であり、このような意味で特例公債依存体質からの脱却を図ることが極めて……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 川崎議員にお答えをいたします。 まず第一は、なぜこのような貿易摩擦の激化が生じたかという御質問でございます。 一言で申し上げれば、日本の輸出が非常に大きく伸びて、ドルが非常に日本に蓄積し過ぎたという外国側の見方、それからもう一つは、日本の市場の開放が十分でないという批判等が基本にあると思います。それに、アメリカ側におきましては、先般自動車に関しまして、レーガン大統領は、これを自由にする、規制を撤廃するという言明をいたしました。日本側は、それによりまして四、五月集中豪雨的に輸出が殺到しては大変だ、かえってアメリカ議会の反感を買って問題が大きくなる、そういう観点……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 細谷議員にお答えをいたします。 第一問は、農業、農村の現状への対応でございます。 農業、農村を取り巻く諸情勢は、農産物需給の緩和、規模拡大の伸び悩み、労働力の高齢化等の問題に直面して厳しい情勢にございます。私は、かねてから、農は国のもと、農林漁業は生命産業である、そういうことを申し上げて、そのような観点に立って、生産性の向上による農林水産業の体質強化と農山漁村の活性化を進め、農林水産業に意欲と活力を持てるように努力してきたつもりでございます。今後もこのような考えに立って実行してまいります。 次に、基本法農政の見直しの御質問でございます。 農業の生産性の向……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 私は、今般、国会のお許しを得て、五月二日から四日までボンにおいて開催された第十一回主要国首脳会議に、安倍外務大臣、竹下大蔵大臣、村田通産大臣とともに出席し、その際あわせてドイツ連邦共和国コール首相の招待にこたえて同国を訪問し、五月七日に帰国いたしました。ここに、その概要を御報告申し上げます。 今次ボン・サミットは、世界経済が回復の道をたどりながらも、財政、雇用及び対外収支等の分野で先進各国がそれぞれの問題を抱えるとともに、それを背景として保護主義の圧力が高まりつつあり、また、一部開発途上国は依然深刻な累積債務問題等を抱え、特にアフリカ諸国では飢餓の苦しみから脱……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 塩島議員にお答えをいたします。 共済年金の改正理由でございますが、高齢化社会の到来に備えまして、給付と負担の均衡を図り、公平で安定した年金制度の確立が不可欠であります。この趣旨に沿いまして、民間の人々については、既に基礎年金の創設、厚生年金の給付の適正化のための法律が成立しております。共済年金についてもし改正を行わないとしますと、御指摘のように給付と負担の均衡が崩れ、制度間の格差が拡大する等の問題があります。また、公的年金一元化の観点からも改正をぜひ必要とするわけであります。 この給付と負担の不均衡の点を申し上げますと、現状のままでいきますと、大体、今の掛金……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 佐藤議員にお答えをいたします。 まず、一票の価値の許容量の問題でございます。 衆議院議員の定数の不均衡は、参政権という憲法で保障する基本的権利にかかわる重大問題でありまして、昭和五十八年十一月の最高裁判決は、現行の衆議院議員の定数配分規定が違憲状態にある旨判示しており、今や重大な問題であると認識しております。これが是正につきまして努力してきたところでございます。事柄が政党間、選挙の基本ルールの問題でありますから、立法府を構成する各党各会派における御論議をお願いするとともに、今国会において是正が実現するよう期待し、努力してきたところでございます。自民党案並びに……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 第百三回国会の開会に臨み、所信の一端を申し述べ、国民の皆様の御理解と御協力を仰ぎたいと思います。 まず、去る八月十二日に発生した日本航空一二三便の墜落事故により亡くなられた方々、御遺族の方々に対し、心から哀悼の意を表するとともに、負傷された方々に謹んでお見舞いを申し上げます。政府は、事故原因の徹底的な究明を図るとともに、このような不幸な事故が再び起こることのないよう、万全の努力を重ねてまいる所存であります。 また、梅雨期の豪雨、長野市での地すべり、秋口の台風などによって被災された方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。政府は、復旧対策に全力を挙げるとともに……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 田邊議員の広範、綿密な御質問に対しましてお答えを申し上げます。 まず中期防衛力整備計画と一%の問題でございますが、我々は、平和憲法のもとに、専守防衛の理念を堅持して他国に脅威を与えるような軍事大国にならず、文民統制を確保し、総合的安全保障のもとに、節度あり、かつ有効な防衛力の整備を図るというこの方針は、歴代内閣堅持してきている大方針でありまして、我が党も今日、これを堅持しておるのでございます。 今までのいわゆる五六中業と言われるものは、防衛庁の予算要求のための内部資料にすぎなかったのでございますが、防衛の問題につきまして、防衛庁の内部資料というようなもので予……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 浅井議員の御質問にお答えをいたします。 まず日航機の事故に対しましては、心からお見舞いを申し上げ、哀悼の意を表し、事後対策に対して万全の措置を行う考え方でおります。 さらに、防衛問題でございますが、やはり防衛の基本をよく考える必要があると思います。それは、国民の生命と財産を守るという大きな仕事を、政府はしょっておるということであります。今日の日本の繁栄あるいは日本の安定というものは、平和によるものであります。この世界の平和、日本を取り巻く平和をあくまで確保して、国民の皆様に心配をかけない体制をつくり上げていくということが、防衛の基本なのであります。 そうい……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 深谷議員にお答えをいたします。 まず、行政改革の今後の進め方でございますが、政府は、臨調答申を受けまして、累次にわたる行革大綱を決定して、計画的かつ着実に進行さしてきたつもりでございます。これまで行政機構の整理合理化、国家公務員数の縮減、電電、専売両公社の民営化、医療保険制度の改正、厚生年金等の制度の改革、地方に対する国の関与等の整理合理化など、着実に実行したつもりでございます。しかし、御指摘のように、共済年金制度の改正、危機的状況にあります国鉄の再建、あるいは地方行革の推進、臨時行政改革推進審議会から御提言のあった内閣機能の充実など、今後の課題は多く、これか……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 第百四回通常国会の再開に当たり、内外の情勢を展望して施政の方針を明らかにし、国民の皆様の御理解と御協力を得たいと思います。 私は、国政の重責を担って以来三年間にわたり、「戦後政治の総決算」を唱え、行財政改革を中心とする諸改革を推進し、世界に開かれ、世界とともに歩む国際国家日本を実現するため、全力を尽くしてまいりました。この間、国民の皆様の幅広い御理解と御支援を得てきたことに対し、深く感謝するものであります。 「戦後政治の総決算」は、戦後四十年間の成果を積極的に評価し、同時に、これまでの基本的な制度や仕組みについて、新しい目で見直してそのひずみや欠陥を是正し、……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 石橋議員の御質問にお答えをいたします。 まず、スペースシャトル・チャレンジャーの不慮の事故に対しまして、心からお見舞いを出し上げたいと思います。七名の犠牲者につきましては、その勇気をたたえ、また、御家族の皆様方に対して心からお悔やみを申し上げたいと思います。 私は、レーガン大統領に早速お見舞いの電報を打ち、外務大臣、科学技術庁長官、それぞれ相手方の大臣に対してお見舞いの電報を打ちましたが、徹底的に今回の事故の調査をやっていただきまして、十分安心のできる体制をつくった上で、さらに勇気を持って前進されんことを期待しておるものでございます。 次に、国際情勢とゴル……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 竹入議員の御質問にお答えをいたします。 まず、冒頭に当たりまして、新潟県の雪崩により御遭難なさいました皆様方、御家族の皆様方にも、心から哀悼の意を表します。政府といたしましては、山崎国土庁長官を団長とする調査団を早速派遣いたしまして、お見舞い申し上げると同時に、被災者に対する諸般の対策あるいは将来の警戒監視の実施等についても、万全の措置を講じておるところでございます。 次に、私の国連演説にかんがみまして御質問をいただきました。 私は、国連演説で申し上げましたように、元来平和主義者であります。それから民主主義者であり、さらに国際主義者であると同時に、健全な民……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 兒玉議員にお答えをいたします。 まず、六十五年度赤字国債依存体質からの脱却の問題でございます。 これは、我々の努力目標として掲げておるわけでございますが、容易ならざる課題でありまして、財政環境が厳しくなっておることはよく存じております。しかしながら、予算編成、特に歳入歳出の点検、あるいは国有財産の売却、あるいは景気の振興、あらゆる財政手段、経済手段を組み合わせまして、機動的に運用することによりまして、ぜひともこの目的を達成するように努力する決心でございます。 次に、中期展望の問題でございますが、「財政の中期展望」は、現行の制度、施策をそのまま将来に引き延ば……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 山下議員にお答えをいたします。 まず、財政運営と不況との問題でございます。 我が国の経済の現状は、全体として景気は緩やかな拡大を続けていると認識いたしております。経済の安定成長確保のためにも、財政改革を推進して財政の対応力の回復を図ることが大事でございます。円高の動向に深甚の注意を払いながら、今後適切な政策を進めてまいる予定でございますが、倒産件数は、十三カ月連続して前年比マイナスを続けているというのが、現在までの状況であります。 次に、地方財政と景気の関係でございますが、地方団体は、これまでも可能な範囲内で国の経済政策に協力していただいて、公共事業、地方……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 上野議員にお答えをいたします。 本計画は、内需を喚起して、成長促進のための新しい事業でありまして、民間の経営力と民間の資金を活用しようとする、雄大かつ適切な事業であります。この民間活力の利用につきましては、経済の運営、あるいは公的規制の見直し、あるいは公共的事業分野における新しい事業、例えば、関西空港であるとか、あるいは今回の東京湾横断道路であるとか、あるいは明石海峡大橋等々、いずれも一連の発想に基づきまして、新しい成長を目指して行っておるプロジェクトでありまして、まさに時代に合う適切な事業であると考えております。(拍手) なお、現在の財政の赤字の問題の御質……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 渡辺通商産業大臣の、去る三月一日の福岡市における発言は軽率であり、まことに遺憾であります。 私も、渡辺通商産業大臣に対し、厳重に注意いたしましたが、渡辺通商産業大臣自身も、深く反省しております。 内閣は、一層言動を戒め、職責の厳正かつ公正な遂行に全力を挙げていく決意であります。
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 中村議員にお答えをいたします。 まず、就任以来やった仕事は何かというところでございますが、就任以来なすところ少なきを恐れております。「戦後政治の総決算」という信念のもとに、行政改革、財政改革、教育改革、税制改革等を推進し、国際国家日本、たくましい文化と福祉の国をつくるために、今後も一生懸命努力してまいりたいと思います。 次に、六十五年度赤字国債脱却の問題でございますが、財政をめぐる状況は厳しい状況にあることは、よく知っております。しかし、今この状態でこの旗を下げるということは、今までの努力を水泡に帰する危険もございます。財政政策、金融政策、景気政策あるいは税……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 上原議員にお答えをいたします。 まず、憲法認識と戦後政治の総決算の問題でございますが、今回の施政方針演説でも申し上げましたように、戦後四十年、日本は偉大な文化的ピラミッドを築いたと申し上げておるのであります。日本歴史でもまれに見るぐらいの大きな時代を我々は築いた。その中に果たした現憲法の役割は高く評価しているということも申し上げているのであります。特に、平和主義、民主主義、基本的人権の尊重、国際平和主義、国際協調主義、こういう不滅の原理を我々は今後とも、堅持しなければならないと申し上げておるのであります。しかし、やはり四十年もたてば、いろいろゆがみやあるいは欠……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 平泉経済企画庁長官の、去る三月二十五日の記者会見における発言は軽率であり、おわび申し上げます。 私も、平泉経済企画庁長官に対し、厳重に注意いたしましたが、平泉経済企画庁長官自身も、深く反省しております。 内閣は、今後一層言動を戒め、職責の厳正かつ公正な遂行に全力を挙げていく決意であります。
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 和田議員にお答えをいたします。 まず、最近、通産省の公務員が刑事事件に問われました事件は、はなはだ遺憾な事件でありまして、申しわけない次第でございます。 本日、閣議におきまして、私から各閣僚に対しまして、公務員の綱紀の粛正について強い指示を行っておきました。まず、公務員倫理あるいは全体に対する奉仕者としての使命感をさらに徹底する必要がある。第二に、業者とのつき合いの接点というものを、境界線を明確にして、清潔を保たなければならない。こういうようなことを確保するために、全官庁において、次官あるいは官房長等を長とする監視と監督の仕組みをつくるように、このことを強く……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 小林議員にお答えをいたします。 まず、国鉄改革と国民の皆さんの御理解の問題でございます。 国鉄改革は、二年余にわたりまして国鉄再建監理委員会が関係方面の意見を徴して出された結論であり、今後国会審議等を通じまして改革案についても、一層国民の合意を形成するように努力していきます。今の状態で見ましても、新聞等の世論調査を見ますと、大多数の国民は強く支持していただいているようであります。(拍手) なお、退職者に対しましては、いささかも不安をおかけしないように、政府も就職先についてきめ細かい努力をしておるところであり、かつまた、年金の維持確保につきましても懸命な努力……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 伊藤議員にお答えをいたします。 「増税なき財政再建」並びに六十五年度赤字公債依存体質からの脱却、この二つの方針は、今後も遵守してまいる考え方でおります。財政状況は極めて厳しい状況にあることは、私もよく知っております。しかし、この厳しい環境の中にありながらも、できるだけ歳出を節減し、増税を回避し、そして、民間活力を増大させて国民経済を繁栄に導こう、インフレなき物価安定に向けていこうというのが我々の政策でございます。厳しい道ではございますが、臨時行政調査会あるいは臨時行政改革推進審議会の方針のもとに、今のような行革、財革を通じて今後も努力をし、歳出歳入構造の節減、……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 元信議員にお答えをいたします。 まず、軍縮の具体的プロセスでございますが、国際世論の醸成のほかに、やはり核の使用を含め武力衝突を未然に防止するためには、力の均衡を通ずる有効な抑止力を維持しつつ、軍備の水準を可及的速やかに低下さしていくということが大事であると思います。軍縮は、結局は、双方の安心感から軍縮という方向に行くのであって、安心感を生むもとはどこであるかといえば、これは検証その他によって科学的に実証されるそういう手段が必要である、単なる演説によって軍縮は行われるものではない、このように考えております。 次に、米ソ交渉の問題については、有効な軍備管理ある……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 辻議員にお答えをいたします。 まず、加入者按分率の引き上げの問題でございますが、老人保健制度の長期安定を図るという観点から、老人加入率の格差による負担の不均衡を是正し、どの医療保険も同じ割合で老人を抱えるようにすることにより、老人医療費の負担の公平を図るものでございます。したがいまして、被用者保険の拠出金について、御指摘のような歯どめをかける措置を設けることは適当でないと判断したものでございます。 次に、老人医療費の中長期的見通しでございますが、ことしの予算におきましても、社会保障費が大体九兆八千億円で、その中でも、老人医療関係がたしか四兆二千億円ぐらいに及……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 関議員にお答えをいたします。 まず第一は、我が国の原子力利用に関する今回の法改正の趣旨でございます。 我が国の原子力利用は、ただいまお話もありましたように、三十年の歴史を持って、総発電電力量の四分の一を供給している、非常に重要な電力源になっておるわけであります。原子力利用の推進に当たりましては、これに伴い生じる放射性廃棄物の処理対策については、万全の措置を講じつつあります。今回の改正は、この放射性廃棄物の処理処分を確実に、適切に行うため、実際に処理処分を行う者に法律上の安全確保責任及び原子力損害賠償責任を一元的に負わせることによって、その責任の所在の明確化を……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 竹村議員にお答えをいたします。 まず、我が国の医療供給体制は、量的な面ではかなりの水準に達しておりますが、今後は、高齢化社会の急速な進展に伴い、医療資源を効率的に活用しつつ、医療需要の増大、多様化に対応していく必要があるのでございます。今回のこの行いは、廃止というよりも、高度化とかあるいは機能の充実、そういう意味も含めた統廃合である、このようにお考え願いたいのであります。こういうことによりまして、医療施設相互の機能分担と連携を図っていく、そういう考えに立っておるのであります。 最近の情勢を見ますと、医学の非常な大きな進歩あるいは民間の医療施設の充実、こういう……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 私は、今般、国会のお許しを得て、四月十二日から十五日まで安倍外務大臣とともに米国を訪問し、レーガン大統領と二度にわたり会談を行ったほか、米国議会上下両院の指導者と懇談し、四月十五日に帰国いたしました。ここに、その概要を御報告申し上げます。 私の今回の訪米の主な目的は、貿易経済問題を初めとする日米関係全般に関し、レーガン大統領との間で幅広い意見交換を行うとともに、三週間後に迫った東京サミットの成功に向け日米間の協力を確認し、さらに、世界的な広がりを有する日米両国間の協力関係につき同大統領と話し合うことでありました。二回の会談での率直な意見交換を通じこのような所期……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 五十嵐議員の御質問にお答えいたします。 まず、代行制度と地方自治の関係でございますが、今回の代行制度の改革については、その発動を著しく公益を害することが明らかである場合に限るとともに、知事の不服の申し出を含む慎重な手続を経て、最終的には執行の停止をも含めて裁判所の公正な判断を仰ぐようにしてあるわけであります。同時に、罷免制度の廃止、機関委任事務に係る議会、監査委員の権限の拡充等、今回の改正は、地方自治の立場を十分配慮した改正案なのであります。 機関委任事務の改革につきましては、国、地方を通ずる行政の簡素効率化及び地方自治の尊重の観点に立って、住民に身近な行政……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 吉原議員にお答えいたします。 まず、国鉄改革に関する基本認識でございますが、今次国鉄改革は、行政改革に残された最も重要かつ緊急の課題であると認識して、政府は、与党及び野党の皆様方の御協力もいただきまして、全力を奮ってこの法案を成立させようと強い決心をしておるものであります。(拍手) 国鉄の経営は極めて厳しい状況にございまして、破産寸前あるいは破産状態に近いとすら言われておるのであります。従来のような対策の延長線では抜本的改革はあり得ないと認識されておるのであります。分割・民営化によりまして国鉄をむだのない、効率的な経営形態に改革して、真に利用者の利便にこたえ……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 山下議員にお答えをいたします。 民営化の趣旨でございますが、今までの国鉄制度というものは、全国的な一元的な公社制度でありましたために、どうしてもむだやロスが多くなってきておるわけです。そこで、民間的経営手法を入れるということ、それから労使関係において、責任体制、独自性を持たして労使にそれぞれの励み、はずみを与える、そういう考えに立ちまして民営・分割化という方向に来たものでございます。私は、この方法が現在の国鉄を直すためには最善であると考えております。なお、今回の地方税制改正においては、基本的には、新しい旅客会社等を民営鉄道事業者並みとして取り扱いますが、当面新……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 第百七回国会の開会に臨み、所信の一端を申し述べ、国民の皆様方の御理解と御協力を得たいと存じます。 さきの国政選挙後の第百六回国会において、私は、三たび内閣総理大臣に指名されました。ここに、心を新たにして誠心誠意国政の遂行に当たる決意であります。 私は、内閣総理大臣に就任して以来、戦後政治の総決算を唱え、たくましい文化と福祉の国づくり、国際国家日本へ前進するため、思い切った改革を進めております。さきの選挙を通じ、私は、二十一世紀の新しい日本への軌道を確実に設定するため、この改革はいかなる困難があろうともなし遂げる必要があることを国民の皆様に訴えました。(拍手)……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 土井議員にお答えをいたします。 まず、委員長御就任おめでとうございました。(拍手) 第一問は、老人保健政策の問題でございます。 私も土井さんと同じように、人間主義の政治、人生と自然を大切にする政治を心がけてやっているつもりであります。老人保健制度の改正は、日本が急速に長寿社会を迎えまして、この長寿社会にふさわしい高齢者の保健医療制度を確立するためにぜひとも必要なことなのであります。特に、この制度を長期安定して持続的にこれを行う、また、世代間の公平ということも長い期間には考えてもおかなければなりません。そういうような考えに立ちまして本老人保健法案を提出したの……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 塚本議員にお答えをいたします。 まず、靖国神社の問題でございますが、靖国神社は戦没者追悼の中心施設でありまして、この中心施設に対して、我々は今まで国民的な敬意、尊崇の念を持ってまいってきたわけでございます。私は、このような考えから、平和を祈念し、また戦没者を追悼する、そういう考えに立ちまして、昨年は憲法に違反しないような配慮をもって公式参拝をしたところであり、その考えについては官房長官談話をもって発表したところでございます。この官房長官談話は現在も生きておるものでございます。 そこで、いわゆる戦犯問題という問題が起きましたが、昨年の私の公式参拝に先立ちまして……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 戸田議員にお答えいたします。 まず、私の自民党研修会の講演でございますが、私は、先行した部分で、米国はアポロ計画等で実力を十分示していると一方指摘しております。それと同時に、アメリカは多人種の複合国家で、その強みもあるけれども、教育等については必ずしも容易ではない、十分手の届かないところもある、日本は単一民族であるので比較的教育は行いやすく手も届いておる面もあるという趣旨のことを述べたのでありまして、人種的差別とか他国を批判する考えは毛頭ないのであります。(拍手) 次に、人材活用センターの問題でございますが、人材活用センターは過剰となった職員を効率的に管理し……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 中沢議員にお答えをいたします。 まず、老人保健法の趣旨に対する認識でございます。 私は、中沢議員が今おっしゃいましたように、公徳心は非常に大事であると思います。我々も心から老人をいたわりまして、老後をせめて安穏に生活できるようにこれからも最大の努力をしてまいりたいと思っております。 人口の高齢化が急速に進む間におきまして、老人の医療費も非常に増高してきております。大体平均して年一〇%から一二%ぐらい最近の統計ではふえております。老人医療費が大体四兆二千億円から三千億円の間でありますから、したがいまして、一〇%といいましても四千億円以上のお金が毎年毎年余計要……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 野坂議員にお答えをいたします。 まず、米ソの核廃絶への努力でございますが、私は、レーガン大統領並びにゴルバチョフ書記長の核廃絶への努力に対して非常に評価をし、敬意を表し、かつ実りあるものになるように我々も協力してまいりたいと思っております。レイキャビクにおける会合は、決裂とおっしゃいましたけれども、私は、いまだ合意に至らざるものであった、そういうふうに解釈したいと思っております。 我が国におきましては、しかし、憲法及び基本的防衛政策に従いまして、自主的判断により自衛のため必要最小限の防衛力整備を図る、そして軍備管理・軍縮の実質的進展に努力していくという基本方……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 田口議員にお答えをいたします。 まず、再編成の目的いかんということでございます。今回の再編成は、国立病院・療養所が国立医療機関にふさわしい役割を果たせるよう質的機能強化を図るためのものであります。離島、僻地等の医療の確保については国としても十分配慮すべきであり、地方自治体等と一緒になって努力してまいりたいと思っております。目標数につきましては別に決めておるわけではございません。機能中心によって適正配置を行っていく、そういう考えに立っております。 次に、医療供給体制の量的水準の問題でございますが、我が国の病院、病床は、マクロ的には欧米諸国に匹敵する水準に既に達……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 石橋議員にお答えをいたします。 まず、小さな政府と軍事費の問題でございます。 政府といたしましては、防衛費は必要最小限に限定して、節度ある防衛体系をつくっているところでございます。他の諸経費とのバランスを考えながら予算編成を行ってまいっております。社会保障経費、文教関係経費、公共事業関係経費、これらを十分考えながらバランスをとってきておるところでございます。 次に、内閣官房の再編成の問題でございますが、昭和六十年七月二十二日の行革審答申の趣旨を最大限尊重いたしまして、対外問題及び緊急事態への対処等を初めとする複雑化してきている現在の調整課題に対して、さらに……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 川崎議員の御質問にお答えをいたします。 まず円高の問題でございますが、昨年九月のG5以降ドル高是正が進展をいたしまして、これが一面においては米国内の保護主義の動きを鎮静させる役割を果たしております。が、一面におきましては、為替相場の動きが余りにもちょっと急激でありました。そういう意味におきまして、いわゆる円高不況あるいは景気の停滞感というものが輸出産業を中心に出てきていることは事実でございまして、政府は、それらの情勢にかんがみまして総合経済対策を策定し、その着実な実施を行わんとして今回の補正予算を提出しておるところでございます。 為替相場の変動自体は、自由経……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 第百八回通常国会の再開に当たり、内外の情勢を展望して施政の方針を明らかにし、国民の皆様の御理解と御協力を得たいと思います。(拍手) まず、昨年十一月末の三原山の噴火により、一時離島を余儀なくされた伊豆大島の方々に対し、心からお見舞いを申し上げます。幸い、噴火活動も小康を得、島民の皆様はお正月を大島で迎えることができました。私たちにとって、我が家で家族と団らんすることくらい大きな喜びはありません。いわんやお正月においてをやであります。今後とも大島島民の皆様の幸せの日々を全国民とともにお祈りをし、そのために全力を尽くす決意であります。(拍手) 本年は、日本国憲法……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 私が一月二十六日の施政方針演説において述べました間接税制度の改正は売上税の創設を含めたものであります。(拍手)
【次の発言】 土井議員にお答えをいたします。
まず、売上税と防衛費との関係でございますが、売上税と防衛費とを結びつけてお話しなさるということには非常に迷惑をいたします。(拍手)
私は、施政方針演説でも申し上げましたけれども、また、この席上で何回も申し上げましたけれども、戦後の日本の民主主義及び我々が行ってきた成果については非常に大きな評価をしておるものであります。戦後、日本は日本歴史の中でもまれな、偉大なピラミッドを建設したと思う、そういうふうにも……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 塚本議員にお答えをいたします。 まず、高松宮宣仁親王殿下の御薨去に対しまして、謹んでお悔やみ申し上げる次第でございます。 昨日の衆議院本会議における土井議員の質問に対する答弁の中で、減税額について約十四兆四千億円と申しましたが、それは一兆四千億円と訂正させていただきます。御迷惑をおかけいたしました。 次に、塚本議員から御質問がありました自民党の会合の問題でございますが、これは、自民党税制改革推進本部と各省庁官房長との間で懇談会を開いたものであります。その席上では、売上税の趣旨を国民によく説明して、質問があればこれに答え、誤解があればこれを解くようお互いに十……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 中島議員にお答えいたします。 まず、六十二年度予算の問題でございますが、六十二年度予算の執行に当たりまして大事なことは、内需の振興、それから為替の安定、それから雇用対策であると考えております。内需の振興につきましては、公共事業費について五・二%の伸びを確保いたしましたほか、住宅対策あるいはさらに雇用対策につきましても、三十万人の雇用開発計画を約一千億円の資金を用意して進めようとしておるところでございます。経済情勢に適切に対応するためには、今後予算の早期成立、早期執行が必要でありまして、予算並びに関係法案の早期成立を念願しておる次第でございます。 財政政策の問……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 早川議員にお答えをいたします。 まず第一は、今日までの経済政策の認識の問題でございます。 政府といたしましては、臨調路線に沿いまして堅実な財政政策及び行政改革を推進してまいりました。この道は誤っていたとは思いません。しかし、最近における日本の貿易黒字の累積あるいはアメリカにおける財政赤字の累積等々によりまして急激な円高・ドル安の現象を生じまして、緊急対策を行う必要を感じておるところであり、この路線は、臨調答申あるいは新行革審におきましてもお認めいただいておるところでございます。このような見地に立ちまして、与党の自由民主党が策定いたしました当面の経済対策の要綱……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 沢藤議員にお答えをいたします。 まず、法改正の必要性でございますが、今回の改正は、現在の大気汚染の状況やその健康への影響についての論議を踏まえまして慎重に御審議をしていただいていた中央公害対策審議会答申に基づき、公害健康被害補償制度をより公正で合理的なものにするために行っているものでございます。最近の改善の実績の状況及び将来に向かって予防行政への重点移行、そういうような観点に立ちまして法改正というものを考えているわけであります。 次には、環境行政への批判に対するお答えでございますが、環境行政については、公害の防止とそのための規制に意を用い、被害救済についても……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 第百九回国会の開会に臨み、所信の一端を申し述べ、国民の皆様の御理解と御協力を得たいと思います。 私は、六月八日から十日までベネチアで開催されたサミット、主要国首脳会議に参加し、世界が当面する諸問題について各国首脳と率直な意見交換を行ってまいりました。東西関係が重要な局面を迎え、世界経済が大きな困難に直面している今日、西側主要国の首脳が一堂に会し、西側の結束と政策協調の重要性を再確認した意義は大きいと考えます。 世界は、今、二十一世紀への方向を定める歴史的分岐点に立っております。軍縮への機運を現実のものへと結実させ、将来にわたり、真に安定的で建設的な東西関係を……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 岡田議員にお答えを申し上げます。 まず、売上税関係法案が廃案になりましたことでございますが、まことに遺憾であります。国民の皆様に十分御理解を得られなかったことはまことに残念であると申し上げたとおりであります。 しかし、税制改革の必要性は、最近国民の皆さんにも非常に広く広まってきたように考えております。やはり最近は、与野党の税制協議会に対して国民の皆様も非常に注目をしておりまして、この真摯な作業を見守っておるという状態でございまして、私は、今後、この税制協議会の結論について大いな期待を持っておるものなのでございます。 しかし、売上税関係の問題につきましては、……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 永末議員にお答えをいたします。 まず、会期九十日の御要請についてでございますが、今回の臨時国会は、補正予算あるいは減税、税制改革問題、地方財政の取り扱い、そのほか重要案件が山積しておりまして、そういう意味におきまして九十日を最初お願いをしたわけでございます。六十五日となりましたが、しかし、最善を尽くして努力してみるつもりでございます。政治には小休止はございません。私も「命の限り蝉時雨」、こう言っておるわけであります。 次に、今国会に臨む心構えでございますが、やはり補正予算案及び法案の成立に全力を尽くしますし、政府が現在やっておりまする施政について、この国会を……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 河野議員にお答えをいたします。 まず、精神障害者福祉法についてでございますが、人権の尊重等精神障害者の福祉については、社会復帰対策が極めて重要なものであるとの認識に立って、従来より医療との連携のもとにその促進に努めてきたところでございます。今回の精神衛生法改正においては、精神障害者社会復帰施設を新たに法律上の制度として位置づけ、今後その充実を図っていく等の措置を講じたところでありまして、精神障害者の福祉の向上に大いに資するものと考えております。御指摘の精神障害者の福祉法制定については、慎重に検討してまいる所存であります。 審議会の問題でございますが、精神障害……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 沢田議員にお答えをいたします。 まず、電電公社の株式売却に当たりまして、このようないい成果を与えてくれました旧電電の役職員の皆様方の御苦労に心から敬意を表するものであります。 それから、このような成果をいかに使うかということは大変大事な問題でございまして、後世の子孫のためにも役立った、そういう方法を明確に示して利用さしていただきたいと思っております。 NTT株式は、旧電電公社が法律によって独占事業として電気通信事業を営み、その結果、資産が形成されたものでありまして、国民共有の貴重な財産であり、かつ国民共有の負債である国債償還に充てるのが適当である、こうされ……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 船田議員にお答えをいたします。 まず、米ソ軍縮交渉の基本的認識の問題でございますが、最近の情報によりますと、米ソ間で行われておる軍備管理交渉におきまして、米ソ間で初めて現存の核兵器を大幅に削減する結果をもたらす協定をつくろうとする動きが顕著に見えまして、特にINFの問題について明るさが出てきたことはまことに御同慶の至りでございます。我々は、合理的な基準のもとに早期にこれが妥結されることを強く希望しておるものでございます。 特に我が国として重大関心を持った問題は、ソ連がINFの廃止問題についてアジアに百を残す、そういうような考え方が一部報道されましたが、それに……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 笹川議員にお答えをいたします。 まず、税制改革の基本的考え方でございますが、戦後四十年間にわたる社会経済情勢の著しい変化等に即応して、税制全般にわたり根本的な見直しを行うことによって、二十一世紀を展望した新しい税の体系を確立するという考えで、このことはぜひともなし遂げなければならないことであると考えております。 御存じのように、シャウプ博士が日本へ参りましてから、いわゆるシャウプ税制のもとに三十七年間を経過いたしましたが、この間における税のひずみあるいは不公平感、そのほか問題が大変出てきております。特にサラリーマン中堅所得層における重税感というものは、もはや……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 与謝野議員にお答えをいたします。 今回の東芝機械の不正輸出事件は、我が国を含む西側自由主義陣営全体の安全保障に重大な問題を投げかけており、かつまた、我が国みずからの安全保障についても大きな背信行為をしていると考えており、まことに遺憾な事件でございます。 この事件の再発を防止するためには、三つの方法を今考えております。 第一は、政府内部において機構を整備することと監督を厳重にすることであります。したがいまして、必要な閣僚協議会を設定し、関係各省の高級事務レベルによる協議会、連絡会をこれからは設ける。この中には、防衛庁を初め必要な各省庁を網羅するということでご……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 永井議員の御質問にお答えをいたします。 まず円相場の問題でございますが、我が国の経済の現況を見ますと、輸出がこのところやや減少ぎみではあるものの、国内需要は引き続き増加しておりまして、景気は回復局面にあるとはっきり言える段階になりました。今朝の月例経済報告におきましても景気回復という言葉が使われておるのでございます。 政府は、内需を中心とした景気の積極的拡大を図るため、五月二十九日に決定した緊急経済対策の着実な実施を今図っておりますが、ここ数日の為替相場の動きが、直ちにこのような回復基調への経済動向に影響を与えるものとは考えません。もとより我が国は、今後とも……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) 山下議員にお答えをいたします。 まず、地方自治発展のための政府の努力に関する部分でございますが、地方自治は民主政治の基盤であり、内政のかなめであるとかねてから確信し、そのように努力してきたところであります。この観点から、国の関与、必置規制、機関委任事務の整理合理化法の制定あるいは行政事務等によりまして中央地方を通ずる行政改革に努めると同時に、所要の地方財源の確保を図って地方自治の充実に努めてきたところであります。今後とも地方分権を一層推進するように努力してまいりたいと思っています。 補助金の削減等は行政改革の一環として行われたことでありまして、地方と同じよう……
○内閣総理大臣(中曽根康弘君) ただいまの御決議に対しまして、所信を申し述べます。 政府といたしましては、ただいま採択された御決議の趣旨を十分に体しまして、今後とも、日中共同声明及び日中平和友好条約の諸原則及び精神に基づき、日中友好関係の維持発展に最大限の努力を払ってまいる所存であります。(拍手)
○中曽根康弘君 このたび、私が衆議院議員在職五十年に及びましたことに対し、本院から御懇篤なる特別表彰の御決議をいただきました。身に余る光栄であり、深く感謝の意を表するものであります。(拍手) この光栄は、ひとえに、私を育てていただきました群馬県民の皆様の御支援、政界の先輩や同僚の御指導、私の祖先及び父母並びに日本国の御高恩のしからしむるところでありまして、重ねて心から感謝申し上げる次第であります。(拍手) この五十年の歳月を想起いたしますと、私の思慮を欠いた言動により御迷惑をおかけしたことや、礼を失したことも多く、反省されます。また、本議場における私の演説が穏当を欠くとして全文削除され、あ……
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