田中角栄衆議院議員の在職時の本会議での質疑や答弁などの発言についてまとめています。発言回数、発言文字数、発言時の役職、立場、各発言の冒頭部分の内容の一覧が掲載されています。
委員会や各種会議での発言等については委員会統計/発言一覧のページを参照してください。
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※「発言」は発言が記録された本会議の数、「文字数」は発言として記録された文字の総数を示しています。
※「議会役職」は議長、副議長など国会の役職、「政府役職」は大臣などの内閣、政府関係の役職が記録に付されていた場合を集計し、「非役職」は議会役職、政府役職いずれでもない場合を集計しています。
※国会会期は各選挙期中で最初にその役職での発言が記録された会期を示しています。
○田中角榮君 私は、自由討議がいかにあるべきものか、先日第一回に行われました自由討議がどういうふうであつたかということを、申し上げたいと思うのであります。 新國会法によりまして、本会議において、議員相互に自由討議の機会を與えられましたことは、形式主義に流されやすい本会議に、清新なる活を入れたものでありまして、新國会運営上、重大視せねばならぬと思うのであります。自由討議の存在理由は、國会の運営並びに政党的立場において統制を受け、盡されぬ論議、隠されたる意見、少数意見を、遺憾なく発揚するにあるのであります。從來、國政一般の質問は予算総会においてなされたのでございますが、今般自由討議といたしまして……
○田中角榮君 自由党と社会党に比べまして、民主党は十分しかございませんために、多少早口で申し上げますが、簡明に申し上げますから拍手を願います。 わが國中小企業振興対策について、ニ、三私見を申し述べたいと思います。御承知のごとく、わが国の産業の長い歴史は、中小企業をもつて母体として築かれてまいつたのであります。第一次世界大戰後、世界経済圏に重要なる地位を占める機会を與えられましたころを轉機といたしまして、大企業が徐々にわが國産業界の主軸となり、昭和初年において、都市集中の大企業に圧迫され、中小企業は漸時不振と相なり、加えて今次戰爭開始により、軍閥官僚の強度の統制による企業合同となり、あるものは……
○政府委員(田中角榮君) 笹森さんの御質問に対しまして、法務総裁から御答弁申し上げるのでありますが、あいにく外出中でありますので、私から御答弁申し上げることをお許しいただきたいと思います。 ただいまの御質問の要旨は十分了解いたしたのでありますが、何分にも、現在その捜査の途次でありまして、事件別に御報告申し上げる段階に至つておらないのであります。しかも、これが中間における発表は、事件糾明のため祕密が保持できなくなるのみでなく、その社会的に及ぼす影響も甚大であります。現在の段階においては、愼重にこれを処理し、かつ事件解明に完璧を期するために、これが御報告できないことを、お許しいただきたいのであり……
○田中角榮君 池谷信一君の御質問に対して、私から一身上の弁明をさせていただきたいと思います。私は、一昨日突然、飯田町の事務所と牛込の自宅の家宅捜索を受けました。私はただちに高等檢察廳に佐藤檢事長をたずねて、その事情を伺うつもりでおりましたが、あいにく不在でございまして、野村次席檢事にお会いいたしまして、その間の事情をお聞きしたのであります。私は、突然の家宅捜索でありまして、私としてはまつたく意外でありました。それは、私は少くとも家宅捜索を受けるような破廉恥の行為をやつておりません。(拍手)
【次の発言】(続) しかも、野村次席檢事のお話によりますと、私の経営いたしておりますところの土建会社の九……
○田中角榮君 ただいま議題と相なりました建築士法案につきまして、建設委員会における審議の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 まず本法案の趣旨を簡單に御説明申し上げます。建築物の災害等に対する安全性を確保し、質の向上をはかることは、個人の生命財産の保護と、社会公共の福祉の増進に重大なる関係を有するものであります。そのためには、專門の知識、技能を有する技術者がその設計及び工事監理を行うことが必要であります。本法案は、その趣旨にのつとり、建築物の設計及び工事監理をつかさどる技術者の資格を定めて、試験制度により建築士の免許登録をすることにより一定の技術水準を確保するとともに、その業務に対す……
○田中角榮君 ただいま議題となりました、山本利壽君外百七名提出の松江国際文化観光都市建設法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。 最初に本法案の提案の理由及び法案の要旨について申し上げます。松江市は日本文化発祥の地として広く知られ、古典的日本美を残存し、その明媚なる風光と、さらにわが国の歴史文化等を理解する上に欠くことのできない多くの文化財を有する都市であります。またラフカデイオ・ハーンの文筆を通じて世界的に著名であり、一名ハーンの町として世界に広く喧伝せられ、国際的観光都市としての名声がほうはいとして高まりつつあるのであります。以上の理由によりまして、……
○田中角榮君 ただいま議題となりました、川端佳夫君外百二十名提出の松山国際観光温泉文化都市建設法案並びに原健三郎君外四名提出の芦屋国際文化住宅都市建設法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果につき御報告を申し上げます。 両法案は、その内容において類似のものでありますので、本委員会におきましては一括して審議を行つた次第であります。最初に松山国際観光温泉文化都市建設法案について申し上げます。 本法案の要旨は、松山国際観光温泉文化都市を建設することを目的とし、これが事業の促進と完成に対して、国及び関係諸機関が国有財産の讓與その他により援助し助成すべしとするものであります。しかして……
○田中角榮君 ただいま議題となりました公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法案につきまして、建設委員会における審議の経過並びにその結果について御報告を申し上げます。 まず、本法案を政府が提出するに至りましたおもなる理由を申し上げます。昭和二十五年度は、一昨年シヤウプ氏の勧告の次第もありまして、公共土木施設の災害復旧事業は、合理的なる恒久的負担制度を確立するまでの暫定措置といたしまして、とりあえず全額国庫負担の特例を設け、実施して参つたのであります。その間、地方行政調査委員会議において、シヤウプ勧告を基礎として恒久的制度を調査審議の結果、昨年十月、国会及び政府に対して、これに関する勧告が提出せら……
○田中角榮君 ただいま議題となりました道路法案及び道路法施行法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を簡單に御報告申し上げます。 両法案提案の理由並びにその要旨をまず申し上げますと、現行道路法は大正八年に制定されたまま、現在に至る約三十年間、ほとんど改正らしき改正を加えられることなく、わが国の道路管理の基本法として存続して参つたのでありますが、新憲法下、近代的な法律形態として不適当な幾多の点が明らかになりましたので、今回その全面的改正の要に追られた次第であります。その要点は次の通りであります。 すなわち第一には、現行法を改正し、国道を一級国道及び二級国道にわけ、幹線の基準を……
○田中角榮君 ただいま議題となりました、田中角榮君外二十五名提出の道路整備費の財源等に関する臨時措置法案につきまして、建設委員会における審査の経過並びに結果を簡単に御報告申し上げます。 まず、本法案の提案の理由並びに内容について申し上げます。 現下わが国における道路の状況は、国鉄、府県道を合せまして延長約十三万五千四百キロに達しておるのであります。このうち、一応改良せられたものは、その約二二彩にすぎないのでありまして、残る八七%、すなわち延長にいたしまして十一万七千四百キロは未改良の状況にあります。しかも、そのうち約一万六千キロの自動車交通不能の区間を含んでおる現状であります。しかるに、戦……
○田中角榮君 ただいま議題となりました自転車競技法等の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案外二件につき、商工委員会における審議の経過並びに結果を概略御報告申し上げます。 自転車競技法等の実施の実情につき種々検討を加えて参った結果、現行法に基き通商産業大臣の諮問機関として設置されておる競輪運営審議会におきまして、競輪に関する基本問題、すなわち将来における競輪のあり方等のごときことを調査審議できる機能を付与しますとともに、その結論が得られますまでは、自転車振興会連合会等の業務及び会計に関する規定を整備いたしまして、この法律は当分の間存続せしめることとなしたのであります。 次に、改正の主要……
○田中角榮君 ただいま議題と相なりました中小企業金融公庫淡の一部を改正する法律案外二件につき、商工委員会における審議の経過並びに結果を概略御報告申し上げます。 まず、中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案ついて申し上げます。 中小企業金融公庫は、中小企業者の行う事業の振興に必要な長期資金を供給するために昭和二十八年八月に設立せられたものでありますが、近来とみに窮迫を告げつつある中小企業の金融難を打開し、その近代化を促進し、積極的にその振興をはかるために、資本金を百七十億円に増資、元利金回収とあわせてその運用資金量を増大確保せんとしたものであります。さらに、日本開発銀行からの承継債権で借入……
○田中角榮君 ただいま議題となりましたアルコール専売法の一部を改正する法律案及び中小企業等協同組合法の一部を改正する法律案の、商工委員会における審議の経過並びに結果を御報告いたします。 まず第一に、アルコール専売法の一部を改正する法律案について申し上げます。 アルコール専売法が実施せられましたのは昭和十二年であります。従いまして、当時制定された現行法の罰則規定は、その後における物価の著しい騰貴のため、現在ではほとんど有名無実となり、アルコール専売に関する違反取締りに多大の支障を生じておるのでありまして、このような状態に対処して、取締りの徹底を期するために罰則関係の諸規定を強化整備しようとい……
○田中角榮君 ただいま議題となりました輸出入取引法の一部を改正する法律案外二件につきまして、商工委員会における審議の経過並びに結果を概略御報告申し上げます。 まず、輸出入取引法の一部を改正する法律案について申し上げます。 最近のわが国輸出貿易の現状は、輸出商社等においてお互いに無用の競争を行ういわゆる過度競争の結果、必要以上の安値輸出を行う傾向がますます強くなり、一面において、わが国輸出品の声価を失墜させると同時に、相手方の関係業界に不測の損害を与えることともなり、他面、わが国としては得ぺかりし外貨の喪失という二重の国家的損失をこ与むつているわけであります。しかるに、最近、国際貿易の潮流に……
○田中角榮君 ただいま議題となりました石炭鉱業合理化臨時措置法案外二案の、商工委員会における審議の経過並びに結果につき報告いたします。 まず、石炭鉱業合理化臨時措置法案につき申し上げます。 一昨年来、わが国石炭鉱業は深刻な不況に悩まされており、しかも、この不況はとどまるところを知らざるありさまであります。元来、わが国の石炭は賦存状況や品質等において諸外国に比し不利な条件にありますが、さらに、戦時、戦後の経済条件を無視した強行出炭等によりまして、炭価は一そうの高騰を招来したのであります。しこうして、このような高炭価は、昭和二十七年末の炭鉱の長期ストライキを契機として、必然的に割安な外油及び外……
○田中角榮君 ただいま議題となりました重油ボイラーの設置の制限等に関する臨時措置に関する法律案の、商工委員会における審議の経過並びに結果について御報告を申し上げます。 わが国のエネルギー資源の賦存状況は、石炭及び水力がその大部分を占めておるのでありますが、ここ数年来、石油需要の急激な増大に伴い、わが国におけるエネルギー構成は著しく変化し、石油、特に重油消費の占める割合が年を迫って大きくなってきたのであります。しかし、このような傾向は、石油の自給度のきわめて小さいわが国におきましては、必然的に国際収支上の負担を増大いたしまするとともに、一方において、国内エネルギー資源、特に石炭その他の燃料資源……
○国務大臣(田中角榮君) 放送法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 現行放送法が制定されましたのは昭和二十五年五月であります。当時の放送界は日本放送協会の独占の状態でありまして、いわゆる民間放送なるものは一局も存在しなかったのであります。ただ、漸次民間放送局の出現の機運は予見できる情勢でありましたので、放送法は、かかる事態に備えて、民間放送局に対する二、三カ条の条文を設けるほかは、すべて日本放送協会を規律する条文のみより成り立っているのでありまして、いわばこの放送法は日本放送協会法であると申しましても過言ではないのであります。加うるに、当時としては、協会におき……
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。 合法にして正常な労働運動の発達を願っている私でございますから、労働運動の不当干渉となるような警察権の介入は不当にいたしておりません。先般来の警察官の出動は、違法行為の未然防止と、組合運動が行き過ぎて公安を害したり、社会秩序を乱さないための予防措置として、最小やむを得ない限度のものであることを御了承願います。(拍手)
○田中角榮君 ただいま上程になりました北陸地方開発促進に関する決議案につきまして、自由民主党、日本社会党及び民主社会党を代表いたしまして、提案の理由を御説明申し上げます。 まず、決議案の案文を朗読いたします。 北陸地方開発促進に関する決議案 わが国経済は、近時著しい伸長発展を遂げつつあるが、反面、これらの産業活動は、おおむね大都市を中心とする先進地域に集中して、後進低開発地域との格差を増大し、経済の跛行性をますます助長しているととは、国民経済の均衡ある安定的発展上、まことに遺憾とするところである。 ことに、北陸地方は、積雪寒冷地帯等の自然的悪条件に加えて、従来国の積極的施策に……
○田中角榮君 私は、自由民主党を代表し、政府の施政方針について、政治、外交、経済、文教、労働等、当面する重要問題に関し、若干の質問を行ない、政府の所信をただしたいと存じます。(拍手) 現下内外の諸情勢は、はなはだ複雑多岐であり、今後の施政にあたっては、細心の配慮と強い勇気を要することは言うまでもありません。総理大臣の施政演説は、この間に処し、必要な施策を推進し、わが国の恒久的繁栄の基盤をつちかうとともに、世界平和に貢献せんとする強い決意を披瀝したものであります。(拍手) 私がこれから行なわんとする質問は、政府の方針が一そう明確にされるとともに、その質問と政府の答弁が、国民各位の理解と共感を……
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。 三点につきまして、予備費を使わなければならないような事態があるにもかかわらず、予備費で使うような考えを持っておって、補正予算を提出しないと言っておるが、一体どうかという問題でありますから、この三点に対して具体的にお答えを申し上げたいと存じます。 第一点は、高校生急増対策についてでございますが、政府は、御承知の通り、三十六年から四十年にかけて、高校生急増対策の所要資金を試算いたしまして、工業高校の施設設備に対する補助金、地方交付税法の改正、起債の措置等で行なっておりまして、予備費から支出する予定は、今のところ全然考えておりません。 それから第二……
○国務大臣(田中角榮君) 産業投資特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を申し述べます。 御承知の通り、政府は、前国会におきまして、いわゆるガリオア・エロア等の戦後の経済援助の最終的処理をはかるため、日本国に対する戦後の経済援助の処理に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定を提出し、国会の議決を得ており、また、この協定に基づいて政府が本年度中に支払らべき第一回の賦払い金にかかる予算につきましても、昭和三十七年度産業投資特別会計予算において御承認をいただいております。さらに産業投資特別会計の本年度における投資の財源の一部に充てるため、一般会計から二百三十億円をこの会計に繰り入……
○国務大臣(田中角榮君) 石炭対策のうち、産炭地における中小企業者の問題について、私に関する部分だけお答えを申し上げたいと存じます。 産炭地における中小企業につきましては、三つぐらいに問題が分類せらるるわけであります。 その一つは、売掛金についてであります。売掛金を直接何とかしてやるということは、なかなかむずかしい問題でありますので、税法上の準備金制度の活用をはかって参りまして、中小企業の税負担の軽減等の具体的措置を考えていくということが第一点でございます。 それから、第二は、中小企業がその地域で事業を遂行していこうという場合の事業資金の問題でございます。これらの問題につきましては、政府……
○国務大臣(田中角榮君) 給与改定の予算化に際し人事院勧告をどのように考えたかという、第一問につきまして申し上げますと、勧告を尊重することを基本といたしたわけであります。初任給の引き上げ、俸給表の改定、それから期末勤勉手当の増額と支給の合理化というような問題に対して、必要な財源措置をいたしたわけであります。 また、その第二の、実施時期を十月一日といたした理由につきましては、公務員給与改定問題は広く国民経済全般の情勢を考慮して決定をする必要があります。特に、国、地方を通じまして多額の財政支出を必要とすることでありますので、諸般の問題を検討して十月一日といたしたわけであります。十月一日という問題……
○国務大臣(田中角榮君) わが国は、今や、国際経済社会の有力なる一員として、貿易立国の精神に徹しつつ、強力に自由化を推進するとともに、健全にして均衡のとれた成長のための基盤を一段と強化すべき新たな年を迎えたのであります。 私は、この年の課題にこたえるための努力の焦点を一つにしぼれば、それは輸出力の増大であると信じております。(拍手) すなわち、貿易・為替の自由化は、諸国間の輸出入の拡大を通じて、国際分業の利益をもたらすものであり、さらに、わが国にとりましては、諸外国の差別的な対日輸入制限の撤廃を促進し、輸出市場を拡大するために不可欠な手段となるものでありますが、反面、輸出力の増大を伴わずし……
○国務大臣(田中角榮君) 経済及び予算の問題については総理大臣からお答えがありましたので、残余の問題については予算委員会でお答えをすることにし、特に御要求がありました石炭問題のうち、融資困難な事情にある炭鉱に対する御質問に対してお答えをいたします。
政府といたしましては、将来有望ではありますが、当面市中その他からの設備資金等の調達に困難を来たしておる炭鉱につきましては、実情に応じまして開銀等より融資を行なうことにいたしたいと考えております。
【次の発言】 先ほどの御質問のうち、炭鉱の融資困難な事情にあるものに対する特別融資制度の問題についてお答えをいたしましたが、もう一言つけ加えて申し上げま……
○国務大臣(田中角榮君) 私に対する御質問は、農林関係予算と総予算との比率が、三十七年より三十八年は下がったじゃないかという御質問でございます。御説の通り、食管特別会計繰入金が百七十五億円ありますし、災害復旧事業費の高潮を含めた減が四十八億円ありますので、農林関係予算の予算総ワクに占める割合は若干下がっておりますが、これらの特殊経費を除けば、農林関係予算の三十六年当初に対する三十七年の伸び率は、御承知の通り一六%アップであったものが、三十八年度予算におきましては、三十七年当初に対し一九・二%のアップになっておるわけであります。なお、財政計画は、三十七年度に比して二八・一%の大幅の伸びを示してお……
○国務大臣(田中角榮君) 所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 政府は、今後におけるわが国の社会、経済の進展に即応する基本的な租税制度を確立するため、昨年八月税制調査会を設けまして、鋭意検討を加えて参りましたが、昨年末同調査会から、最近における社会、経済情勢の変化に応じて、現行税制につき、さしあたって改正を必要とする事項について、昭和三十八年度の税制改正に関する臨時答申を得たのであります。 その後、政府におきまして同答申を中心に、さらに検討を重ねた結果、昭和三十八年度におきましては、中小所得者の負担の軽減をはかるとともに、当面要請され……
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。 第一の問題は、租税負担の適正化とは軽減及び調整を意味するのかという御質問でございますが、中小企業を育成強化するためでありますので、租税特別措置等を意味するものであります。 それから、第二点としましては、政策減税、なかんずく中小企業に対する租税特別措置の内容についてということでございますが、また租税特別措置については、中小企業対策は不十分のような御発言でございましたが、産業の助成、企業の体質改善、技術振興、それから設備の近代化、及び経済上の必要性から、各種の措置がとられておることは御承知の通りでございます。特に今回の改正におきましても、特定中小企……
○国務大臣(田中角榮君) 加藤さんにお答えいたします。 対米貿易の問題につきまして、輸出と輸入について非常に日本が入超であるということを言われたわけであります。三十六年度は、御承知の通り、輸出が十二億ドル余であり、輸入が十九億ドル余でありますから、七億七千万ドルの入超でございますが、これは御承知の通り、日本の経済が非常に過熱的な状態といわれるほど膨張したときのことでございまして、三十七年度は、十二月までの数字を見ますと、輸出が十一億九千万ドル、輸入が十一億六千万ドルで、逆に十二月まででは三千万ドルの出超になっております。このように対米貿易においては非常に大きく改善せられておるわけでございます……
○国務大臣(田中角榮君) 五カ年計画に要する財源を四千五百億と想定をして、これが確保についての政府の決意をただされたわけでありますが、御承知のとおり、生活環境施設整備緊急措置法の五カ年計画案の決定は、閣議決定によるということでございます。現在、総額につきましては、厚生、建設両省において検討中でありますので、数字を申し上げることができない段階ではございますが、これが五カ年計画の樹立、資金の確保につきましては、万全の処置を講じて御期待に沿いたいと考えております。
【次の発言】 生活環境整備計画につきまして、経済企画庁長官が反対をしておるというような御発言でございましたが、そのような事実はございませ……
○国務大臣(田中角榮君) 浦野さんにお答えいたします。 本法律案の措置としては、資金の確保、課税の軽減ということだけでありますが、そのほかの財政金融等の措置を必要としないかということでございますが、もちろんお説のとおりでありまして、各般の問題に対して推進をいたす予定でございます。 第二の問題は、この程度の法文規定で、市中金融機関やその他の政府金融機関等の協力が得られるのかということでございますが、御承知のとおり、金融機関の資金運用は、国の経済発展ということに対して十分寄与しなければならないことは当然でございますし、また資金運用は、そのような趣旨に沿って運用せられておるのでございますが、法律……
○国務大臣(田中角榮君) 春日さんにお答えをいたします。 私に対する第一の問題は、本法律案は、金融を国家権力の統制下に置いて、戦前の重要産業統制法のようなものになるのじゃないかということでございます。春日さんもそうお考えになっておられるわけではないと存じますが、この法案作成の過程において、このような考え方が起きては困るということで、私たちの考えを十分反映をいたしておるわけでございます。この法案によって、必要な産業体制を確立するために振興基準をつくりますときに、金融界の代表も入りましてこの実情をよく理解をするということが趣旨でございまして、これをもって、国家権力をもって融資をせしめるというよう……
○国務大臣(田中角榮君) 荒舩さんにお答えいたします。 天災融資法の問題、激甚災の指定の問題等につきましては、農林大臣からお答えがございましたが、いずれにいたしましても、降ひょう、突風の災害につきましては、これが復旧に遺憾なき処置をとってまいりたいと考えます。 地方公共団体の問題について、特別交付税の繰り上げ支給等を考えることができないかということでございますが、御承知のとおり、法律によりまして、三十八年度の特別交付税は三十九年二月になってこれを決定することになっておるわけでございます。しかし、六月には普通交付税の繰り上げ概算交付も考えておりまして、地方公共団体の財政に支障のないように格段……
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。 私に対する第一点は、利率を政令に委任した理由でありますが、いま総理大臣から申されたとおり、貿易・為替の自由化に対抗しまして国際競争力を強化していきますためには、金利政策を弾力的にかつ機動的に行なわなければならないということは御承知いただけると思います。市中金融機関の預金金利を弾力的に行なうという考え方に立ちますと、この金利政策の中の一環としての郵便貯金の金利につきましても、法定事項から政令に委任をしていただきまして、適時権衡をはかってまいりたい、このような考え方に立つものであります。 第二の問題は、既設の定額郵便貯金、積立郵便貯金等の契約者が、……
○国務大臣(田中角榮君) 仮谷さんにお答えいたします。 第一点は、地方公共団体の災害に対する救助費及び復旧費の財源確保に対して、政府はどうするかということでございますが、御承知のとおり、国庫補助、地方起債、特別交付税等によって常に配分をいたしておるわけでありますが、三十八年度の特別交付税の配分に対しても、万全の処置をいたしたいと存じます。 第二の問題は、被災者に対する税法上の処置についてでございますが、御承知のとおり、所得税法による雑損控除、災害減免法の規定によりまして、軽減、減免等を行ないまして、負担軽減をはかってまいります。 それから第三点目につきましては、災害のため納税資金繰りが非……
○国務大臣(田中角榮君) 多賀谷さんにお答えいたします。 産炭地振興のために北九州に造幣局の工場等をつくると総理が言明されたということについての御質問でございますが、御承知のとおり、閣議では、産炭地振興のために産業振興をはかることはもちろんでありますが、政府関係機関等の移転、新設等につきましても格段の意を払うように決定いたしておるわけでありまして、関係各省で鋭意これが調査を行なっております。それから、大蔵省関係におきましては、造幣局につきましても検討いたしておりますが、現在の段階におきましては、専売公社関係、特にフィルターの工場等は新設をいたすべく準備中であります。なお、そのほか、自衛隊の移……
○国務大臣(田中角榮君) 私に対する質問の第一は、中小企業協同組合法の小組合の組合員に対して、税制上、金融上、特別の処置を講じなければならないということになっておるが、特別の処置とは具体的にどのようなものか、また、政府はいままでどのような特別な処置をしたかということでございます。 御承知のとおり、小組合員も含めまして、これと同程度の経済的地位にあります零細企業者につきまして、その負担に応じた税制をとるべき旨を明らかにした宣言規定でございます。現行の税制は、すでにこのような点を十分考慮いたしまして、まず第一には、個人企業に対する累進税率構造において、低所得階層に対しまして、税率の逓減をはかって……
○国務大臣(田中角榮君) 基本法二十四条の規定に基づきます中小企業に対する適正な融資、指導というこの指導の具体的問題に対しての問題と、もう一つは、民間金融の一定割合を中小企業のために確保すべくもっと積極的な施策の用意があるかということでございますが、御承知のとおり、民間の金融機関につきましては、中小企業に対する資金の量及び条件、金利の問題等十分な配慮をするように指導いたしており、また通達もいたしておるわけでございます。 それから第二の問題につきましては、委員会審議の過程における政府委員の答弁についてでございますが、御承知のとおり、中小企業の育成強化につきましては、政府は、金融の円滑化及び資本……
○国務大臣(田中角榮君) 一つは、会議の設置は地方自治を侵害しないかという問題でございますが、ただいま総理大臣からお答えをいたしました通り、広域行政の円滑化に資するためのものであり、しかも地方公共団体が組織するものに国の出先機関が構成メンバーとして参加するのでございますから、現在よりもより相互協調を深めることでありまして、地方自治の本旨を侵害するものだとは考えておりません。 もう一つは、大蔵省の財務局長が構成メンバーになっておりますが、御承知のとおり、税を除く大蔵省の総合出先機関でありますので、以上の目的を達成するためにも構成メンバーとなることが必要であると考えておるわけであります。(拍手)……
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。
国民金融公庫法は、御承知のとおり、一般の金融機関から金融を受けられないものを対象にいたしておりますので、これをもって十分とは考えておりませんが、御承知のとおり、第一段階において、二十億円のワクをつくって、少しでも被買収者の方々の生業資金にこたえたい、このように考えておるわけでございます。(拍手)
【次の発言】 お答えいたします。
第一の質問は、生業資金及び育英資金とお答えをしたようでありますが、育英資金は、国民金融公庫法上の制約がありまして、育英資金といったのは間違いでございます。
第二の問題は、融資対象の問題でございますが、御承知のとおり、……
○国務大臣(田中角榮君) 公務員の給与が民間の給与に比べましてかなり低いというために、国費でせっかく養成をしました技術屋が民間にとられてしまうということに対して、公務員と民間給与の格差に対してどう考えるかということでございます。この問題につきましては、技術職員の給与の改善につきまして、人事院の科学的、専門的調査の結果を待ちまして検討、善処をいたしたいと考えておるわけであります。(拍手)
【次の発言】 本案は旧年金受給者のみに一時金を交付するものであるが、さきに公債で済まされた者の間に不公平がないか、また、どこまでこれを広げる考えかという御質問だと思います。ただいま提案者が御説明申し上げましたと……
○国務大臣(田中角榮君) 私に対する第一の御質問は、ただいま法定である郵便貯金の金利をなぜ政令に委任するのかということでございます。この問題については、いま総理大臣からも御答弁がございましたが、基本的にはそのとおりでございます。しかし郵便貯金というものが、大衆、零細な預金者であるということと、もう一つは、資金運用部の資金として、これが国民生活のために大きく貢献し、特に戦後の日本の経済復興に寄与した力の大きいことを考えますときに、ただ、民間の金利が下がったから郵便貯金の金利も自動的に引き下げるというような考え方を前提にして政令委任をしておるものではないのであります。先ほどから申し上げておりますよ……
○国務大臣(田中角榮君) 学長の内閣任命につきましては、総理大臣からお答えをしたとおりであります。(拍手)
○国務大臣(田中角榮君) 私は、今般、日加閣僚委員会並びに国際通貨基金、世界銀行等の年次総会に出席するため、カナダ及び米国を訪問してまいりました。 国際会議に列席しまして痛感いたしますことは、国際金融経済上におけるわが国の立場が近年とみに重要性を加え、いまや、わが国は国際経済の発展にとって不可欠の役割りを果たすに至っておるということであります。わが国の国際的地位の向上は、戦後の復興及びその後の発展を通じて、産業構造の高度化、所得水準の向上等、経済の基盤が着々と強化されてきたという事実に対する国際的評価によることはもちろんでありますが、さらに、わが国の貿易規模が大きく、世界各国との貿易関係が緊……
○国務大臣(田中角榮君) ここに、昭和三十八年度補正予算を提出するにあたり、その概要を御説明いたします。 まず、一般会計予算の補正におきましては、国家公務員等の給与改善、食糧管理特別会計への繰入れ等、当初予算作成後に生じた事由に基づき緊要となった経費を追加することとなし、これに応じまして、法人税等経済の拡大に伴う租税及び印紙収入の自然増収を見込むことといたしておるのであります。その総額は、千二百四十二億円でありまして、これにより、昭和三十八年度一般会計予算総額は、歳入、歳出とも二兆九千七百四十二億円と相なるわけであります。 歳出追加の第一は、国家公務員等の給与改善に関する経費であります。国……
○国務大臣(田中角榮君) 輸送力激増に対応して、政府は積極的に財政援助をしなければならないという御説でありますが、国鉄は御承知のとおり戦後一個の企業体、公共企業体という新しい体制を整えたわけであります。しかし公共性の非常に強い企業体でありますし、通勤輸送、幹線輸送等の整備の事業がたくさんありますので、自己資金をもってこれをまかなうわけにはまいりませんので、政府もこれに重点的な投資を行なってまいったわけでありますが、しかし現在の政府の投資をもって足れりとも考えておるわけではありません。しかし、この国鉄に対しましては、公共企業体であり、独立採算制を要求せられており、しかも安全を確保しなければならな……
○国務大臣(田中角榮君) 昭和三十九年度予算の提出にあたり、その大綱を御説明いたしますとともに、財政金融政策の基本的考え方について所信を申し述べたいと存じます。 本年は、わが国がOECD加盟、IMF八条国移行に伴い、名実ともに国際経済社会の有力な一員となる本格的な開放体制移行の年であります。 貿易なくしては経済を営み得ず、貿易の伸長なくしては経済の拡大を期しがたいわが国にとりまして、開放体制への移行こそは、日本経済が、常に前進する国際経済社会の中にあって、さらに大きな発展の機会を見出していくために、みずからが選んだ発展への道であります。すなわち、これによりまして、わが国は、諸外国との経済交……
○国務大臣(田中角榮君) 予算に関するお答えの前に、利子平衡税問題に対してお答え申し上げます。 いま外務大臣がお答えを申し上げましたとおり、利子平衡税に対しては、これが法案の審議経過を見守っておるわけでありますが、これが日本の経済及び国際収支に及ぼす影響に対しても十分の配慮をいたしております。しかも、利子平衡税の問題については、来たるべき日米経済閣僚会議の議題ともなっておりますので、十分日本の真意を伝えて、これが対日差別撤廃を求めるつもりであります。 利子平衡税後の問題としましては、御承知のとおり、世銀から道路公団に七千五百万ドルの借款をいたしましたし、なお三十九年度分として一億ドルの借款……
○国務大臣(田中角榮君) 税制、金融、国際収支の問題に対しては、ただいま総則大臣からお等えがございましたので、管理物価を引き下げるか、間接税、特に砂糖及びたばこの引き下げを断行する意思はないかという御質問に対してお答えを申し上げます。 御承知のとおり、間接税は昭和三十七年に大幅な減税をいたしました結果、おおむねその税負担は妥当な水準にあるものと認められるのであります。その意味におきまして、現在減税の緊急性がないものとして、来年度の間接税の減税は行なわなかったわけであります。 それから砂糖の問題でありますが、国際価格が上がったり、税負担の問題等がありましたので、去る十二月に砂糖消費税の減税を……
○国務大臣(田中角榮君) OECDに対する加盟の利益があるかということでございますが、その問題に対しましては、総理大臣、外務大臣からお答えになりましたが、大蔵省関係としまして、財政金融、特に国際流動性の問題、経済、貿易等につきまして、これから国際的に開放経済に対処して、いろいろ日本も前向きで利益を守っていかなければならぬことは言うをまたないわけであります。これらの問題につきましては、御承知のとおり、国際連合及びIMFで討議をされるのでありますが、この討議に先立ちまして、主要国はOECDで特に議論をいたすのであります。その意味において、日本が事前に討議をせられるOECDに加盟をすることによって、……
○国務大臣(田中角榮君) 所得税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 政府は、今後におけるわが国の社会経済の進展に即応する基本的な租税制度を確立するため、一昨年、税制調査会を設け、鋭意検討を加えてまいりましたが、昨年末、同調査会から、最近における経済情勢の推移に応じて、現行税制につき、さしあたって改正を必要とする事項について、「昭和三十九年度の税制改正に関する臨時答申」を得たのであります。その後、政府におきまして、同答申を中心にさらに検討を重ねた結果、昭和三十九年度におきましては、中小所得者に重点を置いて所得税の負担を軽減するとともに、当面要請されている企業資……
○国務大臣(田中角榮君) 新道路五カ年計画の発足に際して、ガソリン税の引き上げ等特別財源の整備を行なったけれども、それについては三十九年度一般会計歳出四百五十億では少ない、こういうような趣旨であったと思います。一十九年度の道路整備事業費は二千七日六十五億でありまして、うち一般財源を四百五十億円歳出に組んでおるわけであります。三十八年度の一般会計の歳出は三百六十億でありますので、対前年度比二五%アップになっておるわけであります。特定財源であるガソリン税は一〇%の増徴後、対前年の伸び率は二三%でありますので、この増税後の特別財源の伸び率以上に一般会計の支出を行なっておるわけであります。 道路整備……
○国務大臣(田中角榮君) 一年間公共料金抑制の立場から、地方公営企業に対して利子の補てん、一般会計からの補充、なお、企業債の金利の引き下げ、償還期限の延長等ができないかということでございますが、物価抑制のために政府が一年間行なっておりますこれらの施策に対しては、地方公共団体も十分協力を願いたいことでありますし、一時的な資金不足を補うために延長するというようなこと、また、金利の引き下げ等につきましては、資金運用部の資金コストは御承知のとおり六分五厘でございますし、また、公営公庫の金利は七分三厘でありますが、資金コスト一ぱいの数字でありますので、これを引き下げるというわけにはいかないと思います。な……
○国務大臣(田中角榮君) 公定歩合引き上げ後の中小企業金融に対しての御質問でございます。総理大臣がおおむねお答えをいたしましたが、二、三申し上げます。 第一点は、公定歩合引き上げが決定せられた直後に、日銀総裁を大蔵省に招致いたしまして、これが引き上げによりまして中小企業にしわが寄らないように、万全の措置をとられることを要望しておるわけでございます。 第二点は、御承知のとおり、昭和三十八年の第四・四半期につきましては、政府三機関の資金の追加、融資ワクの拡大、買いオペレーションの運用等によって、万全の対策をはかっておるわけでございますが、なお、昭和三十九年度につきまして、三十八年対比二一%資金……
○国務大臣(田中角榮君) 小松さんにお答えをいたします。 画一、一律的な引き締めを行なわないと言っておったものが、なぜこのように二厘も大幅に公定歩合を引き上げたのかということでございますが、このおおよその問題に対しては、いま総理大臣からお答えをしたとおりでございます。 この公定歩合は、御承知のとおり、日銀が中央銀行としての中立性を保ちながら、機に応じて適切な処置の一つとして行なう金融調節手段でございます。御承知のとおり、十二月にはもうすでに預金準備率の引き上げを行ない、なお、一月には窓日規制も行なっておるわけでございます。総理の施政方針演説にも、私の財政演説にも、金融は引き締め基調にありま……
○国務大臣(田中角榮君) 外国為替及び外国貿易管理法及び外資に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 わが国は、世界経済の趨勢に即応し、国際分業を通じて経済活動の効率を高め、わが国経済の一そうの繁栄をもたらすため、解放経済体制への移行を進めており、その一環として、来たる四月一日に国際通貨基金協定第八条に規定する義務を受諾することとして着々諸般の準備を進めておるのでありますが、これに伴い、外国為替、外国貿易その他の対外経済取引に関する法制を整備することが必要となっておるのであります。 次に、今回提案いたしました法律案の概要を御説明申し上げます。 まず第一は、外国為替及……
○国務大臣(田中角榮君) 江田さんの御質問の第一点は、春闘に対する態度でございますが、春闘における賃上げにつきましては、労使の自主的交渉によってきまるものでありまして、政府としまして、春闘に対して具体的規制を行なう考えはないのであります。しかし、開放経済への移行に備え、また、今後の経済の安定成長を期する上にも、労使双方の良識ある判断を望む次第でございます。 第二は、人事院勧告の問題について、私が尊重をしないような発言をしたような御発言がございましたが、人事院勧告の出ておらない現在、このような発言をしようはずはないのであります。 人事院勧告についてこの際申し上げますと、従来、人事院勧告につき……
○国務大臣(田中角榮君) 騒音等基地対策費の増額をはかれないか、なお、公共施設以外の個々の住民に対しての民生安定上の見舞い金というような形で交付金等を出せないかということでございます。 学校、病院に対する防音工事につきましては、事業はかなり進捗いたしておりますが、大蔵省といたしましても、すみやかにこれを完了せしむるように、三十九年度におきましても、従来、一件三年ということで処理をするようにいたしておりましたものを、二年ないし一年で処理をするように、所要の予算を計上いたしておるわけでございます。 なお、基地があることによりまして被害を受けておる基地所在市町村につきましては、いわゆる基地交付金……
○国務大臣(田中角榮君) 私の関係の職場は、印刷、造幣、専売等でございます。ストは、国民に多大の影響を及ぼし、世論のきびしい批判を受け、組合員にとりましてもマイナスとなる面が非常に多いことでありますから、組合員各位に強く訴える等いたしまして、こうした違法のストを回避するためにあらゆる努力を傾けたいと考えます。
しかし、万一ストが行なわれた場合には、遺憾ながら法の規定にのっとりまして断固たる処置をとらざるを得ない、こう考えるのであります。(拍手)
【次の発言】 林業に関し予算上、金融上、税制上、手厚い措置を講ずるようにということでございます。
まず、予算について申し上げますと、林業の振興につ……
○国務大臣(田中角榮君) 私に御質問の第一点は、地方制度調査会等からの答申によりまして、地方財政健全化のためにどのような改善策をとったかということでございます。 この問題につきましては、三十九年度の予算編成にあたりまして、公立小中学校校舎の単価を引き上げております。工業高校建物等の単価も五・五%程度引き上げておるわけでございます。公営住宅においてもしかりでございます。農業改良普及員等の給与の改定、保健所職員等の問題もこの線に沿って改善をはかっておるわけでございます。ただ、国庫補助を実際の額まで補助すべしという議論につきましては、標準単価をもって行なっておるわけでありまして、実際の経費の補助を……
○国務大臣(田中角榮君) 中央中小企業調停審議会の予算の件でございます。御承知のとおり、専門委員を置きまして、具体的案件の調査、検討、資料の収集等をはかりますために必要な経費を計しいたしております。三十九年度の予算は百八十五万五千円でございます。(拍手)
○国務大臣(田中角榮君) 厚生省の原案と提出政府案と違う、この違うのは大蔵省が反対したからだというような御説でございますが、法律案作成の過程においていろいろな議論がございましたが、最終的政府案として決定をしたものは、いま御審議を願っておるものでございます。 第二点は、国庫補助率を五%引き上げたと仮定した場合、一体幾らかかるのかということでございます。厚生年金の受給者は、三十七年度末におきまして御承知のとおり三十八万人でございますが、三十九年度予算におきましては四十六万人を見込んでおるわけでございます。給付金の総額は、三十九年度の予算において百八十六億円、国庫負担額は二十九億円であります。かり……
○国務大臣(田中角榮君) 第一は、今回の凍霜害につきまする農業所得に対する減免措置の問題でございます。御承知のとおり、減免につきましてはこれらの措置を適切に行なうという考え方に立っておるわけでございます。損失につきましては、農業所得の計算上控除が認められておりますし、また、当該年度で全部が片づかない場合には、三カ年間にわたりまして後年度もこの控除を認めるという考え方をとっておるおかげでございます。 なお、地方税につきましても、条例の定めるところによりまして減免措置を行なうという考え方でございます。 第二点は、天災融資法の融資限度の十五万円では少ない、これを三十万円ぐらいに引き上げられ、ない……
○国務大臣(田中角榮君) 災害復旧に対する財政及び金融その他の問題に対してお答えを申し上げます。 関係地方公共団体及び自治体等が現在救助作業を行なっておるわけでございます。鉄道、電信、電話等の施設被害につきましても応急対策を努力いたしております。これらの費用に対しまして、お説のように、いやしくも予算上の拘束によりまして救助作業や復旧作業が制限を受けないようにという基本的な考えでございます。 それから、災害復旧毒薬につきましては、被害額の判明次第、これに見合った十分な財政措置を講じていく所存でございます。なお、地方公共団体が財政措置をする前に、緊急に応急復旧工車中をやらなければならない面につ……
○国務大臣(田中角榮君) 私は、今回成立しました新内閣におきましても、引き続き大蔵大臣を拝命することになりましたが、任務の重大さを痛感し、微力を尽くして職責を全うする覚悟を新たにいたしておるのであります。(拍手)本国会は、新内閣発足後初めての国会でございますので、補正予算の御審議をお願いする機会に、財政金融政策につきまして所信の一端を申し述べたいと存じます。 申すまでもなく、一国の政治の理想は、国民が真に生きがいを覚え、働きがいを感ずるような国家社会を築き上げることにあります。このような理想を達成するためには、経済面において、国民経済の健全かつ着実な発展をはかってまいることが肝要であります。……
○国務大臣(田中角榮君) お答えいたします。 第一点は、金融機関の状態及び金融の正常化についてでございます。金融の正常化について進めなければならぬことは御指摘のとおりでございます。 なお、大きな銀行、すなわち都市銀行に対しては、預貸率等の問題はあるけれども、大きくこれが影響を受けるのは、相互銀行、地方銀行、信用金庫等、中小企業向け機関が、この制度のために、金がありながらコール等に回さなければならないような御説でございます。御承知のとおり、健全経営化のために預貸率の制度をとっておることは、これはもう金融機関すべてにとっておるわけでございます。しかし、中小企業専門機関の資金が、中小企業により的……
○国務大臣(田中角榮君) 私からお答えをする二、三点に対して申し上げます。 第一点は、災害予算の予備費の弾力性が欠けておるということでございます。すなわち、公共土木施設及び農林水産業施設災害復旧事業等につきましては、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法等に基づきまして、各省の査定を待ちまして、予備費の支出という段取りになるわけでございます。今年度の例を申し上げますと、十月の末で百五十四億円の予備費支出を行なっておるわけでございます。また、これから予備費を支出しようとするものが二十六億ばかりございますので、予備費としてまかなうものおおむね百八十億でございます。こういうふうにやっておりますし、な……
○国務大臣(田中角榮君) 第四十八回国会に臨み、昭和四十年度予算の御審議を求めるにあたり、その大綱を御説明いたしますとともに、財政金融政策の基本的な考え方について所信を申し述べたいと存じます。(拍手) 本年は、昭和四十年代の始まる年であります。 戦後二十年、新生日本は、荒廃の中から立ち上がり、急速に経済の復興をなし遂げ、その後もたくましい成長力をもって発展を続けてまいりました。二十年のうち初めの段階は、いわゆる傾斜生産方式等によって窮乏経済から脱却し、生産及び国民生活を戦前水準に戻すことを目ざして努力した復興の時期でありました。それに続く段階は、経済の拡大と近代化を進めて、国民総生産を自由……
○国務大臣(田中角榮君) 私からお答え申し上げる第一は、選別融資の方向にあるというが、かかる重点的、効率的な融資のルートをつくるとすると、中小企業や農業のような金融に圧迫がこないかという御心配でございますが、選別融資ということは、単に政府が資金の統制をしようなどという考えではなく、業界において自主的に、より効率的な資金ルールをつくりたいという考えでございます。誤解のないようにお願いいたしたいと存じます。 なお、中小企業や農業の合理化金融等につきましては、特に政府は重点を置いておりまして、中小企業につきましては、中小三機関の融資資金の拡充その他条件の緩和等、十分な配慮をやっております。農業等の……
○国務大臣(田中角榮君) 購入飼料のうち、ふすま、トウモロコシ等については、その全量を国が管理すべきだというお話でございましたが、ただいま農林大臣からお答えしたとおりでございます。ただ、トウモロコシについて食管でこれを管理するということについては、適当でないという考えでございます。しかし、異常な需給の逼迫等に対処いたしますためには、四十年度におきまして新たに政府が十五万トンの調整保管を行なうことにいたしておりますので、需給の安定は確保できるという考えでございます。 第二点の、ふすまの払い下げ価格の十七円値上げを見込んだ問題でございますが、この点につきましても、農林大臣から申されましたが、裸三……
○国務大臣(田中角榮君) 私がお答えすべきものは二点でございます。 その一点の、事業費が計画どおり確保できるかということにつきましては、ただいま自治大臣がお答えをしたことで足ると思いますが、要約して申し上げますと、新産業都市や工特地域の地方団体は、産業立地条件的に見ますと、非常に恵まれた団体でございます。でございますから、建設事業の進捗によりまして将来財政力が豊かになってくるということは期待できるわけでございます。 なお、十九カ所に及ぶ六兆三千億余の事業費というのは、これは公共投資だけではなく、国、地方公共団体及び民間投資を合わせて想定して数字でございます。これら事業の進捗の計画をうまくや……
○国務大臣(田中角榮君) 国と地方財政の健全化につきましては、国も地方も十分前向きで検討していかなければならないことは論をまちません。また、国と地方との財政の関連性につきましても、密接不可分のものでございます。 ただ、ここで申し上げておきたいことは、いままでは高度成長が続きましたので、地方財政計画と相当大きな遠いのある決算が行なわれました。三十七年等は、地方財政計画と七千億、八千億の差もあったわけでございますが、これからは安定成長期に入りますので、自然増収を大きく見積もることができないわけであります。その意味におきまして、地方財政計画も国の計画とあわせ、十分健全化に向かっていかなければならぬ……
○国務大臣(田中角榮君) 第一の住民税につきましては、いま自治大臣がお答えをしたとおりでございますが、ただ、現行制度の中で高額所得者に累進的課税をとったらどうかということでございますが、御承知のとおり、税制調査会の答申にも、市町村民税につきましては、その性格にもかんがみ、現行の税率における累進度は緩和することが望ましい、こういう答申を得ておるのでありまして、政府も、そのような考え方に立っております。 電気ガス税につきましてもお答えがございましたが、これは生産コストにはねかえる率が五%以上というものに対して電気ガス税の減免を行なっておりますし、しかも、効果があがったものに対してはこれを随時はず……
○国務大臣(田中角榮君) 政府は、中小企業金融に対して常に配意をいたしておるわけであります。 まず第一番目に、四十年度財投による中小三機関の融資額は、御承知のとおり、三十九年度当初に比べまして、二〇%アップの四千三百八十億円でございます。なお、財政資金による買いオペレーション等を行なう場合に、中小企業に対して十分の配慮をいたしておるわけでございます。 第二点は、中小企業の信用補完を期しますために、中小企業信用保険公庫への出資金、昭和三十九年四十五億でございましたものを、四十年度六十億円に増額いたしております。 また、小規模零細企業につきまして、特別小口保険制度を創設いたしたわけであります……
○国務大臣(田中角榮君) 私からお答えをいたします第一点は、現在の医療手当を生活保護的なものを含めたものにすべきではないかということでございます。 昭和四十年度におきましては、特別被爆者の範囲の拡大、健康診断の拡充、医療手当の増額等の措置を講じまして、原爆障害対策費総額において、三十九年度より二億九千六百万円を増額しまして、十六億七百万円を計上いたしておるわけでございます。原爆による被害者に対して、生活保護的なものも加味してということでございますが、本件につきましては、生活保護法の制度がありますので、当然これによるべきものだと考えておるのであります。 第二点は、被爆者の総数が四千余人の少数……
○国務大臣(田中角榮君) 総理大臣から大体お答えがございましたが、二、三補足して御説明申し上げます。 第一は、倒産、不渡り手形に対する調査等については、民間機関等に依存しておって、政府は何らの措置をしておらないというようなことでございますが、御承知のとおり、三十九年十月以降、全国銀行協会連合会が、全国の手形交換所で、負債の状態、不渡り手形の状態、また倒産の状態等十分調査をいたしております。政府もこれらの調査に基づきまして十分な措置をいたしたいと考えます。 第二は、自己責任によらない産業の黒字倒産、連鎖倒産等を防ぐために、不渡り手形の損害救済のための手形保険制度を設けてはどうか、こういう御指……
○国務大臣(田中角榮君) 私からお答えいたしますのは二点でございます。 その第一点は、今回御審議を願っております農地管理事業団の構想は、当初の構想よりも非常に後退をして縮小されたということでございます。本件につきましては総理大臣及び農林大臣が詳しくお答えを申し上げましたが、とにかく、農地の流動化を促進し、自立経営農家をつくるために農地管理事業団の制度が開かれることは、画期的なことであります。(「反対したじゃないか」と呼ぶ者あり)最終的には賛成をいたしたわけであります。農地の流動化に対しましては、御承知のとおりいろいろ問題がございますが、流動化促進のためにこの制度を開いたわけであります。しかも……
○国務大臣(田中角榮君) 精神衛生対策の予算が不足であるということでございます。しかし、政府は、精神障害者対策の強化ということに対しては、四十年度予算編成にあたりましても最重点施策としてこれを取り上げたわけでございます。 一挙に施設を整備できないということにつきましては、財政上の理由だけではなく、御承知のとおり、人的、物的な設備の問題もございますので、財政の許す限りにおいて努力をいたしておるわけでございます。四十年度の予算を見ていただけばおわかりになるとおり、三十九年度に対しまして二二・八%増しの百六十四億円を計上しておる次第でございます。 第二の問題は、精神衛生法第三十条による問題でござ……
○国務大臣(田中角榮君) 私からお答えするものは三点でございます。非常に重要なことでございますから申し上げます。 第一点は、政府はこのような施策を行なうための財源をもって健保や地方公営企業の赤字対策等にしてはどうかということでございます。農地改革は、ひとり農民の、農村の民主化、農業生産力の発展のみならず、戦後の日本経済の発展に大きく寄与したことは御承知のとおりでございます。しかしながら、反面において、これが画期的な変革でありましたことから、農地被買収者の中には、その生活や経済状態の大きな変動を来たしましたものが少なくないわけであります。これらの人々は心理的に大きな傷痕を持っておったわけであり……
○国務大臣(田中角榮君) 公害につきましては、政府が金を出したり、また地方公共団体が金を出すことによって解決をするという考え方もございますが、公害防止の基本的な責任は企業者であります。でありますから、企業者がこの公害防止に対してもっと積極的に責任を負うようにしなければなりませんし、そのためには法制の整備も必要だと考えます。しかし、現に公害を起こしておりますものにつきましては、国民生活とも重要な関係がございますので、政府もそのままでほっておくわけにはいかないわけでございます。その意味で、開発銀行の中で二十億の融資ワクをつくりまして、七分五厘という低い金利で公害防止施設に貸し出すようにいたしており……
○国務大臣(田中角榮君) 私がお答えしますものは二点でございます。 その一点は、いま通産大臣からお答えがありましたが、会社更生法の改正につきまして、一定期間に納入した下請代金は共益債権とすべし、こういうことでございます。更生手続前に生じました下請代金は、その他一般の債権との均衡もありますので、現に慎重に検討いたしております。 第二点目は、関連倒産は災害と同様にして税の減免を行なうべしということでございます。また、下請代金の不渡り手形は全面的に損金扱いにしてはどうかということでございます。災害と同一にするという点につきましては、いろいろ議論もありますが、これは債権の多寡とか、担保の有無とか、……
○国務大臣(田中角榮君) 第一点は、酪農振興のため補給金財源として、輸入差益金のみではなく、一般会計を主にして負担すべきである、こういうことでございます。御承知のとおり、本法の二十一条に基づきまして、補給金の財源といたしましては、輸入差益金のみに依存をいたすものではなく、予算の範囲内におきまして、畜産振興事業団に対する補給金の財源としては一般会計からも負担する、こういう道を開いているわけでございます。五十億も一体出すか、こういうことでございますが、五十億とか三十億とか、そういう金額で申し上げるよりも、予算の範囲内で可能な限り最大の努力を続けてまいりたい、こう考えるわけでございます。 また、食……
○国務大臣(田中角榮君) 第一の問題は、保険給付額のスライド制につきまして、賃金水準が一〇%上下の場合行なうべきであるという問題でございますが、現行の労災補償保険法では、賃金水準の二〇%以上の変動に基づいて給付額の改定を行なうということになっておるわけでございます。この二〇%というのは、労働基準法における休業補償の問題と同趣旨のものでございます。しかし、このところ賃金水準の顕著な上昇等もありますので、最近おおむね二年ないし三年で給付額の改定が行なわれておりますので、受給者の生活水準確保と改善に寄与いたしておるわけでございます。 年金額改定の基準につきましては、種々の案があることは御承知のとお……
○国務大臣(田中角榮君) 私から四点にわたってお答え申し上げます。 第一点は、地方の固有財源充実のために、交付税や補助金及び国税の一部を地方に移譲する等抜本的な財源措置を講じてはどうかということでございます。本件につきましては、総理大臣及び自治大臣からただいま申されたわけでありますが、国民の租税負担というものを前提といたします限り、事務配分及び財源配分という問題に結論的には帰一するわけでございます。でありますので、ただに、国の財源を地方に移譲するというだけで解決できる問題ではございません。よって、税制調査会、地方制度調査会等の答申を待ちまして、この線に沿って適正な財源配分を考えておるわけでご……
○国務大臣(田中角榮君) 第一の融資ルールの問題につきましては、御指摘のとおり、金融制度調査会を中心にして検討いたしておるわけでございます。特に、オーバーローンの是正に関する答申等もございまして、大蔵省といたしましても、これがルールの確立に対して、政府は官製のものを押しつけるということでなく、金融界、産業界、そういう各界の方々が自主的に融資ルールをつくるということに対して期待をいたしておるわけでございます。現在、各界でも融資ルールの必要ということが痛感されておりますし、経済が現在のように鎮静化されておる時期は、こういうものを静かに考え、将来のためにつくるということは、時期的には非常にいい時期だ……
○国務大臣(田中角榮君) 私からお答えするものは三点であります。 その一つは、貿易外収支の改善のため観光振興に努力をせよということでございますが、御説のとおりでございます。渡航の自由化を行なってから、ずっと実績を見てまいりますと、日本人が出ることが多く、入ることが少ないという結果、観光収支におきましては千数百万ドルの赤字ということになっておりますが、御承知の経常収支のバランスをはかるためにも、貿易外収支の中で特に観光収入の増大をはかるべく努力をしなければならぬということで、諸般の施策を進めておるわけであります。 第二点は、出入国の簡素化の問題でございますが、税関等につきましても整備を行ない……
○国務大臣(田中角榮君) 私からお答えをいたすものは二点でございます。 その第一点は、去る三月三十一日に出された中央森林審議会の答申、及びただいま農林大臣からお話がございましたが、非収益事業に対する負担の問題でございます。この答申は出されたばかりでございまして、現在種々検討中のものであり、確定的な意見を申し上げられる段階にはございません。とにかく地元に対する行政的要請による非収益事業という費用につきましては、その事業の性質に応じまして一般会計なり国有林野特別会計なりが負担すべきものであるという考え方でございます。しかして、企業としての国有林野特別会計の収益全部を地元に還元するというお考えには……
○国務大臣(田中角榮君) 対米偏重、すなわち日本の貿易は米国に片寄り過ぎておるのではないか。そのような貿易構造を是正して、すべての国との貿易交流を拡大するほうがいいのだという御質問でございますが、趣旨はそのとおりでございます。わが国の貿易が年間四百億ドル、すなわち十五兆円ベースにも達しておるのでございますから、世界経済に大きな影響を持つことは申すまでもありません。このような状態でありますから、わが国の経済の安定的な成長のためには、互恵と国際協調の精神に基づき、摩擦を回避しながら貿易を確保してまいらなければなりません。その意味では、広く各国との貿易交流の拡大につとめてまいらなければならないことは……
○国務大臣(田中角榮君) 研究開発は、国民福祉の向上と経済発展のため不可欠な要請でございまして、その振興は政府の重要な使命でございます。 経済社会の要請に応じ、総合的で大規模な研究開発を、官民の能力を結集しまして推進をする大型プロジェクト制度の役割りは、ますます重要になると思われるのでございます。しかしながら、このような技術開発は、御指摘のとおり、基礎研究の積み上げによって初めて可能になるものと存ずるわけでございます。 通商産業省といたしましても、工業技術院傘下の試験研究機関におきまして、基礎研究を鋭意推進をしてまいってきたわけでございますが、今後とも基礎研究費、安全対策費の増大をはかるこ……
○国務大臣(田中角榮君) 今般、新潟沖におけるジュリアナ号事故につきましては、たいへん遺憾でございます。 通商産業省といたしましては、係官を現地に出張せしめますとともに、業界技術陣を動員いたしまして、海上保安庁を中心に事態収拾に当たっておるわけでございます。被害がこれ以上拡大しないように全力を傾けておる次第でございます。 しかし、ジュリアナ号は積載原油量は約二万トンでございますが、そのうち約四千トンが流出をして、現にその分散作業等を行なっておるわけでございますが、この当面の処置として必要な中和剤に対しては、十八リットルかんにして約五万かんの手配が済んでおるわけでございます。しかし、現地に送……
○国務大臣(田中角榮君) まず、自由化対策について申し上げます。 今回の通貨調整によって、日米間の大きな懸案事項はおおむね解決したものと考えておるわけでございますが、今後の通商問題の基本といたしましては、対外経済政策に関する八項目の線に沿って進めてまいるべきだと考えます。その意味で、八項目に沿いました農林、通産物資等の自由化政策につきましては、できる限り進めてまいらなければならないと存じます。 なお、第二の、電算機の自由化につきましては、このスケジュールについては、従来決定しておりますとおりであり、より以上の自由化を考えておりません。 第三点、ドル切り下げで灯油価格は下げられるかという御……
○国務大臣(田中角榮君) 私に対する御質問に対してお答えをいたします。 第一は、中国向け輸出入銀行延べ払い適用等についてでございますが、前向きかつ積極的に対処することとなし、ケース・バイ・ケースで処理をいたすつもりでございます。 第二京は、ココムリストの問題についてでございます。いかなる国とも貿易を拡大していくことを貿易政策の基本といたしております。ココムにつきましても、国際情勢の変化を見きわめながら、ココム加盟各国と協議をし、規制の大幅緩和についてさらに努力を継続していく考えでございます。 第三点は、円元決済等についてでございますが、日中貿易の円滑な発展をはかってまいります見地から、関……
○国務大臣(田中角榮君) 松尾さんにお答えいたします。 平価調整による輸入品の消費者物価への反映等についてでございます。円平価が切り上げられたのでありますから、輸入品はそれだけ安く輸入できるわけでございまして、その安くなった分が消費者物価に適正に反映されなければならぬことはもちろんでございます。 まず、政府は三月三日、物価対策閣僚会議を開きまして、通貨調整に伴う物価対策の強化を決定したわけでございます。次いで、通産省といたしましても、輸入団体、流通団体等に対しまして、輸入品価格の引き下げが流通段階において吸収されることのないよう要請をいたしておるのでございます。また、主要輸入商品の価格動向……
○国務大臣(田中角榮君) 競輪資金は、工業の振興と公益事業に大別し配分をいたしておるわけでございます。 補助金配分の手続といたしましては、毎年新聞公告、官報告示等をいたしまして募集いたしました補助要望に対しまして、基準により慎重審査の上、車両競技審議会の議を経まして、大臣認可の上決定をすることにいたしておるわけでございます。 念のため、最近三年間の補助状況を申し上げますと、機械振興につきましては、四十四年百十六件、八十一億八千六百万円、四十五年百二十三件、九十一億七、十六百万円、四十六年百四十一件、百七億七千九百万円でございます。なお、公益事業関係につきまして申し述べますと、四十四年三百八……
○国務大臣(田中角榮君) 工業再配置促進法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 わが国の経済社会は、工業化と都市化を基調として成長、発展を続けてまいり、その結果、国民の生活水準は著しく向上いたしたのでございます。 しかしながら、成長、発展の過程において国土面積の二〇%にしかすぎないいわゆる太平洋ベルト地帯に工業生産の七〇%強、人口の五〇%が集中し、一方では人口の著しい減少と財政窮迫に悩む市町村が全市町村の約三〇%にも及ぶに至り、これにより、住宅難、交通渋滞、環境悪化等の過密問題と過疎問題とが、同時に発生いたしているのが現状であります。 こうしたいわば国土資源の片寄った利用による諸……
○国務大臣(田中角榮君) 私から二点についてお答えを申し上げます。 ただいま総理大臣がお述べになりましたように、因果関係の推定と通産省の関係について、まず申し上げます。 無過失責任の立法化につきましては、当省といたしましても、かねてから前向きの姿勢でありましたことは御承知のとおりでございます。因果関係の推定につきましては、当初の環境庁案につきまして協議をいただきましたとき、法律的意味、影響、効果等を慎重に検討いたしました。最近の判例で見るごとく、法律に明文の規定を置かなくとも、同じ効果が期待できるという議論もあります。なお、他方、これを広く解釈すると、実際上の公害に関係なくとも責任を負わさ……
○国務大臣(田中角榮君) 中小企業基本法第八条に基づいて、先般政府が国会に提出をしました昭和四十六年度中小企業の動向に関する年次報告及び昭和四十七年度において講じようとする中小企業施策の概要を御説明申し上げます。 まず、昭和四十六年度の中小企業の動向について見ますと、長期化した不況の中で、国際通貨調整問題も加わり、中小企業の事業活動は総じて沈滞し、収益は悪化傾向をたどったのでございます。金融緩和の浸透や政府が輸出関連中小企業を中心に実施した緊急融資、為替予約制度など一連の緊急中小企業対策の効果などもあって、倒産は低水準に推移しているものの、今後の動向には十分注意する必要があるものと思われます……
○国務大臣(田中角榮君) 私から三点お答えを申し上げます。 第一点は、農産品の残存輸入制限品目は二十四でございまして、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス等に比べても高くない、これ以上自由化を進めてはならない、進めるべきではないという御意見でございますが、申すまでもなく、保護貿易主義を押えまして自由貿易体制を維持していくことは、世界の大勢でございます。また、そうすることが平和維持のためにも大切なことでございますし、また、国内における物価を安定し、国民生活の向上をはかるためにも、自由化の推進は必要でございます。このために、農業の構造改善の諸施策を積極的に推進をすることもまた不可欠の要件でござい……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 第七十回国会が開かれるにあたり、当面する内外の諸問題について、所信を述べます。 本年七月国政を担当することになりましてから今日に至るまで、国民の皆さまから寄せられた激励に対し心からお礼を申し上げます。(拍手)特に、日中国交正常化のために中国を訪問した際に寄せられた各界各層をあげての御理解に対し、深く感謝申し上げます。(拍手) 戦後四半世紀を過ぎた今日、わが国には内外ともに多くの困難な課題が山積しております。しかし、これらの課題は、これまで多くの苦難を乗り越えてきたわれわれ日本人に解決できないはずはありません。私は、国民各位とともに、国民のすべてがあしたに希望を……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 成田君の質問に対してお答えをいたします。 まず第一は、日中国交正常化についてでございます。 多年にわたり日中関係の改善、両国交流の促進に努力をしてこられた多くの方々に、衷心から敬意を表します。 日中国交正常化の実現は、機が熟した結果、両国が合意に達し得たものと考えておるのでございます。 第二は、これからの日本の外交はいかにあるべきか、日米安保条約の極東条項、日米共同声明の台湾条項は削除すべきではないかという趣旨の御発言でございますが、世界的に見ても緊張緩和の傾向が見られますが、アジア全域を見るとき、不安定な要素が残されていることも否定できません。わが国は、……
○内閣総理大臣(田中角榮君) お答えをいたします。 日中正常化についてまずお答えをいたします。 日中関係の正常化が実現をしたことは、アジアのみならず、世界の平和の基礎を固めるものとして画期的なできごとでございます。そのため、多年にわたり努力をしてこられた多くの方々に、重ねて衷心より敬意を表するものでございます。 日中国交正常化の実現は、内外においてその機が熟した結果、両国が合意に達し得たものと考えております。私は、中国と密度の濃い対話を維持して、せっかく実現を見た正常化を、日中両国民の安寧のために、また広くアジア全域の安定のために活用するつもりでございます。 日中共同声明は、国会の承認……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 日中共同声明につきまして、ここに衆議院の御理解と御支持を得ましたことを感謝いたします。 政府といたしましては、本日の決議の趣旨を十分尊重し、日中共同声明の精神にのっとり、日中両国間の恒久的な平和、友好関係を確立するために努力してまいる所存であります。(拍手)
○内閣総理大臣(田中角榮君) 第七十一回国会の再開にあたり、施政に関し、所信を申し述べます。 世界が注目し、待望していたベトナム和平は、明日を期して実現することになりました。これは長かったベトナム紛争が解決に踏み出したというだけでなく、新しい平和の幕明けであります。人類が恒久平和と社会正義に基づく繁栄の実現に向かい、新しく進むべき第一日を迎えたものと思います。 第二次大戦後、四半世紀余の歳月が過ぎました。国際政治は、力による対立の時代を経て、話し合い、協調へと移行してきました。これは、緊張と混迷の中で多くの経験を積んだ人類の英知の勝利であります。 わが国は戦後、世界に例のない平和憲法を持……
○内閣総理大臣(田中角榮君) まず第一に、内閣に対する御所論に対してお答えをいたします。 さきの総選挙で、自由民主党は、二百八十四という絶対多数の議席を獲得し、引き続き政権を担当いたしておるのでございます。しかし、私は、総選挙を通じまして、国民の政治に対する期待や不満を痛いほどに感じ取ったのでございます。これらの期待にこたえていくことが内閣に課せられた政治課題だと考え、懸命な努力を続けたいと考えるのでございます。(拍手) インフレに対する措置、予算その他の御質問にお答えをいたします。 国民福祉の向上、国際収支の不均衡の是正、物価の安定の三つの課題を同時に解決することはたいへん困難な問題で……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 第一は、ベトナム問題についてでございますが、政府は、今般、米国をはじめ関係当事者の努力により、南ベトナムの民族自決権を尊重したベトナム和平協定が調印されたことを歓迎するものであります。米国の南ベトナムに対する軍事的支援につきましては、米国は、南ベトナムの要請により、国連憲章第五十一条にいう集団的自衛権の行使であると説明をしておるのであります。今般停戦が実現し、戦火がおさまるに至ったことはきわめて歓迎すべき事態でありまして、わが国としては、和平の定着化のためにできるだけ努力を払ってまいりたいと存じます。(拍手) 基地提供の問題についてお答えをいたします。 極東の……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 第一は、今回の通貨不安が発生した経緯と理由に対して述べよということでございます。 本年に入ってから、イタリアの二重市場制導入、スイスの変動相場制移行に端を発した欧州の通貨不安は、二月一日以降、西ドイツへの大量のドル流入となり、重大な局面に発展をしたのでございます。このことにつきましては、一部の欧州通貨の強い、弱いの問題があっただけではなく、一昨年十二月のスミソニアン協定以降も、米国の国際収支が改善しなかったことが密接に関係しておることは否定できないのでございます。 この間にありまして、米国は、その国際収支改善として、ドルの信認を回復することが国際通貨情勢の安定……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 私から、二点にわたってお答えをいたします。 第一点は、財政投融資計画には、御指摘のとおり、資金運用部資金及び簡保資金のほか、産業投資特別会計の支出及び政府保証による資金調達が掲げられておるわけでございます。産投会計の支出につきましては、同会計の歳出予算として、また政府保証による資金調達につきましては一般会計の予算総則において、それぞれ国会の議決を受けることになっておるわけでございます。これらをさらに議決対象といたしますことは、二重議決の問題も生ずることになります。その点を考慮いたしまして、今回、資金運用部資金及び簡保資金の運用を国会の議決対象としたものでございま……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 私から四点にわたってお答えをいたします。 予算の執行の当否は、決算報告によって明らかになることであります。また、その結果を、新しい予算編成や、執行の適正、合理化に資するものでもあります。 政府は、国会での御審議の状況に注目をし、国会の御意見を十分尊重してまいりたいと考えるわけであります。 第二点は、住宅関連予算の繰り越しが多い等の問題についてでございますが、住宅関係予算の執行上、御指摘の点に隘路があることは否定ができないのでございます。 政府といたしましては、地価の抑制に全力をあげることとし、土地利用計画の策定と、土地利用の規制、土地税制の改善、宅地供給の……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 自主財源強化のための抜本的対策、行財政体制の強化についてまずお答えをいたします。 地方団体が住民の要請にこたえ、自主的な財政運営を通じて、社会福祉の充実、社会資本の整備など、住民福祉の向上をはかるためには、一般財源の伸長をはかることがきわめて重要であると思います。 このため、一つには、地方税等の自主財源の拡充強化、二つには、地方交付税の充実確保について、地方制度調査会等の意見を徴しながら、今後も積極的に取り組んでまいりたいと考えます。 昭和四十八年度におきましては、地方税の自然増収はかなり多額にのぼるものと見込まれるのでございますが、さらに、土地に対する固定……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 第一は、円平価の再調整が物価安定に役立つように措置をせよということでございますが、円切り上げ等による輸入品価格の低下を消費者に適正に還元するために、主要な輸入物資の価格動向の追跡調査並びに並行輸入の条件整備、それから独占禁止法の厳正な適用、流通機構の近代化等の施策を一そう充実してまいりたいと考えます。 過剰流動性の問題についての発言がございましたが、お答えをいたします。 現在の地価、株価の高騰あるいは商品投機等の背景には、経済の実勢以上に流動性が供給されてきた状態があることは否定できません。 金融面における過剰流動性対策としては、本年一月に預金準備率の引き上……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 和田君の御質問にお答えをいたします。 新しい情勢に即応して四次防を中止したり防衛二法を撤回したらどうかという趣旨の御発言でございますが、国際情勢に緊張緩和の傾向が見られておることは、わが国にとって望ましいことでございます。一方、四次防は憲法の許容する範囲内でわが国の自衛のために必要な最小限度の防衛力を漸進的に整備するものであります。アジア諸国に軍事的脅威を与えたり、緊張感をもたらすようなものでないことは言うまでもないのでございます。したがいまして、四次防を遂行するために必要な防衛二法はぜひ成立をさせていただきたい、こう考えておるのでございます。(拍手) 第二は……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 江藤隆美君にお答え申し上げます。 まず第一は、新しい国鉄の使命をどう考えるかという基本的な問題についてでございますが、国有鉄道は丁国民の足であり、輸送の大動脈であります。明治から百年余、わが国経済の拡大は鉄道の発達とともにありましたことは、歴史の示すとおりであります。戦後復興に果たした鉄道の使命は高く評価さるべきものであります。 国鉄の役割りは、都市間旅客の輸送、大都市通勤輸送、近距離貨物輸送の三つといわれておりますが、地形、地勢、降雪地帯が多い等の制約のあるわが国では、鉄道が最も効率的な輸送機関であることは、何人も認めるところであります。 特に、東京中央線……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 坂本君にお答えいたします。 第一は、経済社会基本計画において示されました経済成長率九%と、列島改造論における一〇%成長率との関連についてでございますが、「日本列島改造論」は、巨大都市への人と文化と経済の流れを地方へ転換をさせて、住みよい豊かな地域社会を全国土にわたって実現をするための私の所見であります。その中で示しました経済成長率は、論旨を具体的に展開をするための一応の前提といたしまして、仮に想定をした数値でございます。 この中には、御承知のとおり、一〇%の場合には、国民総生産三百四兆円、また八・五%の場合は二百四十八兆円、このように書いてあるわけでございまし……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 私から四点にわたってお答えをいたします。 第一点は、医療制度改革に対する基本方針を明らかにせよということでございます。 医療制度につきましては、医学、医術の研究開発、医療施設の体系的整備、医療従事者の養成及び資質の向上など、広範にわたり課題が山積をしておるのであります。これらの課題を計画的に解決していくため、目下、社会保障長期計画の策定を急いでおりますので、医療供給体制の整備を最も重要な柱と考えて策定を急ぐつもりでございます。 第二問は、今回の改正案が、十分な給付改善を行なう点に主眼を置いたので、値上げ法案のそしりは当たらないと思うがいかん、こういう御質問で……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 大学教育の荒廃の現状をどう認識し、また、今後の大学教育のあり方についてどう考えるか、このような第一問に対して、まずお答えを申し上げますと、大学の現状につきましては、御指摘のような問題が数多く存在することは事実であります。広く、高い知識を吸収し、人格の陶冶を求めて大学に学ぼうとする国民の希望に正しくこたえることができるよう、必要な施策は適時適切に考慮を払ってまいりたいと考えます。 このような観点から、大学教育の正すべき点はこれを正し、これからの激動する社会に適切に対応できるよき社会人を育成する大学とするよう、大学関係者の自主的な努力を促しつつ、大学の教育環境の改善……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 第一は、本法案提案の真のねらいは何かということでございますが、経済の基本は自由経済体制を守ってまいるということでございます。 自由主義経済体制下におきましても、買占め等が不当に国民生活の安定を阻害している場合には、何らかの規制を行なわなければならないのは当然であります。反面また、規制が行き過ぎて、戦時中や戦後の一時期のように、統制経済の弊におちいってはならないこともまた言うをまたないわけであります。本法案は、買占め等に対する対策として勧告、公表、立入検査等の行政的措置を定めておりますが、自由主義経済のよさを生かしながら、買占め等の弊害を除去する手段として有効なも……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 山田芳治君の御質問にお答えをいたします。 まず第一は、都市交通体系と職住の遠隔化に対する対策についてでございますが、都市交通体系は、国土利用計画や都市計画を踏まえて、都市活動によって発生する大量で多様な交通需要に対して、合理的かつ有機的に対応し得ることが必要であります。 また、職住の遠隔化の現象に対応して、次のような措置を講ずる必要があると考えます。 まず第一に、現在の大都市の持つ求心型の構造を多核分散型に改めるため、副都心、新都心を整備し、都心の業務機能の分散をはからなければならないと思います。第二は、都心部においては高層住宅を積極的に建設をして、職住の近……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 川俣健二郎君にお答えをいたします。 まず第一番目は、五万円年金を受給できるのは受給者の一割五分で、これでどうして五万円年金と言えるかという御趣旨のようでございますが、今回の改正は、厚生年金の標準的な年金額を五万円にしようとするものであります。昭和四十八年度中に新たに老齢年金を受ける二十年以上加入の人について見れば、その三割以上が現実に五万円年金を受けることになるのであります。 加入期間の長短、保険料拠出の程度のいかんにかかわらず、すべての年金受給者の年金額を五万円とするような年金制度の設計は、きわめて適切を欠くものだと考えるのであります。 標準的な年金生活者……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 松永光君に答弁をいたします。 まず第一は、この法律案を提出した真意及び施策遂行の決意についてでございますが、人間形成の基本が小中学校で定まることを思えば、義務教育を充実し整備することは、何よりも大切な問題であります。今回、これらの教育職員に対して、給与の増額予算を計上し、法律案を提出をいたしましたのは、子供を導く先生によき人材を得て、先生がその情熱を安んじて教育に傾けられるような条件を、一日も早くつくりたいと願ったからであります。(拍手) この法律案が国会において賛同を得、成立した上は、この法律案の趣旨を体して、必要な施策の遂行に万全を期する所存であります。(……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 上坂昇君にお答えをいたします。 まず第一間日は、実質的な円切り上げに追い込まれた原因は、政府の内政面における福祉重点への施策転換が進まなかったことにあるのではないかという趣旨でございますが、さきに閣議決定された経済社会基本計画でも明らかにされておりますように、最近の内外情勢の変化に対応して、従来の成長優先の経済構造から、国民福祉と国際協調を志向した経済構造へ転換をはかることが、基本的に重要であると考えておるのであります。 政府としては、今後とも、社会資本の整備、社会保障の充実等の福祉政策を積極的に展開するとともに、公害対策の強化、週休二日制の普及等につとめてま……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 小川省吾君の御質問にお答えをいたします。 まず第一は、地方自治に対して基本的にどのように考えておるかということでございますが、住民の福祉に直結する事務は地方公共団体が自主的に処理するようにすることが、地方自治の本旨でもあり、望ましい国民生活を築くゆえんでもございます。したがって、いたずらに中央に権限が集中することは避け、地域における問題は地域で解決できるように配慮しておるわけでございます。 地方自治は民主主義の基本であり、その充実強化のため、今後とも努力を続けてまいりたいと考えます。 第二は、日本列島改造論の中での地方の広域行政の推進並びに府県制度の根本的な……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 渡辺惣蔵君にお答えをいたします。 第一問は、列島改造論についてでございますが、列島改造が必要であるということは、何人もいなみ得ない事実だと思います。それは、現に総人口の三二%余の人々が国土の一%に集中をしておるという現実から、公害問題、住宅の不足、地価の値上がり、物価問題、すべてが起こっておるのであります。この現実を無視して現実の政策は立案できないことを十分御理解いただかなければならぬのであります。(拍手)政治は観念では片づきません。現実をあくまで土台としてよりよき理想の政策を推進せずして、どうして前進があるでありましょう。(拍手)しかも、空気をきれいにしなけれ……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 竹内猛君にお答えをいたします。 第一は、今後の森林、林業政策のあり方についてでございますが、政府としては、森林の公益的機能の維持増進と、森林生産力の増大をはかる観点から、今国会に提案している国土総合開発法案におきまして、森林として保全すべき森林地域を定めることといたしておるのであります。 また、これと関連いたしまして、森林法改正案において、森林の無秩序な開発行為の防止をはかることを考えております。さらに、森林資源に関する基本計画に基づく適正な森林施策の推進、第四次治山事業五カ年計画に基づく治山事業の計画的推進、林道、造林等の林業生産基盤の整備、林業従事者の福祉……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 山中貞則君にお答えをいたします。 まず、今回の有額回答の問題でございますが、国鉄労使が交渉の場で有額回答が行なわれたわけでございますが、それは昨年の裁定額と同額であり、八百億円余の財源を必要といたしますことは御承知のとおりでございます。昨四十七年度も、国鉄運賃法を提出、御審議をいただいておったわけでございます。国鉄財政の状態からいたしますと、仲裁の実施はしごく困難な状態であったわけでございますが、しかし、国鉄の持つ公益性を考えながら、あえて仲裁を実施をいたしたわけでございます。ともかく、今回の有額回答と合わせれば、ほとんど今年度の運賃値上げ分はそれをもってすべて……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 渡辺三郎君にお答えをいたします。 まず第一に、エネルギー節約政策を打ち出し、電力需要の伸びを規制したらどうかということでございますが、エネルギー需要の増大を緩和し、また、環境を保全する観点からも、エネルギーの効率的利用、エネルギー原単位の改善、産業構造の転換は、わが国にとって重要な課題であります。 このため、現在、産業構造の知識集約化を基調とする省資源、省エネルギー政策について検討を進めておるのであります。具体的には、将来の望ましい産業構造についてのビジョンの確立につとめますとともに、その中核となるべき電子計算機産業をはじめとする知識集約的産業の育成、在来型の……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 林義郎君にお答えいたします。 第一は、公害被害の発生を未然に防止するためには、今後どのような措置を講じたらよいかという趣旨の御発言でございますが、水銀、PCB等の環境汚染に見られるように、科学技術は、プラスの効用と同時に、社会的に思いがけない悪影響を及ぼす場合があることを深く認識する必要があります。 こうした認識に立って、科学技術のもたらす環境破壊等の悪影響を未然に防止するためには、新技術、新物質の開発にあたって、その技術、物質がもたらす効用と影響を事前に予測、評価するという、いわゆるテクノロジーアセスメントの考え方を、各方面に適用すべきであると考えておるので……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 近藤鉄雄君にお答えいたします。 まず第一は、中小企業のための基本政策についてでございますが、わが国経済は、内外の諸情勢の激変に対応いたしまして、中小企業のあり方や中小企業政策の進め方も、新しい観点に立っていくことが必要であると考えるのであります。 このため、政府は、昨年八月、中小企業政策審議会から、七〇年代の中小企業のあり方と中小企業政策の方向について意見具申を得まして、今後そこに示された基本的な考え方に沿って施策を実施していく所存でございます。 まず第一に、需要構造の変化への対応など、生産面での合理化だけでなく、いわばソフト面での対策に重点を置く必要がある……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 谷川和穗君にお答えをいたします。 今事件に対する政府の基本姿勢、今回のような問題にもかかわらず、日韓両国は歴史的に見ても非常に深い関係にある、今後の日韓関係のあり方についての基本姿勢はどうかという意味の御質問にまずお答えを申し上げたいと存じます。 今回の事件は、日韓両国にとりまして非常に不幸な事件であり、両国の国民もひとしく憂慮している事件であり、何としても両国民の納得のいく公正な解決をはかりたいと考えておるのであります。 また、今回の事件によりまして、日韓の友好関係をそこなわないようにしたいというのが両国民共通の願望でもあると考えておるのであります。 こ……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 第七十二回国会が開かれるにあたり、当面緊急を要する諸問題について所信の一端を申し述べます。(拍手) 中東戦争を契機とする石油の生産と供給の制限は、世界各国に対して大きな影響を与えております。なかんずく、エネルギーの大半を海外の石油に依存しているわが国産業経済に与える影響は大きく、国民生活の安定向上を妨げることのないよう緊急な施策を必要とする事態を迎えておるのであります。 政府は、この事態に対応するため、十一月十六日、内閣に緊急石油対策推進本部を設置し、石油緊急措置を取りまとめ、率先して石油、電力等の消費節約につとめるとともに、産業に対してもその節減を要請し、強……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 勝間田君にお答えをいたします。 第一は、物価騰貴の原因とその責任等についてでございます。 演説でも申し上げましたように、その要因の第一は、海外における物価高騰の影響、特に世界的な不作による農産物の価格高騰でございます。第二は、外為会計の大幅払い超に加え、輸出から内需への転換をはかるための金融緩和策がとられた結果、企業に過剰流動性が生じ、急速な国内需要の拡大につながったことであります。第三に、賃金、給与の所得の上昇によりまして、先ほども御指摘がございましたとおり、個人消費が拡大をしたことなどの要因が複合して生じたものであると考えます。その上、今次の原油の供給制限……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 瀬長亀次郎君にお答えをいたします。 まず第一問は、成長政策、列島改造論、国総法等についてでございますが、これまでも申し上げておりますとおり、わが国経済は、国民のたゆみない努力によって、世界に例を見ないほどの経済の発展をなし遂げ、その過程で国民の生活水準も格段と向上し、国際社会でのわが国の地位もとみに重要性を加えておることは事実でございます。 しかし、今日の事態は、資源の制約の中で新しい豊かさを追求するという、いまだかつて経験したことのない試練に当面をしておることもまた事実であります。したがいまして、今後の経済運営にあたりましては、物価の安定、国際収支の均衡維持……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 戦後三十年、世界は、いま新しい転換の時代を迎えております。 わが国は、戦後の廃墟から立ち上がって、復興経済、自立経済、国際経済へと三段飛びの発展をなし遂げ、いまや主要工業国の一員として、国際的にも確固たる地歩を占めるに至りました。資源と資本に乏しいこの狭い国土に驚異的な高度工業社会を築き上げたのは、わが日本国民の英知と努力のたまものでございます。 しかしながら、わが国もまた世界の例外ではなく、先進工業国が直面しておるのと同じように、数多くの矛盾と不均衡が先鋭的にあらわれてきておるのであります。物価、公害、エネルギーの諸問題こそがまさに当面する最大の課題でありま……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 成田君にお答えいたします。 まず第一は、国民のための政治についてでございますが、申すまでもなく、政治は、一政府、一政党のみにかかわるものではございません。当面する難局を打開するためには、政府も、与野党も、国民も、その総力を結集していかねばなりません。国民のためにこそある政治は、議会制民主主義の確固たる基盤に立って、その指導性を発揮し、その力を振りしぼるべきときであります。私は国民とともに考え、ともに進んでまいる決意でございます。(拍手) 物価問題についてでございますが、物価問題を解決し国民生活を守ることが当面の最重要課題であることは申すまでもありません。このた……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 金子満広君にお答えいたします。 第一は、政治責任についてでございますが、わが国は、国民のたゆみない努力と勤勉によりまして驚異的な経済発展をなし遂げ、いまや、主要工業国の一員として国際的にも確固たる地位を占めるに至ったわけでございます。しかし、狭い日本の国土に短期間のうちに高度工業社会を築き上げましたわが国には、先進工業国が直面をいたしておりますと同じように、物価、公害、エネルギー、過密過疎などの問題が先鋭的にあらわれておることは事実でございます。また、国際経済秩序は、物価、通貨、資源・エネルギー、食糧、南北問題などに見られますように、いま苦痛に満ちた再編成の途上……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 山田耻目君にお答えいたします。 第一は、税に対する基本姿勢でございます。所得税の基本が総合累進課税にありますことは申すまでもございませんが、各種の政策的要請から総合課税とされていないものがあることは、御指摘のとおりでございます。たとえば、利子、配当につきましては、貯蓄の奨励、個人株主の育成という見地から、納税者の選択によって分離課税とすることが認められておるのであります。また、土地の譲渡所得に対する分離課税につきましては、税制調査会の答申も明確に指摘をいたしておりますとおり、税負担の公平を犠牲にしても、土地供給の促進をはかることが必要であるとの判断のもとに創設を……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 山田芳治君にお答えを申し上げます。 第一は、超過負担問題等についてでございますが、政府は、従来から地方公共団体の超過負担につきましてその解消につとめてまいったわけでございます。昭和四十七年度におきまして、公立文教施設整備等六事業について実態調査を行ない、その結果に基づいて、四十八年度に引き続き四十九年度において所要の是正措置を講ずることといたしておることは、御承知のとおりでございます。また、最近の建設資材の価格の急騰に対処いたしますために、四十九年度予算では、公立文教施設整備費等の予算単価を引き上げる等の措置を講じておるわけでございます。 次は、地方財政計画に……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 川俣健二郎君にお答えいたします。 まず第一は、雇用保険法案は既得権の侵害にならないかという趣旨の発言でございますが、本法案は、失業保険制度を改善、発展させ、失業保険機能の強化をはかっておるわけでございます。また、真に対策を必要とする失業者に手厚い措置を講ずることとしており、さらに、雇用機会の不足している地域は積極的に安定した雇用機会を創出し、不安定な雇用を解消する等、雇用構造の改善も積極的に推進する考えであります。 次は、現在の情勢下でなぜ本法案を出すのかというお問いでございますが、雇用保険法案は、高齢化社会への移行やエネルギー問題に見られるような、内外要因に……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 岡田哲児君にお答えいたします。 まず第一は、国際石油情勢と外交のあり方についての御発言についてでございますが、今回の石油危機は、昨年十月の中東紛争を契機として発生したものでございますが、その背景としては、一九六〇年代から七〇年代における石油需給事情の変化、石油エネルギー需要の急速な増加や、原子力エネルギー、核融合エネルギー等石油にかわるエネルギー利用の促進、開発の状況等、種々の要因が重なっていると考えられるのであります。 いずれにいたしましても、現下の石油情勢は、単にエネルギー問題にとどまらず、世界の経済、貿易、通貨に大きな影響を与える問題となっておるわけであ……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 唐沢俊二郎君にお答えいたします。 第一は、不当事項の根絶についての御発言でございますが、予算の執行にあたりましては、各省各庁において、その衝に当たる関係職員が、法令等の定めるところにより、適正かつ効率的な処理を行なうよう、十分留意をいたしておるところであります。 四十七年度におきましても、相当件数につきまして不当事項の指摘を受けておることは、まことに遺憾でございます。今後とも、予算執行にあたりましては、適正な処理を行なうよう指導の徹底をはかりますとともに、会議、研修等により関係職員の資質の向上につとめ、再び同じような誤りを繰り返さないよう、姿勢を正してまいるつ……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 和田貞夫君にお答えをいたします。 まず第一に、海外経済協力の件でございますが、申すまでもなく、人類世界の平和を真に確保するため最大の政策は、南北問題の解決にあるわけでございます。先進工業国と開発途上国とが相携えて平和の確保に努力すべきであることは、申すまでもないことでございます。特に、わが国は資源を持たない国でございまして、その大半を海外より輸入し、これを加工し、その製品を輸出することによって国民生活の向上をはからねばならない、これは過去も現在も将来も変わらない現実でございます。その意味で、対外経済援助は、開発途上国の発展に寄与するとともに、あわせてわが国の利益……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 柴田健治君にお答えをいたします。 まず第一は、世界的食糧需給の動向についての御発言でございますが、一昨年秋ごろから穀物等の国際需給が逼迫しましたが、昨年は主要生産国の生産の回復が進み、異常な需給の逼迫事態は緩和の方向に向かっております。しかしながら、今回の需給逼迫で払底した各国の在庫回復の必要や、一部の開発途上国における食糧輸入需要が続いておることなどから、当面、供給状態が数年前のような過剰基調に戻ることはなく、国際価格は不安定に推移するものと予想せられるのであります。 次は、領海の問題等についての御発言でございますが、第三次国連海洋法会議を前にして、アジア、……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 井上泉君にお答えいたします。 第一は、農業危機と農業基本法についての御発言でございますが、世界的な食糧需給の基調から見ましても、わが国の食糧自給率の維持向上をはかることは重要な課題でございます。農業基本法に定められております農政の目標、及びその目標を達成するための施策の基本が、現在の情勢に適合しなくなったことは考えておらないのであります。したがいまして、今後とも、内外の諸情勢に対応しながら、国内自給度の維持向上、農業従事者の所得の増大等をはかるため、積極的な農政を展開してまいりたいと考えます。 次は、食糧の自給率についての御発言でございますが、最近における世界……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 佐藤敬治君にお答えいたします。 まず第一は、三割自治を解消せよという問題でございますが、生活環境施設の整備、福祉行政の充実等についての住民の要請はきわめて強いものがありまして、地方公共団体の財政需要は著しく増大をしておるのであります。政府としては、従来から、地方公共団体の自主財源の充実強化のための努力を重ねてきておるところでございまして、今後とも努力を続けてまいりたいと存じます。 次は、公害対策経費についての御発言でございますが、国の公害対策予算の充実には格段の努力を傾けておることは、御承知のとおりでございます。その規模は、四十六年度千十五億円から、四十九年度……
○内閣総理大臣(田中角榮君) 佐野進君にお答えいたします。 まず第一は、物価動向等についてでございますが、政府は、物価の抑制を政策の最優先課題と考え、財政金融政策を中心とする総需要抑制策、生活関連物資等の価格抑制のための緊急対策等、あらゆる政策努力を集中してまいったわけでございます。 最近の経済情勢を見ますと、総需要抑制策の効果が浸透し、需給は緩和に向かっておるのであります。輸入物価動向、今春闘の賃上げによるコスト上昇圧力等、楽観を許さない面もありますものの、卸売り物価などには落ちついた動きも見られておるわけであります。 今後とも、政府といたしましては、引き続き総需要抑制策を堅持しつつ、……
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