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池田勇人 衆議院議員
「本会議発言」(全期間)

池田勇人[衆]活動記録 : トップ選挙結果 | 本会議発言 | 委員会統計発言一覧議員立法質問主意書

本会議発言歴代TOP50(衆)
17位

本会議発言(政府役職)歴代TOP10(衆)
9位
24期TOP5
4位
27期TOP25
23位
28期TOP10
8位
29期TOP5
2位
30期TOP10
6位
24期(政府)TOP5
1位
25期(政府)TOP25
11位
27期(政府)TOP10
7位
28期(政府)TOP5
4位
29期(政府)TOP5
1位
30期(政府)TOP5
4位

池田勇人衆議院議員の在職時の本会議での質疑や答弁などの発言についてまとめています。発言回数、発言文字数、発言時の役職、立場、各発言の冒頭部分の内容の一覧が掲載されています。
 委員会や各種会議での発言等については委員会統計発言一覧のページを参照してください。
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ページ更新日:2024/11/21
データ入手日:2024/10/20

■発言統計  ■発言時役職  ■発言一覧


本会議発言統計(衆議院)

総合

在籍期
 
発言
順位
文字数
順位
 

発言数
47回
6位
発言文字数
134807文字
4位
TOP5

発言数
2回
32位
発言文字数
2830文字
117位

26期
(1953/04/19〜)
発言数
0回
-
発言文字数
0文字
-

発言数
7回
47位
発言文字数
27185文字
23位
TOP25

発言数
17回
9位
発言文字数
38247文字
8位
TOP10

発言数
76回
2位
発言文字数
211913文字
2位
TOP5

発言数
27回
10位
発言文字数
70498文字
6位
TOP10


衆議院在籍時通算
発言数
176回
18位
発言文字数
485480文字
17位
TOP50

※「発言」は発言が記録された本会議の数、「文字数」は発言として記録された文字の総数を示しています。


役職別

在籍期
議会役職
発言回数 発言文字数 順位
政府役職
非役職

議会
0回
0文字
-
政府
47回
134807文字
1位
TOP5
非役職
0回
0文字
-

議会
0回
0文字
-
政府
2回
2830文字
11位
TOP25
非役職
0回
0文字
-

26期
議会
0回
0文字
-
政府
0回
0文字
-
非役職
0回
0文字
-

議会
0回
0文字
-
政府
7回
27185文字
7位
TOP10
非役職
0回
0文字
-

議会
0回
0文字
-
政府
16回
35689文字
4位
TOP5
非役職
1回
2558文字
182位

議会
0回
0文字
-
政府
76回
211913文字
1位
TOP5
非役職
0回
0文字
-

議会
0回
0文字
-
政府
27回
70498文字
4位
TOP5
非役職
0回
0文字
-


通算
議会
0回
0文字
-
政府
175回
482922文字
9位
TOP10
非役職
1回
2558文字
2363位

※「議会役職」は議長、副議長など国会の役職、「政府役職」は大臣などの内閣、政府関係の役職が記録に付されていた場合を集計し、「非役職」は議会役職、政府役職いずれでもない場合を集計しています。


本会議発言時役職(衆議院)

24期
大蔵大臣政府、第5回国会)
大蔵大臣・通商産業大臣政府、第7回国会)

25期
通商産業大臣・経済審議庁長官政府、第15回国会)

27期
大蔵大臣政府、第26回国会)

28期
通商産業大臣政府、第32回国会)
内閣総理大臣政府、第36回国会)

29期
内閣総理大臣政府、第37回国会)

30期
内閣総理大臣政府、第45回国会)

※国会会期は各選挙期中で最初にその役職での発言が記録された会期を示しています。


本会議発言一覧(衆議院)

24期(1949/01/23〜)

第5回国会 衆議院本会議 第11号(1949/04/04、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○國務大臣(池田勇人君) わが國民経済は、敗戰による國土の荒廃、生産規模の縮小に加えて、財政に基因するインフレーシヨンの結果極度の混乱に陥り、今日まで連合國の援助により辛うじて國民生活を維持して参つたのであります。 すなわち、これを財政について見ますれば、一般会計予算は從來も一應の收支均衡を得ておつたのでありますが、各特別会計及び復興金融金庫等を含む政府もろもろの機関を通て見た場合におきましては、公債及び借入金は年々増加いたしまして、巨額に上る復金資金の大部分は日本銀行の引受けによつてまかなわれ、通貨増発の主因となつて來たのでありまして、今昭和二十三年中の実績を見ましても、千三百億円を越える通……

第5回国会 衆議院本会議 第12号(1949/04/05、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○國務大臣(池田勇人君) 淺沼議員の御質問にお答えいたします。  先般政府が暫定予算を提出いたしました場合に、駐政法の改正がないから、それは違憲であり違法であるということが本会議で議論になりました。その時に違憲にあらず、違法にあらずと決議になつたと解釈しております。(拍手)つきまして、今日の予算委員会に、二十四年度の本予算案を提出いたしましたところ、配付税法の改正なき限り審議しないという議論がありました。皆樣御承知の通りに、予算案の提出をするときには、おおむね配布税法の改正があつたのであります。このことは過去十年來あるのであります。從いまして、私といたしましては、予算案を提出し、なるべく早い機……

第5回国会 衆議院本会議 第13号(1949/04/06、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○國務大臣(池田勇人君) 勝間田君の御質問にお答えいたします。各般にわたつておりましたが、要点は、今度の均衡予算でデフレになるのではないか、またこれが対策としているいろいろな金の出道を考えているが、信用統制をやる氣があるかという二点に盡きると思います。  御承知の通り、各会計を通じまして絶対の均衡予算をとります結果は、一應デフレーションの現出することは、歴史の示すところであります。私はこれが対策といたしまして、復金債券の償還、貿易会計への資金充足、またお話のアメリカ援助物資の資金会計を設けまして、産業資金に万全を期する考えでおります。ただいま見返り資金の使用について、五百億円の國債を償還するか……

第5回国会 衆議院本会議 第14号(1949/04/07、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○國務大臣(池田勇人君) 浦口議員より將來税を軽減することができるかという御質問でございました。私は税を軽減すべく万全の努力をいたします。この方法といたしましては、できるだけ歳出を切り詰めまして、そうして軽減の材料に充てたいと考えております。その程度並びに時期につきましては、最近アメリカより來られるシヨープ使節と懇談をしてきめたいと思います。
【次の発言】 御質問の第一点は、所得税申告是正審議会を設けてはどうか。この点につきましてはただいま研究を重ねておるところでございます。  第二の超過供出による所得に対しまして、源泉課税の方法を採用してはどうか。これは所得が累進税率で計算されます関係上、源……

第5回国会 衆議院本会議 第18号(1949/04/16、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○國務大臣(池田勇人君) 林君の憲法違反論並びに法律違反論につきましてお答えを申し上げます。  結論といたしまして、政府は憲法違反とは考えておりません。憲法第八十七條、第八十六條の規定は、かかることを規定いたしておるのではないのであります。予算案と法律案とはその性質並びに効力を異にするものであります。しかして、予算案成立後に法律案を出した場合がございます。二十二年度の失業保險法、失業保險特別会計法は、予算案に重大なる関係があるにもかかわらず、予算成立後に提出せられたのであります。また予算が成立いたしまして、これに伴う法律案が否決になつた場合は、当然その予算案は施行せられないということにとどまる……

第5回国会 衆議院本会議 第22号(1949/04/26、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○國務大臣(池田勇人君) 今回單一為替レートの設定を見ましたので、これに関しまして政府の所見を申し述べたいと思います。  去る四月二十三日、單一為替レート設定の指令が出まして、昨二十五日より一ドル三百六十円の換算率で処理することと相なつたのであります。かかる單一為替レート設定は、外に向かつては、わが國経済が國際経済に参加する第一歩を踏み出したことになります。また國内的には、より自由にして、より能率的なる経済再編成をいたしまする呼び水となるのであります。これは、わが吉田内閣の財政経済の基本方針に一致するものであります。しかして、これが設定が予想以上に早かつたのは、思うに先般九原則にのつとつた予算……

第5回国会 衆議院本会議 第29号(1949/05/14、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○國務大臣(池田勇人君) ただいまの植原議員の御質問にお答え申し上げます。  まず御質問の第一点は、單一為替レートの設定に伴いまして、すなわち四百二十円から三百六十円になつたための生糸業者の損失をいかに処理するかという問題でございます。お話にもありました通りに、五千六百掛によつて買い入れた繭の滯荷は、製糸になつたもの等を入れまして、大体七万俵と推定されるのであります。しかして、このうち三万俵を貿易会計において買い入れるかどうか、しかも買い入れる場合に四百二十円で買い入れるべきか三百六十円で買い入れるべきかの問題があるのであります。しかして、ただいまにおきましては、三百六十円として決定いたしまし……

第5回国会 衆議院本会議 第32号(1949/05/18、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○國務大臣(池田勇人君) 田中議員の御質問にお答えいたします。質問が盛りたくさんにありますので、簡單にお答えいたしたいと思います。  第一の、主計局を内閣に移管することについての所見いかん。ただいまのところ、内閣に移管する考えは持つておりません。御承知の通りに、最近の経済情勢から申しますると、歳入歳出並びに金融財政は一体として考えなければならぬ重要な問題でございます。各國の例を見ましても、アメリカにおきましては予算は大統領直属になつておりまするが、イギリスにおいては大藏大臣のもとにあるのであります。私は、歳入と歳出は常に見合して行かなければなりませんし、歳入歳出のスケールは金融に相当重要な関係……

第5回国会 衆議院本会議 第33号(1949/05/19、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○國務大臣(池田勇人君) 淺沼君の御質問にお答えいたします。昭和二十四年度の予算の執行につきまして、租税收入を確保することは一重大事であるのであります。しかして、これが機構につきまして先般來檢討を加えつつあつたのであります。大藏省設置法案を提出いたしまするときには、大体今の機構でまかなえる考えでありましたが、その後の情勢から考えまして、早急に機構を拡充した方がいいということに関係方面並びにわれわれのところで意見が一致いたしましたので施行法案を提出いたしましたが、その後に指令が出て來たのであります。しかして、この指令につきましては、政府の責任において國会に提出いたしたのでございます。関係方面に責……

第5回国会 衆議院本会議 第34号(1949/05/20、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○國務大臣(池田勇人君) 畜産の経費につきましてはお話がございました。昨年度より費目につきましても減少したことはお話の通りでございます。経済九原則の線に沿いまして、できるだけ経費を減すように努めた結果にほかならないのであります。しかし、畜産は経済の再建、あるいは食糧の点から申しましても非常に重要なる問題の一つでありますので、ない中からも、実はこの方面に六億数千万円を出しておるのであります。しかして、今回御決議になりました勝馬投票券の収入金の三分の一をこの経費に充てるといたしますけば七億四千万円を計上することになるのであります。御決議の結果によりまして、今後の予算補正について十分善処いたしたいと……

第5回国会 衆議院本会議 第36号(1949/05/22、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○國務大臣(池田勇人君) 田中君の御質問にお答えいたします。  まず國有財産の賣拂いの基本方針でございますが、御承知のごとく、國有財産は公有財産、公共用財産、雑種財産と三分せられております。私の所管いたしておりますのは雑種財産でございまして、今年度の予算におきましても、一般の雑種財産について二十数億、財産税物納によります財産の賣拂い十億、計三十数億を計上しているのであります。しかして、これは相手方と交渉いたしまして、適当な價格で、その時々賣つております。今日問題になつております買收鉄道の賣拂いは運輸省所管の公有財産でございます。これにつきましては、適当なる時期に、適当なる價格で賣られることと思……

第5回国会 衆議院本会議 第38号(1949/05/24、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○國務大臣(池田勇人君) 主食の掛賣りは、先ほど森農林大臣のお答えになつた通りでございまして、國家收入の遅延を來しますし、とうてい実施は困難であると考えます。なお國有財産につきまして延納あるいは分割拂いの制度はございますが、主食の配給とは制度並びに趣旨が違いますので、一通りには行かないと考えております。

第6回国会 衆議院本会議 第9号(1949/11/15、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 昭和二十四年度補正予算案の国会提出に際し、その概略を後説明し、あわせて政府の財政金融政策の一端を申述べる機会を得ましたことは、私の最も光栄に存ずるところであります。  さきに昭和二十四年度当初予算の編成にあたり、政府は終戰以来のインフレーションを終息せしめて経済の安定を回復することに全力を傾注いたし、真に総合的な予算の均衡を実現いたしましたことは、各位の御承知の通りであります。その後政府は、この予算の適実なる執行を中心として、各般の施策の目標をすべてインフレの終息、経済安定の線に集中して参つたのでありまするが、この間の経済情勢の推移を見まするに、政府の施策は、国民各位……

第6回国会 衆議院本会議 第11号(1949/11/17、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 水谷君の御質問にお答え申し上げます。  御質問の第一点は、現在のわが国経済情勢を、総理大臣と同様安定と見るかというのでございます。私は、お話の通りに安定と見ております。(拍手)しかして、ディスインフレの失敗であると言われまするが、非常なインフレーシヨンを急激にとどめる場合には、今のような現状は最もいい状態であるのであります。(拍手)これは私ばかりの意見ではございません。世界中が、日本がこんなに早く安定の曙光を見出したのは経済界の驚異だと言つておるではございませんか。(拍手)  第二に、大産業は楽をし、中小産業は苦しんでおるというお話でございますが、決してそうではござい……

第6回国会 衆議院本会議 第12号(1949/11/18、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 風早君は、今回の補正予算並びに来年度予算案につきまして、不安定予算だという御意見でありまするが、私はそう考えません。六・三制、公共事業費は、補正予算並びに来年度予算で十分見込んでおります。大体今の世界の状況から見まして、片一方では歳出を減らし、片一方では減税をするという予算は、今年度のどこの世界の予算にもないのであります。日本だけであることを御承知を願います。  次に食糧管理特別会計に百七十億円を繰入れたのは赤字補填だという御者見でありまするが、決してそうではございません。輸入食糧が増加したための運転資金であつて、決して赤字ではないのであります。外国から米が来た場合に……

第6回国会 衆議院本会議 第15号(1949/11/24、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 目下御審議を願つておりまする昭和二十四年度補正予算の一部につきまして、このたび修正書を提出いたしましたので、その要旨を御説明いたします。  さきに政府は、輸出を円滑にいたしまするため輸出金融補償制度を創設することとし、補正予算におきまして、これに伴う予算措置を講ずることといたしたのであります。その後諸種の事情を勘案いたしまして、当初の構想を改め、これを輸出信用保険制度に置きかえまして、所期の目的を達成することといたしたのであります。これに伴い、まして、予算の一部を修正することといたしました。何とぞ御了承の上、御審議をお願いいたします。

第7回国会 衆議院本会議 第7号(1949/12/21、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  公務員の賃金ペースにつきましては、経済安定の点から申しましても、予算を緊縮する点から申しましても、また他面、消費者総合物価指数が低落の傾向にあります関係から、かえる意志はございません。従いまして、追加予算を組む必要もないのであります。  その次に、今度の年末手当に対しまする勤労所得税を軽減する気持はないか――軽減する気持はございません。所定の法律通りに実行いたします。
【次の発言】 来年のお盆、年末に賞與を出すかという御質問であります。来年は相当程度減税をいたします。また、物価も横ばい、あるいは低落の傾向に行くと思います。また将来、政府は、公務……

第7回国会 衆議院本会議 第11号(1950/01/23、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 政府の財政金融政策につきましては、さきに第六回国会において昭和二十四年度補正予算案の審議を煩わしました際、その大綱を明らかにいたしまして、各方価の批判に問うたのてありますが、ここに昭和二十五年度予算案の提出に際しまして、重ねて所信を申し述べる機会を與えられましたことは、私の最も欣快とするところであります。  昭和二十五年度予算案編成の基本構想は、前国会において申し述べましたところと何ら変わりはございません。すなわち、本年度補正予算及び来年度予算案を不可分の一体として取扱い、一年有余にわたる経済界の見通しと照応し、経済の安定及び復興のための諸施策を、本年度に比し一層積……

第7回国会 衆議院本会議 第12号(1950/01/25、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 社会党を代表するとおつしやる三宅さんに御答弁申し上げます。  吉田内閣は生産増強をあえて言つて、そうしてとる政策はデフレ政策であるではないか、こういう御質問でありますが、われわれは、あくまで生産増強を主義政策の第一といたしておるのであります。生産増強を主義政策の第一としておりますからこそ、わが吉田内閣が成立以来、生産はふえて来ておるではございませんか。これは指数が明らかに示しております。しかもまた、御質問の中に、安定と復興のデイスインフレをやるべきじやないかというお話でありますが、安定と復興のデイスインフレをやつておるのであります。これは先般の財政演説で申し上げた通り……

第7回国会 衆議院本会議 第13号(1950/01/26、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 三木議員にお答え申し上げます。  まず第一に、三木議員はやはり悪性インフレ計画経済の夢をまだ見ておられるように私は感ずるのであります。(拍手)経済の安定には、ただいままでわが党内閣がとつて参りました方法は、古今を通じて誤らない経済安定方策であるのであります。(拍手)これは各国のインフレ收束の歴史をごらんになつてもおわかりになることと思うのでありますが、とにかくここでは、財政演説並びに昨日の三宅議員に対しましての答弁で盡きておると考えております。ただ問題は、一―三月の金融問題にきまして、ことに税を中心にして非常に御心配のようでありますが、これは今年度の今までの税收入の実……

第7回国会 衆議院本会議 第14号(1950/01/27、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 竹山君の御質問にお答え申し上げます。  まず第一、農業金融の問題でございますが、農業金融は、原則といたしまして、農林中央金庫をしてその衝に当らせております。問題の短期資金につきましてはご承知の通りに、昨年来農業手形、漁業手形の制度を創設いたしまして、春肥においては九十五億円、あるいは農機具におきましても五十億円に近い融通をいたしておるのであります。今後におきましても、この農業手形は、その範囲を拡張し、あるいはまた手続を簡素化いたしまして、極力農業金融をはかりたいと考えておるのであります。なお長期金融に関しましては、お話にもありましたように、農林中金を増資いたしまして、……

第7回国会 衆議院本会議 第15号(1950/01/28、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 佐竹君の御質問にお答えいたします。  まず第一点は、価格調整補給金を減らしたために、物価が土つて国民は非常に困つておる、こういうお話でございまするが、政府。歳出をできるだけ縮めることは、われわれの方針であるのであります。従いまして、前年度に比べましては、一般会計より特別会計への繰入れを千億円ばかり減らしました。その次に価格調整費を九百億円減らして、その金を減税と国債の償還と公共事業費に向けたのであります。しかして、物価はそのために決して上つておりません。(「肥料が上つておるじやないか」と呼ぶ者あり)国民負担は、中央地方を通じまして、農民におかれましては大体半分以下の負……

第7回国会 衆議院本会議 第20号(1950/02/28、24期、民主自由党)【政府役職:大蔵大臣・通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 猪俣君の御質問に対しましては、増田官房長官のお答えで足りると思うのでありますが、特に御質問になりましたので、重複する点もございますが、お答え申し上げます。  十六條第一項は政府を拘束せずという規定通り、予算の流用その他につきましては自由裁量と考えております。従いまして、先般国鉄に対しまする仲裁委員会の決定がありましたときに、私は、その裁定の趣旨を十分尊重いたしまして、予算のやりくりをして十五億五百万円を捻出したことは御承知の通りであります。その後におきまして、いかに考えましても三億数百万円のお金を出す余裕はないのでございます。

第7回国会 衆議院本会議 第25号(1950/03/11、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣・通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) ただいま御決議になりました科字技術振興に関する決議並びにその内容の御説明に対しましては、政府はまつたく同感であるのであります。科学技術の振興がわが国経済再建の基礎をなすという認識のもとに各般の施策を講じて参つたのであります。本年の予算よりも来年の予算は財政の規模が縮小いたしましたが、科学技術振興に対しましての出資は相当ふやして参つておるのであります。今後におきましても、今回の決議によりまして十分予算の査定上考えて行きたいと思つておるのでございます。(拍手)

第8回国会 衆議院本会議 第4号(1950/07/15、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 御質問の第一点は、最近の金詰まりの状況から考えて金融政策を変更する意思なきやという御質問でございます。昨年来均衡予算を編成し、これを実行して参りましたために、従来の日本の財政とは違いまして、相当引揚げ超過になつていることはお話の通りでございます。昨年度も相当引揚げ超過になりました。本年度第一・四半期におきましても引揚げ超過になつておるのであります。今年度の引揚げ超過は第一・四半期におきまして三百四億円でございますが、これを調整するために日本銀行のマーケツト・オペレーシヨンその他貸出し政策によりまして、ちようどこの引揚げ超過を補つて、日本銀行の信用供與は三百二億円と相な……

第8回国会 衆議院本会議 第5号(1950/07/17、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 本国会には直接農村に関係のありまする補正予算は出さない考えであります。その他食糧増産、土地改良、米価の問題につきましては、われわれが最も関心を拂つておる重要な問題でございますので、来年度の予算場編成にあたりましては十分注意してやる考えであります。
【次の発言】 ドツジ・ラインということを盛んにお使いになりまして、しかも自分でお考えになつたドツジ・ライン、その規格を大蔵大臣において変更したのか、あるいは将来変更するのか、こういうお話でございまするが、先般も申し上げましたように、インフレを収束して、わが国の経済を安定し、そうして自立化へ持つて行く政策がドツジ・ラインの政策……

第8回国会 衆議院本会議 第6号(1950/07/21、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  本年度の予算編成に際しまして、財源の関係あるいは給與引上げに基きまする惡循環の問題等から考えまして、当初予算におきましては引上げない方針をとつたのであります。しかるに、その後におきまして物価事情その他が非常に好転いたしまして、経済界の安定もその度を加えまして、また財源も相当見つかるようになりましたので、ただいま副総理よりお話申し上げましたごとく、政府はできるだけ早い機会において適当なる限度の給與引上げをなさんとするのであります。御承知の通りに、ただいまの米価は相当低目でありますので、米価の改訂に伴いまして根本的の改正をいたしまするが、それ以前に……

第8回国会 衆議院本会議 第7号(1950/07/22、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 勝間田君にお答え申し上げます。  さきの地方税法案の不成立の責任はいずれにありやという御質問でございますが、これは水掛論をするよりも、国民がみな知つておることです。不成立に伴つて臨時立法をなぜしなかつたかというお考えでございまするが、われわれは、不成立の場合に早期に臨時国会を開くことを決意いたしました。かるがゆえに、臨時立法をいたしてやつても、これは国民に迷惑をかけるばかりでございます。税理に専門である勝間田君は、二、三箇月の臨時立法が行われ得ないということは十分御承知だろうと思うのであります。従いまして、早急に臨時国会を開きまして地古税法案の審議を願つた次第でありま……

第9回国会 衆議院本会議 第3号(1950/11/24、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 昭和二十五年度補正予算案の説明を中心といたしまして、政府の財政金融政策の大綱を申し述べたいと存じます。  わが国の経済が、国民諸君の絶大なる努力によりまして次第に安定の度を加え、今日では終戦直後の極度に疲弊した姿から回復して、経済再建への道を順調に進みつつありますことは、まことに喜びにたえないところであります。(拍手)去る六月の朝鮮動乱の勃発を機といたしまして、世界的に軍需資材等の需要は急速に増大しつつあり、この影響を受けまして、本年七月以降、わが国の経済も活況を呈し、輸出と、いわゆる特需の増加は、従来の滞貨を一掃したばかりでなく、新たな生産の増強をも要請しておるので……

第9回国会 衆議院本会議 第4号(1950/11/25、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 財政経済政策につきまして御質問がございましたが、これは昨日の演説で御了承願いたいと思います。  なお具体的に今年度の債務償還をいつするかという問題でございまするが、適当な時期にいたしたいと考えております。ただいま千二百億円の債務償還計画のうち、大体二百億円の債務を償還いたしました。警察予備隊その他に二百数十億円を使いまして、一般会計に残つておりまする債務償還に向けらるべき金は二百数十億であります。しかして特別会計のものはみんな償還いたしましたが、見返り資金のもののみ五百億円残つております。お話の通りに、ただいまは食糧証券その他に使つておりまして、別に遊ばせておるわけで……

第9回国会 衆議院本会議 第5号(1950/11/26、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 賃金ベースの問題でございまするが、人事院の勧告を尊重いたしまして平均千円程度引上げることにいたしました。従いまして、人事院の勧告は八千五十八円でございまするが、これをわれわれの計算にいたしますると八千四百円程度になるのであります。しかして今回引上げますると八千円程度になりまして、これは超過勤務手当並びに年末賞與を含まぬ金額でございますので、大体人事院の勧告を尊重し、その線に滑つて行つたものと言い得ると思います。  次に国鉄の裁定の問題につきましては、ただいま裁定を尊重する意味におきまして、その線に沿うよう検討を続けておるのであります。  最後に農民に対しまする課税につ……

第10回国会 衆議院本会議 第5号(1951/01/26、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 昭和二十六年度予算案の提出にあたりまして、政府の財政金融政策につき重ねて所信を明らかにする機会を與えられましたことは、私の最も欣快とするところであります。  顧みまするに、一昨昭和二十四年二月現内開成立の当時、インフレーシヨンの高進によつて危殆に瀕していたわが国の経済を、一挙にして安定へ転回させるため、政府は財政金融に関するあらゆる努力を結集するとともに、單にインフレーシヨンの收束のみをもつて事終れりとせず、さらに進んで経済の復興自立のために邁進して参つたのであります。(拍手)その結果、わずか一年有余の間に、物価と賃金の惡循環は完全にあとを断ち、生産の復興は目ざましく……

第10回国会 衆議院本会議 第7号(1951/01/29、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げす。  吉田内閣は何もしていないではないか、これは昨日もあつたのでありますが、あらゆる努力を結集いたしまして日本の経済再建に邁進しておつたのでございます。これをわれわれが過去一年半にやりましたから、初めてこの朝鮮動乱という好影響を満喫することになつたのであります。もしわれわれが安定政策をやつていなかつたならば、朝鮮動乱という経済的好影響を受入れるだけの資格がなかつた。これを受入れて日本の生産を勃興することは、われわれがあらゆることをやつた結果であるのであります。  次に、こまかい問題につきましての御質問でありまするが、世界の情勢に対処いたしまして、ただい……

第10回国会 衆議院本会議 第11号(1951/02/10、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  輸入資金につきましては、食糧については御承知の食糧管理特別会計に潤沢なる資金を持つております。しかして食糧以外の加工原材料につきましては、日銀のユーザンス制度あるいは市中金融でまかなつております。日銀のユーザンスも、最近では二千数百億円に上つておるのであります。輸入金融についての御心配はいらないと思います。  次に、小麦の価格が上つたから、来年度において二百二十五億円の補助金では足りないのではないかという御建議でもります。お話の通り、輸入の小麦の価格は上つて参りました。これは主として船賃の暴騰によるのであります。従いまして、私らは、できるだけ日……

第10回国会 衆議院本会議 第46号(1951/06/02、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  人事院の地域給改訂に関する勧告に基いて所要額を計算いたしますると、一般会計で三億五、六千万円、特別会計で五億四、五、千万円、合計大体九億円でございます。その他国鉄公社、專売公社で別に六億円を年間で要します。しかして私どもといたしましては、この人事院の勧告をそのまま実行いたすべく法律案を出して折衝いたしたのでありますが、予算につきましては補正を加えずに、一般会計においては物件費の節約、あるいは特別会計におきましては物件費その他につきまして節約を加え、また公社につきましては、既定の予算額を繰上げ支給する予定であつたのでありまするが、先ほど官房長官も……

第11回国会 衆議院本会議 第2号(1951/08/17、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 総理に対しまする御質問のうち、草案の五章に規定いたしまする請求権並びに財産権につきましての御質問にお答えいたしたいと思います。  まず第一、賠償の範囲でございます。お話のように、第十四條におきましては日本国が戰争中生ぜしめたる損害及び苦痛に対する賠償の責任を規定しておりまするが、後段におきまして、日本国の存立可能な経済を維持すべきものとすれば、現在においては賠償能力に欠けていると規定しております。しかして第一項におきまして、もし賠償するとすれば、連合国との間におきまして金銭賠償でなしに役務賠償と相なつておるのであります。しかして、この問題は、批准後において関係国と相談……

第12回国会 衆議院本会議 第4号(1951/10/15、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 賠償の限度についての御質問でございまするが、ただいま総理大臣よりお答えになつた通りであります。私は、この問題につきましては、日本の経済をあくまでも維持し、また東南アジア諸国との親善関係を確立する、この二つの目的で交渉を始めるべきだと考えているのであります。日本が経済的に伸びて行けば、それだけ賠償も多く支拂い得ると思うのであります。あくまでこれは金銭賠償ではございませんで、役務、賠償でございます。賠償を要求する各国も、日本の経済を破壊しては賠償がとれないのでありますから、との間おのずから相通ずると思うのであります。具体的交渉には入つておりません。ただ私は、講和会議から帰……

第12回国会 衆議院本会議 第5号(1951/10/16、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 平和條約第十四條は矛盾しておるのではないかというお話でありますが、矛盾いたしておりません。日本は賠償の責任はあるが、今の状態からいえば、完全な賠償や債務の支拂いはできない。従つて役務賠償的なものに限ると規定してあるのであります。何ら矛盾はないのであります。  次に賠償の点につきまして、中国その他東南アジアと差異がありはしないか、こういう御質問でございまするが、賠償は各国と個々に協定いたしますので、われわれは誠意をもつて、できるだけの賠償をいたす考えであります。従つて差異はございません。  次に、賠償を支拂うことによつて生活水準を下げ、非常に困つて来るのではないかという……

第12回国会 衆議院本会議 第6号(1951/10/19、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 昭和二十六年度補正予算案の説明を中心といたしまして、当面の財政金融政策に関する所信の一端を申し述べたいと存じます。  過般、平和條約の調印を了し、いよいよわが国が主権を回復して国際社会に復帰し得る運びとなりましたことは、まことに御同慶にたえない次第であります。わが国が諸外国からこのような好意をかち得るに至りましたゆえんの一つは、過去六年間にわたりわが国民が経済再建のために盡しました非常なる努力に対し各国が信頼の念を抱いたことによるものであると信ずるのであります。  わが国経済の前途には、国際情勢の変動に伴う各種の困難な問題が予想されまするほかに、新たに幾多の負担が加わ……

第12回国会 衆議院本会議 第7号(1951/10/22、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  まず、安易な自由経済を営んでおるという問題につきましては、特に周東安本長官にお尋ねがありましたので、私は答えることを差控えます。  次に、今回は従来のごとく十五箇月予算でなしに、軍に補正予算だけで行つたのではないか、こういう御質問てございまするが、財政演説で申し上げましたように、来年度の見通しもつけてやつておるのであります。従来の十五箇月予算でなしに、十八箇月予算で、私は行つておるのであります。これがために、本年度は八千億円程度に相なりまするが、来年度におきましても歳出総額は大差ないという見通しを持つておるのであります。それでは各項目について言……

第12回国会 衆議院本会議 第10号(1951/10/30、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  電力用石炭入手のための金融並びに電力不足によりまする企業不如意のための賃金不拂い、こういう具体的の問題につきましては、その都度適切な措置を講じております。  次に電力増加のための資金の裏づけでございまするが、これは先ほど安本長官よりお答えになつた通りでございまして、電力開発には、今までやつておつた方法が三つございます。それは自家発電のための開発銀行からの融資、また九電力会社の開発のための見返り資金からの融資、また公共団体の開発のための預金部資金の地方債の形による融資、これをやつておるのであります。その額も相当な額に上つております。電力の九会社の……

第12回国会 衆議院本会議 第14号(1951/11/10、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) ただいまの本院の決議を尊重いたしまして、今後中央地方の財政状況を検討勘案し、善処いたしたいと存じます。(拍手)

第12回国会 衆議院本会議 第19号(1951/11/26、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。医療保險の給付費の国庫負担の問題でございまするが、御承知の通り、今までは事務費につきましてだんだんふやして行つて、事務費は全額国庫負担になつております。しかるところ、今の状況からいつて給付費までも国が負担する、すなわち二割というお話でございまするが、二割負担することになりますと、百四、五十億円を要するのであります。国の財政上から申しまして相当の金額でございますので、私はただいま検討を続けておる次第でございます。(拍手)

第13回国会 衆議院本会議 第4号(1951/12/15、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げまするが、私はさきの国会の財政演説で、見返り資金から百三十五億円を電力、造船に出すということを申し上げておるのであります。当初から三十五億円の見返り資金を造艦に使うという考えでおつたのであります。ただ單価の問題がありますので、十万トンとはきめておりません。私は当初の計画通り三十五億円で造船をしようとするのであります。御承知の通り、吉田内閣ができまして、昭和二十四年以来百二十万トン新造、改造いたしたのであります。これに要しまする見返り資金は、合計四百三十億円でございます。しかして、これと同額あるいはそれ以上の民間資金が出ておりますので、千億以上の金を造船に……

第13回国会 衆議院本会議 第6号(1952/01/23、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 昭和二十七年度予算の提出にあたりまして、政府の財政金融政策に関し、率直に所信を申し述べたいと存じます。  平和條約の発効に伴い、わが国が六年有余にわたる占領治下の状態を脱して、再び独立国となる日の近いことを思うとき、心からなる喜びを感ずるものであります。しかしながら、それは同時に、わが国が経済的にもみずからの力と責任とにおいて生きて行かなければならないことになることはもとより、国際的な義務を履行し、さらに積極的に国際社会業貢献すべき使命をな与ことを意味するものであります、われわれは、この際、わが国経済の過去を顧みるとともに、その現状と、みずからの弱点とを十分に認識し、……

第13回国会 衆議院本会議 第7号(1952/01/25、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。私に関する御質問は四点であると思います。  その第一は賠償問題でございます。賠償は当初の無賠償から賠償式にかわつたというお話でございますが、條約第十四條に示しております通りに、初めからきまつておるのであります。すなわち、今の状態といたしましては役務賠償程度しかできない、こういうことに相なつておるのであります。従いまして、條約第十四條の精神にのつとりまして、われわれは誠意をもつて、ただいま交渉を開始いたしておるのであります。善隣友邦の関係を維持しながらまた東亜民族の幸福を考えながら、誠意をもつて賠償問題を解決する考えでございます。  第二の点は、吉田……

第13回国会 衆議院本会議 第8号(1952/01/26、24期、自由党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  外資導入の見通しいかんというのが御質問の第一点でございますが、これは私の推計では、すでに八千万ドル程度の外資が入つて来たと計算されておるのであります。今後の問題につきましては、外資導入法の改正等によりまして、今まで以上にどしどし入つて来ることを期待いたしております。しかして、外資導入は政府間の問題か、あるいは世界開発銀行の問題か、民間の問題か。いずれでも入つて来ればよろしゆうございます。  第二の点は、安全保障費あるいは防衛分担金が多過ぎるというお話でございますが、これは財政演説で申した通り、私は今の財政上から申しまして、国民所得に対して三・七……


25期(1952/10/01〜)

第15回国会 衆議院本会議 第6号(1952/11/26、25期、自由党)【政府役職:通商産業大臣・経済審議庁長官】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  御質問のうち、国民生活水準の引上げの点についてでございます。われわれは、政治の根本は国民生活水準の引上げにあると考えて、鋭意これに努力いたしておるのであります。御承知の通り、日本経済の復興に伴い、わが国民生活水準は相当引上つて来たのであります。二年前あるいは昨年は、昭和三十一年に九二の生活水準を予定しておつたのでありまするが、昭和三十一年をまつまでもなく、すでにただいまにおきまして九十三、四まで生活水準は上つて来たのであります。(拍手)今河上君が、国民生活水準は七五というお話でございました。しかし、これは都市における生活水準でございまして、全国……

第15回国会 衆議院本会議 第7号(1952/11/27、25期、自由党)【政府役職:通商産業大臣・経済審議庁長官】

○国務大臣(池田勇人君) 貿易振興政策につきましての御質問でございまするが、大体私は四つにわけられると思うのであります。まず第一は、通商航海条約等外交手段によりまして各国との経済関係の円滑化をはからなければなりません。第二には、海外市場の開拓であります。第三には、輸出競争力を国内的に高めて行くことでございましよう。第四には、為替金融その地貿易商社の強化をはからなければなりません。これがためには、外貨並びに国内の金融につきまして格段の努力を要する、こういう方針のもとに振興策を考えておるのであります。(拍手)
【次の発言】 お答え申し上げます。  第一の、兵器の生産に産業政策の重点を置いておるので……


27期(1955/02/27〜)

第26回国会 衆議院本会議 第4号(1957/02/04、27期、自由民主党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) ここに、昭和三十二年度予算を提出するに当り、わが国財政経済についての所信を申し述べるとともに、予算の大要を御説明いたします。  私は、まず、日本経済が目ざましい発展を遂げ、今日の繁栄を見るに至ったことを、国民各位とともに喜びたいと存じます。(拍手)すなわち、鉱工業生産は昭和二十八年を基準として三七%増大いたしました。これは、西ドイツの三八%に匹敵し、アメリカの七%、イギリスの二二%をしのぐものであります。また、輸出は昭和二十八年当時と比べまして二倍に増大し、国際収支もこの三カ年黒字を続けて参ったのであります。  このような生産及び輸出の拡大とともに活発な投資活動が行わ……

第26回国会 衆議院本会議 第5号(1957/02/05、27期、自由民主党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 太田さんの御質問にお答えいたします。  まず第一、租税の自然増収でございます。私は、昨日財政演説で申しましたごとく、世界の景気はなお高水準を続けていくものという前提に立っております。従いまして、貿易におきましても年々増加の道をたどっておりまするが、来年度、三十二年度におきましても、輸出を二十八億ドル、輸入を三十二億ドルと計算し、輸出におきましては三億ドル余の増加を見込んでおるのであります。  次に、豊作の問題でございまするが、もちろん天候に支配されることは大きいのでございまするが、最近のこの米の増産は、農民各位の非常な御努力によることはもちろんでございまするけれども、……

第26回国会 衆議院本会議 第6号(1957/02/06、27期、自由民主党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 野田君の御質問にお答えいたします。  今回の減税措置につきましては、御説の通り、従来のそれとは質的に非常に違っております。また、直接税と間接税の比率の問題につきましても、全く野田君と同感でございます。私は、今回、税制調査会におきまして、原糸課税、その他物品税の拡充を取りやめましたのも、野田君の説と同じ気持でやっておるのであります。なお、物品税、売上税につきましては、今後の創設、拡充は、私は今のところは消極的でございます。  たばこにつきまして、高いたばこが売れないから安いたばこをとめておるのではないかというお話がございましたが、決してそうではございません。最近におきま……

第26回国会 衆議院本会議 第8号(1957/02/14、27期、自由民主党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 所得税法の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたしたいと存じます。  政府は、国税及び地方税を通じて、わが国現下の実情に即した合理的な租税制度を確立するため、一昨年八月以来、臨時税制調査会を設けて、税制改正の諸方策について鋭意検討を加えて参りましたが、昨年末その答申を得、さらに、検討を重ねました結果、来年度を期して所得種を中心とする直接税の大幅減税を行い、国民の税負担の軽減をはかるとともに、租税上の各種特別措置を整理合理化し、また、道路整備の財源に充てるため揮発油税の税率を引き上げる等、税制の全般的整備を行うことといた……

第26回国会 衆議院本会議 第16号(1957/03/07、27期、自由民主党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 租税特別措置注案について、その趣旨を御説明いたします。  現在の税制では、貯蓄の奨励、内部留保の充実、輸出の振興、設備近代化の促進等、各種の政策的配慮に基いて種々の特例が設けられているのでありますが、その多くは租税特別措置法に規定されているのであります。これらの特別措置は、そのときそのときの経済事情等に応じて創設されたものでありまするが、最近におけるわが国経済の発展には目ざましいものがあり、制度創設当時とはかなり情勢が変化しているのでありまして、これらの特別措置を最近の経済情勢に照らして全面的に再検討する必要があると認められるのであります。現在、これら特別措置は主要な……

第26回国会 衆議院本会議 第21号(1957/03/14、27期、自由民主党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。次に自治庁長官が詳しくお述べになると思いますので、簡単に、私に直接関係のあるものだけを申し上げたいと思います。  第一の点は、交付税の税率をなぜ二八%にしないか、将来は二八%にするか、こういう御質問でございまするが、中央、地方の財政は一体として考えなければなりません。地方財政におきましては、従来と変りまして、明年度におきましては七百億円に上る自然増収もありますし、また、他面、交付税も二百四十億円交付することになれば、大体のまかないがつくと思いまして、二六%といたしたのであります。しこうして、将来の問題につきましては地方財政の状況を見て考えなければな……

第26回国会 衆議院本会議 第29号(1957/04/05、27期、自由民主党)【政府役職:大蔵大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 首藤君の御質問にお答えいたします。問題は金融と金利と税制の問題と心得ます。  御承知のごとく、最近の経済界の好況は大企業より中小企業とだんだん侵潤して参っておりますことは、統計の示す通りでございます。この傾向をますます助長いたしますために、政府におきましては、三十二年度の財政投融資におきまして、大企業中心の日本開発銀行あるいは輸出入銀行に対します融資よりも、国民金融公庫、中小企業金融公庫あるいは商工中金、不動産銀行等、中小企業を中心とするものに対しまする融資を相当ふやしておるのであります。すなわち、中小企業に対しまする融資の増加率は六四先でございまするが、大企業に対し……


28期(1958/05/22〜)

第32回国会 衆議院本会議 第4号(1959/06/26、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  私の経済政策が積極的で、拡大の政策だ、これはもちろん安定の上の積極拡大であるのであります。安定なきところに、拡大も、あるいは積極もないのでございます。どうぞ、その辺を御了承願いたいと思います。  次に、為替貿易の管理制度の自由化の問題でございます。お話の通り、世界的に自由化が叫ばれ、着々実行されておるのであります。わが国におきましても、国の経済を安定強化して、この線に沿っていく考えでおります。具体的に申しますると、為替の自由化も、手近な問題はやっております。また、輸入の自由化も、あるいはAA制等の拡大をはかりまして、この線に沿っていっておるので……

第32回国会 衆議院本会議 第6号(1959/07/01、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  地下水のくみ上げによりまする天然ガスの採取が鉱業法第百九条に該当するかどうか、いろいろ疑問の点があるのであります。また、該当するにいたしましても、個々の鉱業権者と被害者との因果関係、いわゆるその程度、結びつき等につきまして、よほど研究しなければならぬと思うのであります。従いまして、これらの問題につきましては、最近の資源調査会の答申を見まして、今後検討していきたいと思います。  また、申し上げておきまするが、資源調査会の答申につきましても、前の新潟地盤沈下特別委員会の委員長としては、この原因がどれにあるかということを判然できなかったのであります。……

第33回国会 衆議院本会議 第3号(1959/10/28、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 今回の災害をお受けになりました中小企業に対しましては、災害資金といたしまして百五十億円程度の融資を考えております。  また、信用の拡大をはかるために、信用保険公庫に十億円の出資をいたし、また保険料率の引き下げ、保険の担保率の引き上げ等、適当な措置をとることにいたしておるのであります。(拍手)

第33回国会 衆議院本会議 第4号(1959/10/29、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  石炭鉱業の重要性につきましては全く同感でございます。従いまして、私といたしましては、就任以来、この石炭問題解決に日夜苦慮いたしているのであります。従いまして、事務当局に箝口令をしくとかいうようなことはございません。りっぱな石炭対策を打ち立てるために、今勉強中であるのであります。(拍手)  石炭対策につきましての根本問題は、石炭企業の体質を根本的に変えて、炭価の引き下げを行なうことでございます。そうして、また、山元石炭の輸送あるいは販売面におきまする合理化をはかることでございます。第三には、需給の確保をはかることであり、第四には、流体化に努めて需……

第33回国会 衆議院本会議 第7号(1959/11/14、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  航空機の製造許可は、航空機製造事業法によりまして、通産大臣の専管事項でございます。しこうして、それが防衛庁の使用する飛行機でありますときは、防衛庁長官と協議することに相なっております。今回は、防衛庁機でございまするから、長官と協議の上、決定いたしました。  しからば、なぜ通産大臣は新三菱重工業を主たる契約者とし、川崎航空機を従たるものとしたかと申しますると、私は、両会社の設備能力、技術者数、あるいは技術の能力、経験、試験設備、その他経営状況を調べまして、これによってきめたのでございます。  次に、なぜそんなに早くきめたか、こういうお話でございま……

第34回国会 衆議院本会議 第4号(1960/02/02、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 水谷さんの御質問の貿易・為替の自由化につきまして、ただいま菅野企画庁長官がお答えになりましたが、お話の通り、この問題は、現在並びに将来にかけて日本の経済が直面しておりまする重大な問題でございますので、所管大臣といたしまして、少しくつけ加えて御説明申し上げたいと存じます。  皆さん御承知の通り、戦争を中心として、わが国の経済はいわゆる統制経済に相なったのであります。昭和二十三年に外国から来られましたドッジ氏は、日本経済を竹馬経済と称せられたのであります。私は、当時、日本の経済の発展には、為替相場をきめ、少なくとも国内経済を自由にして、いわゆる竹馬をとっぱずすことを試みて……

第34回国会 衆議院本会議 第5号(1960/02/03、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  経済の見通しにつきましては、佐藤大蔵大臣と同様でございます。いろいろ過熱論とかデフレ論とかございまするが、過熱論あるいはデフレ論はおおむね影をひそめつつありまして、わが内閣の見通しの通りに、またそれを上回るのが今までの例でございます。  次に、貿易自由化の構想は、昨年秋のガット総会等々から出てきたのではないかというお話でございまするが、私は、従来から、国内経済を自由化し、日本の経済が力がついたならば、なるべく早く国際的に自由化したいという念願を持っておったのであります。それが日本の経済の発展、国民生活の向上に役立つことであるのであります。従いま……

第34回国会 衆議院本会議 第7号(1960/02/11、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) ただいま総理よりお話がございましたごとく、最近、炭鉱災害は毎年少なくなってきておるのであります。しかし、昨年におきましても五百七十四名の犠牲者を出しましたということは、これはまことに遺憾でございます。ことに、暮れからことしの初めにかけまして、大手の山が爆発いたしましたことは、まことに遺憾に存じます。この三つの山につきましては、その原因を調査しようといたしておりまするが、何分にも、水を入れたり、あるいは密閉いたしておりますので、今その原因が那辺にあるかということの結論は出ていないことを遺憾に思っておるのであります。全体といたしまして、保安の状況は、もちろんいいことはござ……

第34回国会 衆議院本会議 第11号(1960/03/04、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 商工会の組織等に関する法律案について、その趣旨を説明申し上げます。  中小企業問題につきましては、その重要性にかんがみ、政府といたしましても、かねてから諸般の施策を講じてその解決に努力いたして参ったのでありますが、中小企業の中でも、中規模事業者と小規模事業者との経営格差は非常にはなはだしいものがあります。しかるに、従来の中小企業対策においては、この小規模事業者に対する施策は必ずしも十分とは言えず、特に、地方の町村における小規模事業者の対策の強化は緊要とされているところであります。この対策強化のためには、もちろん、金融措置、税制措置等についても考慮する必要があり、政府と……

第34回国会 衆議院本会議 第20号(1960/04/05、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  最近のエネルギー革命に対処いたしまして、政府におきましては、昨年来、石炭政策につきまして根本的対策を講じておるのでございます。すなわち、ただいま御審議願っておりまする石炭産業の合理化、または競合エネルギーに対しまする関税政策、ボイラー規制法、あるいはまた、産業の合理化によって起こりまする離職者に対しましての特別対策等、あらゆる方面からこれが対策を講じておる次第でございます。(拍手)
【次の発言】 お答えを申し上げます。  今回の石炭に関しまする一連の施策は、石炭鉱業の合理化と、また、雇用関係からきておるのでございます。私らとしましては、できるだ……

第34回国会 衆議院本会議 第22号(1960/04/15、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 輸出入取引法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  現行輸出入取引法は、昭和二十七年九月、輸出取引法として施行され、その後、昭和二十八年八月、輸出入取引法に改正され、さらに、その後二回の改正を経て今日に至っております。その間、輸出入取引法は、輸出入取引における秩序の確立についての基本法として多大の役割を果たして参ったのであります。  しかしながら、最近における世界貿易の状況を見ますと、諸外国においては、依然として、わが国の一部の商品の無秩序な進出が問題とされ、差別的な対日輸入制限はいまだ撤廃されておらないのであります。従って、輸出取引秩序の……

第34回国会 衆議院本会議 第29号(1960/05/06、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 貿易・為替の自由化は、日本経済のこの上の発展を目ざす手段でございます。従いまして、経済界、ことに農業の関係者の困るようなことはいたさないのが本筋でございます。これは私ばかりではございません。外国におきましても、常にそういう考えでいっております。為替・貿易の自由化は、あくまでも慎重に、ことに農業に関しては、その上の慎重を期する考えでございます。(拍手)
【次の発言】 お答え申し上げます。  小澤さんの考え方につきましては、私は賛成でございます。政府におきましても、工場立地の調査等に関する法律によりまして、全国にわたって工業の適正地域を調査いたしております。通産省といたし……

第34回国会 衆議院本会議 第36号(1960/06/14、28期、自由民主党)【政府役職:通商産業大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた中小企業者に対する資金の融通に関する特別措置法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。昭和三十五年五月のチリ地震津波は中小企業者に対して想像以上に大きな被害を与え、これが急速な立ち直りのためには再建資金の融通の円滑化をはかることが刻下の急務となって参りました。このため、政府におきましては、直ちに国民金融公庫、中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫の資金を重点的に災害融資に振り向けることとしたほか、昭和三十四年度の伊勢湾台風等による風水害の際にとった措置に準じて、両公庫の災害融資については、行政措置によって貸出利率の引き……

第36回国会 衆議院本会議 第2号(1960/10/18、28期、自由民主党)

○池田勇人君 日本社会党中央執行委員長、議員淺沼稻次郎君は、去る十二日、日比谷公会堂での演説のさなか、暴漢の凶刃に倒れられました。  私は、皆様の御賛同を得て、議員一同を代表し、全国民の前に、つつしんで追悼の言葉を申し述べたいと存じます。(拍手)  ただいま、この壇上に立ちまして、皆様と相対するとき、私は、この議場に一つの空席をはっきりと認めるのであります。私が、心ひそかに、本会議のこの壇上で、その人を相手に政策の論争を行ない、また、来たるべき総選挙には、全国各地の街頭で、その人を相手に政策の論議を行なおうと誓った好敵手の席であります。  かつて、ここから発せられる一つの声を、私は、社会党の党……

第36回国会 衆議院本会議 第3号(1960/10/21、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) さきに、私は、国会の指名によりまして、内閣総理大臣の重責をになうことになりました。私心を去り、ただひたすらに謙恭と誠実を旨とし、全力を傾けて、私に与えられた職責を全ういたしたい決意であります。よろしく御支援のほどお願い申し上げます。(拍手)  本月十二日、淺沼稻次郎君が、不慮の災厄に遭遇し、逝去されました。まことに哀惜痛恨にたえないところであります。申すまでもなく、暴力は民主政治に対する公然の敵であります。それは、左右を問わず、個人、集団の別なく、断じて排除しなければならないものであります。(拍手)私は、治安の確立こそ、あらゆる政策に先行する大切な要件であり、それがま……

第36回国会 衆議院本会議 第4号(1960/10/22、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  北山さんの世界情勢に対する認識は、よほど間違っていると私は考えます。今の事態、今のときに、日米中ソの四国の中立協定なんていったら、世界の人は笑うと思います。(拍手)  なお、国民大多数の意見に反して安保条約を結んだと、こういうお話でございまするが、来たる総選挙に、はっきり国民が返事をすると思います。(拍手)  次に、米国の景気につきましていろいろお話があったようでございまするが、これはどこから出たのかわかりませんが、最近行なわれた世界通貨基金の会議におきまして、財務長官のアンダーソンは、アメリカは不景気ではないのだ、とはっきり言っております。日……

第36回国会 衆議院本会議 第5号(1960/10/24、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) ただいま可決されました決議の御趣旨を十分尊重いたしまして、暴力の根絶と社会秩序の維持に万全を期する所存でございます。(拍手)


29期(1960/11/20〜)

第37回国会 衆議院本会議 第6号(1960/12/12、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) このたび行なわれた総選挙において、各党はそれぞれ政治に対する心がまえと政策を国民の前に明らかにし、その厳粛なる審判を仰いだのであります。その結果、与党たる自由民主党は国民多数の根強い支持を得、私は再び内閣総理大臣の重責をになうこととなりました。ここに決意を新たにして、この国民の信頼と期待にこたえたいと思います。(拍手)  今回の総選挙が政策中心の論議にともかくも終始したことは、わが国の民主政治の一つの前進であったと思います。他面、それにもかかわらず、選挙自体のあり方についての国民の批判はまことにきびしいものがあることも否定できません。私は、この批判にこたえて、広く国民……

第37回国会 衆議院本会議 第7号(1960/12/13、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  私が以前に申し上げました二大政党論についての考え方を一部だけ引用なさいまして、全部を引用なさっていないから誤解が起こるのであります。およそ、二大政党というものは、根本的の国策については相一致しているのが英米の例であります。二つの政党は、離れ離れにならずに、お互いに相当交錯してこそ、初めて二大政党の妙味が現われる、と言ったのであります。二つの政党が意見の違うことは当然でございます。一緒ならば一つの政党になってしまう。しかし、今のように、この二つの政党が離れ離れになって同じ土俵を持たないということは、私は、政党政治としてよくない、従って、われわれも……

第38回国会 衆議院本会議 第3号(1961/01/30、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 第三十八回国会の再開に臨み、私は、当面する内外の諸情勢についての見解と、これに対処する所信を明らかにいたしたいと思います。  私は、就任以来、政府みずからその姿勢を正し、政治と行政の運営を正常化し、さらに、政治、経済、社会の各分野において、いかなる紛議があっても、寛容と忍耐をもって、話し合いを通じて解決するという、正しい民主主義の慣行が確立されるよう努力して参りました。幸いにして、国民各位の共鳴を得て、特に昨年来一部に見られたような異常な社会的緊張も次第に緩和の方向に向かい、人心の安定と社会秩序の平穏が取り戻されつつあることは、まことに喜ばしいことでございます。(拍手……

第38回国会 衆議院本会議 第4号(1961/01/31、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 松野君の御質問にお答えする前に、一言申し上げたいことがあります。  昨日の本会議における加藤勘十君の御質問に対する私の答弁中、――の二字は、誤解を生ずるおそれがありますので、これを取り消します。(拍手、発言する者多し)  松野君の御質問の第一点の外交政策でございまするが、これは昨日の施政方針演説で申し上げました通り、私は、国連を中心として自由国家群と協力し、また、アジアの一員たる立場を堅持し、そうして国際平和に協力いたしたいと考えております。共産諸国との関係につきましても、あとう限り友好関係を増進していきたいと考えておるのであります。  なお沖繩に対しましては、昭和三……

第38回国会 衆議院本会議 第5号(1961/02/03、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 今回の嶋中事件が発生いたしましたことは、まことに遺憾のきわみでございます。  浅沼事件後、国会の決議に基づきまして、一般の協力を得て、暴力事犯の起こらないよう、また、暴力追放の風潮がわき起こるよう、いろいろ努力して参ったのであります。最近におきまする刃物持ち歩き防止運動も、その一環でございます。われわれは、こういう運動を起こすと同時に、警察機構の改善充実をはかって参りまして、これを未然に防ごうといたしておるのでございます。しかし、それも十分でなく、今回の事件を起こしたことは、まことに痛恨の至りでございます。  なお、責任論でございますが、御承知の通り、警察行政の中立性……

第38回国会 衆議院本会議 第8号(1961/02/21、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  本月三日の韓国民議院におきまする決議は、私は、その前文に示しておりますごとく、韓国と日本との国交正常化に全面的に賛成の意を表しておるものと考えております。なお、いろいろの懸案を解決しながら、国交の正常化に向かう今までの方針を続けていく考えでございます。  なお、わが国の外交は、わが国のために最もいいことを自主的にきめていっております。国連の一員として、自主的にわが国のための外交をやっておるのであります。(拍手)
【次の発言】 お答え申し上げます。  所得倍増計画において、四大工業地帯を中心とするベルト地帯を開発し、その他の土地をほっておくとは、……

第38回国会 衆議院本会議 第9号(1961/02/23、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  まず第一に、松平国連大使が、国連に協力する道は国連警察軍に参加することが根本であるということを言ったのは間違いでございます。私は、そういう考えを持っておりません。なお、昨年五月、藤山前外務大臣が国連に対しての協力の意見を申し述べられたことは、私と全く同感であるのでございます。政府は、前内閣のあの方針をかたく堅持いたしております。  なお、派兵について、いかなる場合においてこれを受諾するか、もちろん、積極的に派兵ということは考えておりません。そうして、要請を受けたときに、いかなる場合にこの要請に応ずるかという問題につきましては、私は、個別的な問題……

第38回国会 衆議院本会議 第10号(1961/02/28、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 今回の関税制度に関する三法案の趣旨は、わが国の産業構造の変化、また、世界の大勢に基づきまする貿易自由化の線に沿いまして、品目並びに税率の改正を行なわんとするものでございます。私は、わが国の今の関税制度が昭和二十六年に占領中のあれとしてできました分は、いつかは改正しなければならぬと、こう考えておったのでございますが、先ほど申し上げましたような理由で、今回改正を決意いたしたのでございます。  なお、関税率あるいは品目の整理と貿易の自由化の問題とは関係はございまするが、貿易自由化の計画は、昨年六月決定いたしましたあの計画に基づいて着々実行しておるのであります。これを今特に変……

第38回国会 衆議院本会議 第15号(1961/03/10、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  昨日起こりました上清炭鉱事件はまことに遺憾のきわみでございまして、私は御遺族の方々に衷心より御同情の意を表するものでございます。と同時に、この事件にかんがみまして、今後こういうことの絶無を期するよう、私はもちろん、関係当局も十分努力して参りたいと存じます。  私に対する御質問は、石炭政策と保安行政との関係のようでございます。御承知の通り、一昨年から昨年にかけまして、石炭不況対策といたしまして、われわれは画期的の措置を講じてきたのでございます。もちろん、この措置につきましては、ヨーロッパ諸国におきまする石炭政策等も検討いたしまして、できるだけのこ……

第38回国会 衆議院本会議 第16号(1961/03/14、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  御質問の第一点は、老齢年金額三千五百円は少な過ぎるのではないか、所得倍増計画からいって、もっとふやすべきではないか、という御質問でございますが、所得倍増計画は今後十年間の問題でございます。現在の負担力その他から考えまして、ただいまのところ、これでいきたいと思います。今後、国民経済の発展に伴いまして、財政力の充実、国民の負担力の向上によって改善していきたいと考えております。  第二の、本年金法の実施を延期する考えはないか、この御質問でございますが、御承知の通り、本法並びに今回の改正案につきましては、国民年金審議会あるいは社会保障制度審議会の全会一致……

第38回国会 衆議院本会議 第17号(1961/03/17、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 公労協が、今次賃上げの闘争に際し、法に違反してストライキをしようとすることは、法を無視し、法治国家の国民としてあるまじきことでございます。(拍手)かかる行為は、民主主義に反するものでございまして、国民とともに、許すべからざることであると私は考えております。政府は、あくまで法の建前に従いまして、違法行為に対しては、厳正な態度によりこれを処罰し、法を守る考えであるのであります。(拍手)  また、私は、かかるストライキ決議に対しまして、国民もきびしく批判することを確信いたしております。しかし、われわれは、善良なる一般組合員の要求で、われわれの納得し得るものにつきましては、あ……

第38回国会 衆議院本会議 第19号(1961/03/24、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  公明選挙は民主主義政治のもとでございますから、われわれといたしましては、選挙が公明に行なわれることを念願して努力していくことが国民に対する務めと考えます。  御質問の第一点の、何ゆえに従来の調査会の答申によって立案しないかというお話でございますが、皆さんすでに御承知の通り、調査会の答申につきましては、一昨年の暮れでございました、いろいろ各党でそれに基づいてやったのでございまするが、いかにも答申が抽象的でございまして、各党並びに各団体の意見が一致を見なかったので、私は、この大事な選挙につきまして、今の選挙及び投票のみならず、区画及び定数、あるいは……

第38回国会 衆議院本会議 第20号(1961/03/25、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  御質問の第一点は、公共料金値上げの問題でございます。たびたび申しておりまするごとく、公共料金の値上げは、当分の間、原則として行なわないことを閣議決定いたしております。  なお、今回の鉄道運賃の引き上げにつきまして、農民の方々を初め、いろいろお困りというお言葉でございます。われわれといたしましても、なるべく値上げはしないように努力して参ったのであります。相当借入金もいたしておるのでございますが、将来の国鉄のあり方から申しまして、この程度はやむを得ないと考えたのでございます。なおかつ、この程度の引き上げでは、私生活にそう影響はないと考えておるのであ……

第38回国会 衆議院本会議 第21号(1961/03/28、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  経済の高度成長によりまして、業種別、規模別、地域別の格差は、えてして、拡大しやすいのでございます。私は、過去のそういう事績から考えまして、この地域格差をできるだけ是正するために本法案を提出いたしたのでございます。各省思い思いにやっているというお話でございますが、それは、今スタートでございまして、建設省は建設省の範囲におきまして、また、通産省は通産省の職域におきまして、地質、交通その他万般の調査をお互いにいたしまして、そうして、後に総合的計画を立てる考えであるのであります。お話のありましたように、欧米諸国におきましては、つとに、こういうことについ……

第38回国会 衆議院本会議 第28号(1961/04/11、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  本法と憲法三十五条との関係でございまするが、御承知の通り、憲法三十五条は刑事手続に関するものでございまして、本法に定めておりますのは行政目的のための手続でございます。直接に関係はございません。しかし、事、強制的な権限を内容とするものでございまするならば、もちろん、憲法三十五条の規定を尊重しなければならない。本法は強制的権限を内容としておるものではないので、相手方の意思に基づいて物件の提示、開示、あるいは、要すれば提出を求めるもので、あくまで相手方の意思によることになっておりますから、憲法三十五条の規定の適用はないと考えております。  なお、次に……

第38回国会 衆議院本会議 第29号(1961/04/13、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  暴力行為は、民主主義の最大の敵でございます。われわれは、日本社会党並びに民主社会党の御提案になりまする法律案の内容を検討するはもちろん、各方面から鋭意検討を重ねて、りっぱな案を御審議願うよう、今準備中でございます。(拍手)
【次の発言】 お答え申し上げます。  本法案と憲法第二十九条第三項との規定の関係でございます。憲法第二十九条第三項は、「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる。」こう書いてあるのであります。従いまして、財産を供与すると同時に、これが補償を行なわなければならぬと義務づけてはいないのであります。直ちに……

第38回国会 衆議院本会議 第41号(1961/05/17、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  治安の確保は、国民の福祉、繁栄の基本でございますので、政府といたしましては、あらゆる機会に、順法精神の高揚と、また、行き過ぎた行動に対しまして取り締まりの強化をはかっているのであります。しこうして、今回、自由民主党並びに民主社会党より政治的暴力行為防止法案が提出せられました。私は、この種法案は、国民を代表する議員おかれまして提案されるのも望ましいことであると思います。政府は、これありますがために、政府みずからこういう法案をただいま出す考えはないのでございます。私は、今後におきましても、議員の間からこの種法案が出ることは望ましいことであると考えて……

第38回国会 衆議院本会議 第44号(1961/05/23、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  水の問題は、御承知の通り、治水事業、灌漑あるいは上水道、工業用水等、多方面にわたりまして、これが所管官庁は各省にまたがっておるのであります。しかも、数十年の長きにわたって、各省はおのおのその分野においてこの仕事をしておるのであります。これを一朝一夕に一本化するということはなかなか困難な問題でございますが、内閣におきましては、水の緊急開発の必要性にかんがみまして、この大目的のために、ここに一本化ができたのでございます。時間はかかりましても、私は、一本化ができたということを非常に喜んでおる次第でございます。  しこうして、これが施行にあたりましては……

第38回国会 衆議院本会議 第45号(1961/05/25、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  今回の農業災害補償法の改正につきましては、政府は、根本的改正を企図いたしまして、いろいろ研究をしたのであります。何分にも多岐にわたりますので、意見の調整に時間を要しまして、今日提案することになったのであります。このことは全国農民のひとしく熱望しておる改正でございまして、御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。  なお、農業災害補償制度協議会の答申につきましては、機構の点につきましては多少の相違がございますが、内容的には答申を大部分受け入れておることを申し添えておきます。  なお、その他の問題につきましては農林大臣に答弁いたさせ……

第39回国会 衆議院本会議 第3号(1961/09/28、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 第三十九回国会に臨み、補正予算を初め当面処理すべき案件の御審議を求めるにあたり、私は、先般の梅雨前線豪雨並びに今次の第二室戸台風により、不幸にして罹災せられた方々に対し、深甚な哀悼と同情の意を表したいと思います。(拍手)政府といたしましては、災害対策事業につき二百七十億円に上る補正予算の編成を初め、各般の特別立法措置を講ずるとともに、災害対策基本法案その他恒久対策の確立に万全を期する所存であります。罹災者におかれましても、この打撃に屈することなく、力強く復興に立ち上がられまするよう心からお祈りいたします。(拍手)  この機会に、私は、最も国民の関心と注目を引いておる外……

第39回国会 衆議院本会議 第4号(1961/09/29、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えを申し上げます。  質問が多岐にわたり、また、専門的の事柄もございますので、極力私からお答えいたしまするが、足りないところは関係大臣より答えさせます。また、お答え漏れの点があれば、再質問でお答えすることにいたします。  まず第一、災害対策の問題でございます。お話の通り、戦後におきましても戦前に劣らない災害が起こることはまことに遺憾でございます。お話のような原因によることも私は存じております。従って、御承知の通り、治山治水緊急措置法によって十カ年計画を立てて、その方向に向かって進んでおるのであります。また、本国会におきましても、防災行政の整備をはかりますために災害……

第39回国会 衆議院本会議 第5号(1961/09/30、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  御質問の第一点は、災害対策についてでございます。昨日申し上げましたように、治山治水緊急措置法によりまして、一応十年間の計画を立てております。また、今国会に災害対策基本法の御審議を願うことになっております。私は十年間で今の計画だけで十分だとは思っておりません。財政の許す限り、これを繰り上げてやることに努力いたしたいと思います。  その次の、災害に対する国家補償の問題でございます。災害の性質、また程度、いろいろな問題がございます。また、国家財政の点も考慮しなければなりませんので、ただいま国家補償をするという結論は出ませんが、その結論は出なくても、わ……

第39回国会 衆議院本会議 第6号(1961/10/06、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  災害に対しまして、わが国民の生命財産を擁護することは、政治の根本であります。私は、国の総力をあげまして、この防止に万全を尽くしたいと考えます。その意味におきまして、今回災害対策基本法を制定するに至ったのであります。その内容におきましては万全ではございませんが、今後皆様方とともに、ほんとにりっぱな対策を打ち立てるよう努力いたしたいと思います。(拍手)  次に、防災を一元化するために、防災省であるとか、防災庁を設けてはどうかというお考えでございますが、何分にも防災は非常に多岐にわたっております。一省の仕事にして統一的にやっていくというごとはなかなか……

第39回国会 衆議院本会議 第7号(1961/10/10、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  田口さんお話しの通りに、憲法第十五条におきましては、すべて公務員は全体の奉仕者としておるのであります。公共の事務に奉仕することに相なっておりますので、一般の勤労者と同様に取り扱うことはできないと考えます。ただ、私は、公務員につきましても、一般の労務者と同様に、できるだけ実態に沿うように努力はいたしておるのであります。(拍手)

第39回国会 衆議院本会議 第14号(1961/10/25、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) ただいまの御決議に対しまして、政府の所信を申し述べたいと思います。  核実験禁止は人類の悲願であります。人類の平和と幸福のためにも、即時その実現がはかられなければなりません。(拍手)政府といたしましては、すべての国が核実験を即時停止するとともに、関係諸国が有効な国際管理を伴う核実験停止協定に関し、すみやかに合意に達するよう熱望してやまないのであります。(拍手)  このため、政府は、かねてより右の立場に基づき、直接関係国に強く働きかけるとともに、国際連合において積極的な役割を果たしつつありまするが、ただいまの御決議の趣旨を体しまして、世界の平和と人類の幸福のために、今後……

第39回国会 衆議院本会議 第16号(1961/10/27、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  御質問の第一点は、東北アジア条約機構、NEATOの問題であったと思います。この問題につきましては、具体的な話は何もございません。単なる松本君の想像から出たことと私は考えますので、お答えはいたしません。  第二の、韓国政権の性格いかんという問題でございます。御承知の通り、一九四八年十二月の国連総会におきまして、今の韓国政府は合法的政府と認められておるのであります。従いまして、三十四ヵ国の国連加盟国がこれを承認いたしております。しこうして今の朴政権は、二年間後に文民政府に復帰すると宣言いたしまして、国連憲章の原則を守ることを約束いたしておるのでありま……

第40回国会 衆議院本会議 第2号(1961/12/14、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  今回の事件は、まことに遺憾千万でございます。われわれは、今後かかることが絶対に起こらないよう努めなければなりません。そのためには、お話のごとく、憲法を守ることは当然でございまするが、政治の姿を正し、そうして民主主義のルールに従って政治が秩序正しく行なわれるように努めなければなりません。(拍手)私は、社会秩序の平穏を維持し、国民生活の安定向上をはかって、内外の政治に対する信用を高めることが肝要であると考えます。従いまして、今回の事件が韓国のそれによって起こったと断定することよりも、われわれは、韓国との国交正常化は国が立っていく上にぜひ必要なことと……

第40回国会 衆議院本会議 第3号(1961/12/22、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  御質問の第一点は、中国代表権の問題でございます。御承知の通り、中国代表権問題につきましては、中共と国府がおのおの正当性を主張いたしておるのであります。われわれは、従来、この問題につきましては、国連でたな上げ案に賛成いたしております。しかし、今の情勢はこれを許しません。われわれは進んでこの重要な問題を国連で十分討議することを提案いたしたのであります。私は、従来の外交よりもこれだけ前向きに進んだことをはっきり言い得ると思います。(拍手)  次に、解決策はないとおっしゃいますが、解決策は国連でみんなと相談して見出そう、これが解決策であるのであります。……

第40回国会 衆議院本会議 第5号(1962/01/19、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 諸君とともに新しい年を迎え、ここに第四十回通常国会の再開に臨み、明年度予算その他重要案件の御審議を求めるにあたり、わが国をめぐる内外の諸問題に対する政府の所信を披瀝する機会を与えられましたことは、私の最も欣快とするところであります。具体的施策については関係閣僚の所信表明に譲り、施政の大綱について率直に申し上げたいと存じます。  戦後十七年、国民諸君の努力により、わが国の経済は驚異的復興を遂げ、生産技術も著しく進歩し、国民生活は着実な向上を記録することができました。また、わが国に対する世界の信用は年とともに高くなり、国際的地位もまた向上して参りました。このことは、わが国……

第40回国会 衆議院本会議 第6号(1962/01/23、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  まず御質問の第一点は、憲法改正の問題と思います。憲法改正につきましては、せっかく憲法調査会におきまして審議中であるのでございます。すなわちそれは、憲法を改正するの要ありやいなや、また、もし改正するとすればいかなる点をいかように改正しようかと、鋭意調査中であるのであります。私はこの調査の結果を待ちまして、この問題につきまして国民とともに真剣に取り組みたいと考えております。(拍手)そういう情勢であるときに、憲法を改正するということを内閣が言及することは慎むべきことであると考えます。また、結論が出ましても、私は盛り上がる国民の世論に従って善処いたすこ……

第40回国会 衆議院本会議 第7号(1962/01/24、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  外交問題について国民の声を聞けというお話でございます。全くその通りでございまして、私は組閣以来、この外交問題につきましては、特に朝野各界の方々の意見を聞いております。また、野党の意見につきましても、国会を通じて十分承知いたしておるのであります。しかし、問題は、あまりにもわれわれと野党の意見とが正反対であるので、聞きましても、私はそれを受け入れるわけにいかないのであります。(拍手)この点は非常に不幸でございます。百八十度互いに正反対であるという国は、なかなかないのでございます。私は、この点につきまして、われわれも十分聞きますが、あなた方ももっと謙……

第40回国会 衆議院本会議 第9号(1962/02/06、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 中央と地方の行政のあり方、財源の配分につきましては、われわれは以前より非常な関心を持って参っておるのであります。地方財政は最近非常によくなりました。しかし、まだ十分ではございません。今回の税制改正によりまして、地方財源の拡充強化が来たされるものとわれわれ期待いたしております。今後中央、地方のあり方につきまして、すなわち行政のあり方、機構等につきましては、お話のように行政審議会その他各種の機関を通じまして、地方自治の本旨を達成するよう努力して参りたいと思います。(拍手)
【次の発言】 お答え申し上げます。  御質問の第一点は、国民所得に対しまする税負担割合の問題でござい……

第40回国会 衆議院本会議 第15号(1962/02/23、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  自由にして民主的な労働運動の発展を期するという見地から、関係国内法規の整備とともにできるだけ早く国会に提出し、御審議を願いたいと考えておるのであります。  なお、二月十九日の党との打ち合わせにおきましても、こういう趣旨によりまして十分意見の一致を見たのでございます。  なお、加藤政務次官を派遣いたしましたのは、政府の、先ほど申し上げました基本方針をILO関係当局者に説明するためであるのであります。  また、ILO諸条約に対しまするわれわれの態度、私は、日本の国内諸制度の整備とともに、できるだけ早く諸般のILO関係諸条約を批准するように努力してい……

第40回国会 衆議院本会議 第17号(1962/03/01、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 審議会の答申を尊重するかいなかの問題でございます。私は、今回の選挙法の改正につきましては、答申の趣旨を尊重いたしまして、必要な措置を講ずる、すなわち立法措置を要するものは、わが国現行法体系に妥当するよう立法技術上の諸種の点を検討いたしまして、皆さん方に御審議を願うことにいたしておるのであります。結論から申しますると、私は、審議会の答申の趣旨を尊重いたしまして、御審議願うことにいたしております。  また、高級官吏の問題につきましての御質問でございますが、法律で定める職にある者、国、公団、あるいは公社の法律で定める職にある者、こういう答申でございまするが、選挙におきまして……

第40回国会 衆議院本会議 第22号(1962/03/09、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) ただいまの御決議は、わが国固有の領土の返還を実現し、すみやかに日ソ間の平和条約を締結することによって、両国間の関係をより正常な、また明るいものにしたいという国民各位の強い要望の表現であり、これが実現のためには、政府の一そうの努力を要望された御鞭撻の言葉であると解するのであります。  本件の実現にはなお幾多の困難は予想されますが、政府といたしましては、国民各位の御期待に沿うべく、今後とも最善の努力を尽くす所存であります。(拍手)
【次の発言】 沖縄、小笠原諸島につき、わが国が潜在主権のみを持っておるという状態は、はなはだ遺憾とするところであります。政府は、これまでもあら……

第40回国会 衆議院本会議 第23号(1962/03/13、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  政府といたしましては、各種エネルギー対策の立案に際しましては、所得倍増計画等を基礎といたしまして、長期的観点に立って各種エネルギー間の関連を吟味しながら、総合的にこれを行なっておるのであります。石油の今後の自由化問題等、情勢の変化に即応いたしまして、今後とも総合的に考えていきたいと思っております。(拍手)

第40回国会 衆議院本会議 第24号(1962/03/15、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) ただいまの御決議に対しまして、政府の所信を申し述べたいと存じます。  核爆発による人類の悲劇を二度と繰り返さぬよう全世界に訴えますことは、唯一の原爆被災国でありますわが国の崇高なる責務と考えるのであります。(拍手)政府は、ただいまの御決議の趣旨を体しまして、さらに一そう積極的な努力をいたす所存でございます。(拍手)

第40回国会 衆議院本会議 第32号(1962/04/05、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  岡田君の御質問はおおむね御意見の発表のようでございましたが、御質問の点につきまして、第一は、対日援助の総額は、われわれの計算した十七億数千万ドルをもとにいたしております。  第二の御質問の朝鮮への物資の供給代金は、今回の支払いのときに差っ引いております。  なお、岡田君は、わが国の歩んできた過去の治績並びに現在わが国の置かれている世界の情勢につきまして、われわれと全く意見を異にされているのであります。私は、外務委員会のみならず、予算委員会におきましても、対日援助並びにタイ特別円につきましては極力御説明申し上げましたが、いかにせん、おわかりになら……

第40回国会 衆議院本会議 第37号(1962/04/17、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 中小企業に関する基本政策を確立して、これを強力に推進して参りますことは、われわれ年来の主張でございます。従いまして、私は、基本法並びに関連法規を整備すべく、目下鋭意努力中でございます。今国会に間に合わなかったことはまことに遺憾でございまするが、わが自由民主党の提案しておりまする中小企業基本法案が通過いたしまするならば、これを基本として関連法案を整備し、そうしてりっぱな中小企業基本法体系を打ち立てる考えでおるのであります。(拍手)
【次の発言】 お答えいたします。  中小企業に関する基本政策を確立し、これを強力に推進して参りますことは、先ほども申し上げましたごとく、われ……

第40回国会 衆議院本会議 第39号(1962/04/20、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  御質問の第一点は、現在のわが国の経済を何と見るかということでございます。この点につきましては、本会議その他で申し上げておりますごとく、私が予想いたしました高度成長以上に行っている状況でございます。従って、私の予想以上の経済成長の行き過ぎを押えることが今必要でありまして、経済全体としては、非常に日本の経済が危機であるということは当てはまらないと思います。(拍手)日本の経済がどうなっているかというととは、われわれが見ると同時に、世界の人もこれを見ておるのであります。世界的に考えまして、私は危機であるとは考えませんが、この高度成長の行き過ぎを是正しな……

第40回国会 衆議院本会議 第44号(1962/05/06、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 今回の三河島駅におきまする事故に対しまして、私は政府を代表いたしまして、まことに申しわけなく、つつしんで遺憾の意を表したいと存じます。(拍手)ことに多数の犠牲者に対しましては、ほんとうに哀悼にたえません。と同時に、負傷なされた方々に対しまして御同情を申し上げると同時に、一日も早く御全快なさらんことを心からお祈り申し上げます。  私は、今回の事件によりまして、ほんとうに人命を預かる職員は、特にその訓練、教養におきまして、もっともっと整備しなければならぬと考えたのであります。(拍手)今回の事故の原因は、私は、設備の安全が不足であるとかなんとかいう問題でなしに、その衝に当た……

第41回国会 衆議院本会議 第3号(1962/08/10、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) このたびの参議院議員選挙によって、新たに選出された議員諸君を迎え、ここに臨時国会が召集された機会に、所信の一端を表明いたしたいと存じます。(拍手)  まず、今回の選挙において、非常に良好な投票率を見ましたが、国民諸君が、このように政治に対する積極的な関心を示されたことは、議会政治の将来のために、まことに意義深いことと存じます。(拍手)また、この選挙において国民の大多数がわが党とわが内閣に圧倒的な支持を与えられたことは、国民が、現実に即した適正な諸政策に共鳴し、自由と進歩を目ざす着実な政治に信頼されたことを示すものであり、心強く感ずる次第でございます。(拍手)私は、この……

第41回国会 衆議院本会議 第4号(1962/08/11、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  御質問の第一点は、政治に対する姿勢の問題でございます。私は、民主主義議会制度のもとにおきましては、少数者の意見も十分聞き、衆議を尽くして、その上で多数決で決定すべきものと考えます。私は、国政運用の任に当たっておるものでございまするから、少数者の意見を聞き、衆議を尽くしますが、結論を出さなければならぬ責任を私は持っておるのであります。それは民主主義のいいところでございます。これを進めていきたいと考えております。(拍手)  また、貿易の自由化の問題でるる御質問がございましたが、貿易の自由化は世界の大勢でございます。しこうして、日本の経済をこの上とも……

第41回国会 衆議院本会議 第5号(1962/08/14、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  終戦直後に行なわれましたアメリカの経済援助は、わが国の当時の社会不安を除去し、国民生活を安定し、わが国経済の復興に資するために行なわれたものでございます。しこうして、この援助は、昭和二十一年の七月十九日に、最高司令官の指令にありますがごとく、このものはくれたのではないのだ、いずれ支払いの条件その他の経理は追ってきめると、はっきり指令が出ておるのであります。(拍手)その指令によって、戦後の内閣はこれを受け取り、そうしてわれわれはこれを債務と心得るというので、確定債務ではございませんが、今まできておるのであります。このことは、過去数年間、ことにさきの……

第41回国会 衆議院本会議 第8号(1962/08/28、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 河上さんの御質問に対しましてお答え申し上げます。  だいぶ多岐にわたっておりますので、もし答弁漏れがございましたならば、再度の御質問をお願いいたしたいと思います。  さて、日韓会談につきましての第一の問題は、南北朝鮮が統一ができない前に日韓会談をやることはよくない、これをやめろというお話でございます。私はこうお答え申し上げます。日韓会談の問題は、わが国と韓国との不自然な、不安定な状態を直そうとする考え方であります。皆さん、ちょうどたとえていえば、一衣帯水の日韓の間のこわれている橋をもとのようにつけよう、正常化していこうということが考えの根本であります。(拍手)しからば……

第41回国会 衆議院本会議 第10号(1962/08/31、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) ただいまの御質問に対しましてお答え申し上げます。  まず第一、貿易の自由化についてでございます。皆さん御承知の通り、われわれは、経済は自由経済であるべきという建前をとっております。従いまして、敗戦後三、四年の後、昭和二十四年より国内的には米を除いて完全な自由経済に立ち返りました。しかし、片一方国際的には自由化はできていないのであります。今後、世界の進運に沿って、日本が国内経済のみならず、外国におきましてお互いに協力し合うという態勢におきましては、どうしても貿易の自由化をはかっていかなければ、日本として立つ瀬がなくなることは、国際情勢の大勢であります。(拍手)従いまして……

第42回国会 衆議院本会議 第2号(1962/12/10、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 私は、去る十一月四日から約二十日間にわたり、欧州諸国を歴訪し、各国の首脳と世界情勢並びにわが国とこれらの諸国が関心をひとしくする諸問題について、親しく意見の交換を遂げて参りました。  このたびの訪問を通じて、私は、北米、西欧並びにわが国が、自由陣営の三本の柱として強固な協力体制をつくるべきであると述べ、また、わが国と西欧との間に、日米間と同様に緊密な関係を結ぶべきであることを強調いたしました。各国首脳は、予想以上の好意を示し、貿易問題、経済協力開発機構すなわちOECDへの加入問題についても前向きの態度を示したのであります。かくして、自由陣営各国間の緊密化は、一段と前進……

第42回国会 衆議院本会議 第3号(1962/12/12、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  公務員は、憲法第十五条によって、全体の奉仕者として特別の勤務形態に立つことになっております。従いまして、政府としては人事院を設け、公務員の給与その他の勤務条件につきまして、十分保護する体制をとっておるのであります。しこうして、今回は人事院の勧告の内容を尊重いたしまして、諸般の緊急施策を考え、措置いたしたのでございます。  次に、人づくりの問題につきまして、お話の通り、これは国民全体に与えられた仕事でございます。特に公務員につきましては、私は、そのりっぱな公務員たることを要求し、かつまた、それを念願いたしまして、今回の公務員の給与の引き上げもいた……

第43回国会 衆議院本会議 第2号(1963/01/23、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 第四十三回通常国会の再開に際し、明年度予算とその他の重要案件の御審議を求むるにあたり、内外の諸問題についての政府の所信を明らかにし、国民諸君の理解と協力を得たいと存じます。(拍手)  終戦以来、わが国民は、貧困と窮乏から抜け出して生活の安定と向上をはかることに必死の努力を傾注して参りました。そして、今や、われわれは、かつては国家の発展を制約する宿命的な原因と考えられていた国土の狭小、資源の貧弱、人口の過剰等の困難な諸条件を克服しつつあるのであります。国民総生産の規模は、すでに十八兆円をこえ、西欧先進国の水準に迫っております。最近、欧米諸国がわが国を有力な市場として注目……

第43回国会 衆議院本会議 第3号(1963/01/25、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  御質問が非常に多岐にわたっておりますので、あるいは答弁漏れがあるかもわかりませんし、また、専門的なことにつきましては、関係各大臣よりお答えさすことにいたします。  御質問の第一点の、私の施政演説に対して、指導性がないというお話でございます。御批判におまかせいたします。私があると言ったってこれは水掛け論です。しかし、私は内閣組織以来、国民の世論の指導につきましては、十分やっておるつもりでございます。  また、先ほど問題になっておりまする所得倍増、あるいは国づくり、人づくりの問題は、国内ばかりでなしに、世界的にも私は共鳴を受けておると確信いたしてお……

第43回国会 衆議院本会議 第4号(1963/01/26、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  御質問の第一点は、昭和三十八年度の経済成長見通しの点であります。企画庁におきまして、当初いろいろ調査いたしましたが、来年度実質六・一%が内閣の決定した見通しでございます。その間におきまして、予算の規模あるいは経済の動向等で、最後の決定までにいろいろ数字が変わってくることは従来もあり、これは当然のことだと思います。六・一%の上昇と考えております。  なお、個人消費が一〇%の増は多いのではないか。これは私は三十六年度、三十七年度の状況を見まして、前年に比べまして十数%の上昇を見ておりますので、一〇%の上昇が適当だと考えております。なお、日本の個人消……

第43回国会 衆議院本会議 第5号(1963/02/05、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 今回の雪害はまれに見る大規模なものでございまして、被害を受けられました県民各位の御困苦に対し衷心より御同情申し上げる次第でございます。  政府といたしましては、この豪雪の事態をきわめて重大視し、直ちに現地に災害調査団を派遣いたしました。また、その状況を調査するとともに、災害対策基本法を初めて発動いたしました。北陸地方豪雪非常災害対策本部を設置し、対策に万全を期しておる次第であります。  当面の問題としては、積雪のため交通輸送が途絶いたしまして、陸の孤島と化した地区の住民の方々に、特にこの際生活必需物資の手配、医薬品等の輸送、郵便物等の輸送に十分なる措置をとることでござ……

第43回国会 衆議院本会議 第7号(1963/02/08、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  憲法第二十五条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を營む権利を有する。」この「最低限度」というのをどう考えるか、どのぐらいか、こういう御質問でございますが、これはよくある御質問でございますが、なかなかこれはだれも答えられないでしょう。それは経済の進捗、国力の発点に伴って向上すべきものであるのであります。従いまして、最低限度の生活といわれておりまする生活基準につきましても、私は、内閣を組織して以来、三十五年に比べまして三十八年は六割増加しておるのであります。これは固定的のものではございません。(拍手)だから、経済の伸展と同時にだんだんふや……

第43回国会 衆議院本会議 第8号(1963/02/19、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  中小企業の地位に対しまする中村さんのお考えは、われわれと全く同様でございます。すなわち、中小企業は自由民主主義社会の中堅階層であり、産業民主主義の源泉である、これは非常にりっぱな言葉だと思って、私は、あえて中村さんの言葉をここに再度申し上げまして、お考えが一致していることに敬意を払いたいと思います。すなわち、中小企業は、わが国におきましては各国よりも特に産業の中核でございまして、この中小企業の発展こそ国家の隆盛の最大の要因である。従いまして、われわれとしては極力中小企業の振興に努力を続けていきたいと考えております。  なお、中小企業省の設置につ……

第43回国会 衆議院本会議 第9号(1963/02/22、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  まず、政府の交通政策についてでございまするが、わが国土を開発し、産業、経済の一そうの発展を招来いたしまして、国民生活の安定と向上をはかるためには、何と申しましても陸海空にわたる交通網の整備が必要であるのであります、われわれは、最近の道路交通の事情にかんがみまして、御承知のように、五カ年計画を立てて整備をしようとしております。また、お話しの通り、海運業におきましても、過去の負債を整理して、前向きに今後十分海運の発達し得るよう素地をつくっておるのであります。また航空にいたしましても、飛行場の整備、その他空輸に関しましていろいろ努力いたしております。し……

第43回国会 衆議院本会議 第10号(1963/02/26、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  日韓間の諸懸案を解決し、国交を正常化することは、日韓両国民多数の願望であるのであります。(拍手)しかも韓国側が、正常化のために熱意ある、かつ、合理的な態度を持って臨む限り、われわれにおいて韓国の政情に関心を持ちながら、信義と誠実を尽くして交渉継続をすることは、外交の衝に当たる者の責任であるといわなければなりません。(拍手)  なお、日韓交渉は、主権国である日韓両国のものでございます。他国がこれに容喙した事実もないし、容喙すべきでもございません。日韓両国においてこれを解決する問題でございます。それをとやこう言うことは、まだ日本が占領せられておるぐ……

第43回国会 衆議院本会議 第17号(1963/03/26、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  日韓両国の国交正常化は、日韓両国民大多数の熱望するところでございます。従いまして、政府は、この民意に沿うべく、できるだけ早い機会に正常化の実現に向かって邁進いたしておるのであります。およそ外交交渉は、そのときどきの合法政府を相手として話し合いを行なうべきでございまして、その合法政権が軍事政権なりやいなや、あるいは面接国民より選出された政府なりやいなやということは問うべきところではございません。私はこの意味におきまして交渉を進めておるのであります。また、従来日本政府は、今年の夏に軍政が民政に移管することを条件として交渉しているのではありません。こ……

第43回国会 衆議院本会議 第20号(1963/04/26、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  米国原子力潜水艦の寄港は、お話にもありましたごとく、乗組員の休養と補給のためでございます。しこうして、この潜水艦は、わが国を防衛し、極東の安全と平和を維持するための米国艦隊の一部であるのであります。従いまして、私は、安保条約の規定に基づきまして、これに対し便宜を与えることは、条約の建前上当然のことと考えております。(拍手)また、これに与えないということは、私は条約の義務違反であるそしりを免れないと考えております。  しからば、今までなぜ寄港しなかったかということは、やはりわが国民は核兵器の被害を受けた特別な立場でありますので、アメリカはこの国民感……

第43回国会 衆議院本会議 第21号(1963/05/09、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  警察法上、内閣総理大臣の所轄のもとに国家公安委員会を置いておりますので、警察行政の主任大臣といたしましては、内閣総理大臣が主任大臣でございます。しかし、御承知のとおり、警察行政の政治的中立性を確保するために、国家公安委員会に独立した強い権限を与えておるのであります。したがいまして、政治的中立性のために、警察行政につきまして内閣総理大臣は指揮監督権がございません。したがいまして、具体的事案に対しまする法律上の責任は内閣総理大臣にはないのでございます。あるいは憲法第六十五条あるいは第七十二条の規定によって、先般猪俣氏は、引用して内閣総理大臣に法律上の……

第43回国会 衆議院本会議 第23号(1963/05/16、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 浦野君の御質問に対しまして、お答えを申し上げます。  まず第一の御質問は、本法案の予定しておる業種はどういうものかという御質問でございます。御承知のとおり、戦後貿易・為替の管理下におきまして、いろいろの産業が発達してまいったのでございまするが、最近の世界の情勢から申しまして、いわゆる貿易の自由化、また関税の一律引き下げという、この新情勢に対しまして、わが国の産業をいかに確保していくかという問題が起こっておるのであります。したがいまして、業種の指定につきましては、自由化の影響を特に受けて、しかも、わが国経済発展の中核的産業である重化学工業を育成し、そうして国際競争力を強……

第43回国会 衆議院本会議 第24号(1963/05/17、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  自由主義経済のもとに立つわれわれとしては、独占の弊害を排除し、企業の自主責任のもとに、公正かつ自由な競争をたてまえといたしておりまする独占禁止法は、あくまで守っていく覚悟でございます。ただ、新しい情勢に即応いたしまして、わが国の経済の発展をはかるために、今回の特定産業振興臨時措置法を発案したのでございます。そのもとに流れておる精神は、やはり独占禁止法を守りつつ、新時代に即応するたてまえをとっておるのであります。  次に、御質問の第二点の、特定産業振興臨時措置法の、以前行なわれておりました重要産業統制法との相違につきましてお答え申し上げます。  御……

第43回国会 衆議院本会議 第27号(1963/05/28、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  私の政治に対しまする姿勢は、国民の意思を尊重する正しい民主政治の確立にあるのであります。したがいまして、この意味におきまして、政治道義の高揚、選挙の公正、そうして反民主的行動を排除し、真に民主的な議会の運営、刷新をはかることを目的といたしております。(拍手)  しこうして、その間におきまして、いろいろな不祥な事件が起こることは、まことに遺憾なことでございます。われわれは、常に民主政治の根本である選挙の公明を期するために、今回の統一地方選挙につきましても、できるだけの努力をいたしました。しかるところ、松崎それがしなる者が、にせ証紙の疑いを受けまして……

第43回国会 衆議院本会議 第28号(1963/05/31、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  御質問の前にもございましたように、現行河川法は明治二十九年の制定でございまして、その後における社会経済の進展、また法律制度の非常な変革によりまして、従来から根本的改正を叫ばれておったのでございます。私は、最近の事情から申しまして、河川を総合的に管理する必要を感じまして提案いたしたのでございます。  お話は、これは利水が主であって、治水は従になりはしないか、こういう御疑問でございますが、法律の第一条に書いておりますごとく、河川について洪水、高潮による災害発生が防止され、そしてまた後段に、国土の保全と開発に寄与し、公共の安全を保持し、公共の福祉を増……

第43回国会 衆議院本会議 第29号(1963/06/04、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  角屋さんのお話のとおり、漁業問題は最近国際間の重要な問題としてクローズ・アップしたのであります。ことにわが国は、世界各地の漁場で世界一の漁獲をあげておりまする関係上、この問題はわれわれにとって最も重要な問題でございます。したがいまして、御質問の国際漁業に関する基本方針につきましては、私はここではっきり申し上げまするが、海洋自由の原則を前提といたしまして、公海における資源の確保が必要であります場合におきましては、関係国といわゆる科学的基礎に基づき平等の立場を守りつつ協議していきたい、こういうのが基本方針でございます。(拍手)  したがいまして、い……

第43回国会 衆議院本会議 第31号(1963/06/07、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 仮谷君の御質問に対してお答えいたします。  四月以降関東以西におけるいまだかってほとんど例を見ない長雨、しかもまた、高目の気温のために麦類、蔬菜あるいはなたね等各種の農作に対しまして非常な被害があったことはお話しのとおりでございます。政府におきましては、目下その被害の全貌を調査し、判明次第適当な救援措置を講ずるつもりでございます。  私は、昨年も関西地方、すなわち四国、中国、九州を回りましたが、昨年も雨による麦類の被害があったのであります。しかし、今年のそれは昨年に数倍するものでございます。私はこういうことを考えますと、被害農民並びに関係各位に心から同情を申し上げると……

第43回国会 衆議院本会議 第37号(1963/06/22、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  今回の職業安定法案並びに緊急失業対策法の改正は、御承知の経済の伸展に伴いまして、いわゆる失業者の職業紹介の窓口を広げるための改正でございます。これによりまして職業訓練、職業指導が積極的に、前向きに行なわれることは必定であります。なお、御質問のうちに、潜在失業者一千万人ということばがございましたが、これは経済に対する認識がわれわれと違っております。(拍手)われわれはそういう認識に立っておりません。経済の成長によりまして、労働条件は年とともによくなっております。  また、御質問の第二の、社会保障制度の拡充も池田内閣の重要施策でございまして、年々生活基……

第43回国会 衆議院本会議 第40号(1963/06/26、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) わが国の中小企業の置かれております経済的、社会的制約による不利益を本法によりまして是正いたしまして、中小企業の体質の改善、あるいは環境を整備し、企業間の格差を是正しようとしておるのが今回の法案提出の目的でございます。  なお労働条件につきまして、定年制の問題とか年功序列制、いろいろな問題がございますが、この点につきましては、政府はただいませっかく検討を加えておるのであります。  なお中小企業省を設けろという御意見でございますが、私は従来もこの席よりたびたび申しております。すなわち、産業政策というものは一貫して行なわれなければなりません。したがいまして、行政の統一の上か……

第43回国会 衆議院本会議 第41号(1963/06/27、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 先ほどの御質問に対してお答えいたします。  御質問の第一点は、零細企業に対する金融についての御質問でございまするが、政府といたしましては、国民金融公庫、あるいは中小企業金融公庫、あるいは信用金庫、相互銀行等に対しまして、零細企業に対する金融につきまして、万全の措置を講ずるよう指示し、努力をいたしております。  第二の御質問の、中小企業団体が非常に多く併存しておる、一元化する要はないかというお考えでございまするが、中小企業は各種各様にわたっております。これを一元化することは必ずしも実態に沿いませんので、御賛成するわけにはまいりません。  また、中小企業団体に対しまする財……

第43回国会 衆議院本会議 第42号(1963/06/28、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  地方自治の発展は民主主義政治発展の根本をなすものでございます。われわれはこの考えのもとに行政をいたしております。  また、私が中央につながる政治と申し上げておるのは、国政の遂行にあたって地方自治行政とのよりよき調整をはかるととが必要であるということを強調したことばにすぎないのでございます。地方自治の精神にもとることは絶対にないと確信いたしております。(拍手)
【次の発言】 お答えいたします。  地方自治に対しまする事実認識がわれわれとだいぶん異なっておると思います。われわれは、自由にして民主的な自治行政の発展を心がけております。中央集権的考え方……

第43回国会 衆議院本会議 第43号(1963/06/29、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 農地の被買収者に対しましては、何らかの措置を講ずべきであるという要望が熾烈であるのであります。私はこの考え方に基づきまして、被買収者の、現在生業資金で困っておられる方に国民金融公庫から融資することは、適当な政治的措置と考えて法案を礎出した次第でございます。(拍手)

第43回国会 衆議院本会議 第44号(1963/06/30、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  わが国の現状から申しまして、道路、河川、住宅等、社会資本の弱体は、経済的にも社会的にも、非常に憂慮すべき状態でございます。政府といたしましては、この現状を一日も早く打開いたしたいと念願し、公共投資は政府の最重点施策としてまいっておるのであります。このために、臨時行政調査会の答申を待つことは適当でない、早く処理すべきと考えまして、法案を提出いたした次第でございます。  なお、今回の建設省設置法の一部を改正する法律案は、建設省内部の事務の配分でございまして、いわゆる建設事務の増大に伴いまして、内部における合理的、円滑化のために必要と考えまして、御審……

第43回国会 衆議院本会議 第45号(1963/07/01、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 郵便貯金利子の決定を政令に委任しようとする理由につきましては、さきに本席におきまして申し上げたとおりでございます。それは、金利政策を弾力的に運用するということでございます。およそ金利政策は、一般金融情勢の動向に相応するよう、適時適切に弾力的に行なう制度が、金融の正常化の前提であるのであります。私は、今後金融正常化をはかる上におきまして、この際政令に委任することが適当であると考えたのでございます。  なお、貸し付け制度につきましてはいろいろ問題がございますので、各方面で研究を願っております。  また、市中金利との関係について御心配のようでございますが、私の見るところでは……

第43回国会 衆議院本会議 第48号(1963/07/04、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答え申し上げます。  御質問の第一点は、今回大学に認証官制度を置いたので、大学の学長の職責が二本立てになるのではないかという御質問でございますが、決してそうではございません。今回置きました大学におきましては、その構成、規模等が非常に膨大でございまして、質に変化はございませんけれども、規模が違いますからこういうふうにいたしたのでございます。  しこうして、第二の御質問の今回の措置は、他の大学の学長あるいは教授、あるいは教職員にも及ぶかという御質問でございますが、御承知のとおり、私は人つくりということを政策の根本としております。しこうして、人つくりの直接のにない手である……

第44回国会 衆議院本会議 第3号(1963/10/18、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 私は、過ぐる九月二十三日から約二週間。フィリピン、インドネシア、オーストラリア、ニュージーランドの諸国を訪問して、今月六日に帰国いたしました。  今回の旅行を通じ、私は、これらの諸国でいずれも、深い信頼と強い期待を寄せられました。(拍手)かつて私が、占領下において、初めてアメリカに使いした当時を思い起こすとき、まさに隔世の感があり、まことに感慨を禁じ得ないものがあります。(拍手)  ある国の首脳者は、「日本は、ぜひ自由陣営の三本の柱の一つになってもらわなければ困る」と語り、また、ある国の首脳者は、「日本は、みずからの力の大きさをあまりにも知らな過ぎると思う」と私に直言……

第44回国会 衆議院本会議 第4号(1963/10/21、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  御質問の第一点は、国会の解散問題でございます。社会党は、解散に追い込むと以前から言っておられました。世論も大体そういうふうになってきつつあります。しかし、いつ解散するかということは、私の助言によって、憲法七条でやるのでございます。したがって、どういう場合にやるかといったら、やはり国会において論議を尽くしつつ、審議の状況によって私が決断いたします。(拍手)  (「予算はどうした」と呼ぶ者あり)私は予算の審議を願っただけで、今国会にどうしても通さなければ解散しませんとは言っておりません。審議の状況を見まして、適当なときに解散いたします。どうぞ、あなた……

第44回国会 衆議院本会議 第5号(1963/10/23、29期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  だいぶ長い時間の御弁論でございましたが、私に対する質疑はあまりないようでございます。質疑とせられた問題につきまして、まずお答えいたします。  所得倍増ということは、政治家のかけ声なんかでできるものではないのであります。所得倍増は政治家のかけ声でできるものではございません。(拍手)勝間田君も長い議会政治を経てこられました。昭和二十四年からわが党内閣で日本の経済は立ち直りました。二十五年の自由主義経済――為替相場の決定後、日本国民の、他の国民に見ざる非常な創造力、勤勉によりまして、二十四年以来年とともに生産は増加し、所得はどんどんふえていったのでござ……


30期(1963/11/21〜)

第45回国会 衆議院本会議 第6号(1963/12/10、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) このたびの総選挙において、与党たる自由民主党は、国民大多数の根強い支持を得て、私は、三たび内閣首班の重責をになうこととなりました。(拍手)政策論議に終始した選挙と国民の厳粛な審判を通じ、私は、われわれの政策が国民各位の信任を得たことを喜ぶとともに、今後とも国民の声に耳を傾けつつ、勇気をもって国政に当たる決心であります。(拍手)  総選挙において公約した重要政策は、明年度予算の編成を中核として、すみやかに具体的方策を決定し、国会の審議をお願いするよう鋭意準備を急いでおります。今国会では、当面急を要する災害対策、公務員給与の引き上げ等に必要な補正予算と、これに関連する諸案……

第45回国会 衆議院本会議 第7号(1963/12/11、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  まず第一の来年度の予算の規模でございますが、ただいませっかく検討中でございます。ただ、予算の性質としては、あくまで健全均衡予算であることを申しておきます。具体的な数字はいずれ御審議願うことになりましょう。  次に、物価問題でございますが、わが国の卸売り物価が外国のそれに比べまして非常に安定的傾向を持っておるということは、わが国には欧米のごとく独占的価格がわりに少ない、自由競争の原則によっている結果でございます。したがいまして、私は、わが国におきましてもできるだけ独占禁止法を活用していきます。ただ、いわゆる生産性が非常に向上しておるにかかわらず、そ……

第46回国会 衆議院本会議 第3号(1964/01/21、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 国民の一人一人が働く意思とすぐれた創造力を自由に遺憾なく発揮し、豊かで平和な生活を営み得る社会をつくることは、政治の究極の目標であります。(拍手)  このためには、疾病、失業、老齢を原因とする貧困と不幸に対し、社会保障が確立され、この基礎の上に、民族的創造力が躍動し、不断に進歩と成長が約束される国の実現が必要であります。  ここでは、個人の尊厳と自由が守られつつも、社会連帯の意識、公共奉仕の精神が横溢していなければなりません。個人個人の心に関する問題、すなわち、道徳や宗教がその支柱であります。また、議会民主政治は、国民大衆の希望の達成と苦悩の除去に敏速果敢であり、こと……

第46回国会 衆議院本会議 第4号(1964/01/23、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 御質問の相当の部分は、さきの所信表明で申し上げたところでおわかりいただく点も多々あると思いますが、ここにふえんしながらお答え申し上げたいと思います。  御質問の第一点は、原子力潜水艦入港の問題でございます。たびたびお答えしておりまするがごとく、安保条約の地位協定第五条によりまして、日本防衛のためにアメリカの海軍の一部隊が港に出入することは、安保条約上当然のことであるのであります。ただ問題は、原子力を推進力とする潜水艦が核弾頭を備えておるときには、これは日米間の話し合いによって入港を拒否できるのであります。われわれは、それを拒否することをたびたび申し上げておるのでありま……

第46回国会 衆議院本会議 第5号(1964/01/24、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 御質問の第一点の、租税二重構造、あるいは金融二重構造につきましてお答え申し上げます。  およそ、租税の原則には、公平平等の原則あるいは社会政策的原則、あるいはまた、経済原則、徴収簡易の原則等、財政法上いろいろ原則がございます。したがいまして、公平の原則はもちろん守らなければなりませんが、その上に立って、日本のごとく経済の高度成長の場合におきましては、産業基盤強化のために、経済的原則にのっとって、いわゆる租税掛買法を設けることは、当然のことでございます。しかし、また、これはいつまでもこれに非常な重点を置くべきでないことはもちろんでございまして、われわれは、産業基盤の強化……

第46回国会 衆議院本会議 第6号(1964/02/11、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  経済協力開発機構の性格につきましては、一月二十四日平岡議員の御質問に対して答えたとおりでございます。すなわち、従来より共通な経済基盤に立つヨーロッパ各国が、お互いの経済の成長と貿易の拡大と、そして低開発国への開発援助という三つの大きい問題で随時協議をする機構をつくり、後にアメリカ合衆国並びにカナダが参加した。そして今回、アジアから唯一の加盟国として日本が参加することになったのであります。あくまで経済協力あるいは経済開発等を主眼とするものでございまして、対共産圏の対策でやっておるのじゃございません。だから、いわゆるNATOとは違いまして、スウェーデ……

第46回国会 衆議院本会議 第7号(1964/02/12、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 租税負担の軽減をはかりますことは、民主政治の最重点施策でなければなりません。したがいまして、われわれは、過去十数年間、ほとんど毎年のごとく減税を実施してきておるのであります。ことに、最近の日本の経済力の上昇にかんがみまして、三十九年度は、平年度二千百八十億円という、いまだかつてない画期的な減税をすることにいたしたのであります。しかも、その減税の内容は、所得税、住民税を中心として行なっております。ただ、国際競争力強化のため、また、末長き日本経済発展のために、企業減税もある程度加味していることは御承知のとおりでございます。私は、いまの状況におきまして、国民一般の基準生計費……

第46回国会 衆議院本会議 第8号(1964/02/18、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 産業、経済、文化の発展に伴いまして、道路の整備の必要は、年とともにその重大さを増してくるのであります。当初、政府といたしましては、一兆円予算の計画を組みました。そして、その後倍加いたしまして、お話のとおり、二兆一千億円の道路整備計画を立てたのでございますが、これでも間に合いませんので、今回、四兆一千億の五カ年計画を立てたのであります。しこうして、お話のように、建設省といたしましては、五兆円程度の計画を立てておられたようでありますが、何ぶんにも、相当の財源を要します。また、いろいろな問題を含んでおりますから、十分検討した結果、今回、四兆一千億円の計画といたしたのでありま……

第46回国会 衆議院本会議 第9号(1964/02/21、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  開放経済体制に向かっておりますこの際、わが国の一部の特定産業につきまして、政府、産業界あるいは金融界が、おのおのその立場から国際競争力の弱いと認められる重要産業につきまして、国際競争力強化のため、必要最小限度の合理化のための共同行為を行なおうとするものでございます。しこうして、今回の法案につきましては、独禁法の精神を十分組み入れまして、それに穴をあけるようなことは全然なく、独禁法の精神を生かしつつ、いまの必要最小限度のものを行なおうとするものでございます。御心配の価格やあるいは需給の調整等をやろうとしておるものではないのでございます。私は国際競争……

第46回国会 衆議院本会議 第10号(1964/02/25、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  南北朝鮮の統一を望むことは、山本君よりも私のほうが強いとはっきり言い得ます。(拍手)しかし、現実の問題といたしましては、一九四八年の十二月十二日の国連決議を御存じでございますか。国連決議は、いまの大韓民国は、朝鮮の相当部分において朝鮮人を支配し管轄しておる合法的政権であると国連は認めておるじゃございませんか。しこうしてまた、国連加盟国はこの事実、この国連の決議を考慮に入れてやるべきだと言っておるのであります。それに従いまして、われわれはサンフランシスコ講和条約におきまして、いまの大韓民国の独立国を認め、そうして国連の決議にも沿って事を進めておるの……

第46回国会 衆議院本会議 第11号(1964/02/27、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  私に対しまする第一の質問は、産炭地に対しまする交付税あるいは特別交付税の問題でございます。私は、産炭地市町村の現状にかんがみまして、普通交付税並びに特別交付税につきましても十分配意いたしまして、実情に沿うよう努力いたしておるのであります。  第二の、地方行政事務につきましての問題でございます。いわゆる国と地方との行政事務につきましては、最近における経済的、社会的諸事情の変化に伴いまして、地方制度調査会あるいは補助金等合理化審議会に諮問いたしまして、今後の基本的方針の答申を受けておるのであります。具体的問題につきましては、なおこの上とも、地方制度調……

第46回国会 衆議院本会議 第14号(1964/03/13、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えにいたします。  暴力行為等処罰に関する法律等の一部を改正する法律案につきましては、ただいま提案の理由を説明したとおりでございまして、最近の世相にかんがみまして、銃砲刀剣類を使用する傷害罪あるいは常習的暴力的行為及び傷害罪に対しまして重科しようとするものでございます。あくまで暴力犯罪に適用するものでございまして、労働運動やその他の大衆運動を弾圧するものでは決してないのでございます。(拍手)この意味において、暴力行為を阻止する姿勢がこの法案の提案理由でございます。(拍手)
【次の発言】 先ほど答えたように、労働運動やその他一般の大衆運動を弾圧するものではございませ……

第46回国会 衆議院本会議 第15号(1964/03/19、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  韓国は、一九四八年の国連の決議によりまして、朝鮮における唯一の合法的政権であると認められておるのであります。しこうして、また、北朝鮮に対しまして支配権が及んでいないことも万人の認める事実であります。したがいまして、われわれはこの二つの事実を念頭に置きまして、日韓会談が妥結いたしました暁には、正常化をいかなる形式で表現するかにつきまして、大筋の合意を得たいと考えておるのであります。私は、こういう事実を頭に置いて交渉しておりますので、妥結の暁には共同宣言でいくか、あるいは交換公文でいくか、条約でいくかということは、はっきりいたしたいと考えております。……

第46回国会 衆議院本会議 第16号(1964/03/24、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 先般、日本銀行の公定歩合二厘引き上げに伴いましての御質問でございますが、この引き上げの是非は御質問にならないようでございました。しかし、この問題は、いまわが国の生産の急激な上昇、輸入の増加等から考えまして、昨年の十二月に預金準備率の引き上げ、一月に日銀の窓口規制をしておったのでございますが、生産の増強、輸入の増加は必ずしもやみません。したがいまして、八条国移行に伴いまして、私は、今回の措置は非常に上できであったと考えておるのであります。また、担保率の引き上げについてガット云々とか言っておられますが、この担保率の引き上げ、公定歩合の二厘引き上げにつきまして、ロンドン市場……

第46回国会 衆議院本会議 第17号(1964/03/26、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 今回のアメリカ大使ライシャワー氏に対しまする刺傷事件は、まことに遺憾千万であります。私は、アメリカ政府、国民のみならず、世界各国に対し、わが国民に対すると同様、心から遺憾の意を表したいと存ずるのであります。  私は、私の責任といたしましては、お話にもありますごとく、かかる事件が今後再び起こらないようあらゆる面で努力して、そういう起こらないような社会情勢をつくり上げることが絶対必要であり、私の責務と考えておるのであります。(拍手)  なお、今回の事件によりまして、すでに御承知のごとく、私よりジョンソン大統領に、まことに申しわけない、遺憾のことでございますと手紙を出しまし……

第46回国会 衆議院本会議 第18号(1964/03/27、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  御質問の第一点は、国鉄職員の、夫婦子供二人の月給が一万九千八百円ということでございます。月給だけで、あとの賞与の点がわかりませんが、いずれにいたしましても、国鉄だけ賃金が安いというわけにはまいりません。およそ、賃金水準というものは、公共企業体の労働者のみを考えたり、あるいは大産業の人の賃金だけで考えるべきではございません。われわれは、農業、中小企業等の国民の相当の部分の方々の生活程度を考え、全体としてきめるべきものであるということをはっきり申し上げておきます。(拍手)  なお、具体的にというお話でございまするから、具体的に申し上げます。  その次……

第46回国会 衆議院本会議 第20号(1964/03/31、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  国産生ワクチンは無害であり、安全であり、かつ健康管理上必要であることは、学者、専門家の意見の一致するところであります。したがいまして、私は、安心して生ワクチンの投与を受けられるよう、積極的に国民に呼びかける考えでおります。  また、生ワクチンを無償で供与したらどうかという御意見でございますが、ただいまも生活保護を受けておる人、あるいはまたそれ以上の方にも一定の範囲内で無償でやっておりますが、全部に無償にするかどうかは、今後検討していきたいと思っております。(拍手)

第46回国会 衆議院本会議 第21号(1964/04/03、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 経済の発展に伴いまして、最近、土地価格の問題が重要な課題となってまいりました。この土地価格の上昇の原因は、おおむね、宅地の需要に対しまする供給の不足でございます。したがいまして、われわれといたしましては、この情勢にかんがみまして、宅地の急速な造成あるいは合理的な利用と同時に、産業あるいは人口の地方分散を考えていかなければならぬと思っております。  また、国土の全体的な合理的あるいは効率的利用につきましては、国土総合開発法によりまして、あるいは首都圏整備、あるいは近畿圏整備、新産業都市、また工業整備特別地域等によりまして分散をはかり、国土の合理的、効率的な利用を計画いた……

第46回国会 衆議院本会議 第22号(1964/04/09、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  町田市の飛行機事故は、まことに遺憾なできごとでございまして、私は、この機会に、なくなられた方並びに遺族に対しまして哀悼の意を表すると同時に、重傷、軽傷をされた、いわゆる被害を受けられた方々に対しまして、衷心よりお見舞いを申し上げたいと存じます。(拍手)  今日の国際情勢におきまして、日本国民が平穏な生活を続けて、国の繁栄を期する上におきまして安保条約の必要なことは当然でございます。私は、安保条約のもと、今回のような不祥事件が起こらないように、今後あらゆる努力を払って防止していきたいと考えております。(拍手)  なお、被害者に対しまする救済につきま……

第46回国会 衆議院本会議 第23号(1964/04/10、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  今回の春闘は、いよいよ本格約段階に入り、国鉄労組を中心として半日ストが行なわれる、いわゆる全面スト的の様相が半日でもあらわれるということは、まことに遺憾千万、われわれは心配いたしておるのであります。  いま森山君は、今回の争議を、闘争せんがための闘争だ、あ然たる感じを禁じ得ないと言っておられます。私は、ほんとうに今回の春闘は不可解千万であると思います。(拍手)また、大多数の国民は、決してこれを容認しないと考えておるのであります。(拍手)  その理由は、公労協のストは、法律で禁止せられておることでございます。それを憲法の規定がどうだとか言っておられ……

第46回国会 衆議院本会議 第24号(1964/04/16、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  人命の尊重は、政策を越える大事な質問でございます。したがいまして、われわれはあらゆる努力をし災害を防止しなければなりません。たとえば、例をとって鉱山保安について申し上げましても、生産に熱中して保安を忘れるならば、もとの生産がくずれてしまうということは、あらゆる鉱山災害の実例が示すとおりでございます。だから、われわれは、生産よりも保安を主体にして、その上の生産増加をはかるということは、過去の経験からいっても、当然行なわなければならぬ問題だと考えておるのであります。  次に、保安の行政についていろいろ御意見がございました。従来、鉱山保安について、通産……

第46回国会 衆議院本会議 第25号(1964/04/23、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  政府の中小企業に対しての対策はゼロであるというお話でございますが、今回の予算をごらんくださいましてもおわかりいただけるごとく、一般会計の予算では前年に比べて四割ふえている。百六十六億円、こういう四割もふえたようなことがいままでにございましたか。また財政投融資におきましても、二割六分という画期的な増加をしているのであります。また税制面におきましても、従来の中小企業の減税はおおむね百数十億円でございましたが、今年度はその四倍をこえる六百億円の減税ではございませんか。いまだかつてこういうことをやったことはない。私は、革新的中小企業対策をやるという公約は……

第46回国会 衆議院本会議 第26号(1964/04/24、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  新憲法下におきましても、国家、公共に対して功労のあった方に、これを表彰することは、憲法の期待しておるところであります。したがいまして、私は生存者叙勲が憲法違反ではないと考えます。しこうして、栄典の授与は、お話のとおり、憲法第七条によりまして天皇の国事行為とせられております。その天皇の国事行為は、内閣の助言と承認によって行なわれるのでございます。そこでいま法律によってやるべしという議論がございます。しかし、いまの栄典制度はすでに定められました勅令が生きておるのであります。これを生存者にとめておるのは、昭和二十一年の閣議決定であるのであります。したが……

第46回国会 衆議院本会議 第28号(1964/05/07、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) お答えいたします。  今回の厚生年金保険法の一部を改正する法律案は、多年の要望でございましたこの給付内容を、いままでがあまりに低額でございましたので、月一万円という大幅引き上げを考えてのことでございます。社会保障制度審議会あるいは社会保険審議会の意見も十分聞いております。したがいまして、定額部分を四千円から五千円に上げるとか、あるいは保険料率を千分の六十から五十八に下げる等、いろいろ政府としてもくふうをいたしました。との案が現在においては最良のものであると考えておるのであります。  第二の御質問の、五人未満の被用者を有する事業所について強制的にどうか、こういう問題でご……

第46回国会 衆議院本会議 第29号(1964/05/12、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 今回の東北地方を中心といたしました凍霜害により、被害を受けられた農家の方々に対し、私も同様、衷心からお見舞いを申し上げる次第でございます。(拍手)  政府におきましては、いち早く現地調査を行ないまして、本月八日天災融資法の発動を決定いたしたのでございます。したがいまして、営農資金はもちろん、転落防止のための自作農維持資金等の支給につきまして、万全をいたす考えでございます。  なお、お話のありました救農土木事業につきましても、現地の被害の状況によりまして、政府もとくと考えたいと思っております。  何ぶんにも、風水害等の災害とは異なりまして、こういう天然自然的の条件による……

第46回国会 衆議院本会議 第34号(1964/06/09、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 戦後独立いたしました国々において、民主政治を確立するまでにおいてのいろいろな動揺、困難は避け得られないところであります。いわゆる産みの悩みでございまして、この悩みを打ち越えてこそ初めてりっぱな民主主義が確立するのであります。われわれはそういう意味におきまして、隣国に対しまする理解と同情を持ちながらこれに対処していくべきだと思います。また、韓国の政情につきまして立ち入った見通しやあるいは論評をすることはわれわれは厳に慎むべきだと思います。  なお、日韓会談の妥結は、日韓国交正常化のためにぜひわれわれは望むところでございます。したがいまして、今後とも日韓会談の妥結に向かっ……

第46回国会 衆議院本会議 第38号(1964/06/19、30期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(池田勇人君) 今回の新潟、山形、秋田地方におきまする地震によりまして、災害を受けられた方々に対しまして、衷心よりお見舞いを申し上げ、御同情の意を表したいと思います。  なお、災害の状況並びにこれが応急対策につきましては、ただいま御報告申し上げたとおりでございます。私は、今後におきましても、災害の実情をつぶさに見まして、そうして迅速かつ適切な方法をとりたい、そうして対策といたしましては、あらゆる方面に万全の措置をいたす覚悟でございいます。  詳細な点は各大臣よりお答えいたさせます。(拍手)
【次の発言】 今回の災害に対しましては、先ほど申し上げましたごとく、現行法の精神を最大限に活用……


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ページ更新日:2024/11/21
データ入手日:2024/10/20

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