福田赳夫衆議院議員の在職時の本会議での質疑や答弁などの発言についてまとめています。発言回数、発言文字数、発言時の役職、立場、各発言の冒頭部分の内容の一覧が掲載されています。
委員会や各種会議での発言等については委員会統計/発言一覧のページを参照してください。
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※「発言」は発言が記録された本会議の数、「文字数」は発言として記録された文字の総数を示しています。
※「議会役職」は議長、副議長など国会の役職、「政府役職」は大臣などの内閣、政府関係の役職が記録に付されていた場合を集計し、「非役職」は議会役職、政府役職いずれでもない場合を集計しています。
※国会会期は各選挙期中で最初にその役職での発言が記録された会期を示しています。
○福田赳夫君 ただいま議題となりました補正予算三案について、委員長の報告に賛成の意を表し、野党三派共同の修正案及び撤回の動議に反対するのであります。(拍手) 現在の財政の状況を通観いたしてみますると、国家財政はなおきわめて不安定な状況にあるのであります。すでに本補正予算案におきましても、国庫収支の均衡は破れ去ろうとしておるような状況であります。この上国家支出が大幅に膨脹いたしますことを考えますると、これはますます国民の生活を圧迫する。安定の緒を見出そうとしておるところの日本の経済を再び逆転させる。勤労者、中小企業者などの、世の中の小さい者、弱い者の立場を非常に苦しくするのであります。この意味……
○福田赳夫君 ただいま議題となりました五法案につきまして、大蔵委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。 まず、特別減税国債法案について申し上げます。本案の内容は、今回設置を予定しております産業投資特別会計の財源に充てるため、昭和二十八年度において二百億円を限つて特別減税国債を発行するものでありまして、その利率は年四分、償還期限は五年以内とするとともに、その消化を促進するために、これを購入した者に対しましては一定の減税を行うこととし、個人が購入した場合には、昭和二十八年度分の所得税から、その税額の二〇%相当額を限度とし、購入額の二五%に相当する税額を軽減し、また法人が購入した場……
○国務大臣(福田赳夫君) 総理大臣の答弁と重複するかもしれませんが、第一に人口問題。現在、日本の経済は、非常に世界からもすばらしいといわれるような状態で発展をしております。この傾向は、今後といえども持続するというふうに考えるのでございまするが、問題は、この発展の過程において、国民各層、各部門に所得の不均衡ができてはならぬ、この問題でございます。ことに、第一次産業である農村のことを考えますると、過去の傾向から見ましても、農村の生産量というものは、他の一般の生産量に比べまして、はるかに低位にあるわけであります。この傾向に対しまして、農業の所得の均衡をはかるという問題は、私といたしまして、今後農政を……
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま御指摘がありましたように、地盤沈下が農業施設の方にも影響してきております。特に、お話の亀田郷におきましては、さような傾向が現われ始めておるのでありまして、私どもも、ただいま早急に調査を進めておる次第でございます。この調査を待ちまして、亀田郷その他の諸問題につきまして善処するように努力をいたします。(拍手)
○国務大臣(福田赳夫君) 救農土木をやれというお話でございますが、これは被害の実情に即しまして積極的にやる考えであります。そのための予算もとってありまするが、必要があれば予備金もこれを使用するつもりであります。 第二に、復旧事業の年度配分を、今までの原則をやめて早くやれというお話でございましたが、従来の比率以上に、私どもといたしましても、これをやるつもりでございます。来年の農作業が春には必ずできるということを建前としてやっております。 それから、激甚地の区分をどうするかということは、大蔵大臣からお答えがありました通りでございますが、大体、農地につきましては二十八年度災害の例に準じてやりたい……
○国務大臣(福田赳夫君) 第一点は、消費者米価をどうするかという点でございますが、消費者米価をどうするかということにつきましては、率直に申しまして、今度の予算編成におきましてもいろいろ議論があったわけです。あるいは財政上の理由から、引き上げをしたらどうかというような議論もありました。また、逆に、配給上の理由から、生産地におきましては引き下げを行なったらどうかというような議論もあったわけであります。結論といたしまして、予算におきましてはこれを据え置きとするということにいたしたのでございます。しかし、現実の米価をどう決定するかということは、私はなるべく変更しない方がいいという考えを持っております。……
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁業者の共同利用に供する小型の漁船の建造に関する特別措置法案、昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた水産業施設の災害復旧事業に関する特別措置法案及び昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた漁村において漁民の共同利用に供する特定の漁業施設の設置に関する特別措置法案について、その趣旨を御説明申し上げます。 去る五月二十四日未明以降本邦太平洋岸一帯に来襲いたしましたいわゆるチリ地震津波が各地に甚大な被害を与えましたことは、すでに御承知の通りでありますが、今次津波災害の特徴といたしましては、公共的施設の被害が……
○福田赳夫君 私は、自由民主党を代表して、政府の施政方針につきまして、佐藤総理大臣に対し若干の質問を行なわんとするものであります。(拍手) 本年は、申すまでもなく、終戦後ちょうど二十年、佐藤総理が申されたように、日本はまさに成人式を迎えた年柄とも言えるのであります。この二十年の間にわが国は、終戦のときにはだれもが想像し得なかったような復興と、世界の国々が目をみはるような偉大な発展をなし遂げ、国際社会におけるわが国の地位もいよいよ向上してまいったのであります。まことに感慨にたえないところであります。この繁栄は、わが国が全体主義と独裁主義を排し、自由と民主の二大原則を堅持いたしまして、たゆまぬ努……
○国務大臣(福田赳夫君) ここに昭和四十年度の補正予算の御審議をお願いするにあたりまして、その大綱を御説明申し上げまするとともに、わが国現下の経済情勢並びに今後の財政金融政策について、所信の一端を申し述べます。(拍手) まず、今回提出いたしております補正予算について、その概要を御説明いたします。 昭和四十年度一般会計補正予算(第1号)は、歳入歳出とも約二百十五億円であります。昨年秋東京で開催されました国際通貨基金第十九回総会において採択された決議に基づき、今春、国際通貨基金の増資が決定され、あわせて国際復興開発銀行も増資する運びとなったのであります。わが国といたしましては、最近における世界……
○国務大臣(福田赳夫君) 物価と不況の性格の問題は、ただいま総理からお答えがありましたので、省略いたします。 私からは、公債を出したらインフレになるのじゃないかということにつきまして、お答え申し上げます。 四十年度の予算は、その編成を終わりましてから、経済界の不況を反映いたしまして、財源が相当多額に不足する傾向であります。しかし、さらばと申しまして、国家の歳出におきましてこれを抑制するということは、なかなか困難であり、また、すべきものでもないと考えますので、これが財源を他に求めなければならないという意味合いにおきまして、本年度は、いずれ、公債を出すとか、あるいは借入金をいたしますとか、臨時……
○国務大臣(福田赳夫君) 不況対策につきまして、財政の役割りが重大である、こういう考えにつきましては、私、全く同感であります。そうでありまするがゆえに、私は、先般決定いたしました総合政策におきましても、財政の繰り上げ支出あるいは財政投融資の支出の拡大でありますとか、そういうことを大幅に取り上げたわけでございますが、しかし、その実効があがらなければいかぬ、そういうふうに特に留意をいたしまして、私といたしましては最善の努力、陣頭指揮をいたしてきたつもりでございます。その結果、ただいま公共事業におきましては、一割留保などの関係がありまして、ちょっと手戻りがありました。これは事実であります。しかし、財……
○国務大臣(福田赳夫君) 総理大臣の答弁に補足をいたします。 四十年度の予算につきましては、その実行上、税収において相当の減少の見込みであります。その額は、まだ九月決算を見ないと正確にはわかりませんけれども、二千億から二千五百億円の間ではなかろうかと思います。その他、災害におきましては例年以上の額が必要でありますし、また給与の問題もあります。しかも、教育費、社会保障費などの義務費の追加を要するものもありまして、おそらく財源対策としては三千億円以上のものを調達しなければならぬ、かように考えております。その方法としては、こういう際でありますから、まず何をおきましても不用不急の経費を節約してまいり……
○国務大臣(福田赳夫君) 第一は、マリアナ海域におきまして遭難した船員、船主及び遺家族に対し、政府は見舞い金的なものを出す考えはないか、かようなことでございますが、今回の遭難に際しまして、漁船の救助活動の費用が非常に多額にのぼっております。また、県でも相当の出費をいたしておりますので、国においてもその一部を援助する、かようにいたしたいと存じます。また、遭難いたしました船主に対しまして、被災船主に特別な融資を考慮いたしております。また、遺家族に対しては、このほか世帯更生資金、母子福祉資金等の貸し付けを講ずることが適切であると、かように考えておる次第でございます。 それから、第二に、マリアナ遭難……
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十年度の補正予算の御審議をお願いするにあたりまして、その大綱を御説明申し上げます。 今回提出いたしました昭和四十年度補正予算(第3号、特第2号及び機第2号)の大綱について御説明いたします。 昭和四十年度一般会計予算につきましては、経済活動の停滞を反映して租税収入が大幅に減少することが明らかになりましたことに加えて、各地を襲いました台風等による災害の復旧、人事院勧告に伴う国家公務員等の給与の改善、四十年産米の買い入れ価格が当初予算における見込みを上回って決定されたこと等のため、緊急に措置を要する追加財政需要が生じ、歳入歳出の両面から当面の財政処理について特別の……
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま総理並びに運輸大臣からお答えがありましたが、私も国鉄の担任している任務の重大なことはよく承知しております。政府でも、国鉄三兆円計価は大いにこれを助成したい、こういう気持ちでございます。ただその方法は、そのときどきの事情できめなくてはならぬ。今日の状態では財政投融資を大いにつぎ込む、こういう方針でございます。(拍手)
【次の発言】 国鉄に対する政府の出資、融資、このことにつきましては、ただいま運輸大臣からお答えいたしましたとおりであります。(拍手)
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十一年度の予算の御審議をお願いするにあたりまして、その大綱を御説明申し上げますとともに、今後における財政金融政策の基本的な考え方について、私の所信を申し述べたいと存じます。 わが国経済は、いま、二つの問題に当面しておると存ずるのであります。それは、不況の打開と経済の安定成長路線の確立ということであります。この二つの問題を同時に解決していくことが、佐藤内閣の今日の課題であります。そして、この二つの問題と取り組み、これを解決し、国民の期待にこたえることこそ、また私の責務であると考えております。(拍手) 私は、政治の理想は、充実した経済力の基盤の上に、国民みな富み……
○国務大臣(福田赳夫君) 公債発行政策を運営するにあたっては節度をもってやれ、まことにごもっともなお話でございまして、そのとおりに心得ております。大事なことは、公債発行によって、それを財源として、いかなる予算、財政を運営するか、その規模と内容にあると思うのであります。さような見地から、昭和四十一年度予算においてはもとより、将来といえども、予算の規模、質ということに最も重点を置いてまいりたい、かように考えております。また、発行する公債につきましては、財政法第四条の条件に従ってこれをやる。四条国債という性格を堅持してまいります。昭和四十年度のような特例法を用いる考えは持っておりません。 また、公……
○国務大臣(福田赳夫君) 公債政策がとられますが、これがインフレとつながるものではないということは、総理からいま申し上げたとおりであります。つまり、国は国民経済の中で最大の消費者であります。しかも、その消費行為が権力的に行なわれる。その最大の消費者である政府が、物をよけいに使い過ぎる、あるいは資金を使い過ぎる、あるいは労働力を使い過ぎる、そういう際にはこれはインフレの危険があります。そういうことを考えますと、公債を財源としますけれども、よって運営する財政の規模を一体どういうふうにするかということが問題なのであります。財政の規模は適正にこれをしなければならぬ。ことに民間活動との調和においてこれが……
○国務大臣(福田赳夫君) 犠牲者に対しましては、深く御冥福を祈り、また、御遺族の方には深甚な御同情の意を表したいと存じます。 私は、田邊君がただいまお話をされたように、今回の事件の真相、原因を究明し、そして再びこういうことを繰り返すことのないようにする、これが、私は、遭難者の霊にこたえるゆえんである、かように考えます。そのためには、政府の予算におきましても、本年度百二十二億円を計上いたしておる。さらに今後とも運輸大臣と相談をいたしまして、できる限り人命尊重、また、日本の航空が世界に伸び行くというために尽くしてまいりたい、かように存じます。(拍手)
○国務大臣(福田赳夫君) お答えをいたします。 第一点は、私学に対しまして利子補給をする必要があるのじゃないか、また、一般に財政援助をどういうふうに考えるかというお話でございます。実は私のせがれも早稲田大学に在学中でございまして、最近、特にきのう、きょうの事態に対しましては深憂にたえないところでございます。私学に対する財政の援助につきましては、私はこういうふうに考えるべきものであると思う。つまり、私学の経営の責任は、第一義的には経営者にある。しかし、私学が行なっていることは、次の世代をになう青少年を育成するという大事な仕事であります。この二つの問題をどういうふうに調和するかというところに、財……
○国務大臣(福田赳夫君) 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、及び相続税法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 政府は、昨年八月、経済の安定的成長に即応する税制のあり方とその具体化の方策につきまして、税制調査会に諮問いたしたところでありますが、昨年末同調査会から、当面改正を必要とする事項について、昭和四十一年度の税制改正に関する答申が提出されました。政府といたしましては、当面の経済情勢と、これに対処する来年度財政金融政策の基本的なあり方と関連し、この答申について鋭意検討を行なってまいったのであります。 さきに私は、当面の不況を打開するとともに、経済……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 自立農家は実際減少しつつあるではないか、それなのに報告書ではそういう趨勢が胎動しておるといっているが、それは矛盾ではないか、こういうお話のようでありまするが、ただいま農林大臣が御報告申し上げましたように、自立農家はだんだんとふえていく傾向にあります。なお、この傾向は、先ほど総理大臣から、管理事業団の運用によりまして大いに積極化されるであろうということでありまするが、まさに積極的に胎動する、さように考えるのであります。 さらに、土地改良長期計画についてのお話でございますが、私は、農村に対しましては、これは保護政策が必要である、そういうふうに考える……
○国務大臣(福田赳夫君) 物品税法の一部を改正する法律案、及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 私は、さきに所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、及び相続税法の一部を改正する法律案について趣旨を御説明いたしました際、昭和四十一年度の税制改正の基本的な考え方を申し述べたのであります。今回ここに提出いたします物品税法の一部を改正する法律案、及び租税特別措置法の一部を改正する法律案は、昭和四十一年度税制改正の一環として健全な消費需要を喚起する等の観点から、物品税負担の軽減合理化をはかるとともに、企業の体質の改善強化、輸出の振興、農業構造の改……
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対する質問は、林野特別会計の運営について、また、立木などの売り払いを厳正にすべきだが、どうか、こういう二点でありますが、いずれも農林大臣がお答えしたとおりであります。重複を避けさせていただきます。(拍手)
○国務大臣(福田赳夫君) 関税定率法の一部を改正する法律案、関税暫定措置法の一部を改正する法律案、関税法等の一部を改正する法律案、及び関税法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、関税定率法の一部を改正する法律案につきまして、その大要を申し上げます。 第一は、関税率表における物品の分類のための品目表に関する条約に加入するため、関税率表の全面改正を行なうことであります。わが国はすでに昭和三十六年、この条約の品目表におおむね準拠した関税率表を採用しておりますが、今回のこの条約に正式に加入することとし、このため税表分類の……
○国務大臣(福田赳夫君) まず最初に、地方財政に対して国がきわめて冷淡である、血も涙もない国の態度だというようなお話でありますが、事実は全く違うと思います。今回の国の地方財政に対する措置につきましては、国も地方も非常に困窮のときであります。そういうときにしてはよくやってくれたというのが実感である、どういうふうに思います。(拍手) 特に細谷さんは、ただいまそういう観点から、地方財政の伸びが少ないじゃないか、こういうようなお話でありまするが、これはなるほど、大体頭をそろえておったのが、ことしは二千億ばかり地方財政のほうが引っ込んでおります。それは、国のほうで賠償費の問題があります、また食管繰り入……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えをいたします。 お話しのように、最近郵政会計は非常に悪化しております。その悪化している原因を考えてみますると、郵政会計事業の支出はおおむね人件費である。その人件費の増高が悪化の最大原因であります。そのことを考えまするときに、今後郵政会計の赤字はだんだんとふえていく、しかも硬直性を持っておるわけであります。これに対してどうしても根本的な措置を考えなければならぬと思うのであります。借金でいく、これは根本的な解決になりません。そうすると、一部で言われるように、一般会計でこれを負担するか、あるいは料金の負担でいくか、この二つしか道はないと思うのでありまするが、しかし、……
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 大蔵省で「医療費問題について」というガリ版の印刷をしたことについての御指摘でございますが、今日、医療保険は御指摘のように非常に財政が困難な状態です。その根源は、医療給付費がこの数年間二〇%の勢いで伸びる、それに対しまして、保険料収入はわずかに一〇%ずつしか伸びない。これをほうっておきますと、これは救いがたいような状態になる、こういう点にあると思うのであります。そういう点に対しまして、大蔵省が見解を述べる、勉強して意見を集約する、これはまさに当然のことでありまして、もしそれをやらなければ大蔵省怠慢のそしりをむしろ免れない、かように考えます。 た……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 今回の法律案は、前近代的な入会法律関係を近代的に直そう、こういう趣旨でございまして、部落住民に対しまして、その生活程度を引き下げるというようなことはございません。むしろ、これが改善向上に役立つ、かように考えております。しかしながら、山村の振興につきましては、特別の配意をする必要がありますので、この機会に、この整備をとり行なう部落に対しましては、造林補助あるいは林業構造改善補助等を行なうほか、農林漁業金融公庫の融資を拡大する、さような方法で助成をいたしていきたい、かような方針でございます。(拍手)
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 第一は、国庫負担率を引き上ぐべきだ、こういう御意見でございます。私から申し上げるまでもなく、三分の一という国庫負担率は、わが国の年金諸制度の中できわめて高い率である、こういうことになっておると思います。今回一万円年金の実現、また、それに伴いまして財政方式の変更、また保険料の引き上げ等を行ないますが、それらによりまして、この財政は円滑に運営されるものであります。そういう高い補助率を出しておりますので、これを引き上げることにつきましては賛成いたしかねます。 第二点は、還元融資の二五%を拡大すべきだ、こういうような御意見でございますが、私は、むしろ二……
○国務大臣(福田赳夫君) 赤城構想に比べて、今回の政府案は後退をいたしておるではないかというお話でございますが、まず、融資条件について見ますると、赤城農林大臣の当初の構想は四十年、二分、こういうことであったわけであります。しかし、政府間の話し合い、特に大蔵省との話し合いにおきましては、これが三分、三十年になったわけであります。これは赤城さん自体がよく了承してきめられたことであります。これを現在農林公庫がやっておりますところの融資条件、つまり自作地取得融資、その条件が三分五厘で二十五年であるというのに比べますると、相当の改善であり、今日の状況から見て、まず最大限の考慮を払っておる、かように考えて……
○国務大臣(福田赳夫君) 中小企業に対する予算があまりにも少ないじゃないか、こういうお尋ねに対しましては、ただいま三木通産大臣からお答えをしたとおりでございます。私も、昨年の倒産現象につきましては非常に憂慮しておるものでございます。その原因が一体どこにあるのか。私どもは、中小企業の叫び、訴えというものを聞いておるのです。二、三年前は、金融問題、これが一番多かった。それが人手不足だということに変わってきたのは、御承知のとおりだと思いますが、今日中小企業がかこっておる最大の問題は、注文不足という問題であります。ただいま三木通産大臣からお話がありましたように、財政の面におきましても、あるいは財政投融……
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対する質問の第一点は、アメリカが二億ドル出す、アメリカ的になるんじゃないか、そういう点でありますが、ただいま藤山長官からお答えがありましたとおりであります。私がつけ加えることはございません。 第二の点は、アジア開発銀行とアジア開発閣僚会議との関係いかん、こういうことでございますが、これは違っている点もあるし、同じ点もある。違っている点は、アジア開発銀行はエカフェの発想に基づくものであります。 これに反し、アジア開発閣僚会議のほうはわが国の政府の発想、発想の主体が違うわけであります。それから地域が違うのです。アジア開発銀行は、アジア全域を対象とし、これに融資を行……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 私に対する質問の第一点は、特許収入に比べて特許関係の支出が少ないではないか、こういうことでございまするが、特許庁のやっておる仕事は特許行政でございまして、特許企業ではないのであります。したがいまして、企業会計的な考え方はとっておりません。必要でありますれば幾らでも金は出します。現に昭和三十七年、つまり五年前に比べまして、五年前は八億円でありましたが、今日は二十二億円に激増いたしておるわけであります。ちょうど交通行政と同じでございます。罰金がずいぶんふえてくる。だから交通行政をふやすかというと、そうじゃありません。同じような関係のものでございます。……
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 第一点は、公債と国防費との関係、こういうことでございますが、昭和四十一年度から公債を発行することになったのでありまするが、予算の規模は、昭和四十一年度にとどまらず、今後といえども、民間経済活動との均衡のとれた形においてきめる。つまり、大きな特色といたしましては、民間経済活動が非常に大きいという際には、国家財政の規模は消極的になるわけであります。また、民間経済活動が停滞しているというときには、公債が増発されまして積極化される、こういうことになるのでありまして、国防費を含めての予算の規模、これは公債そのものとは関係がなく客観的にきめられる、かように……
○国務大臣(福田赳夫君) 昨日答弁を留保した点がありますので、お答えを申し上げます。 つまり、去る二月十八日の予算委員会におきまして、楢崎さんから御質問がありまして、防衛庁の予算の中で不当のあるいは不正の使用があるのではないか、かようなことであります。それに対しまして、会計検査院から再検査するという言明をいたしておるのであるが、その再検査の結果いかんと、かようなことでございます。私は、きのうすぐ会計検査院について報告を求めたのでありまするが、会計検査院の報告するところによりますと、すぐ調査をしてみた。そうすると、若干不当な支出をしていることが発見された、かようなことでございます。 その不当……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げます。 私に対するお尋ねは、公共料金は上ぐべきではないと思うが、どういう意見かということのようでありますが、もちろん、公共料金はそうみだりに上ぐべきものとは思いません。しかしながら、それにはやはり地方団体も国も公営企業の運営につきまして協力をしなければならぬ。しかし、前提といたしましては、公営企業自体の自主的体制、これが一番かなめである、かように考えます。そういう自主的な体制が整う、つまり再建整備の形が整うというにおきましては、さらに国におきましてもあるいは地方の一般会計におきましても、これが援助をいたすべきである。私は、そういう自主的体制に対しまし……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えをいたします。 まず、博覧会の法的性格といいますか、さような問題でありまするが、これは条約上公の博覧会ではない、公に認められた博覧会である。かようなことで、日本万国博覧会協会を設立し、これが最終的な責任者になるわけであります。財政上も、日本万国博覧会協会が責任者となります。ただ、ただいま総理からもお話しのように、この行事は初めてアジアで開かれる、しかもそれが日本で開かれる、こういうものでありますので、日本政府といたしましても、これはできる限りの援助をして、成功裏に終わらしめたい、かように考えておるのであります。 ただ、この誘致のいきさつや、あるいはその施設の……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたしますが、岡木さんのただいまの御意見を伺っておりますと、大体瀬戸山構想といわれる考え方の基本については御賛成のようですが、私も、いわゆる瀬戸山構想につきましては、これに全面的に賛成で、これを推進しているわけであります。 今回、この考え方が、全面的ではありませんけれども、その構想の第一着手といたしまして、土地収用法の改正、かような形で打ち出されておるわけであります。これは、ごね得を排除して土地の公共利用を促推しよう、こういう趣旨に基づくものでありまするが、租税政策の運用の面でもこれを順調に行なわせる作用はできないか、かような考え方から、租税特別措置法の立法に……
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対する質問の第一点は、国民健康保険の問題であります。これにつきましては、ただいま厚生大臣がお答えになったと同じ見解を私は持っております。 第二は、超過負担の問題でありますが、これは御指摘のように相当大きな問題だと思います。千百億円あるいは千三百億円ともいわれる。この原因を探求してみますると、これは中央政府の責任に帰すべきものも多いのです。しかし同時に、地方自治団体が補助基準などを越えまして施設をする、そういう要因もある。これは中央、地方相協力して解消につとめなければならぬ、かように考えておるわけであります。さような見地から、昭和四十一年度の予算におきましては、知……
○国務大臣(福田赳夫君) 医療保険制度が財政的に非常な重大な危機に来ておることは、淡谷さんもおっしゃるとおりであります。それに対して一体どうするか。いまあなたの全体のお話を聞いておりますと、国庫負担を増せばいいんだというようなお考えのようでありますが、国庫負担を増しますれば、それは一応は解決になります。しかし、国民の税負担を一体どうするか、こういう大きな問題がまた起こってくるわけであります。それだけにたよることはできない。やはりその前に問題があると思うのであります。 いま医療費がだんだんふえて、国民総所得の五%も占めるというような状態になり、しかもその増加の割合が二〇%、二〇%とふえてくる。……
○国務大臣(福田赳夫君) 都道府県の中間自治団体としての地位、また委任事務の再配分等につきましては、総理から明快にお答えいたしましたので、省略をいたします。 中央政府の都道府県に対するなわ張り争いといいますか、権限の争いが地方自治体の運営を大きく阻害しておる、こういうお話でありますが、私も、この点につきましては、さような傾向なしとしない、かように考えます。この点は深く反省いたしまして、是正をはかっていきたい、かように考えております。(拍手)
○国務大臣(福田赳夫君) まず第一に、消費者価格をどうするかということについて、閣僚の見解が区々であるが、大蔵大臣の見解を示せということです。この点につきましては、ただいま総理大臣がはっきり申し上げたとおりで、これが政府の統一見解でございます。私もかねがねこれと同じようなことを申しておる次第を御了承願いたいのであります。 なお、第二は、食管会計で赤字が増大するが、その処置をどうするか、こういうお話でございます。お話しのとおり、約二千億の赤字と相なるのであります。これは予算を編成いたしました当時に比べまして、七百億余りの赤字増加に相なります。したがいまして、どうしても補正を必要とするというふう……
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対しましては、被災市町村の財政の問題と思います。これは自治大臣からお答えをいたすべきですが、私、特に名ざされましたので、お答え申し上げます。 今回の災害によりまして、市町村は、歳出面におきまして多大の負担を負う、のみならず、収入は租税が減収するということで、非常に打撃をこうむると思います。それに対しましては、追って配分をいたします特別交付税においてその損害額を組み入れるというふうにいたしたいと存じます。また、復旧事業を盛んにやるにつきましては起債を伴うわけであります。この起債を将来元利償還をしなければならぬ、その償還額を将来の交付税交付金算定の上の財政需要として……
○国務大臣(福田赳夫君) 補正予算を今臨時国会に提出をするか、せよというお話でございますが、結論から申し上げますと、さようなことは考えておりません。本年度の予算は、総合予算主義の毛とに編成されております。これについて、多少誤解があるようですが、社会は流動する、政治的の要請もだいぶ変わってきます。その要請に対しましては、予備金で対処するわけです。足りない場合には、既定経費を押えて、そして回すということで、補正なしで行きたい、こういうふうに考えておりますが、この組みかえ補正を否定するという考え方は持っておりません。 また、国として非常の問題が起きた、異常な事態が起きたという際に、ワクをこえて補正……
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十四年度予算の御審議をお願いするにあたりまして、その大綱を御説明申し上げ、あわせて、今後における財政金融政策について所信を申し述べたいと存じます。 わが国経済は、昭和四十年の不況を克服し、その後、三年もの長い間、一貫して拡大の歩みを続け、現在もなお、力強い上昇の勢いを示しております。 かくて、ことしは、景気上昇の第四年目を迎え、わが国が従来経験したことのない長期の経済拡大をここに実現しようとしておるのであります。いまや、わが国の国民総生産は世界第三位に達したものとみられ、国際経済社会におけるわが国の地位は、ますます重きを加えつつあります。しかしながら、今後の……
○国務大臣(福田赳夫君) 楯さんから、昭和四十四年度予算が景気刺激インフレ型だときめつけられ、その理由として、予算の総ワクが膨張したということを言われておりますが、この膨張の度合いは、楯さんがお考えになっているほどのことではございません。膨張した最大の原因は、地方交付税交付金がふえたのでありまして、これを差し引いて考えますると、ちょうど経済成長率の一四・四%、非常に適当なところでございます。 それからなお、内容において公共事業費が多過ぎるじゃないかというお話でございますが、必ずしも私はこれは多いとは思っておりません。いま、社会資本の立ちおくれということを考えてみますると、この問題にこそ私ども……
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十二年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。 昭和四十二年度予算は、昭和四十二年五月二十七日に成立いたしました本予算と、昭和四十二年十二月二十一日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。 昭和四十二年度本予算は、景気に対し中立的な立場を堅持することとし、公債発行を伴う新しい財政政策の弾力的運営の方向を確立するとともに、国民福祉向上のための諸施策を着実に推進するため、効率的、重点的な財源配分を行なうことを基本として、住宅及び生活環境施設の整備、社……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 国鉄財政の赤字の原因は、時代の推移、これが主たる原因である。つまり、自動車時代、航空機時代、そういう時代になりまして、国鉄が陸の王者たる地位を失いつつある、そういうことが基本的な原因だと思います。しかし、国鉄が担任する任務、これが、だからといって、私はいささかも軽減されておるとは思いません。したがいまして、政府といたしましては、工事費に対しましては利子補給をする、国鉄再建補助金を支給するという方針をとっておるのであります。 お話しのように、工事費の重圧、これはそのとおりに考えます。でありまするが、これは、もうあらゆる企業においてそうでありますけ……
○国務大臣(福田赳夫君) 所得税法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 政府は、さきに経済の安定的成長に即応する税制のあり方とその具体化の方策につきまして、税制調査会に諮問いたしたところでありますが、昨年七月、同調査会から、三年間にわたる審議の結論として、「長期税制のあり方についての答申」、「税制簡素化についての答申」及び「土地税制のあり方についての答申」、この三つの答申が提出され、さらに昨年十二月には、これらの答申の内容のうち、来年度の改正において実現すべき事項につき「昭和四十四年度の税制改正に関する答申」が提出されました。政府といたしましては、これらの答申を中心……
○国務大臣(福田赳夫君) 農家の税の問題ですが、他の階層に比べまして決して高いのではありません。むしろ非常に低いのであります。最近クロヨンということがよく聞かれますが、その中でヨンというのはどなたをさしておるのかといいますと、農家のことをさしておる。そのことによりましても、一般的に低いとも認められておるのであります。 予約減税につきましては、私から申し上げるまでもございませんけれども、集荷を促進するという趣旨でつくられたわけであります。ところが、米の需給が非常にゆるんできた。非常に改善されてきた。そこで、減税の当初の趣旨はなくなってきたのです。でありますから、予約減税をすべしという議論があり……
○国務大臣(福田赳夫君) 公営住宅の用地費補助制度を融資制度に切りかえたのはいかがかという御批判でございました。 これは、ただいま建設大臣からもお話がありましたが、いままでの補助制度では事業量が不足するのであります。また、超過負担問題が訴えられるというような状態であります。公営住宅に対しましては飛躍的な事業量の拡大をはからなければならぬ、そういう見地から、融資制度への切りかえをやったわけでございます。 ただ、この切りかえによりますと、家賃にはね返るおそれがあるということでございまするが、これに対しましては、家賃収入補助を新設するということにいたしまして、所期の目的を達するということにいたし……
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対する御質問、もうすでに総理からお答えもあったんですが、せっかくの御指名でございますので補足いたします。 わが国の研究費が国際的に少ないのではあるまいか、こういう御指摘でございまするが、確かに少ないんです。ただ、諸外国におきましては、国防費の中にたくさん研究費が入っておる。わが国は、自衛隊、防衛費が非常に少のうございます。そういう関係も響いておることを御了承願いたいのであります。ただ、私は、それにいたしましても、わが国が諸外国に比して多額であるとは考えません。今後とも努力しなければならぬと思います。少ないながらも、しかし非常に努力は続けておるのでありまして、佐藤……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 前回同様の一千億円でうまくいくかというお尋ねでございますが、前回は、反省してみますと、賃金の見方、また物材費の見方、こういうものがどうも適正でなかったように思うのであります。今回は、賃金の見方にいたしましても、それから資材費にいたしましても、前のように横ばいだなんというようなことでなく、普通の速度で上昇するというような見方を前提としております。それで、千億円の再建交付金ばかりでなく、安定補給金は大幅に拡充する、それから無利子貸し付け制度を大幅に導入する、その他保安対策なども十分に考えておりますので、今度はだいじょうぶであろう、かように考えておりま……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 私に対しましては、社会保障予算、特に福祉年金予算をちびったのはけしからぬというようなおとがめでございますが、しばしば申し上げておりますように、社会保障予算は四十四年度予算で最も力を注いだところであります。福祉年金予算はその伸び率が一般より多少落ちておりまするが、率ばかりでなくて、内容も見ていただきたい。つまり年金額の引き上げ、それから所得制限の限度額の引き上げ、それから夫婦受給制限の撤廃、非常な前進を見ておるのであります。 また、老齢福祉年金七十歳、これは少し酷ではないかというお話がありましたが、総理からお話がありましたように、これは財源の関係……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えをいたします。 今回の特別措置法の手当額が少な過ぎる、内容がないじゃないかというような御意見でありますが、これは、最終措置は民事の問題です。結局、これはつなぎ措置なんですから、その点をとくと御理解願いたいのであります。しかも、つなぎ措置といたしましても、私は少な過ぎるとは思わないのです。むしろ、かなり手厚い措置であるというふうに考えております。 たとえば阿賀野川で言いますれば、一月大体六万円ぐらいかかります。それを、健康保険に入っておりますれば全額が支給されまして、それで給付されまして、そしてその上に四千円、二千円また九千円、こういうことになるわけであります……
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 国鉄は、申し上げるまでもありませんが、公共企業体であります。一面において、企業体であると同時に、公共性の非常に高いものである。企業体でありまするから、これはもう当然独立採算制、このたてまえをとらなければならぬ、これもまた言うまでもないのであります。親方日の丸、あとは政府がしりをぬぐうのだという体制では、合理的な運営はできない、かように考えます。しかし、他面、同時にこれは公共性の非常に高い存在でございまするからして、国鉄の運営に支障があるというのを政府が放置するわけにはまいりません。いま国鉄財政は非常に困窮に当面しておる。さようなことで、今回、政……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えをいたします。 失業者に対する職業訓練運営費など、直接給付に関係のない経費は、これをなるべく、現在のような失業保険特別会計でなく、一般会計から支出するようにすべきではないか、こういうお話でございますが、この種の経費は、失業の予防または就職の促進、そういうようなことで給付にきわめて密接なる関係のある経費でございます。これは民営保険でも同じでございまするが、たとえば火災保険なら消防というようなことに経費をかなり出しておる、こういうような関係になっております。さようなことから、必ずしもそういう考え方をおとりになる必要はないんじゃないか、さように考えます。 また、さ……
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 地方財政好転論は暴論だというお話でありますが、これはお返しをするほかはないのであります。総理からただいまお話がありましたように、一時に比べますとかなりよくなっておるのでありまして、たとえば、その財源の状態を見ましても、地方税の伸び、これは四十二年度で二二%、四十三年度で二一%、四十四年度でも二〇%、また交付税におきましても、四十二年度一九・五%、四十三年度二四・六%、四十四年度二五%という、これは自主財源の伸びの状況でありまして、いまや、地方財政全体におきましては、その財源の六四%がこの二つの自主財源をもって占められるというような健全さを示して……
○国務大臣(福田赳夫君) 政府管掌健康保険へ最大限の財政援助をなすべし、こういうお話でありますが、そのとおりに心得ております。すなわち、本年度は四十三年度に比べまして五割増しの二百二十五億円の補助をいたすことにいたし、これに、特例法で御協力お願いできますれば、まずまず単年度赤字は回避し得る、かような状況でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。 なお、医療費の緊急是正、これを早くしなければならぬ、かようなお話でありますが、これもごもっともなお話と存じます。すでに中央医療協に対しまして医療担当者側からもう提案が出ておるわけでありまして、中央医療協において審議中でございます。この審議の結果……
○国務大臣(福田赳夫君) 見舞い金を一般会計からさらに増額するか、追加支出するか、かようなお尋ねでございますが、そういう考え方は持っておりませんです。この見舞い金は、沖繩の特殊事情も考慮いたしまして、精一ぱいのことをいたしたつもりでございます。貯金関係者も、琉球政府も、よく納得をしておることを御了承願いたいのであります。 次に、見舞い金は一般会計から支出しない理由はどうだ、こういうことでございます。この点につきましては、先ほど郵政大臣からも答弁がありましたが、この種の見舞い金は、他の戦後措置との権衡上、一般会計から支出、支弁することは、これは不適当であります。そこで、政府としましては、どうし……
○国務大臣(福田赳夫君) 過疎対策を軽視するな、こういう御所見でございますが、これはさようなことは決して考えておりませんです。過疎対策といい、過密対策といい、ただいま総理からお答えがありましたように、これは異常な経済発展、これに伴うところの社会構造、産業構造の変化、非常に根が深いものである。さようなことから長期計画、新全国総合開発計画を立てまして、その立てました昭和六十年までの展望の上に立ちまして、個々の施策を進めていくという態度をとっております。都市も農村もともに肩を並べて前進する社会、その前進する社会というものを目途として、いま大いに精進をいたしておるわけであります。(拍手)
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対する質問は二百二十五億円の補助金についてでありますが、これは米価ではございませんから、一般会計から支出いたします。一般会計の財源が二百二十五億円さらに追加需要されるということになりまして、私も非常に頭が痛いのでございますが、この支出は数カ月後――つまり、いろいろな手続がありますので――に行なわれるということになりますので、それまでにどういうふうな支出をするか、財源をどういうふうに調整するかということは、とくと検討してみたい、さように考えております。 この補助金は、市町村長に対して交付するものであります。ただ、市町村長は、ただ単に市町村長がその恣意によってその配……
○国務大臣(福田赳夫君) 公害予算についてのお尋ねでございますが、御承知のとおり、予算におきましても投融資におきましても、連年増額をいたしてまいりまして、特に四十四年度においては、いずれも大幅にこれを増額いたしておるのであります。 公害対策は、これはわれわれの世代が当面しておる最大の社会問題であり、また、最大の政治問題と心得ております。今後といえども、必要なる財政対策につきましては十分配意してまいる、かように御了承願います。 なお、石油関税の一部をこれに特定財源として回したらどうか、こういうような御意見でございますが、財政はひもつきひもつき、そういうことであまり窮屈になることは、これはよろ……
○国務大臣(福田赳夫君) 教育予算と紛争との関連でありますが、いま総理からお話がありましたように、財政が紛争の原因であるとは考えておりません。そういう事情はありません。これは石田さんにもよく知っておいていただきたいのでありますが、わが国の教育投資というか、教育予算は非常に高い。国民所得でいいますると、これは五・二%、アメリカ、イギリスに次ぎまして世界第三位であります。また、予算中における教育費のシェア、これは二一・三%でありまして、アメリカが一五、イギリスが一五、フランスが一七、ドイツが二、日本は実に世界第一位であります。(拍手) なお、石田さんから、GNPとの関連において教育予算の立場を確……
○国務大臣(福田赳夫君) 社会保障制度を拡充充実して弱い者の立場を助けよ、これはもう政府の根本方針であります。さればこそ、日雇い健保につきましても、政府管掌健康保険とともに、特例的に定率の補助をいたしております。特に日雇い健保につきましては三五%というような高率補助をいたしておるのであります。また、さらにその上、定額補助を今度は十億円にふやそう、こういうことをよく御承知願いたいのであります。 赤字が小さいからというようなお話でございますが、赤字は決して小さくないのでありまして――この制度は小そうございますが、しかし赤字は、四十三年度末におきまして六百五十億円に達するわけであります。しかも、こ……
○国務大臣(福田赳夫君) 真珠業界に対しまして、農林中金から二百億近く出ておる、こういう話ですが、大体そのようであります。しかしこれは、真珠業界が過剰生産の結果、市況が非常な急変をした、それに対して滞貨金融というような性格を持ったものが多いわけであります。皆さんからも、真珠業界がたいへんだ、たいへんだ、融資でつなげ、こういう御要請があったはずでございます。そういう要請にこたえての融資ではございまするけれども、今回の法的措置、そういうようなことで業界の体制も整いますのは、漸次この金融の負担というものは軽くなっていく、かように考えております。(拍手)
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 今回の修正によりまして、本年度では約六十四億円の減収になります。しかし、春闘におきましてベースアップが予想よりは多かったために、さほど財政運営上支障はないと思うのであります。 二百二十五億円の補助金を増額するかどうかという将来の問題につきましては、抜本改正の一環として、これを慎重に検討いたしたいと存じます。(拍手)
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十五年度予算の御審議をお願いするにあたりまして、その大綱を御説明申し上げ、あわせて、今後における財政金融政策について、所信を申し述べたいと存じます。 ここに、一九七〇年代を迎え、新たな十年への第一歩を踏み出すにあたり、過ぎ去った一九六〇年代を振り返ってみますると、わが国経済の発展にはまことにめざましいものがあったわけであります。 すなわち、この十年間に、わが国経済は、年率にして実質一一%をこえる成長を達成いたし、その結果、国民総生産は、昨年は六十兆円に達し、いまや、その規模におきまして世界第三位の地位を占めるに至り、また、一人当たり国民所得におきましても、十……
○国務大臣(福田赳夫君) 角屋さんの私に対する御質問は、財政金融運営に関する基本的方針いかん、こういうことでございますが、十四日の、財政演説におきまして申し上げたわけであります。そういうことではございまするけれども、非常に大事な問題でありまするから、あらためて申し上げさしていただきます。 私は、いま大蔵大臣といたしまして一番心配をいたしておりますのは何であるか、これは、どうしてこの経済成長を今後長く続けさしていくことができるかという、この一点にあるわけであります。 いま五十二カ月の繁栄、こういうことになって、戦後最長の景気上昇を続けておるわけでございますが、この成長の速度を見てみますると、……
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十三年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。 昭和四十三年度予算は、昭和四十三年四月十五日に成立いたしました本予算と、昭和四十四年二月二十二日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。 昭和四十三年度本予算は、財政による景気抑制機能の実効を期するとともに、総合予算主義をとり、恒例的な予算補正の慣行を排除し、もって財政体質改善の第一歩を踏み出すことによって、財政が本来の機能を十分発揮し得る基盤を確立することを基本とし、一般会計予算の規模を極力圧縮す……
○国務大臣(福田赳夫君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案、所得税法の一部を改正する法律案、及び法人税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 政府は、本年一月税制調査会から提出された「昭和四十五年度の税制改正に関する答申」に基づき検討を重ねた結果、昭和四十五年度の税制改正におきましては、最近における国民の税負担の状況にかんがみ、給与所得者を中心とする中小所得者の負担軽減を主眼として、平年度約三千五十億円にのぼる大幅な所得税の減税を行なう一方、当面の経済社会情勢に即応して、法人税の負担を引き上げるとともに、利子・配当課税の特例について漸進的な改善合理化措置を講……
○国務大臣(福田赳夫君) まず第一は、四十五年度で三百億円の減額措置をとったことについてであります。 御指摘のように、昨年一月に、私と自治大臣は覚え書きを交換いたしまして、その第一点は、交付税率三二%は当分の間これを据え置く、それから、今後はいわゆる貸借方式はこれを避ける、第三点は、交付税交付金については年度間調整の制度を確立する、こういうことだったのです。私は、これをぜひ昭和四十五年度にはやりたいという考えを持っておったわけであります。ところが、交付税交付金の年度間調整措置、これがなかなかむずかしい。ついに予算編成時まで自治省との間に話がつかない、こういうことに相なった次第でございますが、……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げます。 私に対しましては、まず第一に、中曽根防衛庁長官のいわゆる防衛五原則、これは事前に相談があったかというお話でございますが、これは事前には何の相談もございません。しかし私は、参議院の予算委員会においてこの問題に関する中曽根長官の発言を聞きました。まことにりっぱな内容のものである、かような感想でございます。長官は、いままで国力、国情に応じて漸進国に自衛力を増強する、これがわが国の方針だったが、その国力というのがひっかかる、国力というとGNPの増加、これが含まれるじゃないか、そうすると経済が伸びさえすれば防衛力は幾らでも大きくしていいんだ、こういう印……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げたいと存じますが、ただいま総理からきわめて詳細にお答えいたしてありまして、私がつけ加える余地がないくらいでございます。 ただ一つ、公園造成のために国有地を売却する考えはないか、したらどうかというお話でございますが、公園造成の必要がある場合におきましては、一般財源もこれを充当することを考えます。しかし、必要に応じまして、また不用の国有地がありますれば、これを売却してこれに充当するということも考えてまいりたい、かように存じます。(拍手)
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 公害のための機構を増強すべし、こういうお話でございます。人が要る、そういう場合には、これをふやすことにやぶさかであってはならぬ、また、機構もそういうふうに思います。公害は非常に大事なものであるからであります。ただし、その場合におきましても、既定の人員の再配分、また既定の機構の再編成、こういうワク内において行なうということこそが妥当な措置ではあるまいか、さように考えております。 次に、概算要求で二五%ワクにこだわらずに公害対策費を認めよというお話でございます。公害対策費は大事なものでありますので、各省におきましても、各省ごとの二五%ワクは守って……
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十六年度予算の御審議をお願いするにあたりまして、その大綱を説明し、あわせて、今後における財政金融政策について、所信を申し述べたいと存じます。 私は、昨年二月の国会におきまして、一九七〇年代は、経済の質的側面を重視すべき年代であり、安定成長路線のもとに、真の福祉の向上を目ざすべきであることを強調いたしました。そして、このような考え方に基づいて財政金融政策の運営に当たってまいったところであります。 一九六〇年代におけるわが国経済の発展は、世界の奇跡といわれるほど目ざましいものでありました。特に、ここ数年間の成長は、超高度成長ともいうべき勢いであります。もし、この……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 今度の予算は生産優先であり、不況対策であり、内政を疎外したインフレ予算ではないかという御批評でありますが、私は、この間の演説におきましても申し上げたのですが、いま超高度成長から安定成長への過渡期にある日本経済である。私がなぜそういうふうな経済運営をするか。これはいろいろ超高度成長を制約する要因もある。それは乗り越えがたい障害になっておるわけです。でありますが、同時に、この超高度成長の路線の前面には、ひずみ現象というものが山積をしておる。その最大なものが、何といっても物価の問題であり、公害の問題である。そういう問題の処理がこの超高度成長下ではできな……
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十四年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。 昭和四十四年度予算は、昭和四十四年四月一日に成立いたしました本予算と、昭和四十五年三月四日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。 昭和四十四年度本予算は、わが国経済の持続的成長の確保と物価の安定を眼目として、財政面から景気を刺激することのないよう、財政規模は度のものにとどめ、国民の負担の軽減をはかるため、所得税及び住民税等の減税を行ない、財政体の改善をはかるため、公債発行額を縮減して、一般会計の公……
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対する質問の第一点は、郵便事業は公共性が高いから、一般会計から赤字は補てんすべきじゃないか、こういう話でございますが、いま郵政大臣からお答えがありましたように、公共性は高いのです。しかし、同時に企業体である。郵政事業特別会計法第一条にも、企業的に経営しなければならぬ、こういうふうに書いてあります。当然独立採算制をとるべきである、かように考えております。これを赤字が出たら一般会計からというと、どうしてもいわゆる親方日の丸式になりまして、合理的、近代的な経営の妨げになる、かように考えております。 質問の第二点は、郵便料金を省令に委任することは、財政法第三条の違反では……
○国務大臣(福田赳夫君) 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案、及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 政府は、昨年十二月税制調査会から提出されました昭和四十六年度の税制改正に関する答申に基づき検討を重ねました結果、昭和四十六年度の税制改正におきましては、最近における国民負担の状況にかんがみ、所得税の負担の軽減をはかるため、給与所得控除をはじめとする各種の所得控除の引き上げ、青色事業主特別経費準備金制度の創設、相続税の軽減合理化等を行なうことにより、平年度約二千億円の減税を行なうほか、当面の経済社会情勢の推移に即応するよ……
○国務大臣(福田赳夫君) 山口さんにお答え申し上げます。 地方財政にも景気調整、弾力機能を与えるべきじゃないかというお話でございますが、これはいま総理からもお答えがありましたように、本質的にはこの調整機能ということにはなじまない。しかし、全体として、国と地方が一体となって景気調整に当たらなければならぬ、これはもう大原則だと思います。そういうことを配慮いたしまして、地方財政においても、必要がありますれば、ワク外債を使用するというようなことで対処したらいかがだろうか、かように考えております。 次は、国と地方の財源の再配分をすべき時期にきておるのじゃないか、こういうお話でございますが、これは、国……
○国務大臣(福田赳夫君) 自動車重量税法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 政府といたしましては、今次の税制改正の一環といたしまして、道路その他の社会資本の充実の要請を考慮し、新たに自動車に対して、その重量に応じ、自動車重量税を課税することといたしたものであります。 まず、課税の範囲等につきましては、道路運送車両法の規定により自動車検査証の交付等を受ける自動車及び使用の届け出をして車両番号の指定を受ける軽自動車を課税物件として、これらの自動車等の使用者に対し自動車重量税を課することにいたしております。 第二は、税率でありますが、自動車検査証の有効期間が二年とされる自動車につい……
○国務大臣(福田赳夫君) 川俣さんから、今度の児童手当を創設するにあたりましては、大蔵省は消極的だ、終始文句をつけておった、こういうお話でありますが、文句をつけますのは、これは大蔵省のくせです。習性であります。大蔵省が各省から言ってくるのをうのみにする。これでは日本国は立ってまいりません。(拍手)しかし、議論はいたします。議論をいたしました結果、これは最善と思うところに結論が来るのです。今度の児童手当につきましても、ただいま厚生大臣から感謝しておるというおことばをちょうだいしたことで御了承を願います。 しかし、今後、制度の充実には、経済力が伸びていきますそれに応じまして拡大に努力していくとい……
○国務大臣(福田赳夫君) 新井さんにお答え申し上げます。 何と申しましても、これからの世の中は、これはもう情報化時代であります。その情報化時代の中にありまして、わが国におきましては電電公社が中核体をなしておる。その電電公社の使命ということを考えまするときに、電電公社のつくる長期計画、これは国家的に非常に重要なものである、かように考えておるのであります。 さようなことを考えますときに、これは公社であり、独立採算制でありますから、そういうたてまえを貫いてもらわなければなりませんけれども、政府におきましても、その長期計画に支障が生ずるというようなことになりますることは、これは絶対に避けさせなけれ……
○国務大臣(福田赳夫君) 田邊さんにお答え申し上げます。 田邊さんにおかれましては、政府提案の定率五%、これを取り下げて当面一〇%、さらにこれを二〇%にという御提案でございます。これはにわかに賛成いたしかねるのでございますが、今回五%ではありますけれども、定率化をした。昨年、というか四十五年度、これを率で見ますれば、三・八九%になる。それを今回は五%の定率化、こういうのであり、定率化でありますから、将来の保険財政に対しまして非常に弾力性を与える、かように考えておるのであります。 しかし、こればかりじゃないのです。問題は累積赤字のたな上げ措置なんです。四十六年度末になりますると、二千五百億円……
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
米価は米価審議会の決定を待ちましてきめるわけです。これは千葉さんと所見は同じであります。ただ、米審に臨む政府の態度、これは明らかにしておく必要がある、こういうことで施政方針演説とか財政演説とか、そういうところで政府は据え置き方針を出しておる、かように御了承願います。
自余の問題につきましては倉石農林大臣からお答えしたとおりでありますが、農業の生産性の向上、これにつきましては、今後とも財政当局といたしまして最大限の努力をいたしていきたい、ように存じておる次第でございます。(拍手)
【次の発言】 お答え申し上げます。
従来の加算金はやめて、むし……
○国務大臣(福田赳夫君) 不況下の中小企業金融についてのお尋ねでございますが、私は、不況の時期におきましては、中小企業の金融に特別に配意をしなければならぬ、これは石川さんと全く意見が一致します。そういう見地から一般の金融につきまして行政指導、これはかなり効果をあげておると、こういうふうに見ております。また政府金融、つまり三機関等におきましてその資金量を拡大する、そういう措置をとっていることはただいま総理から申し上げたとおりであります。 特に、石川さんは、公害対策、このために資金を大幅に増大せよと、こういうお話でございますが、そのとおりにやっております。貸し付けの総量は、三機関はもとより、中小……
○国務大臣(福田赳夫君) まず御報告申し上げたいことは、今回の天皇、皇后両陛下の御訪欧についてであります。両陛下には、九月二十七日から、ベルギー、英国、ドイツを公式に訪問され、デンマーク、フランス、オランダ、スイスを非公式に訪問され、また、往路アンカレッジにおきまして、米国のニクソン大統領御夫妻の出迎えを受け、御会見されるなど、これら諸国とわが国との友好親善のため多大の成果をあげられ、この間終始御健勝にわたらせられ、去る十月十四日、無事御帰国相なられたのであります。国民とともに深くお喜びいたしたいと存じます。(拍手) 両陛下の外国御訪問は、わが国の歴史上初めてのことでもあり、御訪問先の各国に……
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま議長からお呼び出しでございまするけれども、私に対する質問はございませんでしたから、省略さしていただきます。(拍手)
【次の発言】 ただいまの総理のお答えで尽きておるのでありますが、せっかくのお名ざしでありますので、一言申し上げさせていただきます。
私は、今回、政府が提案いたしました両決議案が敗れ去ったことは、非常に残念である、また同時に、これを支持してくださった皆さんにまことに申しわけないと存じます。(拍手)しかし、私は、日中国交の正常化は、これは歴史の流れである、私はこれと真正面から取り組む、こういうことを申し上げておるのであります。
今回、かような国連……
○国務大臣(福田赳夫君) ━━━━━━━━━━
【次の発言】 ━━━━━━━━━━
【次の発言】 先刻の本会議における沖繩返還協定の趣旨説明に際しまして、私の不注意によりまして冒頭の審議にたいへんな御迷惑をかけましたことは、まことに申しわけないことでありまして、この際、心からおわび申し上げます。(拍手)
○国務大臣(福田赳夫君) 本年六月十七日に署名いたしました琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、趣旨を説明申し上げます。 戦後二十数年間、異国の施政下にあった沖繩同胞の祖国復帰は、わが国国民の悲願であり、平和条約発効以来歴代内閣にとり最も重要な政治的課題であったわけであります。しかるところ、去る昭和四十四年十一月佐藤総理大臣とニクソン大統領との間の共同声明において、いわゆる核抜き本土並みの沖繩の返還について合意が成立し、自来両国政府間でそのための具体的な取りきめについて交渉が行なわれていたのでありますが、これが最終的妥結を見……
○国務大臣(福田赳夫君) 今回の事件の損害につきましては、契約上の責任者は船主であるというふうに仄聞をいたしております。これはなお、最終的にはだれであるか決定されますが、いずれにいたしましても、外務省としては、事、国際関連がありますので、この損害賠償の確保につきまして最大の御協力をいたしたい、かように考えます。(拍手)
○国務大臣(福田赳夫君) 私が大蔵大臣のとき、堀さんやその他の多くの人々から、円の切り上げはどう考えるか、こういう質問を受けたわけです。その際、私は、もうきまったように、さような問題は頭の片すみにもありません、そういうふうにお答えしたこともまた事実であります。 ところが、ほんとうはそうじゃないんです。片すみどころじゃない。この問題は、私の頭のまん中にあった問題です。本席をおかりいたしまして、率直に告白をいたす次第でございます。 さらばこそ、決して円の価値の切り下げはしないという前提で、あぐらをかいておったわけじゃないんです。いわゆる八項目という問題につきましても、大蔵大臣であった私から、こ……
○国務大臣(福田赳夫君) 第六十八回国会の冒頭にあたりまして、わが国をめぐる現下の国際情勢を概観し、あわせて、わが国外交の基調について所信を申し述べたいと存じます。 顧みまするに、過ぐる昭和四十六年を通じ、世界情勢には数々の大きな変化が見られたのであります。アジアにつきましては、米中関係が対決から対話へ移行する傾向と相まちまして、ニクソン大統領の訪中計画が発表され、次いで中華人民共和国の国連参加が実現いたしました。朝鮮半島におきましては、依然緊張した情勢が続いておる反面、南北間の話し合いが開かれるなど、緊張緩和へ向かっての模索もうかがわれるのであります。インドシナ半島の戦火は、不幸にしていま……
○国務大臣(福田赳夫君) 成田さんにお答え申し上げます。 成田さんは、日中打開の前提といたしまして、日華平和条約をまず廃棄すべきじゃないか、こういうお話でございますが、伝えられるところの中国側の御意見も全くそのとおりであるということをよく私は承知いたしております。私は、しかしながら、この御意見には賛成できません。わが国にはわが国の立場がある。わが国は、わが国の国益を踏まえて交渉しなければならぬわけであります。(拍手)私は、日中国交の回復は歴史の流れである、ここまで申し上げてあるわけであります。しかしながら、わが国が中国と交渉するいろいろな案件があるわけでありまして、これらは政府間接触を通じて……
○国務大臣(福田赳夫君) 春日委員長から、台湾の防衛責任についてのお尋ねでございます。 台湾防衛につきましてはアメリカが全責任を持っておる、これは御承知のとおりであります。しかし、それだからといって、日本のほうに責任がないかというと、そうじゃない。日本の安全に重大な関係がある、そういう事態が発生した場合におきまして、米軍の日本基地からの発進、こういうことがあり得るわけでありまして、この限度におきましてはわが国もまた台湾の防衛に関連がある、かように御理解願いたいのでありまえこのことは、私は理論上の見解を申し上げておるわけであります。 しかしながら、実際問題といたしますと、このわが国の防衛責任……
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま総理大臣から、もうことごとくお答えになっておりますので、私からつけ加える何ものもないような感じもいたしますが、ただ勝間田さんがたいへん大事なことをお間違えになっておられる、その点を正しておきたいと思うのです。 勝間田さんは、米中共同声明において、台湾は中国の一部である、こういうのにかかわらず、わが日本外交は対中政策においてたいへんな立ちおくれじゃないか、そういう御詰問でございます。しかし、米中共同声明はそういっておらないのです。正確に申し上げますと、アメリカは、台湾海峡をはさむ両岸の中国人は、中国はただ一つであり、台湾は中国の一部であると主張しておることをア……
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま森下君から対外経済協力につきまして、御意見を交えての御質問でありますが、その御意見の部分につきましては、私が考えているとおりのことを申されたわけであります。私は、御質問ではありまするけれども、私に対する御激励と承りまして、この御激励を体し、いよいよ精励いたしてまいりたい、かように存じます。 御指摘のように、いま、わが国の対外経済協力は大いに前進をいたしまして、アメリカに次いで世界第二の額の協力をいたしておる次第でございます。しかし、その内容はどうかということを考えてみますると、質的には非常にまだ貧弱だと思う。つまり、わが国の対外経済協力が、どうもわが国の輸出……
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対する質問は、アメリカの輸入制限の動きに対しての問題であります。確かに石川さん御指摘のように、アメリカの一部には、輸入制限、保護貿易主義の働きがあります。これは特にアメリカの国際収支が非常に悪化しておる、昨年のごときは三百億ドルにも及ぶ国際収支の赤を出しておる、こういう際でありますので、私どもといたしましては、非常にこの動きに対しまして警戒をいたしておるところであります。わが国といたしましては、アメリカのこうした動きが、わが国の中小企業をはじめ、わが国の産業に非常な影響がある、これはもとよりでございまするけれども、もっと大きな立場、つまり、アメリカのような巨大な経……
○国務大臣(福田赳夫君) まず、アメリカのベトナム政策につきましては、これはいま総理から申し上げたとおりであります。 次に、軍事行動に関する政策、ことに当面の北爆あるいは陸上、海上運航の封鎖、さような事態に対する法的の解釈はどうだ、こういうことでございますが、アメリカはこれは国連憲章第五十一条による集団的自衛措置である、こういう主張をいたしておるのであります。この主張が正しいかどうか、これは国連理事会において結論を出すべき問題である、かように存じます。 これに対しまして、松本議員は、一方的に米国を批判せよ、あるいは米国に対してこれらの行動についての抗議を行なえ、こういうようなことを申します……
○国務大臣(福田赳夫君) 江藤君から、自由貿易体制の中における農業への心配、これがるる述べられたわけであります。 いま私は、世界の経済情勢の前途につきましてたいへん心配しているのです。御承知のように、アメリカには根強い保護貿易主義への働きがあるわけです。それが、いま国際収支が非常に悪い、また物価は非常にむずかしい段階にある、そういうようなことから、アメリカにおける根強いこの保護貿易主義というものがさらに勢いを得る、こういう傾向も見られるわけであります。そういうことになりますと、あの巨大なアメリカ経済が保護貿易主義になった、そうしますと、これは世界じゅうに波及します。わが国も、またECの諸国も……
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 坂本さんから、縦割り制度をこの際根本的に再検討して、横割りの行政機構を考えたらどうだ、こういうようなお話でございますが、縦割り、横割りと申しましても、これは、利害得失が非常にむずかしい問題があります。たとえば総合開発庁を設置する、この際、坂本さんのお考えを貫きますれば、国土省とし、この機構の実施機関といたしまして、建設省あるいは農林省のある程度の業務を、あるいは運輸省の相当部分の業務を吸収する、そういうようなことになるわけなんです。そういうことを考えて、考えられない理屈はないわけでございまするけれども、しかし、それはあまりに強大です。これは行政……
○国務大臣(福田赳夫君) 国立大学の定員についてどう考えるか、こういうお話でございまするが、行政管理庁は、その方針といたしまして、時勢の流れに応じまして流動的に考える。必要がなくなったというものは、これは遠慮なく削減します。しかし、必要だというものについては、これは増員をする。国立大学につきましても、まさにそのとおりでございますが、これは非常に重大な問題になってきておる。 そこで、国立大学の定員は、他の一般官庁に比べると、非常に増加の傾向を示すのであります。つまり、この六年間を見ますと、一般行政職員では、純減少が一万三千九百人になります。これに反し、国立大学におきましては、同じ期間におきまし……
○国務大臣(福田赳夫君) ここに、昭和四十八年度補正予算を提出するにあたりまして、わが国当面の経済情勢と財政金融政策について所信の一端を申し述べますとともに、補正予算の大綱を御説明いたします。(拍手) これまでのわが国経済は、国民のたゆまざる努力によりまして世界に例を見ないほどの高い成長を達成し、その過程におきまして国民の生活水準も格段に向上し、国際社会におけるわが国の地位もとみに重要性を加えてまいったのであります。 しかしながら、近年、国際経済社会において無視することができなくなってきたことは資源不足の問題であり、このことは、資源の海外依存度がきわめて高いわが国経済にとりまして、特に重要……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 私は常々申し述べておるのですが、経済の成長発展ということは、これは目的ではない、あくまでも手段であります。これを手段として、いかにりっぱな国づくりをするか、こういうことだと思いますが、いまやわが国は、とにかくアメリカ、ソビエト、日本といわれる工業力をたくわえるに至っております。しかし、その反面におきまして、あるいは公害の問題でありますとか、過密過疎の問題でありますとか、あるいは住宅の問題、あるいは社会福祉施設の立ちおくれの問題、いろいろ政府といたしまして国民から解決を要請せられている問題が山積しておる。あるいは吹き出もののように吹き出しておると言……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたしますが、まず一は、現状はインフレかどうか、こういう問題であります。これは学問的にいいますと非常にむずかしい問題であります。したがいまして、私は、この点につきましてはかなり気をつけておるのです。私が十月六日「激動期に訴える」、こういう題目で演説をしております。これは最近における私の演説の代表的なものでありますので、それを引用させていただきますが、「いま日本社会がインフレであるかないか、これにつきましては、いろいろ言い方が人々によって違います。私は、インフレだとかインフレでないとか、そのような議論は学者先生におまかせしておいたらいいと思うのです。しかし、わが国……
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十九年度予算の御審議をお願いするにあたりまして、その大要を御説明申し上げますとともに、当面の財政金融政策と今後における経済運営のあり方について、所信を申し述べます。 新しいこの年は、日本国にとって試練の年であります。この試練を乗り越えて、落ちつきのある、そして公正な新しい社会へのとびらを開く、これこそが、本年わが国の当面する最大の課題である、かように存じます。 申し上げるまでもなく、戦後二十九年の今日、われわれは当時夢にも思い得なかった豊かな生活ができるようになり、また、国際社会でのわが国の地位もとみに重きを加えてまいったのであります。これは戦後わが国経済が……
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 成田委員長から、今回の予算は、物価安定、総需要抑制予算と称しながら、実体はそうじゃないじゃないか、こういうお話でございますが、一昨日、私は財政演説において申し上げましたように、これは良心をもって申し上げます。これはもう物価抑制の一点にしぼってこの予算が編成された。 地方交付税を千六百八十億円削減をした、これは不当ではないか、こういうお話でございますが、いま総需要抑制ということが非常な課題でございます。そういう際には、中央も地方も相協力をしなければならぬ。そういうことから、地方交付税の法定額から千六百八十億円を差し引き交付する、こういうことにいた……
○国務大臣(福田赳夫君) まず第一に、現下の経済情勢をインフレと言うのか言わないのか、こういうお話でございますが、私は、現在の物価情勢については深くこれを心配いたしております。異常であり、まことに憂慮すべき状態である。さような状態をさしてインフレと言われる、私は何の抵抗も感じません、また、異議も申し立てませんから、さよう御了承を願います。 臨時超過利得税を徴収すべしというお話でございます。これは、ただいま申し上げましたように非常にむずかしい物価情勢である、そういう際に、売り惜しみだ、買いだめだ、あるいは便乗値上げだ、さようなもののあることは、これはもうもってのほかである、不届き千万である、私……
○国務大臣(福田赳夫君) 給与所得控除の最高限度額を廃したことに対する御批判でございますが、この問題は、税制調査会におきましても御指摘のような意見もあり、なかなかむずかしい問題であったわけであります。しかし、給与所得控除は給与所得の多寡によってその処遇を変うべきものではない、そういうことで、最終的には、圧倒的多数の方が、最高限度額の撤廃にこの際――この際というのは、今回この大幅な大減税をやる、そのこの際にこれを実行すべし、そういうことでございます。つまり、他の所得者、つまり事業所得者等との均衡を考慮するとき、それが妥当であると私も判断をいたしたわけであります。 次に、課税最低限に必要経費であ……
○国務大臣(福田赳夫君) まず、公立文教施設整備費の超過負担問題でございますが、四十九年度予算におきましては、これを解消するということを大方針といたしましてこれを編成いたしておるのであります。 そこで、一言申し添えたいのでございますが、この建築費の単価は、これはかかったものをそのまま採用する、こういうことじゃございませんです。全国的に見まして平均的な価格である、こういうことでございます。したがいまして、その平均的規格あるいは平均的資材、平均的工法、そういうものと違いのある規模、規格あるいは工法、資材、そういうものを採用した場合には若干の違いが出てくるということは、これは御了解願いたいのであり……
○国務大臣(福田赳夫君) 川俣さんにお答えをいたします。 まず第一は、労働省関係の予算のうちで一般会計の占める比率が非常に少ないんじゃないか、そういうことについてのお尋ねでございますが、申すまでもございません、労働省関係の予算は、一般会計及び労働保険特別会計、この両者からくるわけであります。そのうち、一般会計予算は、失業対策費を除きますると、いわゆる行政事務費でありまして、人件費だ、事務費だ、あるいは調査費だというたぐいのものでありますので、これが大きくなる、こういう理由がないのであります。しかし、これでも労働行政の執行にはいささかの支障もありませんから、この点は御安心願いたいと思います。 ……
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 石油開発公団を石油公団というふうな名前に改め、輸入や備蓄、精製、販売を含めて一体体制をつくるべきではないか、さような御質問でございますが、この考え方は、産業政策上も、また財政政策上も、これはかなり問題があり、慎重に検討しなければならぬ問題かと、かように存じます。総合エネルギー調査会で、その討議の一環といたしまして十分慎重な論議を重ね、石油産業体制はどうあるべきか、こういうような角度から結論を出すべき問題である、かように考えております。 次に、従来の石油の自主開発に対する財政的措置は不十分ではないか、かような御所見をまじえての御質問でございます……
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十七年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。 昭和四十七年度予算は、昭和四十七年四月二十八日に成立いたしました。この予算は、わが国経済と国際経済との調和をはかりつつ、国民福祉の向上をはかるという基本方針のもとに編成されたものであります。 さらに、その後における人事院勧告の実施等に伴う公務員の給与改善等について措置するほか、経済情勢の変化に伴い、特に緊要となった経費について所要の措置を講ずるため、昭和四十七年十一月十三日補正予算が成立いたしました。 この補……
○国務大臣(福田赳夫君) 電源開発促進税法案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 政府は、今次の税制改正の一環として、最近における電力需給の逼迫の状況にかんがみ、発電所等の周辺地域住民の福祉向上をはかること等を通じて発電用施設の設置を積極的に進めることとし、この施策の費用に充てるため、新たに一般電気事業者の販売電気に対して電源開発促進税を課税することといたしたものであります。 第一に、課税範囲等につきましては、一般電気事業者を納税義務者とし、その供給した電気及びみずから使用した電気を課税物件とし、これらの販売電気に対して電源開発促進税を課することとしております。 第二に、税率につ……
○国務大臣(福田赳夫君) まず、食管会計の赤字なんかは気にしないで、消費者米価を据え置けという御意見でございますが、生産者米価と消費者米価が開きますと、財政上ゆゆしい問題になる、これは申し上ぐるまでもございません。のみならず、売り渡し米が不正にまた政府に逆流をしてくる、こういう問題も出てくるわけでありまして、食管制度を維持する上におきましてもゆゆしい問題でございます。さようなことで、生産者米価を引き上げるという際には、適度に消費者米価も引き上げる、こういう考え方をとるべきだと、こういうふうに思いますが、しかし、御指摘のように、消費者米価は国民生活にたいへん重大な関係がある、さようなことを考慮い……
○国務大臣(福田赳夫君) 地方交付税の減額調整措置についてのおとがめでございますが、この点につきましては、私しばしばお答えを申し上げておるわけでございます。 何と申しましても、今日最大の政治課題は、物価の安定をはかることである、その方法とすれぼ、何としてもこれは総需要の抑制をはかるほかはない、さすれば、どうしても中央、地方の財政、それが補整政策の主軸になるべきものである、かように考えておるのでありますが、この点は御異存はなかろうか、こういうふうに思うわけであります。 こういう考え方を実行する一つの考え方といたしまして、中央、地方の財源調整措置をやった。確かに、これはおとがめを受ける理由はあ……
○国務大臣(福田赳夫君) まず、デノミの実施、五万円札の発行、さようなうわさがあるが、これは真偽はどうだ、こういうお尋ねでございますが、そのような意図も計画も持っておりませんです。物価対策、非常に機微の段階でありますので、特にこのことは明確にいたしておきたい、かように存じます。 次に、中小企業の当面する困難に対処するため、さらに積極的な施策を講ずべし、こういう御意見でございます。この点は私も同感でございます。総理からもお答えをいたしましたように、ただいま総需要抑制政策をとっておる、これが健全な中小企業に不測の悪影響を及ぼしてはならぬ、かように考えておる次第でございまして、これまでも財政、金融……
○国務大臣(福田赳夫君) まず第一に、公共料金についてお答え申し上げます。 お話しのように、公共料金は、これはいま人件費が非常に上がってきた、また物価も上がってきたという際に、材政論としますと、当然これは改定すべきである、さように考えます。しかし、いま国が当面しておる最大の問題は何かということを考えてみますと、これはやはりインフレを撲滅することである。このインフレ退治のためにこの公共料金政策、これは非常に慎重に扱わなければならぬというふうに考えておるのであります。 私は、今回企画庁長官就任と同時に、いままで事務的にこの公共料金問題の扱い、昭和五十年度における扱いが進んできておる、しかし、こ……
○国務大臣(福田赳夫君) 塚本さんにお答え申し上げます。 公共料金の据え置き論でございますが、これはいま大蔵大臣からお答えしたとおりでございます。つまり、財政論からいいますれば、これだけ賃金が上がる、また物価も上がった、こういう際でございますので、公共料金もまたこれを引き上げなければ、これは公共企業等の運営が不可能になる、そういうことでございますが、しかし、今日は物価また経済、私はこれは非常、異常の事態だと思うのです。非常、異常の事態に対しましては、非常、異常な考え方をしてもいいんじゃないか、そういうふうに思うのです。 そういうような立場から、五十年度の予算の編成ともからみながら、いま各省……
○国務大臣(福田赳夫君) わが国経済運営の基本的方向と、当面のインフレを克服し、経済を安定させるための諸施策について、所信を明らかにいたします。 いまや二十世紀は、あと四半世紀を残すだけとなりました。世界の人々は、来るべき二十一世紀への展望に強い関心を持つようになってきておるのであります。その展望の中で、二十一世紀は、このままにしておきますと、かつて想像され、また期待されていたような栄光の世紀ではなく、むしろ、より多難の世紀となることが恐れられておるのであります。その背景としては、われわれは、特に資源、環境等の問題が、きわめて大きな影を投げかけておることを発見するのであります。 顧みますと……
○国務大臣(福田赳夫君) 阿部さんの私に対する質問の第一点は、私が、昭和五十年度予算編成の過程において、公共料金の凍結を主張したのにもかかわらず、今回郵便料金値上げに賛成したのは、その責任はどうだと、こういう御詰問でございます。 いま、わが国の物価情勢は非常に順調に推移しております。三月の時点におきまして、前年度対比一五%程度というのは、大体これは実現されそうであります。 しかし問題は、この三月の問題じゃないのです。問題は、四月以降、長きにわたってわが国の物価を安定させるということなんです。そういう見地から、昭和五十年度、四月からの十二カ月間における年間物価上昇率は一けたの範囲にとどめる、……
○国務大臣(福田赳夫君) 独禁政策と物価との関係についてのお尋ねでございます。
申すまでもありませんが、独禁政策の本旨は、企業の公正かつ自由な競争を促進し、ひいて一般消費者の利益を確保する、こういうことであります。
したがって、今回の独禁法の改正は、直接の物価対策と言うことはできませんが、しかし、長期的には物価の安定に資するところが大なるものがある、かように考えております。三木総理が所信表明において申し上げたのは、さような趣旨でございます。(拍手)
【次の発言】 物価が安定したら、独禁法の改正は必要ないのではないか、そういう意見があるが、竹本さんは、私は反対だ、こういうお話であります。
……
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対しましては、政府は不況対策として多額の公債の発行を考えておる、これは危険ではないか、来年は物価戦争というようなことになるのじゃないか、所見を述べよ、こういうことでございます。 私は、公債の発行というものはそう安易には考えておりません。非常に慎重にやるべきである、そういう考えです。 ただ、公債悪という考え方はとっておりません。公債を頭からこれを排撃するという考え方ではない。つまり、経済がインフレ化するとか、混乱するとか、それが公債とどういう関係があるか、こういうことを考えてみますと、経済が安定するということは、経済全体としての需給が均衡がとれておる、そういうこ……
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 私に対しましては、戦後最大の不況をもたらしたのは政府の政策運用の誤りではないか、そういう御所見についてであります。 私は結論をはっきり申し上げますと、総理大臣同様、大筋におきまして政策運営の誤りはなかった、さように申し上げたいのであります。 とにかく、一昨年のあの下半期の経済混乱、これは異常であり、異様であったわけです。物価は狂騰する、また国際収支は百三十億ドルの大赤字、また経済秩序は非常な乱れとなってくる。私は、あれはどうしたって三年ぐらいの時間がかからなければ、ああいう混乱から本当に脱出、安定はできない、こういうふうに思ったのです。しか……
○国務大臣(福田赳夫君) ここに、わが国経済の当面する課題と、これに対処する施策について所信を申し述べたいと存じます。 一昨年秋の石油危機により、わが国経済が大変な事態に陥ったことは、なお記憶に新しいところでございます。特に物価は、四十九年二月のピーク時におきましては、前年同月を卸売物価で三七%、消費者物価で二六%上回るといういわゆる狂乱の状態となり、また、国際収支は、四十八年度わずか一年間で基礎収支百三十億ドルという巨額の赤字を記録し、経済秩序は混乱し、日本経済はまさに崩壊寸前の危機に直面したのであります。 この事態の克服は容易なものではありません。いわば、わが国経済は全治三カ年の重傷を……
○国務大臣(福田赳夫君) 多賀谷さんにお答え申し上げます。 まず第一に、政府の経済政策は失敗しておるじゃないか、その責任をどういうふうに考えるか。 これに対しましては、三木総理からお答えを申し上げましたとおりに結論としては考えておりますが、とにかく、申し上げるまでもございませんけれども、経済政策、経済運営のかなめは、何といっても物価と国際収支である。まあ人の体にたとえますれば、これは脈と呼吸である。そういうような大事なものでございますが、この物価につきましては、これは私は非常に順調な推移を示しておる、こういうふうに思うのです。また、国際収支はどうかと言いますれば、これも大体スケールは縮小い……
○国務大臣(福田赳夫君) 「経済社会基本計画フォローアップ 四十九年度報告」を私が正しく理解し、そう実行しておるかという御質問でございます。 この報告では、調整期間中の政策目標としまして、第一、消費者物価、卸売物価ともども一けたを第一とし、あわせて第二、雇用の安定を図ること、三、経常収支の均衡を目指すこと、四、調整期間後の長期的成長率を、先進国の平均をも勘案しつつ、従来よりかなり低目と見ること、この四点を指摘しております。 私は、この指摘は妥当であると考え、このような方向で対処してきておるのでありますが、この対処の姿勢というものは、物価一点張りとか、あるいは景気一点張りとか、そういう硬直し……
○国務大臣(福田赳夫君) わが国経済の当面する課題と経済運営の基本的な考え方につきまして所信を申し述べたいと存じます。 昭和四十八年秋の石油危機によりわが国経済は深刻な打撃を受けたのであります。その傷をいやし健康体を回復するには、おおむね三カ年の調整期間を必要とするということは、私がしばしば申し上げたとおりであります。 さて、調整過程の第一年目に当たる昭和四十九年度の課題は、燃え盛るインフレの火を静め、にわかに悪化した国際収支の改善を図ることでありましたが、総需要抑制の政策効果は浸透し、インフレは次第におさまり、国際収支も著しい改善を示し、ここにわが国経済は再建の基礎固めをすることができた……
○国務大臣(福田赳夫君) まず第一に、三月末の消費者物価につきましては、一けたでこれが目標どおりいけるか、こういう御質問でございますが、これは不測の事態のない限りさように相なる見通しでございます。つまり、消費者物価は非常な安定基調でありまして、十月には一けたにもうなっておるのです。十一月になりますと、それが八・一%というふうになっておるのです。十二月は、これはまだ全国はわかりませんが、東京区部だけでいって八%になっておる。これを全国に換算しますと、七%ちょっと出た、こういうところに来ておるわけなんです。ですから、このままずっといきますれば、三月末にはかなりいい成績が出てくるのではないかと思うの……
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 大規模の公共事業を起こすとか、大量の国債を発行するとか、あるいは公定歩合を引き下げて金融の緩和をいたすとか、それらはいずれもインフレ政策じゃないか、インフレ政策をとりながらどうしてインフレの退治ができるのかという御趣旨のお尋ねでございます。 これは私は、紺野さん、大変誤解があるのじゃないかと思うのです。私どもは決してインフレ政策はとっておりません。私どもがとっているのは、インフレのない景気浮揚政策というのに取り組んでおる。そういう立場から、公共事業を起こしたり、あるいはそれが財源としての大量の国債を発行したり、また金融の緩和政策をとっているの……
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対しましては、五十一年度において経済の実質成長が五%ないし六%と言っておるが、それが実現可能か、こういう話であります。 御指摘のように、五十年度はいささか見通しに狂いがあったわけであります。物価の方は、大体において、昨年のいまごろ五十年度展望をしたその通りの動きを示しております。一方、景気の方につきましては、いまごろは皆さんに四・三%成長ということを申し上げておった。それが大体半分ぐらいのところになりそうな傾向でございます。 その原因は一体何かということを考えてみる必要があると思うのですが、思ったより設備投資がふるわなかったということもありますが、世界の景気は……
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対しましては、電電公社の赤字になった原因はなぜか、また経済政策破綻の結果ではあるまいか、さらに、そういう状態を招来した責任をどういうふうにとるか、こういうようなお尋ねでございます。 電電公社が赤字になりましたのは、確かに、高度成長体制の中で電電公社の投資が大いに進み、その結果、住宅用電話なんかが相当高度に普及してきたわけであります。これは収入から言いますると、かなりこの増加要因を低めるという結果になるわけです。他方、物価は上がる、また特に賃金が相当の大幅な拡大をする、そういうようなことで赤字になってきておるわけでございまして、阿部さんは、経済政策破綻の結果だ、こ……
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対しましては、今回の国鉄運賃の値上げの消費者物価など国民生活に与える影響いかん、また、これで物価は大丈夫かと、こういうことでございます。 今回の国鉄運賃値上げ案によりまして消費者物価に与える影響は、〇・五%程度と予想しております。しかし、〇・五%と申し上げましても、これは決して国民生活に与える影響は軽微なものじゃございません。しかし、一方におきまして、御承知のような国鉄は火の車である。これにはどうしてもいろいろな自己努力も必要である。財政の援助も必要であります。それをしてもなお国鉄の収支のバランスをとるためには料金を倍にしなければならぬ。これが国鉄、また運輸当局……
○国務大臣(福田赳夫君) まず第一に、自民党内の政局論争で私がとった態度についてのお尋ねでございますが、私は、いかなる社会、いかなるサークルにおきましても、論争のないところに進歩はない、こういうふうに思うのです。 ことに、政党におきましては、これは政党というものは非常に強い仕組みでございますので、ややもいたしますればこれは独裁体制にもなりかねないところがあると思うのです。その独裁体制のもとでの政党運営の結果が過去においてどういう結末をたどったか、これは島本さんもよく御承知のところであります。私は、今回の政局論争、これは内外ともに非常に重大な局面に立った自由民主党を真に国家のために、国民のため……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 内外情勢の大いなる変化のうちに第八十回国会が再開されるに当たりまして、新政府の施策に関する基本方針を申し述べ、国民の皆様の御理解を求め、特に、議員諸君の御協力を得たいと存じます。 私は、このたび内閣総理大臣の大命を拝受いたしました。国政の重責を思い、決意を新たにして、国家と国民に対する使命を果たしてまいりたいと存じます。そのため、日本国の進路に誤りなきよう全力を傾注してまいりたい所存でございます。 三年前、私は大蔵大臣として、この壇上から、わが国経済社会のかじ取りを大きく、かつ、明確に転換すべきときに来ていると申し上げました。 そして次の年、昭和五十年一月に……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 私が今般内閣総理大臣の地位につきましたのにつきまして、その感想いかんというお話でございますが、私は、憲法の規定に従いまして、国会多数の方の賛同を待て、総理大臣に指名されたものであります。(拍手)私は、その責任の重きをただただ恐れるというのが、私の心境でございます。 しかし、私は、自由民主党があの暮れの総選挙でああいう厳しい審判を受けた、あの審判の結果を静かに反省しないでいいかどうかといいますると、成田さんの御指摘のように、私は反省すべき点は多々ある、さように思います。 私は、自由民主党がこれまで国家のために貢献してきた、それはもう本当に自……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) ただいま質問を通じまして、竹入さんの、これからの日本社会を一体どういうふうに持っていくんだ、その構想について承ったわけであります。 昨年暮れの私とあなたとの間の党首会談におきまして、あなたは「福祉社会トータルプラン」という、この一冊の著述を私に下さいました。私も大体これを通覧いたしたわけでございますが、あなたの考え方は、これからの日本社会は、高度成長路線の単純な軌道修正であってはならない、成長政策を清算する、そして福祉経済路線に転換をする、もって生きがいのある社会の建設に転換するんだ、こういうようなことと理解いたしておりました。また、この労作を見まして、私は、そ……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 沢田さんにお答え申し上げます。 まず、税は公正を期すべきものであり、また、その機能についてこう考える、こういうお話でございますが、その御所見は私は賛成でございます。 税は、あくまでも公正を期すべきものであります。また同時に、税の機能というものは、財政の財源を調達するにある、同時に他面、所得再配分の機能というものを持っておるのです。また、景気調整の機能というものも持っておる。そういうものでありますので、税制の扱いは、これはあくまでも慎重でなければならぬ、かように考えます。御説のとおり、乏しきを憂えず、等しからざるを憂う、こういう姿勢で税制に取り組んでまいりたい、……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えをいたします。 新村さんは、地方自治は民主政治の根幹である、この地方自治が円滑に動くように行財政の合理化、また整備強化を図るべし、こういうような御意見でございますが、この点は私、全く同感でございます。政府といたしましても、今後、地方自治の合理化された発展のために、最善を尽くしてまいりたい、かように存ずる次第でございます。 ただ、新村さんは、私が施政方針演説で、時代の流れの変化に対応いたしまして地方自治団体も姿勢の転換をしなければならぬ、こういうことを申し上げたのですが、それを引用されまして、少しも今度の施策にそれが出ておらぬじゃないか、こういうことでござ……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 川口さんにお答え申し上げます。 私が財政法第四条をどういうふうに心得ておるか、こういうお尋ねでございますが、そもそも財政法は、これは健全財政を前提としておる立法だ、こういうふうに見ております。公債はなるべく出さぬがいい。しかし、出しても、その限度は建設公債の限度をもってする、こういうことを示しておるのが財政法第四条であります。 したがいまして、今日の事態は、財政法第四条の趣旨に合致している事態だとは申し上げられません。私どもは、ただ一つ、早く財政法第四条の趣旨にのっとった公債を発行するというのみに財政がおさまるようにその努力をなすべきである、かように考えており……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 低成長下において雇用政策をどういうふうにとり行っていくか、その基本的な考え方いかんということでございますが、申し上げるまでもございませんけれども、わが国がこれから歩む道は狭くかつ厳しいです。何といたしましても、資源有限時代である。その資源有限時代におきまして、わが国として最も大事な問題は、資源を安定的に確保する、この一点にある、こういうふうに思うのであります。そういうことを考えますと、わが国のこれからの経済政策、これはその成長をある程度低目にとるということが肝要である、こういうふうに考えるのであります。 しかし、低目と申しましても、余りこれ……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 沖繩復帰を前にいたしまして政府が公約した諸事項は一体今日どうなっているか、さようなお尋ねでございますが、復帰に際しましては、沖繩振興開発十カ年計画、これを実行するということを公約をいたし、これに基づきて鋭意政府は沖繩振興のために努力をいたしてきておるわけでありまして、その結果、公共の施設の整備なんかはかなり進んだ。また、県民の所縁も、石油ショックというようなああいう事態がありましたものの、かなり水準が向上した、こういうふうに見ております。 しかし、今日沖繩の状態が所期したような状態であるかというと、私はそうじゃないと思います。今後一層沖繩の……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 今次の日ソ漁業交渉は、ソ連が三月一日から二百海里漁業専管水域を実施するという、きわめて厳しい情勢の中で行われております。 北洋漁場は、ただいまの院議にもありますように、わが国漁業にとってきわめて重要な漁場となっているだけでなく、国民たん白食料供給においても大きな役割りを果たしております。 政府といたしましては、このような北洋漁場の重要性を深く認識し、ただいまの院議の御趣旨を十分尊重して、北洋漁場におけるわが国の伝統的漁獲実績と安全かつ円滑な操業の確保に全力を尽くす所存でございます。(拍手)
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 領海法案につきまして、その趣旨を説明申し上げます。 近年、わが国近海における外国の大型漁船の本格的操業により、わが国の沿岸漁業は、漁船、漁具の被害の頻発、操業の制約等重大な影響をこうむりつつあります。政府は、これら沿岸漁業者の切実な要望にこたえまして、領海十二海里問題につきまして、国連海洋法会議の動向をも勘案しつつ、鋭意検討を重ねてきたところであります。 今日、世界で、領海十二海里を設定しておる国は六十カ国近くに上り、国連海洋法会議におきましても、いわゆる国際海峡の通航制度等との関連で論議はありますが、領海の幅を十二海里までとすること自体について異論を唱える国……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 国鉄財政が悪化したその原因いかん、また、その間、私の責任はどうか、こういうようなお尋ねでございますが、国鉄が、財政が悪化した、これは申し上げるまでもございませんけれども、自動車化時代、そういう時代の到来、また、航空機時代の到来、それによりまして国鉄輸送力に対する需要の減退、これが基本だと思うのです。 それに対して政府の対応はどうだったかというと、私は、政府もずいぶん努力したと思います。しかし、その努力が十分であったかどうかという点になりますると、これは反省するところもある、かように考えております。しかし、今日のような状態になった国鉄の財政を、これを放置することは……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 健康保険制度にはいろいろ問題があるが、とにかく今回の政府提案はこれを即時撤回すべし、明確に答えよ、こういうお話でありますが、明確にお答えいたします。これは撤回いたしません。 御指摘のように、医療保険制度にはいろいろな問題があるのです。なかなかむずかしい問題でありまするが、特に政府管掌健康保険、またその他相当数の健康保険組合におきましては、財政状態は非常な窮迫である。この状態を放置いたしておきますると制度の運営にも支障を生ずる、こういうような状態でありますので、今回の提案は、国民に対して若干の負担の増加をお願いをするということになりますが、……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えをいたします。 中小企業事業分野問題についての基本的な認識はどうかと、こういうお話でございますが、自由経済体制の国の社会におきましては、これは大企業、中小企業、これらが調整がとれた形で相協力し、競争し合う、こういうことが大事であろう、こういうふうに思うのであります。 ところが、必ずしもそういううまい協調関係がとられておるという状態でもない事例が頻発するのであります。ことにこれから、高度成長時代は終わりまして、安定成長時代というような低い成長時代に入る、そういうような環境の中におきましては、これはやはり弱きを助け、強い者の行き過ぎを抑えるという配慮が特に必……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 上坂さんのお話を聞いておりますと、どうも原子力発電を停止すべしというような御意見でありますが、これは私は世界の大勢に反すると思うのです。やはりいま石油にかわる有効なエネルギー源と言えば、当面はもう原子力しかない。特に石油資源をほとんど持たないというわが国とすると、この原子力発電を全力を挙げて開発していくのだ、これ以外にわが国の生きる道はないと思うのです。 そういう意味におきまして、私は、上坂さんが御指摘されるように安全性、このことはどうしたって気をつけなければならぬ、また、安全性に保証があるというような状態でなければならぬ、こういうことで、安全性の確保につきまし……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) この当面する日ソ漁業問題につきましては、政府は、領土は領土、漁業は漁業、こういう立場で毅然として対処しておりますが、ただいま新盛さんから大変力強い御激励をいただきましてありがとうございました。感謝申し上げます。 いまお話がありましたが、この問題は非常に重要な問題です。そこで、それが妥当である、有効であるということでありますれば、私はすぐにでもモスコーまで飛んでいく、そういう心構えであります。ただ、この問題は、私やあるいはまた私の代理としての外務大臣、そういう立場の者が漁業交渉のこの際にモスコーにも乗り込む、こういうことになりますと、どうしたってこれはもう領土問題……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 今回の外務委員会の決定は、これはいわゆる強行採決である、自由民主党総裁としてどういうふうに考えるかというお話でございますが、この採決は、私への報告によりますれば、合法的に行われておる、国会法に違反するところはない、しかもわが自由民主党一党だけではない、かように理解をしておるのでありまして、私の理解するところにおきましては、これは強行採決ではありません。(拍手) 私はかねて申し上げておるのでありますが、国会の運営は私が申し上げておるどおり、「協調と連帯」、この精神でやっていっていただくべきものである、かように考えるのであります。私は、国会でありまするから議論がある……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 この協定は、日韓癒着の疑惑でありますとかあるいは近隣関係を損なうとか、いろいろ問題がある、そういうのになぜ政府は協定成立を急ぐのか、こういう御質問でございますが、日韓関係は、とにかくわが国としてみますれば、非常に重要な関係でございます。もう一衣帯水、わが国に最も近い国は韓国である。その韓国との間に緊密な関係が生ずるということは、これはもう当然のことでございます。そこに不正があってはならぬ、このようなことから、私どもは不正のないようには、これは格別な配慮はいたしまするけれども、日韓関係が緊密になる、これは当然のことである、こういうふうに理解願……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えいたします。 政府のエネルギー戦略はどうかというお尋ねでございますが、いま、石油エネルギー時代でございます。戦略の最大のものは安定した石油の供給を確保することである、かように存じまして、そのような方向の外交を展開しているわけであります。同時に、いま石油の供給がアラビアに偏っておる、これを供給先を多角化する必要がある、さように考えまして、そのための努力をいたしております。 また、わが国の近辺におきましてこの供給源を求めるということができればこんな幸せなことはない、さようなことから、日韓大陸棚協定の成立に情熱を燃やしておる、かような状態でございます。(拍手)……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) ただいまの御決議につきましては、政府といたしまして十分これを尊重し、可能な限り今後の予算の編成及び執行に反映させ、その改善、充実を図ってまいりたいと存じます。(拍手)
【次の発言】 農村機械化の弊害につきまして御指摘でございますが、いまの世の中は挙げて機械化時代であります。農村だけが機械化時代から置き去りにされていい、こういうふうには私は、農村自体で考えておらぬと思うのです。やはり適当な機械化の導入ということが、これは農村のために必要である。ただ、そのためにいろいろ弊害がある。弊害があるという側面は生じておりまするが、その弊害の是正につきましては、政府といたしまし……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 有馬さんにお答えする前に、ただいま鳩山外務大臣から日ソ漁業暫定協定の要旨につきまして御説明いたしましたが、あのような結果になりましたことは、これひとえに超党派で各党各派の皆さんから御支援、御協力を賜ったそのたまものであると、私はここに謹んで皆さんに御礼を申し上げます。(拍手) 有馬さんは、今次の協定によりまして、領土問題で譲歩したのじゃないか、あるいは領土問題に関するわが方の立場は守られておらないという疑いもあるのじゃあるまいかというようなお気持ちをもちまして、私の意見を確かめるということでございまするが、これはいま外務大臣から御説明申し上げましたように、暫定協……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 第八十一回国会が開かれるに当たりまして、所信の一端を申し述べたいと存じます。 私は、今回の参議院議員通常選挙で示されました国民の期待と願望を正しく、また、謙虚に受けとめ、国政の進路に誤りなきを期し、ここに心を新たにして、さらに真剣な努力を続けたいと存じます。(拍手) 内外の諸情勢はなお厳しいものがあります。政府はこれに柔軟に対処し、機敏に行動し、国民の皆さんの期待と信頼にこたえるよう全力を傾けてまいります。 当面する最大の課題は、経済運営の問題であります。 最近のわが国の経済情勢を見ますと、政府投資が増加し、輸出も、その伸びがやや鈍化しているとはいえ、引き……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 各般の問題につきまして、お答え申し上げます。 まず、安井さんは、今度の参議院議員選挙の結果をどうとらえておるかと、こういう私の認識についてお尋ねでございます。 安井さんのお気に召すようなお答えをすることはできませんが、今度の参議院選挙の国民の審判、これはやはり私は、自由民主党を中心とする政局の安定を国民が期待した、かように考えておるのであります。(拍手) 私は、選挙中も精力的に全国を駆けめぐった、そして、全国国民がどういうことを考えているかということをこのはだに感じてきたわけでございますが、やはり国民は、いわゆる保革逆転だとか連合政権論争だとか、いろいろある……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 第八十二回国会が開かれるに当たりまして、所信の一端を申し述べます。 最初に、御報告申し上げたいことがあります。それは、今回の日航機ハイジャック事件についてであります。 政府は、犯人たちの不法な要求に屈することが、法秩序に重大な影響を与えることを深く憂慮し、あらゆる手段を尽くして解決に努めてまいりましたが、事態の推移にかんがみ、百四十余名の人質の生命を守るために、やむを得ず、原則的にその要求に応ずることを決定いたしました。 これは、緊急異常な事態に対処するための異例の措置でありましたが、法治国家として、このような措置をとらざるを得なかったことはまことに断腸の思……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 高沢さんにお答え申し上げます。 高沢さんは、今日の経済、これは私どもの考え方の基本が悪いのだからもとからこれを直せ、こうおっしゃいますが、具体的にどうするのだというお考えは示されておりません。 しかし、私は、いまどなたがどうやりましても、この混乱した世界情勢のもとでの一つ一つの国々の経済運営というものは容易ならざるものがある。しかし、そういう中で、わが国の経済は、申し上げるまでもありませんけれども、世界先進国の中で際立った回復基調を示しておるのであります。もう昨年度すでに五・八%成長というものを実現しておるのです。世界最高の水準です。物価はどうかといいますれば……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 一昨年のクアラルンプール事件以後どういう努力をしたか、こういうことでございますが、出入国の管理規制の強化、それから国際不法活動防止のための国際協力の強化、ゲリラ組織等の解明調査、それから刑務所における関係収容者に関する情報の収集、管理体制の整備、それから在外公館における取り締まりの強化などを進めてきたわけでありますが、その対策の十分でないままにまた今回の事件となった、こういうのが実情でございます。 問題は、本当に今回の事件を教訓といたしまして、再びこのような事件を起こさないということを必ずやってのけなければならぬ、このことにあると思うので……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 新しい年を迎え、第八十四回国会が再開されるに当たりまして、施政の基本方針を申し述べ、国民の皆様の御理解と御協力を得たいと存じます。 ちょうど一年前、私は、この壇上から、世界はいま、歴史始まって以来の転換期に直面していることを強調し、この難局に処するための行動原理は、協調と連帯にあると申し述べました。この一年の国の内外の動きを見て、私はいよいよその感を深うするものでございます。 今日、世界の各国が当面している資源・エネルギー問題、南北問題、海洋問題、さらに通商上の摩擦の増大、国際通貨の不安定、失業問題など、そのいずれをとりましても、一国が単独で処理し得るものはな……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 北山さんから、政府の経済政策は全く失敗ばかり、失敗の連続であるかのごとき御意見を交えての御質問でございましたが、率直に申し上げまして、それは失敗もありました。しかし、大きな成功をおさめた面もあるのであります。(拍手) まあ、失敗と申しますれば、私は昨年に問題があると思う。昨年のあの国際収支、これはああいうような状態の動きにはまさかなるまい、こういうふうに思い、内外に対しまして、経常収支は大幅にこれを縮減するということを宣言をいたしまして、経済運営のスタートを切ったわけです。ところが、どうも輸出の勢いというものがなかなか盛んでありまして、こ……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えします。 まず、ソ連の人工衛星落下事故についてでありますが、本件の人工衛星に異常が生じ、二十四日ごろ、大気圏に突入する可能性が強いこと、及び同人工衛星には、小型原子炉を搭載しておるという事実については、先週の後半に米国政府から、在京米大使館を通じまして外務省に通報があったわけであります。 政府といたしましては、本件人工衛星がわが国に落下する確率がきわめて低く、無用の不安と混乱を避けるため、本件情報を特に明らかにしなかった次第でありますが、これはアメリカの方でも公表しなかったのです。政府部内におきましては、万一の事態に備え、所要の準備をするとともに、逐一関……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げます。 まず、不公平税制でございますが、この不公平税制と世に言われているもの、そういうような制度につきましては、これを逐次是正していかなければならない。制度ばかりじゃありません。私は、その執行面、そこにおきましても不公平があっては相ならぬ、このように考えておりまするし、また、この問題につきましては、昨年の国会におきまして、五十二年度予算案の論議におきまして、与野党の幹事長・書記長会談が持たれた。その際、五十三年度予算におきましてはこの問題を処理すべきである、こういう決定がなされ、政府におきましてもこれを尊重すると申し上げてきたことは、私はよく記憶……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 まず、明年度の経済成長七%は達成できるのかどうか、このようなお話でございますが、この七%成長というのは、これは内外の期待するところであります。私はその内外の期待にこたえまして、責任をもってこれが実現に当たるべく全力を傾倒したい、このように考えておるわけであります。 ところで、来年度の経済展望はどうなるかといいますと、御承知のような国際経済環境でありますので、輸出に多くを期待するわけにはまいりません。また、設備過剰ということが今回の不況の中軸をなしておることから考えまして、設備投資にこれまた多くを期待するわけにはいかぬ。そこで、どうして七%……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 まず、今回の政府提案はどうも時局が要求しているものでなくて、むしろそれに逆行するような性格のものじゃないか、こういうような御意見を交えての御質問でございますが、私は、今日、どういうことが経済政策として要請されておるかということを考える場合におきまして、正しく今日の経済状態というものを分析してみなければいかぬと思うのです。 私は、一般的に言いますと、わが国はいま設備過剰の企業、これが非常に多いという状態である。それに対しましては需要を創出するという考え方をとらなければならぬ。そこで、五十三年度予算におきましても御審議をお願いいたしております……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 財政が非常にむずかしいことになってしまったが、さてその再建をどうするんだ、こういうお話でございますが、これは財政の背景にはどうしても経済があるのです。経済が再建されませんと、財政の再建はできません。私は、何よりもまず経済を再建しなければならぬ、そういう考え方であり、経済再建を考える場合におきまして、さてどうするかということになると、もう輸出は余り期待することができないでしょう。また、設備過剰、これは今日の経済不況の実態である、そういうことから思いまするときに、製造業の設備投資が期待される、そういう状態ではありません。そうすると、どうしても財……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 今日の林業が大変危機的状態になってきておる、その責任はきわめて重大であるが、どう考えるのか、このようなお話でございます。 確かに戦後国民の住宅需要は増大いたしました。木材需要が急増する反面、国産材の供給だけでは間に合わないというので、外材にその供給を依存するというようなことが多くなってきたわけでありますが、これが一つの問題になってきておる。それからまた、御承知のように、経済が急角度で変転をいたしております。つまり、高度成長時代から低成長時代に入ってきておる。そういうようなことで木材の需給が緩和基調に入ってきておる。この二つが大きな理由とな……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 井上さんは、千葉県二区選出、まさに地元代議士と言って差し支えないかと思うのであります。そういう立場で成田空港問題、これをずっと直にその目でながめてきておられる。また直にはだでその推移を感じとってきておられる。その井上さんからいま地元選出の代議士としての実感に満ち満ちたお話を承りまして、私、感慨ひとしおなるものを覚えるのであります。 私は、いま御指摘がありましたように、内閣を組織いたしましてから一年三ヵ月になるわけでございまするけれども、内閣組織の当初から、成田空港を早期に開港しなければいかぬということを決意したのであります。 なぜ、そう……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 核に対する国民感情をどういうふうに受けとめておるか、このような御質問でございまするが、わが国は、核につきまして、世界でただ一つの犠牲となったわけであります。そういうことで、核に対する国民感情は、わが国におきましては世界でも格別なものがある、こういうふうに理解をいたしております。 しかしながら、核はこれを平和的に利用をしなきゃならぬという世界の大勢である。石油中心の時代、これが大変細くなってきた。それがまた、場合によりましたならば終わるかもしれない。そういう際に、それにかわって核平和利用、これが世界の大勢となろうとしておるのであります。 わが国といたしましては、……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 エネルギー事情が非常に窮屈になってきておる、そういう中で政府のエネルギー政策は余り有効に機能しておらぬ、そういうような御指摘でございますが、私は、かねて、数年前から、世界情勢が非常に変わってきた、つまり資源・エネルギー有限時代に入ってきたということを強調をいたしておるわけであります。内閣を組織いたしてからも、この考え方に立ちまして、従来のようないわゆる高度成長というような考え方ではとうていやっていけない、わが国はいわゆる安定成長路線に思い切って転換をしなければならぬということを強調し、その路線に従いまして経済運営をいたしておるわけであります……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。 いま、この深刻な経済状態から脱却をする、その方策といたしましては減税のような一時的な措置でなくて、もっと長期的な立場に立ってこの問題に対処しなければならないじゃないかという御所見であり、御質問でございますが、私は、その御所見に全く同感でございます。 今日のわが国の経済というものは、単なる景気の循環現象じゃございません。これは、世界が資源無限時代から資源有限時代へ突入する、その転換期の苦悶の象徴、これが今日の経済情勢である、そのように受け取っておるわけであります。そういう認識の上に立ちまして、ただいま政府は一体どういうことをするかということ……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げます。 ただいま御質問の中で、民主主義を憂い、法秩序を守る、その決意を秘められての御所見、私の考え方と全く同じでありまして、その御見識に対しまして心から敬意を表します。(拍手) 法秩序が厳正に維持されることは、民主主義法治国家存立のための必要最小限度の条件であります。暴力をもって法秩序を破壊しようとする者に対しましては、国民各位の理解と協力のもとに断固たる態度をもって臨む所存でございます。 こういう考え方に基づきまして、第一には、このような破壊行動に対しましてはその検挙、取り締まりを徹底させる。これが第一。第二には、迅速、厳正な刑罰の実現を図……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 馬場さんにお答え申し上げます。 今回の日ソ漁業交渉の結果をどういうふうに評価するか、そのようなお尋ねでございますが、例によりましてソビエトの態度は非常に厳しい。その結果、希望するような数量、漁獲区域、そういうふうにはまいりませんでした。その点はまことに残念に思います。しかし、五年間にわたって安定した操業ができる。もとよりその年々の具体的な措置についての相談の結果でございまするけれども、そのような基本協定ができましたことは、これは評価していただきたい、このように考える次第でございます。 次に、私の政治に対する価値基準は何かというむずかしいお尋ねでございますが、私……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 苦悩に満ちた農林水産業、これにいかに対応するか、こういうお話でございますが、確かに、いま、日本の農林水産業は非常にむずかしい段階であります。つまり、農業部面においては米の生産過剰、こういうむずかしい問題がある。また、漁業におきましては、二百海里時代の到来という問題があるわけであります。しかし、農林水産業は、国家、国民の存立の基盤である食糧の確保、こういう重大な任務があると同時に、国土、環境の保全、地域社会の形成、そういう重大な使命も持っておる問題でございます。 そういうような見地から、今後とも食糧の総合的な自給力の向上を図る、これはもちろんでございますが、国政の……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 訪米報告を行います。 さて、私は、カーター大統領との会談のため、四月三十日から五月七日まで米国を訪問いたしました。 この訪問中、私は、カーター大統領との会談を行ったほか、ワシントンでは、米国議会の指導者や経済閣僚とも懇談をいたしました。また別途、園田外務大臣・バンス国務長官、それから牛場対外経済担当大臣・ストラウス大使間の個別会談も行われた次第でございます。さらにニューヨークでは、私は、米財界人と懇談し、また、日本協会、外交政策協会共催の午さん会に出席いたしまして、日米関係の現状及び将来について演説を行いました。 これらを通じまして、今回の訪米は、日米友好協……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げます。 憲法第九十二条に規定している地方自治の本旨につきまして、その理念と内容はどうだ、どう認識しているか、このような御質問でございますが、私は、憲法第九十二条に規定する地方自治の本旨とは、地方公共団体の自主性、自律性、それが十分発揮できるように地方自治の制度を決め、またそのように運営すべきもの、そのように理解をいたしております。 新村さんは、どうも地方自治が形骸化しておるという御指摘でございまするが、しかし、地方自治三十年余りの歴史を経てまいりまして、わが国の地方自治は一応定着したと私は考えておるのであります。今後とも地方自治の理念に十分配意……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) 第八十五回国会が開かれるに当たりまして、所信の一端を申し述べたいと存じます。 日本国と中華人民共和国との間の平和友好条約は、去る八月十二日、北京において署名調印されました。 日中両国の関係は、歴史的に幾多の変遷をたどってまいりましたが、このたび、互恵平等の精神に基づいた両国間の長期的な友好親善関係の基礎固めができたことは、きわめて意義深いことと存じます。(拍手) 日中両国が高い立場に立って、双方の満足のいく結果を得たことは、御同慶にたえません。国民の皆様と喜びをともにいたしたいと存ずるのであります。 日中条約が調印に至るまでの間、国民各界各層から多くの関心……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げます。 私が全方位平和外交と言うならば、まず日米安保条約を廃棄すべきではあるまいか、このようなお話でございます。 御了承のとおり、わが国は今日世界の経済大国と言われる国にまでなってきたわけであります。古今東西の歴史を見ますれば、経済大国は必ず軍事大国になった。ところが、わが国は、この歴史を覆しまして、経済大国にはなりましたけれども軍事大国にはならないという選択をし、決意をいたしておるわけであります。そういうためには、強大な軍事力を持たないわが国は、わが国の安全を守る、その点には一体何をすべきかといいますれば、世界のいずれの国とも友好親善の関係を……
○内閣総理大臣(福田赳夫君) お答えを申し上げます。 日中平和友好条約が調印になったわけでありますが、これは調印になったというだけでも大変な意義がありまするけれども、これをまたスタートといたしまして、日中間の諸関係を大きく前進していくということにまた重要な一点がある、このように考えております。 そういう意味におきまして、いまお話しの貿易問題あるいは文化の問題、そういう問題についての交流も必要でありまするし、また同時に、私は、これから技術交流、これが非常に大事な問題になってきはしないか、さように考えております。調印が済みましてから、政府といたしましては、河本通産大臣を北京に派遣いたしまして、……
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