大平正芳衆議院議員の在職時の本会議での質疑や答弁などの発言についてまとめています。発言回数、発言文字数、発言時の役職、立場、各発言の冒頭部分の内容の一覧が掲載されています。
委員会や各種会議での発言等については委員会統計/発言一覧のページを参照してください。
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※「発言」は発言が記録された本会議の数、「文字数」は発言として記録された文字の総数を示しています。
※「議会役職」は議長、副議長など国会の役職、「政府役職」は大臣などの内閣、政府関係の役職が記録に付されていた場合を集計し、「非役職」は議会役職、政府役職いずれでもない場合を集計しています。
※国会会期は各選挙期中で最初にその役職での発言が記録された会期を示しています。
○大平正芳君 私は、ただいま上程せられました昭和二十九年度の年末賞与に対する所得税の臨時特例に関する法律案に対し、自由党を代表して、原案に反対、委員長報告に賛成の討論を述べんとするものであります。 両派社会党は、去る臨時国会におきまして、補正予算案の成立前、すでに年末賞与二万円以下を免税にせんとする法律案をわれわれに提示し参つたのであります。われわれは、これに対し、かかる措置は給与所得者中独身者のみに対し不当な税法上の恩典を与え、真に生計の電圧に苦しむ家族持ちの階層を全然顧みるところのない、衆愚におもねる一夜づけの提案であるとして、これをしりぞけたのであります。われわれの反対あうや、両派社会……
○大平正芳君 私は、自由党を代表いたしまして、ただいま議題となりました所得税法を改正する案件外二件に関する委員長の報告に対し、賛成の討論を行わんとするものであります。 政府今次の税制改正案は、自由党内閣時代の税制調査会の答申の線に沿いつつ、主として低額所得者の課税軽減、資本の蓄積に対する税制上の保護を発展せしめたものでありまして、いわば自由党内閣の租税政策の大体を踏襲したものと言うことができます。 民主党内閣は、組閣以来、その施政に、自由党のやり方に対する反対テーゼを打ち出したい、あるいは少くとも若干の新味を織り込みたいという焦燥にかられて、相当の苦心を重ねられた形跡が見られるのであります……
○大平正芳君 ただいま議題となりました三法案につきまして、内閣委員会における審議の経過並びに結果を簡単に御報告申し上げます。 まず、一般職の職員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。 本案は、委員会付託に先だって、去る三月十四日本会議に上程、政府より提案理由の説明があり、質疑応答が重ねられたものであって、その内容はきわめて複雑かつ精密なものでありますが、その本旨とするところは、昨年七月十六日になされた人事院勧告の趣旨にかんがみ、一般職の職員の俸給制度を職務の特性に応ずるように改正すると同時に、新制度への切りかえに当って必要な調整措置を講じようとするものであります。そ……
○大平正芳君 ただいま議題となりました市町村立学校職員給与負担法の一部を改正する法律案につきまして、その要旨並びに文教委員会における審議の経過を申し上げます。 本案は、市町村の設置する定時制高等学校の校長、教諭等の給料その他の給与が、現行法第二条の規定に基づいて都道府県の負担となっているのを、今回、政令で特に指定するものについては、その設置者たる当該市町村が負担することに改めるとともに、これに関する身分の取り扱い及び在職期間の通算等、必要な経過措置を規定するものであります。 本案は、去る第三十一回国会において、臼井莊一君外八名から提出せられ、以来継続し、今国会においては、去る十月二十六日当……
○大平正芳君 ただいま議題になりました公立学校の学校医の公務災害補償に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由とその内容を御説明申し上げます。 本案は衆議院文教委員会提案の法律案でございまして、その趣旨とするところは、従来公立学校の学校医だけに適用されていた公務災害補償を、学校歯科医、学校薬剤師にもこれを適用しようとするものであります。 去る第二十六回国会において、公立学校の学校医の公務災害補償に関する法律が制定せられ、公立学校の学校医が公務上の災害を受けた場合には公費負担による適切な補償の道が講ぜられることになったのであります。その後、第二十八回国会におきまして学校保健法……
○大平正芳君 ただいま議題となりました国立学校設置法の一部を改正する法律案につき、文教委員会における審議の経過と結果について御報告申し上げます。 まず、改正案の内容でありますが、第一は、新たに京都大学に薬学部を、岡山大学に工学部を、それぞれ設置することであります。第二は、北見工業短期大学を新設するとともに、夜間に授業を行なうものとして、新たに室蘭工業大学に室蘭工業短期大学部を、香川大学に香川商業短期大学部を、それぞれ併設することでありまするそのほか、若干の旧制の医科大学の廃止に伴い、これに関する規定を整理するとともに、国立学校における授業料等の免除及び猶予について法定しようとするものでありま……
○大平正芳君 ただいま議題となりました、内閣提出にかかる、高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案につきまして、文教委員会における審議の経過及びその結果を御報告申し上げます。 本案は、定時制教育または通信教育の複雑性、困難性にかんがみ、一、国立高等学校で定時制の課程を置くもの、または通信教育を行なうものの校長及び教員に対し、俸給月額の百分の七に相当する定時制通信教育手当を支給すること、ただし、俸給の特別調整額、いわゆる管理職手当を受ける者については若干これを制限し、百分の五をこえない範囲内で、文部大臣が定める割合に従って支給すること、二、公立高等学校の校長及び教員の定時制……
○国務大臣(大平正芳君) 国連外交につきまして傾聴に値する御意見を拝聴いたしたのでございますが、敵国条項につきましては、その削除に私どもも賛成でございます。ただし、信託統治制度につきましては、地域が狭く、かつ人口が少ないといえども、その地域が独立をするとか、あるいは自治を享受するとかいう段階に至るまで、ただいまの憲章の条章は必要かと思いますので、直ちに削除するというわけには参らないのではないかと思うのでございます。しかし、いずれにいたしましても、かりに削除するといたしましても、先ほど総理が申し上げました通り、全体会議を開くという景況にならなければ実現が不可能でございますので、各国の出方を十分注……
○国務大臣(大平正芳君) お尋ねの日韓交渉の経過でございますが、八月に予備折衝を再開いたしましてから、客観的に正常化への機運も高まって参りまして、正常化の前途に横たわりまする各種の懸案につきまして、ようやく交渉らしい段階に入ったという感じでございまして、目下せっかく努力中でございます。 対日請求権は法律的なものに限るべきで、つかみ金的なものはいけないじゃないか、こういう御質問でございました。ごもっともでございまするが、法律論をやる前の事実関係の捕捉が不可能または不可能に近いものが多いわけでございまして、私どもは交渉をまとめて参る上から申しまして、必ずしも純然たる法律論だけにこだわるというわけ……
○国務大臣(大平正芳君) 今日の世界情勢は、キューバをめぐる危機の発生と、その収拾を契機といたしまして、一つの大きな転機を迎えたと思います。そしてそれは、世界政治の指導的立場にある諸国家が、世界平和の維持に決定的な責任を持っておることを立証いたしますとともに、すべての国々が平和的手段により国際紛争を解決する精神に、より深く徹することの重要性を示唆するものであると思います。さらに、今後、世界が平和を維持しつつ、その調和ある発展と繁栄を遂げるためには、各国が、それぞれ、国際社会の一員として、その分に応じ、広い基盤にわたって、国際的協力を積極的に推進する必要のあることは申すまでもございません。 わ……
○国務大臣(大平正芳君) 外交上の質問につきましては、あらかた総理からお答えがございました。一、二の点を補足させていただきます。 日韓交渉につきまして、私と金鍾泌氏が昨秋二回会いましたことは事実でございます。これは現在日韓間にございまする予備交渉の側面的な協力をいたしたわけでございまして、そこで到達した理解というものは、予備交渉にあげまして討議し処理するという手順にいたしております。金氏と私の間に合意文書はございません。もとより書簡の交換はございましたが、これは相手方の同意を得ずに公表するということは、外交上の慣例に反しますので、御遠慮させていただきたいと思います。(拍手)
○国務大臣(大平正芳君) 西村議員のおっしゃる通り、日韓交渉にあたりましては、条約の内容が大事だという仰せでございました。私もその通りに心得ております。 懸案の一括解決の基本方針につきましては、今、総理が申し上げた通りでございまして、いつも内外にその方針を公表いたしております。 請求権を先に片づけて、漁業問題とか竹島問題をあとにしたのはどうかという御疑問でございますが、懸案の一括解決という基本方針は御了承いただいた通りでございまして、この一括解決の最終時点にならなければ一切の懸案は片づかないわけでございます。ただいま私どもがやっておりますことは、最終時点における最終解決の場合の素材をどうし……
○国務大臣(大平正芳君) 御指摘のように、アメリカの海上は、世界的に慣行化いたしておりまする海運同盟の盟外船に対する対抗手段の使用を制限または禁止いたしております。これはもとより国際慣行に違反しますので、国務省を通じまして、かかる立法の再検討方を再三交渉して参りました。一昨年の十月に成立いたしましたボナー法では、御承知のように、二重運賃制が認められましたが、しかし、依然としてかなりの制限がございまするし、国際的な海上運賃に対する米国政府の干渉を可能にする規定もあります。従いまして、御指摘のように、欧州各国と協力いたしまして、こういう事態の改善方に最善の努力をいたしたいと思います。(拍手)
○国務大臣(大平正芳君) お答えいたします。 綿製品問題のただいまの段階は、アメリカ側から第一次の提案がございまして、長期協定との関係、そこに提示されてある数字の積算の根拠等を、今両国の間で煮詰めておる段階でございまして、まだこの問題について是非の断案を下す段階ではないと思っております。私どもといたしましては、今加藤さんが御指摘されましたように、わが国の綿製品の先方の消費に占める割合、あるいはただいままで数年にわたる自主規制を忠実に守ってきた等の事情は、十分先方に訴えてございまして、ただ、長期協定が本年度から第一年度に入っておりますので、協定の解釈上、彼此の間に見解の相違がございますので、今……
○国務大臣(大平正芳君) 第一点の自主外交につきましては、私は内外のいずれの圧力にも屈することなく、友情と誠実を旨といたしまして外交に当たっておるものでございます。隣国である韓国に友情と理解を持つことができなくて、はたして他のアジアの新興諸国の友情にこたえることができるでございましょうか。(拍手)私は、常にその点を念慮に置きまして、外交に当たっておるものでございます。 韓国の政情につきましては、とかくの評価がございますけれども、軍事政権が内外に公約いたしました民政移管の方向に苦悶を重ねておるものと私どもは見ておるわけでございまして、今総理が言われました通り、友情と理解を持ち続けなければならな……
○国務大臣(大平正芳君) 海外移住事業団法案につきまして、その趣旨を御説明いたします。 政府は、従来から、海外移住の重要性にかんがみ、戦後昭和二十七年に海外移住が再開されて以来、ボリビア、パラグァイ、ブラジル、アルゼンチンの諸国との間に移住協定を締結するなど、木邦人の海外移住の道を広げることに努めるとともに、諸種の総合的な施策を行ない、移住者の援助、指導その他海外移住の振興、助成に努めて参りました結果、昨年末までに政府から渡航費貸付を受けて渡航した移住者は、ブラジルに約四万四千人、パラグァイに六千人、ボリビアに一千五百人等、合計約五万四千人に達しました。 この間においてわが国の経済は大幅に……
○国務大臣(大平正芳君) 朝海大使が国務省に対して手交いたしましたものは、通常外交関係にある国々が関心を持っておる問題につきましての情報の交換でございまして、その一環にすぎないわけでございまして、アメリカ側の指示を求めたというような性質のものでは絶対ございません。(拍手)
○国務大臣(大平正芳君) お尋ねの潜水艦の寄港問題につきまして、アメリカ側との折衝でございますが、前後四回にわたりまして情報の交換をいたしておるわけでございます。ただいままでのところ判明いたしましたことは、一つは、英、独、仏、フィリピン、豪州、台湾等の各港に百回以上寄港をいたしておりますが、安全性についての問題が起こったこともないし、海水汚染の事実も認められないということが第一点。第二点としては、アメリカ側は、原子力委員会、さらには専門技術機関によりまして厳重な審査を経たものでなければ運航を認めないということをやっておるということ。第三点といたしまして、ただいままで十回程度原子力潜水艦に事故が……
○国務大臣(大平正芳君) この法案におきましては、外国系企業に対しまして何ら差別的な取り扱いをいたしておりませんので、日米通商航海条約に違反しておるものと思いません。ただ、この運用にあたりましては、国際義務に違反しないよう戒心してまいるつもりでございます。(拍手)
○国務大臣(大平正芳君) 総理から基本的な問題の御答弁がございましたので、残余の問題につきましてお答えいたします。 大陸だな宣言の問題は、動植物、鉱物等に主権を行使する問題でございまして、各般の角度から検討すべき問題だと思いますので、ただいままで日本政府として態度はきめておりませんが、しかし、一応海洋自由の原則から見まして、われわれはこういう宣言には消極的な態度で終始してまいったわけでございます。なお今後検討を要する問題と心得ております。 それから、 コンブの安全操業の協定――民間協定でございまするが、おかげさまで先方の委員会と当方の水産会の間におきましてあらかた話がつきまして、ただ操業船……
○国務大臣(大平正芳君) 過剰性の圧力のもとにある中小企業の振興策についての所見でございますが、国内的には中小企業の提供するサービス、物資というもののマーケットを拡大しなければなりませんし、それを提供するものは国内の経済の成長であり、高度化であり、それを通じてもたらされます国民所得水準の向上であると思います。国際的には御指摘がございましたように、輸出の大半は中小企業の勤労の結晶でございまするし、したがいまして、輸出の振興、さらには経済協力の推進を通じまして、国際的にも中小企業の雄飛の場を提供しなければならぬということは、私どもの輸出振興政策ないしは経済外交の一番大事な目標でございまして、そうい……
○国務大臣(大平正芳君) 炭鉱離職者の海外移住につきましては、今日まで、ブラジル等に五百四十一家族、二千七百名の渡航が実現しておりまして、現地における営農等の成績はきわめて良好でございます。したがいまして、今後、私どもといたしましては、雇用促進事業団と協力いたしまして、訓練の充実等、ことしから増額になりました海外移住加算金の制度の運用によりまして、この促進に努力いたしたいと思います。(拍手)
○国務大臣(大平正芳君) 大学総長の任命についての拒否権の問題は、ただいま総理大臣からお話がありましたとおりと心得ております。 それから、私どもが管轄いたしておりまする大公使の任命と国立大学の総長の任命に何か相違がないかというお尋ねでございますが、認証行為そのものには変わりはないと思いますけれども、いま御指摘がありましたように、管理機関からの申し出を待たなければならないというような事情を考えますと、おのずからそこに相違があると心得ます。(拍手)
○国務大臣(大平正芳君) キューバ事件以後の国際情勢は、去る八月、米英ソ三国間に成立を見た部分的核実験停止条約に象徴されますように、緊張緩和の方向に動きつつあります。また、去る九月十七日に開会された国際連合第十八回総会におきましても、米ソ両国とも国際緊張緩和への姿勢を示し、かつてない協調的空気が見られるのであります。一方、数年前より中ソ間に醸成されつつありました不信と対立は、昨年来とみにその深刻さを露呈し、鉄の団結を誇ってきた共産圏毛、明らかに分極化の様相を深めつつあります。そしてこのことが、ソ連をして、その標榜するいわゆる平和共存政策を、一そう活発に展開せしめる要因になっておることも否定でき……
○国務大臣(大平正芳君) 昨年は、部分的核実験禁止条約をはじめとして、東西間における政治的交渉ないし接触が、ひんぱんかつ穏健となり、東西貿易もまた拡大の方向をたどり、いわゆる緊張の緩和が、世界の人心に一条の安堵と希望を与え始めた年でありました。この間にありまして、主導的な役割りを演じたケネディ米国大統領の不慮の死は、全世界に大きい悲しみと衝撃を与えたのでありますが、そのあとを継いだジョンソン大統領は、直ちにケネディ政策踏襲の決意と方針を明らかにする一方、フルシチョフ首相をはじめ世界の多くの指導者も、これを歓迎する態度に出ることによりまして、東西間の緊張緩和への主流的な動きは、一応そこなわれるこ……
○国務大臣(大平正芳君) 補足して御説明申し上げます。 日韓会談につきましての北鮮の取り扱いでございますが、たびたび申し上げておりますように、私どもは大韓民国が現に支配しておる領域の問題として取り扱っております。したがいまして、北鮮につきましては白紙の状態で臨んでおります。 それから、一昨年の末に大筋において合意を見ておりまする請求権三億ドル、二億ドルの根拠でございますが、これは前の通常国会におきましても御説明申し上げましたとおり、戦後二十年近くたちまして、物理的な証拠というものはだんだん散逸いたしておりまするし、また、かりにあるものにつきましても、それをどう評価するかにつきましての判断の……
○国務大臣(大平正芳君) OECDに対する御批判に対しましては、総理並びに宮澤国務大臣から御答弁がございました。ただ一点だけつけ加えさしていただきたいのは、最近OECDの機能はだんだん進化してまいりまして、ひとり経済の問題ばかりでなく、科学政策、観光政策、その他いろいろ機能が伸びておるということと、それからわが国はAAグループのメンバーでございますが、AAのメンバーであるという地位においてOECDのメンバーであるということが、AAのためであると私は考えております。 それからさらに、平岡さんは、OECD加盟によって非常に苦しい立場に立つ、できたら回避したいというお気持ちがあらわれておりましたが……
○国務大臣(大平正芳君) 経済協力開発機構条約の締結について国会の承認を求めるの件につき、その趣旨を御説明いたします。 経済協力開発機構、すなわちOECDは、戦後十三年にわたる活動を通じて貿易の自由化、通貨の交換性の回復及び欧州の経済復興に多大の貢献をした欧州経済協力機構、すなわちOEECを改組し、新たに米国及びカナダを加えて、一九六一年九月、その規模においても活動分野においても全く新たな機構として発足したものであります。同機構は、高度の経済成長、低開発国の経済援助及び貿易の拡大を基本的な目標として掲げ、現在西欧の二十カ国を加盟国として、経済、金融、貿易、科学技術、農業、漁業、海運、原子力、……
○国務大臣(大平正芳君) あらまし総理大臣から御答弁がございましたので、若干の補足にとどめさしていただきます。 北鮮帰還の問題につきましては、御案内のように、現存わが国におりまする在日朝鮮人は約六十万人でございまして、その三分の二はわが国でお生まれになった方々でございます。そのうち一万二、三千の方々が北鮮に郷里を持っておられる方々でございます。ところが、北鮮自由帰還の問題は、全国ほうはいとした運動として展開されておるのでございまするが、その墓参帰還の問題と運動の規模とを彼此勘案してみますと、この運動が異常な政治運動であるということに気がつくのでございます。(拍手)私どもは、事実を正確に踏まえ……
○国務大臣(大平正芳君) 私は、この機会に、日韓会談の経緯並びに現状の概要を御報告申し上げ、あわせて、木交渉をめぐる主たる論点につき、政府の見解を明らかにいたしたいと思います。 日韓間の諸懸案を解決し、国交を正常化することを目的とする両国間の会談は、昭和二十六年十月の予備会談に始まり、その後十二カ年余の長きにわたり幾多の曲折を経て断続的に続けられ、今日の第六次会談に及んでおります。この交渉が、このように長年月を要しつつも、いまなお妥結に至っていないことは、この交渉が、それ自体いかに至難な外交案件であるかを物語るものであると思います。しかしながら、その間相互の理解と信頼は漸次深まり、昭和三十六……
○国務大臣(大平正芳君) 本日、午後零時過ぎ、アメリカ大使館事務所の玄関において、外出されようとしたライシャワー駐日米国大使が一暴漢に襲われ、右ももに負傷するというきわめて不幸な事件が発生いたしました。大使は直ちに虎ノ門病院において所要の処置を受けられておりますが、幸いにして、現在までのところ、経過は良好のように承っております。 私は、政府を代表して、直ちに同大使を病院に見舞い、衷心より遺憾の意を表するとともに、武内駐米大使をして、米国政府に対し、深甚な遺憾の意を表明するよう訓令いたしました。 犯人は十九歳の一青年でありますが、直ちにその場で逮捕され、目下警察において取り調べ中であります。……
○国務大臣(大平正芳君) 御指摘のように、今回の不幸な事件についての米国大統領はじめ米国朝野の理解と同情はございまするが、われわれはみじんもこれに甘えるところがあってはならないと存じております。お話のように、政治と行政の倫理性と規律を高めまして、これによりまして、わが国の治安能力のみならず、わが国の国際信用全体の回復と向上にこたえるところがなければならないと存じております。(拍手)
【次の発言】 自由化されておる特定物資の輸入が急増いたしまして、国内の関連産業に損害を与えるおそれのある場合に、ガット十九条の御指摘の規定が適用になるわけでございますが、この場合にはガットの特恵を得る必要はないと考……
○国務大臣(大平正芳君) ジョンソン大統領並びにラスク長官からの弔意と見舞いの意を表しました電報の趣旨は、東東京都知事を通じまして、御遺族の方々、負傷者の方々に伝達いたしてございます。
それから、事故が起こりましてからの米国側の協力でございますが、七日午後二時から日米合同委員会の事故分科委員会を開催いたしまして、事故原因の究明、事故再発防止対策につきまして、鋭意合同で究明を続けておる状況でございまして、この状況、この調査を土台にいたしまして、あらゆる措置を講じてまいる決意でございます。(拍手)
【次の発言】 パイロットの心得ないしはエンジンの撤去の件につきましての措置でございますが、事故分科……
○国務大臣(大平正芳君) 査証手続の簡素化の点についての御指摘でございますが、まず、出先の在外公館におきましては、観光等のため短期滞在を目的とする外来者に対しましては、申請人の写真の提出を免除したり、また、申請人自身の出頭にかわるに、郵送によりまして申請を受け付けるというような簡素化の措置をはかっております。 なお、英、独、仏等、二十カ国との間にわが国は相互査証免除の取りきめを行なっておりまして、単純な入国目的の場合におきましては、無査証で入国を認める制度をとっておりますが、今後もこの線に沿いまして手続の簡素化を一そう進めてまいりたいと思います。(拍手)
○国務大臣(大平正芳君) 政府は、わが国が琉球諸島に対して潜在主権を有すること、琉球諸島住民は日本国民たる地位を有すること、及び琉球諸島に対する施政権は将来わが国に返還さるべきものであることにかんがみ、琉球諸島の経済開発と同島住民の安寧、福祉を増進するため、米国政府と協力して積極的な援助の努力を推進してまいりました。昭和三十六年六月、ワシントンで行なわれた池田・ケネディ会談においては、米国が琉球諸島住民の安寧、福祉の増進について一そう努力し、わが国がこの目的のため米国と引き続き協力することが確認されました。昭和三十七年三月、ケネディ大統領は、池田総理とのそのような了解に基づき琉球諸島に対する援……
○国務大臣(大平正芳君) 総理の御答弁を補足させていただきます。 経済援助をやるつもりかというお尋ねでございますが、経済援助をやるつもりはないわけでございまして、私どもが考えておりますのは、国交正常化前といえども、通常の経済交流はやって差しつかえないと考えておるわけでございます。未承認国との間におきましても今日わが国はやっておるわけでございまして、韓国はその例外でなければならないとは考えておりません。(拍手)
○大平正芳君 私は、自由民主党を代表いたしまして、わが国が当面せる若干の重要問題につきまして、政府の所信をただしたいと思います。 まず、核政策についてお尋ねいたします。 私は、核エネルギーの利用とその制御の問題が、好むと好まざるにかかわらず、これからの政治が取り組まねばならない最大の課題になるであろうと考えます。現実の政治が直接間接すでに核の影響下にあります。総理も、「今日の核時代をいかに生くべきかということがすべての国に共通した課題である」と言われております。そこで、まず、この問題との取り組み方を中心に政府の考えを伺いたいと思います。 現にわが国は、与野党の一致した支持を得て、核エネル……
○大平正芳君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ベトナムの和平をめぐるジョンソン声明を中心に、政府の所信をただしたいと思います。 三月三十一日の夜、ジョンソン米大統領は、ベトナム紛争の解決につき、これまでの政策を思い切って修正した新しい提案を行ないました。すなわち、それは、ベトナムの早期和平を促進するための第一歩として、北ベトナムに対する爆撃を、大幅に、一方的に、かつ即時に停止するという内容のものでありました。これは昨年九月のいわゆるサンアントニオ方式を越えた大胆な措置であります。しかも、ジョンソン大統領は、その提案と時を同じゅうして、次期大統領候補に指名を求めないし、また受ける意思もない……
○国務大臣(大平正芳君) 私にお尋ねがありました石炭政策につきましてお答えいたします。 御指摘のように、現在の石炭鉱業が、関係者の努力にかかわらず、経営が極度に悪化いたしまして、このまま放置できない状態にありますことはたいへん残念でございます。 その再建策といたしまして、国有化以外にはないでないかという御提案でございますが、私どもといたしましては、遺憾ながら賛成いたしかねます。と申しますのは、石炭産業の実態は、生産、財務、賃金、鉱害、その他まことにその格差が千姿万態ございまして、国有化、その他画一的な方式をそのまま当てはめていくには相当な無理がありますのみならず、行政の公正を期すことも困難……
○国務大臣(大平正芳君) 最初の御質問は中小企業対策でございますが、中小企業は、内におきましては、労働力の異常な不足、需要構造が非常に変わってまいりましたばかりでなく、外におきましては、後進国の漸次追い上げが続くというような状況のきびしい環境のもとで、これに適応する力を政府としてはつけるようにお助けをしなければならぬ責任があると思うのでございます。 そこで、先ほど大蔵大臣からもお話がありましたように、まず第一に、体質の改善のために思い切った金融の措置を講ずる。中小企業振興事業団ばかりでなく、政府関係金融機関全体を通じまして、相当ことしは思い切った融資をちょうだいいたしたのでございます。それか……
○国務大臣(大平正芳君) 武器輸出行政につきましてお答えいたします。 武器の輸出につきましては、総理大臣が仰せられたとおりの精神に基づきまして、華山議員が御指摘のように、三つの原則に抵触する場合は輸出を認めないことにいたしております。すなわち、共産圏諸国向けの場合、国連決議によりまして武器等の輸出が禁止されておる国に向けた場合、さらに、国際紛争の当事国またはその当事国になるおそれのある国に向けた場合、この三つの場合につきましては、輸出を承認しないことにいたしております。しかして、具体的なケースでこの三原則に抵触するかどうかの判断にあたりましては、外務省等と十分協議いたしまして慎重を期しており……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する御質疑は、特許制度の改善についてでございました。 技術の革新がたいへん早い速度で進んでおりまするし、御指摘のように、技術の輸入超過の傾向が顕著でございますので自主技術を開発する、そのために、現行の特許制度は急いで改善の要があるではないかという御指摘は、仰せのとおりでございます。これまで、私どもとしましては、審査官を増員いたしましたり、あるいは資料整備をいたしまして当たってまいりましたが、依然として審査、審判の滞りは著しく、その処理に要する期間もますます長期化を来たしておりますので、審判、審査の促進、技術早期公開ということを軸にいたしました改正案がようやくで……
○国務大臣(大平正芳君) 石炭鉱業再建整備臨時措置法の一部を改正する法律案、及び石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 わが国の石炭鉱業は、エネルギー革命の進展、自然条件の悪化、労働力需給の逼迫等によって、その経営基盤が著しく悪化し、きわめて憂慮すべき状況に置かれております。このため、政府は、昨年十二月の石炭鉱業審議会の答申の趣旨を十分尊重して、本年一月に、石炭対策に関する閣議決定を行ない、今後の対策の基本的方向を確立した次第であります。 この新しい石炭対策におきましては、わが国のエネルギーの安定的供給、雇用の安定、地域経済の発展など、国……
○国務大臣(大平正芳君) 中小企業基本法第八条に基づきまして、先般政府が国会に提出いたしました昭和四十三年度中小企業の動向に関する年次報告及び昭和四十四年度において講じようとする中小企業施策の概要を御説明申し上げます。 昭和四十二年から四十三年にかけて、わが国経済は景気調整下にもかかわらず、全体として拡大基調をたどり、中小企業の事業活動もこれまでの引き締め期に比べて順調な伸びを示しました。資金繰りもさしたる逼迫感のないままに推移し、設備投資も引き続き増勢の傾向をたどっております。しかし、この間、労働力の不足はますます進行し、中小企業の賃金は著しい上昇を示しており、他方、発展途上国の追い上げ、……
○国務大臣(大平正芳君) 有機水銀、カドミウムに対する流出規制が手ぬるいではないかという御質疑でございますが、有機水銀につきましては、去る二月三日、規制対象水域を拡大いたしまして、三月十三日には規制対象設備を追加いたしまして、排出規制を充実させることにいたしております。
カドミウムにつきましては、鉱山保安法によりまして、現に鋭意規制を行なっておる次第でございます。(拍手)
【次の発言】 公害に対する企業側の心がまえについての御質疑でございました。
ただいままで、私どもが企業家の公害に対する態度を見てまいりますと、すでにこれを与件として受けとめて、企業の経営に差しつかえない範囲において取り組……
○国務大臣(大平正芳君) 相次ぐ事故を起こしまして、責任者としてまことに申しわけなく存じております。 第一の御質疑は、能率の向上を急ぐあまり災害を起こしたのではないかということでございますが、ただいま災害の原因は究明中でございますけれども、私どもが見ますところ、能率の向上というよりは、ちょっとした不注意、手抜き等がかかる災害を結果したのではないかと見ておるのでございまして、問題は、保安体制の確立こそ最大の課題であろうと思います。 この意味におきまして、企業側に対しましては、保安に対する取り組み方をここで再確立をお願いしなければなりません。きのうも、午後一時、大手十六社の社長、中小炭鉱でつく……
○国務大臣(大平正芳君) ガス事業法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 家庭用エネルギーの需要は逐年増加の一途をたどっており、ガスは国民の日常生活に不可欠なエネルギーとして今後とも一そうその地位を高めてまいるものと考えられます。その過程におきまして、主要な供給源である都市ガス及び液化石油ガスは、それぞれその特性に応じた機能を果たしていくことが期待されます。 このうち、都市部において重要な役割りを果たす都市ガス事業につきましては、近時、石炭から石油への原料転換等に伴い、経済性の見地からガス発生設備等が高圧、大容量となりつつありますが、その反面において、事故発生の防……
○国務大臣(大平正芳君) 米国の繊維品輸入制限の動きは、わが国の繊維産業にとりましてまことに重大かつ深刻な問題でございます。したがいまして、今日まで、政府といたしましても、その阻止のため多大の努力を払ってまいりましたが、ただいま議決されました御決議の趣旨を十分に尊重いたしまして、今後とも、なお一そうの努力を傾けて、所期の目的を達成するようにいたしたいと考えております。(拍手)
○国務大臣(大平正芳君) 貿易の自由化、自動車その他の資本の自由化に対する対策についての御指摘でございましたが、わが国も経済の国際化に即応いたしまして、自由化の方向に歩を進めておりますことは御案内のとおりでございまして、わが国の産業の対応力の整備と相まちまして、漸次自由化を進めてまいる方針でございます。 第二の点は、ミクロネシア諸島の産業の育成についてどうかという御指摘でございますが、本協定が成立いたしますれば、その精神に沿いまして日米両国で協議して、もし必要がございますならば検討するにやぶさかではございません。(拍手)
○国務大臣(大平正芳君) 企業の公害に対する責任を明徴にいたしまして、発生源においてこれを規制するようにしろという御注文でございます。仰せのとおりでございまして、私どもも極力その方向で善処をいたしておるつもりでございます。 それから公害対策の立ちおくれについて、事計に公害を防止するという観点から、低硫黄原油の確保とか脱硫技術の開発等についての御指摘がございましたが、私どもも仰せの線に沿いまして、脱硫技術の開発には、工業技術院を中心に、すでに実行に着手しており、一部実用化に移っておりますことは御案内のとおりでございまして、今後一そう低硫黄原油の確保に努力いたしますとともに、脱硫技術の開発につき……
○国務大臣(大平正芳君) 最初に、最近実現を見ましたわが国と中華人民共和国との間の国交正常化について御報告いたします。 中国は、わが国にとりまして最も重要な隣国の一つであり、日中の間には二千年にわたる長い交流と伝統的友好の歴史がありました。しかし、遺憾ながら日中関係は過去数十年にわたり不幸な経過をたどってまいりました。戦後におきましても、わが国をめぐる内外の情勢を反映して長く不正常の状態を脱却するに至らなかったのであります。 今日、世界はいわゆる多極化の時代に入り、国際情勢にはかつてない流動化の様相が見られます。そして、全体の趨勢としては対決の時代から対話によって平和を指向する時代へと移行……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する御質問は、日中平和友好条約の内容とその締結のめどについてであったと思います。 それで、すでに総理から御答弁がありましたように、この条約は前向きのものにしたいということで日中双方合意を見ております。言いかえれば、九月二十九日に発出いたしました共同声明におきまして日中間の過去の処理は済んだ、一切済んだというのが両国の了解でございまして、これから将来にわたって日中関係、友好親善関係をよりかたいものにし、アジアの平和と安定に寄与するような方向で何をなすべきかという問題につきまして、この平和友好条約の締結という姿において、より安定した、より重みのあるものにしたいとい……
○国務大臣(大平正芳君) 第七十一回国会の冒頭にあたり、わが国をめぐる国際情勢を概観し、わが国外交の基本方針につき所信の一端を申し述べたいと思います。 ここ一両年の間に、米中の接近が実現し、米ソの間におきましては、戦略兵器の制限に関する合意に加えて貿易協定等の締結が行なわれ、宇宙その他若干の分野におきましては具体的な協力さえも進められております。欧州におきましては、東西両独の和解が成立し、欧州安全保障協力会議、相互均衡兵力削減交渉など、平和維持のための新たな動きが見られます。 ベトナムにおきましては、当事者の忍耐強い努力の結果、ついに停戦が実現し、第二次大戦後初めてアジアから戦争の業火が消……
○国務大臣(大平正芳君) 資源の開発輸入の件につきましては、通産大臣からお答えがございました。 私どもといたしましては、従来のように商業的手段だけでなくて、御指摘のように、計画的な開発輸入によりまして、安定的な供給を確保するように、経済協力政策の重要な一環といたしまして、今後鋭意努力してまいるつもりでございます。 御指摘のチュメニ油田の問題でございますが、これは総理の施政方針演説にもうたわれておりましたとおり、両国の長期的な利益になるような姿において実現することを政府は期待しておりますが、日ソ両国の当事者間におきまして、近く基本契約の締結を目ざしまして、折衝が行なわれておるようでございます……
○国務大臣(大平正芳君) わが国の安全を保障してまいる上におきましては、和田さんも御指摘のように、友好各国との親善を深めてまいることが大事でございます。わが国といたしましても、思想、体制のかきねを越えて、精力的に平和外交の展開をしてまいるつもりでございますが、これとあわせまして、総理も仰せのように、世界、とりわけアジアの現実を考えますと、今日の安定をささえております条約的な仕組みを維持してまいる上からいいましても、また、せっかく出てまいりました緊張緩和の芽ばえを定着さしていく上におきましても、その重要な一環になっております日米安全保障条約というものは、手がたく維持してまいることが賢明であると考……
○国務大臣(大平正芳君) わが国は、漁業ばかりでなく、海運、海底資源の開発等あらゆる面で大きく海洋に依存しております。かかる見地から、国連拡大海底平和利用委員会と、これに続く第三次海洋法会議は、わが国にとりましてきわめて重要な国際会議であると承知いたしております。 近時、海洋に関する沿岸諸国の権利主張が強まっております。とりわけ、御指摘のように、漁業にとりましては、二百海里に及ぶ広範な、排他的な水域を求めつつある主張があらわれてきております。そういう国際情勢でございますので、わが国がみずからの権利を守ってまいりますためには、たいへん困難な問題に対処をしいられることになるだろうと覚悟をいたして……
○国務大臣(大平正芳君) ただいまの御決議に対しまして、所信を申し述べます。 政府は、これまで、国のいかんを問わず、またその理由のいかんを問わず、核実験は停止さるべきである旨強く主張いたしますとともに、核実験のありましたつど、実験国政府に対し厳重抗議を続けてまいりました。 政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨を体し、核実験の停止、さらには核兵器の廃止の実現に向かって関係国の理解と実行を促すよう、今後一そう積極的な努力を払う所存でございます。(拍手)
○国務大臣(大平正芳君) 谷川さんの第一の御質問は、韓国側の協力体制に変化が見られたのではないか、それをどう見るかという意味の御質問でございました。 確かにただい庫真相究明にあたりまして、いま総理が御指摘になりましたように、両国の捜査当局の判断も帰一しておりませんし、今日までもたらされました協力による資料提供、必ずしも十分とは申しかねます。そして、いま真相の究明に大きな壁にぶつかっておることを否定いたしませんけれども、われわれは、韓国の協力体制がこれで大きな変化を見たとは考えていないのでありまして、今後一そうの協力をしんぼう強く求めてまいるつもりであります。 第二に、主権侵犯に触れての御質……
○国務大臣(大平正芳君) ただいまの御決議に対しまして、所信を申し述べます。 政府は、これまでソ連政府に対し、日ソ関係を真に安定した基礎の上に発展させるため、両国間の最大の懸案である北方領土問題を解決して、日ソ平和条約を締結すべきである旨を一貫して説いてまいりました。 政府といたしましては、ただいま採択されました御決議の趣旨を体し、これを検討し、来たる十月上旬の総理訪ソに際し、ソ連側最高首脳との話し合いにおいて、最大限の努力を払う所存であります。(拍手)
○国務大臣(大平正芳君) 日中間の実務協定についてのお尋ねでございます。 日中間には、御案内のように、体制、制度、慣行の相違がございます。実務協定につきまして、鋭意双方において詰めておりまして、遠からず妥結に至りたいと考えておる次第でございます。 第二に、北鮮との正常化を急げという御提言でございます。 この種の御提言は、これまでもたびたび伺っておりますけれども、今日の朝鮮半島に対するわが国の政策といたしましては、必ずしも妥当でないと政府は判断いたしておるわけでございまして、今日、ただいまとっておりまするように、科学技術、スポーツ、文化等の交流の範囲内において漸次関係を拡大してまいる方針を……
○国務大臣(大平正芳君) わが国の中東政策につきましては、事前に対米通報はいたしましたけれども、瀬長さんがおっしゃるように対米協議はいたしておりません。 それから、イスラエル政府に対しましては、現地及び東京におきまして、イスラエル政府にわが国の中東政策について詳しく説明し、この精神に準拠せられたいことを強く要望いたしてあります。 次に、南ベトナム臨時革命政府を認めるべきだというお説でございますが、政府はそういう考えを持っておりませんパリ協定におきまして、言われる南ベトナム臨時革命政府が当事者であることは認めますけれども、直ちにそのゆえをもちまして外交関係を持たなければならないという解釈はど……
○国務大臣(大平正芳君) 第七十二回国会の再開にあたり、一九七三年を回顧しながら、これからの国際社会に処すべきわが外交のあり方につきまして、所信の一端を申し述べたいと思います。 過ぐる一九七三年は、ベトナムの和平をもって明け、石油危機のただ中に暮れました。その間、米ソ、米中関係を中心とする緊張緩和は促進されましたが、世界の国々はそれぞれの独自性を高め、新たな秩序を模索する動きを強めており、世界はますます多様化の様相を深めております。しかも、今日の世界におきましては、超大国といえども、その優越した軍事力だけをもってしては、多様化した国際社会に安定した秩序をもたらし得ない実情にあります。その他の……
○国務大臣(大平正芳君) 三点、総理の御答弁を補足させていただきます。 第一点は、日米共同声明と朝鮮問題についての御質疑でございます。 日米共同声明におきまして「朝鮮の平和と安定」と申しておりますことばは、わが国として朝鮮半島の平和と安定を心から願い、そのためにわが国として何らかの貢献がなし得るのであれば、その用意があるとの一般的な考え方を示したものでございます。 わが国は、韓国の民生の向上と経済の均衡ある発展に寄与することを目的として経済協力を行なっておるものであります。そのことは、朝鮮半島の平和と安定に貢献こそすれ、それを阻害するものとは考えておりません。 それから、北朝鮮につきま……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する第一の御質問は、中東政策について、イスラエルの行為をどう評価するかという問題であったと思います。 わが国の中東政策は、いま総理からも言及がありましたとおり、昨年十一月二十二日の官房長官談話で明らかにしたとおりであります。その中で、政府は、イスラエルによるアラブ領土の占領継続を遺憾とし、一九六七年戦争の全占領地からのイスラエル兵力の撤退を呼びかけておりますことで日本の立場を御理解願いたいと思います。 それから第二の御質問は、金大中事件と主権侵害との関連であったと思います。 この問題につきまして、金子さんは、この事件は明白にわが国の主権侵害であるという立場……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する御質疑は、石油資源の有利かつ安定した確保をはかるためには、メジャー中心からOPHC中心に政策を転換すべきでないかという意味の御質疑でございました。 石油危機につきましては、総理からお話がございましたように、資源主権が強まってまいりましたことが直接の動機ではありますけれども、その背景には、石油の需給関係が緊張してまいり、石油の需要が急速な増大を見たことを忘れてはならぬと思うのであります。また、御指摘のように、通貨や貿易その他世界の経済秩序を乱す要因になっておることも見のがしてはならぬと思うのであります。したがいまして、単に、お説のように、メジャーかOPECか……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する御質疑は、わが国の対外経済援助の内容の改善についての御指摘でございました。わが国の対外援助の内容は、御指摘のように、工業、農林漁業の部面のみならず、社会福祉の向上、インフラ部門の充実等を重視すべきであることは、かねてから政府演説等を通じまして政府も主張してまいったところでございます。政府はかような方針のもとで、御指摘のように、教育、医療、生活環境の整備等につきまして、今後なお一そうの積極的な推進をはかりたいと存じております。 第二に、外務省の機構、人事管理等につきまして、深い御理解と激励をいただいたことを感謝いたします。今後御指摘の線に沿いまして、機構の拡……
○国務大臣(大平正芳君) 経済協力大臣の新設と外交政策とのかね合いにつきましてのお尋ねでございます。 経済協力は、先進国の一員としてのわが国が、諸外国とともに、国際的な責任といたしまして、開発途上国の民生の安定、国民経済の均衡ある発展に寄与するために行なう国際的な責任を持った事業でございますので、その円滑でしかも効率的な推進をはからねばならないことは、当然の道行きであろうと思います。そのために、その促進をはかるために国務大臣を新設するということは、私どもとして歓迎すべきことと考えております。しかしながら、外交の一元的な展開という秩序は乱してはいけないと思います。したがいまして、この大臣の新設……
○国務大臣(大平正芳君) ここに、昭和四十九年度補正予算を提出するにあたり、その大綱を御説明申し上げ、あわせて、最近の内外経済情勢と当面の財政金融政策につき、所信の一端を申し述べたいと存じます。 今次補正予算に計上いたしました経費は、人事院勧告の実施に伴う公務員給与改善費、災害復旧等事業費、米の政府買い入れ価格の引き上げ等に伴う食糧管理特別会計への繰り入れの追加、公立文教施設及び社会福祉施設の建築単価の改定、福祉年金等の年金額の改定実施期日の繰り上げ等及び生活扶助基準等の引き上げに伴う経費の追加、医療費の改定、義務教育費国庫負担金等の義務的経費の追加、所得税及び法人税の増収等に伴う地方交付税……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する質問の第一は、予算の規模、性格ということが第一でございました。 ただいま二兆一千億近くの補正予算を提出いたしまして、御審議を願っておるわけでございます。 これは御案内のように、人事院勧告の実施という至上課題にこたえる予算でございまして、内容をごらんいただきましても、これを削減していく弾力性のきわめて乏しい費目ばかりでございます。しかしながら、われわれといたしましては、既定予算も節約をお願いいたしまするし、また定員の今後の増加につきましても、行管を中心にいろいろ自重していただき、また、執務管理体制そのものも十分各省各省においてお考えいただくということを前提……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する御質疑の第一は、税制改正でございます。 税制改正につきましては、御案内のよう兵政府としては、目下政府並びに与党の税制調査会に御相談をいたしておる段階でございまして、具体的に御答弁申し上げる段階ではございません。ただ、あなたが御指摘の物価調整減税を所得税ベースでどうするかというような問題、あるいは租税特別措置の改正問題、それから農地の相続税の改正問題等は、十分われわれも問題意識として持っておりまして、税制調査会と御相談をいたしておりますことを申し添えておきます。 なお、御提案の法人累進課税の問題につきましては、昨日田邊さんにもお答え申し上げましたように、本……
○国務大臣(大平正芳君) ここに、昭和五十年度予算の御審議をお願いするに当たりまして、今後における財政金融政策について、所信を申し述べますとともに、予算の大綱を御説明いたしたいと存じます。 いまや、わが国は、幾多の困難と試練の中で、新たな進路を開拓すべき時期を迎えておると思います。 戦後、急速な復興と発展を遂げてまいりましたわが国経済社会は、今日に至り、物価の騰貴、資源の制約、環境の汚染等数々の問題に直面いたしております。他方、国民の精神生活におきましても、社会的連帯の弛緩、世代の断絶、老後の不安などに連なる不満と焦燥の念が高まっております。こうした傾向は、ひとりわが国ばかりでなく、他の国……
○国務大臣(大平正芳君) 公債政策についてのお尋ねでございました。 松野さんが御指摘のように、公債政策につきましては、いずれの場合も節度ある運営が大事であること、私も御同感でございます。もともと財政政策といたしまして、公債を出すのがよいのか悪いのかということが問題ではなくて、経済の情勢ないし動向に応じまして、財政が十分対応できる状況にある力を持っていなければならないわけでございます。したがって、公債はいつでも出せるだけの弾力性をわれわれがいつも手にしておる必要があると思うわけでございます。いま、わが国は十兆億ばかりの公債残高を持っておりますが、その利払いだけで約七千億円あるわけでございまして……
○国務大臣(大平正芳君) 総理大臣からおおむねお話がございましたけれども、一つは、産業投資特別会計を国民生活安定特別会計に変える意図があるかどうかという御質問でございました。 この会計は、御承知のように、昭和二十八年に設けられまして以来、産業の開発、貿易振興等のために投資を続けてまいりまして、ことしも輸銀に対しまして六百二十億円の投資、北東開発公庫に対しまして十六億円、金属鉱業事業団に対して十一億円等、貿易とか地域産業の開発等に投資をいたしておるわけでございます。御指摘のように、大企業優先などというものではございませんで、この会計を、お説のようなものに改組することは考えておりません。 第二……
○国務大臣(大平正芳君) 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 初めに、所得税法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。 所得税につきましては、昭和四十九年度に画期的な減税を行ったところでありますが、昭和五十年度におきましてはその平年度化が相当の規模に達する上、経済を抑制的に運営する必要がありますので、減税の規模は、最近における物価情勢に即応する程度にとどめることといたしております。 すなわち、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除は、それぞれ二十四万円から二十六万円に引き上げ……
○国務大臣(大平正芳君) 酒税法の一部を改正する法律案及び製造たばこ定価法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 昭和五十年度の予算は、前年度に引き続き抑制的な基調のもとに編成したところでありますが、その中にありましても、福祉年金の画期的な改善を初め、国民福祉の向上と国民生活の安定のための施策を積極的に推進することといたしております。また、税制の面におきましても、所得税について各種人的控除の引上げを図りますほか、相続税等についても減税を実施することといたしております。これらの施策及び減税を実施するためには、租税収入、税外収入を通じて、その財源の多様化に配意しつつ、……
○国務大臣(大平正芳君) 諸外国における郵便事業の経営原則はどうかという御質問でございます。 西ドイツ、フランス等におきましては、非常に厳格な独立採算制がとられておると承っております。それからアメリカ、イギリス等におきましては、原則は独立採算でございますけれども、累積負債の一部の処理、臨時的な収入の不足の一部を処理する場合、あるいは政策的な低減料金の補給等の場合、受益者負担の原則についての例外が一部認められておると聞いております。 第二に、郵政事業特別会計の赤字の処理をどうするつもりかという御質問でございます。 四十九年度約一千四百億円、このままでまいりますと、この改正をお認めいただいた……
○国務大臣(大平正芳君) 福祉財源充実の意味で、目的税として社会福祉特別税というようなものを構想するつもりはないかという御質問でございます。 福祉の充実につきましては、島田さん同様、私も賛成でございますが、その前提といたしまして、地方行財政自体のあり方が見直さるべきであると思うのでございまして、直ちに福祉財源のために、目的税を設定すべしという考え方には、にわかに賛成いたしかねるものであります。 第二点といたしまして、地方交付税の税率を引き上げるべきではないかという御質問でございます。 地方団体に対する財源措置につきましては、地方行財政の実態との関連におきまして、地方税、交付税、地方債等、……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する御質問の第一は、老齢福祉年金の財源についてでございます。 いまは、御案内のように、一般租税財源によっておるわけでございますけれども、田口さんが御指摘の老齢福祉年金の性格にも関連いたしまして、将来、拠出制年金の被保険者に応分の負担をかけてもいいじゃないかという論議もあれば、間接税その他の税源に期待すべきじゃないかという議論もございます。今後の経済社会の動向を見ながら、総合的に判断すべきものと考えます。 第二の御質問は、国民所得に対する社会保障給付の割合を引き上げたらどうかという御質問でございます。 現在七%程度でございますから、フランスのように一五%のも……
○国務大臣(大平正芳君) 昭和四十八年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。 昭和四十八年度予算は、昭和四十八年四月十一日に成立いたしました。 この予算は、わが国経済の国内均衡と対外均衡の調和を図りつつ、長期的視野のもとに国民福祉の充実に努めることを基本として編成されたものであります。 さらに、その後における人事院勧告の実施に伴う公務員の給与改善等について措置するほか、経済情勢の変化に伴い特に緊要となった経費について所要の措置を講ずるため、昭和四十八年十二月十四日補正予算が成立いたしま……
○国務大臣(大平正芳君) 超過負担につきましては、先ほどから御答弁がございましたが、大蔵当局といたしましても、まず、適実な補助単価の設定に努力いたしております。また、現実に各省庁と共同いたしまして実地調査を行い、その結果を補助単価の是正の姿で生かしておるわけでございまして、昭和四十九年度におきましても、千人百五十九億円の超過負担の解消をいたしておる次第でございます。今後もこのラインで努力してまいるつもりでございます。 第二の御質疑の、日本銀行納付金の問題でございます。 日本銀行の納付金というのは、益金から、内部留保でございますとか、配当であるとか、税金であるとかいうようなものを引きました一……
○国務大臣(大平正芳君) 本年産米の価格の決定につきましては、総理並びに農林大臣からお触れになりましたので、私から蛇足を加える必要を感じておりません。 ただ、御案内のように、すでに八千四百億円に上る食管会計に対する一般会計からの繰り入れがございます。これはあなたの言われる食管制度を維持するために、一般会計からこれだけ寄与いたしておるわけでございますが、これ自体、すでに食管制度の運用上も、また健全財政の見地からも、今日の事態は問題があると考えております。 しかしながら、大幅の逆ざやを一挙に解消しようなどという無理なことを大蔵省は申し上げておるわけではないのでありまして、可能な限りこの解消を図……
○国務大臣(大平正芳君) 財政危機に臨みまして、武藤さんから、税収をこういう方法で徴収すべきではないかという御提案がございました。 たとえば、金融機関の貸し倒れ引当金の問題とか、大企業の減価償却年限の圧縮でございますとか、あるいは高額所得者の重税、あるいは配当課税の総合でございますとか、土地再評価税の設定とか、そういったことを御提案になりましたけれども、これはすでに大蔵委員会におきまして、私とあなたの間におきましても論戦を何度か交わした問題でございます。したがって、この機会に、繰り返すのはいかがかと思いますけれども、せっかくの御質問でございますので、要点だけ申し上げたいと思います。 第一の……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する御質疑は、危機財政に対する財源対策についてでございました。 金子さんからいろいろな御提案がございましたが、租税特別措置を含めまして、税制全体を厳しく洗い直しまして、そこに財源を求むべきであるという考え方につきましては、私も同感でございますけれども、御提示になりました具体的な項目につきましては、にわかに賛成いたしかねます。 たとえば、租税特別措置にいたしましても、あるいは大企業に対する助成金にいたしましても、あるいは欠損金の繰り戻し、税の還付制度にいたしましても、それはいま総理からもお話がございましたように、特定の目的をもちまして政府が行っておる施策でござ……
○国務大臣(大平正芳君) ここに、昭和五十年度補正予算を提出するに当たり、その大綱を御説明申し上げ、あわせて、最近の内外経済情勢と当面の財政金融政策につき、所信の一端を申し述べたいと存じます。 まず、一般会計予算につきましては、歳入面におきまして、租税収入等につき当初予算における見込みに比し大幅な減少が見込まれるに至り、それを補てんする必要が生じたのであります。歳出面におきましても、景気の回復と災害復旧のための公共事業等の追加、国家公務員等の給与の改善等緊急に措置を要する追加財政需要が生じてまいりました。このような状況に対処するため、政府は次のような措置をとることとし、これに必要な予算補正を……
○国務大臣(大平正芳君) 財政政策につきましては、総理大臣からあらましお答えがございましたが、若干の点について補足させていただきます。 第一の、スタグフレーションが依然として続いておることについて責任を問うということでございました。 多賀谷さんが御指摘のように、スタグフレーションは以前から進行しておりましたし、また、それが世界的規模のものであることは御指摘のとおりだと思います。ただ、それがわが国に及ぼす影響、度合いというものにつきまして的確な捕捉を誤ったことにつきまして、私は深く責任を感じておるものでございまして、緊張した財政金融政策の運営を通じまして、その責任にこたえてまいらなければなら……
○国務大臣(大平正芳君) ただいま議題となりました昭和五十年度の公債の発行の特例に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 すでに昭和五十年度補正予算において明らかにいたしておりますが、本年度におきましては、租税及び印紙収入並びに専売納付金が、当初予算に比べ大幅に減少するものと見込まれる状況にあります。 一方、現在の経済情勢のもとにおきましては、景気回復の機動力として有効需要の造出に寄与する財政支出に多大の期待が寄せられているところであります。 内外の経済情勢及び現時点の財政に課せられた重大な役割りを考えますと、現在の状況のもとにおきましては、大幅な歳出の削減や一般的な増税を行うことも適……
○国務大臣(大平正芳君) ここに、昭和五十一年度予算の御審議をお願いするに当たり、当面の財政金融政策につき、所信を申し述べますとともに、予算の大綱を御説明いたしたいと存じます。 世界経済は、石油危機発生以来、激しいインフレと厳しい不況に苦しんでまいりましたが、ようやくにして最悪の状態を脱し、このところ、先進諸国を中心に回復への胎動が見られるようになりました。わが国経済もまた、物価もようやく安定し、昨春以来経済活動も立ち直りの兆しを見せてまいりましたが、回復の足取りは必ずしも力強いとは言えない状況であります。 御承知の通り、石油危機発生以来、政府はインフレの克服に最重点を置いた政策運営に徹し……
○国務大臣(大平正芳君) 第一の御質問は、政府の地方財政対策が地方側においてどのように受け取られておるかということについての御質疑でございました。 五十年度の補正予算は、すでに御承認を得まして、実行に移したわけでございますが、これは、一般会計の負担と、それから交付税特会に対する資金運用部の貸し付けと、それから地方債対策と、この三本から成り立っておりますことは御案内のとおりでございまして、同じ手法をもちまして、これから御審議をいただく五十一年度の地方財政対策もでき上がっておるわけでございます。 それで、この対策につきましては、中央も大変な財政困難なときでございますが、地方側におきましても、中……
○国務大臣(大平正芳君) 第一の御質疑は、公債政策についての御質問でございまして、この問題は、いま副総理からもお話がございましたけれども、当面の経済の状況におきまして増税をお願いするわけにもまいらない、といって中央地方を通じまして行財政の水準を下げるわけにもまいらないという状況でございますので、しばらくの間、公債の発行によりまして財政を賄わしていただくということでございますけれども、しかし、これをいつまでも続けるつもりはないのでございまして、できるだけ早く公債からの脱却を図ってまいることを財政運営の基本にいたしてまいる所存でございます。 しかし、この公債発行につきましては、あくまでも市中消化……
○国務大臣(大平正芳君) 租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 租税特別措置につきましては、最近における厳しい財政事情等に顧み、その全面的な見直しを行い、企業関係税制を中心に大幅な整理合理化を推進するとともに、自動車関係諸税の税率を引き上げることとするほか、所要の措置を講ずることといたしております。 すなわち、まず、企業関係税制を中心とする整理合理化につきましては、第一に、長期外貨建債権等を有する場合の課税の特例制度、新技術企業化用機械設備等の特別償却制度等十一の制度を廃止することといたしております。 第二に、増加試験研究費の税額控除制度につい……
○国務大臣(大平正芳君) 昭和五十一年度の公債の発行の特例に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 御承知のとおり、石油危機以来、政府はインフレの克服に最重点を置いた政策運営に徹してまいりましたが、幸いに国民各位の理解と協力を得て、所期の成果をおさめつつあります。 今後におきましては、物価の安定を維持しながら、景気の着実な回復と雇用の安定を実現してまいることが、最も重要な政策課題であると考えられます。 昭和五十一年度予算編成に当たりましては、とのような考え方に立ちまして、国民生活と経済の安定及び国民福祉の充実に配意しつつ、景気の着実な回復と雇用の安定を図るとともに、財政体質の改善、合理……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対しましては、地方税の強化、社会福祉譲与税構想についてどう思うかという御質疑でございました。 御承知のように、地方税収入は、今日すでに国税七に対しまして三の割合にまで達しております。交付税、譲与税を加えますと、これが五対五にまでなっておるのでありまして、決して少なしとしないと思うのであります。なるほど、税収が思うに任せない状況でありますことは御指摘のとおりでございますが、これは経済活動が不振だからでございまして、地方税制度のせいではないと思います。 また、今日地方税の収入が地方的に相当偏在いたしておりますので、これを強化すると地方的な偏在、落差がさらに大きくな……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する御質疑は、電電公社の投資的な資金、すなわち、設備資金等については財政資金を投入すべきでないかというお尋ねでございます。 仰せのとおり、ただいままで電電公社は、内部資金留保でございますとか、あるいは、みずからの借入金をもって投資的な資金を賄ってまいったわけでございます。電電公社は、内外の資本市場に大変大きな信用を持っておりまして、みずからの信用力で資金を調達する能力があるわけでございまして、いままで財政資金を特に投入しなければ資金の調達が困難であるという事態には逢着したことがなかったわけでございます。私は当面それで差し支えないのではないかと思っております。し……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対する第一の御質問は、交付税率の見直しについてでございます。 仰せのように、地方公共団体の財政状況、大変な赤字でございまして、この状況は、これまた仰せのように、五十二年、五十三年も続きそうでございまするので、そういう観点から申しますと、交付税率の見直しという必要は当然あるものと考えております。 しかしながら今日、中央、地方を通じまして、わが国の財政きわめて不正常な状態にございますので、当面の財政運営の基本は、この財政をいち早く正常な状態に持ってまいることが急務であるわけでございまして、そこに力点を置かなければならぬと考えておるわけでございます。したがって、こう……
○国務大臣(大平正芳君) 私に対しましては、救急医療に対する財政措置についてのお尋ねでございました。 昭和五十一年度は、前年に対しまして約二倍に当たる約二十億円、一般会計、特別会計を通じまして救急医療に対して財政支出を考えておるわけでございますが、これによりまして、救命救急センターが新設され、それに国立病院を参加させる、あるいは自治体病院の救急機能に対する助成範囲を拡大するというような措置を考えておるわけでございます。 今後、仰せのように、各種の医療施設を地域的な医療体制に有効に組み込みまして、救急医療の要請にこたえるということが必要だと思いますが、これに対する財政需要につきましては、各省……
○国務大臣(大平正芳君) 今回の国鉄の再建策でございますが、これは仰せのように、過去債務の一全部をたな上げするというようなことによってではなくて、国鉄の経営の合理化、運賃の改定と並行いたしまして、私どもの行う財政助成を行うことによって、五十一年、五十二年両年度で収支の均衡を回復しようという方法で再建しようということでございます。したがって、過去債務全部をたな上げするという方法はとっていないわけでございます。 その助成の方法といたしましては、累積赤字三兆一千八億円のうち、五千六百四億円は再評価積立金で償却する、残余の二兆五千四百四億円は特別勘定に移しまして、その元利の償還について一般会計がめん……
○国務大臣(大平正芳君) 最初に、先般来の自民党の党内問題と私の立場についての御質疑でございました。 政党といたしましても、内閣といたしましても、その進路につきまして時に論争がございましても、別に不思議はないと思うのであります。私は一党員といたしまして、また一閣僚といたしまして、そういう議論に参加したまででございます。ただ、自由民主党が政権を預かっておるわけでございまするから、総理からもお話がありましたように、その間に行政の渋滞を生ずるというようなことがございますならば、これは確かに御批判に値することだと思うのでございますが、私も財務行政を預かっておりますので、その間いささかも渋滞を来すこと……
○国務大臣(大平正芳君) 財政問題について、御質疑の第一は、赤字国債を導入せざるを得なくなった理由でございます。 これは金子さんも御案内のように、一昨々年の石油危機を契機といたしまして、世界的な深刻なかつ長い不況に入りまして、大きな歳入欠陥を記録いたしたわけでございます。政府といたしましては、増税を行うとかあるいは歳出の大幅な削減ができるような事態ではございませんでしたので、ここしばらく国債に依存する財政を編成せざるを得なかったわけでございます。その間におきまして体力を培養いたしまして、この危機を克服すべく、赤字財政に当面依存することにいたしたわけでございます。しかしながら、この状態はまこと……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 私は、さきに、国会において内閣の首班に選ばれ、組閣早々、来年度予算の編成を了し、ここに第八十七回国会を迎えました。この機会に、施政全般にわたっての私の所信を申し上げ、国民各位の御批判と御理解を得たいと思います。 まず、私の時代認識と政治姿勢について申し上げます。 戦後三十余年、わが国は、経済的豊かさを求めて、わき目も振らず邁進し、顕著な成果をおさめてまいりました。それは、欧米諸国を手本とする明治以降百余年にわたる近代化の精華でもありました。今日、われわれが享受している自由や平等、進歩や繁栄は、その間における国民のたゆまざる努力の結晶にほかなりません。 しかし……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 多賀谷さんは、まず、私の時代認識についてお尋ねがございました。 経済を軽視するものではないかという御指摘でございますが、私は、経済至上主義はいかがなものか、文化をあわせて重視しなければならない時代を迎えたのではないかということを指摘したものでございまして、経済成長に伴うもろもろの問題の解決におきましても、文化を重視する姿勢が大切であることを指摘したものでございまして、いささかも責任を回避しようというようなものではございません。 最近の三菱銀行北畠支店事件についての所見でございますが、これとても、いわば経済至上主義のもたらした痛ましい悲劇であると考えるのでござい……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 最初に、竹入さんは、五十四年度の予算編成がいかにも中途半端であって、今日の時代要請にこたえるところが乏しいではないかという御指摘でございました。 われわれは今日の予算を組むに当たりまして、まず、多くの税の自然増収を期待できない状態にありますことはあなたも御承知のとおりでございます。また、国債をむやみに増発できない状況にありますことも御理解いただけると思うのであります。そういう中にありまして、今日の要請にこたえる精いっぱいの答案といたしまして五十四年度予算案を編成いたしたつもりでございます。中途半端であるという御批判はあろうかと思いますけれども、与えられた状況のも……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 衆議院における全会一致の決議は、きわめて重い意味を持つものと受けとめております。 今回のダグラス・グラマン問題につきましては、先月十九日の閣議決定を受けて、すでに日本国法務省と米国司法省の間に資料提供に関する司法取り決めが締結されたところでありますが、政府としては、本決議の意を体し、問題解明のため、今後ともできる限りの努力を続けてまいることでございます。この機会に重ねて表明いたします。(拍手)
○内閣総理大臣(大平正芳君) 沢田さんの御質問の第一は、租税特別措置法は、新しい政策理念に照らして、優先順位を踏まえて厳しく対処しなければならない、既得権の温存は許すべきでないという御意見でございました。 私、全く同感でございます。われわれもそういう考え方に立ちまして、年々歳々、わが党内閣は租税特別措置法の見直しを行っておるわけでございます。五十四年度におきましても、特に批判の強いアイテムにつきましては、社会保険診療報酬課税の特例を初めといたしまして、主なる項目につきましてかなりの改善をいたしたつもりでございます。 それから、この際、いっそ白紙に返して、与野党の一致のものに限定して特別措置……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 池端さんの最初の御質問は、今日、財政が大量の特例公債に依存する状況になっておる、こういう危機的な状況をどのようにして再建に持っていくか、国民生活を守るためにどうするのかという御質問でございました。 仰せのように、今日の財政が危機的な状況になっておりますことは、御指摘のとおりでございます。これは、高度成長を支えておりました国内外の諸条件が構造的な変化を見つつある上に、五年前の石油危機がさらにそれに拍車をかけまして、歳入の欠陥が空前の状況になってまいりましたこと、池端さんも御承知のとおりであります。 その段階におきまして、財政本位に物事を考えるならば、早速再建にか……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 第一の御質問は、地方自治に対する基本的な考え方についてでございます。 私は、地方自治は申すまでもなく民主政治の基本的な枠組みの一つであると考えております。地方公共団体は、したがいまして、みずからの持つ自主性と活力を十分に発揮しつつ、国と協力して国民の福祉の向上を図るべきものと考えております。したがいまして、もろもろの地方行財政計画は地方団体みずからが立案されるか、また、そうでない場合におきましても、地方自治団体の意思が十分尊重されなければならないものと考えております。 第二に、一般消費税の導入についての御質問でございました。 私が先般この議場を通じて御答弁申……
○内閣総理大臣(大平正芳君) きょう説明がございました地方財政計画には地方財政改革の方向性が定かでないじゃないかという御指摘でございます。 自治大臣からの御説明にもありましたように、今度の計画作案に当たりまして、政府といたしましては、投資的な経費につきましてはその充実を図り、経常的な、消費的な経費につきましてはその節減を図るという方針を貫いたつもりでございまして、そうすることによって地方財政確立の糸口をつかまなければならないと苦心いたしたつもりでございます。 一方、歳入面につきましては、地方税源の増強に極力努めてまいりまして、なお、巨額の歳入不足がございまするので、交付税特会の借り入れ、建……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 私に対する佐藤さんの御質問は、公社の民営化問題についての政府の基本的な考え方でございました。 日本専売公社法の今回の改正でございますが、これは従来からの国会での御論議を踏まえまして、製造たばこの価格形成方式を明確にし、財政収入の安定的確保を図りますとともに、公社の企業性を高めることをねらいといたしておるものでございまして、直ちに公社の民営化につながる意図を持って提案いたしておるものではございません。 たばこ事業の民営化は、現在、国民の経済、生活の中に定着いたしておる専売制度のもとにありまする関連産業、とりわけ葉たばこの耕作の維持、またその製造たばこの販売店の取……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 第一の御質問は、予算委員会における予算案否決の責任でございます。 予算委員会におきまして先刻予算案が否決されましたことは、大変遺憾でございます。しかし、予算委員会におかれましては、審議を順調に進めていただきましたことを多といたしております。政府といたしましては、この予算案の成立を期し、その誠実な執行を通じて政治責任を全ういたしたいと考えております。 それから第二の、伯仲国会の運営についてのお尋ねでございます。 国会は、常に各党の間の相互理解、相互信頼をもとにいたしまして、話し合いに徹して、円満な、そして効率的な運営を図らなければならないものと思っております。……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 私に対する第一の御質問は、安全性にかかわる資料公開に関してのことでございます。 仰せのように、原子力開発利用は、安全性の確保を大前提として進められなければならぬことは仰せのとおりでございます。政府といたしましては、原子力安全委員会の意見を十分尊重しながら、安全性に関する国民の理解を得るため、できるだけ資料の公開にこれまでも努めてまいったわけでございますが、今後とも、資料公開との関係におきましては、不必要なまでに仰せのように企業の秘密の問題が利用されることのないよう、十分配慮してまいる所存でございます。 第二の御質問は、万一不測の事態が生じたときの政府のとるべき……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 中西さんの私に対する御質問は、放送大学は、学校教育法体系の正規の大学か、それとも各種学校的なものであるかというお尋ねであったと思います。 放送大学は、学校教育法に基づく正規の大学として構想しております。しかしながら、放送という手段を用いるという特色を生かしまして、御指摘の成人教育、生涯教育の面におきましても大きな役割りを果たすことを期待しておるところであります。(拍手)
○内閣総理大臣(大平正芳君) 上田さんの第一の御質問は、元号法案を提出する真意はどこにあるかという御趣旨のものと伺いました。 元号は、国民の日常生活におきまして、長年使用されて広く国民の間に定着しており、かつ、大多数の国民がその存続を望んでおるものであります。また、現在四十六都道府県、千を超える市町村が法制化の決議を行い、その速やかな法制化を望んでおります。政府としては、こういう事実を尊重いたしまして、元号制度を明確で安定したものとするため、元号法案を提出し、御審議をお願いいたしておるものでございます。 第二に、主権在民を規定した新憲法と元号法案との関係についてのお尋ねでございました。 ……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 野口さんの第一の御質問は、わが国の宇宙開発の先進国依存の状況を改めるために、国産化を積極的に行うべきでないかという御趣旨でございました。 御承知のように、わが国の宇宙開発は、国際間の調和を十分に配慮しながら、自主技術の確立を目的として、国力に応じた開発を進めてまいっておるところでございます。御指摘のように、国産化を高めることは重要と政府も考えておりますので、その方向に鋭意努めてまいるつもりであります。 第二は、この機構は認可法人の形をとっておるが、本来特殊法人とすべきものを、わざわざすりかえたのではないかという御趣旨の御質問でございました。 そうではございま……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 水田さんの私に対する御質問は、各地に見られるスモン判決について、国はこれをどう受けとめておるか、また、今後どう対処していくつもりかというお尋ねでございました。
スモン訴訟について、政府は、国の法的な責任は認められないという従来からの立場に変わりはございませんけれども、患者の早期救済につきましては、これとは別に和解により全面的に解決するよう重ねて努力してまいりたいと思います。(拍手)
【次の発言】 谷口さんの私に対する御質問は、製造物責任の法制化についてのお尋ねでございました。
製造物責任の法制化につきましては、現行の損害賠償制度の基本的な原則にかかわる問題を含……
○大平正芳君 ただいま議長から御報告がありましたように、本院議員成田知巳君は、去る三月九日未明、国立東京第二病院において逝去されました。まことに痛惜の念にたえません。 ここに私は、諸君の御同意を得て、議員一同を代表し、謹んで哀悼の言葉を申し述べたいと存じます。(拍手) 成田君、君は、しばしば、この壇上で、日本社会党を代表して、雄津な論陣を張られました。君の無造作な髪型と濃紺の背広が特に印象的でした。その論旨は、整然たるものがあり、学究的で、若々しく、何の気取りもない淡々たるものでありました。六十六歳といえば、なお春秋に富み、これからこそ円熟した仕事が期待された君でありました。 しかるに、……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 梅野さんにお答えします。 私の防衛問題に対する基本姿勢でございますが、従来と今日、全然変わっておりません。私は、防衛、安全保障の問題は、ひとり防衛力ばかりでなく、政治が秩序正しく行われること、経済が、活力ある運営が保障されておること、さらには精力的な外交努力があること、いろいろの力が総合的に働きまして日本の安全が保障されてきましたし、現に保障されておるし、今後もそういう緊張した姿勢を持続してまいる限り、日本の安全は保障されるものと確信をいたしておりまして、そういう趣旨のことをあらゆる場合に申し上げておるにすぎないのでございまして、考え方が変わったというわけではご……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 政府といたしましては、今回の健康保険法等の一部改正案について、できるだけ早く国会で御審議をいただくようお願いしてきたところでございます。 政管健保と組合健保の財政調整は、保険者間の財政力の格差の是正、負担の公平という見地から必要であると考えております。 齋藤自民党幹事長と武見日本医師会会長との間の合意事項のうち、政管健保と組合健保との間の財政調整の問題につきましては自由民主党医療基本問題調査会正副会長会議におきまして、今後の取り扱いも含め、目下鋭意検討が進められておりまして、近く成案が得られるように聞いております。したがいまして、現在の段階で、いつ国会に提出で……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 山田さんの最初の御質問は、共済組合相互間の財源調整、それから共済組合の一本化の準備を行う必要があるのではないか、それに要する財源措置はどうするのかという趣旨の御質問でございました。 共済組合も一、御案内のように公的年金制度の一つでございまして、その財源は、使用者、被用者の支払う保険料を原則として財源にいたしておりますこと、それに一定の公的負担を加えて財政措置を講じておりますことは御案内のとおりでございます。年金制度の改正に要する財源は、安易に公的負担によるべきものではございませんで、原則は、どうしても被保険者の負担によらなければならないものと私は考えております。……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 私は、四月三十日から五月七日まで園田外務大臣とともに米国を訪問し、カーター大統領と前後二回の会談を行ったほかバンス国務長官ほか関係閣僚、米国議会両院の指導者、米国財界人及び日本関係者等と懇談いたしました。さらに、ナショナルプレスクラブにおいて、わが国の内外経済政策、外交姿勢並びに日米関係の現状及び将来について演説を行いました。 私の今回の訪米は、最近の国際情勢を踏まえ、世界経済のために日米両国が相協力して対処すべき諸問題及び当面の経済的懸案を含む二国間問題につき意見を交換し、その解決を促進するとともに、重要な国際政治全般につき相互理解を深めるためのものでありまし……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 吉原さんの私に対する御質問は二点ございました。 一つは、地方の時代を実現するための総合的な地域振興対策いかんという趣旨のものでございました。 特定不況地域立法でございますとか過疎法でございますとか、そういう特定地域立法は、今後も引き続き必要に応じて見直してまいる必要があると考えております。新しい地域社会づくりのための総合施策といたしましては、御指摘のように、国と地方の間の合理的な行政事務の配分も考えなければなりませんし、それに伴う自主的な財源を確保する等の必要がございますので、この点につきましては、各方面の御意見を聴取しながら、地方の個性、活力、自主性を生かし……
○内閣総理大臣(大平正芳君) ダグラス・グラマン事件についてのお尋ねでございますが、刑事責任の追及は捜査当局の手によって一段落いたしました。ただいま国会におきまして政治的責任が問われておるわけでございますが、政府といたしましては、国会の国政調査権の発動にはできる限り協力してまいるつもりでございます。 また、再発防止につきましても、従来から進めてまいりましたものに加えて、今回、協議会を設けまして、新たな視点から有効な対策を御検討いただくことになり、明後日から発足することになっておりますので、今後、その協議会を通じまして再発防止を御討議いただき、できるものから実行に移すようにいたしたいと考えてお……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 最初の御質問は、食糧の確保、自給力向上を図る必要を認めるかという御質問でございました。 国民に食糧を安定的に供給いたしますことは、国政の基本的課題であると考えております。したがいまして、食糧の生産に当たられる方々の生産意欲とその生活を守ってまいりますことも、政治的に見て基本的な課題であると政府は心得ております。そのため、政府としては、国内で生産可能なものは極力国内生産で賄うということを基本といたしまして、総合的な食糧自給力の向上に努めてまいりたいと考えております。 第二の御質問は、農産物の価格保障についてでございました。農民が生産できる農産物価格を保障してまい……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 第八十八回国会に臨み、八〇年代を展望する曲がり角に立って、七〇年代におけるもろもろの試練を回顧しながら、当面する内外の課題とこれに対処する政府の方針を明らかにいたしたいと存じます。 今日、経済運営における中核的な課題は、石油を中心とするエネルギー問題への対応であり、その制約を克服することにあります。本年六月東京で開かれました主要国首脳会議におきましても、同様の認識から、石油問題に討議が集中いたしました。石油消費の七割を占める先進七カ国の首脳は、石油の輸入抑制を軸とする断固たる具体的措置を講ずることで合意いたしました。このことは、世界的な石油需給の安定と世界経済の……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 下平さんの第一の御質問は、航空機輸入に絡まる疑惑解明についてのことでございます。 わが党並びに政府がこの問題に積極的でないという御批判でございます。下平さんも御承知のように、この問題につきましての刑事当局の刑事責任の解明は終わったわけでございますが、刑事当局の発表によりますると、あなたの言われる岸氏は全然この事件に関係がないという御報告でございます。 松野君の証言でございますが、これは偽証罪になるかどうか、主観の絡む問題でもございますので、法務当局としては自信が持てないという報告を聞いております。 国会がその権威において問題を究明しようとする場合におきまして……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 竹入さんの第一の御質問は、いわゆる解散の名分に関連したことでございました。 わが国の経済もようやく回復の軌道に乗りまして、第一次の石油危機の後遺症の治療もようやく終わることができたように思いますけれども、エネルギーの制約、財政事情等は依然として厳しい状況にございます。一方におきまして、前の総選挙から三年近くの時日を経過いたしております。この際政局を一新して新しい体制で新しい課題に対応すべきではないかという見解も、国民の間にようやく理解が深まりつつあるように思うのであります。こういった事情を踏まえまして、私は政局の問題に真剣に対処したいと考えております。 第二の……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 第九十回国会に臨み、所信の一端を申し述べます。 私は、さきの特別国会において、再度、内閣総理大臣に指名され、国政運営の重責を担うことになりました。先国会におきましては、速やかに進めなければならない首班指名とこれに続く組閣がおくれ、所信表明の機会を持ち得ず、国政の停滞を招いたことについて、まずもって、国会を通じて国民に対し、心からおわび申し上げるものであります。(拍手)さきの総選挙に示された国民の厳粛なる審判をどのように受けとめ、その結果に対する政治的責任をいかに処理するかについて、自由民主党内に論議を招き、見解も大きく分かれました。この論議の収束に手間取り、しか……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 飛鳥田委員長の私に対する第一の御質問は、先国会をめぐって一カ月余に及ぶ政治空白を招いたが、その責任をどうとるつもりかということでございました。 先般の所信表明においても申し上げましたとおり、先ほどの総選挙の結果に対してこれをどのように受けとめて、これに対する政治責任をどのように考えていくかということにつきましては、自由民主党内に御承知のように論議が起こったわけでございます。このこと自体は民主的な政党として御理解いただけると思いますが、問題は、これが非常に長引いたこと、そしてそれが異例な方法によらざるを得なかったことでございますが、これは挙げて総裁である私の不明の……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 湯山さんの第一の御質問は、先般の総選挙におきまして、国民が航空機汚職の徹底的な究明と根絶を求めておると思うが、私の認識はどうかというお尋ねでございました。 航空機汚職問題につきましては、御案内のように、刑事責任はいま裁判所において問われておりますけれども、政治責任の問題は依然として国会を中心として究明がなされておるわけでございまして、今後もこの解明は続けられていくものと思いまするし、政府もこれに対しまして十分協力していかなければならぬと考えております。 総選挙に示された国民の意思はきわめて重大であると私も受けとめております。政治倫理の確立は一層急がなければなら……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 倉石法務大臣の去る十一月九日の記者会見における発言は、軽卒であり、まことに遺憾であります。 私も、倉石法務大臣に対し厳重に注意いたしましたが、倉石法務大臣自身も、先般十二月六日、当院本会議において発言しましたように、心から陳謝し、今後、二度と再びかかることのないよう戒心して発言を取り消した次第であります。 内閣は、今後、一層言動を戒め、職責の厳正かつ公正な遂行に全力を挙げていく決意であります。(拍手)
○内閣総理大臣(大平正芳君) 第九十一回国会が再開されるに当たり、内外の諸情勢についての見解と、これに対処する所信を明らかにいたしたいと思います。 われわれは、いよいよ一九八〇年代に第一歩を踏み出しました。 この新たな時代の黎明に当たって、内外の情勢を展望するとき、われわれは、そこに、明暗二つの要素が複雑に絡み合った姿を見出すのであります。 今日の世界においては、各国相互の間の依存関係が一段と高まる中で、国際社会の多元化傾向はいよいよ強まってまいりました。すでに幾つかの地域においては、国際的緊張が異常な高まりを見せ、最近では、ソ連のアフガニスタンへの軍事介入もあって、米ソ間のデタントにも……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 飛鳥田委員長の最初の御質問は、今日、あらゆる立場から見て一大変革期にあり、既存の考え方をもって処理できないような事態であるということを前提にされまして、日米安保条約の今日的な意義についてのお尋ねでございました。 飛鳥田さんは、米ソの核戦略は、従来の抑止力から、最近では先制的な第一撃による敵のせん滅を目的とするように変わってきているように思われる、こういうときに、依然として日米安保条約を堅持することは、これまでよりもさらに一層危険なものにそれはなるのではないか、八〇年代こそは非武装積極中立の政策の意義が改めて強調されなければならないという御主張でございました。 ……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 井岡さんは、最初に政治姿勢に関連いたしまして二つの御質問がありました。 一つは、自由民主党の総裁選挙についての御批判でございます。 自由民主党におきまして最近多くの党員の受け付けをいたしましたことは事実でございます。その一部には、確かに党費の立てかえ等もあったと私は承っておりますが、これは党員の受け付けにすぎないのでございまして、これから厳正な審査を経てわれわれの党員になっていただく資格審査をするわけでございますので、事柄を全部終えた後で御批判をいただかなければならない性質のものと考えております。 第二に、法人税の税率を上げなかった、据え置いたということが、……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 山田さんの私に対する御質問は、いわゆる一般消費税の導入につてのお尋ねでございました。
この問題につきましては、すでに去年の十二月二十一日に本院における財政再建に関する決議がございまして、その方向が示されております。したがって、この問題につきましては、この決議を踏まえまして、政府としては、歳入歳出を通ずる財政構造の健全化をどうして達成するかという見地から、広く各界各層の意見を聞いて結論を得たいと存じております。(拍手)
【次の発言】 柴田さんの最初の御質問は、財政再建の具体的な方針についてでございました。
これは、申すまでもなく、最近わが国の財政が公債に過度に依……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 伊藤さんの最初の御質問は、財政民主化のために税制調査会、財政審議会等の構成の見直し、あるいは地方公聴会、シンポジウムなど新たなシステムを設けて、各界各層の意見を吸い上げる必要が参加の時代に対してあるのではないかという御質問でございました。 私どもも仰せのとおり考えております。税制調査会におきましては、消費者代表、婦人代表、それから労働組合の代表者等も含めまして、各界各層の学識経験者をお願いいたしておりまするし、財政審議会におきましても、広く学識経験者を網羅いたしておりまして、財政政策に対する各般の御意向を十分くみ上げる仕組みを堅持いたしております。 また、公聴……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 神沢さんの第一の御質問は、地方自治の本旨についてでございました。 仰せのように、地方自治は参加と分権と自治が本体であって、国政においてそれが第一義的に尊重されねばならぬという御主張は、私も全く同感に存じます。したがいまして、地方公共団体の自主性、自律性を十分尊重しながら、地方自治の制度を定め、これを運営することに努力し、地方住民の福祉を国と協力して向上してまいることに、国政といたしまして重点を置いて努力してまいる所存でございます。 第二は、国と地方自治体の間の行財政制度の分権化を進めることは不可欠な要務ではないかという御質問でございました。 私も全くこれも同……
○内閣総理大臣(大平正芳君) お答えいたします。 第一の御質問は、この法案は、前国会の審議の過程でいろいろ問題点が指摘されておるが、今度再提出に当たりまして政府部内でどのように検討が行われたかということでございます。 御指摘の点につきましては、関係省庁の間におきまして慎重に検討いたしましたのでございますが、学園とのかかわり等から見まして、従来どおりの案で提出すべきであるとの結論に達したのでございます。 第二の点につきましては、放送大学の全体計画の遂行は長期間を要する、対象地域とならないところとなったところとの間におきまして、教育上の機会均等の原則に問題があるのではないかという点、さらには……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 加藤さんの最初の御質問は、地方財政計画のどこに地方の時代にふさわしい情熱と計画が読み取れることができるかという意味の御質問でございました。 昭和五十五年度の地方財政計画は、歳入面におきましては、地方税、地方交付税等の一般財源の充実を図ることとし、歳出面におきましては、経費全般にわたって抑制的な基調を貫く中で、住民生活に身近な社会資本の整備を進めて、地方の自主性と自律性に基づく地方財政の運営に支障が生じないように配慮いたしてございます。そういった点から御理解をいただきたいと思います。 第二の御質問は、地方制度調査会の第十七次の答申の実現はどういう推進機構を構えて……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 伊賀さんの第一の御質問は、防衛費の上限問題につきまして大来外務大臣と官房長官の発言は食い違っておるのではないかという御指摘でございました。 わが国の防衛力の整備につきましては、防衛計画の大綱を策定いたしまして、それをベースにいたしまして年々の予算の編成を通じてその実現を図っておるわけでございまして、当面はGNPの一%を超えないことをめどとするという閣議決定を私ども変えるつもりはないわけでございます。外務大臣が言われたことは、こういうGNPに対する比率が前提になって防衛費が決められるものではなくて、年々歳々の予算を通じまして、防衛計画にのっとりまして誠実に必要とす……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 渋沢さんの最初の御質問は、エネルギー需給の目標について、中長期にわたるものでなければならないし、全エネルギーにわたるものでもなければならないし、また、省エネ等の実績を踏まえた上で、実効性あるものを追求しなければならない、いまの体制でそれが可能かというような意味のお尋ねでございました。 今日まで政府は、総合エネルギー対策推進閣僚会議におきまして、総合エネルギー調査会の審議、御答申などを参考にいたしながら、エネルギー政策全体の整合性がとれて、かつ実効性がある目標を定めて、その推進に当たってまいった次第でございますが、今回この法案におきまして示しておりまするとおり、通……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 佐藤さんにお答えいたします。 第一の御質問は、労災事故は毎年同じような事故が繰り返し起こっておる、政府の責任は重大であると思うが、どう対処する考えかという意味の御質問でございました。 労働災害を防止いたしまして、働く人々の安全と健康を守り、安心して働くことのできる職場を確保することは、政治の課題であると考えております。 労働災害は、長期的には減少傾向にございます。昭和四十四年に百七十二万件でございましたが、五十三年には百十四万件に減っております。けれども、いまなお毎年百万余に及ぶ方々が労働災害を受けており、政府といたしましては、労働災害のなお一層の減少を図る……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 安田さんの最初の御質問は、年金制度改革に対する考え方と各種審議会の提言をどう受けとめるかというお尋ねでございました。 高齢化社会の到来を控えまして、年金制度全般にわたりまして、総合的な観点から検討を行わねばならないと政府も考えております。 政府といたしましては、公的年金制度の均衡ある発展が図られるよう、一体となって取り組もうといたしておることでございます。もちろん、その場合、関係審議会の年金制度改革についての御意見を十分参考にしながら、高齢化社会において年金制度が真に老後の生活を支えるに足るものになるよう、改革を進めてまいるつもりでございます。 第二の御質問……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 上坂さんの私に対する第一の御質問は、原子力船「むつ」問題の経過を踏まえて、政府の原子力行政について反省を求められるとともに、今後の原子力行政の基本的姿勢についてのお尋ねでございました。 わが国のエネルギーの安定的な供給源の確保をする上におきまして、原子力は石油代替エネルギーとして最も信頼性の高いものでございまして、その開発利用に当たりましては、従来から安全確保を前提といたしまして、その推進に努めてきたところでございます。 特に、御指摘にもございましたが、原子力船「むつ」問題を契機にいたしまして、原子力行政体制の根本的な見直しを行いまして、原子力安全委員会を発足……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 新盛さんの私に対する御質問の第一は、国鉄再建の基本方針でございます。 これにつきましては、先ほど運輸大臣からこの法案の趣旨説明で明らかにいたしてありますとおり、基幹的な交通機関として機能してまいりましたけれども、五十四年度末におきまして、六兆円に近い累積赤字を見込まなければならぬような事態に立ち至っております。われわれといたしましては、これまで何回も国鉄再建に努力をしてまいったのでございますけれども、この再建策が実らずに、今日の状況に立ち至っておりますことは、大変残念でございます。 そこで、今回、この法律を通じまして、まず国鉄の経営の徹底的な合理化を図ることに……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 武部さんの最初の御質問は、郵便料金の今回の値上げは、国民生活に与える影響が大きいので、全面凍結すべきではないかという御質問でございました。 郵便事業財政は、御案内のように、五十四年度末におきまして、二千億円をかなり超える累積赤字を生じております。 郵便事業につきましては、かねてからその効率化と合理化に努めてまいりましたけれども、何分労働集約性の高い事業でございますので、おのずから合理化にも限界がございまして、このまま放置しておきますと、収支の較差はますます拡大いたしまして、経営維持が困難になってくるものと思われます。 そこで、今後とも効率化と合理化には精いっ……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 野口さんからの御質問は、公共放送機関であるNHKを政府はどう見ておるかという意味の御質問でございました。 NHKは、公共の福祉のために、あまねく全国にわたって受信ができるように放送を行うことを目的として、放送法によって設立された公共放送機関であると考えております。 そしてNHKは、言論、報道機関として、その業務の運営が自主的に行われるよう保障されておると考えております。 政府としては、この精神を踏まえまして、NHKがその公共的な使命を達成することを期待しておるわけでございます。 今回の放送法の改正は、受信料収納の円滑化に資するため、受信料制度の趣旨を簡明に……
○内閣総理大臣(大平正芳君) 私は、四月三十日から五月七日まで大来外務大臣を伴い、米国、メキシコ及びカナダを訪問いたしました。さらに、カナダ訪問への途次チトー大統領の訃報に接したため、五月八日ユーゴスラビアに赴き、同大統領の国葬に参列し、帰路九日にはシュミット首相と会談するため西独を訪問し、十一日帰国いたしました。 米国においては、五月一日、カーター大統領と会談したほか、米国議会指導者と懇談いたしました。申すまでもなく、日米間にはあらゆるチャンネルを通じて不断に緊密な連絡がありますが、現在の厳しい国際情勢のもとでは、さらに十分な意見交換を行い、重要な国際的問題に対処してまいることが緊要である……
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