宮沢喜一衆議院議員の在職時の本会議での質疑や答弁などの発言についてまとめています。発言回数、発言文字数、発言時の役職、立場、各発言の冒頭部分の内容の一覧が掲載されています。
委員会や各種会議での発言等については委員会統計/発言一覧のページを参照してください。
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※「発言」は発言が記録された本会議の数、「文字数」は発言として記録された文字の総数を示しています。
※「議会役職」は議長、副議長など国会の役職、「政府役職」は大臣などの内閣、政府関係の役職が記録に付されていた場合を集計し、「非役職」は議会役職、政府役職いずれでもない場合を集計しています。
※国会会期は各選挙期中で最初にその役職での発言が記録された会期を示しています。
○国務大臣(宮澤喜一君) 今後の経済運営についての所信を明らかにし、国民各位の御理解と御協力を得たいと存じます。 最近におけるわが国経済の動向を見ますと、個人消費の堅調や在庫投資の回復に加えて、民間設備投資も増勢に転じ、これを反映して、生産、出荷は大幅な増加を示しております。 このような経済の上昇基調は、昭和四十二年度にも引き継がれ、経済はさらに拡大の方向をたどるものと考えます。反面、卸売り物価は強含みに推移しており、消費者物価の騰勢に毛依然根強いものがございます。また、国際収支につきましては、ここ数年、為替銀行の対外資産、負債の状況は相当改善されてはおりますけれども、わが国が次第に資本輸……
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年一ぱい中小企業に対する金融機関の貨し出しの水準が非常に高うございました。このことは、ぜひともことしもそういうふうに続けてまいりたいと思っておるわけであります。それから、国際化を控えまして、大企業を中心とする効率化投資、これも大切なことでございますから、これらの二つの目的のために、限られた資金、資源を使いますためには、いわゆるシェア競争というような浪費があることは好ましくない、国民全体それをお互いに考えてやろうではないか、こういうことを私としては申しておるわけでございます。 国際収支の観点から申しますと、今日の国際収支の問題は、もう御承知のように、数年前とは一変い……
○国務大臣(宮澤喜一君) 総理が言い残されました点についてのみ御答弁を申し上げます。 景気の考え方につきましては、昨日西村議員に申し上げましたとおりでございまして、たまたま三月になりますと、各企業の明年度の投資計画が銀行に提出されますので、早目に私どもの見方を、借りるほうにも貸すほうにも申しておいたほうがいい、こう考えたわけでございます。 国債が現在のように市中消化及び建設国債という制約のもとに発行されております限り、私どもの立場からもこれがインフレ要因になるというふうには考えられません。もちろん、経済の動きに従って財政金融を弾力的に運営するということは、先日来、総理大臣が所信表明で言って……
○国務大臣(宮澤喜一君) 現在都道府県知事が和解のために仲介をするという制度は、水質保全法、ばい煙規制法等にあるわけでございますが、さらに、このたびの基本法に基づきまして、先ほど厚生大臣からいろいろ述べられましたような諸種の機構、制度等が必要になろうと思っております。
なお、将来の救済のための基金を設けること、あるいはこれが保険の対象となるかどうかといったようなことについても、先の問題としては検討をする必要があるのではないか、かように考えております。(拍手)
【次の発言】 この法律が母法として成立いたしますと、現在ございます水質保全法はおそらくやはり幾つかの点で改めたほうがよろしいのではない……
○国務大臣(宮澤喜一君) 防衛費と国民所得との関係でございますが、過去五年間におきましては、ほとんど毎年変わりなく国民所得の一・二%が防衛費に充てられております。それから、第三次防衛計画に予定されました費用と、経済社会発展計画におきます昭和四十六年までの国民所得との関係について見ますと、たまたま比率は同じく一・二%でございます。四十七年以降防衛費がどのような比率を占めるであろうか。いかにあるべきかということにつきましては、今後の装備の変化、国民経済の変化等がなかなか読み取れませんので、ただいまお答えを申し上げることが困難でございます。ただ、一・二%というものは、過去におきましてわが国の経済成長……
○国務大臣(宮澤喜一君) 地価の上昇につきましては、国会におかれましてもすでに御決議があり、また、政府といたしましても、閣僚協議会その他の物価等の懇談会で長い間関心を払い、検討を続けてまいりました。その結果といたしまして、御承知のように、先般すでに御可決いただきました土地収用法の改正、それから今般御提案いたしました都市再開発法案、それからただいま御質問のございました都市計画法案、これらを御提案いたしたわけであります。これらを実施することができるようになりますと、土地の所有権、それから期待開発利益等につきまして、従来長い間慣行でございましたものの考え方をかなり大幅に変更することになりますので、こ……
○国務大臣(宮澤喜一君) 来年度の経済見通しにつきまして、まだ具体的に申し上げることができない段階でございますが、ただいま大まかに考えられますことは、今年度始まりました設備投資が、そのかなり多くの部分が来年度も継続して行なわれるであろうということ、それから消費は引き続きおそらく堅調であろう、かなり高いであろうということ、したがって労働需給関係の逼迫も手伝いまして、物価は、消費者物価、卸売り物価とも強含みであろうというふうに想像されます。 国際収支につきましては、御指摘のとおりの国際信用の不安定の問題がございますので、世界貿易にあまり大きな伸びを期待することはできないのではなかろうかという気が……
○国務大臣(宮澤喜一君) 平林議員の御批判をつつしんで承りました。総理大臣から答弁されましたのと重複いたしません点だけを補足して申し上げたいと存じます。 今年の三月に当院で総理大臣が所信表明をされました際に、今年の経済は相当基調が強いので、不測のことがあれば、財政、金融の面からすぐに措置をとる、また民間企業に対しても、そういう環境であるから、設備投資はどうぞ十分に自制をしてやってもらいたいものだ、こういう呼びかけを総理が所信表明で述べられたわけであります。その後私ども、産業構造審議会などを通じまして、いわゆる民間企業設備投資の適正な調整について努力をいたしたつもりでございましたが、その結果は……
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年秋以来、財政金融両面にわたる一連の景気調整措置が実施され、さらにその効果の一そうの浸透をはかるため、本月初めには、公定歩合の再引き上げが行なわれました。このような措置がとられておりますものの、いまだわが国経済の基調に大きな変化はあらわれておりません。本年度のわが国経済は、民間設備投資が前年度に比べ三〇%に近い大幅な増加となり、消費支出もかなり増加するものと思われますので、経済全体としては、予想を上回り、実質一一・六先程度の成長が見込まれます。このような国内経済活動を反映して、輸入は二〇%を上回る大幅な増加が見込まれますが、反面、輸出は海外景気の停滞もありまして、八……
○国務大臣(宮澤喜一君) 先ほど総理大臣が答弁をされましたように、昭和四十二年度の経済がかなり大型になるであろう、その場合にどうするかといったようなことは私ども考えておったわけではございますけれども、ただ、この分野を特に所管するように命ぜられております私といたしましては、予想外に設備投資が大きくなったということについては、自分の見方を反省いたしております。昭和四十年代の日本の経済には、三〇%に近い民間設備投資の増があるというようなことはあり得ないというふうに一般にいわれておったわけでありますが、現実にはそういうことが起こりましたわけです。おそらく、これは企業の規模の国際化でありますとか、あるい……
○国務大臣(宮澤喜一君) 間接税の増徴が購買者の負担になるということは否定ができないところであります。そこで、今年度の財政をつくりますときに、私どもが面しました選択というものは、国債をさらに増発するか、所得税を据え置くか、あるいは間接税を据え置くかという、その三つのうちのどれかであったわけでありますが、国債を増発するということは、財政の正常化からどうしても避けたいという気持ちでありました。そこで、ただいま大蔵大臣の言われましたように、所得税については非常に累進構造が急である、勤労意欲も企業意欲もそぐほどに急であるということから、調整の減税だけはやむを得まいということになりまして、そこで、決して……
○国務大臣(宮澤喜一君) 地方公営企業の内容が悪化するようになりましたのは、昭和三十七、八年のころからでありまして、当時、私といたしましては、物価という観点から、主としてこの問題に関心を持ったわけであります。検討いたしますと、やはりただいま細谷議員の言われますように、内部努力は必要でありますが、内部努力だけではどうも解決がむずかしいという感じがいたしました。 そこで、三十九年に地方公営企業制度調査会というものを自治省に設けてもらいまして、そこで検討いたしまして、一年たって答申が出ました。それがただいまの公営企業法の改正になったわけであります。 その内容は、先ほど大蔵大臣の言われました三つの……
○国務大臣(宮澤喜一君) 加入数がふえることによって、自動的に基本料が上がるという問題でございますが、これは法律的には非常にむずかしい問題でございますけれども、何か方法はないだろうかということで、だだいま郵政大臣と御相談を申し上げているところでございます。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) 現在のような内外の情勢の中で、いわゆる春闘の動向には、当然私ども非常に関心を持っております。願わくは、いたずらに名目賃金の上昇を競うことでなく、実質賃金の充実ということに労使とも関心を持ってもらいたい、こう思っております。 所得政策につきましては、ただいま田畑議員の仰せられましたことに、私も概して同感でございますので、現在そのようなことを実際に行なうつもりはございません。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) 海外経済協力基金法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明いたします。 海外経済協力基金は、東南アジアなどの開発途上にある地域における産業の開発事業に関し、必要な資金の貸し付けまたは出資その他海外経済協力の促進に必要な業務を行なうために設立されました全額政府出資の特殊法人でありまして、昭和三十六年に発足して以来、その投融資は漸次増大し、開発途上国における産業の開発に重要な役割りを果たしていることは御承知のとおりでございます。 しかしながら、最近これらの地域の一部の国においては、外貨不足、著しいインフレ高進などにより、経済の安定がそこなわれるおそれが生じてお……
○国務大臣(宮澤喜一君) 現在国産原木の卸売り価格は、昭和四十年ごろの四割五分高ぐらいになっております。輸入は、昨年でおそらく十億ドルをこえたと推定されますし、これは石数にいたしますと、国内の総需要のほぼ四割でございますから、この問題も放置できない現状であると考えております。 それで、農林省はもちろんでございますけれども、施策がかなり各省に広くわたっておりますので、港湾とか植物防疫とか輸入政策とか、私どものほうでも物価担当官、それに各省から集まってもらいまして、木材部会というのを設けまして、すでに対策を総合的に検討し始めておるわけであります。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) 新しい全国総合開発計画は、大体昭和六十年ごろを終期として考えております。それで、ただいまからこの自然の保存ということが非常に大切な問題になってくると考えておりますので、各ブロックに、一次、二次、三次の産業ばかりでなく、その自然保存ということをあわせました特色のある大型プロジェクトをブロックごとにつくっていきまして、そうしてそれを全国的に交通と通信というネットワークで結ぶ、そういう考え方ではどうであろうかというふうにいま考えておるわけでございます。 それで、私の乏しい経験でありますけれども、とかくこういうときにおちいりやすい弊は、全国の利益ということを考えるに急なあま……
○国務大臣(宮澤喜一君) 昨年九月に国際収支の均衡を目標にして引き締めに入ったわけでございますが、国際収支は、目途としたところの均衡をすでに回復したということを私は申したわけであります。しかし、先ほど総理の御答弁にもありましたように、国内の設備投資その他いろいろなことがございますので、最終的な判断は金融当局にまかせるのがよろしいのではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。 米価につきましては、先ほどまで答弁のございましたとおりでございます。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) 最近における農地の工場用地への転用はどのくらいかというお尋ねでございました。昭和四十三年には六千ヘクタール、そのうち水田は六割ぐらいと推定されます。四十四年はこれよりかなり上回ったと思われますが、まだ統計が出ておりません。本年につきましては、需要面と供給面両方から、ただいま私どもの役所で調査をいたしております。 今後十年間にどうかという御質問でございますが、従来一般に十年間の工業用地の必要量は十万ヘクタールといわれておりまして、そのうち農地が六、七割であろうと推定されておりますが、ただ企業側の事情から申しますと、今回立地条件のよいところの農地の転用が、暫定的になりと……
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和四十六年の末には、わが国の全体の残存輸入制限の数を六十にまで減らしたいと考えているわけでございますが、ただいま農政が、御指摘のよな現状でございますから、ただいまのところ、なるべくこのウエートを通産物資がよけいにしょい込むようにという心がまえで、自由化を進めておるわけでございます。 それから、七一年以降、四十六年末以降ということになりますと、農林物資の中で、どうしてもやむを得ない、できないというものも、あるいはあろうかと思います。同時に、関税あるいは課徴金といったような施策もあわせて考えられますので、そういうものもあわせまして、できるものはなるべくやっていきたいと……
○国務大臣(宮澤喜一君) 下請中小企業振興法案の趣旨を御説明申し上げます。 下請中小企業は、わが国産業に広範に存在し、わが国経済の重要なにない手として、その発展をささえてきており、今後とも、わが国産業の高度化の進展に伴い、その役割りはますます増大するものと見込まれております。 しかしながら、下請中小企業は、受注の不安定、体質改善のおくれ等多くの問題をかかえており、さらには深刻な労働力不足、親事業者からの合理化要請の強化等きびしい環境に直面しております。 このような情勢に対処して、下請中小企業が自主的にその事業を運営し、かつ、その能力を効果的に発揮することができるようにすることは、わが国経……
○国務大臣(宮澤喜一君) 去る八日午後五時四十九分、大阪市大淀区長柄国分寺町において、ガス爆発事故が発生いたしまして、多数の人命が失われ、また多数の重軽傷者を出しましたことは、まことに遺憾にたえないところでございまして、つつしんでおわびを申し上げます。 被害の概況は、四月十日午前七時現在の警察庁調べによりますと、死者七十四名、重傷者百三十七名、軽傷者百六十五名であり、また消防庁の調べによりますと、二十六棟に及ぶ家屋の焼失がございました。 事故の原因につきましては、目下警察及び消防当局が調査中でございますが、事故は地下鉄二号線の工事現場で、ガス導管につり防護を施して地下を掘さくしておりました……
○国務大臣(宮澤喜一君) 中小企業基本法第八条に基づきまして先般政府が国会に提出いたしました昭和四十四年度中小企業の動向に関する年次報告及び昭和四十五年度において講じようとする中小企業施策の概要を御説明いたします。 昭和四十三年から昭和四十四年にかけて、わが国経済は拡大基調を続けました。このため、四十四年の中小企業の事業活動も好調に推移し、資金繰りもさしたる逼迫感は見られず、収益も概して好調であり、倒産件数も四十三年と比べてかなり減少いたしました。 しかしながら、近年改善されてきてはおりますが、中小企業の生産性や技術水準における大企業との間の格差は、依然として大きく、また、労働力不足の進行……
○国務大臣(宮澤喜一君) 繊維問題につきましての総理大臣の御答弁を補足させていただきます。 現在の新通商法によって代表されるようなアメリカの保護貿易主義というものは、ガットの精神に正面から背馳するものではないかという点につきましては、私もはなはだそのことを深くおそれております。ただ一部に、ガットというのは、各国の主権の上にあって、完成されたいわば不磨の殿堂であるというような解釈もございますけれども、事実は御承知のように、今日ガットをささえておりますものは、わが国とEECとアメリカのこの三者でございます。この三者が、主権の行使がエゴイスティックにならないようにと自己抑制をすることによって、今日……
○国務大臣(宮澤喜一君) 生活環境保全と産業との関係についてどう考えるかというお尋ねでございましたけれども、先ほど総理大臣が詳しくお答えになりまして、私もそのように考えております。実際の行政をやりますのに、またそういう心がまえで誤りなくやってまいりたいと考えております。(拍手)
【次の発言】 無過失責任の問題につきましては、先ほど総理大臣がお答えになったとおりでございます。私どもが企業を特に何かかばってどうとかということではありませんので、非常にむずかしい法律問題であるということで、法務省で御検討を願っておるわけでございます。
【次の発言】 新規の工場の規制の問題でございますけれども、現在、工……
○国務大臣(宮澤喜一君) 大気汚染防止法、それから水質汚濁防止法の適用につきまして、電力会社だけが完全にそれを免れるというのでないことはもう御承知のとおりでありまして、したがって、排出基準の規制も受けますし、違反した場合の直罰もございます。都道府県知事の立ち入り検査もございますし、非常の場合の緊急措置命令も受けるわけでございます。 これらの権限を全部そのまま環境庁に移すわけでございますから、環境庁長官は、排出基準を定め、あるいは都道府県知事を指導し、また通産大臣に対して所要の勧告をすることができる、こういう構成になるわけでございますから、公害対策の総合的な推進に支障になるようなことはないとい……
○国務大臣(宮澤喜一君) 地場産業を衰退さしてしまいましては、この法律の目的に反しますので、業種を選定いたしますときに、地場産業と競合が起こりませんような選定のいたし方をしたいと思います。 それから、団地などを先行造成するわけでございますから、地場産業でいいものがあれば、むしろそれを選定して団地に入ってもらうというようなことも一つの考え方ではないか、そういうことも考えてまいりたいと思います。 それから、都道府県の計画と市町村の計画の違いは、導入されました工業を拠点にして、あと、企業が育ちますような、一定規模以上の地区の計画を都道府県でやりたいと思っております。 その場合の企業規模でござい……
○国務大臣(宮澤喜一君) 中小企業基本法第八条に基づきまして、先般、政府が国会に提出いたしました昭和四十五年度中小企業の動向に関する年次報告及び昭和四十六年度において講じようとする中小企業施策の概要を御説明申し上げます。 昭和四十四年秋に実施されました金融引き締めの効果は、昭和四十五年度に入って次第に実体経済面に浸透し、中小企業の事業活動も鎮静化を示しました。政府としては、これに対処して、年末及び年度末の中小企業向け特別金融措置を講ずるとともに、昭和四十五年末から三次にわたる金融緩和措置をとり、新たな景気局面の展開を期待しているところでございます。 次に、今回の白書で述べております構造問題……
○国務大臣(宮澤喜一君) 総理の御答弁を二点にわたって補足をさせていただきます。 一つは、アジアの非核地帯構想についての政府の所見はいかんということであったわけでございますが、そのような構想がアジアの地域軍縮の措置に現実的につながりますならば、これはもう、もちろん有意義なことでございますけれども、現実にはアジア地域で、やはり大国間の力関係がかなり流動的でありますし、アジアの各国自身がどのような平和構想を持つかについても、必ずしも意見が一致しておりません。現実には、大国が核を保有しているという状態で世界の平和が保たれておるわけでございますので、そういう現実から申しますと、わが国としては、浅井議……
○国務大臣(宮澤喜一君) 第七十五回国会の再開に当たり、わが国をめぐる国際情勢を概観し、わが国外交の基本方針につき、所信を申し述べます。 今日の世界は、新しい秩序を求めつつ、変動の過程にございます。 特に、一昨年来の石油・エネルギー危機とこれに伴う国際経済上の諸問題は、世界の政治、経済に大きな影響を及ぼしております。 戦後の世界経済は、かなり長い期間おおむね安定と繁栄を享受してまいりましたが、一九六〇年代末以降、多くの問題を生ずるに至り、特に、一昨年の中東戦争以後の石油価格の急激な高騰を契機として、一段と困難な事態に直面しております。食糧、資源、海洋など国際社会全般にかかわる諸問題につい……
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和四十九年一月三十日にソウルにおいて署名いたしました日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の北部の境界画定に関する協定及び日本国と大韓民国との間の両国に隣接する大陸棚(だな)の南部の共同開発に関する協定の締結について承認を求めるの件につきまして、趣旨の御説明をいたします。 政府は、日韓両国に隣接する大陸だな問題について、これを話し合いにより解決するとの方針に従って、大韓民国政府との間で、かねてより交渉を重ねてまいりました。その結果、両国に隣接する大陸だなの北部の境界を画定すること及びこの大陸だなの南部における石油資源を共同で開発することについて合意が……
○国務大臣(宮澤喜一君) 核兵器の不拡散に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして、趣旨の御説明をいたします。 核戦争が人類にもたらす惨害にかんがみ、核軍縮を進めることが人類の一致した希望であることは言をまちません。他方、今日の世界にあって、直ちに全面的核軍縮を実現することが不可能であることもまた現実であります。各国は、この現実の中で、核軍縮を可能なものから段階的に実現するために、じみちな努力を重ねてまいりました。一九六三年の大気圏内、宇宙空間及び水中における核実験を禁止する条約、一九七一年の核兵器及び他の大量破壊兵器の海底における設置の禁止に関する条約等は、この努力の成果たるも……
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆるマヤゲス号の事件に関しましては、米国からは詳細に事情を聞いておりますけれども、カンボジア側からはそのような機会はございませんために、厳格に事態を規定することは困難でございますけれども、米国が自国民及び自国船を保護するために、救済のために行動に出たというふうに推定をせられます。 そうして、それに関して沖繩から海兵隊が進発をしたということでございますが、その海兵隊は、沖繩の基地から他の海外の基地、恐らくタイ国と推定せられますが、そこへ移送をされたのであります。そのような事情を総合して判断いたしますと、いわゆる直接の戦闘行動に沖繩から出たとは考えられません。したが……
○国務大臣(宮澤喜一君) 一九七二年ごろを境として、アメリカの過剰農産物の時代がさま変わりになったと言われましたことは、私どももそのように認識しておりますが、そこで米国が、食糧をいわゆる戦略手段として用いるということの可能性について御指摘があったわけでございます。 この点は、いろいろな客観的な事情から、私どもはそういうことはあるまいというふうに考えておりますが、それには幾つか、実は理由がございます。 第一に申し上げられますことは、御承知のように、アメリカにおきましては、農産物の取引は全く自由に民間にゆだねられておりまして、米国政府として市場操作の手段を全く持っておりません。かえってそのため……
○国務大臣(宮澤喜一君) 最近の国際情勢を概観し、わが外交の基本方針について、所信の一端を申し述べます。 今日の世界経済は、きわめて困難な局面に立っております。 世界経済は、いまや戦後最大の不況の中にあり、世界の諸国の多くはインフレ進行の防止に努めながらも、景気回復の道を模索しております。また、このような世界経済の停滞から開発途上諸国が受けている打撃も深刻なものがございます。 このような状況にあって、世界のすべての諸国は、近年ますます深まりつつある相互依存関係を十分認識し、対話と協調の精神のもとに、インフレの再燃を惹起することなく当面の深刻な不況からの脱出を図り、かつ、世界経済の発展を維……
○国務大臣(宮澤喜一君) 外交問題に関します二点は、すでに総理からお答えになっておられますので、ごく簡単に補足だけさせていただきます。 先般、塚本書記長が訪米をされまして米当局と話をされましたときに、わが国のいろいろ安全の問題について、たとえば、仮に韓国に万一のことがあった場合に、米軍がわが国の基地に期待する機能は主として補給基地という機能であって、作戦行動というようなことを軽々しくは考えていないというようなことの話が出た、そういうふうに理解したというふうに仰せられました。先ほど総理が言われましたように、三木・フォード会談ではこの種の話は出なかったのでございますけれども、実は、その前及びその……
○国務大臣(宮澤喜一君) 第七十七回国会の再開に当たり、わが国をめぐる国際情勢を概観し、わが国外交の基本方針につき、所信を申し述べます。 過去数年来、国際関係の構造は著しい変容を遂げつつあり、人類社会は二十世紀の最後の四半世紀を迎えて、新たな安定と発展への道を求めております。 世界経済は、一部に景気回復の動きがあり、最悪の事態を脱したと見られますものの、なお多くの問題が残されております。特に、開発途上諸国の抱える困難は、一部の産油国を除き、現下の世界的不況によって一層増大しております。このような状況のもとで、世界経済が直面する諸問題の解決及び南北間の対話と協力の促進を目指して、昨年来、一連……
○宮澤喜一君 ただいま議長から御報告がありましたとおり、広島県第三区選出議員内海清先生は、去る七月一日逝去されました。まことに痛惜の念にたえません。 ここに議員各位の御同意を得て、議員一同を代表し謹んで哀悼の言葉を申し述べたいと存じます。 君は明治三十四年、広島県御調郡御調町に生をうけられ、長じて広島県師範学校に進まれ、大正十年御卒業以来、約十八年にわたり、県内の小学校あるいは高等女学校において教鞭をとられました。君の薫陶を受けた子弟は今日も各地に現存して、君を長く徳とし、常に君のよき支持者でありました。 昭和十四年君は請われて日立造船に勤務されることになりました。その後ほぼ二十年間、同……
○国務大臣(宮澤喜一君) ここに、わが国経済の当面する課題とこれに対処する施策について所信を明らかにいたしたいと存じます。 わが国経済は、本年、二百兆円規模の時代を迎えようとしております。 過去三十余年の歩みを振り返りますと、日本経済は、戦後の荒廃の中から立ち上がり、ほぼ五年ごとに規模を倍にする発展を続けてまいりました。 この過程を通じて、われわれの生活は今日かなりの水準にまで到達し、また世界経済の中におけるわが国の地位も重きを加えてまいりました。 しかしながら、五年前、変動相場制への移行と石油危機の発生という経験の中で、百兆円の規模に達して以来今日に至るまでの道程はかつてない困難なも……
○国務大臣(宮澤喜一君) 佐々木委員長は、現在最も望まれておる政策は何かということを、貯蓄の問題と、いわゆる内に弱く外に強い円という形で、具体的に御指摘になったわけであります。 そこで、確かに貯蓄率は相変わらずと申しますか、石油危機ごろまで二〇%ちょっと足らずでございましたけれども、四十八年からにわかに高くなりまして、最近ちょっと下がっておりますが、まだ二三、四%のところでございます。 そして、何のために貯蓄をするかということになりますと、第一に病気や不時の災害、第二に教育、結婚資金、第三に土地、家屋、第四に老後の生活のためと、常にこの順序は変わりませんで、しかも、三番目に土地が来て家屋が……
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府が新たな中期計画を策定すべきではないかという御指摘でございました。 ただいま、政府は昭和五十年代の前期計画を持っておりまして、この中で目標年次に達成すべき雇用、物価、社会保障、財政、国際収支等々の目標を掲げておりますが、五十一年、五十二年におきまして想定されましたコースを、経済の運営がかなり離れたことは御承知のとおりでございます。したがいまして、先般、試算をいたしてみました。それによりますと、五十三年度に七%程度の経済成長をすることによってなおこの目標の達成は可能であるということが試算の結果出てまいりましたので、当面といたしましては、五十三年度の経済運営に全力を……
○国務大臣(宮澤喜一君) 政府の関与しております農産物資の円高差益はどうなっておるかというお尋ねでございました。 麦について申し上げますと、食管会計のうち輸入麦に関する差益、そのうちで円高差益分と思われますものが昭和五十二年度に百七十億円ございます。これにつきましては、農林大臣が、食管法の規定により、また現在、米について作付転換を行い、なるべく米の消費を奨励したいという大事な方針を持っておられまして、それとの関連もあって、麦の価格を据え置くことが適当だと考えるというお話がありまして、私も、それはごもっともなことだと考えまして、それに同意をいたした経緯がございます。 次に、牛肉につきましては……
○国務大臣(宮澤喜一君) 重複を避けまして、残りました問題について申し上げます。 緊急輸入四十億ドルということを言っておるが、これはいつまでのことを考えておるかというお尋ねで、今年度中に少なくとも四十億ドルと考えております。 その大きな内訳はどうなっているかということでございまして、ただいままでのところを大まかに申し上げますと、第一は、先般百人に近い経済人が輸入ミッションでアメリカに参りました。その成約がほぼ十九億ドルと思われますが、かなりのものが本来予定されていなかった輸入であるというふうに推定してよろしいかと思います。 それから第二は、輸銀の外貨貸しの問題でございますが、先ほど大蔵大……
○国務大臣(宮澤喜一君) 中期計画についてお尋ねがございましたが、これから中期計画を立てます根本の目的は、やはり雇用状況を何とかして改善をいたしまして、国民生活の質的向上を図れるような経済運営をどうすればいいかということを計画において検討し、決めたい、それが終局の目的でございます。 なお、その中で政府自身が中心となってやるべき施策としまして、生活関連の社会資本の整備でありますとか、あるいは社会保障のあるべき水準を今後数年間どこに置くべきかというようなことがございます。 それらの目的を主な目的にしながら、その間に片づけなければならない問題といたしましては、経済バランスの問題、対外的には大きな……
○宮澤喜一君 ただいま、私が国会議員在職二十五年に及びましたことに対し、院議をもって御丁重な表彰の御決議を賜り、まことに感謝にたえません。謹んで厚く御礼を申し上げます。(拍手) このたびの栄誉は、ひとえに先輩、同僚各位の永年にわたる御懇情のたまものであり、みずから顧みますと、いまだに不徳非才、まことにじくじたるものがございます。 今日を機として、心を新たにして国政のため微力を捧げたいと存じます。何とぞよろしく御指導賜りますようお願いを申し上げまして、お礼の言葉といたします。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) 二点にわたりまして総理大臣の御答弁を補足いたします。 まず、税制調査会の審議に当たりましては、税制改革に関する国会の御論議、選挙中に行われました総理大臣の発言等につきましては、当然のことながら十分念頭に置いて審議が行われているものと信じております。私どもといたしましては、同審議会の包括的な指針を得まして税制改革に対処してまいりたいと考えております。 次に、公共事業の執行につきまして、土井委員長から御意見と御懸念の御表明がございました。 公共事業の執行に当たりましては、地域の経済事情、景気状況等の実情を念頭に置きまして、御指摘のように国民生活関連、中小企業関連の施……
○国務大臣(宮澤喜一君) 大部分の問題につきまして総理からお答えがございまして、一つ為替の問題が残っております。 確かに、塚本委員長の言われますように、変動相場というものの機能は甚だ不十分でございますし、我が国の場合、過去一年間を見ますと、やはりそういう感じを持っておるわけでございます。そこで、何かこれを改善する方法はないか。委員長は例えばターゲットゾーンということを言われましたが、そのような考え方は、御承知のように専門家の間にも学者の間にも絶えず繰り返されて議論をされておりますし、また、十カ国蔵相会議におきましても、御承知のように真剣な討議が行われたわけでございます。しかし、結果としては、……
○国務大臣(宮澤喜一君) 国鉄の共済年金についてお尋ねがございました。 これにつきましては、過般、政府の統一見解をもちまして申し上げましたとおり、昭和六十四年度までの分は、国鉄の自助努力と国の負担を含めまして、支払いに支障のないようにいたすべく本年度中に結論を得る、こういうことを申し上げてございますが、幾たびか閣僚会議を開いておりまして、結論を得る努力をいたしております。次に、昭和六十五年度以降の分についてでございますが、これはさらに大きな問題になるということは私どもも十分認識をいたしております。したがいまして、六十四年度までの対策ができましたら、それに引き続きましてできるだけ速やかに十分な……
○国務大臣(宮澤喜一君) 加入者按分率の問題でございますが、御承知のように、老人の加入割合が各医療保険制度の間に大変に大きな格差があるわけでございますので、その格差から生じます負担の不均衡と申しますか、それを是正しまして、国民経済の中でできるだけ老人医療費を公平に負担をするようにしたいという観点から御提案を申し上げておりまして、単に財政対策といった観点からのみ考えておるわけではございません。 それから次に、老人医療費の一部負担の見直しでございますが、厚生大臣からもお答えがございましたが、世代間の費用の負担の公平化を図っておきたいということ、それから、御老人でありましても、やはり御自分の健康に……
○国務大臣(宮澤喜一君) 補正予算につきましては、間もなく国会に提出をいたしまして御審議を仰ぎたいということでただいま準備を進めておりますが、その中におきまして、内外の経済情勢に対処いたしまして、公共事業関係費の追加等を計上いたしたいと考えております。この点につきまして、御指摘のように、行革審の本年六月の答申の中で「経済情勢の急激な変化等に対して、政府が臨時・緊急の対応を採ることは、もとより」であるという指摘がございまして、私どもは、現在の状況を臨時・緊急の事態、それへの対応と考えております。ただ、それにいたしましても、今回の補正予算におきましては建設国債は増発せざるを得ないと考えておりますが……
○国務大臣(宮澤喜一君) ここに、昭和六十一年度補正予算の御審議をお願いするに当たり、当面の財政金融政策の基本的な考え方について所信を申し述べますとともに、補正予算の大綱を御説明いたしたいと存じます。 戦後四十年余り、我が国は国際環境に恵まれる中で、国民の勤勉と創意により、今や世界経済の約一割を占めるまで成長を遂げ、国民生活もまた向上いたしました。こうした中で、我が国は、国際社会からその国力にふさわしい貢献を求められるようになっております。 私は先般、IMF・世銀総会等一連の会議に出席し、各国の大蔵大臣及び中央銀行総裁と意見交換を行ってまいりましたが、どの会議におきましても諸外国の我が国に……
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和六十二年度予算の御審議をお願いするに当たりまして、今後の財政金融政策の基本的な考え方につき所信を申し述べますとともに、予算の大綱を御説明申し上げます。 我が国経済は、戦後、国際環境に恵まれる中で、国民の勤勉と創意とに支えられ、目覚ましい発展を遂げました。石油危機など幾多の試練を克服しつつ、その都度、変化する環境に即応して国民経済の体質を改善してまいりました。 今日、世界経済の約一割を占めるに至った我が国が、これまでなし遂げた成長と発展を基に今後進むべき道は、対内的には、豊かで活力のある経済、社会を構築し、対外的には、国際社会の期待にこたえて、我が国の占める地位……
○国務大臣(宮澤喜一君) 土井委員長から為替の問題につきましてお尋ねがございました。 一昨年の九月のいわゆるプラザ合意以来の円の上昇が余りにも急速かつ大幅でございましたから、それが国民経済に容易ならざる影響を与えておりますことは私どももよく認識をいたしております。したがいまして、財政の厳しい中ではございますが、先ほど総理からお話のございましたように、内需拡大に財政も精いっぱいの努力をいたしつつございますが、他方でまた、相場そのものの安定を何とか図れないものだろうかという努力をいたしてまいりました。昨年の十月末に、アメリカの財務長官と話をいたしましたわけでございますが、その後二月ほどは相場が安……
○国務大臣(宮澤喜一君) 塚本委員長から、売上税の実態に関する問題につきましてお尋ねがございまして、お答えを申し上げます。 まず第一は、年商が一億円以下の事業者の場合に関することでございました。その事業者が、例えば商店街におりまして、その地域の最終消費者を主としてお得意にしておるというような場合には、これはもう非課税が明らかに有利でございますから、そういう人々にとってはこの制度は恩典になることは間違いないと思いますが、御指摘になりましたように、そういう事業者が生産、流通の中間の段階に入りましたときには税額票の発行ができませんので、そこで取引から排除される、取引上不利になるという心配があるとお……
○国務大臣(宮澤喜一君) 私は、去る二月二十二日パリにおいて開催されました主要国蔵相・中央銀行総裁会議に国会のお許しを得て出席してまいりました。 このたびの会議には、サミット参加七カ国のうちイタリアを除く六カ国の蔵相及び中央銀行総裁が参加いたしましたが、この機会に、会議後発表されました声明の概要等につきまして御報告を申し上げたいと存じます。 まず、東京サミットの経済宣言の枠組みの中において行ういわゆる多角的監視の一環といたしまして、各国の経済動向及び見通しの吟味が行われました。 その結果、インフレなき持続的成長、金利低下等、先進国経済の積極面が評価される一方、経常収支不均衡に対する懸念が……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました昭和六十二年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 御承知のとおり、我が国財政を取り巻く環境には一段と厳しいものがあり、我が国経済の着実な発展と国民生活の安定、向上を図るためには、引き続き財政の改革を強力に推進し、その対応力の回復を図ることが緊要であります。 このため、政府は、昭和六十二年度予算におきまして、歳出の徹底した節減合理化を行うとともに、現下の経済情勢にかんがみ、景気の着実な拡大に資するためできる限りの努力を行うこととしているところであります。 まず、歳出面におきましては、既……
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和六十二年度補正予算の御審議をお願いするに当たり、当面の財政金融政策の基本的な考え方について所信を申し述べますとともに、補正予算の大綱を御説明いたします。 最近の経済情勢について見ますと、世界経済は、全体として緩やかな拡大を続けているものの、主要国の経済成長は力強さを欠いており、各国の大幅な対外不均衡等を背景として、保護主義が高まりつつあります。また、開発途上国における累積債務問題も、なお解決を見ておりません。 一方、我が国経済について見ますと、国際収支の不均衡は是正の兆しはありますが、なお大幅であります。また、景気は底がたさはあるものの、製造業を中心に停滞感が……
○国務大臣(宮澤喜一君) 財政と税制の問題につきましては総理大臣がほとんどお答えになりましたので、一、二点補足をさせていただきます。 まず、昭和六十二年度に減税先行をいたしますとしました場合の財源でございますが、六十一年度分の剰余金はかなり大きなものが出ておりますので、この純剰余金と、それから六十二年度の財政の歳出歳入を幾らかやりくりをいたしまして減税財源をつくれるのではないかというふうに考えております。 それで、NTTの売却益を減税財源にするかどうかということの考え方でございますが、先ほど総理がお答えになりましたとおりで、やはり過去の国民の努力の蓄積でございますので、この売却益は、過去の……
○国務大臣(宮澤喜一君) 六十二年度の減税とその財源についてお尋ねがございました。 ただいま税制改革協議会において種々御協議中でございますので、その結果がまたどのような規模の減税になりますか、ただいまのところ予測をいたしかねておりますが、しかし、御協議の状況を踏まえまして、できますならば、六十二年度のいわゆる先行分の減税につきましては、六十一年度分の剰余金がかなりたくさん出ておりますので、それを含めまして今年度の歳出歳入のやりくりの中で処理をさせていただくことができるのではないだろうか、御協議の結果にもよりますが、ただいまさよう考えております。 ただ、同時に、そのような所得税の減税が行われ……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま厚生大臣がお答えになられましたように、六十二年度予算におきまして、精神障害者社会復帰施設に対する補助として、新たに福祉ホーム、適所授産施設を加えることといたしました。また、適所の小規模作業所に対する助成を開始することといたしますなど、精神障害者社会復帰関係予算の充実を図っておるところでございます。また、精神衛生センターや保健所における精神保健対策関係予算も充実をいたしました。 今後とも、厚生大臣のお考えを十分承りながら適切な予算編成をいたしてまいることにいたしたいと存じます。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法案及び日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法の実施のための関係法律の整備に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 我が国の現下の経済情勢を見ますと、国民生活に緊要な社会資本の整備の促進を図ることにより、内需拡大の要請にこたえるとともに地域の活性化に資することが重要な課題となっております。 他方、国債整理基金の状況を見ますと、昭和六十一年度と同様に日本電信電話株式会社の株式の順調な売り払いが行われれば、国債の……
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和六十二年度の防衛関係費につきましては、中期防衛力整備計画を踏まえつつ、全体の規模の圧縮に極力努めたところでございましたが、名目GNP等々の動向もありまして、GNP比が一%を上回ったものでございます。ただ、伸び率といたしますと、六十二年度は、円高また油の価格が下がりましたこと等がございまして、対前年比伸び率は五・二%でございますが、これは昭和三十五年以来の低い伸びでございます。 なお、この総額明示方式を昭和六十六年以降はどうするのかというお尋ねでございました。六十六年度以降の防衛関係費のあり方につきましては、この計画が終了するまでに改めて国際情勢、財政経済事情等を……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました所得税法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 この法律案は、国税に関する制度全般にわたる改革の必要性にかんがみ、その一環として、所得課税の負担軽減及び合理化とその財源措置の観点をも踏まえ、内外の社会経済情勢の変化等に即応して早急に実施すべき措置を講ずるため、所得税法、たばこ消費税法、取引所税法、有価証券取引税法、印紙税法、国税通則法、租税特別措置法等の一部を改正することといたしております。 以下、その大要を申し上げます。 第一に、所得税につきましては、中堅所得者層を中心に、負担の軽減及び合理化を行うこととしております。 ……
○国務大臣(宮澤喜一君) 金融並びに税制の関連でございますが、中小企業の構造転換等を支援いたしますために、いわゆる円高特別貸し付けあるいは特定地域における特別融資等の各種の施策を実施しておりますことは御存じのとおりでございます。 税制につきましては、税制上の特例といたしまして、軽減税率の特例四二%を三〇%に軽減いたしておりますが、ほかに機械の特別償却など特例を設けております。それから、今年度、中小企業等基盤強化税制の創設を行ったところでございます。 なお、今後とも、時宜に応じまして、通産大臣とも十分御相談をしながら、対策に誤りなきを期してまいりたいと存じます。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) 一般的に申しまして、行財政改革の推進のために補助金等の整理合理化は引き続き推進していかなければならないと考えておりますが、地方財政につきましては、その円滑な運営に支障を生ずることのないように、今後とも、各年度の地方財政対策を通じまして、国としても適切に対処してまいらなければならないと思っております。また、先般御議決いただきました社会資本整備勘定、NTTの売却代金でございますが、それ等を活用いたしまして地方の活性化に資してまいりたいと考えております。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) 大部分総理大臣がお答えになられましたが、税関係が一つ、二つございます。 相続税でございますが、おっしゃいますように、私どもも相続税の改正は必要であるというふうに考えております。ただ、現行の制度は、昭和五十年の改正でございますので、かなり時間がたっておりまして、このたび改めますのには相当大がかりなことをしなければならないかと思っております。また、所得、消費、資産の間のバランスという問題もございますので、そうだといたしますと、いわゆる抜本的税制改正の一環としてその姿の決まるのを見まして改正をする方がいいという議論もございまして、この点、もうしばらく私どもの中で検討をさせ……
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和六十三年度予算の御審議をお願いするに当たりまして、今後の財政金融政策の基本的な考え方につき所信を申し述べますとともに、予算の大綱を御説明いたします。 戦後四十年余りの間に、我が国経済は世界でもまれに見る発展を遂げ、国際社会に占める我が国の地位の向上は目覚ましいものがあります。これは、ひとえに、国民の英知と努力の結晶であり、賢明な選択のたまものであります。しかし、他方、大幅な対外不均衡等を背景に諸外国との間に種々の摩擦も生じつつございます。 今後、我が国がこれまでなし遂げてきた成長と発展を基礎に二十一世紀を目指して進むべき道は、対内的には、真に豊かで活力のある経……
○国務大臣(宮澤喜一君) いわゆるマネーゲームの行ぎ過ぎについて御懸念の御表明がございました。 いわゆるマネーゲームは、コンピューターの発達などによってこのように広く行われるようになったものと思いますが、御承知のように、昨年十月のニューヨークの株価の暴落以来、いわゆるプログラム取引でありますとかそういう現状について、いろいろな改善論、議論が生まれているように承知をいたしております。我が国におきましても、このような取引がいたずらに投機的な風潮を生むことになりませんように、今後とも十分注意いたすべきものと考えております。 それから、内需拡大のための減税につきましては、先ほど総理大臣がお答えにな……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました租税特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 租税特別措置につきましては、税制の抜本的改革との関連に留意しつつ、最近の社会経済情勢等に即応して、当面早急に実施すべき措置を講ずることとし、土地住宅税制について見直しを行うとともに、石油税について増収措置を講ずる等所要の改正を行うことといたしております。 以下、その大要を申し上げます。 第一に、土地税制につきましては、土地供給の促進、地価対策等に資するため、優良住宅地の造成等のために土地等を譲渡した場合の長期譲渡所得について、その負担を軽減し、一律二〇%の税率による分離課税……
○国務大臣(宮澤喜一君) 昭和六十一年度におきまして、補助金問題検討会の報告の趣旨などを踏まえまして、補助率の総合的見直しを行いました。また、六十二年度におきましては、経済環境がああいう状況でございましたので、公共事業の事業費を確保する必要がございまして、御理解を求めまして、公共事業に係る補助負担率の引き下げをやらせていただきました。これらはすべて六十三年度までの臨時特例と考えております。なお、その際、これに伴います地方財政に対する影響につきましては、所要の対策を講じまして、地方財政の運営に支障がないように全力を尽くしたつもりでございます。 この期間終了後にどういたしますかにつきましては、で……
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびの国保制度の改革に伴いまして、地方の負担が生じることになります保険基盤安定制度の実施並びに高額医療費共同事業の拡充、この二つの措置は、昭和六十三年度及び六十四年度の措置とされておりまして、六十五年度におきましてはその見直しを行うこととされております。したがいまして、六十五年度以降の地方財政につきましては、この改正、改革がどのように六十五年度以降なりますか、それに係るものでございますので、それを待ちまして地方財政措置を定めていかなければならないと思っております。 次に、退職者医療制度の創設についてお尋ねがございましたが、この創設に際しまして、加入者数を予測いた……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました昭和六十三年度の財政運営に必要な財源の確保を図るための特別措置に関する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 御承知のとおり、我が国財政を取り巻く環境には依然として厳しいものがあり、我が国経済の着実な発展と国民生活の安定、向上を図るためには、引き続き財政の改革を強力に推進し、その対応力の回復を図ることが緊要であります。 このため、政府は、昭和六十三年度予算におきまして、歳出の徹底した見直し、合理化等に取り組むことにより、昭和六十五年度までの間に特例公債依存体質から脱却し、公債依存度を引き下げるという努力目標達成に向けて着実に前進することといたし……
○国務大臣(宮澤喜一君) ベーリング海におけるサケ・マス操業の確保の問題でございますが、ただいま米国政府並びにソ連政府と外交交渉が行われております。その事態の推移をしばらく見てまいる必要があると存じますが、万一、交渉の結果、本年度の操業が困難となりますようなことになりますと、恐らく農林水産大臣から所要の措置につきまして御相談があるものと考えております。その場合には、財政当局といたしましても、実態等を十分踏まえまして検討をしてまいることにいたしたいと思っております。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) リクルートの問題につきましては、ただいま総理大臣が詳しくお答えになられましたが、私の場合につきましては、私の事務所の判断が慎重を欠いた点がございます。この点は、私といたしまして監督が不十分であったと反省をいたしております。今後十分注意をいたします。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) リクルート問題について、先ほど総理から李下に冠を正さずという御答弁がございましたが、私自身、自分の事務所の活動の監督に欠くるところがございまして、反省をいたしております。以後十分注意をいたします。 なお、主務大臣といたしまして、このたびのような出来事を今後起こらないように防止するためにどういうことを考えておるかというお尋ねでございました。 今回の件は、非公開会社の株式が店頭登録前に当事者間で売買されたということでございますが、この時期は、しばしば公開に備えましていわゆる安定株主工作が行われる時期でございます。これは、一般論として申せば株式の公開を助けるものでござい……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました税制改革法案、所得税法等の一部を改正する法律案及び消費税法案、以上三件につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 初めに、税制改革法案につきまして御説明申し上げます。 本法律案は、今次の税制改革の趣旨、基本理念及び方針を明らかにし、かつ、簡潔にその全体像を示すことにより、改革についての国民の理解を深めるとともに、改革が、整合性を持って、包括的かつ一体的に行われることに資するほか、改革が我が国の経済社会に及ぼす影響にかんがみ、国等の配慮すべき事項について定めることを目的といたしております。 以下、その大要を申し上げます。 本法律案の第一……
○国務大臣(宮澤喜一君) 被災農家につきましては、実地に被害地域についての調査等を実施いたしまして被害の実態の的確な把握に努めますほか、被害の状況につきましては農業団体等からつぶさに見解を聴取いたしまして、災害の実情に即して適切に対処するように努めてまいります。
なお、昭和六十三年の予定納税につきましては、前年分の農業所得より本年分の所得が減少することと思われますので、その場合、予定納税の減額承認申請書を提出していただきまして、減額を受けることができるようになっております。(拍手)
【次の発言】 被災農家につきましては、被害地域につきまして実際に調査をいたしまして、被害の実態の的確な把握に努……
○国務大臣(宮澤喜一君) 自由化の影響を特に受けると考えられます肉用子牛の生産について新しい措置を講ずる必要が生じましたので、牛肉等に係る関税収入を特定財源といたしましてこれに対処いたそうと考えております。 それによりまして、肉用子牛の不足払い、肉用牛生産、食肉の流通の合理化等々に必要な経費に充てることにいたします。 今後牛肉の輸入量は年を追って増大していくと見込まれますので、この制度の運営に必要な財源といたしましてはこれをもって十分と見込まれます。肉用子牛等対策の実施に支障を生じない見通しでございます。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) 二、三の点につきまして、総理の答弁を補足させていただきます。 第一は、寝たきり老人対策として、今後三年間に総合緊急対策を講ずべきではないかという御提案が自由民主党に対してございまして、自由民主党といたしまして、この問題については我が党としても誠意を持って政府と協議させていただきたいとお答えをいたしました。 既に政府は自由民主党から協議を受けておりまして、本件につきましては、三年間の対策を具体的に考えつつございます。すなわち、御指摘のような三本柱、ホームヘルパー、ショートステイ、デイサービスでございますが、それから施設対策、それらを含めまして、規模についてもあるいは……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) このたび、私は、内閣総理大臣に任命され、国政を担うこととなりました。重責に身の引き締まる思いでございます。我が国の進路に誤りなきを期し、国民の皆様の御信頼と御期待にこたえてまいる決意であります。 国際社会は、今、激動のさなかにあります。何百年に一度という大きな変化が起こりつつあると思われます。世の中ではこれを「冷戦後の時代」と呼んでおりますが、この言葉は、何が終わったかを言ってはおりますが、何が始まるかを示唆してはおりません。事態は流動的ではありますが、私はこれを、新しい世界平和の秩序を構築する時代の始まりと認識したいと思います。 今後とも、世界においては、さ……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 田邊委員長にお答え申し上げます。 委員長は冒頭で、毎日地球上で四万人の子供たちが貧困のゆえに命を失っているという御指摘をせられました。そのことを粛然として承りました。 過日、私は、所信表明におきまして、東西間の冷戦の終結とその明るい展望について申し上げたのでございましたが、委員長はただいま、その反面でますます深刻化しつつある南北問題を踏まえてこのような御発言をなされたものと承ります。 幸いにして東西間の軍備縮小が順調に進みますならば、そこから膨大な資源と資金が放出されることになるはずであります。そうしてそれが南北問題の解決に投入されるならば、我々は、今貧困に……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 串原議員にお答えを申し上げます。 リクルート事件にお触れになりましたが、私の不行き届きから国民の皆様に御迷惑をかけました。政治家として深く反省をいたしております。同じ過ちを繰り返しませんように、今後の政治生活を通じて一生戒心を怠らない決意でございます。政治的には、過般の選挙において、心を新たにもう一度努力せよという信任をいただいたものと受けとめております。 なお、同僚議員につきましても同じような心境でおられることと考えております。これらの方々は、先般の選挙の洗礼を受けてこられました。高い識見と能力を持っておられるこれらの諸君が、適材適所に活躍をせられることは極……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 内閣支持率につきまして御指摘がございました。何分にも就任早々で、いろいろふなれでございます。一生懸命努力をいたしまして国民の御期待にこたえなければならないと決心をいたしております。 リクルート問題につきましては、以前にも申し上げました、自分の不行き届きをまことに申しわけなく、反省をいたしております。同じ過ちを繰り返しませんように、今後の政治活動を通じて一生心を戒めてまいります。 それとの関連で、政治改革についてお尋ねがございました。 所信表明でも申し上げましたとおり、現下、緊急の課題であると考えておりまして、各党間で設置されました政治改革協議会におかれまして……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 平成四年を迎えた我が国は、激動する国際情勢に適切に対応する必要に迫られ、また処理すべき内政の課題も山積しております。 このような年の幕あけに当たり、私は、ブッシュ大統領を我が国に迎え、また、初の外遊先である韓国で盧泰愚大統領と会談いたしました。米国とは、同国が今後も世界の秩序構築のリーダーとしてその役割を果たしていくことが必要であり、我が国もそれに全面的に協力し共同の責任を担っていくことで合意をいたしました。韓国においては、「アジアの中、世界の中の日韓関係」という視点から、アジア・太平洋の、ひいては世界の諸問題解決のために、ともに協力していくことで一致いたしまし……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 田邊委員長にお答え申し上げます。 冒頭に、政治の現状について厳しい御指摘がございました。かつて国務大臣の職にありました同僚議員が収賄容疑で逮捕されましたことは、まことに遺憾なことであります。この事件は、目下司直の手によって究明が進められておりますが、このようなことが生じたことについて、国民の皆様に対し、深くおわびを申し上げます。 阿部議員の進退につきましては、基本的には阿部議員自身が判断せらるべき問題でございますが、現在、事実関係が当局によって究明中でもあり、私の意見を申し述べることは差し控えさせていただきたいと存じます。 内外の問題が山積しております現在、……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 昨日も申し上げたことでございますが、かつて国務大臣の職にありました同僚議員が収賄容疑で逮捕されたことは、まことに遺憾なことでありますし、国民の皆様におわびを申し上げなければならないと思います。 なお、この阿部議員の進退について御言及がございましたが、基本的には阿部議員御自身が判断せらるべき問題であると思います。また、現在当局が事実関係を究明しておりますわけでございますので、私の意見を申し述べることは差し控えさせていただきたい、昨日も申し上げましたが、そのように考えております。 そこで、政治の基本について、御指摘のように、国民の信頼と負託にこたえなければならない……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) お話しのように、政治の基本は、国民の信頼と負託にこたえることにございます。現在、これを揺るがしかねない事件が発生をし、国民の政治不信を招いていることは、まことに残念なことに存じます。 疑惑の解明につきましては、いわゆる共和事件については贈収賄事件として公判中であり、佐川事件については、特別背任事件として現在、司法当局により捜査中でございます。いずれにいたしましても、政治と金のあり方が国民の厳しい糾弾を受けていることにつきましては、厳粛に受けとめております。 なお、私自身のことにつきましては、前国会以来、御要請の資料を御提示した上で、私自身が誠実にお答えをしてま……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 地方自治に対する私の基本的な認識はどうかというような点についてまずお尋ねがございました。 申すまでもなく、地方自治は民主政治の基盤でございます。また、内政のかなめであることも申し上げるまでもございません。最近の社会経済情勢の変化に対応しながら、住民の福祉の向上を図りますために、地方公共団体の自主性、自立性の強化を図ることが最も基本的に必要であるというふうに認識をいたしております。 また、国・地方を通ずる行政の円滑な推進のためには、地方公共団体の意向が国政に反映されることが御指摘のようにもとより必要でございますので、このような観点から、従来から積極的に地方公共団……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 日朝国交の正常化につきまして、この問題は、第二次世界大戦後の日朝間の不正常な関係を正すという側面と、それが朝鮮半島の平和と安定に資するものとなることが大切であるといういわば国際的な側面、二つの面をあわせ持っております。我が国としては、国交正常化がこのような二つの面を有しているということを十分考慮しつつ、また、原則的立場を踏まえながら、関係国とも緊密に連絡をとりまして、誠意を持って交渉を継続していく所存でございます。 次に、いわゆる従軍慰安婦あるいは被強制連行者に対するお尋ねでございましたが、政府といたしまして、朝鮮半島地域のすべての人々に対し、過去の一時期、我が……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 二十一世紀になりますと本格的高齢化社会を迎えますが、その際にも社会保障制度が引き続き安定的に機能し得るよ うに、国民の合意を得られる負担水準との関連に配慮しながら、各制度における合理化、効率化、体系化を図ってまいりました。その結果といたしまして、社会保障費用に占める国庫負担の割合が減少してまいりましたことは、御指摘のように事実でございます。 他方で、しかしながら、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」に代表されますように、二十一世紀を展望して計画的に基盤づくりをすべき分野には重点。的に財源を投下しつつございますことも、御承知のとおりでございます。平成四年度政府予算にお……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 東京の一極集中を是正いたしまして、いわゆる多極分散型国土の形成を図ることは、国土政策上の重要な課題であると考えております。 このため、政府におきましては、いわゆる四全総に基づきまして、地域主導による地域づくりの推進を基本としてまいりました。まず、ふるさと創生を契機として高まってまいりました自主的、主体的な地方の動きをさらに支援するとともに、全国一日交通圏の構築を目途とした高速交通体系の整備、また、テクノポリス法、頭脳立地法に基づく地域産業の高度化、多極法に基づく振興拠点地域の開発整備など各種の施策の展開に努めてまいりました。さらに、地方の自立的な成長と発展の拠点……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 我が国の医療制度の現状をどう考えるかというお尋ねであったわけでございますが、我が国の医療制度は、国民皆保険制度のもとで、医療機関等の整備に加えまして、医療関係者の御努力もありまして、欧米諸国と比べても遜色のない水準に達していると考えております。 これまでも時代の要請に即応して医療制度の改善を図ってまいりましたけれども、二十一世紀の本格的な高齢社会の到来に向けて、人口の高齢化、疾病構造の変化等医療を取り巻く環境は急激に変化しっつございます。 そこで、この法律案は、このような情勢に対処しまして、患者の病状に応じた良質な医療を適切に提供するための体制づくりの第一歩と……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 概算要求基準、いわゆるシーリングでございますが、各年度の予算編成におきまして、歳出を中心に財政全般を見直していくために重要な役割を今日まで担ってまいったと考えております。財政制度審議会報告におきましても、「今後とも概算要求基準の設定により、概算要求段階から制度改革、歳出の節減・合理化を進めるべきである。」との指摘を受けているところであります。 電気通信分野につきましては、昭和六十年以降の電気通信市場の自由化、情報化、国際化の進展や技術革新といった社会経済情勢を踏まえ、概算要求基準のもとにおきましても、個別施策の重要性等をおのおの検討し、対処してまいりました。特に……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 農業は、食糧の安定供給はもちろんでございますが、地域社会の維持、国土・自然環境の保全など多くの面で、もとより重要な役割を果たしております。また、その中にあって、農村は、いわゆる緑豊かな自然と伝統文化に裏づけられたゆとりのある生活・余暇空間を提供するなどの大切な機能を持っておるものと考えております。こうした使命、機能を持ちます我が国の農業、農村がその担い手不足、高齢化の進行、農耕放棄地の増加などによって今大きな節目を迎えており、このような事態に対処して、農家におられる方々が将来を見通しながら、誇りと希望を持って農業を営める環境をつくり上げることが、ただいまの重要な課……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 数点にわたってお尋ねがございましたので、順次お答えをいたします。 まず、都市問題についての基本的な認識はどういうことであるかというお尋ねでございました。 全国的に都市人口が急速に増加をし、都市化時代を迎えておりますが、東京への人口やもろもろの機能の一極集中が一層進行しております。そして、職住の遠隔化、住宅取得難等々種々の問題が生じております一方で、地方都市においては若年層の流出等に対応して、むしろ活性化の必要性が高まっているところであります。特に、さきの地価高騰をきっかけに、大都市地域の都心部等において業務ビル等が住宅地域へ無秩序に進出をいたしました。住宅地の……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 今回の証券取引法の改正におきましては、我が国の証券市場の実情にかんがみまして、取引の公正の確保を図り、市場に対する投資者の信頼を保持するため、証券取引等監視委員会を設置いたしますとともに、証券業協会等自主規制機関について所要の整備を行い、監視機能の強化及び充実を図ることといたしたところでございまして、私どもとしては、証券市場の公正確保の観点から抜本的な改正と考えておるところでございます。 次に、市場の信頼回復の問題でございますが、ただいま我が国の株式市場が依然として低迷をしております背景には、一連の問題の影響、また株式投資に対する魅力の低下、企業業績の悪化等、さ……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 独占禁止法に関する刑事罰研究会は、昨年十二月、刑事罰の強化について検討結果を報告したのでありますが、本件については、当時、まだ各方面において必ずしも意義についての理解や議論が熟していない段階に ありましたため、研究会の結論が各方面に予断を与えることのないよう、適当な時期まで報告書の公表を見合わせることが適当であると公正取引委員会において判断したものと承知をいたしております。 刑事罰研究会は、独占禁止法違反特有の事情などを考慮し、企業と行為者個人の資力の格差、諸外国の法制との比較、課徴金制度の存在などの諸点を総合的に勘案し、現行の罰金刑を抜本的に引き上げることが必……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 御質問は五点にわたっておりますので、逐一お答えを申し上げます。 児玉議員に対しましては、委員会におきまして同様の御質問に対して何度もお答えを申し上げましたが、改めましてお答えを申し上げます。 まず第一に、この法案が憲法違反ではないかというお尋ねでございました。 全くそう考えておりません。何度もそういうお尋ねがございましたけれども、どこが憲法違反がということを御指摘がないものでありますから、なぜそうおっしゃるのか、理解に苦しむところでございますが、まず第一に、国連の平和維持活動というのは、御承知のとおり、これは弾を撃っては失敗なのであります。 しばしば言われ……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 第百二十五回国会の開会に臨み、当面する諸問題につき所信を申し述べ、国民の皆様の御理解と御協力を得たいと存じます。 天皇皇后両陛下には、去る十月二十三日、中国御訪問の途につかれ、二十八日、つつがなく御帰国になられました。まことに慶賀にたえません。(拍手)両陛下の中国御訪問は、両国の長い交流の歴史の中で今回が初めてのことであり、これが日中国交正常化二十周年という両国間の友好関係を象徴する重要な時期に行われましたことは、極めて意義深いものと存じます。御訪問先での人々の温かい歓迎ぶりと、これににこやかにおこたえになる両陛下のお姿は、まさに日中両国民の心の交流を強く印象づ……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 政治と金をめぐる問題、あるいは政治家のあり方の問題等を契機とした国民の政治不信は、御指摘のようにかつてお互いが経験したことのないほど深刻なものである、痛切に感じております。また、政治改革がその実を上げていない現状に対する国民の批判も強いものがあると思います。今ここで政治への信頼が回復されなければ、我が国の将来に大きな禍根を残すことをお互いに憂えるものでございます。この点は委員長の御指摘、私もそのように考えております。 次に、金丸前議員に対する政治資金規正法違反の問題についてでございますが、検察は、法の定めるところにのっとって必要な捜査を行い、証拠により犯罪の嫌疑……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) ただいまの国民の政治不信は、かつて経験したことのないほど深刻なものと痛切に感じております。また、政治改革がその実を上げていない現状に対する国民の批判も強いものがあります。私は、一日も早く国民の納得が得られる政治改革を実現しなければならない、こういうふうに考えております。 次に、国民の政治不信を招く事態が生じたことについて、国民の疑念が解消され、政治への信頼が回復されなければならないと考えますので、そのための真相解明は重要なことと思います。現在、自民党としても真相解明に努力中でございますが、国会では既に各党間で真相解明のための場をつくるべく御協議中と承知しておりま……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) このたび、国民がひとしく待ち望んでおりました皇太子殿下の御婚約のことがめでたく決定になりました。国民の皆様とともに心からお喜び申し上げます。(拍手)この御慶事は、我が国の明るい将来を象徴するものであり、これを機に皇室と国民とを結ぶ親愛のきずながさらに揺るぎないものとなることを確信いたします。 今、我々は、久しく経験したことのない歴史的変動の中におります。 東西間の冷戦の時代が終わり、歴史の流れは大きく平和へと転じました。しかしながら、このことは、国際社会に新たな平和秩序の構築という重い課題を投げかけるとともに、我が国の外交を取り巻く環境にも、また国際社会におけ……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 先般、日本社会党委員長に御就任になられました。心からお喜びを申し上げます。内外極めて多事の折でございますので、御健闘をお祈りを申し上げます。(拍手) 歴史的変動の中にありまして、我が国をめぐる国際環境あるいは国民意識は、御指摘のように大きく変化をしつつございます。そうして、このような変化は、戦後我々が長い間築き上げてまいりましたこの経済社会システム全体の変革を迫るような種類のものであると考えておりますので、そのような場合のリードは当然政治が務めなければならないと考えます。政治が一日も早く国民の信頼を回復し、期待される機能を回復していかなければなりませんが、そのよ……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 水田議員にお答えを申し上げます前に、お許しをいただきまして、昨日の本会議における石田委員長の御質問に対する私の答弁を追加させていただきとうございます。 御質問は、早期に金泳三新韓国大統領と意見交換する機会を設けるべきであると考えるがどうかという、こういう御趣旨でございました。 お答えを申し上げます。 日韓関係の発展は、両国にとってのみならず、アジア・太平洋地域における平和と繁栄にとっても極めて重要でございます。私としては、このような日韓関係をさらに発展させるため、金泳三新大統領と緊密に協力してまいりたいと思います。そのためには、同大統領との間で十分な意見交換……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 公債残高が累増しておりますことについてお尋ねがございました。 我が国は、御記憶のようにかなり長いこと特例公債を発行いたしておりましたが、平成二年度におきまして特例公債からは脱却することができたわけでございますが、その後、厳しい経済状況になりまして、殊に近年の税収状況の中で、平成四年度、五年度予算におきまして、建設公債の発行額を増額をいたしておるわけでございます。したがいまして、御指摘のように公債残高はなかなか減少をしない、そういう構造的な厳しさを持っております。 これからの財政運営につきましては、やはり我が国の経済の持っております潜在力というものを、いっぱいい……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 経済は不況の中にございますが、いわゆる生活大国の実現は、この不況脱出の努力を契機としてこれを進めていきたいと考えておりまして、したがいまして、このたびの租税特別措置の一部改正案におきましても、生活大国づくりに関連して具体的な施策を幾つか盛り込んでおります。例えば、環境・資源エネルギー対策といたしまして、試験研究費に関する特例措置あるいは再生資源利用促進準備金など、農林水産業で申せば、準備金、割り増し償却制度の創設、土地住宅対策につきましては、居住水準の向上に資しますために買いかえ特例の新設、ある いは障害者対策等に資するものとして、障害者多数雇用事業所や老人性痴呆……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 政治不信につきましては、しばしば申し上げておるところでございますが、何と申しましても基本は議員一人一人の政治倫理の問題でございます。 しかしながら、他方におきまして、制度の上におきまして選挙制度の問題、あるいは政治資金制度の問題もございますので、それらを含めまして政治構造の改革をいたしたいと考えておるところでございまして、御指摘のように、地方議会からそのような声が上がっておりますことは、一層このことを物語っているというふうに考えております。 それから、地方分権のことでございますが、ゆとりと豊かさを国民に実感をしてもらうという、いわゆる生活大国のためには、一極集……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 住宅は国民生活の最も重要な基盤をなすものでございますから、豊 かさを実感できる住生活の実現が、生活大国の実現に向けまして極めて重要であることは申し上げるまでもありません。 そのためにも、住宅の質の向上が最も重要な課題であります。公共投資基本計画において定められましたおおむね二〇〇〇年を目途にいたします一戸当たりの平均床面積をほぼ百平方メートルと目標に置いておるわけでございますが、そのための総合的な住宅対策を推進しているところでございます。 この目標の達成のために、御指摘のありましたように、持ち家対策と借家対策をバランスして進めていくことが必要でございますが、と……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 金丸前議員が所得税法違反の疑いをもって起訴をせられましたことは、国民の政治に対する不信を極めて深めたものとして、まことに申しわけないことだというふうに思っております。 事は政治家一人一人の倫理の問題ではありますが、しかし同時に、倫理を担保するための制度改革の必要をも意味しておると思います。昨年、既に緊急改革につきまして国会の御承認を得て実施をいたしましたが。さらに抜本改革が焦眉の急務になっておることは申すまでもないことであります。自由民主党では既に、改革案につきまして、企業献金の問題を含めましてはぼ成案を得ております。やがて国会に御提案をいたしまして御審議を得た……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 豊かでゆとりのある国民生活を実現したいということから、年間総労働時間千八百時間という目標を達成をいたしたい、そのために全力を挙げて努力をいたしたいとただいま考えておるところでございます。週四十時間制への移行等を内容といたしております労働基準法の改正は、この目標を達成いたしますために欠かせない重要な方途である、方法であるというふうに考えております。 もとより、この千八百時間の達成のためには、労働時間法制の改正だけで進められるというわけではございません。そのための労使の積極的な努力が必要でありますことは申すまでもないところでございます。そこで、この法案の速やかな成立……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 最初に、今後の食料・農業・農村政策についての基本的な考え方はどうかというお尋ねでございました。 昨年、農林水産省により「新しい食料・農業・農村政策の方向」が取りまとめられたことは御承知のとおりでございますが、ここに二十一世紀という新しい時代を視野に置いた政策展開の考え方と方向が示されていると思っております。今後は、このような長期的展望のもとに、経営感覚にすぐれた意欲的な農業者が生産の根幹を担うような力強い農業構造を実現し、国内の食糧供給力の維持強化を図るとともに、農村が活力のある地域として発展できるように努めてまいりたいと考えております。 このため、多岐にわた……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) いわゆる東京佐川急便事件あるいは金丸前議員に係る脱税事件につきまして、政府の側におきましては、検察・国税当局において捜査あるいは調査をいたしましたことは申し上げるまでもないことでございますが、公判係属中のものもあり、また、捜査中のものもございます。いずれにいたしましても、これらの調査、捜査が厳正に行われたことについては疑いを入れないところでございます。 なお、ウォーターゲート事件を御引用になられまして、我が国としても、特別委員会のようなものを国会に設けるべきではないかというお話でございました。国会におきましても真相究明にいろいろ努力をなさっておられますが、さらに……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 今日の環境問題は、地球環境という空間的な広がりと、将来の世代にわたる影響という意味で時間的な広がり、その二つを持つ問題になってまいりました。環境問題は、二十一世紀に向けて真に豊かさとゆとりを実感できる社会の形成を目指す我が国にとりまして、重要な政策課題であるばかりでなく、人類の生存基盤としての有限な環境を守り、次の世代へと引き継いでいくという、人類共通の課題でもあると思います。 環境問題への取り組みのためには、国、地方公共団体、事業者、国民、それぞれ自分の立場と責任を自覚し、公平な役割分担のもとに、自主的かつ積極的に経済社会システムのあり方や生活様式の見直しを行……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 最初に、この条約 が日本の子供たちにもたらす意義いかんというお尋ねでございました。 児童は、その人格の完全かつ調和のとれた発達が確保され、社会の中で個人として生活するために十分な準備が整えられることが必要であります。これが児童の権利条約の基本的な考え方と思います。政府としては、この条約において認められております児童の権利の尊重、保護を引き続き図っていくことが重要と認識しております。 また、この条約を締結することによって、児童の基本的人権の尊重や保護について、制度面ばかりでなく意識面、実体面で一層努力していく契機となるというふうに考えております。 それから、オ……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 先般の湾岸危機に代表されますように、国際秩序が今日のように大きく流動化してまいりますと、いろいろな緊急事態が世界各地で多発する傾向にございます。そういう事態に対処いたしまして、邦人の安全の確保のために適時適切に対応することは、もとより政府の重要な責務と考えております。 政府といたしまして、常に、在外公館を中心といたしまして、通信、輸送、緊急時の備蓄の整備など、いろいろな安全対策の強化に心がけておりますけれども、同時に、御指摘のように、商社を初めとしてたくさんの在留邦人が組織のもとに外国に行っておられますので、それらのいわゆる民間の方々との情報提供、連絡の緊密化な……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 先般の米国のクリントン大統領との会談につきましてお尋ねがございました。 アメリカに新しい政権が生まれまして、この冷戦後の時代の世界の中におきまして、御指摘のように、GNP四〇%を占める両国の間にどのような協力をすべきか首脳の間で話をしようということで、余人を交えずにかなり長い時間話をし合う機会もございました。私としては、個人的にお互いの信頼感を築くという意味でも収穫のあった会談と考えております。 その会談におきましては、確かにアメリカ側の大きな関心は両国間の貿易・経済問題でございますけれども、しかし、それに限らず広く政治、安全保障の関係、それから両国が協力して……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 去る五月四日、カンボジアにおいて、国際平和協力業務に従事していた我が国文民警察要員五名が、他のUNTAC要員とともに武装グループに襲撃され、うち高田晴行さんが殉職され、残り四名の方々も負傷されるという痛ましい事件がありました。かかる事件の発生に対し、深い悲しみと強い憤りにたえず、高田さんの御冥福をお祈りし、御遺族に衷心よりお悔やみを申し上げるとともに、負傷された方々の一日も早い御回復を祈念をいたしております。世界平和のため努力してきた前途有為な人材を失ったことは、まことに断腸の思いであります。残念のきわみであります。 政府としては、国際の平和と安定のためにとうと……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 先ほど官房長官から御報告をいたしましたような事件が発生いたしましたことについて、深い悲しみと強い憤りにたえません。高田さんの御冥福をお祈りし、御遺族に衷心よりお悔やみを申し上げるとともに、負傷された方々の一日も早い御回復を祈念しております。世界平和のため努力してきた有為な人材を失ったことは、まことに断腸の思いであり、残念のきわみであります。 選挙の施行について最初に御質問がございました。 既に、カンボジアの有権者の推定九割を上回る四百七十万人が選挙の登録を終わっております。これは明らかにカンボジア国民の大多数が選挙を行うことを熱望しているということの証左であり……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 平成五年度当初予算は、厳しい税収動向、財政事情のもとで内需中心の持続的成長を図るために、予算編成時における経済情勢等を勘案して景気に十分配慮するなど、最善の施策を織り込んだものと信じております。すなわち、公共事業関係を中心に、財投におきまして一二%余り、地方単独につきましても一二%という大きな公共事業の予算を中央、地方で計上させていただきました。 ただ、景気の動向を見ますと、必ずしも予断を許さない状況が続いておりましたことから、政府としては、今後の景気の足取りを一層確実なものといたしますために、先般、予算成立直後という極めて異例の時期ではございましたが、総合的な……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 私に関する御質問が九点ございますので、一つ一つお答えを申し上げます。 まず、文部省関係の公立の小中学校の校舎等整備事業の補助対象面積の算定についてでございますが、事業実施年度の翌年度以降、明らかに学級数が減少すると見込まれます場合には、原則として減少後の学級数に基づき適切な事業認定を行うこととし、その旨、本年一月に各都道府県教育委員会に対し指導を行ったところでございます。 厚生省関係では、三件の御指摘がございましたが、いずれも御指摘の趣旨を踏まえ、保健事業費等負担金の精算については、交付要綱を改正することとし、身体障害者療護施設等の入所者に係る診療報酬の請求に……
○内閣総理大臣(宮澤喜一君) 最初に、この法案の位置づけというようなことについてお尋ねがございました。 近年の行政機能の高度化、複雑化に伴いまして、公正で民主的な行政運営を実現し、国民の権利利益を保護するためには、行政手続を整備することの必要性が一段と高まってまいっておると認識しております。 このような統一的な手続整備の要請にこたえるため、我が国におきましては、既に事後救済手続については一般法として行政不服審査法が制定されておりますが、処分等を行う際の手続については不十分な面があることをずっと指摘されてまいりまして、このたび、行政手続法案を国会に提出したところであります。この法案は、国・地……
○宮澤喜一君 ただいま議長から御報告がございましたように、本院議員佐藤守良先生は、去る三月七日、急逝されました。 七日未明、体の不調を訴えられ入院されたとのことでしたが、直前まで先生の元気なお姿を拝見しておりましただけに、この計報は余りにも突然のことであり、ただ茫然としていまだ信じがたい思いであります。 私は、ここに諸君の御同意を得て、議員一同を代表して、先生の御遺徳をしのび、謹んで哀悼の言葉を申し述べたいと存じます。(拍手) 先生は、大正十一年三月、広島県御調郡向島町にお生まれになりました。先生の父君憲悌氏は、地方政界で活躍された人格識見ともに豊かな方であり、その父君の感化と御母堂の薫……
○国務大臣(宮澤喜一君) 池田政調会長は、景気を一日も早く回復するため、当面取り組むべき経済政策の課題として、予算、税制、金融機関の不良債権処理の三つをお挙げになられました。まさに御指摘のとおり、この三つの課題について、小渕内閣の対処方針を速やかに、かつ具体的に決定し、国民と国会の御理解を得ることが、低迷している経済の現状を打破する道と考えております。 まず、税制について申し上げます。 先般、総理大臣が所信表明で述べられましたとおり、個人所得課税については明年一月から、法人課税については明年四月以降に始まる年度から減税を実施いたします。その規模は、個人については四兆円、法人については二兆数……
○国務大臣(宮澤喜一君) バブル退治、不良債権処理に失敗をした、何が誤りであったと思うかというお尋ねでございました。 いわゆるプラザ合意が一九八五年九月でございますが、そのときに円は二百四十二円でございました。しかるに、予想されたより非常に急速に円が上昇を始めまして、翌年の今ごろでございますが、私が大蔵大臣に任命されたときには百五十円台になっております。 したがいまして、このような、我が国が経験したことのないいわゆる円高不況というものが急速に広がりまして、有効求人倍率は低下をいたします。また、日本の企業は外国に立地をすることを考えざるを得ないというような状況でございましたので、これに対しま……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました金融機能の安定化のための緊急措置に関する法律及び預金保険法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 金融機関の破綻に際して、その業務の適切な管理及び円滑な承継を図ることにより我が国における金融の機能の安定化を図るため、緊急の特例措置として、破綻した金融機関の業務及び財産を金融管理人に管理させる制度を創設するとともに、預金保険機構がその特例業務として、金融管理人の管理に係る金融機関の業務を承継する銀行を確保するための銀行持ち株会社の設立等の業務を行うことができることとするなどの措置を講ずるほか、預金保険機構の体制の整備……
○国務大臣(宮澤喜一君) 岡田委員の御主張は、いわゆる第二分類債権に対してきちんと引き当てを義務づける、また保有株式は低価法で計算をする、そういう厳しい方法によって不足する資本額が幾らであるかを正確に算定して、それに相当する額を注入するならば金融機関の早期健全化を一気に図ることができる、こういう御主張でございます。いわば理論的には極めて明快なお立場、御主張だというふうに承りました。 それで、私が委員会で申し上げましたのは、ただいま御紹介もいただきましたが、今、各銀行は、まことにこの辺の引き当て、分類が勝手自由でございますので、それは許されることはできない。今、金融監督庁において十九行を中心に……
○国務大臣(宮澤喜一君) これからの財政構造改革についてのお尋ねでございましたが、このたび、財政構造改革法につきましては当分の間凍結することといたしまして、そのための法案を国会に御提出いたしました。これは、現下の厳しい情勢にかんがみますと、まずは景気回復に全力を尽くすことが最重要な課題であると考えたからでございます。 このたびの補正予算によりまして、平成十年度の公債発行額は三十四兆円になると推定されます。したがいまして、公債依存度は三八・六%でございまして、相当高くなります。ただ、これにつきましては、当面の経済運営に当たりまして景気回復が至上命題でございますから、財政当局としてもこれはやむを……
○国務大臣(宮澤喜一君) 今般、さきに決定されました緊急経済対策を受けて、平成十年度補正予算を提出することとなりました。その御審議をお願いするに当たり、当面の財政金融政策の基本的考え方について所信を申し述べますとともに、補正予算の大要について御説明いたします。 まず、最近の経済情勢とさきに決定されました緊急経済対策について申し述べます。 最近の経済情勢を概観いたしますと、公共投資には前倒し執行等の効果がようやくあらわれてきたものの、民間需要は低調な動きとなっており、このため、生産は低い水準にあり、雇用情勢も依然として厳しく、景気は低迷状態が長引き、極めて厳しい状況にございます。 政府とし……
○国務大臣(宮澤喜一君) 平成十一年度予算の御審議に当たり、今後の財政金融政策の基本的な考え方について所信を申し述べますとともに、予算の大要を御説明いたします。 我が国は、戦後五十年余りの間にさまざまな試練に直面いたしましたが、国民のたゆまぬ努力と創意により、その都度これを乗り越え、今日の日本を築き上げてまいりました。 しかし、今日の我が国経済は、資産市場の低迷や不良債権問題の深刻化などバブルの後遺症を抱える中、金融機関に対する信頼の低下、雇用不安などが重なり、極めて厳しい低迷状況にあります。また、我が国を取り巻く国際経済情勢も、一昨年アジア諸国に端を発した通貨、経済の不安定な状況により、……
○国務大臣(宮澤喜一君) 住宅減税につきましてお尋ねがございました。 このたびお願いしております住宅減税は、従来のものを大幅に拡張しようとするものでございまして、控除税額にいたしましても、従来は最高百七十万円でございますが、このたびは六百万円近くに及ぶようなことを、十五年間にわたりまして、そして平成十一年、十二年のこの年に限りまして行おうとしておるものでございます。したがいまして、政策減税としては非常に大きな規模になりまして、平年度減収額は一兆二千億円でございます。それだけの効果を期待いたしております。 その減税の方法でございますが、御指摘のような議論もございました。ローンを所得控除すべき……
○国務大臣(宮澤喜一君) アジア経済圏の姿につきましての総理の御説明を補足いたします。 東南アジアの国々は、戦後、概して対外的には開放的な体制をとってまいりましたが、一九八五年のプラザ合意以降、殊に我が国からの投資が増大いたしまして、急速な工業化が進みました。対日、対米貿易ばかりでなく、華僑資本を含めて域内の貿易・投資が増大をいたしまして、アジアの一国である我が国としては、これらの国々とともに二十一世紀に向けて明るい共存ができるという希望を持っておったわけであります。 一昨年にタイに端を発しました通貨危機は、このようなアジア諸国の希望にとって一つの挫折となったわけでありますけれども、しかし……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました平成十一年度における公債の発行の特例に関する法律案、経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律案及び租税特別措置法及び阪神・淡路大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、平成十一年度における公債の発行の特例に関する法律案につきまして御説明申し上げます。 平成十一年度予算につきましては、平成十年度第三次補正予算と一体的にとらえ、年度末から年度初めにかけて切れ目なく施策を実施すべく、いわゆる十五カ月予算の考え方のもと、当面の景気回復に……
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のように、地方財政の現状は非常に厳しいものがございまして、平成十一年度予算の編成の中で一番やはり苦労いたしましたのは、この問題でございます。自治大臣と何度かお話し合いをいたしまして、国といたしましても、かなり思い切った異例の措置をとったつもりでございます。 それで、消費税を、地方分を拡大できないかというお話は、御承知のように、平成六年に地方消費税を創設いたしました。それから、消費税に係る交付税の交付税率を引き上げました。両方のことをいたしまして、現在、地方税の、総収入の中に占める地方の取り分は四三・六%でございます。非常に高い率になっておりますので、その点は御……
○国務大臣(宮澤喜一君) 納税者番号についてお尋ねでございましたが、納税者番号制度につきましては、従来から、政府の税制調査会におきまして、かなり長いこと時間をかけまして、適正、公平な課税の実現、あるいは税務行政の機械化、効率化という観点から検討が行われてまいっておりますが、まだ結論を出しておりません。 平成十一年度の、最近の答申におきましても、この税制調査会が述べておりますように、経済取引への影響、民間及び行政のコストと効果、プライバシー保護等の課題を含めまして、国民の理解がさらに深められるよう、より掘り下げて具体的な検討を進めていくことが必要であるというふうに考えております。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) このたびの食料・農業・農村基本法案は、食料供給力の低下、農村の過疎化、高齢化など、現下の問題に対処するために、事業のスクラップ・アンド・ビルドなどを含めまして、農政の再構築を図ろうとするものと承知をいたしております。 財政当局といたしましても、これを受けまして、農業関係予算がさらに重点的、効率的なものとなりますよう、極力支援を惜しまないつもりであります。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) 補助金の中には、例えば生活保護費等の負担金あるいは義務教育国庫負担等、国の政策の重要な部分に関するものも幾つかございますが、同時に、しかし、社会経済情勢は絶えず変化をいたしますし、また、国と地方の関係のあり方も変わっていかなければなりませんので、それらを含めまして、絶えず新しい見直しをしていくことが必要であるというふうに心がけております。その中には、仰せになりましたように、いわゆる一般財源化を図るということも、一つの整理合理化の方法であろうというふうに考えております。 したがいまして、補助金は、社会の需要の変化に応じまして絶えず検討していかなければならない問題でござ……
○国務大臣(宮澤喜一君) 今般、平成十一年度補正予算を提出し、御審議をお願いするに当たり、その大要について御説明を申し上げます。 まず、最近の経済情勢と、さきに決定されました緊急雇用対策及び産業競争力強化対策について申し上げます。 我が国経済は、個人消費及び設備投資が低調に推移し、失業率が高水準にあるなど、依然として厳しい状況にございますが、平成十年度補正予算及び平成十一年度予算の着実な執行、信用保証制度の拡充、金融システム安定化策などの進展など、各般の政策の下支え効果があらわれてきており、本年一―三月期の経済成長率が一年半ぶりにプラスになるなど、明るい動きも見られるところでございます。 ……
○国務大臣(宮澤喜一君) 小渕内閣発足以来、政府は、不況脱出に全力を挙げるという方針のもとに、公共投資等の多額の財政支出、大型減税、住宅建設促進措置、また金融面では、金融機関に対する公的資金の導入、主として中小企業等に対する信用保証措置などを行ってまいりました。これらの措置の効果は、本年一―三月期の経済成長率に何がしか反映されているようにも見えますが、経済不況からの脱却の決め手になるべき民間消費支出及び企業の設備投資については、いまだ満足できる兆候を見出し得ないのが現状であると考えております。 まず、消費につきましては、一―三月期にはかなり高い伸びを見ることができましたが、これが本格的なもの……
○国務大臣(宮澤喜一君) この法律案の実施に伴う減収、税収の減はどのぐらいかというお尋ねでございまして、ただいま通産大臣は、いろいろ試算すると三百億円ぐらいではないかというふうに言われました。また、国の方は違う計算があるようだということも言っていただいたわけですが、私どもの方で把握できるのは、平年度で四十億円ぐらいかなということを言っておるわけでございます。 この違いは、通産大臣の計算されましたのは、このたびの税制改正によって受益をする、一つ一つの受益がございますが、その総体が三百億円ぐらいと御計算になられたと思います。私どもの方は、この制度が行われることによって、この制度がなかりせば生ずる……
○国務大臣(宮澤喜一君) 冒頭に、藤波議員のことについて私にもお尋ねがございました。 各党でいろいろ御協議中のことと伺っておりますが、終局的には、議員御自身の御判断によるものではないかと考えております。 それから、ジェー・シー・オーにつきまして、おっしゃいますように、まことに想像のしないような事故が起こりました。この後始末につきましての財政的な入り用、あるいは今後このようなことが起こらないために考えなければならない諸種の財政的な需要、これらについては、もとより惜しむことなく十分にこれに対応しなければならないと考えております。 それから次に、中小企業に関しまして、私へのお尋ねは主として税法……
○国務大臣(宮澤喜一君) 介護対策の財源を国債の増発によることについてお尋ねがございました。 今回の対策は、介護制度についての与党三党による申し入れを踏まえまして、介護保険法の円滑な施行を図るために、政府の方針として総合的な対策を講ずるものでございますが、その財源は、おっしゃいますように、自然、公債による以外にないと思います。急速な高齢化が進展する中で、老後の最大の不安要因である介護問題に対処するという観点から、新たな制度を円滑に発足させるためにはやむを得ない措置であるというふうに判断をいたしております。 もとより、厳しい財政の現状は十分認識しておりますので、かねがね申し上げておりますとお……
○国務大臣(宮澤喜一君) 今般、さきに決定せられました経済新生対策を受けて、平成十一年度補正予算を提出することとなりました。その御審議をお願いするに当たり、当面の財政金融政策の基本的考え方について所信を申し上げますとともに、補正予算の大要について御説明いたします。 まず、最近の経済情勢とさきに決定されました経済新生対策について申し述べます。 我が国経済の現状を概観いたしますと、各種の政策効果の浸透に加え、アジア経済の回復などの影響もあって、緩やかな改善が続いており、景気は最悪期を脱しているものと思われます。しかしながら、所得が低迷し、殊に企業のリストラが雇用に与える影響等を考えますと、消費……
○国務大臣(宮澤喜一君) 総理の御答弁を補足いたします。 今の財政の現状につきましていろいろ御批判があり、また、今の状態は交付税を除けば国債の発行額よりも税収の方が少ないということまでおっしゃいました。まことにそのとおりでありまして、国税収入は十年前の状態に戻っておりますから、そのような憂うべき状況でございます。 ただ、せんだっても申し上げましたように、小渕内閣が発足をいたしまして一年余りでございますが、確かに経済は恐らく底をついたろう、少しずつよくなりつつあるというところまでは、徐々ではありますけれども、そういう認識は持ってよろしかろう。しかし、この前に申し上げましたように、個人消費は非……
○国務大臣(宮澤喜一君) 平成十二年度予算の御審議に当たり、今後の財政金融政策の基本的な考え方について所信を申し述べますとともに、予算の大要を御説明申し上げます。 我が国経済は、バブル経済崩壊に伴う資産市場の低迷や不良債権問題などにより、長期にわたる停滞を余儀なくされ、平成九年秋以降、その後遺症を抱える中で金融システム不安が生じたことなどもあり、五四半期連続のマイナス成長という、戦後初めての厳しい局面を経験いたしました。その後の景気回復に向けた各般の諸施策等により、景気は既に最悪期を脱したものとは思われますが、回復の足取りが不十分なため、財政が支援を継続して、公需から民需への円滑なバトンタッ……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました平成十二年度における公債の発行の特例に関する法律案、租税特別措置法等の一部を改正する法律案及び法人税法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、平成十二年度における公債の発行の特例に関する法律案につきまして御説明申し上げます。 平成十二年度予算につきましては、我が国経済が厳しい状況をなお脱していないものの緩やかな改善を続けている中にあって、これを本格的な回復軌道につなげていくため、経済運営に万全を期すとの観点に立って編成したものであります。この結果、一般歳出の規模は前年度当初予算に対して二・六%増の四十八兆九百十四億円となり……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました預金保険法等の一部を改正する法律案及び保険業法及び金融機関等の更生手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。 この二つの法案は、金融システムの一層の安定化と利用者の保護を図るため、国民の基本的な貯蓄であり生活保障の手段でもある預金及び保険について、ともに、破綻処理制度の拡充、セーフティーネットの財源の充実及び経営基盤の強化手段の整備を行うものであります。 まず、預金保険法等の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。 我が国の金融システムは、預金保険法、金融機能再生法及び金融機能早……
○国務大臣(宮澤喜一君) 今日までの財政投融資制度につきましては、御指摘のように、そういう特殊法人が肥大化をする、非効率になる、また融資の国民経済への貢献についての分析が十分でないといういろいろな御指摘がありまして、それらを踏まえまして、平成十年の六月の中央省庁等改革基本法において、郵便貯金及び年金積立金の預託を廃止するということ、それから市場原理にのっとった資金の調達をしなければならないといったようなことから、このたびの改革になったわけでございます。 この結果といたしまして、特殊法人の立場からいたしますと、今までのように入り用な金は何となくもらえる、貸してもらえるというようなことから、自分……
○国務大臣(宮澤喜一君) 年少扶養親族に係る扶養控除の割り増しの特例は、御承知のように、昨年、平成十一年度税制改正において、我が国における少子高齢化の進展という経済社会の構造変化のもとで、景気の状況も踏まえながら、子育て世帯への配慮として実施したものでございます。 今回の措置は、子育て世帯の経済的負担の緩和のための施策について、この割り増しの特例を廃止して児童手当を拡充することにより、就学前児童及び中低所得者層に重点を置くことにしたものでございます。したがって、子育て世帯の経済的負担の緩和のための施策という基本的な考え方は同じ思想に立っておりますので、その間に一貫性を欠いた政策変更があったと……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました資金運用部資金法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 本法律案は、平成十年六月に成立した中央省庁等改革基本法第二十条第二号の規定に基づき財政投融資制度の改革を実施することとし、郵便貯金及び年金積立金の資金運用部への預託を廃止し、資金調達について市場原理にのっとったものとするため、関連する三法、すなわち資金運用部資金法、資金運用部特別会計法及び資金運用部資金及び簡易生命保険の積立金の長期運用に対する特別措置に関する法律について、一括して所要の改正を行うものであります。 以下、その大要を申し上げます。 第一に、郵便貯金及び年金……
○国務大臣(宮澤喜一君) 事実関係は、先ほど総理が答弁をされたところでございます。 日英首脳会談で森総理が拉致問題の経緯を説明されたことは、日英間の緊密な関係を踏まえて行われたものであると考えております。森総理としては、このことによって、英国首相に日朝関係についての正しい理解を求められたものであって、これは当然の判断であったと考えます。(拍手)
○国務大臣(宮澤喜一君) 今般、さきに決定せられました日本新生のための新発展政策を受けて、平成十二年度補正予算を提出することとなりました。その御審議をお願いするに当たり、当面の財政政策等の基本的考え方について所信を申し述べますとともに、補正予算の大要について御説明いたします。 まず、最近の経済情勢とさきに決定されました日本新生のための新発展政策について申し述べます。 我が国経済の現状を概観いたしますと、各種の政策効果もあって緩やかな改善が続いており、企業部門を中心に自律的回復に向けた動きが続いております。しかしながら、依然として雇用情勢は厳しく、個人消費もおおむね横ばいの状態が続いておりま……
○国務大臣(宮澤喜一君) 加藤紘一議員の発言につきましてお尋ねがございました。 先日、同議員から詳しく心境を伺いましたが、私からは、大蔵大臣として、現在経済が、民需へのいわゆるバトンタッチを期待される中で、消費、雇用が微妙な状況にありまして、そのゆえに今こうして補正予算を御審議いただいておるような大事な状況でありますので、この際、政治の空白を生むようなことは国民生活や経済活動に与える影響が大きいので、憂慮しているということを申し上げました。ただいまもそのように考えております。 次に、今我が国が非常に大きな転換期にあって、この転換についてのビジョンをどういうふうに考えるかというお尋ねでござい……
○国務大臣(宮澤喜一君) 平成十三年度予算の御審議に当たりまして、今後の財政政策等の基本的な考え方について所信を申し上げますとともに、予算の大要を御説明いたします。 我が国は、戦後半世紀の間に敗戦の荒涼からの復興と高度成長をなし遂げ、世界経済におけるその地位を築き上げましたが、二十世紀末に至りまして、内外情勢の大きな変化に直面することとなりました。すなわち、バブル経済の崩壊及びその後の景気の長期的な低迷により、それまでの右肩上がりの経済は変容を余儀なくされ、また、少子高齢化の進展、経済のグローバル化やソフト化、情報化といった構造変化も急速に進んでおります。 このような状況のもと、我が国経済……
○国務大臣(宮澤喜一君) 最初に、我が国経済のバブルの後遺症についてお尋ねがございまして、既に総理大臣から詳しく御答弁がありましたが、私からもということでございますので、申し上げます。 まず、金融機関につきましては、担保不動産の価値が大きく下がったことなどから、不良債権が増大し、バブルの事後処理を要したところであることはおっしゃるとおりでございますが、これまでかなり大きな公的資金も活用され、また不良債権に対する必要な引き当ても行われておりまして、金融機関の健全性については、かつてのような問題がもう現在あるわけではございません。ただ、かつてのような非常な、世界に融資するような、健全性を欠いてお……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました平成十三年度における公債の発行の特例に関する法律案、法人税法等の一部を改正する法律案及び租税特別措置法等の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 まず、平成十三年度における公債の発行の特例に関する法律案につきまして御説明申し上げます。 平成十三年度予算につきましては、二十一世紀の新たな発展基盤を構築しつつ、我が国経済を自律的回復軌道に乗せるとの観点に立って編成したところであります。あわせて、厳しさを増している財政状況にかんがみ、財政の効率化と質的改善を図ることといたしました。 こうした中で、公債発行額につきましては、一方で、金融……
○国務大臣(宮澤喜一君) 景気対策におきまして、公共事業の追加を行う際には、各地域の要望等を踏まえた上で予算措置を行っておるつもりであります。また、地方負担に対して起債措置などを講じる等々、地方の財政事情もできるだけ配慮するよう努力をいたしてまいっておるつもりでございますが、しかし、実際問題として、地方財政は、近年の我が国経済の厳しい状況によりまして税収が伸び悩んでおりますし、全体経済の低迷、そうして、そのために景気対策を公共事業としていたしますと、その追加のための負担、あるいは特別減税等々がございますから、地方財政は結果として借入金が急増をいたしておりまして、おっしゃいますように極めて厳しい……
○国務大臣(宮澤喜一君) 教育予算のあり方についてのお尋ねでございましたが、我が国が、今後、創造的で活力に富んだ国家を目指していくために、教育の果たす役割は非常に重要であります。 教育予算については、時代に応じたあるべき教育の実現に資するため、必要な経費について十分配慮してきており、その結果、例えば、教員一人当たりの児童生徒数が欧米と遜色ない水準となるなど、教育環境の改善が十分図られてきていると考えております。 また、十三年度教育予算におきましても、教育改革の推進のための環境整備として、現在お諮りしております法案に基づきまして、少人数指導の実施等を推進しておりますほか、教員の指導力、資質の……
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいま議題となりました税理士法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。 本法律案は、最近の税理士制度を取り巻く状況の変化を踏まえ、納税者利便の向上に資するとともに、信頼される税理士制度を確立するため、所要の見直しを行うものであります。 以下、その大要を申し上げます。 第一に、納税者の利便向上を図るため、租税に関する事項について、税理士が裁判所において補佐人となる制度を創設することとしております。 第二に、税理士試験において、規制緩和の要請も踏まえ、受験資格要件を緩和するとともに、税理士の資質の確保を図り、税理士制度の信頼性を向上させるため、試験科目……
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