重光葵 衆議院議員
27期国会発言一覧

重光葵[衆]在籍期 : 25期-26期-|27期|
重光葵[衆]活動記録 : トップ選挙結果本会議発言委員会統計発言一覧質問主意書

このページでは重光葵衆議院議員の27期(1955/02/27〜)における国会発言(質問、答弁等)をまとめています。国会活動の統計や役職、質問主意書の数や内容は27期国会活動統計で確認できます。

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本会議発言一覧(衆議院27期)

重光葵[衆]本会議発言(全期間)
25期-26期-|27期|
第22回国会(1955/03/18〜1955/07/30)

第22回国会 衆議院本会議 第5号(1955/03/24、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) お答えをいたします。  ソ連との交渉は、御承知の通り、日ソの関係が法律上いまだに戦争関係が続いておるということを正常化せんとする趣旨に出ておるものでありまして、これは、日本の外交政策はこれまでとも引き続いて平和外交である。平和を強化したい外交である。このソ連との関係において、法律的ではあるといっても、いまだに戦争状態が続いておるということは、これはやめなければいかぬ。すなわち正常化しなければいかぬ。これは平和を強化する政策に根本的に合致しておるもしのでありますから、これを遂行しようというのでございます。そのソ連の意図がどこにあるかということにつきまして、ソ連の東京におけ……

第22回国会 衆議院本会議 第12号(1955/04/25、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) ここに政府の外交方針についていささか所信を申し述べますことは、私のすこぶる光栄に存ずる次第でございます。  最近の国際情勢は、前国会において申し述べまして以来少しも改善を見ておりません。世界情勢の緊張は依然として緩和されない状態でございます。欧州においては、パリ諸協定の批准手続が完了した結果、西ドイツの再軍備は始められ、西欧連盟は結成いたされましたが、ソ連は二月政変によって軽工業主義から重工業主義に移行して、力には力をもってする政策に転換をして以来、いわゆる共産勢力の平和攻勢は様相を変えて、ために国際関係は緊張の度を増してきたと判断せざるを得ないのであります。  しかし……

第22回国会 衆議院本会議 第13号(1955/04/27、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) お答えいたします。  外交の根本問題につきましては、今総理大臣からお答えがありましたわけでありますから、私から特に申し上げません。私は日本本位の独立自主の外交をやることに努めておるつもりでございます。(拍手)  それから、日ソの交渉は、これまた発表の通りでありまして、すなわち間もなく本交渉がロンドンにおいて行われることに相なっております。これを申し上げます。決して上げも下げもならぬようになっておるわけじゃございません。(拍手)  それから経済問題は、東南アジアの経済問題等が着々進んでおりまして、成績をあげておるつもりでございます。  以上をもって私のお答えといたします。……

第22回国会 衆議院本会議 第14号(1955/04/28、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 外交一般につきましては、今鳩山総理大臣からしさいに御答弁に及んだことでございますから、私から申し上げることは差し控えます。私は、二、三の具体的問題について、御質問に対して御答弁をいたします。  中共貿易に対するココムのリストの制限を緩和するということは、今お話の通りに、前内閣時代から努力を続けられておったということでございますが、私もそう承知をいたしております。そうしてその努力をさらに強化して進んでおるわけであります。それで、昨年の対中共貿易の実績は、緩和の処置がとられて、それがために西欧並みに緩和された結果として、非常に貿易は伸張いたしました。その数字を申し上げますと……

第22回国会 衆議院本会議 第15号(1955/04/30、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 私に対する御質問は移民政策の問題でございました。中南米方面の情勢が好転するに応じまして移民政策を推進しなければならぬということは、当然のことでございます。政府は、本年度移民関係の費用として約六億の予算を組みました。そうして、これによって約六千の移民を送り出す計画でございます。その国別といたしましては、御希望に応じて、国別の数字を申し上げます。ブラジルは、北ブラジルでは千五百、南ブラジルでは千、中部ブラジルに五百、アルゼンチンに五百、パラグァイに五百、ボリビアに六百、ドミニカに六百、その他三百となっております。もちろん受け入れ国の希望はさらに大きいのでございますが、しかし……

第22回国会 衆議院本会議 第16号(1955/05/12、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 鳩山総理が公務のために欠席いたされておりますから、私から政府の本件に対する所見を申し述べます。  今回の紫雲丸事件は、まことに悲しむべきできごとでありまして、遭難せられたる方々に対し心から弔意を表するとともに、遺家族の方々に対し深く御同情申し上げる次第でございます。ただいま運輸大臣より御報告並びに御答弁申し上げましたごとくでありますが、政府といたしましては、すみやかに事件の真相を調査いたし、将来再びかかる悲惨事の起らないように、これが善後処置に万全を期する所存でございます。(拍手)
【次の発言】 お答えいたします。富士山ろくの演習地の問題は、御承知の通りに、日米合同委員……

第22回国会 衆議院本会議 第17号(1955/05/17、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) ただいま御採決に相なりました未帰還同胞の引揚促進に関する決議につきましては、もちろん、政府といたしましても、本問題の重要かつ緊急性にかんがみ、早急に、御決議の趣旨に従い、これが解決するよう、さらに一段の努力を尽す決意でございます。以上。(拍手)

第22回国会 衆議院本会議 第19号(1955/05/26、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) ソ連の対日宣戦以来そのままになっておりました日ソの関係を正常化し平和を回復するための交渉はようやく開かれる運びと相なりました。これまでの経緯については、すでに公表せられたところによって御承知の通りでありますが、その大要と、これに対処する政府の方針をあわせてここに明らかにいたしたいと思う次第でございます。(拍手)  御承知のごとく、ソ連は、サンフランシスコ平和条約の調印を拒否いたしまして以来ずっと同じ態度をとり続けて参ったのでございますが、国際情勢の変化に伴い、昨年半ばごろよりその態度を改めて、日本との平和正常の関係を回復するに異存のない意思表示をなすに至りました。昨年十……

第22回国会 衆議院本会議 第20号(1955/05/28、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 沖繩の問題につきましては、昨日るる御説明申し上げた通りでございますが、直接わが同胞の、すなわち沖繩同胞の福祉に関する土地問題等がたくさんございます。これらにつきましては、従来とも政府は重大な関心を持って米国政府の注意をそのつど喚起しておる状態でございます。  最近、御承知の通りに、米国におもむいた行政主席比嘉氏のことにつきましては、米国において、この行政主席が米国議会にも陳情するということでございます。これには十分の便宜を与えておりますが、われわれといたしましては、その目的を貫徹することを祈っておる次第でございます。  それから、土地の賃借料等の詳細のことについては、材……

第22回国会 衆議院本会議 第22号(1955/06/02、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) お答えいたします。防衛分担金交渉において防衛六カ年計画を相手方に提示した事実があるかどうかと、こういうお尋ねでございました。さような計画もございませんわけでありますから、さような事実は全くございませんことを御報告いたします。(拍手)
【次の発言】 お答えいたします。  私は、自衛軍なるものは、自衛のためであって、いかなる他国をも侵略する目的を持っていないのでありますから、これが日ソ国交正常化の交渉に悪影響を与えることは、今内閣総理大臣の御説明の通りに、そういうことはない、こう考えます。  それから、オーストリアの問題でお話がありましたが、オーストリアは、御承知のように、……

第22回国会 衆議院本会議 第27号(1955/06/11、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 去る五月三十一日私と米国大使との間に署名を了しました農産物の購入に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について国会の御承認を求める件に関し、提案の理由をここに申し述べます。  昨年七月米国において成立いたしました農産物貿易の促進及び援助に関する法律によりまして、従来のMSA協定に基く農産物の買付とは別個に、米国の農産物を円によって購入すること及びその贈与を受けることができる道が開かれたので、当時、前内閣は、これを利用するの方針のもとに、昨年秋以来ワシントンで交渉を始めたのでございますが、現内閣におきましても、この問題について慎重な検討を加えた上に、この交渉を継……

第22回国会 衆議院本会議 第32号(1955/06/23、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) ただいま御決議になりました在外財産処理促進に関する決議、この御趣旨は十分に尊重いたしまして、政府としては慎重に検討をいたすことにいたします。(拍手)

第22回国会 衆議院本会議 第37号(1955/07/05、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) お答え申し上げます。  現在の国際情勢が緊張緩和の方向にあるようには認められますが、いまだ最小限度の自衛力を不必要とするには至っておらないのでありまして、現在不十分なわが自衛力の充実のために、飛行場の拡張が必要となっておる次第でございます。国際情勢がさらに一そう緩和して、かようなことが不必要になる時期の来たらんことを希望するものでございます。  行政協定等を尊重して対米協力をなすというのは、国際信用を重んずるがためでありまして、すべて自主的にこれを行うものでございます。われわれはあくまで自主独立の外交をやることを申し上げて、お答えといたします。(拍手)

第22回国会 衆議院本会議 第43号(1955/07/19、27期、日本民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 戦争受刑者の釈放問題につきましては、政府におきまして、これまで関係諸国に対し熱心にその要請をなし来たったのでありまして、関係国の態度は漸次好転して参りましたものの、今なお多くの末釈放者があることは、戦争終結後十年の今日、まことに遺憾にたえません。政府は、ただいまの御決議の趣旨を体して、いわゆる戦犯釈放具現方につき今後とも全力を尽し、その実現を期する所存でありますことをここに申し上げます。以上。(拍手)


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第23回国会(1955/11/22〜1955/12/16)

第23回国会 衆議院本会議 第2号(1955/12/02、27期、自由民主党)【政府役職:外務大臣・内閣総理大臣臨時代理】

○国務大臣(重光葵君) 私は、わが対外関係についてその概要を申し述べんとするものでございます。  これがためには、まず最近の国際情勢の動向についても言及するの要がございます。世界が共産陣営と自由民主陣営とに分れて激しく冷戦が続けられましたが、この形勢は本年七月ゼネバに開かれた米英仏ソの首脳者会談によって緩和せられ、原子爆弾による戦争は回避せられたかの観を呈し、全世界は一応安心をいたしたのでありますが、この会談においては、両陣営和解の基礎となる諸問題の処理はすべて次に来たるべき外相会議にゆだねられたのでありました。  十月ゼネパに開かれた四国の外相会議におきまして取り上げられた問題は、第一にドイ……

第23回国会 衆議院本会議 第4号(1955/12/05、27期、自由民主党)【政府役職:外務大臣・内閣総理大臣臨時代理】

○国務大臣(重光葵君) 外交問題の御質疑にお答えいたします。  日韓関係について、正義を正義として強力に主張して交渉すべきだという御議論に対しては、私もその通りに考えております。主張すべきは主張しなければなりません。(拍手)しかし、砲撃の声明があったから直ちに激越なる言葉でもってこれに応酬するということは、平和外交の趣旨には沿いません。(拍手)あくまで平和的に国交の調整をやろうというのが政府の方針でございます。  対米外交につきましては、先ほど鳩山総理の御説明の通りであります。私は、対米外交について、自主独立の外交ということを言っております。自主独立の外交ということは、必ずしも、ただに反米政策……

第23回国会 衆議院本会議 第5号(1955/12/06、27期、自由民主党)【政府役職:外務大臣・内閣総理大臣臨時代理】

○国務大臣(重光葵君) ただいま国際連合加盟に関する本院の決議が全会一致をもって採択いたされましたことは、わが国及び国民の重要なる意思表示として、必ずや世界各国の最も重要視するところとなることを信じて疑いません。私は、本決議を、直接に電報をもって国際連合事務総長、総会議長及び安全保障理事会議長に伝達し、かつ全加脚国代表に周知方取り計らうよう要語することにいたします。  今期国際連合総会は、会期余すところわずか数日と相なりました。関係国、特に安全保障理事会の常任理事国が、漏れなく、新たに多数国の加盟による国際連合の強化という大局的見地から、本問題を解決するに協力されるよう望んでやまないものでござ……

第23回国会 衆議院本会議 第9号(1955/12/14、27期、自由民主党)【政府役職:外務大臣・内閣総理大臣臨時代理】

○国務大臣(重光葵君) わが国と韓国との間の諸懸案を解決して、もって両国永遠の和親関係を樹立することは、政府の熱望するところでありまして、極力これに努力いたしてきたのでありますが、いまだにその実現を見ないことは、まことに遺憾とするところでございます。最近、いわゆる李ライン問題をめぐって事態悪化の感がありますが、わが方としては、あくまでも話し合いによりましてこの問題の解決をはかる決意でございます。このためには、日韓双方に緊密な利害関係を有する米国政府の協力をも要請しておる次第でございます。  なお、韓国に不法抑留されておる日本人漁業者の救出については、重大なる人道上の問題として、他の問題に先だっ……

第23回国会 衆議院本会議 第10号(1955/12/15、27期、自由民主党)【政府役職:外務大臣・内閣総理大臣臨時代理】

○国務大臣(重光葵君) 国際連合加入の問題について、概略の報告を申し上げます。  わが国は昭和二十七年国際連合加盟の申請を行なったのでございますが、同年九月の安全保障理事会においてソ連の拒否権行使のために否決をされました。しかるに、同年の国際連合総会におきましては、圧倒的多数決によりまして、わが国の国連加盟資格を承認された次第でございます。その後、わが国を含む申請国の加盟の問題は、国際連合において行き詰まりの状況を呈しておったのでございますが、本年、第十総会において、加盟問題の行き詰まりを打破すべく、カナダの提案にかかる、わが国をも含む十八カ国一括加盟案が上程されまして、これが圧倒的多数をもっ……


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第24回国会(1955/12/20〜1956/06/03)

第24回国会 衆議院本会議 第4号(1956/01/30、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 第二十四回通常国会の開会に当りまして、最近の国際情勢の動向とわが外交の諸問題とについていささか所見を申し述べますことは、私の最も光栄とするところであります。(拍手)  昨年十月ゼネバに開かれた外務大臣会議が事実上ソ連側と西欧側との間に物別れとなりまして以来、両者の緊張は不幸にして緩和されない形勢であります。  欧州においては、安全保障の機構もドイツ統一の構想もすべてたな上げのまま、形勢は行き詰まりの状態でありますが、欧州以外の地域においては、ソ連の新たなる積極政策によって、形勢は著しく動いて参りました。すでに御承知の通り、ソ連は、エジプトに対して、武器供与の手段によって……

第24回国会 衆議院本会議 第5号(1956/01/31、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) お答え申し上げます。総理のお答えを補足し、かたがた、その他の問題についてのお答えを申し上げます。  中国問題について、東亜の緊張を緩和しなければいかぬというような御趣旨は、全く私もその通りに考えます。世界の動いておることもその通りであります。しかしながら、今日世界の情勢は変化があるから中共との間に国交を回復するというふうなことには中共を承認するというところまでは動いておらぬと思います。  それから、その理由として、日本は、自主外交を放棄して、他国の外交に追随しておるということでございますが、私はさようには考えません。自主外交を維持すればこそ、自由民主の諸国と協力をいたし……

第24回国会 衆議院本会議 第23号(1956/03/16、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 去る三月二日当院の本会議で行われた受田新吉君の御質問に対して、今日私から御答弁を申し上げます。  第一問は、近日中に米国国務長官ダレス氏が来訪する由であるが、その際日本に対して米国から新たに圧力が加えられることにならぬか、こういう趣旨の御質問でございました。お答えいたします、ダレス米国国務長官は、カラチにおけるSEATOの理事会の帰途にわが国に立ち寄るものでありますが、滞在期間がきわめて短かいのでございます。それで、改まった話し合いをする時間も少うございますが、政府といたしましては、その機会を利用いたしまして、日米間の了解を進めるために努力いたしたいと考えております。そ……

第24回国会 衆議院本会議 第25号(1956/03/22、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 日ソ交渉の経過について、その後の情勢を御報告申し上げます。  ロンドンにおける日ソ交渉は、昨年六月以来正式に会談を重ねること二十三回に及び、その間、二回にわたり、ソ連全権が不在となったために、交渉は中断されましたけれども、国交を回復するということについては互いに熱意を示し、また、その方法として、平和条約を締結し、日ソの関係の正常化をはかるということに対しても、双方の意見は完全に一致し、自来そのため右平和条約の内容について交渉が進められてきましたことは、すでにしばしば申し述べた通りでございます。  交渉の結果、平和条約の内容は、本月二十日までに、約九カ項目について大体意見……

第24回国会 衆議院本会議 第28号(1956/03/29、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 御質問にお答えいたします。  日ソ交渉の最中に、今お話のごとき事態の発生が報道せられました。このことはきわめて遺憾に存じます。在ハバロフスク同胞の境遇に対しては、もとより深く同情をいたすものでございます。この抑留者の待遇改善のためには最善を尽すべきことは当然でございます。しかも、非常に急を要するものでありますので、政府は、直ちに、ロンドンにおける全権団をして、このことをソ連の全権団に通告せしめて、即時事態の改善をはかるように強く要請して、その反応を待っておる次第でございます。なお、抑留者の状況につきましては、もちろん、可能な限りの手段を尽して、その状態を調査いたしておる……

第24回国会 衆議院本会議 第29号(1956/03/30、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) ただいま御決議になりました三件、すなわち、一、在ソ未帰還同胞の引揚促進に関する決議、二、北洋漁業確保に関する決議、三、日中貿易促進に関する決議、以上の三件につきましては、本院の御決議の趣旨を尊重して、政府としては十分これに善処いたしたい所存でございます。(拍手)

第24回国会 衆議院本会議 第30号(1956/04/03、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) ただいま、いろいろ事例をあげて、米国の態度を非難せられております。また、御意見をも付加されております。その御意見の趣旨には、私は賛成するわけに参りません。御指摘の諸点については、必要なる場合には米国政府との間に折衝を進めておる次第でございます。  なお、私に対する御質問は、大使館を引き揚げろということでありましたが、引き揚げる意向のないことを申し上げます。(拍手)     〔国務大臣石橋湛山君登壇]

第24回国会 衆議院本会議 第34号(1956/04/17、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 日ソ交渉について御報告をいたします。  ソ連政府は、さきに極東魚族の増殖及び保護について審議を行なった結果、極東のサケ、マスの減少は日本漁業者の公海における乱獲によるものであるから、これを停止させるための緊急措置を考えたい旨を発表いたしまして、ロンドンにおける日ソ交渉が自然休会に入るや、直ちに北洋におけるサケ、マスの漁獲を制限する措置を発表いたしました。 よって、政府は、三月二十二日、松本全権をして、ソ側に対し、右ソ連の不法措置に抗議せしめ、さらに、日本側においてサケ、マスの乱獲の事実のないことをも指摘し、魚族資源の保持及び海難救助の問題についてソ連側と話し合いをなす用……

第24回国会 衆議院本会議 第36号(1956/04/20、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) お答えをいたします。  私の国会に対する本件の報告及び外務委員会における答弁は、漁業交渉を開始するに至りました経過をそのまま御説明をいたしたものでございます。本件のきわめて重要な、また緊要なことは、よく承知をいたしております。それでありますから、日ソ交渉が自然休会になるとともに、この交渉を開くことを提案いたしたわけであります。その提案に対して、ソ連側は交渉を開始しようということに承諾をしてくれました。そこでこの交渉が始まるわけでございます。一般の問題としては、日ソ国交をすみやかに調整するために、懸案の解決に努力をしてきたことは御承知の通りであります。政府の方針は少しも変……

第24回国会 衆議院本会議 第38号(1956/04/26、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 日比賠償交渉は、鳩山内閣以前すでに数年にわたって継続いたされておりましたが、双方の熱意にもかかわらず、ついに結実するに至らなかった次第であります。今日ようやくその解決の見通しを得るに至って、ここに交渉の経過の大要を報告申し上げるの機会を得ましたことは、私の最も欣快とするところでございます。(拍手)  フィリピン賠償問題の解決は、これが日比両国の国交正常化の前提として必要であるばかりでなく、これによって通商貿易の増進もまた期待せられる次第でございます。昨年春、第二次鳩山内閣が成立するや、フィリピン大統領マグサイサイ氏は、鳩山総理に、賠償問題を早期に解決し両国国交の正常化を……

第24回国会 衆議院本会議 第51号(1956/05/17、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 日本国とフィリピン共和国との間の賠償協定の批准について承認を求めるの件につきまして、提案趣旨の説明を申し上げます。  去る五月九日にマニラにおいてわが国とフィリピン共和国の全権委員の間で署名を了しました、日本国とフィリピン共和国との間の賠償協定の批准について御承認を求めるの件について、その交渉の経過及び協定の内容を御報告申し上げます。  フィリピン共和国は、昭和二十六年九月サンフランシスコにおいて平和条約に署名いたしたのでありますが、同国は、わが国との間の賠償問題が解決せられない限り、同平和条約の批准を行わず、従って、わが国との間に正常な国交関係を樹立しないとの方針をと……

第24回国会 衆議院本会議 第57号(1956/05/29、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) お答えいたします。  御質問の大部分は御意見の表示でありました。御意見のあるところは十分傾聴いたして、外交の運営に参考に供したいと思っております。(拍手)  なお、日ソ関係について、お前に認識不足はないかと言われます。認識不足のないように、せいぜい努力をいたしておる次第でございます。(拍手)私は、日ソ国交調整をはからんとするわが政府の従来の方針は決して間違っていないと考えおります。(拍手)  さらに、領土の問題について、日ソ交渉のことに関連して御質問がございました。この問題について、今日までの方針を何ら変更いたしておりません。将来交渉が再開する上はどう発展をするかという……


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第25回国会(1956/11/12〜1956/12/13)

第25回国会 衆議院本会議 第3号(1956/11/16、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 第二十五回臨時国会の開会に当りまして、最近の緊張したる一般国際情勢について、いささか所見を申し述べますことは、私の最も光栄とするところであります。  本年初めの通常国会において、私は、国際情勢の動向について述べ、今後の推移に対しては特別の注意を払う必要のあることを警告した次第でありますが、最近の世界の形勢はまさに容易ならぬもののあることを認めざるを得ないのであります。言うまでもなく、これは中東及び東欧における異変に基くものであります。  中東アラブ界におきましては、民族主義はすでに最高潮に達し、本年七月エジプト政府がスエズ運河会社の国有化を宣言したのを契機として、英仏と……

第25回国会 衆議院本会議 第4号(1956/11/17、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) お答えいたします。  最後の御質問から順次にお答えをいたします。国際情勢の見通しを十分にしなければならない。全く私もそう考えて努力をいたしておるのでございます。国際情勢の見通しは非常に困難でございまして、まず、小さな具体的の問題はなかなか予見することが困難でありますけれども、大体の大勢に当っては、これをよく把握しなければならぬと思います。昨今非常に緊張の度が増してきたのでありまして、しかし、それにもかかわらず、各国とも平和確保のために全力を注いでおるわけでございますから、これもあまりに悲観することも当らぬと思います。しかし、それがためには、これに対する対策としては、貿易……

第25回国会 衆議院本会議 第10号(1956/12/03、27期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣臨時代理・外務大臣】

○国務大臣(重光葵君) 日韓会談をぜひ進めていかなければならぬ、必要に応じては米国のあっせんをも促さなければならぬという御意見につきましては、私どもも、まことにその通りに考えて進んでおります。今日まで遅々として進みませんけれども、いろいろの話し合いができるように相なっておりますことも、米国の関心が非常に強く、そのあっせんがあずかって力があったことを申し上げます。しかし、まだ目的は達しません。そこで、日韓会談をどういう糸口をつけて始めるかという点について、まずお話がございました。久保田発言などのごときものはもちろん撤回して差しつかえないのでございます。さようなことで先に進み得るならば、これはその……

重光葵[衆]本会議発言(全期間)
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委員会発言一覧(衆議院27期)

重光葵[衆]委員会統計発言一覧(全期間)
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第22回国会(1955/03/18〜1955/07/30)

第22回国会 外務委員会 第2号(1955/03/31、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 日ソ交渉をこれから始めるというわけで、その準備のために、沢田大使がソボレフ大使に会って、その交渉の場所等について話し合いをしたのでございます。ソボレフ大使はその申し入れをそのまま政府に取り次ぐ、こういう返事をいたしております。
【次の発言】 さようでございます。
【次の発言】 ソ連側の言説を見ますと、それを取り消したような言説もございます。しかし直接にその問題について今日まで交渉はございません。日ソ国交調整の交渉が始まれば、さような基本的な態度については十分確かめて行かなければならぬように考えます。
【次の発言】 中共との国交調整のことをお尋ねになりましたが、今わが国は台湾の国……

第22回国会 外務委員会 第3号(1955/04/06、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 それでは、日ソ交渉の今日までの全貌を、御質問に応じて本委員会に御報告を申し上げます。  元来、日本との国交を正常化したいということにつきましては、ソ連側においても、モロトフの演説等々のあったことは、すでに御説明の機会もあったと思います。これに対しまして、日本側におきましても、日ソの今までの戦争状態、これは法律関係だけでございますが、それを正常化したい、平和を回復したい、そしてもって、東亜だけでない世界の平和に貢献をしたい、こういう方針はわが政府においても立てた方針でございました。いつまでも戦争状態をそのままにしておくことは、平和のためによくないという根本の思想でございます。そこ……

第22回国会 外務委員会 第6号(1955/05/14、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 大体さように御了解願ってよろしいと思います。しかし見本市をどこにどうやって開催するというようなことにつきましては、やはりとくと打ち合せをしなければならぬと思います。これは御了承を得ることだろうと思いますが、打ち合せをして協力のできるように――私の方はもう趣旨は御了解を得ておる通りにできるだけのことはいたしますから、その御協力が十分でき得るように、また向うからも御協力を願わなければならぬと思っております。その打ち合せをするように一つ仕向けていただきたい、こう思うのです。
【次の発言】 さようなことをば、一つお打ち合せをしたいと思っております。私は今そういうことの実行方面についてす……

第22回国会 外務委員会 第7号(1955/05/18、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私は予算委員会におりましたが。予算委員会から要求されれば、すぐ行かなければなりません。
【次の発言】 いやどうぞ、時間のある限り……。
【次の発言】 中国との間――まあ中共との間ですが、領事の交換をすることも、これは承認の問題にならないということになれば、考えてもいいじゃないかと思っておるという鳩山総理の御発言がありまして、私もおりました。理屈はその通りでありますので、これは慎重に一つ検討をしたいと思っております。ただ領事を置くということでありますれば、正式の承認ではむろんないわけでございます。しかしこれが事実上の承認になる、国際法上にいわゆる事実上の承認になるという説などがご……

第22回国会 外務委員会 第11号(1955/05/28、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 今私が出席しなかったということでありますが、実は私は、要求がありますときは、ほかに故障がなければ必ず出席することにいたしておるのでございます。むろん、国会の審議が一番重要だと考えておることは当然のことであります。私はそのことについては誤まった心がけは持っていないつもりでございます。もっとも予算委員会の関係もございますし、また外国の使臣の信任状の奉呈だとか、いろいろな国務としてやらなければならぬ仕事がございます。宮中に行ったりすることはこれはお許しを願わなければならぬと思います。それらのこと以外において、私の時間の許す限り、私は出席を拒んだことは一回もないつもりでございます。これ……

第22回国会 外務委員会 第12号(1955/05/30、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 その問題につきましては、当時本委員会でもかなり問題になりまして、詳しくそのときに御説明申し上げたのでございます。そこでそれを繰り返すわけでございますが、私は内外に対して政府の方針の説明を使い分けたことはございません。ただ言葉は、今記憶しておるところでは内外に対する発表は閣議の決定を経て一本にいたしました。それは内外に対して同文でございます。しかしその前後に、外人記者の質問に対して、その趣旨を私は私の言葉でもっていろいろと説明をいたしました。説明をいたしまして、そのために、外人記者がその説明を長く取り扱ったことがありまして、そこで一方は短かく、一方は長いのはどういうわけかというよ……

第22回国会 外務委員会 第15号(1955/06/04、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 二日の夜、与党であります民主党の有志代議士が、外交のことを非常に心配して聞きたいということで集まった会合があって、私に外交問題についての質問に答えてもらいたいということでありましたので、私は喜んで出席をいたしました。そこで時節柄日ソ交渉の問題などを中心にしていろいろな質問がございました。それに応答いたしました私の応答は、議会におけるこの問題に対する応答の趣旨をもってすべて応答いたしました。その筋それ以上を出たことは一つもないつもりです。そしてまた私の説明も、議会ではこういう説明をしたのだというふうにして説明をいたしました。ところがそれが、新聞記者がおったというわけじゃなかったつ……

第22回国会 外務委員会 第18号(1955/06/13、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 御質問は、ラオス及びカンボジァ公使館は、去る二月政令をもって大使館に昇格した由であるが、法律によって昇格をせず、政令をもって昇格した理由いかん、二、三カ月待てば国会が開会せられるのに、なぜ待てなかったのか、緊急に必要があったとのことであるが、その緊急性を説明ありたい、こういうことでございましたが、間違いございませんか。
【次の発言】 私は政務次官の御答弁を少しも変えようとは思いません。その通りでございます。しかしなぜ政令をもって急にやったかということについて、一言私にも言わしていただきたい。われわれはアジア外交ということを非常に大きく取り扱っておることは御承知の通りでありまして……

第22回国会 外務委員会 第20号(1955/06/16、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 アメリカ側の政策としてはお話の通りだろうと思います。しかしこの協定は今回限りのものである、現状においてこの協定を結んだ方が日本側の利益である、こう判断して結んでいるわけでございます。そこで来年どうするかということについては、やはり来年諸般の情勢を考慮して、きめなければならぬ問題だと思っております。日本側の利益を基礎として判断して差しつかえない問題だ、こう思っております。
【次の発言】 私の先ほどの説明は公けの説明でございます。しかし今高碕長官の言われるように、同じような状況が来年も続いたならば、わが方の希望としては、またかような協定を結びたい、こういうわけでございます。それは私……

第22回国会 外務委員会 第22号(1955/06/21、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私もその点は条約局長の解釈の通りだと思います。思いますが、将来それではそういうことをどんどんやるかということを御懸念のようでありますが、実は私はこういうことはできるだけ避けたいと思っております。理屈ではできますけれども、これは避けたいと思っております。
【次の発言】 それは当然のことと考えております。
【次の発言】 確認はどうですか知りませんが、求める必要もないように私は思います。これ以外のことは協定をしない。
【次の発言】 全くお話の通りで、前もって十分これは方針を決定しなければならぬ問題であることはもちろんであります。そこで秋までにはそういうことをすっかり決定して、考えをき……

第22回国会 外務委員会 第27号(1955/07/06、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 その点については、私は明確にお答えいたします。私は、それはアリソンの言葉として申し上げるわけには参りません。私の了解として申し上げます。そして、これは十分確かな了解でございます。それはたびたび申し上げた通り、アメリカ軍隊は、日本において今日原爆は持っておらぬという第一の事実であります。それから、アメリカが将来日本を原爆の基地にする意図はないということでございます。原爆を日本の承諾なくして――日本が承諾すればむろんのことでありますが、承諾なくして原爆の基地にするようなことはない、こういうことでございます。これが私の了解でございます。

第22回国会 外務委員会 第28号(1955/07/09、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 仮調印と本調印との性質の差を論じたその論拠を今持ってこられたわけでありますが、私は本調印をいつやるかということに御質問が帰着すると思う。これは今後いろいろ細目の点等について話し合いをしたり、そういう準備を整えた上で本調印に持っていきたい、こう考えて私は申し上げたのであります。
【次の発言】 まだ何もございません。
【次の発言】 これもまだここで議論するのは早いと思います。しかし私が申した通り、先方は十億と言っておるものを八億にしたのであり、わが方は四億と言っておりますから、その中間くらいで妥協しなければなるまいし、また妥協するのがいいと思うということを申し上げたことは事実であり……

第22回国会 外務委員会 第33号(1955/07/19、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 移民の基礎的の施策として、ただいま申された御意見には、私は全面的に御賛成の意を表します。時間の関係上その詳しい理由は御意見に譲りまして、結論だけを先に申しました。
【次の発言】 私からお答えいたします。今の御意見は最も貴重なものとして会社の指導方針の一つにいたしたいと考えております。
【次の発言】 私からお答えをいたします。移民が成功するためには、良好な受入れ体制を作ることが一番大切であることは申すまでもございません。そこで移民協定を作って、各国との間にいろいろ移民の条件を取りつける場合においても、最もそういう点に注意をしなければならぬわけであります。政府と政府との交渉によりま……

第22回国会 外務委員会 第34号(1955/07/20、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 ちょっとお断わりをいたします。きょうはこの法案について討論採決をされるという内報を得ましたので、私は出席をいたしたわけでございます。ところが討論採決は午後に延びるかもしれぬということになりました。私はきょうビルマ総理大臣の歓迎で午後は宮中に行かなければなりませんから、午後の会議に出席をいたすことができませんので一つあしからず。どうかそれにかかわりなく委員会の御審議はお進め願いたいことをお願いをする次第でございます。

第22回国会 外務委員会 第35号(1955/07/23、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私からもお答えをいたしたいと思います。日本の対外政策はもう特に議会を通じて、またその他の方法においてはっきりと宣明をいたしておるのであります。これについては内外において十分に理解があると私は思っております。しかしながらさような日本の対外政策に対して、外国においていろいろな点からまたいろいろな動機から、いろいろ誤解をする向きもないとは言えません。言えませんが、今の世界情勢を見て、今の世界情勢は大きく動いておるということは事実でございます。ゼネヴァ会議などが催されるに至ったことから見ても、大きく動いておるということは否定することはできません。従いましてその一環として日本に対するまた……

第22回国会 外務委員会 第37号(1955/07/26、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 わが方の主張を貫徹するために、十分一つ抗議を続けていこう、こう考えております。
【次の発言】 お話の通り、ゼネヴァの四国会談では、東西両陣営の交流の問題まで一応取り上げられた形になっております。しかしこれらについては、すべて将来開かるべき外相会議において具体的に考慮されるということになっております。そこでその結果を見なければ東西両陣営の間の交流、従って貿易関係がどうなるか、さらに緩和されるかどうかというようなことも、具体的にはわからないのでございます。しかしそういうことが取り上げられたということそれ自身が、非常に明るい気持を起させることになりますので、その点は日本の中共貿易につ……

第22回国会 外務委員会 第38号(1955/07/27、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 国連には日本は不幸にしてまだ参加をいたしておらないのでございますから、これに対して賛否の意思表示をすることは資格上どうかと思います。これはほかの国にまかして差しつかえないものと思います。
【次の発言】 日本は大勢に順応し得ると考えております。
【次の発言】 その方法はそのときにおのずから出てくると思います。今日本が国民政府と結んでおる平和条約を変えるという意思表示はむろんできませんけれども、中共を中心とする世界の情勢が根本的に変ってくるわけでございますから、そのときにはおのずから国連を中心とした解決方法が必ず出てくると思います。その大勢に従うことはできると私は考えております。

第22回国会 内閣委員会 第28号(1955/06/27、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 御質問の要点は、アメリカが日本を原爆の基地にする意向があるかないか、ないということはどういう根拠によって言えるか、こういうことに帰着すると思うのでございまして、総理の御答弁を伺いましたが、その通りでございます。私もちょっと調べて参ったのでございますが、五月二十五日に衆議院予算委員会で、行政協定、安保条約においてはそれによってアメリカが自由に原爆を持ち込み得るのじゃないか、また従ってあるいは持ち込んでおるのじゃないかというような問題がございました。私ははっきり答えておきました。安保条約及び行政協定からは原爆を日本の承諾なくして持ち込み得るということは出てこないのだということを申し……

第22回国会 内閣委員会 第37号(1955/07/09、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 お話の通り、安全保障条約は日本の自衛力の不足ということを前提としておることは明らかでございます。従いまして日本の自衛力が完備する上においては、これは当然変更を受けべき性質のものでございます。但し条約の変更をどうするか、こういうことは、これは二国間の条約でありますから、合意を要します。しかしその場合においては当然合意が成立することだと私は考えております。
【次の発言】 自衛力がどのくらいな程度に至れば自衛力が完全に備わるか、こういう御質問のようであります。これは主として国際情勢を判断して、国内の力、外国の力等全部を判断してきめなければならぬ問題であって、これはそのときそのときで一……

第22回国会 内閣委員会 第42号(1955/07/18、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 御質問は防衛問題についてこれまでアメリカ側とどういう交渉があったかということでありますが、実は本委員会における議論の焦点を私は十分心得ていなかったものですから、どういうところに集中して御答弁をしたらいいかということをちょっと私心得かねますが、おそらく防衛問題についての対外関係、アメリカとの関係ということになれば、具体的の問題は先ほど交渉のありました防衛分担金の問題に関連していることが具体的の問題でございます。その他の、それ以前の防衛の問題についての交渉は御報告するようなものはございません。しかし日本としては御承知の通りに安保条約による責任は負担しているわけです。行政協定も動いて……

第22回国会 農林水産委員会 第43号(1955/07/18、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私もさように思います。
【次の発言】 この問題は、実は私どもも今お話の通りのように感じておるのでありまして、日本側としてはまことに遺憾なできごとと思っております。むろん日本側としては、これは公海の漁業としてやっておるわけで、公海で漁業をするということは当然のこととしておるわけでございます。不幸にして韓国側はこれと意見を異にしておるから、ここに国際紛糾が出てくるわけであります。この国際紛争は、結局関係国間の交渉によってこれを解決するよりはかに方法はございません。解決する前に韓国が一方的にわが漁民を逮捕しもしくは船をつかまえて、韓国の法令によってこれを処断するということは、われわれ……

第22回国会 農林水産委員会 第48号(1955/07/27、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 お尋ねの要点は、この計画を進める上において、将来余剰農産物の同じような借款をやる方針であるかどうかということに帰着しはしないかと思います。これは今回の借款は本年度ということに相なっております。これはそのつどそのつど考慮しなければならぬ問題であることには違いありません。しかし御承知の通り、アメリカでも将来三年間でしたか、これは大統領に権限が与えられておるわけでございまして、そういうことは本年度と同様に将来も考えられ得るわけでございますから、条件についてはこれはいろいろ考慮しなければならぬことが将来も起ってきましょう。しかし条件さえ整えば、この借款は成立せしめて、この事業にその方面……

第22回国会 予算委員会 第2号(1955/03/25、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 さようなことば、特に異例と申すわけのものではないと考えます。
【次の発言】 お話の通りに、さような場合において、民間の人をわずらわしてまず用意をして、それから政府において取り上げるというようなことをやる場合はたくさんございます。これは犬養さんも、そういうことに、御経験があると思うのです。しかし今総理も言われる通りに、かような重要な問題についてそういうことが起ったのでありますから、それで、総理は、これを取り上げてやることが国家のためにいいことだと、こう考えられて判断をされたのでありますから、私としては全然その通りだと、こう申し上げておきます。

第22回国会 予算委員会 第3号(1955/03/26、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 日ソ国交の正常化という問題につきまして、これから交渉をいたしたいと考えております。その交渉の上でどういうことが起るかということを一つよく突きとめつつ、わが方の立場を維持していきたい、こう考えております。しかしサンフランシスコ条約は、日本の今日の国際的地位を作ったものでありまして、これを軽々に変更するという考え方は持っておりません。さよう御了承を願います。
【次の発言】 対米債務が債務である以上は返さなければならぬ、こういうことは一般的に当然のことであります。今お話のガリオアの問題も、前内閣時代からこれは返すべきものであるという大体の建前をとって交渉をいたしております。しかし御承……

第22回国会 予算委員会 第4号(1955/03/28、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 当委員会における野党各派の御協力は、政府側としても非常に多としておるところでございます。これはぜひ熱心に一つ暫定予算を討議して、なるべく早く御承認を得たい、こう考えております。昨日の政府並びに与党幹部の会合におきましても、私は終始出席をいたしておりました。これは議会の運営について、また予算をめぐっていろいろな意見の交換をいたしました。雑談もいたしました。しかし何らの決定をいたしたことはございません。新聞にいろいろあるようでございますが、そういった決定をしたものは少しもないことを申し上げて、ただ雑談及び意見の交換をしたということで、結論としてもしあるならば、できるだけ早く暫定予算……

第22回国会 予算委員会 第6号(1955/05/06、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 今お話の点は外交の根本問題に関係いたしております。そこで私の考え方を申し上げます。それは私の外交演説の繰り返しになることをあらかじめ御承認を得たいと思います。  私は日本の外交は、日本は独立自主の国であるから日本の立場を強力に推進していかねばならぬ、こう考えております。そのためには、具体的の外交上の利益を得るためには、あくまでりっぱな平和外交によって独立自主の外交を進めていかなければならぬ、こう思っております。その平和外交という外交の根本を進めていくためには、今も総理のお話の通りに、民主諸国、特にアメリカとの協力関係を緊密にするということが基調でなければならぬ、しかしそれと同時……

第22回国会 予算委員会 第7号(1955/05/07、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 二月三日でございますか、それはどういう文書でございますか、私も知りません。そういう文書を記憶いたしません。
【次の発言】 そういう文書は来ておりません。
【次の発言】 私は知りません。
【次の発言】 それはおそらく、今のお話は、防衛分担金の交渉のことだろうと思います。いろいろ向うの意向も表示がございました。こちらの意向も表示をしまして、その結果発表いたしました通りに、結論に達したわけでございます。
【次の発言】 今申し上げた通りでございます。そうして必要なものは、共同声明として発表いたしました通りでございます。
【次の発言】 いろいろの意見の交換があったことは否定いたしません。……

第22回国会 予算委員会 第8号(1955/05/09、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 お答えいたします。私は外交演説をやりまして、その外交演説の中に今お話の通り述べました。そう信じております。それが正しい国際関係の客観的観察だと思っております。ただ、今つけ加えることがあるかというお話でございますが、私はこういうことをつけ加えたいと思います。かような緊張した国際関係であることは事実でありますが、まだこれが破綻になるとは思っておりません。それと同町に、また将来の平和を確保する希望は、努力いかんによって十分に持てる、さように観察するが適当である、こう思っております。それからまた、世界の各方面において、平和の確保のためにいろいろな努力が行われておるということは、これまた……

第22回国会 予算委員会 第9号(1955/05/10、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私はこの問題は、純法律問題として、条約問題として考えます場合において、いろいろ考え方も言い方もあろうかと思います。しかしこれを政治的に見ますと、こういう話し合いをした結果は、むろん話し合いをした内閣の責任であることは申すまでもございません。しかし話し合いを将来のことにして、もしその内閣がその約束を果すまで続かなくても、将来その約束が守られるということを期待いたしまして――その期待をするということは、現内閣と申しますか、約束する内閣の責任において期待をして参るのである、こう申し得ると思います。そこで、今総理も、あとの内閣はこの約束を全然無視していいということを言われておるわけでは……

第22回国会 予算委員会 第10号(1955/05/11、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 移民が人口問題解決の一つの重要なかぎであることは申すまでもございません。 それで移民をできるだけいたすことに実は努力をいたしておるわけであります。幸いに昨今中南米方面におきましては、これは本会議において御説明申し上げましたことでもございますが、非常に受け入れ態勢の工合がいいのでございます。そこで過日も申し上げましたように、大体六千の移民を今年は出すことにいたしております。ブラジル移民では北ブラジルに千五百、中部ブラジルに五百、南部ブラジルに千、アルゼンチンに五百、パラグァイに五百、ボリビアに六百、ドミニカに六百、北米に三百となっております。その他を加えて大体六千ぐらいの見当でや……

第22回国会 予算委員会 第11号(1955/05/12、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私は外務委員会の決議の趣旨を尊重し、その御趣旨に沿うように努力をしておる次第でございます。
【次の発言】 ただいま総理大臣の説明せられた通りであります。
【次の発言】 この点については、たびたび私の見解を御説明したと思います。また総理の見解も総理から御説明があったと思います。戦争状態をやめて平和関係に入ろうとする、すなわち平和条約を結ぶわけでありますから、双方の国の間における根本的な問題は、これは解決しなければ平和関係に入りません。従いまして重要な問題は当然これは話し合いがつかなければ結末はつかぬ性質のものでございます。これはどこの平和条約も従来そういうことに――これはもう大体……

第22回国会 予算委員会 第12号(1955/05/13、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私のさように申しましたわけは、行政協定のできましたときに、原水爆の問題がまだ十分討議に上っていなかった時代でございます。原水爆は、その後に問題がやかましくなりました。従いまして、私は原水爆のことは新しい問題として行政協定の適用の問題が起る場合には、これは当然問題になるものと、こう思っております。
【次の発言】 行政協定の日本側の義務を規定しておるところについて、概説的に私は申し上げましたが、それが私の疑義があるところでございます。
【次の発言】 軍隊は、陸海空軍の戦闘力だ、こう思っております。
【次の発言】 そういうことについて、私が答弁をする専門的の知識を持っておりません。

第22回国会 予算委員会 第14号(1955/05/16、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 濃縮ウラニウムの提供がありましたことは事実でございます。それにつきまして今関係の方面と密接に連絡し、また協議をして、その条件その他について十分検討いたしまして、これを受け入れたいという考え方をもって進んでおるわけでございます。なおその一々の点につきまして、もし御入用ならば政府委員をして説明をいたさせます。
【次の発言】 大体本月一ぱいくらいにはこの問題は決定をいたしまして、わが方の意向を向うに通告いたしたいという手順、をもって進んでおります。
【次の発言】 今申し上げました通り、大体今月一ぱいにわが方の態度を決定してもらいたい、こういう意向のようであります。

第22回国会 予算委員会 第15号(1955/05/17、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 お話の通りに通商の振興をやりまして、そうして各相手国の日本との経済関係について疑惑をなからしめ、最も公平な競争を日本側でやっておるということを示すことが、基礎的の政策でなければならぬと考えます。  そこで労働問題でございますが、労働問題につきましても、国際的に労働の基準がございます。その示された基準、条約等は忠実にこれを守っていくということが必要になるわけでございます。そこで日本はその点に従来とも重きを置いて、御承知の通り戦後いち早く国際労働機関、ILOに復帰したのでありますが、復帰してその後積極的に協力を続けてきたために、昨年は右理事国にも加えられることに相なりました。そこで……

第22回国会 予算委員会 第16号(1955/05/18、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 移民問題がわが国の人口問題の処理の一端としても重要であるということは申すまでもございません。そしてそのことにつきまして移民政策に重きを置くという政府の意向も十分に申し上げて、御説明をいたしておいたところでございます。この移民問題につきましては、これは御承知の通りに古い歴史がございます。日米関係の過去において最もむずかしい問題も移民問題でございました。さようなわけで、この移民問題を扱うのには非常に注意をいたさなければなりません。特に移民を送り出す先、つまり受け入れ国の情勢ということをよほどよく見きわめて、そうして移民を送り出さなければその結果は決して成功するというわけには参りませ……

第22回国会 予算委員会 第19号(1955/05/25、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 日ソ交渉を始めることになった段階までは、すでにすべてを公表いたしておりますから御存じの通りであります。また今お話の通りでありまして、松本命権を任命して派遣することになっておるわけでございます。松本全権は、六月の初めには向うに到着をして交渉を始めるという段取りに相なっております。これも発表をいたしておる通りでございます。そして松本全権に与うる政府の訓令を決定したことも事実でございますが、その訓令を、まだ交渉に入らない前に申し上げるということは、果していかがかと思います。しかし、実はその訓令はきわめて簡単なものでございます。日ソ国交を正常化する目的をもって、日ソ町に存在する諸般の問……

第22回国会 予算委員会 第22号(1955/06/01、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私の申し上げましたのは、全く今お話しの通りであります。そのときの問題は、日本を基地として原水爆が使われるか使われぬかということが議論の根拠にあったわけであります。台湾の問題に関してもその続きでありまして、私は台湾の問題についても、大戦争がもしあっても、日本を原水爆の基地にする考えはない、そう言える理由を持っておる、こう申し上げたのであります。   〔委員長退席、重政委員長代理着    席〕
【次の発言】 いずれのところでそういう意思表示があったということをはっきりと私は申し上げないでもいいと思います。これだけは申し上げられます。合同委員会などでしているのではない。アメリカの責任……

第22回国会 予算委員会 第24号(1955/06/06、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 今御質問の点は、たびたび本会議でも繰り返された問題だと私は記憶いたしております。外務委員会ではもちろんのことであります。そのときに私は答弁をいたしました、その答弁を繰り返すよりほかに私の答弁はございません。すなわち日本の今日置かれておる立場は、オーストリアが国家条約締結前に置かれておった立場とは全然異なっておる、こう私は申し上げておるのであります。すなわちオーストリアはソ連との交渉によって独立をかち得たのであるけれども、日本はすでに独立国となっている、その独立国の立場によって日ソ交渉をやるのである、こう申し上げたので、基本的の相違がはっきりするだろう、こう考えておる次第でござい……

第22回国会 予算委員会 第25号(1955/06/07、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 先ほどの大蔵大臣の説明の通りに、防衛分担金の軽減の交渉は来年もでき得るわけでございます。そうでありますから、これはやるつもりでございます。これでお答えとします。
【次の発言】 私にお尋ねの分についてお答えをいたします。今るる申されましたソ連の中立化政策、そういうことは今世界の評論家の間においてしきりにうわさされております。ソ連あるいはそういう計画をもって進んできておるかもしれません。しかし日ソ交渉は実質的にはお話の通りきょうあたりから始まるのでありますから、その際向うの出方を推測してこれに対してこっちがどういう態度をとるかということを、明確に私の口から申し上げるのは果していかが……

第22回国会 予算委員会 第26号(1955/06/21、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 フィリピン賠償問題について今御質問がありましたが、まず第一に、払うべきものはどんどん払って親善関係を樹立することには賛成であるという御趣旨の御意見に対しては、私も全然そう思います。しかしながら御意見の通りにこれは条件次第である、日本の賠償能力を見てやらなければいかぬのだということについても、お説の通りにわれわれは考えて進んでおります。前内閣時代において、すでに御指摘の通りに去年四月に大野・ガルシア協定というものが一たんできた、これは非常な御尽力であったと思います。大野・ガルシア協定には、今高碕長官から触れられました四億は、たしか表面は二十カ年でなくして十カ年になっておったと私は……

第22回国会 予算委員会 第30号(1955/07/14、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 日ソ交渉の経過の大要はすでに説明を申し上げておる通りでございます。今お話のように、双方とも立場を十分開陳したわけでございます。そうして未帰還者の送還の問題について日本全権から強く要請しておるということも御承知の通りでございます。この問題について意見はまだまとまってないのでございますが、しかし交渉の順序として、今後の交渉の経過に待たなければならぬと私は思います。そこで今行き詰まりということを申されましたが、これはおそらくマリク全権がロンドンからモスクワに帰ったことにも関係があるのじゃないかと思います。マリク全権が七月二日にロンドンをたって帰りました。つまり交渉が六月一日に始められ……

第22回国会 予算委員会 第31号(1955/07/15、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 余剰農産物に関する日米の協定は、今回の協定は今回の協定、来年の協定をどうするかということは来年の協定に対する方針をきめなければならぬわけでございます。そこで御質問の点は来年の協定に対する方針をどうするかということに帰着すると思います。それはいろいろ研究を要することは当然のことであります。そこで研究自体にいろいろの説が出るのもこれはやむを得ないことでございます。政府といたしましては、この余剰農産物の協定は来年も条件次第によってはやりたいと思っております。しかしそれは条件次第でございますので、その条件を十分に考究しなければならぬと考えております。それで大体やりたい、また米国もこれに……


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第23回国会(1955/11/22〜1955/12/16)

第23回国会 外務委員会 第1号(1955/11/30、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 今須磨委員の御質問は、今回自由民主党が結成をされた、その結成に際して政策問題を掲げた、その政策問題のうちに、外交に関する政策をはっきり掲げておる。特に日ソ交渉や賠償交渉についてはっきりと政策を掲げておる。これをどういうふうに考えるかということに帰着するのではないか、こう考えます。私は自由民主党員でございます。従いまして、そこで党議で決定いたしておる政策については、私もこれによって仕事をするわけでございます。そこで党で決定しておることをよく検討をいたしてみたのでございます。その党で決定したことは、大体私どもが従来こういう問題について交渉して参った方針と何ら相違はございません。私は……

第23回国会 外務委員会 第3号(1955/12/05、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私は、社会党が政権をとって内閣を組織し、外交の衝に当られるという御抱負については、まことに敬意を表せざるを得ません。私は実は前からたびたび申し上げました通り、私の考え方は、外交は党派にとらわれず、日本の外交としてやらなければならぬことがあるから、その線に沿ってやる少くとも心組みをもって進んでいかなければならぬ、また自分もさようなふうにして進んでいきたい、また行く心がけであるという心組みだけは十分に申し上げて参っております。さようなわけでございますから、社会党の政権ができましても、むろん国家のために日本のためにやるという心組みならば、それを受け継いで、そして施策をめぐらされること……

第23回国会 外務委員会 第5号(1955/12/08、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 その点は私も御趣旨はきわめて御同感でございまして、今日までも国際的に機会のあるたびにその趣旨を日本側は述べております。それからまたその他非公式の見解としてもそれを述べておるのでございます。しかしながら御承知の通りこの問題は国際的に大きく取り扱わなければ解決すべき問題ではございません。国際連合においてもその問題は取り上げられておるわけでございますから、そういう大きな国際情勢を動かすことに努めることに専念すべきだと、こう考えております。
【次の発言】 これもお話の通りだと思います。なるべくすみやかに国内体制をこの問題について固めなければなりません。そのために全力を注いでおります。た……

第23回国会 外務委員会 第7号(1955/12/10、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 最近の情勢は、いわゆる十八カ国一括加盟の案を審議するための特別政治委員会が七日に開かれまして、五十二対二、棄権五の結果をもって承認されたわけであります。その委員会に関する限り通過しました。その結果加盟問題は今日、つまり十日に開かれる安保理事会で審議を見るわけです。どういう国を加入国として資格があるかということをきめるのが安保理事会の本件に対する仕事でございます。今日と泊しますわな十日ですが、向うは時差がありますから、その結果はおそらく明日にはわかり得ると思います。この安保理事会でこの問題がどう取り扱われるかということが峠になります。この安保理事会で常任理事国の一国でもこの案に対……

第23回国会 外務委員会 第8号(1955/12/12、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 御質問の点は私はよく了解をいたしました。細目協定締結前になぜ出したか、御質問の要点の一つがそれであったと思います。この原子力協定は基本的なものでございます。そこでわが方においては原子炉を早く受け入れて、そして原子炉の建設をし、またそれに伴う国内的の施設を早くこしらえなければなりません。そこでそういうことを早くやらなければならぬという要請が、国会の内外から非常に起ってきたことはこれまた御承知の通りだろうと思います。そこでとりあえず原子力、原子炉に関する協力協定を早く、これは出立点になるのだから早く実行に移して、わが国の原子力の平和利用に関するすべての施策を一刻も早く進めていきたい……

第23回国会 外務委員会 第9号(1955/12/13、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 今お述べになった御意見は、原子力を持っておる米ソだけが相手じゃなくて、今の国際情勢から見ると、中小国の勢力もますます増加しておる。これらを第三勢力と呼ばれましたが、これらの勢力が増加しておるのであって、大国だけがすべて国際間のことを指導しておるのではなくて、中小国の勢力、つまり数で行くというふうにだんだんなってきたから、これは日本に有利である。であるから、原子力協定も、これはアメリカとの間の協定である、これは急ぐ必要はないじゃないか、こういうことであったと私は伺いました。もしそうであるならば、私はさような国際情勢の傾向にあるということを否認するわけには参りません。私もさように国……

第23回国会 外務委員会 第11号(1955/12/15、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 国連加入がわが国及び国民の非常な要望であることは申すまでもございません。その要望を結集したものが衆参両院の決議となって現われておると私は心得ております。さようなわけでございますから、この問題についてはこれまた御報告申し上げた通りに、外交機関をあげて努力いたして参りました。そこで、今回初めて日本を含む十八カ国案が出て、これが通れば日本も加盟ができるわけでありますから、十八カ国案を通すことに全力を尽したのであります。不幸にして、これは外蒙の問題で国民政府が拒否権を用いて、安保理事会を通過いたしませんでした。さらに外蒙以外の国については、ソ連が一々拒否権を使ってとうとう十八カ国一括上……

第23回国会 外務委員会 第12号(1955/12/16、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 今回の国際連合加盟問題に関する経過及びそれに対する判断を十分に、正確に下すのはまだ少し私は早いように存じます。お話の通りに今朝に至ってまだ残されておるのはイギリス代表ディクソンの提案でございます。日本が加盟の完全な有資格国であり、すみやかにその加盟が認められるよう希望を表明するという旨の決議案が今提出されておって、結局これは二十一日に審議をすることになっております。そういう報告を受けております、これか残っておるわけでございます。今日までの経過を早急に判断をするわけには、今申します通り、まだ時間の関係上早過ぎると思います。思いますけれども、今日までの経過から見て、ソ連が終始日本の……

第23回国会 予算委員会 第1号(1955/12/06、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 今、鳩山総理の言われた通りに私も考えております。この問題はぜひ解決しなければならぬ問題でございます。あらゆる努力をいたしましてその解決に尽したいと考えております。
【次の発言】 お話の通りに、日韓関係の平和的処理、平和的解決の方法はいろいろあると思うのでございます。国際司法裁判所に提訴するということは、前提として韓国側の承諾を得なければなりませんので、相当時間がかかると思います。私はそれよりも、できるだけ時間をかけない方法をとりたいと考えております。それは直接の交渉は言うを待たず、また今お示しになったような第三国のあっせんを請うということも一つの方法ではないか、こう考えておりま……

第23回国会 予算委員会 第2号(1955/12/07、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 御質問の趣旨が私よくわかりかねますが、ドイツはドイツとしての立場をもって独ソ関係に処しておることと思います。日本は日本としての立場をもって日ソの交渉を今開始しているわけでございます。ドイツにおきましても、ドイツ現政府のソ連に対する交渉のことについて、非常に国内に議論があるということも私はよく承知をいたしております。
【次の発言】 私は少しも的をはずしておりません。日本は日本の立場をもって進まなければならぬ。ドイツはドイツの立場をもって進んでいたことである、こう私は観察をしております。
【次の発言】 モスクワにおきまして先方の首脳部の一員が日本の視察団に対して、ロンドン会議はお茶……

第23回国会 予算委員会 第3号(1955/12/08、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 米軍と労務者との関係、それは条約上の規定もありましょうし、また契約そのものによって律せられることと思います。そのことについて意見の差、紛争が起りましたならば、これは外交交渉になって合同委員会で十分に検討いたします。しかし、労働者が直接やった契約内容そのものがおかしいじゃないかという御意見に対しましては、実はその労働協約に直接外務省は介入いたしません。あるいは労働大臣の方でそういうことを注意しておるかと思います。私は実はその契約の内容について詳細を心得ておりません。従いまして、そのことについて不都合なことがあるということであれば、それも私は検討してみましょう。どうか一つそれを御指……

第23回国会 予算委員会 第5号(1955/12/10、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 アジア大陸に大きな権力を設定した中共の地域と日本との関係は、隣国の関係で、きわめて密接でございます。そこで、これに対していろいろな交渉交流のあることは、これはけっこうなことだと思うのでございます。ただ、問題は、今中共と日本との間には政治的に非常な障害がある。それは、中共を日本が承認を今日まだいたしておらない、こういうことでございます。そこで、その制約は免れないと思います。また、その制約は日本の対外関係の全局から来ておることなのでありまして、それは今急に変更するの時期にありませんから、中国との間の完全なる交流は、中共を承認するような時期の来た後でなければ行われないわけでございます……


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第24回国会(1955/12/20〜1956/06/03)

第24回国会 海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会 第11号(1956/04/02、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 まだ回答はございません。
【次の発言】 今、御質問の点は、単にいわゆるハバロフスク事件だけにはとどまっておらぬようでございます。要するに、抑留者の引き揚げを実現すること全体にわたっておると思います。この問題は、御承知のごとく、いわばすべての交渉問題以上の問題であり、人道に関する重要問題であるという立場をとって、政府としては、戦争の結果とは申しながら、この戦争の一つの未解決の問題、特に戦争犠牲者の救済ということは、あらゆる努力を尽して救済をしなければならぬ、これは日本として国民的の問題である、政府は全力を尽さなければならぬ問題である、さような方針のもとに、日ソ交渉はやるけれども、……

第24回国会 外務委員会 第2号(1956/02/03、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 さようでございます。
【次の発言】 私も原水爆の使用はむろんのこと、こういう実験も国際的にやめてもらいたい、こういう考え方を持ち、それを実は政府の方針として機会あるごとに申しておるわけでございます。ところが御承知の通りに、その原水爆の実験はむろんのこと、使用ですら今国際的に禁止ができておらぬという状況でございます。これを国際的に禁止をせしめるということになるのには主として国際連合等の国際機関において取り上げてもらい、またその機関において実現するように努力をしなければならぬのであります。しかし今の状況でそういうことが、国際的に禁止がないのでございますから、それを国際法に違反をして……

第24回国会 外務委員会 第7号(1956/02/16、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 この点に対する政府の方針は、すでにきまった通りでございます。きまった方針によって主張をする、こういうことでございます。
【次の発言】 この問題について簡潔に一言、二言で御返事するということは非常に困難に感ずるのでございます。私は今回のソ連の党大会におけるフルシチョフの演説を分析してみますのに、これは従来とは非常な差があると感じました。特に外交方面において一言その要点について申し上げれば、たとえば従来の共産党の根本主張である、資本主義国との共存はできないという立場に立っておる点から、資本主義国とは共存ができるといって、多分に政策を転換をしてきておる。そうして従来のやり方よりも、平……

第24回国会 外務委員会 第18号(1956/03/10、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 今の御質問は、日本の将来の国際信用のためにも、日本のアジアと申しますか、民族主義に対する考え方は、曇りのない考え方を十分に他国に了解をさせる必要があるのであって、過般の私の説明は、その趣旨に沿わぬじゃないか、従ってそれを十分に明らかにすべきである、こういう大体の御趣旨であると思います。私はその趣旨を非常に尊重いたします。まことに私はその通りだと思います。ただし、私の個人の問題をも出されました。これは私あえて個人の問題についてかれこれ申すことを、実は差し控えたいと思いますが、事実として太平洋戦争と申しますか、大東亜戦争に対する関係者として、その大東亜戦争に対する責任を問われておる……

第24回国会 外務委員会 第19号(1956/03/13、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私今まで参議院の予算委員会におりました。応援演説を聞くことができませんではなはだ残念でした。ところが今予算の問題でお話がございましたが、私はこの条約を調印するに当りましては、この条約の趣旨を十分に日本は履行する意思のあることを確認をいたしまして、もちろん閣議の決定を経ましてこれを調印いたしたわけでございます。そこで第五条にはこうあります。「各締約国は、」というのはカンボジアと日本でありますが「自国の領域へ移住することを希望する他方の締約国の国民に対し、その移住が両国の共通の利益をもたらすと認めたときは、できる限りの便宜を供与することに努力するものとする。」、こうあります。これが……

第24回国会 外務委員会 第20号(1956/03/14、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 カンボディアとの間に友好条約ができまして、日本から移民をも歓迎するということになっております。これはお話の通り大へんけっこうなことだと思います。しかしながらその移民を送るのには、ああいう何と申しますか、いわば未知のところに移民を送るということについては、これはいろいろ検討を要する点がたくさんございます。特に先方の意向を十分確かめて、そうしてその意向に合致するようにもしなければならぬと思います。しかし先方の意向のみを考慮するわけには参りません。こちらも、つまり意思の合致炉なければならぬと思います。そこで目下先方のいろいろの要望に対して、こちらもなるたけそういういろいろなむずかしい……

第24回国会 外務委員会 第22号(1956/03/17、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 そのときに申し上げました通りに、藤山特使が賠償問題一般に対する総理の回答を正式に託送いたしました、その通りでございます。託送した文は、向うに渡した後に向うでも内容を大要出したようでございます。また出して差しつかえないことに了解をしておいたのでございます。その以後はむろん申し上げ得るのでございます。こういう内容でございました。   私は日本とフィリピン共和国との間の賠償問題の解決方式に関する一九五五年八月十三日付貴簡に対して回答した一九五五年九月三十日付の私の書簡に言及するとともに、わが政府は、貴簡中に述べられ、かつ、その後マニラにおける会談により解明された賠償解決方式を基礎とし……

第24回国会 外務委員会 第24号(1956/03/29、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私からお答えしましょう。お話の通り、抑留者の問題及び漁業の問題は、日ソ交渉が一時延期になっても、これは進めてやらなければならない問題でありますから、あらゆる方法を尽してやらなければならぬと思います。しかし、それにしても相手方はソ連でございます。今そういう問題についてロンドンにおいても引き続いて話し合いをしております。目下はソ連側の反響と申しますか、回答と申しますかそれを待っておる状況でございます。そのほかにも方法があれば、これをとることに少しも疑存はございません。あらゆる努力をいたしたいと考えております。
【次の発言】 私からお答えいたしましょう。南千島は日本といたしましては北……

第24回国会 外務委員会 第26号(1956/03/31、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 日ソ交渉の重任に当った松本全権が昨夜帰って参りました。さっそくその報告を一わたり受けまして、松本全権が困難なるこの交渉に長く当って健闘せられたことに対しては、私は衷心から感謝の意をもってこれを迎えたわけでございます。  その報告の大要は、今日まで私が本委員会において述べましたところと大同小異、ほとんど変りはございません。これは交渉の経過でございます。さようなわけでありますから、その報告に基いて将来の対策もこれから立てるつもりでございます。
【次の発言】 交渉の経過については的確に報告を受けました。それからまたソ連の領土問題に対する態度も、交渉中に最後まで変らなかったということも……

第24回国会 外務委員会 第27号(1956/04/04、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 それじゃ私からお答えいたします。この公社に関する日本の出資金のことは御承知の通りでございます。それで御質問の要旨は、東南アジア開発等について何か政府に出資の案がありはしないか、こういうことに帰着するように存じます。そのことについては、結論的に申し上げれば、まだ案がない、検討中でございます。これは検討中と申しましても、特別のなにをもって検討しているというよりも、今いろいろ考案を練っている、討議しているという状況でございます。これは私といたしましては、東南アジア方面の経済開発と申しますか、経済問題については、日本としては十分積極的に考えなければならぬと思うのでございます。さようなこ……

第24回国会 外務委員会 第31号(1956/04/11、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 日ソ交渉が御承知の通りに自然休会に入った、重要な問題に対する双方の主張が対立して自然休会に入った、そのときに漁業問題が起ってきた。これは簡単な経過でございますが、そこで漁業問題について直接ソ連側と交渉する用意があるということを、日本側からソ連側に通じたのでございます。そこでそれに対する回答を待っておったわけでありますが、その回答が昨日参りましたことは、他の委員会で申し述べましたので御承知の通りでございます。その通りでございます。そこで先方からは、その交渉に応じよう、交渉地としてモスクワか東京、どちらででも交渉を開いて差しつかえない、こういう返事でございます。そこでいろいろ相談を……

第24回国会 外務委員会 第34号(1956/04/18、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 この問題が米国に起りましたことは、われわれは実に残念に思っております。そして日本政府といたしましては、この問題が条約違反の疑いがある、こういうことの立場をとって抗議もいたし、アメリカ政府の善処を促しておる状況であります。アメリカ政府もこういうことが起ったことを決して是認をいたしておりません。ひとしく遺憾に思って、そして日本政府の言い分を十分に考慮して善処を約し、かつまた善処しつつあるのが現状であります。そうでありますから、実際問題としては、そのアメリカ政府の友好的な措置に信頼をして、事態の推移をしばらく見ることが適当であろうかと考えております。しかし理屈として立場としてこれを申……

第24回国会 外務委員会 第36号(1956/04/25、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 虚心たんかいに御協力を願いたいのはこちらの願いでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。  外務省の方針を一々言えということでございますが、大体もう申し上げておる通りでございます。従来申し上げておる通りの方針で進んでおります。  旅券の査証をする問題は、外務省としての方針は従来申し上げておるわけでございますが、繰り返して申し上げます。それは、旅券の査証をするという法律上の権限は外務大臣にございます。しかしながら、これはたびたびこの席で御議論になっておる通りに、旅行の自由ということは十分に、ある意味において最大限に認めなければならない。そこで査証の権限を運用する場合において……

第24回国会 外務委員会 第39号(1956/05/04、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私は今言われました外交官試験について門戸を開いて広く人材を集めよという御趣旨は、その通りだと思います、そうしねければならぬと思います。過去におきましてわれわれの経験している、私自身も試験を受けたものでありますから、経険しておるところによりましても、実は外交官試験はいかなる他の試験よりも門戸を開放し、かつまた試験科目などは広くなっております。これは従来とも伝統的にさような方針をもってやっておるのでありますが、しかしなお今日においてもその点についてはいろいろ御批判はあることだと思います。しかる上は一そうそういうことについて注意をいたして努力をしていきたいと考えます。外交問題を処理す……

第24回国会 外務委員会 第40号(1956/05/08、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私もそういうことを考えなければならぬと思います。
【次の発言】 私は農産物に関する考慮は年々払わなければならぬと考えます。そこで米国からどれだけ輸入すべきか、またビルマからどれだけ買うべきかということも、年々の農産物生産の状況をも考慮して、そして一般的の政治問題等も考えて方針をきめなければならぬと思います。ビルマからもだいぶ買っております。米国から買うのは、いろいろな農産物以外のことも協定の中にあるような状況でございます。いずれにしても、全般的に考えてみて国の利益を考慮していくということを申し上げるよりほかにございませんが、しかし私はこういうものは今申し上げました通りに年々考慮……

第24回国会 外務委員会 第41号(1956/05/09、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 その問題についてお答えを申し上げます。  最近国交未回復の共産圏諸国への渡航希望者数が相当増加してきているが、渡航によって著しくかつ直接にわが国の利益の害されることがあってはならぬので、政府としては旅券法運用の事務上の便宜として、おおむね渡航許可を与えるのが適当であると考えられる場合及びおおむね渡航を認めないのが適当であると考えられる場合を列挙した取扱い上の参考要領を作り、閣議了解を経た次第である。  もとよりこの要領は、渡航の許可不許可を決定するについての絶対の準則ではなく、渡航の許可不許可は個々の申請に応じ、旅券法の条文に照らして判断されるものであり、個々の申請が旅券法第十……

第24回国会 外務委員会 第42号(1956/05/11、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 日ソ漁業交渉の御質問でございました。今日までの経過を私どもが公けに得ておる電信報告の資料に基いて申し上げます。  わが方代表が交渉地のモスクワに着きましたのは四月二十七日ございました。すぐ翌四月二十八日から先方との接触が始まりました。そして四月二十九日には、すでに第一回の総会が開かれました。この総会におきまして、わが方からはわが方の漁業協定案、交渉の目的であります海難救助協定、その海難救助に関する協定案というものをわが方が提出しました。わが方の漁業協定に対する草案を提出したのが二十九日であります。  それから五月三日に第二回の会議が開かれました。その第二回の会議において、これら……

第24回国会 外務委員会 第43号(1956/05/12、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 大体今お話のような順序であると私も思います。これは最近の状況をはっきりと申し上げなければならぬと思います。きのうまでの状況は、昨日のこの委員会で的確に私は申し上げたわけであります。ところがその後ただいま得ました状況をお話します。  漁業協定ついては、昨日お話しました以後、お話をする材料がまだ参っておりません。海難救助に関する協定文は大体全文参りました。海難救助に関する来ただけのことをお話いたすことがよかろうかと思いますが、それでよろしゅうございますか。(穗積委員「どうぞ。」と呼ぶ)  海難救助に対する協定の文について、大体今まで明らかになっておるところを申し上げます。  この協……

第24回国会 外務委員会 第44号(1956/05/16、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 それでは前会に御報告いたした後の状況をお話いたします。前会は五月十二日までのことをお話をしたと記憶しております。五月十  二日に署名を終るという打ち合せをするところまで進捗した、こういうことをお話しておきました。それに違いないと思います。  そこで六月十二日に漁業協定と海難救助の協定に署名をするように準備を進めて参りましたところが、同日の夜、署名直前に至ってソ連側は、十一日、つまり前日に双方の間で了解に達した本年度の日本側漁獲量六万五千トンをとることは、漁業に対する条約が効力を発するのでなければ認め得ないとの主張をにわかに強調したために、わが代表からそういうことでは困るからとい……

第24回国会 外務委員会 第45号(1956/05/18、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 ただいま議題となりました日本国とフィリピン共和国との間の賠償協定の批准について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。  フィリピン共和国は、昭和二十六年九月にサンフランシスコ条約に署名したのでありますが、賠償問題が解決せられない限り、この条約の批准を行わない、わが国との間に正常な国交関係を回復いたさないという方針を持して参ってきましたことは御承知の通りであります。  そこでわが国は、東南アジアにおいて政治上、経済上重要な地位にあるフィリピンとの間の賠償問題は、なるべくすみやかに解決をはからなければならぬという考えのもとに、大いに努力を重ねて交渉をいたして参っ……

第24回国会 外務委員会 第46号(1956/05/19、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 その問題につきましては、今水産庁と外務省との間で検討いたしております。と申しますのは、むろんこれは河野代表とも連絡してやっておることでございます。そしてこれに対してどういう処置をとるかという決定にはまだ立ち至っておりませんが、十分この問題を解決するように努力をいたしたい、こう考えております。大体においていろいろな点も考えてみますと、その間に行き違いもあるのではないかというふうにも見られます。すべて事実を明らかにした上で処置いたしたい、こういうふうになっております。
【次の発言】 今申したような方法で、これは水産関係でございますから、水産庁と連絡をして努力いたしておるわけでござい……

第24回国会 外務委員会 第48号(1956/05/23、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 第一点は私から十分申し上げられると思います。内灘の使用は、必要な限り、これはぜひ実現しなければならぬことになっております。そこでこれは実現することに決定をし、またそれの努力をしておるわけであります。しかし永久にということは少しも考えておりません。その必要がなくなったならば、すぐ解除のこともきめなければならぬと思います。もっとも内灘については、ずいぶん住民の不便等がありまして、非常に考慮しなければならぬところがある。そこでそういうこともむろん考慮に入れなければなりませんけれども、国際的に  約束したことはどうしても実行いたさなければならぬと考えております。それも今申しました通りに……

第24回国会 外務委員会 第49号(1956/05/24、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 二十日夜のモスクワ放送の内容は私も各新聞の記事によって承知をいたしております。御承知の通りに日ソ間には元来中立条約があったにもかかわらず戦争が起ってそれからすでに十年以上たっておるのであります。日本といたしましては、日本側がこれまで宣言したことのない戦争状態を一日もすみやかに終結したいという念願のもとに、ロンドン交渉に応じたわけであります。それが今日もうすでに間もなく一年にもなるのでありますが、交渉の目的を達することができない状態であります。この交渉における日本側の主張が、果してソ連の放送の言うように根拠のないものであるかどうか、またこの交渉によってもうすでにすべてのものが解決……

第24回国会 外務委員会 第50号(1956/05/25、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 この点については今総理大臣も言われた通りと私は考えております。すなわち国交回復ということは私はなかなか矛盾があると思います。一つの国、一つの政府と国交を回復しておる以上は、これに対抗する政府と国交を回復するということはちょっと矛盾があるようでございます。そういうことは考えるべきじゃないと私は思います。(「イギリスだってやっているじゃないか」と呼ぶ者あり)イギリスは一つの中国をやっておるのである。そこで、これは私がたびたび申し上げる通りに、今アジア大陸に強大な権力を設定しておる中共政府があるという事実はいかんともすることができない、またいかんともする二とができぬという言葉が悪けれ……

第24回国会 外務委員会 第51号(1956/05/26、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 それは内交渉の際に、向うが十億ドルを八億ドルにおろしてきた関係で、八億ドルという数字が出ました。向うの都合の数字のようでございまます。
【次の発言】 今申し上げます通り、それは向うの希望の数字でございました。そこで、これはこちらでは受け入れられない数字でありますから、交渉が進んで参ったわけでございます。
【次の発言】 これは昨日でしたか御説明申し上げました通り、こちらの方は実は最初は四億ドルという政事を出したのであります。ところが向うは八億ドルという数字を出した。そこで交渉でございますから、日本側も勉強してくれということで、ねじ合って交渉が進んだわけです。そして結局申し上げまし……

第24回国会 外務委員会 第52号(1956/05/28、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 日比賠償が幸いにして妥結をいたしました。これが両国の批准をもって成立し、履行されて参りますならば、それに応じて他の国にも非常にいい影響を与うるであろう、こう予期しておるわけでございます。そういう意味でインドネシアに対する賠償問題も解決をいたさなければなりませんから、インドネシアの賠償問題の交渉も、促進するように形勢が進むことを非常に期待しておるわけでございます。今お話の通りに、インドネシアの政情もそういう方向に向いてきておることは事実のようでございますから、大へんけっこうだと考えております。ただ、今まだ交渉がないというわけではございません。というのは、賠償問題を片づけたい、こう……

第24回国会 外務委員会 第53号(1956/05/29、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 御承知の通り、わが方の申し入れに対しまして、米国側は回答をよこしております。回答のうちに危険区域や、長期にわたる実験について一般的の予告をいたして参っております。昨日新聞にございました件について、特にそのことがどういうものであるかという通告は、いずれの国からもまだ参っておりません。
【次の発言】 ただいま申し述べた通りでございます。一般的な通告がございました。
【次の発言】 さようでございます。
【次の発言】 米国側の予告によりまして通告をいたしておる次第でございます。
【次の発言】 その詳細のことはあるいは係の者からお答えをする方がいいと思いますが、しかしアメリカの通告は、発……

第24回国会 外務委員会 第58号(1956/07/09、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 沖繩問題はまことに現下の重要問題と考えております。沖繩問題は今伊東委員の言われました通りに、これは刻下のきわめて重要なる問題として私どもの頭を悩ましている問題でございます。沖繩が領土的に見てすでに日本に帰属すべきものであるということは、これはわれわれは疑うところではございません。米国においても滞在主権を認めております。従って沖繩住民が日本人であるということは、もしくは日本の国籍を持っておるということは今日までの取扱いでそう相なっております。これに対して政府としてあらゆる保護の手を差し伸べるということは、これまた当然のことであります。さような意味合いをもって今日までこの問題に対処……

第24回国会 外務委員会 第59号(1956/07/12、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 今御質問の前提となっておる、アメリカが基地を設けるその政治上の理由はしばらくおくとしても、基地を設ける以上は住民の協力がなければならぬということは、まさにその通りであって、それは沖繩側の主張、日本側の主張というだけでなくして、アメリカ側の主張でなければならぬと思うのであります。また事実アメリカもそういうことについては少しも異存もなく、努力しようとは言っておるわけでございます。しかるに沖繩住民の陳情によると、いろいろな事件が起っておる、こういうことでございまして、私も米国軍が多数入り込んでおる関係上、その他種々事態が変ってきました関係上、いろいろなことが起っておると思います。これ……

第24回国会 外務委員会 第60号(1956/07/23、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 お答えいたします。この重要な交渉――日ソ間の国交を正常化することを目的とするこの交渉の重要なことは申すまでもございません、これに対して、目的を達するために私は今日全力を注いでこの交渉に当るつもりであります。ぜひともその目的は達したい、こう考えております。
【次の発言】 私は交渉に臨むに当りましては、一に政府の決定した方針に従いたいと考えます。それを主張して目的を達したいと考えております。かつまた私も自民党の党員でありまして、政府は与党によってできた政府でございますから、与党の方針はすなわち交渉の方針でなければならぬと考えます。私はその実現に全力を尽していきたいと思います。この与……

第24回国会 内閣委員会 第38号(1956/04/24、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 米国電の撤退の時期は、むろん米国電が駐留をする必要のなくなったときに判断せられることだと考えます。従いまして、日本の自衛軍の充実及び極東の国際情勢をも考えた上で、こう考えます。
【次の発言】 私は日本の自衛軍は日本の自衛のために設けられ、充実され、強化されるものだと思っております。そうでありますから、アメリカ軍の撤退は日本の自衛軍の充実ということが一つの目安になることは当然だと思います。しかしここに極東における国際情勢の緊張緩和ということもさらに考えなければならぬ、こう申し上げておるわけでございます。
【次の発言】 その点につきましては、私渡米直後にいろいろ国会においても御質問……

第24回国会 内閣委員会 第39号(1956/04/25、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私はこの問題については、ずいぶんたびたび、この委員会ではなかったかもしれませんが、私の意見を申し上げました。元来安保条約、行政協定なんというものは、私は日本として十分に独立を完成し国の力ができるならば、これは改訂しなければならぬ問題であると思います。またそういう頭をもって進めていきたいのでございます。しかしながらこれは、そういう準備ができなければやるべきことじゃございません。国防の全体から言ってみても、これは慎重に考えなければならぬ。そこで目下はその準備を急いでおる時期でありますから、今日直ちに改訂の時期が来ておる、こう私が判断して申し上げるわけには参りかねるのでございます。

第24回国会 内閣委員会 第40号(1956/04/26、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 ごく簡潔にお答えをいたします。日本の自衛軍備の増強につきましていろいろ外国において批判のあることもずいぶん報告に接しております。東南アジア方面において、お話のようななにがあったということは、一々報告を受けておるということは、はっきり記憶をいたしておりませんが、大体においてこういうことでございます。東南アジアでもいろいろ新聞の種類がありますが、大体共産系の新聞は日本の自衛軍備の増強について非常に悪意に解釈をいたしております。しかしながらその他の新聞は日本の独立の完成については、一般的に同情を持って頼りにしておる論調が多いように観測をいたしております。しかしながらむろん共産系の新聞……

第24回国会 法務委員会 第24号(1956/04/13、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 これは、金韓国代表部代表と日本国外務大臣との間にかような了解に達したわけでございます。
【次の発言】 かような了解に達する場合には、外交上の手続をとる場合には、国内において政府の意向がはっきりきまった後でなければできません。この方針でやるという政府の意向がはっきりした上で韓国側との間にさような了解をしたわけでございます。
【次の発言】 これはもう、お話の通り、また御承知の通りに、韓国と日本との間にはまだ国交が開かれておりません。条約関係はございません。韓国は、御承知の通りに、サンフランシスコ平和条約によってできた国であるのであって、平和条約それ自身の当事者となっておるわけではご……

第24回国会 法務委員会 第25号(1956/04/16、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 日韓の問題として、日本人漁夫の帰還問題、これに関連して大村における韓人釈放の問題、これについては、前回私が詳細にわたって御説明をいたした通りでございます。それにつけ加えるものはございません。そして、その閣議の決定並びに日韓双方との了解、すなわち意思の合致したことは、すべて発表をいたしておる通りでございます。それによって御了承を願いたいのでございます。
【次の発言】 それでは、従来のいきさつをさらに一そう詳細に申し上げましよう。  この問題はずいぶん久しい以前からの問題でございました。そこで、大村収容所における朝鮮人の釈放について法務省で難色があるということは私ども承知をいたして……

第24回国会 予算委員会 第1号(1956/02/03、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私もその通報を受けておりません。そういうことがあれば通報を受けることになっておりますから、通報を受けないところを見ると、そういうことはないと思います。
【次の発言】 私は、今伺いました御趣旨はごもっともだと思います。自由民主陣営の諸国と緊密な協力をしてやる、これを外交の基調として進めていくことは、たびたび申し上げました通りでございますが、しかし、それをやるためには、自国すなわち日本の利害関係の向うところをよく考察して進めていかなければなりません。そこで、協力するということが無条件にそれらの国々の言うことばかりを聞くという意味ではむろんないのです。それがために日本としては総理の言……

第24回国会 予算委員会 第2号(1956/02/04、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私は、安保条約並びにこれから出て参りました行政協定、これらの改訂を希望いたしておるものでございます。そしてそのことについては、米国は幾つかの希望を表明してきたものでございます。しかしそれには、御了察の通り、非常に準備が要ります。この準備は、お話の通りに、日本の自衛軍備の充実ということが準備の基礎になります。かような暁におきましては、このことが漸次実行に移される時期になってくる、こう考えております。しかし今のお話の、これが日ソ交渉に直接妨げになるということは、私は考えておりません。のみならず、日ソ交渉をする前から、かような米国との関係ははっきりといたしておるのでありますから、それ……

第24回国会 予算委員会 第4号(1956/02/07、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私が農業について多くの知識を持っていないということはお話の通りであります。しかしながらいやしくもこの協定を締結する場合におきましては、十分それらのことを閣内においても検討いたしまして、担当閣僚の意見も十分に徴しまして、日本の農産物、日本の農業に対して悪影響を持たないという結論に達しましたので、この調印をいたしたわけであります。
【次の発言】 私も今河野農林大臣のお説の通りに考えております。
【次の発言】 今日さような悪影響がないとわれわれは認定しております。問題が起らないと思います。
【次の発言】 ……。
【次の発言】 今の御説明は事実に反します。防衛分担金の減少を交渉して、相……

第24回国会 予算委員会 第7号(1956/02/10、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 第二次世界戦争が終りまして今日十年に相なります。十年後の今日国際情勢は非常に改善されて、そうして今言われました三つの隣国、これら諸国と申しますか、諸地域も同じように取り扱っていけるように国際情勢が改善されておれば非常によかったのでございます。またその改善に向ってあらゆる努力を尽すことが日本の平和外交であることは言うをまちません。しかしながら今日不幸にして戦争後の国際情勢は、まだそこまで回復しておりません。  韓国との関係は、御承知の通りにまだ日本とは正式な条約はございません。しかしながら韓国は国際連合のみならず日本の最も密接な関係を持っておる自由民主諸国とは、正常の国交を開いて……

第24回国会 予算委員会 第10号(1956/02/14、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私はこの問題の担当をいたしましたから、私の知る範囲内においてお答えいたします。お話の通りにこの方式によりますと、将来まだ三百億というものを負担するのでありますから、その倍額の六百億というものを増額しなければならぬことになります。しかしこの取りきめは、増額しなければならぬということをきめているのじゃございません。これは他日増額がある場合において、その半額を日本が負担する、他の半額を米国が負担する、こういう方式でございます。そうでありますから、今説明をされたように、将来国防会議等ができて、はっきりした国防計画ができると思いますが、その場合に、増額した部分について半額ずつ負担する、こ……

第24回国会 予算委員会 第15号(1956/05/30、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私もその通りに考えております。ロンドンでせっかくやりましたことは無にしたくございません。これは建設的に利用していきたい、こう考えておる次第でございます。
【次の発言】 私からもお答えいたします。漁業問題から出発して国交の正常化の交渉を開いた方がよかろう、開く必要があるという意見に、漁業問題の交渉に当った両国の政府代表者の意見が共同声明によって出てきたわけでございます。そのうちには今申される通りに、交渉地が書き入れてあります。ロンドンもしくはモスクワまたは東京、こういうことに議題が出ております。それをよく考慮してやらなければならぬと思います。  そしてどういう人を当らせるかという……

第24回国会 予算委員会 第16号(1956/05/31、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 漁業交渉の始まるときの状況をそのまま申し上げます。国交正常化の交渉がロンドンに開かれた、これが休止になったという事情はもう繰り返して申し上げません。そうでありますからこの交渉は休止になりまして、そしてその際に漁業問題に対する緊急な話い合いをしなければならぬ状況になったことも御承知の通りであります。そこで魚族資源の保持、海難救助の問題等に関して直接に話し合いをしたい、こういうことを申し入れて、先方の承諾を得て話し合いをすることになりました。そこでこちらの目的はどこにあったかというと、北洋漁業の円滑な運営に支障なきを期するということが、非常に大きな目的であったのでございます。そうし……


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第25回国会(1956/11/12〜1956/12/13)

第25回国会 外務委員会 第8号(1956/12/11、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私は初めて伺いましたが、この問題は、この委員会での質問応答の題目としては私はいかがかと思うのであります。よく聞いてみますと、中共には行かないという誓約をして旅券を出しておる。それは事務的にもいろいろ何があるわけでありますが、ところが中国に行ったので、今度は法務省が再入国は認めない、とこういうのは法規の適用で私は何も表面からいってどうするというわけにはいかぬのじゃないかと思うわけです。私もこういう法規の執行問題について、政治的の意見でもってこれを左右するということは、今まで努めて避けておるのでございます。そこでこれが政治的に、それじゃ中共との関係にどうなる――私はそういうことはな……

第25回国会 日ソ共同宣言等特別委員会 第2号(1956/11/19、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 ただいま議題となりました日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との共同宣言の批准について承認を求めるの件、貿易の発展及び最恵国待遇の相互許与に関する日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の議定書の批准について承認を求めるの件、北西太平洋の公海における漁業に関する日本国とソヴィエト社会主義共和国連邦との間の条約の締結について承認を求めるの件及び海上において遭難した人の救助のための協力に関する日本国とソヴィェート社会主義共和国連邦との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を一活御説明いたします。  これらの文書、に関する従来の交渉の経緯につきましては、すでに本……

第25回国会 日ソ共同宣言等特別委員会 第3号(1956/11/20、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 御質問の点は、よくはかりかねますが、ソ連の意向をどう解釈しておるかということだろうと思います。ソ連の意向は、私どもの承知しておるところでは、お話の通りに、ヤルタ協定、ポツダム宣言等を非常に重視して、特に戦争中、連合国――すなわち彼らのきめたことは、もうすでに決定済みであるという態度をとって、領土問題等に臨んだことは、御承知の通りであります。さようでありますから、領土問題について、最終的に平和条約できめるということが、実はできなかったわけであります。これは、将来に延ばされたわけであります。そういうソ連の主張に対して、わが方の主張はまた別にあることは、御承知の通りであります。これは……

第25回国会 日ソ共同宣言等特別委員会 第4号(1956/11/21、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 御質問の点はどういうふうな意味かよくわかりませんが、私はその当時の事情をそのまま申し上げます。私は、自民党の代議士会でありましたか、総務会でありましたか、その他の機会でありましたか、御報告をいたしたことは、その点については今北澤君の言ったようなことは私は申しませんでした。私ははっきりこう申しております。私が報告をしたことは、モスクワにおいて私が交渉をした正式の交渉は四、五回した、その第一回にも第二回にもその他の機会においても、ソ連側は、シェピーロフ外務大臣の口からソ連側の領土問題に対する主張をはっきりとしかも強硬に主張をしたのであります、その主張は日本側には十分わかっておるはず……

第25回国会 日ソ共同宣言等特別委員会 第5号(1956/11/22、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 外務省としては、特に補正予算を組んで要求をするということでない方法で、この問題を解決しよう。さしあたりこれは緊急の問題でございますから、その年度内で支出していく、こう考えております。
【次の発言】 賠償の問題をこまかく双方から言い立てるということになりますと、これはほとんど際限のない問題になります。そこで、これは、交渉を始める前提として、気持はそういうことはもう言わないということで始めた交渉なのでございます。またそうするよりほかに目的を達することは困難と思いました。そこで、こまかい数字的のことは一切やらないで今日まで過ごしておりますから、これを申し上げにくいのでございまして、た……

第25回国会 日ソ共同宣言等特別委員会 第6号(1956/11/24、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 御質問の点はるる述べられてよくわかりました。御心配のような将来を拘束するような言質はいずれの部分においても与えておりませんことを、はっきり申し上げます。それから、これは私の交渉しておったときのことに関係するのでありますが、ソ連側ではいろいろソ連側の主張を数回にわたっていたしました。日本側も数回にわたっていたしました。そしてソ連側の主張は日本側において受け入れられないことをはっきりしておいたのでありますが、向う側もこれは決して誤解はございません。また、その後、のモスクワ交渉においても、それは少しも誤解を与えることはないことを申し上げておきます。

第25回国会 日ソ共同宣言等特別委員会 第7号(1956/11/25、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 この全体の趣旨については、昨日申し上げました通りに私は考えてきておるのであります、これを出す前に一々私は調べて出したわけではございませんが、しかしこういうこともございます。「会議連管の円滑を期するため発送前に当省にあらかじめ御通報相成る様願いたい。」これが最後の結論になっております。いろいろ論議の点については、御批判のようなことがありますならば、昨日私が説明いたした趣旨によって、将来運営していくことにいたします。
【次の発言】 そういうことを一つ具体的に考慮します。
【次の発言】 その点は、今お説の通りだと思います。これは両方とも正文なのでございます。しかし、日本側としては、日……

第25回国会 日ソ共同宣言等特別委員会 第8号(1956/11/26、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 今お話の通りでございます。日ソ間には何らまだ条約関係がないのでありますから、日ソ間においてこれは条約できめ得る問題であります。
【次の発言】 それでよろしいと思います。サンフランシスコ条約によって利害関係を持っておる国との間には、それについて必要な了解を求める手段をとりたいと思っております。またとる必要があると思っています。
【次の発言】 それは国際間の普通の関係になります。これは国内法じゃないのでありますから、国際間で問題が起りましょう。それが起るならば、その問題は続いて起るわけであります。しかも、それは国際間の利害関係国との間において、話し合いによって了解に達することになる……

第25回国会 予算委員会 第1号(1956/11/30、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 それでは中近東方面の一般情勢について私の見るところを御説明いたしたいと存じます。一般情勢につきましては、本会議におきまして申し述べたところよって大体御了解を得たことと思います。あの情勢が今日までまだ続いておる情勢でございます。それで、本会議で申し上げました通りに、中近東方面すなわちスエズ運河の問題から発した中近東の情勢と、それからハンガリーの国内情勢からくる東欧の情勢、こういうふうに大体二方面から観察したのでございます。今日のその後の状況をざっと申し上げます。中近東の問題につきましては、国際連合の取り上げるところとなって、国際連合において主として処理されておるということは御存じ……


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第22回国会(1955/03/18〜1955/07/30)

第22回国会 外務委員会農林水産委員会商工委員会連合審査会 第1号(1955/06/18、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 この話は前内閣時代に起つたのでございますが、日本側の要請によって始められたのでございます。
【次の発言】 御趣旨がよく私にはのみ込めませんでしたが、この農産物の協定をやることが日本の事情から利益である、こう考えましてやつたわけでございますから、破棄の問題は起らないと考えております。
【次の発言】 この協定に関する限り、中途で取りとめるということはできないと思います。
【次の発言】 すべて関係官庁と協議をいたしましてやつておるわけでございます。
【次の発言】 この協定を結びました趣旨は、これを議院に提出したときに御説明申し上げた通りでございまして、全般の農産物の輸入が必要であると……

第22回国会 外務委員会農林水産委員会連合審査会 第1号(1955/07/12、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 私は今移民協定がなくても大よその見込みは立っておるわけでございますし、また従来も移民協定を作ることを先にやらずして移民はできておったわけでございます。そこでこれは移民協定なくしてもこの会社がさような事業に携わるということを、今きめても差しつかえないと考えます。
【次の発言】 その土地を買うということは今日の場合でなくて将来買おう、こういうわけでございますから、それで差しつかえないと思いますが、前からの議論の御趣旨がよくわかりませんから……。
【次の発言】 私はこれはこの会社ができ、そういう段取りになればすぐ協定をこしらえることに着手しなければならぬと思っています。

第22回国会 予算委員会第三分科会 第1号(1955/06/03、27期、日本民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 そのお考えは私は正しいと思います。そういうぐあいにできることならいたしたい、こう考えます。外交方針の統一というのは、結局政府全体のものでありますから、それは閣議その他の最高の機関における統一が必要であると思います。そのほかに、外務省内部においても、各部局、内外いろいろ複雑な機構があるのでありますから、それに対して十分統制をとり、また深く掘り下げて、研究の上に政策を樹立する機関がほしいのでございます。そのような考え方を持っております。
【次の発言】 外務省の予算措置について、閣内において大蔵省との折衝がいつも非常に困難であるわけでありますが、せいぜいそういうように努めてみたいと思……


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第24回国会(1955/12/20〜1956/06/03)

第24回国会 外務委員会内閣委員会法務委員会連合審査会 第1号(1956/07/12、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 そういう場合にこれを外交保護権というかどうかということは、国際法の問題として確定はしていないと思うのであります。しかしながらいやしくも日本民族であり日本国民である。また日本の持っておる潜在主権の領土に関係することである以上は、外交上十分にこれに対して保護、支援を加えるということは当然のことでございます。その見地に立って、沖繩住民の生活、福祉に関する問題、要請については、十分実現するように努力を続けておる次第でございます。
【次の発言】 むろん外交上において、自分の国の国籍を有している者に対する保護の責任も権利もございます。それは私は当然のことであると思います。それであるから、そ……

第24回国会 外務委員会内閣委員会法務委員会連合審査会 第2号(1956/07/13、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 それでは私もごく簡単にお答えいたします。昨日の会談については何も発表いたしておりません。また発表する筋でもございません。それから沖繩住民の要望として四原則を掲げております。これは承知をいたしております。その四原則は最大限度に実現をすべきである、またしたい、こういう方針をもって米国側と、あるいけ東京において、あるいはワシントンにおいて話し合いを続けております。話し合いは、たとえば私と大使との間だけでなくして、直接の当事者である軍側とも連絡をとって、話し合いを続けております。昨日は、その最近の話し合いでございました。そこで、その内容についてこれを一々公表することはできません。できま……

第24回国会 外務委員会農林水産委員会連合審査会 第1号(1956/04/26、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 この協定の取りきめの交渉の経過から申し上げるのが私のなんでございます。この協定には、御承知のように余剰農産物の受け入れ、使用目的の大綱については合意をいたしております。これは向うとの協定で大綱だけについては合意をいたしております。これはやむを得ない当然のことでございます。しかしその大綱の範囲内においては、これを使用することについて完全に使用の自由を持っておることになっております。そこでひもつきということはないのでございますから、これは同じような説明を過失においていたしましたが、それを繰り返さざるを得ません。そういうことに相なっております。


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第25回国会(1956/11/12〜1956/12/13)

第25回国会 外務委員会農林水産委員会連合審査会 第1号(1956/11/30、27期、自由民主党)【政府役職】

○重光国務大臣 豪州側が小麦の買付を非常に希望しておるということは事実のようであります。
【次の発言】 農産物の買い入れの問題及び小麦協定によって入手する資金の問題等はむろんのことでありますが、それ以上に貿易全体のことについてよく調和をとって考えなければならぬと考えております。そこでその調和をどうとるかということにつきましては、今政府としては考究中でございます。これはただ一つの方面だけから処理していくわけにはいくまい、こう考えております。
【次の発言】 いや、私はそう申し上げたつもりはございません。今の小麦の問題は、豪州から日本が買い付けるということを豪州は希望しておるか、しかしてそれが最恵国……



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データ更新日:2023/02/05

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