このページでは柄谷道一参議院議員の12期(1980/06/22〜)における国会発言(質問、答弁等)をまとめています。国会活動の統計や役職、質問主意書の数や内容は12期国会活動統計で確認できます。
○柄谷道一君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま趣旨説明のありました健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、総理並びに厚生、大蔵両大臣の見解をただすものであります。第一は医の倫理の確立についてであります。埼至県所沢市の富士見産婦人科病院の常識を超えた犯罪行為、医療法人十全会グループの株買い占めと脱税事件、豊洲厚生病院のから診療請求、さらに昭和五十四年度だけで史上最高の十億三千八百万円もの医療費の架空請求や水増し請求など、最近相次ぐ医療の荒廃に対して、心ある国民はこれを憂い、強い憤りの気持ちを持っております。そして国民の中に、これら一連の事件は氷山の一角であり、多くの医療機関でも不正が……
○柄谷道一君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました参議院全国区に拘束名簿式比例代表制を導入しようとする公選法の一部を改正する法律案について、発議者並びにこれを総理就任の際公約として掲げられた鈴木総理及び関係閣僚に対しただすものであります。 言うまでもなく、参議院は、国権の最高機関であり、唯一の立法機関である国会の一翼を担い、立法に関して積極的にその責務を果たすとともに、二院制を採用した憲法の趣旨にのっとり、いわゆる良識の府として衆議院に抑制と補完の機能を果たさなければならない使命を負っております。 参議院が先般公募した「参議院に何を望むか」という論文では、応募者のうち……
○柄谷道一君 私は、民社党・国民連合を代表して、総理の帰国報告を中心に質問を行うものであります。 私は、去る三月二十九日の本院予算委員会でサミットの問題に触れ、世界経済の停滞、不況の長期化、雇用情勢の悪化等の悪環境を背景に高まりつつある保護貿易主義の台頭や米国の高金利政策に対し、日本がとるべき基本姿勢は、米国やEC諸国の対日要求に振り回されることなく、サミット参加国が世界経済を再生、活性化するためにそれぞれの役割り分担を相互に確認し、それを各国が着実に実行するという新協調行動を確立することにあると指摘いたしました。 すなわち、日本がとるべき分担は経済規模、特に内需の拡大、産業協力の拡充、市……
○柄谷道一君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました大蔵関係三法案について、総理並びに関係各大臣の御所見をただします。 まず、五十八年度の財源確保法案についてお伺いいたします。 最近のわが国経済の長期に及ぶ景気低迷は、世界不況の余波という側面があるとはいえ、政府の政策運営の拙劣さが必然的にもたらした政策不況と言うべきであります。すなわち、政府は、わが党が再三にわたって提唱した「積極的経済政策の展開」という主張を無視し続け、「五十九年度赤字国債脱却」という方針に固執して長期的展望を欠き、財政が持つべき景気調整機能を全く無視した財政運営をとり続けてきたことがそれであります。……
○柄谷道一君 鈴木内閣の最優先の課題は財政再建であると、こういうことで、大蔵大臣はテレビや全国行脚などPRに努めていらっしゃいます。本日の質問に対して大蔵大臣は、行政経費の総洗いとその削減、これには努力するけれども、自然増収との兼ね合いで財政は容易ではない。したがって、増税または国民の負担増か、公共サービスの低下かという二者択一を国民に迫る、こういう印象の御発言を承ったわけでございます。私はそのような二者択一の選択を国民に求める前に、ただいまの質問にもございましたけれども、行財政の改革、さらには三K問題の根本的な洗い直しというものが必要な時期ではないかと、こう思うわけでございます。したがいまし……
○柄谷道一君 昨日、私は、三K問題のうち米の問題、すなわち、わが国農業の抜本的構造改善とこれに関連する食管制度のあり方について質問をいたしましたが、本日は、次のK、すなわち、国鉄の財政再建問題に集中して質問したいと思います。 まず、運輸大臣にお伺いしたいわけでございますが、先般、大臣は、五十四年度決算、さらに監査報告を見て、国鉄経営努力を認め、その成果は結実しているから、この方法を堅持すれば再建の目標は達成できると記者会見で述べられたと、新聞紙上報道されております。再建特別措置法案が成立すれば、六十年度には再建の目標が達成できると、そういうお考えの根拠をまずお伺いいたしたいと思います。
○柄谷道一君 少額預金等利用者カード制度、すなわちグリーンカード制度がその創設を決定いたしました所得税法及び租税特別措置法の改正案が国会で成立、可決いたしましてから、半年を経過いたしております。本来法改正が実現した以上、残るのは実施細目の技術的な詰めだけであるというのがこれ常識でございますけれども、しかし現実はそう単純ではなくて、各方面から幾つかの問題点が指摘されておることもまた現実であろうと思います。私はグリーンカード制度が利子配当所得などにつきまして、総合課税へ移行するための措置として設けられたものであり、郵便貯金及び少額預金の利子所得等の非課税制度の公正な運営と、利子所得、配当所得などの……
○柄谷道一君 本日は、心身障害児の就学前教育と特殊教育の拡充について御質問をいたしたいと思います。
大臣御承知のように、明年は国際障害者年を迎えるわけでございます。文部大臣として、特に障害を持つ幼児の教育について、どのような基本的なお考えを持ち、これに対処しようとしておられるのか、まずその見解を明らかにしていただきたいと思います。
【次の発言】 文部省では昨五十四年の十月に、学者、教育行政職員、幼稚園長など十五名で構成する心身障害幼児指導方法等調査研究協力者会議をスタートさせまして、どのような心身障害幼児が幼稚園教育の対象となり得るか、幼稚園における心身障害幼児の指導方法はどうあるべきか、こ……
○柄谷道一君 私は先日本委員会で農業政策の抜本改革の問題について、提言を含めて御質問を申し上げましたけれども、本日も引き続き、この問題について御質問を行いたいと思います。
米を購入するのに、米穀通帳が使われていたというのは食糧難時代でありまして、現在では全くこの制度は休眠状態にあると私は事実認識をいたしております。
ところで大臣、お宅では米を購入される場合、米穀通帳をお使いでございますか。
【次の発言】 もし大臣がそのようにやっておられるとすると、これはまことに模範的かつ例外的存在ではないかと、こう思うんです。
五十二年の十一月二日の本院決算委員会で、大河原太一郎食糧庁長官はこのように答……
○柄谷道一君 本日の決算委員会は、電電公社集中審議の感を呈しておりますが、私は、最近、郵政関係で犯罪行為や不正経理問題が続々と明るみに出てきておることについて、全く遺憾にたえません。これは郵政事業そのものの綱紀のたるみを示すものではないかと考えられるわけでございます。 その第一は、去る十月三日の新聞報道によりますと、京都府綾部市の特定郵便局長が、園部郵便局幹部であった三年前、近所の八十一歳になる老女のとらの子の四百万円を定期預金にしてやると言ってだまし取り、自分のマイホーム資金として使っていたということが報道されていることでございます。これは人道的に見ても許されることのできない言語道断の悪質……
○柄谷道一君 本日は国際繊維取り決め、すなわちMFAに基づく二国間協定の締結など、繊維産業対策を中心として御質問いたしたいと思います。 私は、日本の繊維産業が明治以来日本の近代化発展に寄与してきた功績や、戦後荒廃した日本の復興に尽くしてきたその貢献というものにつきましては、いまさら述べる気持ちはございません。しかし、その繊維産業が現在深刻な不況に苦しんでいることは大臣もよく御承知のところであろうと思います。繊維産業は国際的に見ましても、国内的に見ましても、きわめて成熟した産業でございます。しかも、生産から流通に至るまで多くの部門に分化されており、さらに、それが素材別に組み合わされた複雑な絡み……
○柄谷道一君 私は、本日来年度の予算編成と関連いたしまして、その取り扱いが問題になっております児童手当につきまして、考え方をただしたいと思います。 昨年十二月二十八日大蔵、厚生両大臣、官房長官及び自民党の幹事長、総務会長、政調会長のいわゆる六者覚書があるということを私は知りまして驚きました。このような覚書を結ぶこと自体きわめて異例のことでございますし、私は見方によってはこれは議会の軽視につながるのではなかろうかと思います。財政再建という見地からするならば、現在わが国の政治が直面いたしております課題としては、行財政の改革がございます。行政経費の節減問題がございます。また公共事業のあり方、さらに……
○柄谷道一君 地価問題はここ十数年来常に最大の政治課題とされました。そして歴代政府は租税政策その他いろいろの施策を講じてまいりました。しかし、相次ぐ地価の高騰という現実をながめますと、それらの実施されてきた各般の政策で、十分の実効性を発揮したものはなかったと、こう極言しても差し支えないのではなかろうかと思います。朝日新聞が、政府がとってきた施策を総点検して、総括を行っておる記事を見ましたけれども、実績ゼロのもの宅地開発税、新都市基盤整備法、土地取引の許可制。ほんの少ししか実績のなかったもの、市街化区域の整備、市街化区域内農地の宅地並み課税、促進区域。一応まずまずの成果を上げたと思われるもの、特……
○柄谷道一君 わが国における平均寿命の伸長は著しいものがございます。労働人口の高齢化は、欧米諸国の三倍から四倍のスピードで進行しております。加えて、緩やかな改善が見られる最近の一般雇用失業情勢の中にありましても、高年齢者の雇用失業情勢は、その有効求人倍率が〇・一程度に低下したまま低迷いたしております。その情勢はきわめて厳しいと言わざるを得ません。しかも、高齢者で就業を望む多数の方々の求職目的は、働かないと生活に困るためとする者が大部分を占めております。情勢は深刻と言わなければなりません。こうした高齢化社会の展望と、現実の社会的要請に対応した適確な労働行政の推進が急務であり、とりわけ高齢者に就業……
○柄谷道一君 埼玉県所沢市の富士見産婦人科病院のでたらめ診療、医療行為は医療以前の犯罪行為であり人道上の問題であると思います。しかし、この問題につきましてはすでに多くの委員が取り上げてきたところでございますので、私はあえてその重複は本日は避けたいと思います。そしてその徹底的追及と再発防止のために、本委員会で大臣の示されました積極的な姿勢を評価いたしますとともに、実効ある施策が一日も早く確立されることを強く希望いたしておきたいとこう思います。 過日、厚生省は調査をいたしまして、昨年度だけで史上最高の十億三千八百万円もの医療費の架空請求や水増し請求があり返還を求めたと、このように驚くべき事実が公……
○柄谷道一君 本日は、自動車運転者の労働規律などについて御質問をいたしたいと思います。 ILO総会におきまして、一九三九年に採択されたILO六十七号条約、すなわち路面運送における労働時間及び休息時間の規律に関する条約、これと、一九五四年第五回ILO運輸労働委員会で採択された第五十一号覚書、路面運送における雇用条件に関する覚書、これが下敷きになりまして、昭和四十二年に自動車運転者の労働時間等の改善基準、いわゆる二・九通達が策定されたことは御承知のとおりでございます。自来、この基準が発せられまして以来十二年間経過をいたしたわけでございますけれども、十分の実効を上げるに至りませんでした。労働大臣、……
○柄谷道一君 厚生年金保険法の一部改正案が、さきの国会での自・社・公・民・四党の合意に基づきまして、支給開始年齢に関する訓示規定が削除されたこと、四十歳未満の子のない妻の遺族年金を支給対象から外す一項が削除されたこと、さらに、保険料を政府案から千分の三引き下げることの三点について合意が、修正が成立し、また、五十五年度予算編成時における合意に基づいて所要の改善、修正が行われましたことは、公党間の約束が守られ、議会制民主主義のルールが尊重されたものとして、評価いたしたいと思います。 しかし、大蔵省にお伺いいたしますが、新聞報道によりますと、大蔵省首脳は、財政再計算期の五年以内にこだわらず、来年末……
○柄谷道一君 労災保険法等の一部を改正する法律案につきましては、朝以来、各委員から相当の質問が出ておりますので、私は極力重複する部分は省略をしたいと思います。 まず、最近の労働災害の傾向を労働省の労働基準局編の「安全の指標」によって読み取りますと、第一に昭和五十年以来、休業四日以上の労災死傷者数が逐年増加いたしております。第二に、業種別労災発生件数では、昭和五十三年以降建設業が常に第一位を占めております。また、重大災害も建設業に集中しておる。しかも、その場合、下請、中小企業における労働災害の割合が高いと、このように統計上読み取れるわけでございます。私はこのような傾向に対して、今日まで労災多発……
○柄谷道一君 私は、障害者問題の基本は障害の種別や軽重を問わず、できる限り自立した社会生活が行える条件を整備して、社会に参加できるようにすることであると、こう私は信じております。これに関する大臣の御所見をまずお伺いいたしたいと思います。
【次の発言】 政務次官いかがでございますか。
【次の発言】 基本的な認識をお伺いをいたしました。
身障者問題は間口も非常に広く奥行きも深いものがございます。本日は時間の関係もございますので、視覚障害者対策にしぼって質問をいたしたいと思います。
私は盲導犬の問題について五十二年四月二十六日と五十三年十月十七日の二回にわたり当社労委員会で質問を行いました。それ……
○柄谷道一君 私は十一月十二日の本院本会議におきまして健康保険法等の一部を改正する法律案に対して質問をいたしましたが、その第一に、医の倫理の確立について指摘をいたしました。 ここで私が改めて例を引くまでもなく、最近における医療の荒廃は目に余るものがございます。医師と患者の相互信頼を前提とした医療の主体性確立を図ることは当面の急務であろうと信じます。これに対する鈴木総理の決意は本会議でお伺いいたしましたが、決意や理念だけで医の倫理が確立されるものとは考えません。問題は、これを実現するための実効性のある具体的施策であり、その方策こそが重要であろうと思います。 そこで私、過去の経過をいろいろ私な……
○柄谷道一君 私は民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております健康保険法等の一部を改正する法律案に対し、反対の討論を行うものであります。 わが国の医療保険が昭和三十六年に皆保険体制が達成されて以来、その後約二十年の経過の中で医療制度全般にわたる矛盾、不備が拡大し、医療保険の行き詰まりが顕著になってきていることは、いまさら多くの指摘を要しないところであります。 これは、政府が今日まで医療保険の財政対策にのみ目を奪われて、公的審議会のたび重なる答申や提言及び当委員会の附帯決議を軽視し、その前提条件をなす関連諸分野、諸制度の整備を怠ってきたことに由来するものであります。すなわち疾病の……
○柄谷道一君 日米首脳会談を前にいたしまして、若干それに至る経緯についてまず確認を求めたいと思います。 三月二十日、ホワイトハウスで福田元総理とレーガン大統領の会談が持たれました。そして四月六日、福田元総理より鈴木総理に訪米結果の報告があったとされております。新聞報道によりますと、その際、福田元総理は、アメリカは苦しい財政の中で国防を強化しているのに、日本はそれをせずに経済的な利益をひとり占めにしているという安保ただ乗り論の非難が出ており、防衛予算の伸び率を持ち出すといった従来の釈明的な手法は通用しない、アメリカ大統領は対ソ脅威など国際情勢に対する西側同盟国の基本認識を一致させる必要があるこ……
○柄谷道一君 鈴木総理は就任以来、再三にわたりまして国会答弁などで、財政再建は厳しい歳出の抑制、すなわち民間会社並みの減量経営を断行し、それでも足らない分は国民の負担増をお願いしたい、こう言明されてまいりました。しかし、五十六年度の予算編成を見ますと、この総理の言葉とはほど遠く、歳出抑制の方より国民の負担増を求め、しかも一兆三千九百億円という巨額に上る増税が見込まれております。私は、その意味から歳出抑制、特に行政費の節減にどれだけ努力されたのか、行政改革の成果はどうであったのかという問題につきまして、以下長官に数点お尋ねをいたしたいと思うのでございます。 まず第一に、長官は、昨年就任されまし……
○柄谷道一君 行財政の改革は、私は単なる財政のバランスづくりの作業であってはならないと思います。政治的、社会的弱者や、地方自治体に対する振替であってもならないと思います。また、行財政の改革は、それ自体に目的があるのではなく、わが国の目指す国づくりの基本目標、ビジョンを実現するための手段であるという基本認識が必要であると思うものであります。いわば、政治哲学の再構築にも通ずる重要な課題である、このように認識をいたします。 ところで、第二臨調の第一専門部会の中間報告の中には、変化への対応、簡素効率化、信頼性の確保を前提として、その基本方向は国内的には活力ある福祉社会を実現し、対外的には国際社会に対……
○柄谷道一君 私は、昨年の十月二十三日の社労委員会で、自動車運転車の適正労働条件の確立に関して御質問をいたしました。その質問を踏まえて、去る十二月五日、労働省の倉橋審議官、石川中央労働基準監督官と一緒に深夜の路線トラックに体験乗車をいたしました。東名、名神高速道路を走破し、長距離運送におけるトラック便の夜間労働の実態について調査をいたしました。 その結果、私が感じましたことは、間断なく深夜の高速道路を走り続けるトラックの列に、トラックが日本の経済の動脈として、日本経済の中に果たしておる役割りと重要性というものを再認識いたしますと同時に、昨年五月に、これは大臣もお読みになったと思うんですが、全……
○柄谷道一君 六月二十二日に第二臨調特別部会の報告が出されました。といたしますと、自治省、地方自治団体は一斉に「行政改革本来の課題である中央・地方を通じた事務、事業の見直しがほとんど盛り込まれていない」、事務と事業の整理合理化、仕事減らしを伴わない補助金の削減は地方や住民に負担を転嫁するにすぎない。一斉に批判の声が沸き起こり、同日の記者会見で近藤事務次官は、中央、地方を通じての行政の減量化という視点が欠落していることに不満を持つという意思の表明をされております。このような経緯を経た上で、第二臨調の第一次答申が出されたわけでございます。同僚議員のただいままでの質問を聞いておりますと、自治省として……
○柄谷道一君 本日は、覚せい剤、暴力団及び青少年非行対策等について御質問いたしたいと思います。 五十五年版の警察白書によりますと、「白い粉との戦い」と、こう称して、覚せい剤等薬物中毒問題をメインテーマとして取り上げておられます。それによりますと、覚せい剤の乱用は昭和四十五年ごろから急速に全国に広がり、覚せい刑事犯の検挙件数は、五十四年には三万一千六百二十七件、一万八千二百九十七名が検挙され、十年前と比較いたしますと、件数で三十五倍、人員で二十六倍に達していると指摘されております。 また、押収量も、五十四年には過去最高の百十九・三キロ。これは末端価格で約三百億円に達しております。しかし、これ……
○柄谷道一君 労働省関係の行財政改革につきましては、同僚議員から多くの質問のあったところであります。また、大臣は閣僚の一員として、臨調の答申を尊重してその実施に努力する、しかし、その細部につきましては、行政の責任者として適切に対応していきたい、このような趣旨が述べられたわけでございます。 そこで、労働省の五十六年度予算を見ますと、総額四千九百九十一億円のうち、補助金は千百五十四億六千万円を占めておりますが、その八四・八%に相当する九百七十九億四千万円は、いわゆる法律補助でございます。したがって、予算補助は一五・二%の百七十五億二千万円にしかすぎません。そのほかに補助金以外で法律により国が負担……
○柄谷道一君 法務大臣にまずお伺いいたしますが、法治国家として社会秩序を維持し、人権を最終的に守るための担保としての裁判所の任務は大きいと思います。そのためには国民に対し、迅速な裁判を受ける権利を保障するために、訴訟の遅延打開を図らなければならない、こう思います、 特に、訴訟遅延の主要な原因として、裁判官の絶対数が不足していることが、昭和三十九年の臨時司法制度調査会の意見書でも指摘されているところでございます。その後、次善策として、簡易公判手続や、略式手続等の補助機構制度の充実が行われてきたことは承知をしておるところでございますが、なおかつ正式裁判の遅延が解消されておりません。このことは国権……
○柄谷道一君 最初に自動車運送事業の問題について御質問したいと思います。 私は、本年の一月二十日に本決算委員会でいろいろの角度から貨物自動車輸送秩序の確立及び道路運送法の抜本的見直しの問題について質疑をいたしました。それを受けて運輸省では、新聞報道されておりますところによりますと、来年度トラック輸送事業の白トラ、名義貸し、過積載などの違法行為を是正し、輸送秩序の改善を行うため、現在トラック協会が各都道府県に自主的に配置しております輸送秩序改善専任指導員に準公務員的な位置づけを与え、民間の活力を利用しつつ、新しい制度を創設をする、そういう方針を決定して、現在人選、活動内容等の基準づくりを急いで……
○柄谷道一君 さきの日米会談の内容につきましては、予算委員会の集中審議でも相当明らかになっておりますので、私は、本日は政府開発援助――ODAの拡充についてお伺いをいたしたいと思います。 言うまでもなく、わが国の平和と安全保障を確保するためには、国内的にはもちろん、国際的にも多様な施策が総合化されなければならないと思います。防衛力の整備につきましては、今後さらに国民のコンセンサスを求めつつ、基本的には憲法の枠内で、しかも財政事情を考慮しつつ対応していかなければなりませんし、エネルギー、食糧面での施策の拡充も必要でございます。同時に国際経済面における種々の対策が必要であることは当然だと思います。……
○柄谷道一君 鶴岡委員も指摘されたところでございますが、行財政の改革と福祉政策の問題について、別途の観点から御質問をいたしたいと思います。 厚生省の五十六年度予算を見ますと、予算総額八兆七千六百四十二億円のうち、五八%は補助金でございます。しかも、その補助金の九五・八%に相当する四兆八千三百八十三億円は、いわゆる法律補助が占めております。予算補助は四・二%にしかすぎません。そのほかに、補助金以外で政管健保、日雇い健保等、法律により国が負担または支給することが定められているものが三兆五千二百六十八億円に上っております。 もちろん、私は、行財政の改革は断行しなければならない。そのためには、今日……
○柄谷道一君 最初に環境庁にお伺いいたしますが、水俣病の患者認定申請数は五十五年十二月三十一日現在で、熊本県関係八千四百五十四名、鹿児島県関係千六百六十三名、合計一万百十七名でございました。このうち認定された患者は、熊本県関係千四百二十二名、鹿児島県関係二百九十六名、合計千七百十八名、棄却が熊本県関係千九百七十八名、鹿児島県関係六百九十七名、合計二千六百七十五名と承知いたしておりますが、この数字はそのとおりでございますか。
【次の発言】 それでは認定されました千七百十八名に対する補償金の支払い実績でございますが、一時金三百五十二億九千四百万円、年金・医療費等の継続分百九億二千百万円、基金拠出額……
○柄谷道一君 日ソ親善協会は四月二日、常任理事会の決議によりまして、赤城宗徳会長、横山利秋理事長名で、日ソ親善協会の会員証交付問題について外務大臣に抗議いたしておりますが、その中で、「政府は一方で北方領土の日を設定しましたが、これによって反ソ的な雰囲気が生じ、ソ連邦を刺激し、領土問題解決への道を遠のかせていることの方が問題ではありませんか。」と批判いたしております。また、一昨年日本で開催されました日ソ円卓会議で、その赤城宗徳日本代表の基調演説を見てみますと、日本の領土問題の立場を強く主張することは盛り込まれておらず、「懸案の諸問題が日ソ間に横たわっている」という程度の発言にとどまったと承知いた……
○柄谷道一君 質問に入ります前に、私は民社党・国民連合を代表しまして、本日議題となっております予備費関係等七件について、若干の要望を申しておきたいと思います。 その使用状況について精査いたしましたが、いずれも必要と思われる経費であり、使用目的を特に逸脱していると認められませんので、賛成の意を表するものでありますが、ただ五十五年度農林水産省所管で、水田利用再編成対策費五百九十八億円を含む七百七十九億円等の多額の予備費支出があることでございます。これらは私は当初予算または補正予算の中で、前もって計上できたのではないかと、こう思われます。しかも、加えてこれらの予備費支出は不用額を出しているわけでご……
○柄谷道一君 わが国は、大臣御承知のように、他国に例を見ないスピードで世界一の高齢化社会を迎えることになります。高齢化社会への突入は、私は社会全体に大きな変革をもたらすものであろうと思います。そしてその対応は、雇用、社会保障、福祉といった問題にとどまらずに、企業、家庭、地域社会のあり方にも波及する重要な問題でございます。私たち民社党では、いま、活力ある高齢化社会づくりを目指しまして、総合的かつ計画的政策の樹立のための検討を精力的に進めております。雇用政策につきましても、今後私たちの提言を踏まえて、積極的に諸般の施策に取り組まれるように、まず最初に労働大臣に強く求めておきたいと思います。 五十……
○柄谷道一君 本日は、第二薬局問題と薬価基準について厚生省にお伺いいたしたいと思います。 厚生省の調査によりますと、病院、診療所によって院外に開設された第二薬局、または門前薬局とも言われておりますが、その数は全国で千七カ所に及ぶと聞いております。私はこの二、三年第二薬局が急速に増加した原因は、第一に最高裁で薬局の適正配置規制が違憲とされ、薬局の距離制限が否定されたため薬局の開設が自由になったこと。第二に、医師優遇税制の見直しによって医師側に税金対策の工夫をする必要が生じたこと。第三に、病院内薬局による調剤より開設薬局調剤の方がはるかに高い診療報酬が得られるという診療報酬体系に矛盾があること。……
○柄谷道一君 複雑多岐にわたっております雇用関係の各種給付金を整理統合して、給付金が有効に活用されるように抜本的に見直すべきである、私はこの問題を再三本委員会で主張してまいりました。そうした意見も入れられましてこの法律案が提案されたことを、まず評価いたしたいと思います。しかし、その内容につきまして、なお若干解明を要する問題がございますので、以下、逐次御質問をいたしたいと思います。 まず第一は、定年延長奨励金の廃止についてでございます。政府は、昭和六十年を目途に六十歳定年制の普及をさらに推進する、そして六十歳定年制が定着すると、それを前提として定年延長奨励金は昭和六十年十二月末までのものといた……
○柄谷道一君 戦傷病者戦没者遺族等援護法等の一部を改正する法律案につきましては、私は、昭和五十年以来毎年本委員会で年金額の増額、支給範囲の拡大等について質問を続けてまいりました。あわせまして戦後処理対策として、中国未帰還者と中国遺児対策、中国引揚者の雇用と就学対策、警防団等防空従事者対策、旧満洲青年移民・旧満洲開拓義勇隊員対策、元日赤従軍看護婦対策、元陸海軍従軍看護婦対策、遺骨収集と墓参対策、北朝鮮日本人妻問題、元日本国籍のある台湾島民の財産請求権対策、元日本国籍のあるサハリン在住朝鮮人の帰国対策などの問題につきまして、提言を含めて質問をし続けてまいりました。その結果、逐年援護法の内容が改善さ……
○柄谷道一君 労働行政の当面しております重要な諸課題につきましては、去る四月九日の本委員会の質疑の中でも私が指摘したところでございますが、本日は今後の労働基準行政等のあり方を中心として質問したいと思います。 現行の労働基準法は戦前の工場法の伝統を受け継いで立法化されたという経緯があり、端的に言いますと、本工を主たる政策対象とした工場労働者法と、そういう傾向が強いと認識をするものでございます。法律の組み立て、法の解釈、適用もこれを中心に据えて運用されてきたという、そういう受けとめ方をするのは私はかりではないと思うのでございます。 しかし、一九八〇年代の労働市場の構造の変化、特に私は四月九日の……
○柄谷道一君 心身障害者対策につきましては、ことしが国連で定めた国際障害者年であることにかんがみまして、予算委員会における集中審議、また本委員会でもしばしば取り上げられてまいりました。 私は、わが国の心身障害者対策の現状をながめてみますと、現行身障者福祉法の抜本的見直しの問題。最も施策のおくれておる精神障害者の生活福祉充実のための整備の問題。身障者雇用率の計画的達成の問題。在宅対策の充実と福祉手当など経済的保障措置の問題。OT、PT、ST等のリハビリテーション従事専門家や手話従事者の計画的充実の問題。所得保障、生活保護、年金の充実問題。移動のための障害者対策。税制面その他公的な負担低減化のた……
○柄谷道一君 中小企業退職金共済制度が誕生いたしましたのは昭和三十四年でございます。自来すでに二十年余を経過いたしておるわけでございますが、この間昭和五十年の第七十五国会、五十五年の第九十一国会でそれぞれ、普及率を高め、加入促進対策を強化するように附帯決議を行っているところでございます。にもかかわらず、五十五年十二月現在の普及状況は、一般の場合二十二万六千事業所、百八十万人、一〇%弱の比率でございます。建設業は九万九千事業所、百四十万人、これは四〇%。清酒製造業の場合三千二百事業所、四万二千人、これはおおむね一〇〇%。このように一般関係の普及率は依然としてきわめて低いわけでございます。一体その……
○柄谷道一君 五十五年度、ベースの老齢福祉年金の年金額は二十七万円でございますが、十年年金の場合、全期間納付のときは三十一万八千六百円となっております。しかし、繰り上げ支給の場合を見てみますと、これを請求年齢別に分けますと、六十歳以上六十一歳未満は五八%で十八万四千八百円、六十一歳以上六十二歳未満は六五%で二十万七千百円、六十二歳以上六十三歳未満は七二%で二十二万九千四百円、六十三歳以上六十四歳未満は八〇%で二十五万四千九百円、六十四歳以上六十五歳未満は八九%で二十八万三千六百円となっております。 六十四歳未満は、いずれも無拠出年金である老齢福祉年金の年金額を下回っているわけでございます。も……
○柄谷道一君 本日は、勤労者財産形成制度の拡充について御質問いたしたいと思います。 財形制度は、昭和四十六年の第六十五国会で立法化されて今日に至っております。その間五十三年に大幅改正がございましたが、ことしでちょうど満十年を迎えることになります。しかし、私は率直に財形制度の現状を考えますと、インフレによる実質的な貯蓄の長期的目減り、土地価格の急騰による持ち家取得の困難さ、この中でいま新たな見直しの時期を迎えているのではないだろうかと思います。加えて高齢化社会への対応という視点からもまた見詰めなければならない、こう思うのでございます。現状極言すれば、財形制度というよりも貯蓄減耗制度になっている……
○柄谷道一君 五月七日、八日の鈴木・レーガン会談によりまして発表された日米共同声明は、その第一項から第八、項を通読する限り、論理的にはソ連の脅威を出発点として、両国が対ソ軍事力の整備に努力することを共通の認識にしておる、このように私は受けとめるのでございますが、外務省の認識をお伺いします。
【次の発言】 ところが、そのような共同声明に対しまして、国内で日米軍事同盤化の批判が出てまいりました。そこで総理の姿勢は、このときからぐらつき始め、総理周辺、各大臣の発言には取り消し、言い直し、修正が続いたわけでございます。時間の関係でその経緯は省略をいたします。
私は、こうした政府のぐらつきは、対ソ政策……
○柄谷道一君 去る八月十四日に発表されました防衛白書について、わが党は、わが国の平和と安全保障の確保にとって重要な柱である平和戦略の進め方についてその方向性が具体的に示されていない。この点は適正を欠くのではないか。また、文章の表現技術につきましても若干の問題点が散見されると、こう考えますが、最近のソ連の著しい軍事力の増強がわが国の平和と安全にとって潜在的な脅威であるとの前提に立って、国民合意に基づく自主的な防衛努力と西側陣営との連帯によってわが国の安全を図っていくという一連の分析と、われわれが守るべきものは国民であり国土であると同時に、国民の多様な価値観を実現するため最大限の自由を与え得る国家……
○柄谷道一君 鈴木総理は、増税なき財政再建を実現するために政治生命をかけると、こう言われております。私は、その決意は評価をいたしますし、行財政の改革は何としても断行しなければならぬ国家的な重大課題であると思います。総論段階は、当然のこととして異論を唱える声は表向きに出ておりませんが、予算概算要求枠の設定、歳出削減、補助金カット、政府予算案決定へと進むこれからの第二段階、各論の段階では、与党内、閣内に相当の不協和音が出るのではないかと予想をされます。 内閣改造は行革臨時国会の後の十一月と言われておりますから、農林水産大臣が伊東外務大臣のように抗議の辞任をされない限り、この行革の直接の責任者とい……
○柄谷道一君 わが国は先進国にも例を見ないスピードで高齢化社会に突入してまいりました。それは社会全体に大きな変革をもたらすものであろう、そしてその対応は雇用、社会保障、福祉という問題にとどまらずに、官公庁の組織、企業、地域社会、家庭のあり方にまで波及する私は重要な政策課題であると、こう認識いたしております。こうした現実に立ちますならば、公務員や公共企業体の職員に対しまして、定年制の導入、給与体系と昇任管理、退職手当と退職管理運用、共済年金、退職後の再就職など公務員制度の総合的見直しが必要であろう、民間の実態を踏まえた抜本的な検討がなされなければならない、こう思います。ひとり三十年を経過した現行……
○柄谷道一君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となりました国家公務員法及び自衛隊法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行います。 わが国は先進諸国にも例を見ない速度で高齢化社会を迎えますが、それは雇用、労働条件、社会保障、福祉の問題のみにとどまらず、組織の機構、運営や人事、退職管理制度、さらに地域社会や家庭のあり方など社会全体について変革をもたらすものであり、抜本的な対応が求められていることを意味するものと認識いたします。 こうした視点に立てば、戦後三十年以上を経過した公務員諸制度については、退職管理制度はもちろん、給与制度と昇進、昇任の管理、退職手当、共済年金、行政能……
○柄谷道一君 本題に入る前に、外務大臣にお伺いをいたします。
いま、昨日外務大臣とポリャンスキー大使との会談の内容が詳細御説明のあったところでございますが、外務大臣は、その会談の結果をどう評価していらっしゃいますか。
【次の発言】 北方領土問題は平行線の論議に終わりました。三月十三日、本院における答弁の中で総理は、領土問題について日ソ首脳が同一のテーブルについて忌憚のない話をしてみたい、こういう意欲を示されたわけでございます。いま外務大臣は一件落着と、こう言われたわけでございますが、それではその機会をどうおつくりになる予定でございますか。
○柄谷道一君 本日は物価安定対策に問題をしぼりまして御質問をいたしたいと思います。 私は、総括質問で経済運営、特に景気回復の問題を中心に御質問をいたしましたが、それとともに現下重要な政策課題は物価問題であろうと思います。総理府統計局の資料によりますと、消費者物価指数の五十五年金国平均は、五十年を一〇〇とした総合指数で二二七・二、前年平均と比べ八・〇%の上昇を示しております。本年一月も一・二、対前年同月比は七・四%となっております。私は今後二月の全国消費者物価指数が二月の東京都区内並みの水準に上昇し、三月横ばいになるとこう仮定いたしましても、五十五年度平均の上昇率は七・八%、おおむね八%に迫る……
○柄谷道一君 最初に郵政の問題について御質問したいと思います。 郵政省では五十六年十月一日から総合通帳制度、為替のオンライン化、これを新規業務として開始をいたしました。また、これは五十六年五月三十一日現在でございますが、為替貯金オンライン化の進捗状況は八千百八十一局、四四%、また、貯金の増加率は五十六年の一月から五月の数値は、対前年比七二%、このように業務が拡大している中で、労働者、特に全郵政の諸君はこの合理化問題、効率化問題に真剣に取り組んでいるわけでございます。私はこうした合理化、効率化による成果というものは、当然働く者に還元されるべきであろうと、こう思うんでございますが、国家公務員は五……
○柄谷道一君 文部大臣にお伺いいたしますが、大臣は就任早々の記者会見で「教育は国家百年の大計であり、教育、学術、文化の振興を図り、外国人にも尊敬される日本人をつくるために努力したい。また、最近の青少年非行、校内暴力には心を痛めており、日本を心温かな社会にするため、人を思いやる教育、心を大切にする教育を心がけたい、教科書問題については、他の諮問事項とは別になるべく早く中央教育審議会の答申をうけて対応したい。」こう述べられたと新聞に報道されております。私は総論としてまことにこれはつぼを心得た所信の表明であると、こう評価するものでございますが、その際記者団の質問に答えまして、「日教組は最近も違法スト……
○柄谷道一君 佐藤、峯山両委員からの質問にもございましたが、私からも視点を変えて、会計検査院制度の拡充について御質問したいと思います。 まず、検査院長にお伺いいたしますが、会計検査院は発足以来ことしで百一年目を迎えております。私は、その歴史を振り返りまして、今日まで検査院が果たしてきたその実績というものを高く評価するものでございますが、しかし、行財政の改革が国民的な課題となっておる今日、不正経理の指摘と、厳正な会計経理の執行をチェックする会計検査院の責務はますます重大である。国民の期待もまた大きいものと認識をいたしております。 まず、冒頭検査院長としての基本的な御認識をお伺いいたしたい。
○柄谷道一君 北炭夕張の問題につきましては、すでに同僚委員二人からの質問がございましたので、私は石炭鉱害対策及び第七次石炭政策について本日は御質問したいと思います。 戦後における石炭鉱害対策は、御承知のように昭和二十二年に農地の鉱害復旧を進めるための償還金制度が設けられて以来、今日まで三十数年にわたって実施されているわけでございますが、その古い経過は別として、最近十年間の経過を見てみますと、昭和四十七年に鉱害二法の延長に際しまして、当時想定された鉱害量千七百億円を以後十年間で完全に処理することを前提として延長が行われました。そして、鉱害復旧長期計画を策定し、改善措置がとられたわけでございます……
○柄谷道一君 本日は、国家公務員等の退職手当の審議に関連する公務員の給与問題にしぼりまして御質問いたしたいと思います。 まず、行管庁長官にお伺いいたしたいと思います。 去る七月十日、臨時行政調査会から「行政改革に関する第一次答申」が出されました。その中に「緊急に取り組むべき改革方策」として「国家公務員の給与等の合理化」が述べられております。問題は、その精神と読み方についてでございます。私は、この臨調の答申は、行政の簡素化、効率化、行政コストの節減を図るための定員削減計画の改定強化、機構及び事務・事業の見直し、民間委譲の推進、行政サービスの向上、民間活力の導入等による行政の減量化、公務能率の……
○柄谷道一君 私は、定年制導入に関する質疑の中で、それが公務員の定年制だけの問題ではなく、公務員の生涯賃金そのものを見直す契機であると指摘したところでございます。その意味で、高級官僚の処遇につきましてもこの際国民が納得する処理が行われなければならない、こう思います。 そこでまず第一に、指定職等の高級職員については、政府は新陳代謝を早めて組織の効率的運営を図る必要がある、そのため、本人によほどの事情がない限り定年年齢以前に勧奨退職することが今後もその通例となるであろう、こう御答弁をされたわけでございます。そこでその場合、勧奨退職制度の加算ということは今後も継続されるのかどうか、お伺いします。
○柄谷道一君 言うまでもなく、行政は国民のためのものであり、国民に支持され、納得されなければならない、それが民主主義の原則であろうと思います。 今回の国家公務員等の退職手当法の一部を改正する法律案につきましては、退職手当が国民の税金により賄われるものであり、その水準について納税者の理解と納得が得られなければならない。従来の方法に従って官民比較を行い、その是正を図るために削減をする、これはやむを得ないことであろう。また、われわれの主張が入れられまして激変緩和の修正が行われた。こういう見地から私たちは賛成するものでありますが、総理にお伺いいたしたいことは、しかし、さきに述べましたような、行政は国……
○柄谷道一君 中曽根長官は去る十二月二十八日の臨時閣議で、五十七年度の各省庁の機構、定員増員要求に対する審査結果を報告したと、こう報道されております。それによりますと、定員は、いわゆる五十七年度からスタートいたします第六次定員削減計画に基づいて、八千四百三十八名を削減することとなった、こう胸を張っておられるわけでございますが、しかし一方、各省庁の増員要求人千六百五十六人を抑え込んだというものの七千余名の増員を認めまして、結果として千四百三十四名の純減にとどまったと、こう報道されているわけでございます。これは五十六年度の純減百一人と比較して大幅減員である、また、過去五年間で最大の実質減であるとし……
○柄谷道一君 総理にお伺いいたします。 七月末以来紛糾を続けておりました教科書問題は、九月九日、中国がようやく原則的了解の意思を表明したことによって、一応外交的には決着がつきました。しかし、私は今回の問題は一過性の問題ではないし、また一過性のものとしてはならないと、こう思います。ただいま答弁の中で、総理は訪中などを通じて、つまずいたアジア外交の立て直しに全力を挙げる旨の決意を述べられました。しかし、私はアジア諸国がなぜこれほどまでに日本への怒りと反発をつのらせたのか、その根因を真剣に考え直さない限り、各国との信頼関係を完全に修復することはむずかしいと思います。 そこで、総理にお伺いしたいこ……
○柄谷道一君 ロッキード丸紅ルート判決、いわゆる田中裁判の第一審が大詰めを迎えようといたしております。私は今日までの検察当局の御健闘に敬意を表するものでございますけれども、ここで思い出されますのが、かつて造船疑獄の際発動されました検察庁法第十四条に基づく法務大臣の指揮権発動の問題でございます。 そこで、法務大臣にお伺いいたしたいわけでございますが、仮にロッキード裁判の第一審判決で無罪、あるいは量刑が余りにも軽かった場合、検察側は当然今日までの公判における姿勢からして、控訴する方針で臨まれるものと思います。その場合、いわゆる法務大臣が指揮権を発動して控訴を取りやめさせる、こういう可能性はあるの……
○柄谷道一君 大蔵大臣にお伺いいたしますが、大蔵省が最近まとめました「日本経済の現状をどう見るか」、この内容を見てみますと、 日本経済は一部にやや足踏み気味の状況もみられるが、基本的にはオイル・ショック後の調整から内需中心の安定成長へと回復軌道をたどりつつあるとみるのが妥当である。 日本は、内需中心の安定した成長によって、経済運営を考えるべきであり、世界経済に占める日本の割合が大きくなった現在、世界が苦しい中で、日本のみが高度成長を図ることは不可能と考えるべきではないか。 日本経済の成長力は、オイル・ショックにより、需要・供給両面から低下しているとの見方が強くなっている。又、経済の……
○柄谷道一君 同僚の黒柳委員から米国の相互主義法案への対応について御質問がございましたが、私の立場からさらにこの問題についてお伺いいたしたいと思います。 与党の二階堂幹事長は、貿易摩擦は二国間で話し合って解決のできる問題ではない、グローバルな立場で考えるべきだと、こう述べておられます。これは六月のパリ・サミットで話し合おうという意思を明らかにしたものだと受けとめられるわけでございますが、しかしアメリカの現在の姿勢はさほどなまやさしいものではない、こう受け取るわけでございます。三月九日、十日の日米貿易小委員会で、アメリカは厳しい具体的な市場開放要求をしてくるであろう、また、予算審議の関連上流動……
○柄谷道一君 鈴木総理が九月十六日記者会見を通じて発表しました、いわゆる財政非常事態宣言につきましては、各新聞社の論説は一斉に展望と具体策を示さぬ財政非常事態宣言に失望、総裁選がらみで政治責任をぼかす、公約の破綻は明らか、公約を努力目標にすりかえ問題を先送りにすることは政治不信を増すのみなどと、厳しい失望と不満と批判の論調を展開いたしております。また、各野党がこれに反発するのは当然としても、与党内にも批判と不満が高まっていることが報ぜられております。また、財界、経済界や、労働四団体の反発もまた強いものがございます。 私は、この宣言をたとえて申し上げますならば、病状はきわめて深刻である、このま……
○柄谷道一君 私は昨年十月二十三日の決算委員会で、会計検査院の機能強化について種々の観点から御質問申し上げましたが、本日はその延長として、さらに追加して質問をいたしたいと思います。
まず、法制局にお伺いいたしたいわけでございますが、言うまでもなく、会計検査院は憲法九十条に明文の根拠を持つ機関として規定されております。そこで、念のためでございますけれども、会計検査院の憲法制度上の地位をどのようにお考えになっているのか、まず明らかにしていただきたい。
【次の発言】 では、会計検査院にお伺いいたしますが、いわゆる会計検査院を第四権とするという、それを主テーマにした論文というのは、探してみたんですが……
○柄谷道一君 最初に最高裁にお伺いをいたしますが、鬼頭事件、安川元小倉簡裁判事の女性交際問題、東京地裁を舞台としたゴルフ場破産事件、大分の判事補事件など、最近裁判官の不祥事が相次ぎ、司法に対する信頼というものが薄れるという事態を招いていることはきわめて遺憾と言わなければなりません。
そこで、裁判所当局としてこれらの問題に対してどう受けとめ、どのような対策を現在講じておられるのか、まずお伺いいたします。
【次の発言】 裁判官の失われた信頼を回復するために、いま総長が述べられました対策を進められておる、その成果が上がることを期待するものでございますが、いま申されました対策の一つとして、任官十年か……
○柄谷道一君 建設業界の談合問題につきましては、すでに二、三の委員から指摘されたところであります。私は本日は重複を避けて、別の機会にこの問題については質問することといたしまして、きょうのところは民間の宅地開発にかかわる行政上の諸問題に問題をしぼって御質問をしたいと思います。 わが党の塚本書記長が、去る二月二日の衆議院予算委員会で、民間の宅地開発にかかわる公共、公益負担の行き過ぎを指摘をいたしました。住宅問題は土地問題であると同時に、行政問題ではないか。このような指摘を行い、是正を求めたところでございますが、まず、大臣の御認識をお伺いいたします。
○柄谷道一君 農政審議会が八月二十三日に「健康的で豊かな食生活の保障と生産性の高い農業の実現をめざして」、このような副題をつけて八〇年代の農政の基本方向の推進について報告されております。 その報告の中では、農地が流動化し、中核農家の育成が進んでいると分析をされているわけでございますけれども、しかし私は、基本法農政下において農地の流動化が地価の高騰による農家の資産保有傾向に阻害されてきた実情というものに対する分析がやや欠けているのではないか。そして、このような実情を直視した政策手段が新たに示されていないということについては残念であるという感じを申し述べざるを得ません。 そこで、全国稲作経営者……
○柄谷道一君 大臣にお伺いしますが、「紙の消える日」、これは森山剛、この方は通産省紙業課長であったと思いますけれども、失礼でございますが、この本お読みになりましたですか。
【次の発言】 私は、この小説の序文に、森林問題は資源と経済の問題であり、環境や文化の問題でもあり、すべての道がローマに通ずるように、現代のすべての問題は緑の危機につながっていく。もちろん危ういのは森林だけではないが、ともかく地球上で森林ほど文化のしわ寄せの及びやすい部分はあるまい。樹木の生きざまは人類の運命の象徴である。さらに、その結びの中で、造林は驚くほど長い年月と先行投資を必要とする。その成果は、われわれの時代はもちろん……
○柄谷道一君 最初に、大蔵大臣に予算執行の結果生ずる不用額と予算編成の関係についてお伺いしたいと思います。 大蔵省は、五十五年七月の「歳出百科」の中で、財政再建の課題を述べておられます。その中には「わが国財政は、歳出総額の三分の一を国債でまかなうという異常な状況になっています。財政によるインフレを回避し、国民生活の安定と経済の発展のためには、財政再建、すなわち国債依存体質からの脱却が急務となっています。財政再建に当たっては、まず歳出の徹底した合理化・効率化を進めることが必要ですが、その実をあげうるかどうかは、国民全体の理解と協力にかかっている」まあこう主張されているわけでございます。私は、こ……
○柄谷道一君 総理にお伺いいたします。 サンケイ新聞では「国鉄はほんとうに必要なのか」、こう題しまして「第一部 破産」「第二部 現場」「第三部 赤字地獄」三部にわけまして、すでに三十五回にわたるキャンペーンを行っております。その第三部の締めくくりとして、四月二十一日付の記事の中に次のように記載されております。高木国鉄総裁は四月十四日「日本記者クラブで講演したが、そのさい「国鉄総裁」の立場について、国鉄総裁は手足をしばってプールに飛び込ませるようなものだ、大事なことはなにひとつ自分で決めることができない」と述べて、次々露見する悪慣習について、国鉄は軍隊に似た閉鎖社会であり、何か悪いことが起こる……
○柄谷道一君 昭和五十五年及び五十六年度の一般会計予備費使用総調書及び各省庁所管使用調書等の内容につきましては、災害の復旧に要した費用、訴訟における和解の履行に要した費用、補欠選挙に要した費用など、特に使用目的を逸脱しているとは思われませんので、民社党としては承諾するものでありますけれども、衆議院決算委員会でわが党の和田一仁委員が指摘いたしておりますように、昭和五十五年度の総理府所管の沖繩における人身被害者特別支出金等は、あらかじめ計上し得ると思われる支出でございまして、財政法二十四条の「予見し難い予算の不足に充てる」とする予備費使用の規定に照らして妥当性を欠くのではないかという疑点も残ります……
○柄谷道一君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております老人保健法案について、修正案並びに修正部分を除く原案に対し、賛成の討論を行います。 その第一の理由は、本法案の目的と基本的理念で示されているように、国民の自助と連帯の精神に基でき、国民の老後における健康の保持と適切な医療の確保を図るため、ややもすると治療の保障に偏重していた現行制度を改めて、予防から治療、リハビリテーションに至るまでの一貫した各種保健事業を総合的に行うとともに、それに必要な費用は国民が公平に負担することをしようとしており、その趣旨を評価するからであります。 第二は、政府原案の内容中、問題のあった診療……
○柄谷道一君 最後の質問になりましたが、鈴木総理は去る十一月二十六日、行財政改革特別委員会及び内閣、地行、大蔵の連合審査で、私の質問、すなわち明年も明後年も財政上の理由で人事院勧告が完全に実施されなければ人事院制度は形骸化するのではないかという設問に対しまして、本年度の措置は異例であるとされた上で、次のように答弁されております。 毎年毎年ことしのような異例の措置が繰り返 されるようであれば、これはまさに人事院制度 の根幹に触れるような結果に相なると思いま す。政府といたしましては、ことしは御承知の ような非常に財政非常の事態でございますので 異例の措置をとったわけでございますが、今……
○柄谷道一君 私は、去る三月一日の決算委員会で、一月十二日に総理より防衛庁長官に対し行われました防衛政策上の指示について質問をいたしましたが、その御答弁では納得いたしかねますので、本日改めて御質問をいたしたいと思います。 まず、総理はその指示の中で、「防衛大綱を達成し、基盤的防衛力をつくっていくことは、私が内閣をつくって以来の変わらない方針である。防衛費予算を伸ばしたのは、国際情勢の緊張に対応したものではない。私は脅威対応の防衛論はとらない。」このようにいわゆる没脅威論を強調されておりますけれども、長官はこの点についてどう受けとめていらっしゃいますか。
○柄谷道一君 質問の本論に入ります前に、労働大臣に要望を一ついたしておきたいと思います。 それは、私昨日の予算委員会の集中審議でもただしたところでございますが、経企庁長官の経済見通しとして、五十六年度の経済成長は三%前後、場合によれば二%台に割り込む懸念すらある、こういう答弁がございました。そして五十七年度の景気見通しにつきましても、建設国債の追加発行など約二兆円規模の財政措置をしなければ再び来年度も二%台に割り込むおそれがあるという日本経済調査センターの予測に対してどう思うかという質問に対しても、おおむねその見通しについては懸念はあるという御答弁をいただいたわけでございます。 以上の状態……
○柄谷道一君 まず、行管庁長官にお伺いいたします。 土光臨調会長は、去る三月十八日に社会経済国民会議と行政改革推進国民運動会議共催のいわゆる国民臨調シンポジウムで、五十九年度までに赤字国債をゼロにするとともに、六十年度以降の国債償還を増税なしに実行し得るようにすることが今次改革の基本目標である、こう強調されたと報ぜられております。しかし、最近の新聞に報ぜられます行管庁長官の言動を拝見いたしますと、この土光会長の決意と若干ニュアンスが違うのではないかとも受けとめられるわけでございます。たとえば基本答申を六、七月ワングループ、十一月ワングループというふうに分割してはどうかという提言が行われました……
○柄谷道一君 ただいま委員長の御注意もございましたけれども、いままでの質疑を聞いておりますと、何をおもんぱかってか、防衛庁の答弁はいわば逃げの姿勢、たてまえの姿勢に終始しておられるように受けとめられます。私はそうした姿勢というものが、安全保障に対する国民合意の形成というものを妨げていることを憂うるわけでございます。以下の質問について率直簡明にお答えをいただきたい。まず冒頭、お願いをいたしておきます。 そこで、海上自衛隊を初めアメリカ、豪州、カナダ、ニュージーランドの海上部隊と航空部隊が参加する環太平洋合同演習、いわゆるリムパック82が今月二十三日から約五週間にわたってハワイ周辺の中部太平洋を……
○柄谷道一君 質問に入ります前に、いわゆる設置法によらない私的諮問機関ないしは懇談会の運用につきましては、法制局見解、昭和三十六年四月十二日及び三十八年三月十八日の行政管理庁通達及び内閣委員会の審議経過からはみ出しておりまして、このままの状態が続けば正規の審議会が形骸化するおそれすらあるのではないか、こう憂えられるわけでございます。 そこで、委員長に要望したいわけでございますが、これは、設置法の審議を行います当委員会としていわゆる基本的な問題ではないかと思います。したがいまして、たとえば理事会に官房長官、行管長官を呼んで内閣としての厳正にこれを運用するよう是正を図るなど適切な措置をとる必要が……
○柄谷道一君 恩給法の一部を改正する法律案につきましては、すでに多くの委員から質問のあったところでございますが、やはり何といってもこの法律案の問題点は、実施時期が一カ月ずらされるということにあるのではないかと思います。 昭和五十年以降の参議院内閣委員会において決定いたしました附帯決議をひもといてみますと、五十年十一月六日第七十六回国会、五十一年五月十三日七十七回国会、五十二年四月二十一日八十回国会、五十三年四月二十五日八十四回国会、五十四年九月七日八十八回国会、五十五年四月二十四日九十一回国会、五十六年四月二十三日九十四回国会、実に七回にわたって実施時期の改定に関する附帯決議が行われておるこ……
○柄谷道一君 本法案につきましては、国家公務員共済組合審議会と社会保障制度審議会に諮問しておられますが、同僚議員から指摘いたしましたように、国家公務員共済組合審議会は一月二十九日に、「支給開始時期を年度によって変更することは年金の性格からみてほめられない」、このように指摘いたしております。また当内閣委員会でも再三、改定時期については年度当初からの実施を目途とするよう附帯決議を行っているところでございます。 そこで、実施時期を一カ月おくらしておる点でございますが、ただいままでの答弁によって、財政事情でやむを得なかったと、こういう一言に尽きるわけでございますけれども、性格論をお伺いしますが、大臣……
○柄谷道一君 大蔵大臣にお伺いいたしますが、行革臨時国会を初め、鈴木総理はしばしば国会におきまして年金一元化の方向を明確に答えられております。また、社会保障制度審議会、これは基礎年金構想という具体的な問題を織り込んではおりますけれども、方向としては年金制度の一元化を答申いたしております。さらに、私的諮問機関ではございますが、共済年金制度基本問題研究会、また国鉄総裁の諮問機関である船後委員会、さらには運輸大臣の出されました国鉄再建の中のいわゆる小坂私案、さらに現在第二臨調の第二分科会で検討されております審議の経過等を踏まえますと、いずれも年金制度を一元化せよという方向に向かってとうとうと時代は動……
○柄谷道一君 本法案は幅広い内容を含んでおり、かつ質問時間にも制限がございますので、衆議院内閣委員会でわが党の木下委員が質問に取り上げました電源開発立地に係る関連許認可関係とエネルギー問題、データ通信規制関係、輸出入検査関係等国際経済的見地から早急な検討を要するもの、国民経済的見地からの対応を要するもの、民間活力にゆだねるのが適当と思われるもの等につきましては、本日の質問から省略したいと思います。ただし、木下委員の意を酌みまして、その答弁にもありますように、行政の簡素合理化を一層強力に推進されることをまず冒頭強く求めておきたいと思います。 まず、行管庁長官に御質問いたしますが、他の委員からも……
○柄谷道一君 すでに成立いたしました老人保健法の特徴は、一つは、従来治療に偏しておりました医療体制を予防治療、リハビリを通ずる包括医療として推進する。第二には、その医療費を各種保険者及び被保険者も応分の負担をすると、この二点に集約されると思うわけでございます。 そこで、私は七月八日の連合審査及び八月三日の社労委における討論の中でも指摘したところでございますが、法制定に伴う実施体制、特に保険事業の円滑な実施を図っていくためには保健婦、栄養士、理学療法士、作業療法士、精神衛生相談員などのいわゆるマンパワーの確保及び保健所及び市町村保健センター等の施設の整備、この二点が老人保健法の成果を期待する上……
○柄谷道一君 経企庁長官にお伺いいたしますが、日本経済研究センターが三月二十四日、五十八年九月までの十八カ月短期経済予測を発表いたしております。それによりますと、五十六年度の実質経済成長率は二・六%にとどまるであろう。五十七年度も、下期補正で建設国債増発一兆五千億円、四千億の地方単独事業の追加、住宅金融公庫融資枠の二万戸追加など総額約二兆円を上回る対策が半年以内に決定されるものと見込んでも、実質経済成長は三・五%程度である。このようないわゆるドラマチックな政策がとられなければ三%を割るのではないか。そのことによって雇用、税収、貿易摩擦にも悪影響を及ぼす、こう指摘いたしております。これに対して経……
○柄谷道一君 最初はきわめて初歩的な質問でございますが、国債整理基金特別会計法第二条の第二項によりまして、国債の元本償還資金として前年度の国債残高の百分の一・六に相当する額を繰り入れる、こうしてあります根拠は、建設国債の見合いの資産の平均的な効用発揮期間を六十年と見て、国債の最終的な償還を六十年を経過した段階で行うという考え方から、毎年度六十分の一、すなわち百分の一・六を繰り入れると、こういうふうにしたと解してよろしゅうございますか。
【次の発言】 次の確認でございますが、定率繰り入れの機能でございます。
一つには国債の償還を保障して国債政策に関する国民の信頼を確保すること。第二には償還に伴……
○柄谷道一君 阿曽沼参考人にお伺いいたします。 わが国は決して大陸国家でもなければ自給自足経済の島国でもない。いわゆる海洋国家であり、そしてそれゆえに海洋国家の理念が確立されなければならない。この御指摘には私も同感でございます。したがって、私は、海洋の価値をどうして守るかという問題は、非軍事的措置、軍事的措置を含めて、国家的な見地から総合的に政府全体として取り組むべき問題であると、こう思うのでございます。ところが、わが国では、現在海上輸送の安全確保についてどのような国家的配慮が払われているかという点を考えてみますと、経済面、技術面、政治面、軍事面の各リスクに対する取り組み方に非常にアンバラン……
○柄谷道一君 まず、外務大臣にお伺いいたしますが、去る四月十四日、極東米軍視察のために来日しましたセイヤー・アメリカ国防副長官が、外務大臣及び防衛庁長官とお会いになっておりますが、その中でセイヤー国防副長官は、わが国の防衛予算の拡充を評価する一方で、ソ連の軍事力増強はあらゆる面で一貫して継続されている、こう指摘いたしまして、外務大臣に対し防衛計画の早期達成を求めた、こう新聞で報道されております。これは、中曽根総理が訪米中に表明いたしました日米防衛同盟強化の言動や姿勢を受けて、アメリカが五六中業の早期達成を求めたものと、こう理解するわけでございますが、私はこの総理の訪米中の言動からすれば、アメリ……
○柄谷道一君 同僚議員の方から、ペルシャ湾におけるノールーズ油田の原油流出事故でペルシャ湾一帯が油の汚染によって重大な危機にさらされておる、この指摘はあったところでございます。 言うまでもありませんが、日本は周囲を海に囲まれた島国でございます。しかも、わが国のエネルギーは、近年、代替エネルギー、新エネルギーの開発が急速に進んでいるとはいえ、現状においては大半は石油に依存しているわけでございます。したがって、大量の原油を積んだタンカーが毎日わが国の港に入出港しておる、これが現状であろうと思います。したがって、船舶からの流出油事故対策というものはきわめて重要な政治課題であろう、こう思うわけです。……
○柄谷道一君 私は、昭和五十六年の一月二十日、ちょうどいまから二年前に当決算委員会で自動車運送業界の秩序確立と道路運送法等の抜本改正問題について質問をいたしました。その後二年を経過したわけでございますけれども、事態は改善の方向に向かっているというよりも、むしろエネルギー、環境などの制限、特に最近における経済成長の鈍化、こういった要因が折り重なりまして過当競争が激化しておる。業界の秩序が非常に乱れてきておる。特にトラック業界では許可運賃が全面的に値崩れをしておる。そしてそのことが経営を圧迫いたしまして、交通労働者の労働諸条件に大きな影響を与えつつある。これが実態であり、むしろ事態は悪循環を繰り返……
○柄谷道一君 最初に、盲導犬育成事業についてお伺いいたします。 私は、この問題につきまして、昭和五十二年四月二十六日、五十三年十月十七日、五十五年十一月十三日と過去三回にわたって質問をいたしております。私は、厚生省が関係各省庁と連携をとられまして、その施策が年を経るにつけて充実してきたことに対して評価するにやぶさかではございません。ただ私は、最後の五十五年十一月の質問でも指摘したわけでございますが、盲導犬事業が今後健全に発展していくというその基盤は、長い十分の経験を持つ指導員ないしは訓練士によりまして育てられ、視覚障害者と盲導犬が一体となった充実した歩行指導、訓練が行われる、その結果、盲導犬……
○柄谷道一君 転作奨励金の支給実態につきましては、抽出調査を行っておられますが、〇・五ヘクタール未満が九三・四四%、二十五万円未満が九二・三一%と、きわめて零細な農家が大部分を占めているわけでございます。私は、転作というものが米の過剰生産を抑制するという目的だけにとどまらず、それは食糧自給率の向上とか農業近代化に寄与するものでなければ真の意味は持たないのではないかと、こう思うわけでございます。集団営農、生産性向上等について努力をしているというただいままでの御答弁がございましたが、なお十分の成果を上げているものとは評価できません。農水省の評価を率直にお伺いいたしたいと思います。
○柄谷道一君 グレーゾーン金利の取り扱いにつきまして、最高裁判例の趣旨を否定する規定を設けることは、庶民の高金利に対抗する手段を失わせる、このような指摘が本日も参考人との質疑をめぐって強く指摘されました。私もこれは重要な問題であると認識をいたしておりますが、衆議院段階においてわが党はこの法案に賛成したという立場から、その状態も踏まえまして、私として若干の確認のための質問を行いたいと思います。 まず第一は、貸金業者について登録制を導入し業務規制を行い、刑罰の対象となる金利を相当程度引き下げるという制度的な枠組みの中で、その範囲内で債務者の自由意思に基づいて契約した内容を任意に履行した場合、貸金……
○柄谷道一君 補助貨幣回収準備資金の取り崩しの問題は、昭和五十六年の十二月ごろ、五十七年度の予算編成に当たって、財源不足を補うために大蔵省が検討を始めたことに端を発しているんではないか、こう承知しております。 五十六年十二月十二日付の新聞報道を見てみますと、欧米諸国にはこのような制度をとっているのはベルギー以外にはない、また一斉に補助貨幣を紙幣にかえるよう求められるという想定は現実的でない、したがって造幣特会法を改正して、硬貨発行残高に対する準備金積立額の割合を現行の一〇〇%からたとえば八〇%に引き下げて、一般会計に繰り入れることを大蔵省は考えている、このように報道されているわけでございます……
○柄谷道一君 まず、五十七年度の税収見込みについて御質問いたします。 政府は、昨年の補正予算編成に際しまして、当初の税収見積もり三十六兆六千億円を三十兆五千億円と六兆一千億円減額補正したわけでございますが、本年一月の税収は前年同月比四・二%、これは補正後税収達成に必要な五・三%を一%も下回る結果が出ておるわけでございます。 発表された資料を見ますと、一月の税収が伸び悩んだ原因は、主として、一月税収の六割を占める所得税が、昨年末のボーナスが低調であって当初予定したより伸びなかったということ、法人税が前年同月比一二・三%減と経済の不振を反映して落ち込んだこと、さらに揮発油税が前年同月比〇・五%……
○柄谷道一君 まず、木下参考人に御質問いたしますが、政府が発表いたしました財政の中期試算から見て、昭和五十九年度から六十一年度まで膨大な要調整額が見込まれているわけでございます。このような現状を踏まえますと、財政再建を図るには、当然まず徹底した歳出の削減が行われてしかるべきである、これはもう当然のことでございますが、この膨大な穴を埋めるということは、これは常識的に考えればまずまずむずかしい、これは当然考えられることですね。 そこで、参考人は、この場合、行政サービスの低下か赤字国債か増税かの選択しかないんだ、そしてその選択は国民の選択にゆだねられる、こういうお気持ちがあるんではないか、こう思う……
○柄谷道一君 減価償却の年限短縮の問題につきましては、二十五日の質問で取り上げたところでございますが、時間切れになりましたので、再度大臣に今回はお伺いいたしたいと思います。 前回の私の質問に対して、通産省は、償却年限の短縮のほかに、投資減税など総合的な投資促進のあり方について研究会を持って検討したい旨の答弁をされました。 一方主税局長は、マクロ的に見てわが国の償却年限は長くない、したがって国際競争力を低下せしめていることにはならないという旨の答弁をされたと記憶いたしております。 しかしながら、昭和二十六年に体系が整いまして以来、三十六年と三十九年に機械装置関係、四十一年に建物関係が改正さ……
○柄谷道一君 本法案は八十七国会で各党から法案が提出され、これが廃案になりまして以来、サラ金苦に対する社会的批判が強まっている中で、今日まで貸金業に対する規制の立法措置がとられた、そして規制法の早期制定を望む世論は高まっている、私はこう認識をいたします。今回の提出法案は私自身も決してベストなものとは考えてはおりませんが、現状と比べて債務者保護が前進するものとして、現状と対比しつつわれわれは衆議 院段階で賛成をしたものでございます。そしてその背景には、今後逐次法改正を積み上げてより完璧な法律にする努力を続けなければならない、こう思っているわけでございます。この姿勢は本院でも貫きたいと思いますが、……
○柄谷道一君 私は、民社党・国民連合を代表して、ただいま議題となっております衆議院提出の貸金業の規制等に関する法律案、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律の一部を改正する法律案及び増岡理事提出の修正案に賛成、穐山理事及び近藤委員提出の修正案に反対の態度を表明して討論を行います。 昨今、小口・短期の信用貸しを行ういわゆるサラ金を利用した人々が、その返済に追われ、ついには家出、離婚、一家離散、自殺、一家心中等に追い込まれるという多くの悲惨な事件が発生しており、大きな社会問題となっていることは周知のとおりであります。 これはギャンブルや過度の消費のために安易にサラ金に頼る風潮が国民……
○柄谷道一君 まず最初に、自賠責保険の取り扱いについて御質問いたします。 多くの委員から指摘されましたように、自賠責保険は、いまさら私から申し上げるまでもなく、交通事故の被害者救済を主たる目的として自動車全所有者に加入を義務づけている制度であります。昭和三十年五月、政府はこの提案趣旨説明の中で、自動車による人身事故の場合の賠償責任を適正にする措置である、そして自動車側の賠償能力を常時確保するための措置であると、法の趣旨、目的を明らかにいたしております。そして自賠責特会の運用益、滞留資金の運用益につきましては、昭和五十三年六月十二日の自賠責審議会答申の中でも、「今後の使途については、保険収支の……
○柄谷道一君 参考人に質問する前に、私は、臨調最終答申が鋭く指摘いたしておりますように、制度改革を含む抜本的な行財政改革を徹底して行うということがまず前提であって、それをせずして安易に特例国債の発行、緊急避難的措置による財政操作でこれを切り抜けようとする政府の姿勢に対して厳しく批判する立場に立ち、かつ、水野参考人が指摘されましたように、行政改革の断行と積極的経済財政政策の展開というものを併用しつつ財政再建を図るべきである、こういう立場に立っておることを明らかにいたしておきたいと思います。 そこで、時間に制約がございますので、本日は、安定的経済成長の維持と深くかかわりを持つ減税及び減税に関連す……
○柄谷道一君 総理は、就任以来しばしば国民にわかりやすい政治ということを強調されてまいりました。しかし私は、実態はそのお言葉とは裏腹に、破綻状態にある財政の危機をどのような施策で回避し、財政を再建するかという問題につきましては、国民は総理の真意をはかりかね、全く不透明と受けとめているというのが実態ではないかと、こう認識しております。 私は、去る四月二日、予算委員会における経済財政問題の集中審議の中で、いわゆる消去法を用いまして政府の真意をただしました。その際の総理、大蔵大臣、経企庁長官の御答弁を要約してみますと、まず大蔵大臣は、特例公債の償還額は今後累増するが、国債は国の債務であり、国際に対……
○柄谷道一君 総理は一月の訪米中に、いままで多く論ぜられましたように、ワシントン・ポスト紙の首脳との単独会談で、例の日本列島不沈空母論、海峡封鎖発言等を行われまして、わが国の積極的な防衛努力を表明されました。これに対してアメリカ大統領、国防長官は、総理の建設的な考え方とこれまでとった措置で示したリーダーシップを歓迎する、防衛努力の第一歩として評価する。その傍ら、海、空の防衛力はまだ十分でないと指摘されまして、 日本がみずからの防衛計画を達成するよう、一層速やかに前進するように希望すると、こう述べられた。これに対して総理は、今後の努力を見てもらいたいと言い切ったと報道されております。しかし、これ……
○柄谷道一君 わが国の現在の経済、財政状態を一言で表現すれば、経済はじり貧、財政はどか貧、これに尽きると思うのでございます。長期にわたる景気低迷が三%台の低迷を長期にわたって繰り返し、これが税収の伸びを低くいたしておると思います。政府はこの要因を世界経済の停滞というところに置いておられるわけでございますが、これはある程度想定されておったことでございます。したがって、政策展開としては、内需を喚起することによってこれを補いたい。しかし私は、端的に申しまして、財政が本来持つべき景気調整機能というものよりも、むしろ財政の緊縮ということに力点を置いた結果がこういう事態を招いたことであり、私はそういう意味……
○柄谷道一君 廃棄物は言うまでもなく人間が日常生活を営み、産業活動を行えば必然的に発生するものであります。そしてその適正な処理が必要であることは多言を要しないと思います。特に人口密度が高い首都圏や近畿圏で一般廃棄物が年間千九百万トン、これは全国の約五〇%、産業廃棄物が年間九千三百万トン、これは全国の約四〇%排出いたしております。その中間処理や再生利用等で減量に努めなければならないのは当然でございます。しかし、とうていこれだけで処理することができない。最終処分地の確保が重要な地方行政の課題になっており、関係市町村が苦慮している実情は私は十分承知しておるつもりでございます。しかし、他面この廃棄物の……
○柄谷道一君 労働力人口の高齢化と並んで、最近の労働市場の大きな特徴は、パートタイム労働者また派遣労働者など、いわゆる雇用時間や期間が短く、かつ労働条件が席用労働者に比べまして不明瞭な、いわゆる雇用の不安定労働者が著しく増加して、わが国の労働市場に構造的に深く定着しつつあるということがその特徴ではなかろうか、こう思います。しかも、昭和四十九年以来非常にその数がふえてきております。これは、企業が減量経営の一環として常用労働者をパート、派遣労働者にかえる動きが目立ってきたということを反映するものではなかろうかと思います。 ところが、これらの不安定雇用労働者に対する政策的対応はおくれております。法……
○柄谷道一君 景気回復のおくれ、物価の予測以上の落ちつきを反映いたしまして、四月から八月の一般会計税収の累計額は対前年同期と比較いたしまして九・一%増にとどまっております。これは五十六年度当初予算で見込みました対前年度税収の伸び二〇・三%を大きく下回っているわけでございます。 そこで、経済企画庁も去る十月二日、五十六年度経済見通し暫定試算を発表しておられますが、それによりますと、物価については、消費者物価指数を五・五%から五%へ下方修正、さらに民間最終消費支出、民間住宅、民間企業設備、鉱工業生産指数もそれぞれ下方修正をいたしまして、それを受けて名目GNP成長率を九・一%から八%に下方修正して……
○柄谷道一君 基本的な問題でございますが、まず自治大臣にお伺いいたします。
言うまでもなく、憲法九十二条には「地方公共団体の組織及び運営に関する事項は、地方自治の本旨に基いて、法律でこれを定める。」と明定されております。そこで自治大臣は、「地方自治の本旨」とは一体何か、その御認識を明らかにしていただきたい。
【次の発言】 そのような御理解であれば、地方公共団体が独自の判断でその地域社会にかかわる施策を行う場合、国はその施策に関して不当に関与し、または干渉してはならない、これは当然のことであると思いますが、そのとおりでございますか。
【次の発言】 ところで、老人医療に関します地方の上乗せは、す……
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