岸信介 衆議院議員
28期国会発言一覧

岸信介[衆]在籍期 : 26期-27期-|28期|-29期-30期-31期-32期-33期-34期
岸信介[衆]活動記録 : トップ選挙結果本会議発言委員会統計発言一覧質問主意書

このページでは岸信介衆議院議員の28期(1958/05/22〜)における国会発言(質問、答弁等)をまとめています。国会活動の統計や役職、質問主意書の数や内容は28期国会活動統計で確認できます。

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本会議発言一覧(衆議院28期)

岸信介[衆]本会議発言(全期間)
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第29回国会(1958/06/10〜1958/07/08)

第29回国会 衆議院本会議 第4号(1958/06/17、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) このたびの総選挙は、わが国政治史上画期的な意義を有する保守、革新の二大政党対立下における最初の総選挙でありましたが、その結果、与党たる自由民主党は国民の圧倒的多数の支持を得、ここに、私は、再び内閣総理大臣の重責をになうこととなりました。(拍手)  この総選挙に示された国民の意思は、大多数の国民が、現実的かつ進歩的な政治を信頼し、急激かつ冒険的な変革を欲しないということであります。(拍手)私は、この国民の審判に深く思いをいたし、国政の運営に最善を尽し、もって、国民諸君の信頼と期待にこたえる決意を新たにするものであります。(拍手)  総選挙において公約した重要政策につきまし……

第29回国会 衆議院本会議 第5号(1958/06/18、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) ただいまの御質問は、それぞれ所管の大臣を指名されまして、その答弁を求められております。  私に対しては、特に労働行政の方針が前第一次岸内閣時代と今度と変るかどうかというお尋ねであります。これは、私がすでにしばしば申し上げておるように、われわれは、健全な労働運動はこれを育成し、助長していくけれども、その行き過ぎに対しては、行き過ぎないように、これを適当に取締りその他の方法によって行き過ぎをさせないという、これによって健全な労働運動を育成していくという根本の方針におきまして何ら変るところはないということを明言いたしておきます。(拍手)

第29回国会 衆議院本会議 第6号(1958/06/24、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) 教職員の諸君が、未来の日本を背負うべき青少年の教育について、ししとして努力されておることに対しましては、私は、国民とともに、心から敬意を表するものであります。しかも、学校の設備や、あるいは給与の点であるとかあるいは教職員諸君の生活環境等において、改善をしなければならぬものも私は少くないと思います。これらの点につきましては、政府としても、鋭意それが改善に努力をいたさなければならぬと考えております。私は、今お話がございましたが、勤務評定の問題については、櫻井議員並びに多数の社会党の諸君と見解を異にするのでありますが、教職員諸君が、そういうふうに非常に努力をされておる、たっと……


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第30回国会(1958/09/29〜1958/12/07)

第30回国会 衆議院本会議 第2号(1958/09/30、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) ここに、当面する諸問題の審議を願うため、臨時国会が開かれました。この際、私は、最近におけるわが国内外の諸情勢を明らかにするとともに、これに対処する決意と施策を、国会を通じ、国民諸君に訴えたいと存じます。(拍手)  まず、私は、政府・与党が公約として掲げた政策について、鋭意その具体化に努めていることを強調いたしたいのであります。(拍手)政府は、目下、通常国会に臨むため、明年度予算の編成を急ぎ、施政の全般について検討を進めているのであります。従って、今国会においては、とりあえず、当面の諸案件を解決するため所要の法律案等の成立を期し、もって、公約の実現を進めていきたいと思いま……

第30回国会 衆議院本会議 第3号(1958/10/01、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。勝間田議員の質問は各般の問題にわたっておりますので、私は特に私を指名されました点についてお答えをし、他はそれぞれ主管の大臣からお答えをさせることにいたします。  第一は、外交に関して、この安保条約の改訂の問題についての御質問でありました。これは、私は明確にこの席から申し上げましたように、日米間の安保条約は、これが制定された当時と今日は、日本の防衛力におきましても、また日本の国際的地位におきましても非常に異なっておることは、御承知の通りであります。当時におきまして、こうしたアメリカに一方的な安保条約ができたということもやむを得なかったと思いますが、その……

第30回国会 衆議院本会議 第4号(1958/10/03、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  今回の独占禁止法の改正の趣旨は、先ほどの説明にも明らかなように、経済界の安定並びに日本の経済の発展のために必要な国際競争力を増大するという見地から、従来の独占禁止法の規定におきましては十分にその目的を達することができない点を改正しようというのであります。もちろん、自由経済において、自由かつ公正な競争を確保するということはその基本でありまして、この基本につきましては、何らわれわれはこれを変更する意思も持っておりませんし、今回の改正も、そういうことには触れておるわけではございません。  今申しましたこの二つの目的を達するために、日本経済界の事情を見る……

第30回国会 衆議院本会議 第5号(1958/10/07、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  最低賃金法の趣旨は、今赤松議員が御質問のように、労働者に最低生活を保障するに足るような賃金を確保するというところにあると思います。ただ、この最低の標準をどこに置くかということにつきましては、各国においていろいろ事情が違います。ことに、日本においては、御承知のように、非常に賃金格差が大きい。また、日本の産業の特質でありますところの中小企業における労働条件というものはきわめて悪い状況にございます。しかも、この中小企業に対する問題は、やはり、根本的に言うと、中小企業の体質を改善して、改めていくということをしなければ、これが成り立たないというのが実情であ……

第30回国会 衆議院本会議 第9号(1958/10/16、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) NBCのセシル・ブラウン記者が、米国に帰国するに当りまして、総理と会いたい旨の申し入れが外務省事務当局を通じてありましたので、去る九日、総理大臣官邸においてこれと面会をいたしました。質問の内容は、憲法改正問題、安保条約改定問題、核武装問題、台湾海峡問題、日中貿易問題、東南アジア開発問題等に及んだのでありますが、新聞に報道せられておりますところは、私がブラウン記者に答えた内容とは相異なっていると思いますので、この際、私のブラウン記者に対して話しました内容をここで申し述べたいと存じます。  まず、憲法改正問題については、この問題は日本にとってきわめて重大な問題であるから、慎……

第30回国会 衆議院本会議 第10号(1958/10/17、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えいたします。  最近の世相の悪化について、特に不況対策や、あるいは失業問題、あるいは就業の機会を多くするというような問題に関しての施策についての御意見でありましたが、私どもは、もちろん、そういうことは、一般経済政策として、あるいは社会政策として、当然に考えて処置していかなければならないことでございます。(拍手)しかし、最近の世相の悪化につきまして、さらにわれわれが考えなければならないのは、最近起つておる、たとえば苫小牧の争議のごときを見ましても、これは、御承知の通り、苫小牧におけるところの労働者に対する給与は、日本の会社の中におきまして最高の水準を持つておるもので……

第30回国会 衆議院本会議 第12号(1958/10/23、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えいたします。  流通機構として理想的なものはどこに考えておるかということであります。これは、私どものように自由経済を根本に考えておる者から申しますと、形を一つのものに作って、これにすべてのものを当てるという考え方はいたしておりません。いずれにしても、流通機構に関しての根本的な考え方は、いかにして生産と消費を円滑に結びつけるか、この機能をどういうふうに円滑に果させるようにするかということ、流通機構に従事しておる人々の生活の基礎をいかにして確立するか、この二つが私どもは基本的な問題であると思います。その具体的の方法につきまして、いろいろな点を考えなければならぬと思いま……

第30回国会 衆議院本会議 第13号(1958/10/28、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  現在の経済状態をどう見るか、不況と見ずして経済の一時的な停滞と見るという考え方は間違っておるという御議論でございます。言うまでもなく、経済が安定した基礎の上に拡大をされていかなければならぬととは、日本の人口の増加から見ましても当然でありまして、また、経済政策の究極の目的が完全雇用にあるということも、われわれ、しばしば申し上げておる通りであります。しとうして、その事柄に対しましては、すでにわれわれは長期計画を立てて、その線によって、最高の目標は、五百万人の人々に職を与えるということを目ざしておることも、御承知の通りであります。ただ、経済の問題は、途……


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第31回国会(1958/12/10〜1959/05/02)

第31回国会 衆議院本会議 第5号(1958/12/18、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  高知県における勤評問題を中心としての闘争並びに最近における暴行事件は、まことに私は遺憾にたえないところであります。いかなる場合におきましても、暴力によって自分の主義、主張を実現しようとするような行動は、私は、民主主義を毒するものであり、いかなる理由であろうとも、そういうものは、民主政治、民主国家を守る上から、これは厳重にそういうことのないように処置しなければならぬと思います。(拍手)この意味におきまして、今回の事件につきましても十分にその真相を明らかにし、また、これに関して暴行等を用いた者に対しましては、それぞれ法規の命ずるところによって厳正に処……

第31回国会 衆議院本会議 第9号(1959/01/27、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) 第三十一回国会の休会明けに臨み、昭和三十四年度予算を提出して国会の審議を求めるに際し、私は、当面する内外の諸情勢と、これに対処する所信を明らかにしたいと思います。  国民がひとしくお待ちしていました皇太子殿下の御婚儀が近くとり行われますことに対し、私、心からお喜びの言葉を申し上げたいと存じます。(拍手)皇太子殿下は、伸び行くわが国の希望の象徴であられます。全国民の胸に抱いているこの喜びが同胞親愛のきずなとなって、明るい次の時代が築かれることを期待してやみません。(拍手)  施政の方針を述べるに当り、まず、私は、さきの国会が変則のままに推移したことについて、深く遺憾の意を……

第31回国会 衆議院本会議 第10号(1959/01/28、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  国会政治を守り、真の民主主義政治を樹立するということは、現行憲法の精神であり、また、私は、だれが政治の衝に当つても、それは政治の根本理念として動かすべからざるものであると考えております。しかして、これに対して、最近の社会事象から見ていろいろな憂うべき事態が生じておる、あるいは、集団的な暴力でもって多数の善良なる人々の平和な生活を脅かすような事態、あるいは、自分の主張を、言論や、そういう憲法の民主主義の精神にのつとらずして、一つの暴力的な集団の力でもって実現しようというふうな風潮は、民主主義政治、国会政治を守る上からいって、私は、きわめて憂慮にたえ……

第31回国会 衆議院本会議 第11号(1959/01/29、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  経済の成長繁栄は、同時に、その利益の配分についても公正妥当に行われなければいけないというお考えにつきましては、私は全然同感であります。労使の間においての正常なる労働慣行ということにつきましては、われわれは、労働政策の根本として、そういうものを重視しようと考えております。従って、経済、産業の繁栄に協力すると同時に、その繁栄から生ずるところの利益や福祉があまねく配分せられることが望ましい、私はかように考えております。私どもの労働政策が、弾圧的な、権力的なものであるというお考えでありますが、私どもは、そうではないのであります。あくまでも、労使間の正しい……

第31回国会 衆議院本会議 第14号(1959/02/13、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) 各種の点について詳細な御質問がございましたが、これらはそれぞれ担当の国務大臣からお答えをすることにいたします。  一点、私が特に指定されて、現在ある公的年金制度の間における調整ということができておらない、これによるいろいろな不都合が生ずるじゃないかという問題であります。この点は、御指摘のように、これが調整をすることは必要であると思います。法文にもそのことを認めて、調整についての根拠を示しておりますが、私どもは、拠出制度を実施いたしますまでにこれの調肇を実現したい、こう思っております。
【次の発言】 お答えをいたします。滝井君の御指摘されるように、社会保障制度、特に国民年……

第31回国会 衆議院本会議 第25号(1959/03/12、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) 戦後行われました農地改革は、いわゆる農村における民主化並びにその農業生産性を高める意味からやられた改革でありまして、この根本を変更すべきものでない、これを維持すべきことは、言うを待たないと思います。従って、今回提案をいたしておりまする法案が、旧地主の復活を考えるとか、あるいは自作農創設に関する法律の趣旨を曲げるというようなことは、全然考えておらないのでございます。  さらに、最高裁の判決について、それを無効ならしめるようなことを意図しておるのではないかという趣旨の御質問でありましたが、私どもは、全然そういうことを考えておりません。これは、最高裁におきましてすでに権威ある……

第31回国会 衆議院本会議 第28号(1959/03/24、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  私どもも、ベトナムが南北に分れておる事態が統一せられることにつきましては、これを心から望むものでありますが、しかし、日本とベトナムの関係につきましては、御承知の通り、サンフランシスコ条約におきまして、われわれは、戦争中損害を与えた地域に対してそれぞれ賠償をすることになっておりまして、他の国々に対しましては賠償協定がそれぞれできました。ベトナムにつきましては、去る二十八年ごろから交渉を続けてきておりまして、大体その結論に達する時期にきたのであります。今日、これの調印を延ばすとか、あるいは賠償協定を打ち切って統一まで待てという御意見でありますが、政府……

第31回国会 衆議院本会議 第33号(1959/03/31、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  第一点は、憲法九条の解釈に関する問題であります。この点につきましては、すでに、国会を通じて、政府の解釈は終始一貫して明瞭にされております。すなわち、憲法九条のいわゆる戦力放棄の規定は、独立国が、他からの侵略に対して、みずからこれを排除して自衛を全うするという、自衛権を否定したものではないという解釈に立って、この自衛のために必要な最小限度の実力を持つことは、いわゆる九条第二項において禁止しておるこの戦力の問題には触れないのである、こういう解釈を一貫して持っております。この解釈に基いて、今日、自衛隊法が作られ、自衛隊が設けられ、また、日本の安全を確保……


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第32回国会(1959/06/22〜1959/07/03)

第32回国会 衆議院本会議 第3号(1959/06/25、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) このたびの参議院議員通常選挙と、それに先だつ地方選挙の結果、政府並びに与党の政策が国民多数の深い理解と力強い支持を得ましたことは、私の大きな喜びとするところであります。(拍手)  私は、国民諸君の信頼と期待とにこたえ、さらに国運の隆昌と民生の安定向上とをはかるため、この際内閣の改造と与党人事の一新をはかり、相携えて内外にわたる重要政策を強力に推し進めることといたしたのであります。(拍手)  最近の国際情勢において最も注目すべき東西外相会議は、過般来ジュネーブにおいて開催され、一ヵ月余にわたる討議を重ね、このほど休会に入りました。この会議におきましては、東西双方の主張は依……

第32回国会 衆議院本会議 第4号(1959/06/26、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  第一の長期経済計画の問題でありますが、国民生活の向上と雇用の増大を目標として経済計画を樹立しなければならぬことは言うを待たないのでありまして、現に、われわれは過去において立てた経済長期計画につきましても、年々六・五%の成長率を見込んで、大体その線が実現を見ておることは、御承知の通りであります。また、日本の戦後におけるところの経済成長率につきましても、すでに足鹿君の御議論のうちにもありましたように、相当大きな成長を示してきておるのであります。私どもは、今後ふえるところの労働人口に対する雇用の増大を考え、完全雇用を目標とし、国民生活を一そう向上せしめ……

第32回国会 衆議院本会議 第6号(1959/07/01、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  沖縄の、本年五月十八日に公布されました新刑法のことに関する御質問でございますが、この内容は、根本におきましては、御承知のように、一九五五年に百四十四号の市会で公布されておる刑法並びにその後の修正やあるいは追加等を取りまとめたものを骨子とし、これに対して新たに数点の修正を行なったものでございます。もちろん、この規定によって沖縄の地位やあるいは沖縄住民の本質が変るものでないことは言うを待ちません。従って、日本がこの潜在主権を持ち、また、沖縄の住民が日本人であるという本質につきまして、われわれは何らの変更をされたものではないと確信をいたしております。 ……


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第33回国会(1959/10/26〜1959/12/27)

第33回国会 衆議院本会議 第3号(1959/10/28、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) ここに、臨時国会が開かれるにあたり、災害対策その他当面する諸問題と、これに対処する所信を明らかにしたいと思います。  過般来の相次ぐ台風は、全国各地にきわめて多数の死傷者と被災者を出しました。私は、これらの方々に対し、深く哀悼と同情の意を表するものであります。(拍手)  特に、このたびの第十五号台風による被害が、死者、行方不明者合わせて五千名をこえ、高潮による水没が、長期、かつ、広範囲にわたる等、史上まれに見る大規模なものでありましたことは、まことに遺憾であります。  政府は、時を移さず、応急救助については中央災害救助対策協議会を開き、復旧については中央に災害復旧対策協……

第33回国会 衆議院本会議 第4号(1959/10/29、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) 石炭が日本の国内エネルギー源として重要なものであることは言うを待ちません。ただ、最近における石炭のエネルギー源としての比率はだんだん低下してきておることは、御承知の通りであります。しかしながら、われわれは、この石炭鉱業というものが日本産業に持っておる重要性、また、国内資源として、外貨を節約する意味から申しましても、この石炭鉱業の将来に対して十分な対策を講じていくことが必要であると思っております。今回の補正予算は、現在出てきておるところの離職者に対する応急の就労及び援護に関する緊急措置だけでございまして、石炭鉱業に対する根本的な方策につきましては通常国会において御審議を願……

第33回国会 衆議院本会議 第5号(1959/10/30、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  今回のベトナムとの間の賠償協定の問題は、申し上げるまでもなく、サンフランシスコ条約第十四条に基づいてわが国が負うておる義務の履行にかかるものでございます。従って、できるだけ早く賠償の義務を果たすことは、国際信義の上から申しましても、特にわれわれとして将来に非常な重要な関係を持っております東南アジア諸国との友好親善関係を進める上から申しましても、必要であると思うのであります。ただ、今御質問の要点になっております、南ベトナムというものをベトナム全体の正統政府と認めることが正しいかどうかという御議論でございますが、このことは、しばしば申し上げているよう……

第33回国会 衆議院本会議 第6号(1959/11/10、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  第一点は、いろいろな理由をあげられまして、この安保条約改定を急ぐ必要はないじゃないかという御質問でありますが、何かこの点に関して与党内に意見が統一していないということの御趣旨がありました。これは非常な誤りでありまして、わが党におきましては、それぞれの機関に諮り、われわれの意思を統一する議員総会においてこれを議決しておりますから、そのようなことは御心配が要らないと思います。(拍手)  また、国際情勢の変化についての御議論でございましたが、われわれは、しばしば申し上げておる通り、世界の大勢が、話し合いによって、東西両陣営とも共存の道を見出すように真剣……

第33回国会 衆議院本会議 第7号(1959/11/14、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  次期戦闘機の問題は、国防会議におきまして、第一次の防衛計画の一部として、この戦闘機の問題が計画されたのであります。しこうして、その次期戦闘機の決定につきましては、昨年の四月の国防会議におきまして、当時ありましたあらゆる資料を検討をいたしましてグラマン機に内定したことは、淡谷議員の御指摘の通りであります。これを内定するにつきましても、調査団を出し、当時としましてわれわれが集め得るあらゆる資料をもとにして内定いたしたのであります。しかしながら、これは最後の決定ではなくして、なお検討すべきいろいろな問題を含んでおるとして内定をいたしたのであります。この……

第33回国会 衆議院本会議 第12号(1959/11/27、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) 御質問になりました点は、すでに委員会において幾たびか政府が所信を明らかにして、お答えをしたことでございます。ただ、不幸にして、われわれは、南ベトナム政府を全ベトナムを代表する正統なる政府として、あくまでもこれを交渉の相手としておる、この点に関する見解が違うだけでありまして、その他の点につきましては、すでに委員会でお答えをしておる通りであります。  川島君の何か発言につきましての御質問でありましたが、私は、その事実を知りませんし、また、その事実についてはきわめて不明確でございますから、それを前提として、ここで意見を申し上げることは差し控えたいと思うのであります。(拍手) ……

第33回国会 衆議院本会議 第13号(1959/11/30、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  去る二十七日の、多数のデモ隊による国会の不法占拠の事態は、国民がひとしく非常な憂慮をもってこの事態を考えておると思います。私が、従来、民主政治を守るために、一切の暴力と一切の不法行為というものを断固として取り締まらなければならぬということを申しておるのは、かくのごとき事態が発生することによって国会政治の危機を招来するおそれがあると思ったからであります。(拍手)昨年、私が社会党の鈴木委員長と会談をいたしまして、国会の正常化に触れて、国会周辺におけるデモの取り締まりにつきまして、両党が真に民主政治を守り、国会の権威を高めるために話し合おうということを……

第33回国会 衆議院本会議 第14号(1959/12/01、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  問題のU―2、いわゆる黒いジェット機の問題は、御指摘にもありましたように、アメリカの航空宇宙局に所属しておりまして、米軍の管理下にある一つの公用機であります。高々度の気象観測に当たっているものであります。従って、行政協定の適用を受け、国内におきまして日本の航空法等の一部の規定の除外を受けておるわけであります。国際的に国籍を表示するところの国際慣行があるとか、あるいは空戦条約等をお引きになりましたが、国際慣行として国籍を表示するという慣行は、まだ確立しておらないと思われます。また、条約につきましても、おあげになりました条約はまだ発効いたしておりませ……

第33回国会 衆議院本会議 第19号(1959/12/16、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えいたします。  朝鮮戦争に関して、いわゆる国連軍が朝鮮におりますが、これは、言うまでもなく、一九五〇年七月七日の国連の安全保障理事会の決議に従って、その勧告に基づいて編成されたものでありまして、これは全く合法的なものであります。今日、なお、この決議は依然として取り消されず、そのまま効力を持っておるのでありますから、少なくとも国連に協力をすべき日本の立場として、この国連軍を非合法的なものであり、また、国連軍の活動やあるいは韓国の態度に対して非難を与えるがごときことは、私は基本的態度としてとるべきものでない、こう考えております。  また、吉田アチソン交換公文は、交換公……


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第34回国会(1959/12/29〜1960/07/15)

第34回国会 衆議院本会議 第3号(1960/02/01、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) 第三十四回国会の休会明けに臨み、当面する諸問題と、これに対処する施政方針を明らかにしたいと思います。  まず、外交施策の基本に関して、私の所信を率直に披瀝いたしたいと存じます。  私は、このほど、日米両国間の相互協力と安全保障に関する条約等に署名のため訪米いたし、あわせてカナダを訪問の上帰国いたしたのであります。その際、米国におきましてはアイゼンハワー大統領及びハーター国務長官と、カナダにおきましてはディーフェンベーカー首相と親しく会談いたし、現在の国際情勢を検討するとともに、今後の日米、日加友好関係の強化、世界平和への努力等に関して十分に意見の交換を行なったのでありま……

第34回国会 衆議院本会議 第4号(1960/02/02、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  第一の、国際情勢をどういうふうに判断しておるか、いわゆる雪解け論というものをどういうふうに考えておるかということであります。われわれが大事なことは、国際情勢を分析する場合に、希望と現実とを混同してはならぬということであります。(拍手)私どもが世界の平和を願い、また、国際間の、東西両陣営の間の緊張を緩和したいというその念願、希望ということと、現在どういう状態に国際間があるかというこの現実とは、決して混同してはならないのであります。(拍手)昨年来、東西両陣営の巨頭の間の往復が盛んにありまして、東西両陣営の間において解決のできなかった問題を、話し合いの……

第34回国会 衆議院本会議 第5号(1960/02/03、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  第一の、ソ連の覚書に対する政府の考えでありますが、すでに昨日も申し上げましたように、このソ連の覚書の内容を見ますると、故意に日米新安保条約の内容を歪曲して、そうして、日本を傷つけるような言辞が用いられております。その上に、これに対しまして、われわれが条約上当然権利として持っておる歯舞、色丹の引き渡しの問題を、一方的に新しい条件を付して変更するという態度をとっておるのでありまして、これは、国際信義の上から許すべからざることであるのみならず、安保体制や、あるいは一国の独立国の外交方針というものに対して、内政干渉的な行動に出ておるということは、これはき……

第34回国会 衆議院本会議 第6号(1960/02/09、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  新しい条約が、その内容として、平和を守り、防衛的なものであるということは、私が終始国会を通じて申し上げておる通りでありまして、ソ連において最近日本によこされたいわゆるグロムイコ覚書による前提は、全然これを曲解しておるものと思います。私どもは、日本の平和と安全を守るために、みずからの力において、すでに、自衛隊の組織も、漸次、国力と国情に応じて漸増して参っております。しかしながら、世界の情勢は、われわれが希望しておる国連による平和、安全保障体制にわれわれの安全を一切あげてまかすというまでにいっておらない状況から申しますと、それを補完する意味において、……

第34回国会 衆議院本会議 第7号(1960/02/11、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) 昨年末以来、炭鉱の災害が相次いで起こりまして、多数の犠牲者が出ましたことに対しましては、私も衷心から御同情申し上げ、遺憾の意を表するものでございます。  その原因がどこにあるかということでありますが、御承知のように、鉱山保安法が施行されましてから十有年になりますが、災害によって人命が失われる数は、統計的に漸次減って参っております。ことに、昨年度は、上半期におきましては今までにない大へん好成績であったのでありますが、年末一に、こうした二つの大きな山におきまして、先ほどおあげになりましたような事故が生じまして、このためにとうとい人命が失われたのでございますが、その原因につき……

第34回国会 衆議院本会議 第13号(1960/03/18、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  今回の小牧飛行場における事故は、まことに遺憾でございまして、この事故によって犠牲を受けられた方に対して心から弔意を表するとともに、原因を徹底的に追及して、二度とかくのごとき事故を起こさないように処置しなければならぬという太田君の御意見には、私、心から全然同様に考えております。  飛行場の共用問題についての御質問でありますが、理想的に申しまして、これの共用を廃止することは、私は望ましいと思います。ただ、遺憾ながら、わが国の現状から見まして、用地の取得やあるいは予算の点からの困難がありまして、ある程度の共用もやむを得ないと思います。この場合において、……

第34回国会 衆議院本会議 第20号(1960/04/05、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  三井三池炭鉱の労働争議がついに暴力ざたを伴い、多数の負傷者と死者までも出すに至ったことは、まことに憂慮にたえない次第であると思います。いかなる意味においても、労働運動が暴力を伴うということは違法であり、私は労働運動の正常なる範囲を逸脱するものであると思います。従って、第三者であろうとも、あるいはオルグという名であろうが、そのいかんを問わず、また、組合自体も、いかなる意味においても、この暴力を断固として排除しなければ、私は、真の労働運動はできないと思います。(拍手)この意味におきまして、三井三池の労働争議が、労使間におきまして、平和的な方法によって……

第34回国会 衆議院本会議 第21号(1960/04/07、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  過日の毎日新聞社に対する暴力行為の事件は、民主政治の基本ともいうべき言論の自由に対する暴力の侵害でございまして、まことに遺憾な状態と思います。こういう暴力が近時いろいろな方面にありますことは、私が常に念願しておる、真の民主政治を作り上げるためには、いかなる意味においても、暴力はこれを絶対的に追放しなければならぬと考えるのでありまして、その思想的背景が、右翼的なものであろうとも、左翼的なものであろうとも、一切この世から暴力を排除することが、真に平和な民主政治を作り上げる意味において絶対に必要だと思っております。(拍手)従来といえども、この暴力追放に……

第34回国会 衆議院本会議 第22号(1960/04/15、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えいたします。  第一点は、貿易の自由化とカルテルの強化の問題についての御質問であります。日本の経済は、御承知の通り、貿易に依存しておる度合いがきわめて大きいのでありまして、従って、輸出入とも、その貿易を拡大していくことが日本の経済を繁栄せしめ、日本経済自体を成長せしめる上から、絶対に必要であることは、御理解下さることと思います。そのためにどうすべきかといえば、言うまでもなく、日本の経済の体質を改善し、生産性を高め、そうして国際競争力を高めていくということが必要であることは、言うを待たないのであります。こういう意味において、最近の国際の、貿易自由化の大勢に順応して、……

第34回国会 衆議院本会議 第29号(1960/05/06、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  農政に関する基本的な私の考えをできるだけ具体的に説明しろ、こういう御要望でございます。言うまでもなく、日本の農業の実態を見ますると、御指摘にもありましたように、他産業に比して、その生産性や所得が低位である。また、最近におけるいわゆる経済の拡大の状況におきましても、他産業に比して、その成長率が劣っておるということは、はっきりと数字に現われておるところであります。また、日本の農業を他の外国の農業に比べますると、いろいろな点において日本の農業が非常に立場が悪いということも、これは事実でございます。一体、そういうことが、どこからそれでは原因してきておるか……

第34回国会 衆議院本会議 第35号(1960/05/27、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) 御質問に対してお答え申し上げます。  まず、私は、質問者と同様に、今回の津波による災害によって犠牲になられた方々に対して深甚な哀悼の意を表するとともに、被害を受けられた方々に対して衷心より御同情を申し上げます。政府といたしましても、これらに対する救済並びに復興の処置は、具体的に所管の大臣より申し上げますが、できるだけ早く強力に実行するつもりで、着々手を打っておる次第でございます。  御質問の第一点は、こういう津波による災害対策の一つとして、国際的の機構を整備するように日本が積極的に働きかけていく必要があるという御意見でありますが、政府といたしましても同様に考えております……

第34回国会 衆議院本会議 第36号(1960/06/14、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  御指摘のごとく、今回のチリ地震による津波予報につきましては、適切でなかった点があることは、まことに遺憾でございます。  由来、日本の気象庁の機構といたしましては、日本の近海に起こった地震による津波に対して予報するという機構を中心といたしておるのでございまして、今回のごとく、遠距離に起こった地震の影響としての津波については、その機構においても不十分な点があり、また、従来経験もなかったために、こうした適切でなかった点があるのであります。この経験にかんがみ、一そう地震による津波の研究を進めるとともに、機構を整備し、かつ国際的に情報を的確に入手するように……

第34回国会 衆議院本会議 第38号(1960/06/17、28期、自由民主党)【政府役職:内閣総理大臣】

○国務大臣(岸信介君) お答えをいたします。  最近、わが国において集団的暴力によって法秩序を破壊しようというような暴力が各所に見られることは、まことに遺憾でございます。過日の全学連の国会乱入事件というものも、その一つの現われでございます。私は、真の民主主義を守るためには、国会内はもちろんのこと、院外におきましても、あらゆる面において集団的暴力によって法秩序を破壊するような行動は、断固としてこれを排撃しなければならないと考えております。(拍手)しこうして、この背後関係が、御指摘のように、今日、国際関係のいわゆる東西両陣営の対立、この関係において、常に国際共産主義が自由民主主義国に対して、あらゆ……

岸信介[衆]本会議発言(全期間)
26期-27期-|28期|-29期-30期-31期-32期-33期-34期

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委員会発言一覧(衆議院28期)

岸信介[衆]委員会統計発言一覧(全期間)
26期-27期-|28期|-29期-30期-31期-32期-33期-34期
第29回国会(1958/06/10〜1958/07/08)

第29回国会 外務委員会 第10号(1958/07/30、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 ここ数年来中東の地域において相次いで起りました事件、さらに最近においてイラクの革命、レバノンの出兵、ヨルダンの英軍の駐兵等をめぐって非常に重大な事態に直面しているのであります。  私は日本外交の根本としてわれわれは平和外交ということを強く言っておりますが、いかなることがあってもいわゆる第三次世界戦争のごときものをこの世界に発生せしめないということは、私は現在の政治家の最も大きな責任であり、義務である。従ってその危険をかもすがごとき事態の発生を極力押える、またある事件が起った場合にそのことをできるだけ拡大しない、その問題として早期に処理するということが、現在の東西両陣営の対立の状況……

第29回国会 決算委員会 第9号(1958/09/09、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 正確には私記憶いたしておりませんが、三回くらいではないかと思います。
【次の発言】 その通りでありまして、国防会議の運営につきましては、これが設置されました当時、議事録をとるべきかどうかということも一応論議の対象になったのでありますけれども、閣議と同様にこれは議事録をとらないということに決定されました。そういう運営になっております。
【次の発言】 言うまでもなく国防会議の議事の内容等は厳格に秘密を守るべきことが法律にも規定してございまして、従いましてメモ等がそういうふうなことになる、あるいは会議に列した者がその内容をゆえなく他に漏洩するというようなことは、国防会議の性質上厳にこれ……

第29回国会 予算委員会 第2号(1958/06/23、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 日中の現在の状態について、これが長い歴史的な中国と日本との関係、さらに最近数カ年におけるところの両国の国民の間に考えられておる、また努力されてきた友好関係の増進という見地から望ましくない状態にあるということにつきましては、政府もそう考えております。従ってわれわれができるだけこの状態が改善されることを望むのは、これは当然でございます。しかし私どもは、これに対処する方法としてどういうことがこの際、この現在の状況において最も適当であるかというこの立場を考えてみますると、私は、われわれが従来言っておるように今日の状況においては静観する。しかし静観するということは単に手をこまねいて傍観して……

第29回国会 予算委員会 第3号(1958/06/24、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 日韓会談は御承知のように、過去数回の会談がいずれも停頓いたしたのでありますが、昨年来私が外務大臣に就任いたしましてから、この問題を取り上げて、日韓の国交の正常化、友好関係を作り上げるために、まずその前提となっておる、釜山に抑留されておる邦人の釈放、帰国並びにそれに関連いたしまして、大村に収容しておる韓国人、これを両国の間で釈放し会って、そして冷静な立場において、日韓の間に存しておる幾多の懸案の問題を、正式会談に取り上げて会談しょう、こういう趣旨のもとで話し合いをいたしまして、本年の四月以降、両国においてそれぞれ会談の責任者を任命をいたしまして、両国の会談を開いておるわけであります……


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第30回国会(1958/09/29〜1958/12/07)

第30回国会 外務委員会 第5号(1958/10/17、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 私は現行憲法を守る、憲法の条章を順守してやるということにつきましては、もちろんこれを守らないとかあるいはこれを無視する、軽視するという考えは毛頭持っておりません。しかし民主政治のあり方として、われわれがどういう意見を持ち、その意見、考えがどういう手続なりあるいは民主主義的ないろいろなルールによってその考えが実現されるかしないかということは、おのずからこれは別の問題であって、個人がどういう意見を持ち、またどういう意見を述べても、これは民主主義の何として許される。しかしながらそれが直ちに憲法を無視するとか、軽視するということとは全然意味が違うのでありまして、そういう意味において憲法の……

第30回国会 外務委員会 第11号(1958/10/31、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 まだそういう事実はございません。
【次の発言】 まだ私の方の案文とか、あるいはアメリカ側が何か案を出したようなことが新聞に出ておりますけれども、全然そういう事実はございません。
【次の発言】 国際情勢についてはアイゼンハワー私の共同声明に、また今回藤山・ダレス会談のプレス・リリースにもそういうことがいわれておりますが、いわゆる国際共産主義の脅威は依然として続いておる。こういう一つの判断に立っておりまして、従って日本の安全を保障するということは、日本自体が独立国である以上、当然日本でこれをするというのが原則であることは言うを待ちません。しかし同時にそういう国際情勢のもとにあって、日……

第30回国会 議院運営委員会 第7号(1958/10/17、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 昨日、成田議員の質問に対しまして私がお答えを申し上げたときにおきましては、私は、セシル・ブラウン君の放送のフル・テキストはまだ手に入れておらなかつたのであります。今おあげになりましたのは、当時いろいろその出所を調べましたところ、それはAPが取材してこれをこちらに送つたものであるということでありますので、さらに大事なことでありますから、直接にNBCのセシル・ブラウン君の放送の内容のフル・テキストを私は外務省を通じて別に請求をしておりまして、まだそれは、当時は入手しておらなかつたのでございます。決して私は偽わりを申したつもりではございませんし、また、当時の事情は今私が申し上げた通りで……

第30回国会 地方行政委員会 第8号(1958/10/27、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 言うまでもなく、今御指摘のありましたように、新憲法のもとにおける警察の制度またはその運営というものが、いわゆる人民主権の上に立って考えられなければならない。従って旧憲法のようなことを考えてはならないというお考えに対しましては、私も全然同感であるのみならず、新憲法のもとにおける新しい警察制度、その管理運営というものが公安委員会に属していることも、よく御承知の通りであります。従来旧憲法時代のように、内務大臣のもとに命令一下動くというような制度と、この新憲法のもとにおける新しい警察制度のあり方というものは全然違っておりまして、これがいわゆる人民主権のもとにおける警察権のあり方を、そこに……

第30回国会 内閣委員会 第5号(1958/10/23、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 もちろん憲法改正の問題は重大な問題でございますから、すでに憲法調査会が設けられ、その改正の要否や、改正するとしてどういうふうにするかというような点に関しまして、慎重に審議をいたしておるわけであります。結論は、その審議の結論を待って処置するべきものであることは当然であります。
【次の発言】 憲法改正の問題につきましては、すでに憲法が施行されましてから十年余になりまして、この間においていろいろと国内においても議論のあることは御承知の通りであります。従ってこれに対して慎重に有識者の意見をまとめ上げるという意味におきまして、調査会がすでに発足して、これは安保条約の改正とか警職法の改正とか……

第30回国会 予算委員会 第1号(1958/10/03、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 安保条約を再検討して改訂するという考えは、しばしば私は国会を通じてその所信を明らかにいたしたのであります。と申しますのは、今加藤委員の御指摘のありましたように、これを結びました当時の日本の状態と、今日の日本の状態とは非常に違っている。言うまでもなく、国際社会の一員として、すでに国連に加入し、安保理事会の一員にもなっておるというふうな国際的の地位から見ましても、また当時の社会、経済全般の情勢と、今日の日本の社会、経済の情勢とは非常に違って、安定した基礎のもとに日本のあらゆるものが進んで来ておるし、また他から不当に侵略されることに対する防衛のことも、まだ不十分ではありますけれども、当……

第30回国会 予算委員会 第2号(1958/10/29、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 民主主義の確立、これこそ戦後におけるところの日本の一番大きな政治目標であると私も存じます。しかして最近の現われておるいろいろな事象を見まして、あるいは集団的実力行使という形において法秩序がじゅうりんされた、あるいは平和な社会の生活が脅かされておるというような事態を見まするときにおいて、民主主義の前途に非常な憂慮を持つことも、西村委員のおあげになりました事例や、あるいは御意見に対しては私は全然同感であります。民主政治の要諦は、言うまでもなく個人の基本的な人権が尊重されるということが基礎になっております。しかしそれは言うまでもなく、自分の基本的人権が尊重されるということは、同時に他人……

第30回国会 予算委員会 第3号(1958/10/30、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 私が国会で声明をいたしました点とブラウン記者のいわゆる報告との間におきましては、お話の通り、一部において私が言わないことが言ったとして報道されております。この点につきましては私は、私が国会で声明したことに全責任を持つということを明瞭に申し上げておるのでありまして、その点においてブラウン記者の報告は、私の会談内容とは違っている点がございます。
【次の発言】 今問題になっている、いわゆる条約の地域の問題は、日本が防衛する地域としての、防衛の義務を持つ地域の問題ではないのでありまして、日本が防衛する地域は、これは明らかに日本の領土に限られておることは、これは明瞭でございまして、その点に……

第30回国会 予算委員会 第4号(1958/10/31、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 年々災害を受けておりまして、これに対しての実情並びに対策等について久保田委員の実地に即しての御質問でございます。日本の特殊の地理から見まして、治山治水ということが国土の保全の上からいいましても、あるいは民生の上からいっても、あるいはさらに産業の基盤を確立する上から申しましても、きわめて重大な意義を持っていることは今さら申し上げるまでもない。しかも年々こういうものが繰り返されておるというところに、非常に従来の施策の欠陥が私はあると思うのです。今お話の通り、この前の二十八年の災害の際に治山治水の対策協議会を作り、一応の計画はできております。しかしそれの実行状況は今久保田委員の御指摘の……


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第31回国会(1958/12/10〜1959/05/02)

第31回国会 外務委員会 第8号(1959/02/28、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 現行安保条約は御存じの通り日本が全然防衛力を持たない時代において日本の安全をいかにして保障するか、平和条約の締結と同時にこれが結ばれたものでありますが、そういう性格でありますから、日本のその後の独立が完成を認められると同時に、また日本が自衛力を国力に応じて漸増するという方針をとってきて、漸次これが増強されてきた状況に応じまして、日本の自主的な立場をあくまでも基本とし、日米両国の間においてできるだけ対等な形においてこれを改定したいということは、日本の国民の多年の願いであり、従って日米間においてその問題が話されたことは、相当に数年にわたってあらゆる機会にそのことが話されたわけでありま……

第31回国会 議院運営委員会 第20号(1959/03/06、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 私、実は国会の運営、議案の取扱い等の先例等については、十分承知をいたしておりませんが、しかし、今山本委員の御質問にもありましたように、この種のものは、両党別々の決議案でなくして、一本に適当にまとめて出すという従来の慣行は、私は望ましい慣行であろう、かように思います。
【次の発言】 今答弁を速記録についてお読み上げになりましたが、なお、私は前提として、国会の議決の問題については国会としてお扱いになることであるということを申し上げております。これは行政府が国会に、どういう議決をしろとか、あるいはどういう議決はいかぬとかいう態度に出るべきものではなくして、国会が独自の立場でおやりになる……

第31回国会 社会労働委員会 第3号(1958/12/19、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 八木委員に対してこの前お答えをいたしましたと実は同じこの問題に対しては考えを持っております。あの後、内閣の中にこの問題に関する閣僚懇談会を設けまして、この問題に関連してのいろいろの問題を検討せしめ、また来年度の予算の編成に当りましてもその一部等は実現していきたいという気持でせっかく検討いたしております。
【次の発言】 八木委員の御意見のように、この問題は長い間のきわめて複雑な要素もあり、また地方々々で必ずしも同一の事情にもない。それから扱い方が、変な扱い方をすると、不当に感情的な、かえって逆にもなるおそれもある問題でありますから、実は私この問題に対しては私の郷里の方面の関係もござ……

第31回国会 社会労働委員会 第21号(1959/03/18、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 国民年金制度は、私から申し上げるまでもなく、八木委員も御承知のように、近代的国家における社会保障制度の大きな柱であります。これに対して国民が要望しており、また与野党ともこの問題を重大な政策として研究をして参ったことは、御承知の通りであります。私ども政府といたしましてもこの問題を取り上げて、そうして各方面の有識者の意見も十分に聞き、あらゆる慎重な検討をいたしまして、今回われわれの成案を得て提案をいたしたわけであります。この問題はそういう重大な問題でありますから、国会における御審議も十分に尽していただいて、とにかくこの画期的な、また国民の強い要望であり、その具体的な内容等につきまして……

第31回国会 内閣委員会 第6号(1959/02/10、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 皇室会議の構成につきましては、御承知の通り法律できまっておりまして、私の承知しておるところによりますと、戦後一回皇室会議が開かれたのは、宮家の降下の問題で審議された、今回が二回であったように聞いております。構成につきましてはそういう法律で定められておるところであり、いろいろな御議論もあろうかと思いますが、必要があれば法律の改正等によって考えるわけでありまして、今内閣において構成を特に変えなければならぬというふうには実は考えておりません。  それから皇太子妃の決定に至りますまでの経緯につきましては、先ほど官房長官が申し述べた通りでございますが、私は皇室会議の議長でもありますし、事前……

第31回国会 内閣委員会 第19号(1959/03/17、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 独立国たる国がその独立を保持していくために、その独立を根底的に危険ならしめるようないわゆるスパイ活動というようなものに対して取締りをすることは、これは世界の独立国におきましては、いずれも当然のこととしてやっておるのであります。私はいかなる国といえども、その国の今申したような根本的の利益というものが――その国に不利な、またその国に害悪をもたらすように利用され、またそういうふうに使われるというような目的でもって諜報活動が行われるということは、これはどうしても適当な取締りを講じていかなければならぬと思います。ただこの問題は立法の問題といたしましても、いわゆる憲法上の自由権との関係もござ……

第31回国会 内閣委員会 第21号(1959/03/19、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 憲法の解釈として核兵器と名がつき、原子兵器と名がつくものはすべて憲法違反かというと、そういうわけにはいかないだろう。いろいろ核兵器というもの、原子兵器というものも発達の道程にあるから、いやしくもそういう名が冠せられるならば、ことごとく憲法違反だということは適当ではないと思います。しかしながら現在あるところの原水爆のごときもの、もしくは多くの核兵器といわれておるところのものについては、多分に攻撃的な意義を持っているから、そういうものは憲法において持ち込みはできないものだと解釈するというのが、統一解釈の意味でございます。  そこで具体的にオネスト・ジョンはどういうふうに解釈すべきもの……

第31回国会 予算委員会 第2号(1959/02/02、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 現下の国際情勢は、米ソの対立を中心とした東西両陣営の対立の状態が根本をなしておる。しかも最近における軍事科学の非常な発達、大量破壊兵器が現われてきたというようなことに関連をいたしまして、この緊張を緩和しようとする動き、あるいはいろいろな現実の考えを実現するような計画が行われております。特に私はこのことの基礎をなすものは、やはり両陣営の間における不信を取り除いていくということが最も必要であり、またいろいろな緊張緩和に関する計画や、あるいはこれに関するところの会議その他のものが十分な成果を上げてない原因は、両陣営間におけるところの不信感がなお根強く現存しておるということが、その一番根……

第31回国会 予算委員会 第3号(1959/02/03、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 民主政治を完成するための議会政治の上からいって、二大政党論が望ましい形であるということを私はかねて言っております。これは今中崎委員のお話のように、一方においては責任を明らかにし、一つの、政権を担当しておる政党が政治的責任を負わなければならないような政治的の行き詰まりを生じた場合において、当然野党たる他の反対党がかわって政権を担当するということは、これは私は憲政の常道であると思う。しこうしていかなる場合にいかなる責任をとるかという問題に関しましては、結局は、これは主権者たる国民の判断に求めなければならぬ。あるいは総選挙によって国民の最高の意思を聞くという場合もありましょう。また国会……

第31回国会 予算委員会 第4号(1959/02/04、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 われわれが日本の安全を保障するために外部からの不当なる侵略に対して祖国を守り、また同時に国内において内乱もしくはこれに準ずべきような事態が発生した場合に、その治安の責任を持つためにわれわれが自衛の組織を持つという立場で、それがしかも国力の国情に応じて漸増する方針のもとに今日まで着々とその増強をはかってきております。もちろん現在の国際的な情勢から見まして、またいろいろな各地に起っておる事態を見ますると、内乱といい、あるいは侵略といい、直接侵略といい、間接侵略といい、そういうことがきわめて複雑な様相において行われておるというのが現在の国際情勢、また各地におけるところの実情であろうと思……

第31回国会 予算委員会 第5号(1959/02/05、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 経済の最も望ましい状態は、言うまでもなく、安定した基礎の上に着実な、堅実な成長をはかっていくということであると思います。ところがいわゆる景気、不景気の問題は、単に国内経済だけではなくして、国際的な範囲においてそういうものが現われてきておる。これに対処して、今言った健全な、われわれの望むところの安定した基礎における成長を常に考えていくということをどういうふうに具体化するかということが、経済政策、財政政策において、われわれが現実に政局を担当する上からいって頭を用いなければならぬ問題である、かように思います。そこで、今井手君の御指摘のあったように、不景気の場合においては、その不景気を回……

第31回国会 予算委員会 第6号(1959/02/07、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 核武装の問題に関しましては、すでに私は総理大臣として幾たびかこの国会を通じて私の考えを述べております。今もなおその考えにおいては少しも変つておらない。すなわち核武装はしない、また核兵器を持ち込むことは認めないという私の方針につきましては、国会を通じて責任をもって述べておるのであります。しかし国会がこれをどういうふうにお取り上げになるかは、これは国会でおきめになることであります。今私の答弁としてお読みになりましたことには、前提としてたしかその答弁にもはっきり申し上げておると思いますが、国会のことは国会でおきめになることである。そして私としては今申し上げておるところの方針と同様な趣旨……

第31回国会 予算委員会 第7号(1959/02/09、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 私は国会を通じて、日本の自衛隊を核装備しない、また日本に核兵器を持ち込み、これによって日本の防衛ということはしないという意味のことをしばしば明言いたしております。この、私がこの国会を通じて申し上げていることは、ただ国会に議席を持っているだけに申し上げているわけではなしに、国会を通じて国民はもとより広く国際的にも、私のこの責任ある言明というものは一つの効果を持っておると思います。そういう意味において私は明らかにそういうことを従来も申してきておる。  ただ国会が国会の決議としてどういうふうに扱われるかということについては、私は国会におまかせすることがいいんだという従来からの考え方でお……

第31回国会 予算委員会 第8号(1959/02/10、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 核兵器の問題に関する私の所信につきましては、しばしば言明をしておる通り、今日も変っておりません。  さらに決議の問題につきましては、私もはっきりお答えを申し上げましたように、国会で扱われるべき問題だと考えます。しかして党がこの問題をどう扱うかということにつきましては私ももちろん総裁として、できるだけ私が総理としてお答えをしておる線に沿うように努力をいたして参っております。その結果、両党の国会対策委員長の間において、この問題の取扱いについて交渉がされておる、交渉中であると私は報告を受けております。
【次の発言】 御承知のように、党は党としてのいろいろな機関もございますし、これが国会……

第31回国会 予算委員会 第10号(1959/02/13、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 本日の閣議におきまして、在日朝鮮人のうち北鮮帰還希望者の取扱いに関する件につきまして、閣議の了解事項として決定をいたしました。  それは、「一、在日朝鮮人の北鮮帰還問題は、基本的人権に基く居住地選択の自由という国際通念に基いて処理する。二、帰還希望者の帰還希望意思の確認と、右確認の結果、帰還の意思が真正なりと認められた者の北鮮への帰還の実現に必要な仲介とを赤十字国際委員会に依頼する。帰還に関する諸般の事項の処理については、日本赤十字社をして赤十字国際委員会と協議せしめる。ただし、日本側において配船は行わない。」これを閣議了解事項として決定したわけであります。  なおこれに基きまし……

第31回国会 予算委員会 第11号(1959/02/14、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 ちょっと昨日の答弁を誤解されておるようでありますが、私は会食はいたしておりません。その日は賀寿老においてスカルノ大統領とその一行その他と一緒に会食する催しがありまして、その会食が始まります前のごくわずかの時間において、スカルノがかねて申し込みのあった木下と会うからということで、私も立ち会ったというのが事実でございます。
【次の発言】 私は当日の話からいいまして、また何ら内容的にやましいことはないと考えております。
【次の発言】 そういう事実は全然ございません、私に関する限り。
【次の発言】 先ほど柳田委員の御発言中、エコノミストの記事を御引用になりましたが、これは単に私の名誉とい……

第31回国会 予算委員会 第13号(1959/02/24、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 ILO八十七号の批准の問題に関しましては、今御質問にもりました通り、政府は労働問題懇談会にこれが審議を求めておりまして、その結論を得た上において、これを尊重して、その線に沿うていきたいという意味のことを申し上げております。すでに答申が出てきましたので、その線に沿うて準備を始めております。  御承知の通り、八十七号を批准いたすとするならば、当然公労法、地公労法の規定において条約と相いれない条文を改正しなければならぬことは言うを待ちません。と同時に、これらの公共企業体事業の正常なる運営を確保するために、法制的に各種の、この公労法や地公労法にも他に改正すべき点がございますし、またそり他……

第31回国会 予算委員会 第16号(1959/03/02、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 陳情ということは、要するに地方の実情について中央の人々に十分その事情を認識せしめ、地方の実情に最もかなったようにいろいろな行政が行われるようにという趣旨で本来行われるものでございますから、これをもって直ちに一切の陳情はいかぬというようには申し上げかねると思いますが、しかしお説のようにそれにはおのずから限度があり、節度を越えた陳情というようなものは、むしろ弊害をかもすいろいろな事態が起ってくる、その根本についてこれをどうしたらいいかという問題につきましては、先ほど来御議論がありましたように、本来地方公共団体の財政的、自主的な基礎をできるだけ強固にして、中央にたよらなければならない部……

第31回国会 予算委員会 第18号(1959/03/26、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 日中関係の問題について、数点にわたっての御質問でございます。  第一に、この前の、すなわち一九五七年に社会党の使節団が中国に参りまして、中共政府との話し合いをした当時と、今日の淺沼君を団長とする中国訪問団の折衝の場合において、著しく中共側の態度が変っておるということでありますが、御指摘のように、従来は積み上げ方式で、政治と経済はこれを分離して、貿易の問題におきましても、国民同士の間において話を進めて積み上げていって、そうして将来政治上の関係も築き上げていく、こういう態度であったのであります。ところが今度は、政治と経済は不可分である、むしろ経済に政治が先行すべきものであるという態度……

第31回国会 予算委員会 第19号(1959/03/27、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 戦争放棄の規定は、これは憲法に明示されておるごとく、日本は将来永久に、国際紛争を解決する手段として武力を行使しないということを宣言しておるのでありまして、これは一貫しておる、日本の平和外交の根幹をなす思想であることは疑いないところであります。しかしながらこの憲法九条が、いわゆる自主権を持っておる独立国として自衛権を持っておるということにつきましては、これまた何人も疑いをいれないところであります。それは、われわれが不当に他から侵略をされない、そういう緊迫不正の侵略があった場合には、それをわれわれは排除するということは、独立国としてすべて持っておるものであって、これを否定するものでは……


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第32回国会(1959/06/22〜1959/07/03)

第32回国会 外務委員会 第4号(1959/09/01、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 過般、私、諸外国を歴訪いたして帰りましたので、その御報告を申し上げたいと思います。  私は去る七月十一日羽田を出発以来、一カ月にわたり英国、ドイツ、オーストリア、イタリア、バチカン、フランス、ブラジル、アルゼンチン、チリー、ペルー及びメキシコの十一カ国を訪問して、八月十一日帰国いたしました。これら諸国は御承知のごとく、いずれもわが国と緊密な友好関係にあり、ことに近年において彼我の国交は、政治、経済、文化等の各分野においてますます緊密の度を加えるに至っております。これら諸国を訪問して、それぞれの政府首脳者と意見の交換を行い、各国の発展の状況を親しく見聞することは、かねてからの私の念……

第32回国会 予算委員会 第1号(1959/07/02、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 日本が長年の占領下からようやく政治的の独立を獲得して、いわゆるサンフランシスコ平和条約の締結によりまして、日本の政治的な独立が回復され、従って占領という事態に終止符を打ったのでございます。しかし当時もまた現在もそうでありますが、国際情勢はなかなかきびしい状態でございまして、いわゆる東西両陣営が対立し、その間においての緊張が、いろいろな努力が続けられておるにかかわらずなお緩和されないという状況であり、一方世界の平和、安全保障を目ざして崇高な精神のもとに国際連合が作られ、だんだんとその機能を拡充して参っておりますけれども、しかしながら現在なおこの国際連合に一切をまかして世界の平和なり……


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第33回国会(1959/10/26〜1959/12/27)

第33回国会 外務委員会 第6号(1959/11/12、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 国際情勢は、これは常に流動し、変化しておりますから、これに対しまして正確に国際情勢を分析把握して、そして対策を立てていくことは、もちろんこれが外交政策から申しまして、常にこのことに対してそういう態度で臨まなければならぬことは言うを待ちません。最近の国際情勢の変化としておあげになりました二つの点、すなわち話し合いによって共存の道を見出そうとするこの動き、これが世界平和の上に非常に望ましいことであり、また従ってそれに対してわれわれが協力をしてそれを推進するように努めなければならぬことは、これは私どももそう考えております。私どもは決してフルシチョフの訪米やアイゼンハワーがこれに対して来……

第33回国会 外務委員会 第12号(1959/11/20、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 国会の運営を円滑ならしめるために、党の幹事長が各省の事務事官と連絡の会議をしたことは私聞いております。新聞に報ぜられておるような内容につきましては、何ら報告を受けておりません。
【次の発言】 常識から考えてみても、そういうことはあり得ないと私は考えます。
【次の発言】 白書とか、いろいろな名前でもって各省の出します文書につきましては、それぞれの意味を持っておるだろうと思うのであります。あるいは今お話しのように、客観的事実をそのまま明らかにすべき性質のものについて、時の政府であろうが、あるいは政党であろうが、そういうものに関係なしになにする場合もありますし、また党や、あるいは政党内……

第33回国会 外務委員会 第15号(1959/11/25、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 賠償協定の問題は、実はわれわれ日本といたしましては、過去の戦争による事態に処して、そしてサンフランシスコ条約に明らかにわれわれがこの賠償協定を結び、そして適当な賠償をすることによって戦争の償いをすると同時に、これによって将来の友好親善関係を開いていくという性格を持っていることは、このベトナムの賠償だけではなしに、すべての賠償を通じて一貫している問題でございます。しこうしてベトナム政府が正統に全ベトナムを代表してサンフランシスコ条約に署名をし、その条約の十四条に基づいて過去数カ年の間日本に対して賠償の請求をなし、賠償の提議をしてきておりまして、これに対する問題をわれわれが処理してい……

第33回国会 災害地対策特別委員会 第6号(1959/11/07、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 今回の十五号台風の惨害はまことに甚大でございまして、特に従来例を見ない広範囲にわたって、長期にわたる湛水地域が今なお残っておるということは、まことに憂慮にたえないところであります。政府といたしましても、従来全力をあげて締め切り及び排水に努力をいたして参っておりますけれども、ただいま御決議の趣旨に従いまして、なお今後一そう努力いたす覚悟でおります。(拍手)
【次の発言】 災害に対する基本的な考えについての御質問でございますが、日本は年々台風の災害を受けており、また地震の災害も、時にこれを受けておる。こういうふうに非常に災害が多うございまして、これに対して、今おあげになりましたように……

第33回国会 社会労働委員会 第10号(1959/12/04、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 石炭の問題はきわめて重大な様相を呈してきております。この問題がただ一時的の経済界の不況であるとか一時的の理由、また労使双方の間における主張の相違から一時的にきておる問題であるというふうな事態でないことは言うまでもないのでありまして、石炭鉱業というもの自体が、日本だけじゃなしに、欧米各国におきましても最近の科学技術の発達やその他から、エネルギー源の変更・推移というようなものに関連して大きく影響されている問題であると思うのであります。御承知のように最近の経済界全体は好況を呈しておりますが、大きな産業として石炭及び海運の関係は依然として不況であるけれども、海運と違ってさらに石炭の問題に……

第33回国会 内閣委員会 第7号(1959/12/03、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 次期戦闘機の問題は、御承知のように昨年の四月に当時の諸事情に基づきましてグラマンと内定をいたしたのであります。しかしこの内定をいたしましたことは、決定ではなかったことは、内定という言葉が示しておる通りであります。その後におきまして、当時まだ開発されておらなかった104Cというようなものが開発をされ、また当時はまだテストの済んでおらなかったところのいろいろな戦闘機につきましても、その後生産並びにテストが行なわれてくる、また外国におきましても、西独あるいはカナダ等において104を採用するというような事情もございまして、われわれは一応内定を白紙に還元をして、そして現実にこの飛行機に乗り……

第33回国会 予算委員会 第2号(1959/11/04、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 台風や集中豪雨に対して、従来科学的な研究という点におきまして、日本においてほとんど手がつけられておらないことは、先ほど来の御質問で明瞭でありますが、このことは私は非常に遺憾であり、また災害、年々起こるところの台風や豪雨についての事後の対策だけじゃなしに、事前の対策については、今お話のように、日本の科学陣を動員し、さらに諸外国のこれらの研究機関とも十分な連絡をとり、これに対処する必要があるということにつきましては、全然同感であります。今回の十五号台風の後に、科学技術庁に臨時台風科学対策委員会というものを設けまして、そういう方面についての科学者を集めて、これに対する具体的のその対策を……

第33回国会 予算委員会 第3号(1959/11/05、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 私は楯委員の御質問のように、各省所管の継ぎ目のところが非常に問題であったというふうには実は聞いておりませんが、しかし従来海岸堤防につきまして、干拓地は農林省、普通の海岸については建設省、さらに港湾については運輸省というふうに所管が分かれておることは事実であります。予算の編成にあたりまして、今楯委員のお話のように、ぶんどりとかいうようなお話がございましたけれども、これはそれぞれ予算全体のなにを見て、海岸についてどういうふうにするか、港湾をどの程度に修築するかという方針できめておりまして、必ずしも役所の狭い意味におけるぶんどりというようなことは、この点において私はないように思います。……

第33回国会 予算委員会 第4号(1959/11/06、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 私はしばしば国会におきまして、今御質問になりました点については所信を明らかにしておると思いますが、重ねて私の所信を明らかにしたいと思います。  第一点の、アメリカといえども、これが間違っており、また日本が世界の平和を推進し、正しいと考えておることに違反しておるという場合において、これに対してアメリカに反省を求めるという考えがあるか、決意があるかというお話でありますが、それは従来われわれがとってきておる現実の政策の裏づけからもはっきりと申し上げられますが、もちろんそういう場合におきましても、われわれが正しいと思い、われわれがかくなければならぬと考えることにつきましては、われわれの主……

第33回国会 予算委員会 第5号(1959/11/09、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 お話の通り、今回の伊勢湾台風の惨害につきましては、交通、通信そのものが非常な被害を受けておりましたために、われわれのところに参りました情報が二次、三次と、だんだん深刻な様相がはっきりいたして参ったのであります。当時の新聞等の報道につきましても、実は最初の報道におきましては非常に被害の状況等は明瞭でなかった。しかし、今回崎委員の御質問のように、かねてその他の台風の被害等も、一般に最初の報道以上に被害が出てくることは通例でありまして、今回もその意味において、風速あるいは台風の中心気圧等の関係から、私どもも、その及ぼしたところが非常に大きいことは直ちに予想ができたのであります。ただ、し……

第33回国会 予算委員会 第9号(1959/11/14、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 同和部落の問題は、私どもきわめてこれが対策を立てることは重要な問題であると考えております。いろいろな民間にも団体があり、また各方面の御意見が出ておることもよく承知いたしております。そうしてこれは各省にも関係をいたしておることであり、広く各方面の意見も聞いて対策を立てるということが私は必要であると思います。この意味において、あるいは内閣にそういう官民を網羅した審議会あるいは調査機関等を設ける必要があるという御意見につきましても、従来しばしば承っておるのであります。私はその御趣旨には反対するものではございません。ただ、この問題に関して、まず内閣に関係閣僚の懇談会を置き、わが党といたし……


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第34回国会(1959/12/29〜1960/07/15)

第34回国会 決算委員会 第21号(1960/05/13、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 決算に関連をいたしまして、公務員の綱紀粛正の問題について委員長からの御質問でありますが、決算に関して、年々相当多額の会計検査院からの批難事項もございますし、また、今おあげになりましたような公務員の不正行為、または綱紀弛緩のために盗難その他の損失を国家に与えておるという事態がありますことは、これは全く遺憾にたえないところであります。これを常に――どの内閣もそうでありますが、われわれも、公務員の綱紀粛正については、常に意を用いておるところでありますが、しかし、ただ単に綱紀粛正を叫ぶだけでは、これは十分――もちろん、常に綱紀粛正をいって公務員の心がまえに呼びかけることは必要でありますが……

第34回国会 社会労働委員会 第18号(1960/03/17、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 法律案を出しますにつきましては、言うまでもなく政党内閣でございますから、政党の意向も十分にくみ入れまして、政府におきましても最後におきましては閣議で決定して、そうして提案をするというふうにいたしております。
【次の発言】 先ほど申しましたように、政党の大きな政策であるとか、あるいは政党の公約していることであるとかいうことを、内閣が政党内閣である以上は、責任を持ってそれを法律なりあるいは予算にまとめて出すことは、これは当然やらなければならぬと思う。しかしながらいろいろ国会の審議の運営上から見ていろいろな問題があると、それはやはり党として、審議上の便宜であるとか、あるいは国会対策の必……

第34回国会 商工委員会 第20号(1960/03/25、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 中小企業と一口に申しますけれども、特に今御指摘のありましたような零細な企業形態にあるところのものを、どういうふうに今後育成していくかということは、日本の産業構造の上からいい、社会的のなにからいって、きわめて重要な問題だと思います。今回提案いたしておりますのは、御承知のように、従来地域的な商工業者の組織、団体のなかった郡部の町村にもこれを設けよう、こういうわけであります。都市にもそういう零細業者が非常にたくさんいるじゃないか、これに対してどうするのだという御質問でありますが、その点につきましても、政府としても十分意を用いて研究をいたしたのでございますが、こういう商工業者の地域的な団……

第34回国会 内閣委員会 第23号(1960/04/01、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 最高裁の判決は、政府といたしましてこれを支持いたします。
【次の発言】 農地改革に関連する一連の法制は合憲であることはもちろんでありますが、これに基づいて行なわれたところの処分もまた従って合憲であり正しいものであって、これを変更するような意思は持っておりません。
【次の発言】 政府といたしましては、この農地改革によって行なわれました、従来支払われたところの報償金その他を、今後いかなる名義をもってしても変更し、修正するという意図は持っておりません。
【次の発言】 この農地改革は、先ほどから申し上げておるように合憲的なものであって、従ってこの支払われた土地の価格や報償金に対して、これ……

第34回国会 内閣委員会 第41号(1960/05/16、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 日米の間の新時代という表現は、今から三年前に、私がアメリカをたずねてアイゼンハワー大統領と会談をして、そうして両者の共同声明を出しましたが、そのときにそういう表現をいたしたのであります。というのは、日本とアメリカが自由主義の国としていろいろな面において協力していくということは、これは終戦後の日本の一つの国策としてとってきたところであります。しかしながら同時に、日本が終戦後長い間アメリカ占領下にあったという事実も払拭できないと思います。従ってアメリカとの関係においては、協力するというけれども、いろいろな面においてアメリカが優越の地立に立って、そうして日本と双方が対等の話し合いとか、……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第2号(1960/02/19、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 外交の交渉及び条約、協定等を、両国の間、あるいは多数国との間において話し合いをして、そしてある結論を得て調印をするということは、私は、政府にまかされておる権限であると思います。従って、その結んだものは、効力が発生する前に国会の承認を得るという手続を経なければなりません。従って、国会に出しまして、そして国会が御審議になり、国会が、全体としてこれはいかぬという場合もありましょうし、一部が悪くて、どうしてもこのままにおいて承認することはできないというような場合もありましょうし、そういう場合から申しますと、国会の承認を得ることができないという結果になり、その条約が発効しないことになるわけ……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第4号(1960/02/26、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 現在あります安保条約は、その成立の初めより、日本の自主性が認められておらないという点に関しましていろいろと論議が行なわれたのでありまして、その後、国会におきましても、現行の安保条約の再検討という問題がしばしば論議の対象となったのであります。私は、今おあげになりましたように、昭和三十二年の六月にアメリカをたずねまして、これらの国民的な要望や気持というものを体して、アメリカ側に対して、安保条約を対等な立場で修正改定することの話をいたしたのであります。それに対して、今おあげになりましたアイゼンハワー大統領と私の共同声明において、初めて主要な点に関する――現行安保条約に対する考え方の基本……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第6号(1960/03/11、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 日本が終始世界の平和を念願して平和外交を推進しておることは、御承知の通りであります。この意味において、昨年来、東西両陣営の首脳者会談の機会が設けられ、東西間の問題を話し合いによって解決しようという機運が動いてきておることは、私は非常に望ましいことであると思います。しかし、問題は、東西間の懸案というものを話し合いで解決しようという機運が動いておりますけれども、その解決が行なわれて、真の雪解けがきておるわけではないことも、現在の国際情勢としてはっきりと認識しなければならないのでございます。こういう際におきまして、われわれ自由主義の立場を堅持しておる国々が十分に理解と協力の関係を強めて……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第7号(1960/03/15、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 当時は商工大臣をいたしておりました。
【次の発言】 商工大臣として、詔書に当日署名をいたしました。
【次の発言】 八日だと思います。
【次の発言】 今のお話のうちには、ずいぶん事実に反していることがあります。たとえば、私が三国同盟を推進したということをお話しになっておりますが、三国同盟ができたときは、私が大臣をしておるときではございません。私はそういうことに関係しておったことは何らないのであります。これは事実に反しております。その当時の国際情勢と今日の国際情勢というものを冷静に判断なさるならば、全然事情が違っているものを持ってきてこれを説明されようとするのでありまして、私としては……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第8号(1960/03/16、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 御意見のありましたように、世界の人類がおそれておる世界的な戦争を、いかなることがあっても抑止して、そうして世界の平和を作り上げなければならないということは、これは私は、現在の政治家の最も大きな課題であり、また、それに向かって献身的努力をするのが政治家の務めであると考えております。問題は、どうしてその平和を達成し、そうした戦争を未然に防止することができるかという、このことについて、いろいろとその国が置かれておる客観的な情勢や国際的な全般の態勢、国際情勢というものを考えて、そうして自国の安全をはかると同時に、世界の平和を達成することに全幅の努力をすべきものである、こう考えております。

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第9号(1960/03/22、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 三木君が私に進言をしましたことは、大体新聞紙が報じておるところと同様な進言をしたことは事実であります。これに対して私が直ちに賛意を表して云々という点は、事実が違っておるのであります。三木君のそういうことを言っておる趣旨として、極東の観念がそもそもばく然とした観念であるということは、これはわれわれが従来の政府の答弁におきましても、時々申しておるのであります。たとえば、東経何度から北緯何度までと言うようなことはできぬとか、あるいは地図にそれを書き込めと言われた場合に、そういうものじゃないのだということを申し上げたなににおきましても、そういう点であります。従って、それが抽象的な観念であ……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第10号(1960/03/25、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 今おあげになりました外務省案については、外務大臣からお答えした通りであります。  また、補足説明に関する私と幹事長以下が話し合って結論が出た、そういうものをまとめたというような事実はございません。これは何かの新聞の間違った報道だろう、そういう事実はございません。ただ、自民党内において、その問題について将来質問者の質問とか、あるいはその場合の答弁の内容等につきまして研究をしているということを私承っておりますけれども、そういうふうな、政府と党との間において打ち合わせをし、補足説明としての案のきまったというものはございません。

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第11号(1960/04/01、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 前会、横路委員の、金門、馬祖が新条約の極東の範囲に入るか入らないかという御質問に対し、私が「そういうことをここで論議することは、適当でないと思うわけであります……。」とお答えをしたことが、国会を軽視する発言であるかのようにとられましたが、私は、国会がこの問題を論議するのを不適当と認めるというような意味で申し上げたのでは毛頭ないのでありまして、政府の見解として、特定の島嶼が極東に含まれるか、含まれないかということを端的に表明することは適当ではないと考える旨を申し上げたつもりであったのであります。あるいは私の言葉が足りなかったためか、誤解を生じたといたしますれば、残念に存じますが、私……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第12号(1960/04/05、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 現行憲法が平和主義を基本の考え方としており、前文の意思を受けて九条ができておるということも大貫委員のお考えの通りであります。しかし、九条一項が、独立国として、いわゆる自衛権を持っておるかどうかという問題に関しましては、こういう九条の一項の規定は、独立国として当然持つところの自衛権というものを否認しておるものではないという考えを私どもは持っておるわけであります。従って、自衛権とは、他から不法に武力行使によって侵略されるという場合において、実力を行使してこれを排除するということを否定しておるものではない、かように解釈いたしております。

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第13号(1960/04/06、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 現行の安保条約は御承知の通り内乱の場合に日本国が要請すれば、駐留軍が出動してこれの鎖圧に当たるということになっております。そういうふうに駐留軍が現実に武力を行使するという場合は、五条に今回はっきり書いておるわけでございます。他国から、外国から武力攻撃を受けた場合にだけするわけであります。四条は協議でございます。四条の協議において単純な内乱は、先ほど来外務大臣が言っているように、これはもうわれわれは協議する考えはございませんが、今日の国際情勢から申しますと、いろいろな各地における事態は、直接侵略、直接に武力攻撃を加えることによって他国を侵略する場合と、いわゆる間接侵略として他の外国……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第15号(1960/04/08、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 私が、この条約の審議にあたって、十分にこれの審議を尽くして国民の理解を深めるようにいたしたいということは、重ねて申し上げております。従って、私は、質疑応答を通じて、政府、野党の見解を十分に国民に理解してもらう、そして、政府としては国民の多数の理解の上に立った支持によって本条約の御承認を得たい、こういう心組みで審議にあたっておるわけでございます。
【次の発言】 前提として、国際情勢の判断の上において、穗積君と私とは非常に異なるのであります。現実も違っておると思います。この安保条約の安保体制の問題に対して、これが国連憲章に従う防衛的のものであるという前提は、われわれがかたく信じてそう……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第16号(1960/04/11、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 十分審議を尽くすということを従来申し上げておりますし、御質問に対しましては真剣にお答え申し上げます。
【次の発言】 現在も御承知の通り安保条約というものはありまして、これによって、日米の協力のもとに日本の安全が保障されておるわけであります。従って、いわゆる安全保障条約体制を初めて作るか作らないかという問題でありますと、緊急性とか、あるいは、何か一つの国際情勢からそういう安保体制を作る必要があるかどうかということが論ぜられなければならぬことは、言うを待たないのでありますが、今回の安保条約は、この現在あります安保条約が成立の最初から、国民の間に論議され、国会におきましても議論されてお……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第17号(1960/04/13、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 私は、しばしば申し上げておるように、この安保条約の国会における承認の問題に関しましては、十分審議を通じて政府の所信を明らかにし、国民の納得と理解の上に立つところの支持によって、これが通過を期しておるということを申し上げております。私の考えは、終始その通りでございます。そうして、今おあげになりました点に関しましては、極東の範囲については、われわれは統一見解を述べております。統一見解においてわれわれが申し上げておることが、われわれの考えであります。また、事前協議の問題に関しましては、しばしばわれわれは、事前協議の対象になる問題については、日本がこれを拒否することのできる問題と、拒否し……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第18号(1960/04/14、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 私は、審議を通じて常に申しておることであり、また、私自身がそういう信念に基づいて実は審議に当たっておるわけでございます。言うまでもなく、この国会を通じて、重要なこの安保条約に対する各種の疑問なり、あるいは意見の相違というようなものに対しまして、政府の所信を明らかにして、国民の理解と支持によって、このわれわれが提出しておる条約の御承認を得たい、それについては、全力をあげて従来通り努力するつもりでございます。もちろん、こうした条約、特に日本にとっては、日本の安全保障の問題でございますし、また、アメリカ側から申しましても、今度の条約において、アメリカが日本を防衛するところの義務を明確に……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第19号(1960/04/15、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 内閣調査室におきましては、全体的に、国際事情の各種の事情については調査をいたしておりますが、おあげになりましたような点に関して、特別の調査をしておることは、私承知いたしておりません。
【次の発言】 今日、われわれがいろんな政策を立て、政策を遂行していく上におきまして、国内、国際情勢をできるだけ正確に把握するということは、これは私は、国政の衝に当たる上からいえば、当然必要なことだと思います。今具体的におあげになりましたような事実につきましては、私は承知いたしておりませんが、一般的に国際の情勢なりあるいは国内外の情勢について、できるだけ詳細に事情を明らかにすることは、国政の運用をして……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第20号(1960/04/19、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 事前協議としては、先ほど来外務大臣がお答えをしておりますように、明確に日本に核兵器を持ってくる、そのなには、核弾頭やミサイル等を含んでおることは先ほど来申し上げておる通りであります。それを持ち込むことが、事前協議の対象になるわけであります。一般の戦略の問題、一般の装備の問題等について、現在においていろいろと協議をする、その協議の対象になることは当然でございますが、事前協議としては、先ほど来お答え申しておるような事態に対して事前に協議する、こういう意味でございます。
【次の発言】 私は、この論議は、いわゆる自衛権の本質というものは、日本の侵略を排除すべきものであって、原則として日本……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第21号(1960/04/20、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 私は、別に昨日特に記者会見をして私の見解を述べたわけではないのでありまして、昨夜はネパール皇帝の宮中における招宴がありましておそく帰ったわけでありますが、それに対して新聞社の諸君が、こういう報道があるといって、今朝の新聞に出ておるような事実を述べて、総理正はどう考えますかという話であったわけであります。私は、事情がわからないし、最近大統領選挙に関連して、相当に韓国内において不安な状態があるような情報は聞いている、それがどういうふうに進行してきたか、また、それがどういうふうに勃発したかということは、もう少し事情を十分確かめないと自分はわからない、従って、これに対する見解を述べること……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第23号(1960/04/26、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 もちろん、私は、一面政府の首脳であると同時に、自由民主党の総裁でございます。しかし、御承知のように、党の運営につきましては、それぞれ機関が設けてありまして、その議に従ってすべての行動がとられております。国会における運営は、それぞれの機構におきまして党議をきめた上において、党が行動するわけでありまして、私は、その党議に従ってすべて行動するという考えで、党の運営には当たっております。従って、党の最高機関であるところの議員総会その他におきましてきまりました事柄が実現されるように、党員とともに努力するということは、総裁として当然のことである、かように思っております。今御質問のありました点……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第24号(1960/04/27、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 事実は、全く岡田君の言われるのと違っております。先ほど来、事前協議の問題に関しては、外務大臣が申し上げたような経緯でいっております。  それから事前協議というこの共同声明の案につきましても、私ども、いわゆるこの事前協議事項というものについてイエスが言えるか、ノーが言えるか、また、イエス、ノーについて日本の意思を尊重する、それに反した行動はしない。先ほど外務大臣がお答え申し上げましたように、この事前協議というものの解釈を、従来日米の交渉の途上において、責任ある日本国の代表とアメリカ政府の代表との間において、解釈上の意見が一致しておる。その点を、共同声明の上において明らかにするという……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第25号(1960/04/28、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 今次の開会されております国会において、ぜひ御承認を得て、そして批准を交換したい、かように考えております。
【次の発言】 別に約束はございません。私の考えは、先ほど申し上げましたように、今次の国会において御承認を得るという考えのもとに調印をいたしております。
【次の発言】 もちろん、これは民主政治でございますから、われわれ民主的な政党として世論に対しましては十分な関心を持ち、注意をいたしております。私は、新聞の世論調査を全然無視するものではもちろんございません。しかし、これをもって日本の全部の世論とは、私考えておりません。われわれも、それぞれの方法によりまして、国民に直接接触して、……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第26号(1960/05/02、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 戦争がどういうふうな形態で起こるかということは、理論的にはいろいろな場合があるかと思いますが、国際情勢の動向、また、軍事科学の進歩により、核兵器の発達によりまして、全面戦争の危険ということは非常に少なくなっておる。絶無だということをここで断言することは不可能かもしれませんが、非常にその危険はなくなっておるという見方を私はいたしております。
【次の発言】 委員会につきましては、この条約が批准される、その際には、当然提案してあります一連の交換公文が効力を発生するわけでございまして、今の委員会はすぐそれで発足する。ただ、その委員会のもとにさらにどういう下部の機構を作るかとか、あるいはそ……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第27号(1960/05/03、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 安保審議の最初から私が繰り返し申し上げておりますように、この条約は、言うまでもなく、防衛的なものでありまして、他から武力侵略がない限りは発動をしない。しかしながら、武力侵略があった場合においては、当然の自衛権の発動としてこれを排除する、こういうことを日米の間に両国の相互信頼の上に立ってわれわれが結ぼうとするものであります。この体制の基本は現在あるところの安保体制そのものを合理化することにほかならないのであります。こういう条約は、言うまでもなく、これが戦争を防止することに役立つものであり、また、それが現実の国際情勢における各地における相互安全保障条約機構その他が実際に役立っておるこ……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第28号(1960/05/04、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 解散の問題に関しましては、先日来同じような御質問がございまして、私は、これに対して、現在のところ解散する意思は持っていないということをはっきり申し上げております。
【次の発言】 私はそういうことを考えておりません。
【次の発言】 別に、この条約を通すということ、アイクの訪日ということは、関係のないことでございまして、私は最初から申しているように、十分一つ審議を尽くして、そしてこれが御承認を求めるという態度を根本的にとります。ただ、国会における審議がどういうふうに尽くされ、どういうふうに十分であるかどうかというようなことは、国会自身がおきめになることだと思います。

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第29号(1960/05/06、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 これは現行条約の制定の際にいろいろ議論され、その後におきましても議論されておることでございます。現行法のもとにおいても、アメリカがそれでは全然義務を負わず、日本防衛をしない、また、そういう危険があった場合においても、そういうことができるかというならば、この条約の精神からいっては、やはり実質的にアメリカとしては、日本が脅かされた場合においては、これを守るということを規定しているのだという意味のことを、従来制定の際以来説明をしてきております。しかしながら、それが条約上、規定上に明定されておらなかったという点だけは、これは事実でありまして、従って、今石橋君の御指摘のあるように、また、従……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第30号(1960/05/07、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 基本方針についてこれを変えるか変えないかという御質問でございますが、われわれは基本方針を変えるつもりはございません。
【次の発言】 それは、基本方針のわれわれが考えておることはその通りではないと思います。第一次防衛計画ができ上がれば全部引くのだというようなことを私は申し上げておるわけでもなければ、基本方針がそういうわけではございません。われわれの自衛力の増強とにらみ合わせて、なるべく米軍というものをだんだん削減していって、その究極においては撤退してもらうということか基本方針でございます。
【次の発言】 先ほど来防衛庁長官も、私も従来もお答え申し上げておるのでありますが、今お話しの……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第31号(1960/05/09、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 もちろん、この行政協定やあるいは合同委員会等において取りきめたことに違反する事実があるならば、これに従うように日本としてアメリカ側に要求することは、これは当然だろうと思います。藤沢の実際の問題に関しましては、当時いろいろな御議論もございましたが、そういう場合に、警察権の行使だとか何か権力的ななにということでなしに、事実上、いろいろな危険であるとか、あるいは混雑を防ぐとかいうような意味において、近寄らないようにしてくれといって制止するとかいうようなことをもって、直ちに何か権限の行使だとか、この違反だというように認定することは、これは適当でない。そういう事実があれば、もちろん、抗議す……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第32号(1960/05/10、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 アメリカの世論は冷静であるということは、私も大体において認めます。問題は、日米間の関係がこの数年間非常に改善されて、また、日本の国力及び国際的地位が上がったことに対する――日本のそういう評価並びにこれに基づくところの日本に対する信頼感というものが非常に深まってきております。従って、この条約を、できるだけ日本の国及び日本国民の要望にかなうように改善していこうという根本につきましては、十分に政府並びに国会等の関係においても了解されておることであり、一般の世論も、そういう点において、私は、今度の改正に対しての真意というものの理解がよくいっておる、かように考えております。  また、今お話……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第33号(1960/05/11、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 私の記憶が間違っておれば訂正しますけれども、松尾委員はおそらく最初からこの委員会にお出になっておるのではなくて、私自身が、この委員会で、終始この審議に対する態度を繰り返し繰り返し申し上げる事柄を、御理解いただけておらないことを非常に遺憾に存じますが、私は、あくまでもこの条約の審議については、慎重審議いたしまして、十分に政府の所信をこの国会を通じて国民の前に明らかにし、そうして国民の理解と支持のもとに、この条約の御承認を得るように、全力を尽くして努力するということを終始申し上げております。その考えが、今日もなお私の考えでございまして、それにつけ加えて申し上げることはないと思います。

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第34号(1960/05/12、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 この安保条約が――現在ある安保条約も、また改定をいたします安保条約も、平和目的のものであり、防衛的のものであるということは、あらゆる機会におきまして、また質疑応答を通じて、国民の前に政府の考えをはっきりと申し上げております。特に、今度の改正の条約と国連憲章との関係を明らかにするとか、あるいは事前協議制を設けて、従来米軍の行動というものが野放図であったのに対して、国民の意思によりまして、政府が代表してこれに抑制を加える道を講じたというようなこと、あるいは条約区域というものを、施政下にある領域内に限るというような限定をした等、その趣旨を明らかにいたしておりますが、しかし、さらにこれを……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第35号(1960/05/17、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 アメリカ政府が日本に対してのハーター国務長官の回答や声明というものは、従来からの、日本に対するU2に関する昨年来の説明と異なっておらない、一貫したものを述べておりますが、ソ連におけるU2機の事件に関しまして、ワシントンにおける声明やその他のものを新聞紙上において見ますると、必ずしもそれが一貫しておらないことも明瞭でございます。それから今日の国際情勢において、お互いに、いろいろな対立した東西両陣営の間における各種の情報を収集し、情報をそれぞれの側において集めておるということも、これは事実であろうと思います。しかし、そうだからといって、これが国際法の原則やその他に違反した方法によって……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第36号(1960/05/18、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 今門司委員のお話の中に、黒いジェット機があるいは情報活動をしておるのではないかという疑念がある。しかし、それはいかなる音意味においても、かりにその疑念があめりとしましても、われわれが問題にしておるいわゆる作戦行動というものと情報活動というものを一緒にするわけにはいかぬと思います。これははっきりしておかなければならぬ問題だと思います。  第二に、御質問の本体である、とにかくいろいろな疑惑があり懸念もあるのだから、そういう飛行機を日本に置いてもらいたくない。日本から撤去してもらいたいという抗議をしたらいいじゃないかというお話でございます。この点に関しては、私しばしばお答え申し上げてい……

第34回国会 日米安全保障条約等特別委員会 第37号(1960/05/19、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 先ほどから各担当の政府委員並びに防衛庁長官からお答えを申し上げておりますように、私は、行政協定やあるいは現行の安保条約に違反しておる事実とは認めません。そういうことが勝手に行なわれておるような事情が望ましいかどうかということについては、別に検討を要する点があると思いますけれども……。また、東富士及び北富士の問題につきましては、返還の正式の決定をまだ見ないということのために、いろいろ御質問のような御意見も出るのだろうと思いますが、私どもは、条約、協定違反だ、こういうふうには考えておりません。

第34回国会 予算委員会 第2号(1960/02/05、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 申し上げるまでもなく、今回の新しい安保条約は、御指摘のように、現在ある安保条約の不備を、国民の感情に基づいて、われわれの多年の要望を実現しようとするものであります。そうして、その前提は、御指摘にありましたように、あくまでも国連憲章の精神を前提としておるものであります。条約にも各所にその旨を明らかにいたしておりますが、言うまでもなく、今の国際の情勢は、あらゆる場合に国際紛争を平和的手段で解決する、力を用いず、武力を用いずに解決するということが国連の精神であり、またそれを今回の安保条約も大きく取り上げておるわけであります。ただ国連憲章五十一条にもありますように、いろいろな国際の現状か……

第34回国会 予算委員会 第3号(1960/02/06、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 何かの誤解であろうと思いますが、私は総理大臣として、予算の編成の全体について全責任を持ってやっておるわけでありまして、もちろん具体的の問題につきましては、大蔵大臣がいろいろな折衝をしますけれども、全体として私は責任を負うておるつもりでおります。
【次の発言】 安全保障条約の真の目的は、侵略なりそういう不当の事態を生ぜしめない予防的な意味が、われわれのねらっておる真意であります。従って侵略の事実を未然に防ぐというためには、私は有事駐留というような形は望ましくない、かように思っております。
【次の発言】 この条約及び交換公文において、一定の事項を事前協議ということの主題にするというこ……

第34回国会 予算委員会 第4号(1960/02/08、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 御承知の通り、今日核兵器を持って対抗した形にあるものは、米ソを中心として、さらにイギリスその他の国がこれに参加しておる。今核兵器の発達の現段階におきまして、これがもしも使用されるということになれば、人類の破滅である、これを何とかして防止しなければいかぬ。それには、一つは東西間の問題を解決するのに、力によらず、話し合いで解決するという機運を醸成し、あくまでも国連を中心とし、あるいはその他の方法において話し合いの機運を醸成する。並びに核兵器そのものに対して、われわれは従来も強い主張をしてきておるのでありますが、これを含む軍縮を実現せしめるという方向に向かって、われわれは努力していく必……

第34回国会 予算委員会 第5号(1960/02/09、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 安保条約の改定の問題につきましては、しばしば国会において私はその本旨を述べておるのでありまして、今日の国際情勢の現実に即して日本の安全と繁栄をはかるために安保体制というものは必要であります。これを合理的に改正するということは国民の多年の念願でありますから、それに基づいてわれわれは改正しようとしておるものでありまして、決してある特定の国を敵視するものではないことは言うを待たないのであります。また、先ほど来の御質問でいろいろと防衛庁長官からもお答え申し上げましたように、わが国は従来国力と国情に応じて自衛力を強化していくという方針を貫いてきております。本年度の予算におきましても、われわ……

第34回国会 予算委員会 第6号(1960/02/10、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 今お読みになりましたように、私も本会議でお答えをいたしておりますように、極東という地域的な名称、観念については、フィリピン以北、日本周辺をいうということは、ずっと政府はそういうことを申してきておるわけであります。具体的にしからば中国大陸が入るか沿海州が入るかというようなことにつきましては、私従来そういう質問を受けたことはございませんので明確に申したことはございません。しかし、横路委員の御質問が非常に具体的であって、その点を明らかにしろということでございましたので、せんだってそういう解釈を申し上げたわけであります。従来外務大臣の答弁のうちにおきまして、地理的の観念として極東というの……

第34回国会 予算委員会 第7号(1960/02/11、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 しばしばお答え申し上げました通り、事前協議の主題とするという交換公文、それは条約と同じ効力を持っておるのでありますが、その解釈として事前協議にかかった事項において日本が自主的立場から拒否することはできるのでありまして、拒否した場合においてアメリカ側がこれに反した行動をとらないというのが、この交換公文の事前協議ということの意義であります。そのことは交渉の過程においても両国の間において了解されておったことでありますが、さらに私が米国に参りました際に、大統領もこのことに触れまして、事前協議の事項については、アメリカ政府は日本政府の意思に反して行動する意図はないということを明瞭に確認した……

第34回国会 予算委員会 第10号(1960/02/15、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 先般の審議においてお答え申し上げておるように、安保条約とMSA協定の内容というものには直接の関連性はない、私はこう解釈すべきものであると思います。
【次の発言】 私が申し上げましたことは、MSA協定によっていろいろな権利義務というものがありますけれども、それと安保条約というものとの関係、権利義務との関係について直接の関係がないということを申し上げたのでございます。もちろんMSA協定が現行の安保条約というものに基づいて出てきておる協定であるという関係におきまして、従来の現行の安保条約に基づいて出てきている関係を、今度の新安保条約に基づいてMSA協定が効力を持つという関係に読みかえて……

第34回国会 予算委員会 第11号(1960/02/16、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 今回の補正を出しましたのは、災害関係と、それから法律その他によりまして義務的な支出に関するものであります。財源の見通しがつけば三十四年度に補正することが適当なものにつきましてやったわけでございまして、今申すように、政策的な意味でやっているのじゃなしに、法律上の義務としてやるべきものについて補正をいたしておるわけでございます。
【次の発言】 先ほども申し上げましたように、今回追加いたしましたものは、災害以外のものにつきましても、すでにその補正をすべき事実が発生をいたしておりまして、また法律上それを追加すべき必要があるものでございまして、決して今御指摘になったように三十五年度に支出す……

第34回国会 予算委員会 第14号(1960/02/22、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 記者会見におきましては、主として問題になったことは、いわゆる条約の修正権の問題でございます。それで私の申しましたのは、法律、条約あるいは予算というようなものに対して、国会の審議、修正というものはやはりその本来の性質からくる相違がある。条約については相手方のあることであるから、これは国会の修正の希望であるとかあるいは修正をしろというような意味の意見が出ることは当然だけれども、法律のような修正はできない。また予算については政府が提案権を持っておるのであるから、予算の修正ということに対してもおのずからある種の限度があるというふうに思う。新しい款、項というようなものをつけ加えるような増額……

第34回国会 予算委員会 第16号(1960/02/29、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 日米が協力して日本及び極東の安全と平和を守るというこの体制は、現在の安保条約の基本的精神であります。この安保条約の改定、新条約の締結の意義も、現行の安保条約と基本においては少しも変わっておらないのであります。すなわち、国連憲章の精神にのっとって、日本を中心とし、これに不可分の関係のある極東に対して、他から不当に武力的な攻撃が加えられたときにおいてのみ発動するという、純粋の防衛的のものでありまして、要は、日本及び極東の安全を維持し、他からの不当な侵略を未然に防ぐことによって、アジアの平和はもちろん、世界の平和に資するという根本の理念に立っておるわけでありまして、その点は現行の安保条……

第34回国会 予算委員会 第17号(1960/03/01、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 私は、あの演説をお聞き下さればわかるように、気脈を通じているということを申した覚、えはございません。私の申し上げたことは、私は、共産党といえども、あるいはこれに反対する人といえども、日本国民としてその主張をされておることであることを信じておる。しかし非常に奇異な惑を抱くことは、これらの反対理由と中ソ両国が内政干渉的な言動として主張しておることが非常に一致しておることは、私としては非常に遺憾に考えるということを申した。それは事実がそうでございますから、その通り申しただけでございまして、気脈を通ずるという言葉は私は申しておりません。

第34回国会 予算委員会 第18号(1960/03/02、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 予算を編成して国会に提出して、その御承認を求めるということは政府の大きな責任でございます。しこうしてその予算編成の問題が今申すような政府の重大な責任であります以上、総理としてこの問題に対して、お話のように必要がある場合において裁断を下すということは、当然首相に課せられておるところの責任である、かように考えております。
【次の発言】 今回の予算編成につきまして、いろいろ御批評のようでございますが、予算の規模につきまして、最初にわれわれがこの日本の経済の見通しをつけ、将来の安定的成長を考える意味において、規模において、最初に決定した規模というものはこれは動かしておりません。また重要項……


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第30回国会 地方行政委員会法務委員会社会労働委員会連合審査会 第1号(1958/10/31、28期、自由民主党)【政府役職】

○岸国務大臣 基本的人権が尊重されなければならぬ。これは民主主義の基礎でもあり、現行憲法の最も大事なことであることは言うを待ちません。しかし基本的人権というものを個々に考えますと、要するにわれわれが社会生活をし、多数の者が社会を形成していくときにおいては、いわゆる基本的人権というものは、社会を構成しておるすべての人が平等に保護されていかなければならぬことは言うを待たないのであります。そういう意味において、個々の基本的人権なりあるいは自由というものが、やはり全体の社会を構成しておるすべての人々の基本的人権やあるいは自由というものを侵してはならないという意味において、私はこの十二条の公共の福祉とい……



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データ更新日:2023/02/05

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