このページでは山口富男衆議院議員の42期(2000/06/25〜)における国会発言(質問、答弁等)をまとめています。国会活動の統計や役職、質問主意書の数や内容は42期国会活動統計で確認できます。
○山口富男君 日本共産党を代表して、船舶検査法案について質問いたします。 本法案は、アメリカがアジアで起こす紛争、いわゆる周辺事態で、経済制裁の厳格な実施を理由に、国連安保理決議がなくても自衛隊がアメリカの経済制裁のための臨検に参加し、協力できるようにするものであります。 まずお聞きしたいのは、自衛隊の船舶検査活動を可能とする法律をつくる動機は何かという点であります。 九四年、アメリカは、いわゆる北朝鮮の核疑惑の際、北朝鮮に対する経済制裁を実施しました。そして、経済制裁を実効あらしめることを口実に、多国籍軍による軍事制裁を模索し、我が国に対し、軍事制裁への協力を要求してまいりました。これ……
○山口富男君 日本共産党を代表して、日米、日ロ両首脳会談について、森総理に質問いたします。(拍手) 質問に先立って、二十四日、中国・四国地方などを襲った芸予地震によって亡くなられた方々に心からお悔やみを申し上げるとともに、被災された皆様に対し心からお見舞いを申し上げます。 また、災害救助法を速やかに適用し、個人宅地の擁壁、私道、住宅の補修への特別の支援措置など、被災者支援と災害の早期復旧に全力を挙げることを関係機関に求めるものです。 総理、私たちは、与党向けには事実上の退陣表明を行い、国の内外で政権担当能力を失っているあなたが首脳会談に臨むことを、無責任のきわみであり、国民の利益を損なう……
○山口富男君 日本共産党を代表して、小泉総理に質問いたします。(拍手) 今回のAPEC首脳会議は、テロ対策に関する首脳声明で、同時多発テロ事件を厳しく批判しました。その一方で、米国などのアフガニスタン軍事攻撃に対して、マレーシアのマハティール首相が、支持できないと述べ、インドネシアのメガワティ大統領も、無辜の人々への攻撃に強い懸念を表明しました。また、ASEAN諸国も、軍事攻撃の中止を求める声明を出す議論をしていると伝えられています。軍事攻撃が始まって約一カ月、戦争が報復の色を濃くし、泥沼化してきているからにほかなりません。 米軍などによる空爆は病院や住宅地にまで広がり、病院への爆撃では、……
○山口富男君 私は、日本共産党を代表して、小泉総理に質問いたします。(拍手) まず、暮らしと経済の深刻な現状についてです。 大規模な解雇、リストラの横行しているもとで、失業率は五・五%と統計史上最悪の状態です。しかも、収入が減っているために、国民は消費を抑えなければならず、暮らしの冷え込みと生活状態の悪化は極めて深刻な事態となっています。中小企業の倒産、廃業も高水準であり、今では、企業生産そのものが全体として縮小の傾向にあります。さらに、経済状態を映し出す株価も、連続的な下落と低迷を続けています。 先月発表された経済財政白書は、景気回復が進まない大きな原因に、九八年以降、消費がふえなかっ……
○山口富男君 日本共産党を代表して、労働基準法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問いたします。(拍手) まず、労働基準法の基本理念についてです。 労働基準法は、国民の生存権をうたった憲法が第二十七条で、「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める。」としたことに基づくものです。 一九四五年まで、我が国の労働者は、劣悪な労働条件と低賃金、世界に類のない長期労働契約など、「女工哀史」にも示されたような厳しい状態を強いられてきました。こうした歴史を踏まえて、憲法は、労使関係の契約自由の原則を修正し、国が労働条件などの基準を積極的に提示することによ……
○山口(富)委員 私、日本共産党の山口富男でございます。 初めに速水総裁にお伺いしたいのです。 今月の三日に開かれました日本銀行金融研究所主催の第九回国際コンファランスにおける総裁の開会あいさつというのがございます。この中で総裁は、一九八〇年代のバブル期の金融政策を振り返って、「金融政策は、当時のバブル生成の必要条件であり、金融政策には明らかに何がしか責任があったことは否めない。」こうおっしゃいました。そして「私が重要であったと思うのは、」このように前置きをされまして、「景気回復が明確化した一九八八年夏以降も、低金利を比較的長く維持し、こうした低金利が永続するとの期待を根づかせた」こと、こ……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 沖縄サミットとそのさなかに開かれました日米首脳会談をめぐっては、河野外務大臣もよく御存じのように、実にたくさんの論評が出てまいりました。その中で共通に指摘された問題の一つは、基地問題の解決に進展がなかった、こういう論評だったと思います。 例えば、サミット開催地の琉球新報の社説は、これは七月二十三日ですけれども、このように述べております。「日米首脳会談・整理縮小の道筋見えず」、こう題しまして、「日米首脳会談は、結論から言えば、過重な基地負担解消への新しい道筋は見えず、肩すかしを食ったというのが大方の県民の率直な感想であろう。」そしてこの社……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 金融再生委員会の報告書が提出されて二カ月になりますけれども、この間、大正生命、千代田生命、協栄生命と、生命保険会社の破綻が相次いで、国民の不安を広げております。今、生保の破綻問題に対して金融行政がどう対応するか、鋭く問われておりますので、まず初めに私、この問題から質問させていただきたいと思います。 きょうの質疑で相沢金融担当大臣は、千代田生命についてこういうふうにお述べになりました。その債務超過額と責任準備金の額を見ると、生命保険契約者保護機構の方からの財源はそれほど必要はない、こういう趣旨の答弁だったと思います。 しかし、千代田生命……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 私は、日本共産党を代表して、森総理に、あなたの政権と政治の七カ月について、総決算的にお伺いしたいと思います。 総理も御承知のように、今やどの世論調査をとってみても、七割から八割の方々があなたを支持していない、支持しない、このように表明しています。もともと低かった支持率が、今下がり続けて、とうとう一〇%台です。森政権は、私、完全に世論から見放されていると思います。今や、だれが見ても、だれが考えても、もうもたない内閣ということではないでしょうか。 そこで、初めに、森総理、あなた自身が今政権への支持がなぜこんなに低いものになっていると考えて……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 私は、内閣官房報償費、いわゆる官房機密費についてこれからお尋ねしてまいりたいと思います。 我が党の志位和夫委員長は、九日の予算委員会で、八九年五月、竹下内閣から宇野内閣へ政権が移行する時期に作成されたと見られます「報償費について」と題する官房機密費についての引き継ぎ文書を委員会に提出いたしました。そして、極めて重大なこの内容について、当日、森総理、福田官房長官を初めとして、政府に見解をただしました。 この中には、まず「官房長官が取り扱う報償費は、予算上、内閣官房と外務省に計上されており、形式的には外務省計上分を内閣官房に交付する形をと……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 私は、今国会に課せられた仕事の問題なんですけれども、今度の国会は冒頭から、KSDの汚職、機密費の疑惑、それから米原潜による水産高校の実習船の沈没事件、こういうものが相次ぎまして、本当に冒頭から徹底的に究明すべき問題、それに遭遇している国会だと思うのです。このいずれもが、政治倫理の問題でも、国民の命と暮らしや予算にかかわる重大な問題になっているのですけれども、その際に、どの問題をとっても、森総理御自身の政治姿勢と資質が問われ続けてきたように思うのです。 本日は、KSD汚職とさまざまな疑惑をめぐって、村上正邦前自民党参院議員会長が議員を辞職……
○山口(富)委員 私は、日本共産党を代表して、政府予算案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に賛成、政府予算三案に対し反対の討論を行います。 今国会では、KSD疑惑、機密費流用問題を初め、予算審議上、徹底的に究明すべき国政上の大問題が相次いでまいりました。 機密費疑惑は、外務省から内閣官房への上納という財政法違反の疑いや、与野党議員に対するせんべつ、国会対策費という税金の党略的流用を問題の核心としたもので、国民は、予算に直接かかわる問題として、その全容の究明を求めております。KSD疑惑は、村上前参議院議員の逮捕で新しい展開を見せ、予算委員会での徹底審議はこれからと言わねばなりません。しか……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 十一日にアメリカで起きました同時多発テロは、多数の市民のとうとい命を奪った憎むべき犯罪であり、絶対に許すことのできない蛮行だと考えます。この点で、犠牲となられた方々、また負傷された方、御家族や関係者の皆さんに、改めて哀悼の意とお見舞いを申し上げたいと思います。 今回の事件では邦人も大きな被害を受けたわけですけれども、世界貿易センタービルに働く方々を初めとして、今も安否の確認のできない方がいらっしゃいます。そこで、まず初めに、安否の確認や入院されている方、それから邦人の被害状況、そして政府がどういう対策をとっているのか、最新の報告を求めた……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 昨日、ASEANそれからプラス3の首脳会談や一連の会合が終わったわけですけれども、ASEANの議長声明を読んでみますと、テロの問題でもアジアの経済の問題でも、大変多面的な討論がなされたというふうに考えることができると思うんです。 それで、お尋ねしたいんですが、小泉総理がこの会議に出かけるに当たって、自衛隊派遣について十分な理解と協力が得られると思っているというふうに語っていらっしゃいました。そして、昨日、会議が終了した後の会見でも、各国から理解を得られたというふうに述べているようですけれども、これに参加したのは外務省の場合はアジア大洋州……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。
私は、条約等の質問に入る前に、昨日の安全保障会議で、自衛艦のインド洋に至る海域への派遣決定がなされておりますので、これにかかわって幾つかお尋ねしておきたいと思います。
政府の発表された文書によりますと、今度の派遣について、テロ対策特別措置法に基づく対応措置の円滑な実施等に資する観点から情報収集を行わせるというふうになっておりますが、これはいつまでに何を情報収集しようということなのか、説明願いたいと思います。
【次の発言】 そうしますと、今の説明ですと、国際情勢に関する問題もどうもこの中に含まれるようですが、この安全保障会議が了承した文書……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。
一昨日、防衛庁は、補給艦「はまな」が米海軍艦艇への洋上補給を行ったということを発表いたしました。そして昨日は、その際の写真を公開いたしました。それで、戦時下の協力支援活動というものがどういう形で行われているのかということは、政府の立場からいっても当然吟味されるべき重大な問題だと思うんです。
そこで、幾つか防衛庁にお尋ねしたいんですが、昨日、二枚の写真が公表、公開されておりますけれども、ここに写っている補給先艦はどういうタイプの艦艇なんですか。
【次の発言】 そうしますと、これまで海上自衛隊は米軍艦船の補給艦に洋上補給をしたことがあるんで……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 今提出されております特別措置法案なんですが、これは、戦後初めて戦争支援のために自衛隊を海外に送り出す、こういう中身になっております。それだけに、憲法の平和原則にかかわる極めて深刻な内容や問題を持つと思うのですけれども、私は、きょうはこの法案の問題点について、政府側からいろいろ説明もしていただいて、ただしていきたいというふうに思っております。 今度の法案なんですけれども、目的の第一条のところで、九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃、テロ攻撃、これによってもたらされている脅威の除去に努めている、こういう活動に対して……
○山口(富)委員 私は、日本共産党を代表して、テロ対策特別措置法案、自衛隊法改正案に反対、海上保安庁法改正案に賛成の討論を行います。 特措法案は、戦後初めて、現に起きている戦争に自衛隊が参加し、他国領土に出動するものであり、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と定めた憲法の平和原則に根本的に反するものです。 米軍等への自衛隊の軍事協力は、地理的にも何らの限定がなく、また、米軍がいかなる戦闘作戦行動をとるかという面でも限定がありません。結果として、米軍等の軍事攻撃に自衛隊が白紙委任的に参加することになることは明白です。 自衛隊の行う輸送……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。
このテロリストによる爆弾使用の防止に関する国際条約なんですけれども、これは、国際社会が随分苦労してつくってまいりましたテロ防止の関連十二条約の一つです。
そこで、外務大臣にまずお尋ねしたいんですけれども、これは、テロ犯罪と闘う上でどういう力を持つことになるんでしょうか。
【次の発言】 今お話がありましたけれども、テロ犯罪者を、それがどこにいようがきちんと国際社会として裁いていく、そのことを確認した大事なものになると思うんです。
それで、この十二条約というのは、犯罪行為のそれぞれに対応したものなんですけれども、全体として、このテロの犯罪……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 昨日、新たに三隻の自衛艦がインド洋に向けて派遣されたわけですけれども、私ども日本共産党は、テロ特措法の発動にも、そして自衛艦の派遣にも、これはやはり日本の憲法の平和原則を踏みにじりますから、反対の立場です。 政府は、テロ特措法に基づいて、自衛隊の活動実施の承認を求めているわけですけれども、承認案件の審議となりますと、やはり派遣部隊の活動内容が具体的に検討され、吟味されるべきだというふうに思うんですね。そこで私、基本計画、それから実施要項、自衛隊の活動の内容について、立ち入ってただしていきたいというふうに思います。 まず、中谷長官にお尋……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 九月十一日にアメリカで起きましたあの大規模な、野蛮なテロ事件、これは本当に世界に大きな、深刻な衝撃を与えました。今、世界は、このテロ事件の問題で、テロの犯罪者を追い詰めて何としても法の裁きのもとに置こうじゃないか、その大きな方向での取り組みが始まっていると思うんです。私は、今、そのためにも、どのような手段で、そして国際的にどういう共同をしながら犯罪者を追い詰めていくのか、このことが本当に深く問われていると思います。 テロ犯罪に毅然と立ち向かい、その根絶を図っていく、この点に今、世界の願いの合流があると思うんですけれども、同時に、現時点で……
○山口(富)委員 私は、日本共産党を代表して、今年度補正予算三案に対し、反対の討論を行います。 日本共産党は、通常国会に提案された本年度政府予算が、国民生活の安定と景気の回復に逆行するだけでなく、浪費を拡大し、財政危機を一層深刻化するものとして、これに反対の立場をとりました。今回提出された補正予算案は、本予算を何ら補正するものではなく、構造改革断行の名のもとで、大企業の解雇、首切りを進め、中小企業をさらに苦境に追い込むものとなっています。 まず、雇用対策です。失業率五・三%、失業者は三百五十七万人と最悪の状態にあるにもかかわらず、雇用創出は、計画どおりでも三年間で延べ百万人にとどまり、わず……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 私は、障害者福祉の分野で実施される支援費制度をめぐる現状と問題点についてただしていきたいと思います。 まず、坂口厚生労働大臣にお尋ねしますが、先日の本委員会で坂口大臣は、支援費制度について、「来年四月からの円滑な施行に向けた準備を進めております。」こういうふうにあいさつされました。もうこの十月からは新規の利用者が市町村での申請を始めておりますけれども、来年四月からの実施に向けて、一体、現状がどうなっており、またどのような国としての対応をしようとしているのか、このあたりをお尋ねしたいと思います。
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 きょうは五人の参考人の皆さん、意見の陳述、どうもありがとうございました。皆さんから寄せられました、就労支援や養育費の問題、これをきちんとしたものにしなさい、そういう御要望、それからまた、児童扶養手当については、必要な制度であって、その存続、拡充を求めるという声を深く受けとめました。とりわけ五人の皆さんが、児童扶養手当の削減の方向については非常に厳しい声が全国各地から出ているということをこもごも語られた点は、本当に大事な点だと思います。 私、まず初めに前田参考人にお尋ねしたいんですが、前田参考人が繰り返し、児童扶養手当の問題で、母子家庭の……
○山口(富)委員 私は、日本共産党を代表して、母子及び寡婦福祉法等の一部改正案に反対の討論を行います。 本改正案は、今年度予算で実施された児童扶養手当の所得制限の大幅切り下げ、寡婦控除の除外などの改悪をさらに進めるものです。 反対の第一の理由は、児童扶養手当の支給を、これまでは十八歳の年度末までであったものを支給五年後には半額に削減できるなど、支給削減が強化されることです。 母子家庭の母親の九割は就労しています。しかし、平均年収は二百二十九万円にとどまり、これは一般世帯の三分の一程度です。その七割が受給している児童扶養手当は、まさに母子家庭にとってなくてはならない命の綱となっています。こ……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 国立病院や療養所にかかわる問題というのは国民の医療に直結する非常に重大な問題ですけれども、今度のこの機構法案というのは、そのあり方にかかわる本当に真剣な議論が求められるものだと思います。 私、法案に即してこれからただしてまいりたいと思うんですが、機構法案を読みますと、第三条で「機構の目的」があって、そして第十三条で業務の内容が述べられておりますが、実際の具体的な中身というのは、中期目標とその達成にかかるという仕組みになっていると思うんです。 それで、通則法二十九条で、主務大臣が、達成すべき業務運営に関する目標、中期目標を定めて、これを独立行政……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。一昨日に続きまして、国立病院機構法案について質問してまいりたいと思います。 私は、一昨日、今度の国立病院や療養所の独法化は国が本来責任を果たすべき公的医療の分野で大きな後退を引き起こす危険性があるということを、二つの面から示しました。 その一つは、厚生労働省が「中期計画のイメージ」という文書の中で示している、診療報酬を除いたら最も大きな財源になる運営費交付金が効率化の名前のもとで毎年度圧縮されるという方向が示されていること、このことからして、結核対策を初めとした不採算部門が後退する危険があるという問題です。それからもう一つは、今度の独法化でこの機……
○山口(富)委員 日本共産党を代表して、独立行政法人国立病院機構法案に対し、反対の討論を行います。 反対する第一の理由は、国立病院の独立行政法人への移行が、政策医療の継続や地域医療で果たしている国立病院・療養所の役割を一層後退させることになるからであります。 独立行政法人化されれば、機構はもとより、各病院ごとに企業会計原則が適用され、単年度ごとの収支、損益を計算し、これを外部の委員で構成する評価委員会が吟味することになります。 もともと、政策医療は採算がとれない分野です。この不採算医療に加えて、これまでに地方へ移譲された病院の整備費も含んだ八千四百億円もの巨額の借入金の返済が重なります。……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 私は、まず、被爆者への支援の問題についてお尋ねしたいと思います。 きょうの委員会では、十二月五日に大阪高裁で出されました、韓国にお住まいの被爆者の郭貴勲さんへの被爆者援護法が適用されると判断いたしました。判決によりますと、国外に出た被爆者を被爆者援護法の適用対象から外してきた国側の主張を、被爆者援護法とその合理的な解釈に照らして、その主要点においてことごとく退けた内容になっております。 もともと、被爆者援護法を見ますと、その前文のところでこういうふうに定めております。「国の責任において、原子爆弾の投下の結果として生じた放射能に起因する健康被害……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。
今回の年金給付額の改定案は、厚生年金、国民年金などの給付額、それから障害児福祉手当、原爆被害者への医療特別手当など十種類の手当関係の支給について、昨年の消費者物価の下落分〇・九%を差し引くということになっております。
まず、この措置によって生まれる財政への影響額、給付などの減額のことですけれども、十二カ月の満年度ベースで、厚生年金と国民年金、それから共済年金、そして手当関係、この三つのくくりについて、給付ベース、国庫負担ベースでそれぞれ示していただきたいと思います。
【次の発言】 今説明がありましたように、給付ベースで三千七百四十億円の減額にな……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。
きょうは、参考人の皆さん、貴重な意見をお述べになりまして、どうもありがとうございました。
まず、大須参考人にお尋ねしたいんですが、きょうの意見の中で、今の失業情勢について、これは大変厳しいものがあると。その中では、非常事態という言葉もお使いになったんですけれども、参考人はどういう中身をもって今の失業情勢を非常に厳しいとか非常事態にあるというふうに認識されているのか、もう少し具体的に示していただきたいと思います。
【次の発言】 引き続いて大須参考人にお聞きしますが、そういう失望者というお話もありましたけれども、今回の給付額の削減や日数の変更という……
○山口(富)委員 日本共産党を代表して、雇用保険法等の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。 反対の第一の理由は、失業給付の大幅な削減です。今回の給付額の削減は、賃金月額十二万六千三百円以上の受給者すべてが対象とされ、広範な受給者に影響を及ぼします。とりわけ、給付率の下限を六〇%から五〇%へ引き下げることは、半世紀以上も維持してきた給付率六〇%の水準を大きく割り込み、中高年サラリーマン層の生活の安定を著しく損なうものです。失業の長期化など、失業者の現状に即した対策を考えるなら、給付日数の短縮でなく、延長こそ検討すべきです。 反対する第二の理由は、保険料率の引き上げです。法案は、雇用保……
○山口(富)委員 おはようございます。日本共産党の山口富男です。 きょうは静かな立ち上がりのようなんですけれども。 私は、今回の労働者派遣法につきましては、対象期間の延長の問題でも対象業務が広がる問題でも、雇用の不安定化、流動化をもたらす重大な問題がある、それから、職安法については、特に兼業禁止の問題について重大な問題があるというふうに考えております。 それで、きょうは幾つかの問題に絞ってまずお聞きしたいんですが、政府はこれまで、労働者派遣事業について、これが臨時的、一時的な労働力の需給調整に関する対策だというふうに位置づけまして、常用雇用を代替させる直接手段にこれがならないようにいろい……
○山口(富)委員 日本共産党を代表して、職業安定法及び労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。 今回の改正案は、労働者派遣事業における対象業務や派遣期間の制限という、これまで常用代替への歯どめとされた措置を大きく崩すことによって、財界、大企業などの求める一層の規制緩和の要求にこたえるものであり、到底認められません。 反対する第一の理由は、派遣期間の延長や制限外しが、派遣労働は臨時的、一時的な労働力という現行派遣法の考え方そのものを変質させ、常用労働者を減らし、雇用も収入も不安定な派遣労働への置きかえをさ……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 今回、改正の対象となっております労働基準法というのは、職場の憲法ともよく呼ばれております。といいますのも、憲法二十七条に基づいて、労働者保護のための法の規定を定めたものだからです。 私は、本会議の質問の際にも、一九四五年以前の日本では、労働者が非常に劣悪な労働条件のもとに置かれて、長時間の労働、それから長過ぎるぐらいの契約に基づく労働、そういうものが行われた、その反省に基づいて今の憲法が、国が労働条件の問題ではきちんと基準を示して、そしてそれを守らなければ、罰則も含めて、労働者を保護していくという立場をとったということを強調いたしました。 そ……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 私は、前回の質疑の際に、今度の労働基準法改正の問題で、この十八条の二の問題、解雇の規制の問題では、今の政府案では、これは労働団体また日弁連を初めとした法曹団体から厳しい批判が出ておりますように、解雇を容易にするような方向のものであって、労基法の趣旨にそぐわないという指摘をいたしました。そして、解雇の規制の問題をきちんと労働者保護法である労基法に規制するとするならば、これは、労基法がその建前としております、使用者は何々してはならないという形での法律の整備が必要だ、具体的には、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当と認められるときでなければ労働者……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 きょうは、参考人の皆さん、貴重な意見、ありがとうございました。 特に、多くの参考人の皆さんから、政府案にあります「解雇することができる。」という規定については、これは修正すべきだという意見が強く出されました。この点につきまして、私も修正が実現するように力を尽くしてまいりたいと思います。 さて、最初にお尋ねしたいのは、川口参考人に二点お尋ねしたいんですけれども、まず一点は、今回の裁量労働制の要件緩和の問題なんです。 これは現実には、労働時間の規制の問題で、その管理の外に多数の労働者を置くことになってしまう、それからまた、定期の報告もかなり中身……
○山口(富)委員 日本共産党を代表して、労働基準法の一部を改正する法律案並びに自民党、民主党、公明党、自由党、保守新党共同提出による修正案について討論を行います。 まず、政府案への反対理由です。 反対する第一の理由は、有期雇用契約の期間を現行の一年から三年に、専門的知識を有する労働者と六十歳以上の労働者には三年を五年に延長することで、その範囲内の雇用期間であれば、契約期間満了を理由として、いわば合法的な解雇をできるようにするからです。これによって、労働者の雇用は一層不安定化され、事実上の若年定年制の復活につながるものです。 第二に、使用者は労働者を解雇することができるという解雇規定の新設……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 きょうは、森参考人の方から、首都機能の移転の問題につきまして、個人的な見解も含めて、大変率直な思いを私たちに伝えていただいたと思います。ありがとうございました。 私、まずお伺いしたいんですけれども、先ほどの意見陳述の中で、首都機能移転の問題で東京の一極是正や緩和の解消という話がこの答申の中にも盛り込まれていたわけですけれども、これにかかわって、審議会の中では、この程度の規模の移転で果たして一極是正の問題などについて寄与し得るのかという疑問の声が多数あったという紹介がありました。 となりますと、この答申は、確かにきょう森参考人がおっしゃいました……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 首都機能移転の問題というのは、首都機能の移転がなぜ必要かという基本のところ、きょうの参考人のお話ですと前提ということになりますが、その問題が常に強い批判を受けてきたというのが一つの特徴だと思うのです。 特に、首都機能の移転で東京の一極是正が進むということに対しては、そういう効果を持たないんだという非常に強い批判があります。きょうのお話もその一つだと思うのです。 私も、その点ではこの一極是正論に大義名分がないというふうに考えているのですけれども、ところが、一極是正論というのは、いろいろな形をとりながら、結局あらわれてくるわけですね。 この点に……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 今のお話の最後に、反対論が出てくれないかというお話があったんですけれども、私は首都機能移転については反対の立場です。 それで、この問題を考えるときは、やはり首都機能移転にかかわる目的が何なのか、それから、移転によって生まれる、効果と言ってもいいと思いますけれども、一体何が起こってしまうのか、この両面からの吟味が本当に欠かせないというふうに思うんです。 きょう、参考人のお話をお聞きいたしまして、堺屋参考人のお話では、移転問題の本質的な部分に、首都機能の移転というものが日本の歴史の場合は時代を変えてきた、あるいは、首都機能が移転しないと改革が進ま……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 私は、まず、長時間労働の問題と雇用にかかわって質問したいと思います。 愛知県の豊田市にあります豊田労働基準監督署が二〇〇一年の九月に、今総理のお手元にも資料が届いたと思うんですが、労働時間実態調査結果、これをまとめております。この豊田市とその周辺の地域には、日本を代表する世界的な企業であるトヨタ自動車とその関連会社が集中しているわけですけれども、今回の豊田労働基準監督署の調査も、もともとはトヨタ自動車がサービス残業の是正勧告を受けまして、それを契機にして労働基準監督署が行ったものなんです。 調査は、労働時間自主点検表というこの用紙に会社や事業……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 私は、二十一世紀の日本のあるべき姿について調査を行う場合は、やはり主権在民の問題、それから恒久平和主義、基本的人権の尊重、こういう日本国憲法の大事な諸原則を踏まえて、二十一世紀の日本のあるべき姿に接近することが求められていると思うんです。ちょうど年内五回程度の調査ということになりますから、本当に二十一世紀に入るごく手前のところでこの問題を考えることになります。問題を考える際に、先々どうなるかだけでなくて、今をどうするかというアプローチが大事だと思うんです。その点で、私、二つの問題を取り上げて発言させていただきたいと思います。 第一は、二……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 きょうは、小田さんから、憲法の平和主義をよりどころ、基本にして内外に働きかける良心的軍事拒否国家、これについて詳しいお話をいただきました。どうもありがとうございました。 私も、小田さんが読み上げられた憲法の前文とそれを具体化した憲法九条に示された憲法の平和原則が、私たちの二十一世紀の日本の進路、市民社会の根本的な土台になると考えております。憲法調査会のテーマに即して言いますと、二十一世紀の日本のあるべき姿を現実に即して考えて接近する上での土台である、小田さんの言葉によると、気概に満ちた土台ということになると思うのです。 きょう、小田さ……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 きょうは、市村参考人から、ゲオポリティクス、地政学的な構造などから見た二十一世紀の世界と日本の問題について所見を述べていただきました。敗戦直後の憲法構想をめぐる歴史のエピソードも聞かせていただきまして、いろいろな問題関心を持つのですけれども、私自身は、市村参考人が憲法の改正が不可避であると指摘された論点やその内容、評価については、いずれも基本的な見解を大きく異にしております。 例えば、憲法はその前文で、「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めてゐる国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。わ……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 きょうは、憲法研究者の立場から日本の憲法学界の通説的な見解をきちんと示されて、九条を初めとしてお話しいただきまして、どうもありがとうございました。 とりわけ私は、国民主権の問題、それから平和主義、生存権の規定、こういう憲法の規範内容の実現に力を尽くすことが二十一世紀の課題だ、こうされた小林参考人の提起を共感を持って受けとめました。その提起を今後の調査会の仕事に生かすことでおこたえしていきたいと思うんですが、その立場から幾つか質問したいんです。 第一は、参考人おっしゃいましたように、憲法と現実の乖離の問題でとりわけ大きなものに、九条と自……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 石原さんとお呼びしてほしいということですので、私もそういうふうに呼ばせていただきますが、石原さんはきょう、憲法は歴史的に見て正統性がないから、一回否定するところから始めたらどうかということを提起されました。 私は、この点については、提起された論点も内容も石原さんとは認識を大きく異にするものです。確かに、第二次世界大戦で敗戦国になったドイツ、イタリー、日本を見ますと、それぞれの国の憲法制定過程というのは、石原さんの言葉をかりれば、個性があるわけですね。 日本を振り返ってみますと、やはりポツダム宣言が求めた軍国主義の徹底的な除去、それから……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 きょうは、松本参考人に国民憲法と第三の開国ということでお話しいただいたのですけれども、まず、私、参考人のおっしゃる第三の開国という問題とグローバリゼーションにかかわる問題をお尋ねしたいと思うのです。 それで、今の国際社会のもとでは、参考人がおっしゃったように、人、物、金、こういうものが国境を越えて広がる国際化を示す、これはもう避けられないことだと思うのです。現実に今、世界政治の中で問題になっておりますのは、グローバル化という名前のもとで多国籍企業ですとか国際的な金融投機の動きが非常に大きくなっておりまして、それに対して各国が、ヘッジファ……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 二十一世紀の北東アジアの展望というのは、経済の面でも外交、文化の面でも、どの問題をとってみても日本と世界の非常に重大な問題だと思うんです。それで、私自身は、日本が二十一世紀の日本社会と北東アジアを展望する場合、その立脚点として、一つは、過去と現在をきちんと見詰める立場に立つこと、それからもう一つは、日本国憲法の平和と民主主義の諸原則を生かす立場に立つこと、これが非常に大事だと思うんです。 といいますのも、日本の憲法は、日本軍国主義による植民地支配と侵略戦争への痛切な反省ですね、いわば参考人が冒頭でおっしゃいました二十世紀の北東アジアはど……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 きょうは、公法学会などでの地方自治論の研究を踏まえまして、参考人から意見をお聞かせいただいたということで、どうもありがとうございました。 私は、日本の憲法は、直接民主主義と間接民主主義を結びつけながら国民主権を徹底する、そういう方向で法規範がつくられていると考えているのです。それで、参考人がおっしゃった、地方自治に民主主義の大きな力を見るということはもう全く同感で、これは憲法上の要請だと思うのです。その意味で今、各種の調査の中で、きょう示していただきましたけれども、国民の皆さんが政治参加への要請の声を上げているということをきちんと見るこ……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 きょうは冒頭に、神戸地方公聴会について鹿野会長代理から報告をいただきました。その中で、川西市の柴生市長は、地方行政においては憲法の具体的な実践が重要であり、子供の人権保護及び国際社会に連帯した平和と人権への取り組みがなされるべきである、それから、神戸市の笹山市長からは、阪神・淡路大震災の教訓として、災害時における市町村長への十分な権限の付与、及び憲法の生存権を踏まえた被災者支援が重要である、こういう意見があったということが報告されました。 私は、これらの意見というのは、憲法の大事な規定や理念を実際の行政の場で生かそう、しかも、住民の皆さ……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 きょうは公述人の皆さん、意見の陳述、ありがとうございました。 私は、皆さんの意見を聞かせていただきまして、財政の問題でも、それから国民生活にかかわる密着した問題でも、本当にこれまでのやり方を切りかえていく、そういう大事な、歴史的な転換の時期に入っている、そういうことがほぼ共通に指摘されたのじゃないかと思うのです。 そういう時期だけに、やはり実際に私たちが遭遇している問題の姿や性格に対応した処方せんが大事になると思うのですが、まず島田公述人にお聞きしたいのですけれども、きょうのお話でも、冒頭に消費の低迷の問題からお話を進められました。こ……
○山口(富)委員 山口富男でございます。 私は、各国での関係者との意見交換などを通じまして、日本国憲法をより深くつかみ直す二つの感想を持ちました。 第一の感想なんですけれども、当たり前のことかもしれませんが、憲法がそれぞれの国の歴史と政治的な対抗の所産であって、憲法をめぐる問題というのは、世界の動きと関連し合いながらも、本来その国の政治や国民生活そのものの中に存在しているということを感じました。実際、訪ねた諸国それぞれに、憲法の歴史や運用の問題、それから当面している憲法上の課題など、実に多彩で個性豊かな内容を持っておりました。その一端は中山会長の御報告にありましたけれども、それと少し重なる……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男でございます。 二十一世紀を迎えまして、国際的な平和と安全を希求してそれを保全するというのは、日本にとっても、国際社会にとっても、本当に深刻に問われている問題だと思うのです。 この問題を考えるときに、やはり私たちは、憲法、そして国際法の到達点にきちんとした足場を置いて考えていくのが当然のことだと思うのですけれども、きょうは参考人からお話しいただきまして、私は、参考人がおっしゃいました憲法と現実との乖離の問題について言いますと、これは自衛隊の存在の問題も含めまして、この乖離というものを、本来憲法が求めている立場を生かす方向で段階的に解決していくべきだとい……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 きょうは、裁判所の違憲審査をめぐる問題を中心にしまして、憲法の規定の問題、それから、その運用の改善の方向が選択肢の一つとしての憲法裁判所ということで、まとまった参考人の見解を報告していただきました。 これは、なかなか学問上の論争もはらむ問題提起で、今後多面的な検討が不可欠になると思うんですけれども、この違憲審査をめぐる問題に接近するためには、私は、本来、憲法上の法規範としてどういう内容だったのかということと、それが五十五年間どういうふうに働いてきたのかという両面からきちんとした検証をすることが大事だと思うんですね。 そこで、それらの問題を中心……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 沖縄の地方公聴会で、公述人の方から憲法の平和主義などについてこもごも発言があったという報告を受けました。私も、日本の憲法が、日本の国の安全保障、平和と安全の問題でどういう構想をしたのかということについて発言してみたいと思うんです。 世界の憲法と比較したときに、日本の憲法の特徴の一つは、世界の平和と安全を目指すという立場を明確に示しながら、その中で私たちの国の平和と安全についてしっかりした構想を持ったことにあったというふうに思うんです。 それで、きょうは委員の方々から憲法の前文がたくさん紹介されましたけれども、そこでも既に触れられていることです……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 私は、今度の国会では、政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会と国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会の二つに出席いたしました。そこでの参考人の陳述については、先ほど小委員長からそれぞれお話がありました。 私は、その中で感じた点を幾つかお話ししたいと思うんですけれども、まず一つ感じましたのは、私たちは憲法を考える場合に、二十一世紀の日本と世界の現実の中で考えていくわけですから、その二十一世紀の時代状況がどういうことになっているのかという深いとらえ方が必要だなということを痛感いたしました。 参考人の方々も、例えば国際社会でいいますと……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 二十一世紀の国際社会と世界の平和を考えたときに、国連の平和活動と言われる問題が非常に大きな位置を占めるというのは、きょう参考人からお話があったとおりだと思うんです。 この問題を考えるときに、私は二つの点が大事だと思うんです。 一つは、国連のやる活動が、国連憲章やその起こっている事態に対してきちんとした道理を持った内容になっているのかという検証は不可欠だと思うんです。それは、国連自身が物によっては失敗したというふうに認定した事例もございますから。それからもう一点は、私たちの国は憲法九条を持って、平和原則を持っている国ですから、当然、国際協力の……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 世界経済の問題で、貿易の発展ですとか自由協定の広がりという問題を考えるときに、それは日本の現状と進路に対する考え方と非常にかかわりを持つと思うのです。私たちは、経済主権の明確な自覚と平等互恵の精神で、お互いの経済の実態に即してさまざまな協定についても考えていくことが大事だというふうに思うのですね。 それで、今、世界政治の場では、グローバル化と言われる問題が広がっているもとで、それは資本主義の当然の発展の方向ですけれども、各国経済の基盤をどうやって守るのかという問題ですとか、それから多国籍企業や一部の国際的な金融資本のかなり身勝手な活動について……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 きょう、冒頭に参考人おっしゃいましたように、二十一世紀の国際社会における日本の役割を考えた場合、当面の問題だけでなくて、二十世紀の、世紀の長い視野で物事を見ていくことが大事だという提起、私も同感なんです。 それで、今の時期見ますと、国際社会では、アメリカとの同盟関係にある国でもきちんと物を言って、そして自国の立場を表明いたしますね。それから、特に非同盟諸国の力が強くなっておりますから、二十一世紀の新しい国際的な社会の配置というものが予見されるような時期に来たと思うんです。そういう中で日本のあり方が問われると思うんですが、特に外交の場合は、その……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 私、きょう、田久保参考人のお話をお聞きしまして、やはり私たち、二十一世紀の始まりに当たって、二十世紀を含めて二つの世紀の来たこと、それからこれからの展望、それを見ながら世界の平和の問題を考える必要があると思ったんですけれども、その点でいいますと、世界の平和の秩序を構想する問題や、それから憲法九条の問題でも、私は、改正でなくて、九条を生かす方向での世界への貢献という立場をとっておりますので、そういう点での大きな見解の相違はあります。 さて、私がきょうお尋ねしたいのは、今の時期を新しい国際秩序の形成だという問題提起がございましたので、その点につい……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。
EUの現状と今後なんですけれども、これは二十一世紀の国際社会のありようにとって大変大きな実験だと思うんです。
それで、まずお尋ねしたいんですけれども、こういう前例のない実験を五十年にわたって行われてきた試みを支えているヨーロッパ的な条件といいますか、どういうものがこういう努力を支えているのか、その点について参考人はどうお考えになっているのか、まずお聞きしたいんです。
【次の発言】 先ほど、社会的価値の問題が政策の中に織り込まれてきているんだという特徴づけがありました。その中で、欧州基本憲章なんですけれども、今条件の問題として戦争被害の問題が出……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 議院内閣制の運用のあり方の提起として、参考人の提起は随分議論を呼んできたと思うのですけれども、きょうも参考人の、一種の理念型という表現がありましたが、理念型から出発して、選挙制度や政党のあり方についても示唆がありました。この点では、理念型が違いますと当然評価も大きく食い違ってきますから、例えば小選挙区制の評価なんかは、私は随分違った考えを持っております。同時に、参考人がおっしゃった、これは運用のあり方の問題であって、憲法の改正は必要ないんだという点は、私も同じ立場に立つものなんです。 そこで、幾つか事実の認識の問題でお聞きしたいのですが、この……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 統治機構の問題を考える場合に、参考人も強調されましたように、憲法の一番大事な原則である主権在民、これを、その中でいかに国民主権を具現化するかというところが最大のポイントになると思うんです。 その上で、きょう参考人がお話しになった話に即して幾つかお尋ねしたいんですけれども、一つは、冒頭に日英の比較をなさったんですが、日本の場合、特に二十世紀の前半が、主権在君の外見的立憲主義とかえせ立憲主義と言われたりしますけれども、そういう政治の状態だった。それが現行の憲法によって大きく変えられたわけですけれども、日本の憲法の統治機構にかかわる規定の特徴という……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 きょう、大石参考人から、二つの院がそれぞれ独自の機能を果たすことが望ましくて、ですから、できるだけ異なった原理という話があったんですけれども、私は、憲法での二院制の問題というのは、やはり、国権の最高機関である国会に、主権者国民の意思を反映するあり方の問題ですので、それがきちんと反映されているかということですとか、審議内容がどうだとか、それから行政への監督権が一体どうなっているのかとか、そういう具体的な問題として現状を見て改めていくことが肝要だというふうに思うんです。 それで、幾つかお尋ねしたいんですが、きょう、いろいろ歴史的経過もあるというお……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 きょうは、参考人のお話をお聞きしまして、司法審査についての憲法の定めと五十年間それが持ってきた意味、それを踏まえたお話で、特に二十一世紀の初頭に当たって、今必要なのは憲法改正ではなくて、もともとの憲法の定めの方向での改革が必要じゃないかという提議をいただきまして、大変興味深くお聞きいたしました。 まず、第一にお聞きしたいのは、今の憲法が定めている司法審査の盛り込まれた意味合いなんです。 それで、先ほどのお話ですと、実体的な価値の問題なのか、プロセス的なものと見るのかという違いはあるようなんですけれども、いずれにしても、日本の憲法が、平和と人……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 私は、国の憲法を構想するという場合に、それはその時代の課題に取り組む大がかりな仕事だと思うんですね。 きょう、八木参考人の方から明治憲法の形成の問題でお話があったんですけれども、明治憲法を考えた場合も、あの時期は、一つは対外諸国との関係でそういうものが必要になったということと、民権運動に対して議会を開くということを決めた関係で、憲法を急いで作成する必要があったと思うんですね。 そうすると、その時期に、明治憲法への流れと同時に、先ほど少し民権運動のお話も出ましたけれども、自由民権運動の中やあるいはその周りで民権派の憲法構想も随分生まれました。……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 私、この問題を考えるときに、きょう中川幹事の方から、憲法を調査したり考えるときの気概の問題が出されました。それは、地方自治をめぐる問題を考えるときも大切だと思うんですけれども、その際に、私は、足場は二つあると思うんですね。 一つは、現実に起きている問題。先ほどごみ処理の問題も出ましたし、税金をめぐる問題もありますし、いろいろな問題が出ているわけですけれども、一体、その現実に起きている問題は何なのかということを深くとらえることが一つの足場だ。 もう一つの足場は、やはり憲法の原則は何だったのかということだと思うんです。その場合の憲法の原則というの……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 きょう、冒頭に、苅谷参考人は憲法と教育法については専門でないというお話をされましたけれども、お話を聞きまして、教育を受ける権利を人権としてとらえて、それを今日具体化する際の非常に中心問題を提起されたというふうに私は受けとめました。 それで、お話の最初に憲法二十六条、二十五条、また教育基本法の三条をお引きになりましたけれども、私は、教育基本法の三条が、これは憲法の十四条の法のもとでの平等を踏まえているわけですけれども、人種、信条、性別、社会的身分、その後に、十四条にはない経済的地位という言葉を入れて、いわばこの問題が教育分野に大きな影響を与える……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 きょうは、岩間参考人から、ドイツの問題で、限定された政治状況の中で生まれた一つの道であったということと、今日の世界とヨーロッパ情勢の変化の中で新たな探求が始まっているというお話をいただいたと思うんです。よく日本とドイツはいろいろな意味で比較されますけれども、きょうのお話をお聞きいたしましても、憲法や基本法というのはその国の歴史や風格にもかかわる問題ですので、その歴史の中で見ていくことは本当に大事だなということを痛感いたしました。 特に、日本の場合は、憲法が前文と憲法九条をもって、国の平和と安全の問題では本当に確固とした立場をきちんと表明してお……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 まず、その質問に入る前に、今のイラク問題をめぐる局面なんですけれども、国際連合ができて大分長い時間がたつわけですが、国際連合が目指しているいろいろな紛争問題の平和的解決は一体何なのかということが、国連憲章に立ち戻りまして国際政治の舞台で大問題になっているのが今の局面だと私は思うんです。 そういう意味では、アメリカがやろうとしている一方的な攻撃の問題ということに対して、世界各国が国連憲章からいってもおかしいんじゃないかということを言っているのは当然でして、そういう目でこの問題を深く見ていくことが大事だというふうに思います。 それから、赤松委員か……
○山口(富)委員 会長の方から議事の整理がありましたものですから、私は、もう少しいろいろ発言したかったんですが、とりあえず今提起された問題について考えてみたいと思います。 私は、憲法規定の問題として、天皇について元首規定を設けるということについては反対です。 といいますのは、日本国憲法は主権在民の憲法です。元首についての明文規定はありませんけれども、内政でも外交でも、国を代表するとなれば、当然内閣総理大臣がそれに当たるということは明瞭だと思います。 それから、保岡小委員長の方から報告がありましたけれども、やはり、高橋参考人が述べましたように、主権在民下の初めての象徴天皇なんですね。ですか……
○山口(富)委員 私は、日本の平和主義を持っている憲法の立場からも、それからまた国連に参加している、国連憲章を守る日本の立場からいっても、今度のアメリカの打ち出しているイラク戦争について、その適法性についてきちんと考えるということが非常に大事だと思うんです。 きょうは野党の各委員から、このアメリカの戦争というのは非常に違法性なんだ、違法なものなんだという指摘がこもごもありました。私は、特にブッシュ演説があった後に、アナン事務総長が、これは安保理が認めていない行動であって、いろいろな訳がありましたけれども、適法性に疑問とか合法性に疑問と言ったのは当然のことだと思うんです。といいますのも、繰り返……
○山口(富)委員 日本共産党の山口富男です。 私は、二回の小委員会を通じまして、二人の参考人が強調されたように、現憲法下の天皇制というのは、主権在民下の天皇制であるというところの基本を押さえることが非常に大事だと思いました。平井委員が指摘されましたように、国事行為のそれぞれについても、その面から見てオープンにどういう問題があるのかということの検討が必要だという御意見はこもごもに出された問題でした。 それから、もう一点の元首の問題なんですけれども、私は、今冒頭に申し上げましたように、主権在民ということからいきますと、やはりその点が、それぞれとの関係が問われますので、明記することには賛成いたし……
○山口(富)委員 仙谷委員の方から発言があったんですけれども、私は、法律論と政治論というのを区別するという立場に立たないんです。やはり憲法は基本法ですから、その点からいきましても、先日の小委員会で高見参考人がお述べになった、立法不作為という考え方を自分はとらないという点を調査会としては踏まえるべきであるというふうに思います。 それと、憲法上に改正規定が規定されているわけですけれども、これについては、高見参考人の方から、一つは憲法の安定性の問題と憲法制定権力である国民主権の原理そのものに根差したものだというお話がありました。 それからまた、質疑の中では、世代論が出ました関係で、先発する世代が……
○山口(富)委員 坂野潤治参考人は、私、学生時代に近代史を学んだ際に一番最初によく読んだものでしたので、二十数年ぶりにお会いして、大変懐かしく思いました。 それで、参考人のお話でも、明治憲法が神権主義というものを中核にしながら、なぜ立憲主義という装いに立ったのかというなぞ解きをやられたようなお話で、大変興味深いものがありました。 さて、日本国憲法というのは明治憲法の改正という形をとったわけですけれども、日本国憲法の前文の一番最初にそのこともありまして、明治憲法との関係をきちんと述べているんですね。それは、ちょっと読み上げますと、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるものであつて、その権威……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。
きょうは、肌身で感じてこられた、また身近に接してこられた天皇家についてのお話で、特に、第一子が皇位を継承する問題というのは、法律改正にかかわる性格の問題として、私たちも検討していかなきゃいけない問題だというふうに承りました。
まず最初にお尋ねしたいのが、きょう冒頭に引用されました皇位の継承などを定めた皇室典範なんですけれども、これの旧皇室典範との法規範上の違い、この点を参考人はどのように押さえられていますか。
【次の発言】 私は、旧憲法と今日の憲法というのは、やはり主権在民という点で明確な違いがあるというところを押さえておかないとうまくないと……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。
きょう参考人は冒頭に、今の憲法が、明治憲法の改正という形をとったけれども、実質的には新しく生まれた基本法である、象徴たる地位というのも新憲法の理念に基づいて規定されたものだというお話をされたんですけれども、参考人の考える新憲法の理念に基づくという場合は、大体どういう内容をもってそういうふうにおっしゃっているんですか。
【次の発言】 象徴規定にかかわるものも、今おっしゃいましたように、主権在民の、国民主権の原理をこの分野で具体化したものだというふうに思うんです。その点では、権威の源泉としての地位を憲法規範上見ることはできないというふうに私は思うん……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。
まず初めに、高見参考人にお尋ねいたしますが、各国の憲法改正の規定について類型化が可能だということできょう整理していただいたんですけれども、確かに、その時々の王権ですとか専制によって憲法が停止されたり廃止されるという歴史的経験の中で各国ごとに、きょう、参考人が二つの要請を満たすような仕掛けなんだという話だったんですけれども、こういうことが生まれたと思うんです。
これは、立憲主義の各国への波及なり成長という共通の土壌がここに生まれているというふうにみなしていいんでしょうか。
【次の発言】 もう一点、きょうは世代の拘束論という話が出たんですけれども……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 憲法というのは、その時々の歴史の所産ですから、きょう参考人がおっしゃいましたように、明治憲法の問題点と憲法制定史が分離しているというところが問題だという指摘はそのとおりだと思うんです。同時に、実際には、私自身も、家永さんの本にしても稲田さんの本にしても、両方を読みながら、いわば明治憲法の成立史を考えているわけですから、実際にその分離が起きているかどうかというのはまた別の問題だとは思うんです。 それで、きょう御指摘なさいました合作論は大変おもしろくお聞きしたんですけれども、私は、なぜその合作に至ったのかという政治的な背景の方をちょっと教えていた……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 私は、きょうのお話を地方政治のあり方をめぐる具体的取り組み、提案、そして現場からのシグナルとして受けとめました。やはり、三県の広域連携の問題でも、それから広域自治体の制度設計の問題でも、基本は憲法が定めた地方自治の本旨にのっとって現状を改革することだと思うんです。その点は、増田参考人がおっしゃった九十二条の地方自治の本旨が大事になるということだと思うんです。 初めにお尋ねしたいのは、増田参考人は、知事になられる前は建設省にお勤めだったわけですけれども、その時代に考えていました地方自治をめぐる問題、それから、知事になられて行政に携わっていく中で……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 きょうのお話は、亀田町の町づくりにかかわる問題と合併にかかわる二つのお話だったと思うんです。 まず最初の亀田町の町づくりにかかわることなんですが、阿部参考人から、福祉と文教に力を入れているというお話がありました。これは、憲法からいっても地方自治法からいっても、ここに自治体の大きな仕事があるというのははっきりしていると思うんですが、今、行政をやっていく上で、国や県との関係で、福祉の問題、教育の問題に力を入れるときに、障害になっていることですとか改善してほしいというようなこと、何かありますか。
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 まず、津野参考人にお尋ねしたいんですが、私は、津野参考人が法制局長官時代に委員会審議で随分いろいろ憲法論を交わしたことを思い出します。 初めにお聞きしたいのは、本来、政府部内の憲法解釈と公法学界の憲法解釈というのはできるだけ接近し、一致することが望ましいんですけれども、中でも憲法九条をめぐっては、自衛隊の違憲論をめぐって根本的とも言えるような対立があると思うんですね。私も自衛隊については違憲論の立場に立ちますし、今後、時間はかかるでしょうけれども、その解消に向かうという方向をとるべきだと思うんですが、政府部内の憲法解釈と大事な規定のところでこ……
○山口(富)小委員 日本共産党の山口富男です。 新しい世紀に専門分野を担う研究者の方からの意見陳述として承りました。 まず窪田参考人にお尋ねしたいんですが、私は、国会の附属機関として政策評価の機関を設けるというのは賛成なんです。実は私たちも九七年に行政監視院の法案を出しまして、きょうは民主党の案が主な議論になりましたけれども、出したんです。やはり国会が、憲法に定められました国政調査権や行政監督権というものを補完し、補佐する上で、両院やあるいは常任委員会の意見に基づいてきちんと行政の監視に当たり、それを国会に報告するというようなことで制度設計をしたことがあるんです。 まずお尋ねしたいのは、……
○山口(富)委員 私は、アメリカとメキシコでの調査に参加しましたので、感想の一端として二点述べたいと思います。 まず第一点なんですが、今回の調査は、アメリカの先制攻撃戦略がイラク戦争という形で発動された直後でしたから、日本でも世界でも、憲法や国連憲章など基本法とのかかわりが非常に鋭く問われる中での調査になったと思います。そのために意見交換の主題の一つも、ごく自然な形で、アメリカの単独行動主義に対して世界はどう臨むのか、その際、各国は、法規範としての足場をどこに見出すのかなどに置かれるようになったと思います。 カリフォルニア州立大学バークレー校での懇談では、ブッシュ政権の対外政策への批判が相……
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