このページでは、市来乙彦参議院議員が提出した質問主意書に関する情報をまとめています。質問主意書の提出数、質問主意書の件名、質問と政府からの答弁の冒頭部分を一覧にしています。質問と答弁については参議院ウェブサイトの本文に飛ぶことができます。
1期(1947/04/20〜)
食生活安定に関する質問主意書
第1回国会 参議院 質問主意書 第1号(1947/06/06提出、1期)
質問内容国民大衆ノ生活安定ハ国家再建ノ第一要義デアル、中ニ就キ食生活ヲ安定セシムルコトハ「インフレーシヨン」ノ禍ヲ免レシムル端緒デアリ今日ノ緊急要務デアル、之ガ為メニハ従来ノ供出配給ノ不成績ヲ改善セネバナラヌ事ハ申スマデモナイ
就テハ今日当面ノ急ニ応ズベキ食生活安定ノ緊急方策トシテハ、綜合経済政策ノ確立遂行ヲ竢タズ、先以テ主食糧並ニ副食糧ニ付テ之ヲ実行スベキデアル、即チ
一、主食糧タル米穀ニ付テモ副食…
答弁内容一、主食糧及び副食糧につき、生産費を基礎として、加うるに生産者が相当の利益を収め得る程度に供出価格を公定すべしとの意見は、趣旨としてはまことに妥当であるが、国家財政上の見地から、価格補給金の支出を困難とする現状において、供出価格の引上は直ちに消費者価格の高騰を惹起し、一般大衆の生活費の負担を増す結果となるので、生産者の立場のみから一方的に供出価格を決定することは実際問題としては許されない。
かゝ…
食生活安定に関する質問主意書
第1回国会 参議院 質問主意書 第10号(1947/07/25提出、1期)
質問内容主食糧の遅配甚だしく、殊に政府が或は計画遅配を宣言し或は超過供出を公定価格の三四倍にて買上げらるる今日の場合、之に加ふるに野菜の供出配給も亦極めて品薄すであることは一般大衆の非常に苦痛とする所である、就ては私は主として野菜に付て再質問をするのである。
さきに私の質問政府の答弁に於て
一、私が生産者の納得する程度に公定価格の引上を提唱せるに対し、政府は「生産者の立場のみから一方的に供出価格を決定…
答弁内容一、公定価格の約二倍程度の協定価格制を実施することは公定価格制度及び新物価体系維持の立前より適当ではない。
二、近年大消費地向蔬菜入荷が激減している主たる原因は従来大消費都市への蔬菜の主要供給地であつた特産地が生産資材殊に肥料の不足によつて壊滅したためであつて大消費都市向蔬菜を確保するためにはこれらの特産地の再興育成が前提要件である。このために食糧緊急対策の一として差当り八月――十月の大消費地向…
国費の緊縮行政の整理に関する質問主意書
第2回国会 参議院 質問主意書 第3号(1948/01/13提出、1期)
質問内容軍閥は軍事を以て国を誤つたのである、今の政府は其後を承けて再建の大任を負担して居るのであるが、国民の食生活の安定さへも未だ実現せしめ得ないのである、而かも「インフレーシヨン」は益々昂進しつつある、私は誠意を披瀝して政府の反省を促すのである、是れ偏に政府の善政と国民の幸福とを念願するからである。
曩に第一回国会の開会初頭に於て、私は国民の食生活安定に付き主として、副食糧の供出配給に関する方策を、質…
答弁内容一、今冬における薪炭の生産供出状況は現在までの推移より見れば年度頭書の計画には及ばないが昨年に比較して一〇%から二〇%程度は良好になつているものと予想される。移出実績は、木炭においては計画に及ばないが薪は計画以上に上つている状況でいずれも昨年に比較すれば好成績である。配給状況は年度頭初の政府計画には及ばないが昨年九月閣議決定をみた「本年度下半期綜合家庭燃料確保対策」によつて改訂された下半期における…
均衡財政の確立に関する質問主意書
第2回国会 参議院 質問主意書 第59号(1948/04/13提出、1期)
質問内容芦田首相が米国陸軍次官を訪問せられた際、
陸軍次官は、
総司令官の要請して居る均衡財政の重要性を強調し、財政の均衡こそ、物価の安定及び健全なる通貨の維持に対する、必要条件であると指摘した、更に之は生産者が、其生産活動の為めの安定した基礎を得、労働者及び農民が、其仕事に対して十分な報酬を得る為めに、第一に重要なことであると述べた。
芦田首相は之に対し、
同意を表明し均衡財政を速に確立すること…
答弁内容第一、外資導入と「インフレーシヨン」との関係について
インフレーシヨンの荒波の中へ外資を導入しても、その効果は荒波に依つて、減殺され、十全の効果を挙げ得ないから、先づ外資導入の受入体制を確立すべきであるとの御意見には賛成でありますが、外資導入と「インフレーシヨン」との関係について政府の考えている所は次のとおりであります。
外資導入と一口に申しましても、之は二つの種類に分れるのでありまして、第一…
行政整理に関する質問主意書
第2回国会 参議院 質問主意書 第85号(1948/04/20提出、1期)
質問内容過日私は均衡財政の確立に関する質問主意書を提出致しました。
私の解釈に依れば、均衡財政とは約言すれば財政の関する限り諸般の情勢が調和して釣り合いを保つ体制を謂うのである。歳計予算の収支の釣り合いを得ることは均衡財政の僅かな一部分であつてその全部ではない。而して均衡財政の確立は「インフレーシヨン」の克服とその揆を一にするのである、随つて仮令その何れの名義を以てするとしても、その手段としては国費を緊…
答弁内容国内経済体制を整備して外資の導入を容易ならしめ、以てインフレーシヨンを克服して日本経済を復興するためには、経済部門と緊密な関係を有する行政部門を先づ能率化する必要がある。
このため、政府においては、前内閣において決定した行政整理の方針に対し、最近の事態に即応するよう再検討を加え研究しつつある次第であるが、この問題は特に失業対策の問題を始めとして関係する方面が多いので、政府としてはその最後的な決定…
軍事思想の排除に関する質問主意書
第2回国会 参議院 質問主意書 第105号(1948/05/04提出、1期)
質問内容今や民主主義の昂揚を必要とするに拘わらず、動もすれば今猶封建思想、全体主義等の残滓ありと伝唱せらるることあるは頗る注目すべき事体である、この時に当り軍事思想の思い出となる原因を為すものは、一切これを撤廃すべきは勿論の義と信ずるのである。
一、彼の靖国神社境内に屹然として兀立し、世間を睥睨せるの観ある故大村兵部大輔の銅像は正にこれに該当するのである、同地の附近を通行し仰でこれを見る場合、民主主義に…
答弁内容一、靖国神社境内にあります大村兵部大輔の銅像につきましては、東京都庁内に組織された忠霊塔、忠魂碑等の撤去審査会において各界の権威者の意見を徴し慎重に審査致しました結果、撤去条項に該当せず、且つ明治時代における美術史上の代表的作品と認め存置することとなつたのであります。
参 考
1 審査委員会の委員は下村壽一氏、朝倉文夫(彫刻家)氏等がいる。
2 撤去条項とは昭和二十一年十一月十七日警保局公安…
物価並びに賃金に関する質問主意書
第3回国会 参議院 質問主意書 第26号(1948/11/22提出、1期)
質問内容終戦後に於ける累次の政府は祖国の再建「インフレーシヨン」の克服に関し、其政策宜しきを得ず、却て「インフレーシヨン」の克服に逆行するの手段を採り、益々「インフレーシヨン」を激成し、終に今日の惨憺たる情勢に陥つたのである、即ち国費は益々膨脹し、通貨は増発に増発を加え、物価は暴騰に暴騰を重ね、国民は食生活さえも安定を得るに至らず、給料賃金の値上げ運動は底止する所を知らず、物資の増産は幾多の障礙に悩まされ…
答弁内容第一
(1) 政府は、闇価格を引下げ、更にこれを絶滅し、公定価格と闇価格とを綜合した所謂実効物価を引下げることについては、固より全然同感でありまして、鋭意その実現方に努力いたしておる次第であります。
(2) 政府は実効物価の引下げについては、極力努力しているのでありますが、総需要が総供給に超過している日本経済の現状としてはどうしてもヤミ価格の存在を免れないのであります。即ち購買力の偏在化してい…
徴税に関する質問主意書
第5回国会 参議院 質問主意書 第90号(1949/05/13提出、1期)
質問内容第一、曩ニ首相ノ施政演説ニ対スル私ノ質問中政府ノ答弁ナカリシ事項ニ付茲ニ質問致スノデアリマス。
(一) 私ノ質問中ノ一節
「私ノ考ヘヲ以テスレバ、納税者トシテハ正確ナル基礎計算ニ基イテ正確ナル申告ヲナシ、政府モ亦正確ナル基礎計算ニ依テ査定ヲナスベキモノデアルト考ヘルノデアリマス。若シ此慣行ガ今日廃レテ居リマスナラバ此慣行ヲ馴致スル様ニ政府ハ指導スベキデアルト考ヘマス。此私ノ鄙見ニ対シテ政府ノ意…
答弁内容第一
(一) については、全く同感である。政府としても、納税者の正当な自主的申告納税がひろく行われるよう税法の理解普及を促進することに努めるとともに、適正課税の実現のため、徹底した実地調査を広範に励行してできる限り正確な課税の根基を把握し、これに基き課税するよう最善の努力を払つている。
(二) 所得税は、申告納税が建前であるので、納税者が自主的に正当な申告をして、納税を済まされることが、最も望…
高物価政策の不成績並びに徴税の苛烈に関する質問主意書
第6回国会 参議院 質問主意書 第14号(1949/11/05提出、1期)
質問内容第一 高物価政策の不成績について。
輸出を増進するためには、品質、意匠、信用その他諸般の取扱について最善を尽すと共に、最後の決定的条件は価格の低廉である。
第五国会において、政府は私の質問に対して、低価格ならずとも種々の方策ある旨を答弁された。しかるに輸出は果て不振に陥つた。それは主として高物価政策の不成績である。
鉄道運賃は、乗客が減じ収入が予期に達しない、高物価政策の失敗である。
煙草…
答弁内容一、高物価政策の不成績について
輸出の増進並びに国民生活の安定を図るため物価の安定を要することについては、誠に御意見の通りであつて、政府としても、デイスインフレ政策を堅持することにより、物価水準の低位安定を図ることを政策の基本としているのであつて、別に高物価政策といつたようなことを考えているわけではない。幸いにして安定計画は功を奏し、最近においては、物価も賃銀もほぼ安定の足取をたどり、久しきにわ…
講和に関する質問主意書
第7回国会 参議院 質問主意書 第36号(1950/02/09提出、1期)
質問内容全面講和は国民の等しく希望する所なれども成るべく早き機会を望むとせば国際事情により単独講和の外なき実情と承わる。就ては
一、単独講和の成立後において我国と此講和に参加せざる戦勝国との間には猶戦争状態の関係を残すが為め此等の戦勝国が我国に対し占領軍の進駐を実行する事も想像し得らるるのである。
二、然りとせば其占領政策として諸種の指令を強制する事も亦有り得べしと思考せらる。
右一、二の事項に付政…
答弁内容単独講和の成立後において、この講和条約に参加しない戦勝国とわが国との間には、依然として戦争状態が存在する。しかしながら、
(一) 戦争状態の存続と敵対行動とは別問題であつて、戦争状態が存続するからといつて、戦勝国はいつでも再び敵対行動を開始する自由を有するものではない。わが国が降伏文書に調印し連合国がこれを承認して敵対行動の終止が行われてから多大の年月を経過した後において、またある戦勝国とわが国…
賃金ベースの引上げに関する質問主意書
第7回国会 参議院 質問主意書 第53号(1950/03/29提出、1期)
質問内容賃金ベースの引上げに関する人事院の勧告は相当の根拠あるものと認められ、政府もその趣意を不当とされるものとは考えられないのである。然るに政府はこれを拒否するに左の二点を以てせられるようであるが、それに関して次の質問をしたい。
一、予算に余裕なきこと
元来人事院が勧告を為すには政府が予算案を決定する以前においてすべきである、然るに事茲に出でざりしは人事院の手落ちと云うべきである。然しながらそれが為…
答弁内容第一項について
(一) 人事院の給与に関する勧告は、国家公務員法に基いて行うものであり、その内容、時期等については、人事院自らの判断によるべきものと考えます。
(二) 人事院の先般の勧告につきましては、政府においてはできるだけこれを尊重する建前の下に、充分検討を行いました結果、これに応じ難いとの結論に達した次第であります。
第二項について
(一) 実質賃金の増加につきましては、いわゆる六三…