このページでは中山太郎衆議院議員の39期(1990/02/18〜)における国会発言(質問、答弁等)をまとめています。国会活動の統計や役職、質問主意書の数や内容は39期国会活動統計で確認できます。
○国務大臣(中山太郎君) 第百十八回国会が開会されるに当たり、我が国外交の基本方針につき所信を申し上げます。 国際社会は、今、政治、経済両面にわたって歴史的変革の時期を迎えております。特に、欧州の国際政治は何人の予想も上回る速度で変化をいたしております。東欧は旧来のイデオロギーを捨てて民主化と自由経済の道を歩みつつあり、ソ連もまた、レーニンの共産革命以来七十年余の歳月を経た今日、共産党独裁の放棄と市場経済の導入への道を歩み出しました。さらには、これまで進められてきた西欧の統合に向けての進展に加えて、ドイツ統一問題が急激な展開を見せております。また、米ソ関係においても、これまでの対立から対話の……
○国務大臣(中山太郎君) 志賀議員にお答えを申し上げます。 まず第一に、ソ連の侵略的要素は薄まりつつあるとの認識を示したが、侵略的要素とは何か、また何を根拠にそれが薄まりつつあると判断をしているのかというお尋ねでございました。 私は、日本の周辺のソ連軍は、長期間にわたる増強の結果、今日、極東では全ソ連軍の四分の一ないし三分の一に相当する膨大な軍事力が蓄積されていると認識をいたしております。特に海空戦力を中心に依然として兵器システムの近代化が継続されており、さらに北方領土にも師団規模の兵力が配備されております。こうした事実にかんがみ、極東地域におけるソ連の軍事力については我が国といたしまして……
○国務大臣(中山太郎君) 北沢議員にお答え申し上げますが、既に米に関する問題は総理並びに農水大臣から御答弁を申し上げておりますので、その内容については省略をさせていただきますが、政府といたしましては、このガット・ウルグアイ・ラウンド交渉におきまして粘り強く我が方の主張を主張し続けてまいる所存でございますので、御理解をいただきたいと思います。(拍手)
○国務大臣(中山太郎君) 上原議員にお答えを申し上げます。 激変する国際情勢のもと、日本の外交姿勢を転換する時期にあると考えている、この視点で中東湾岸危機の平和的解決のためにどのように対処していくかというお尋ねでございます。 世界が歴史的な変革期に到達をしました。国際社会が新たな秩序を模索している状況のもとで行われた今回のイラクの軍事力によるクウェートの侵略というものは、明白な国際法の違反でございまして、国際社会への挑戦であり、中東地域の平和と安定、ひいては国際の平和と安定を破壊するものとして、容認できるものではありません。 本件問題の解決に当たりましては、第二次世界大戦後激しく対決をし……
○国務大臣(中山太郎君) ただいま議題となりました国際連合平和協力法案について趣旨の御説明を申し上げます。 世界は今、歴史的な変革期にあり、平和と安全の新しい秩序を模索して種々の国際的な努力が行われております。このような国際社会の努力の中心的役割を担うのが、国際の平和と安全の維持を主要な目的とする国際連合であります。今般の中東における危機的な事態に対しましても、国連は累次の安全保障理事会の決議等に示される毅然たる態度によって対応し、湾岸危機に対する国際社会の一致した行動の中心となっております。世界が、新たな国際秩序を模索する過渡期に特有の不安定で不確実な状況に直面するにつれ、国連を中心とする……
○国務大臣(中山太郎君) 村山議員お尋ねの湾岸平和基金拠出金につきましては、ただいま総理から既に御答弁がございましたので、重複を避けさせていただきたいと思います。(拍手)
【次の発言】 山原議員にお答えを申し上げます。
今次補正予算案に計上いたしました湾岸平和基金拠出金は、九月二十一日締結の交換公文に基づき、同基金に拠出されている約一千二百二十九億円と同様、湾岸の平和と安定の回復のため国際連合安全保障理事会の関連諸決議を受けて活動している各国を支援するための資金協力及び物資協力に用いられることと相なります。(拍手)
[国務大臣山本富雄君登壇〕
○国務大臣(中山太郎君) 第百二十回国会が再開されるに当たり、我が国外交の基本方針につき所信を申し上げます。 現在の国際社会は、まさに歴史的激動期の中にあります。社会主義諸国における経済の失敗と旧来のイデオロギーの衰退が見られ、また、自由と民主主義、市場経済の価値の再確認がなされております。東西関係は、イデオロギーに基づく対立関係から協調を基調とする関係へと変化するに至っております。そして、対話と協力の中で、新しい国際秩序を構築するための真剣な努力が続けられております。しかし、ソ連は国内改革に着手したものの、政治、経済、社会の各分野で混乱が見られ、改革の将来はいまだ不透明であります。また、国……
○国務大臣(中山太郎君) 石田議員にお答えを申し上げます。 お尋ねの、湾岸戦争を解決するために国連安全保障理事会や国連総会の開催を働きかけるべきと思うが、また、米国に対しても、武力行使をするだけでなく、あらゆるチャネルを通じて和平への糸口をつかむための努力を要求すべきである、また、フランス、ソ連、アラブ諸国にも和平への働きかけをするべきであるという御指摘がございました。 政府といたしましては、湾岸の事態に対する今後の外交的対応につきまして、基本的には、まずイラクに対しクウエートからの撤退を引き続き呼びかけていくことが先決であると考えております。 なお、政府としては、アメリカ、ヨーロッパ諸……
○国務大臣(中山太郎君) 大内委員長にお答えいたします。 ソ連のバルト諸国への武力弾圧を踏まえて、他の西側諸国は対ソ支援の再検討を始めたが、我が国は人道的な援助を含めどう対処するのかというお尋ねでございました。 ソ連のペレストロイカは、現在、社会的にも経済的にも政治的にも非常に難しい重大な局面に逢着していると思います。我が国としても、最近のバルト諸国における武力行使を深く憂慮いたし、事態の民主的、平和的な解決を強く求めているところでございます。 このような我が国の考え方につきましては、先般の私の訪ソの際に、ゴルバチョフ大統領に対し、民主化、自由化等のペレストロイカ路線の堅持を強く求めてま……
○国務大臣(中山太郎君) 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定第二十四条についての新たな特別の措置に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、趣旨の御説明を申し上げます。 政府は、日米両国を取り巻く諸情勢の変化に留意し、日本国に合衆国軍隊を維持することに伴う経費の日本側による一層の負担を自主的に図り、日本国にある合衆国軍隊の効果的な活動を確保するため、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊……
○国務大臣(中山太郎君) 伊藤議員にお答えを申し上げます。最近幾つかの新聞で、中東危機への我が国の対応に関し、日本は蚊帳の外という報道があるが、米国やソ連のトップに堂々と説明を求めるべきではないかというお尋ねでございました。 我が国は、犠牲者を最小限にとどめるためにも、戦闘が一日も早く終結することを切望し、そのためには、イラクが一連の安保理決議を明確に受け入れて、まずクウエートからの撤退を行動に移すことが不可欠であるとの立場から、イラク側へも強く申し入れてまいりました。一月十五日、安保理決議六百七十八の期限を目前にいたしまして、私は、在日イラク大使をお招きし、期限を目前にしてイラク側のクウエ……
○国務大臣(中山太郎君) 筒井議員にお答えを申し上げます。 まず第一に、ソ連・イラク六項目合意のうち、全国連決議の執行停止は確かに問題で、これを修正するよう交渉を詰める必要もあったのではないかというお尋ねでございました。 安保理決議六百六十は、イラク軍が即時に無条件でクウエートから撤退することを要求いたしております。ソ連とイラクとの間で合意された六項目提案におきましては、イラクが安保理決議六百六十を無条件で実施するとしつつ、他方ではいろいろの条件がつけられておりました。特に、御指摘のとおり、撤退完了後すべての安保理決議が無効になるとしている点は、イラクによるクウエート併合が無効であり、クウ……
○国務大臣(中山太郎君) ただいまの御決議に対して所信を申し述べます。 政府といたしましては、ただいま採択された御決議の趣旨を十分に体しまして、今月予定されますゴルバチョフ大統領の訪日を通じ北方領土問題の解決と日ソ平和条約の締結のため全力を傾注しつつ、一層強力にソ連との交渉に当たる所存であります。(拍手)
○国務大臣(中山太郎君) 岩田議員にお答えをいたします。 有害廃棄物の越境移動及びその処分の管理に関するバーゼル条約は、有害廃棄物の国境を越える移動を管理、規制するために作成された条約であり、我が国としては、地球環境保護のための国際制度づくりの必要性に照らし、本条約の重要性を認識いたしております。 第二に、条約の締結のためには、これに先立ちまして、我が国が負うことになる義務及びその履行を担保するための国内法令の整備等につき検討する必要があり、本条約が規制対象とする有害廃棄物の個々の品目も含めて、現在政府部内で鋭意検討中であります。 外務省といたしましては、この問題に対する関心が国際的に高……
○国務大臣(中山太郎君) 上原議員にお答え申し上げます。 まず第一に、機雷除去が国際的に共通の利益につながるとするならば、なぜ国連または国連安保理がこのことについて協議し、またこの対策を講じようとしないのかということでございますが、国連安全保障理事会は、停戦促進を目的とした決議六百八十六第三項におきまして、イラクに対し、イラク領域及び隣接水域におけるイラクの地雷、機雷等に関する情報の提供を要請しております。 なお、国連が機雷の処理につき、現在までのところ特定の国に依頼したことは承知しておりません。また、我が国政府が国連関係機関に対して機雷の除去作業について働きかけたこともございません。 ……
○中山太郎君 ただいま、院議をもちまして永年勤続の表彰の御決議を賜り、議長初め、先輩、同僚の議員の方々に心からお礼を申し上げますとともに、長年にわたり私の政治行動を御支援いただきました大阪府民の皆様方に謹んで感謝の誠をささげる次第でございます。(拍手) 私が国会に議席を得ました昭和四十三年は、我が国において、大学紛争が大変大きな世間の問題となっておりましたが、当時の日本の経済は、一般会計予算がわずか五兆七千億円、円ドル交換レートが三百六十円でございましたし、外貨準備高は二十八億ドルのわずかでございましたが、二十五年たちました今日、日本の一般会計予算は七十二兆円を超え、円ドル交換レートは百十五……
○中山国務大臣 衆議院安全保障特別委員会の開催に当たりまして、我が国の安全保障について、所信を申し述べたいと思います。 安全保障に万全を期することは、国家の独立と繁栄を維持し、国民の生命財産を守るために必要不可欠な条件であり、外交の基本的課題であります。私自身、我が国の安全保障政策遂行の任に当たる者の一人として、その使命と責任を全うすべく全力を尽くす決意であります。 国際社会は、今、政治経済両面にわたって歴史的変革の時期を迎えております。特に、欧州の国際政治は何人の予想も上回る速度で変化しております。東欧は旧来のイデオロギーを捨てて民主化と市場経済の道を歩みつつあり、ソ連もまた、レーニンの……
○中山国務大臣 委員お尋ねの国連憲章における旧敵国条項の削除につきましては、私は委員御指摘のことが極めて重要なポイントであると認識をいたしております。先ほどの御質問にもございましたけれども、ベルリンの問題を含めてドイツの統合が民族の自決によって近く終結に向かうということになってまいりますと、一応戦後は全く国連の憲章の上でも終わるということでございまして、このような国際情勢の中で日本政府としてはこのような旧敵国条項というものが国連憲章の場から削除されるということは極めて重要であるという認識をしておりまして、この削除のために政府としても努力をするということをこの機会に申し上げておきたいと思います。
○中山国務大臣 先ほどの第一の、政府委員が答弁した件につきましては、私は、どういう報道をされたか存じておりませんので、今ここでコメントをすることは差し控えさせていただきたい、後日改めてコメントさせていただきたいと思います。 第二の点におきましては、私は、アジア地域におきまして、委員御指摘のように、衆議院のときに申し上げたことと参議院では少し変わっております。その変わりました一つの背景というものは、モンゴルの指導者たちが相当日本に参りまして、モンゴルにおける民主化が着実に進んでおる、また自由主義経済への取り組みも非常に熱心になってきているということで、まずアジアで最も古い社会主義国であったモン……
○中山国務大臣 委員のお尋ねの、最近の国際情勢の変化というものとイラクのクウェート侵攻という点についてどのような認識を持っておるかということでございますが、私は、一九七〇年代の米ソ関係から一九八〇年代の米ソ関係へのこの新しい大きな変化、そして昨年の十二月の三日にマルタで行われました米ソの首脳会談によって、冷戦の終わりの始まりという言葉が世界に流れたわけでございます。 そのような中で、かねて緊張を続けておった国際社会は、平和がやってくるということで、この米ソの冷戦終結を大いに歓迎したわけでございますけれども、一方におきまして、長い間堅持されてきた二つのスーパーパワーによる対決の構図が解消いたし……
○中山国務大臣 外務大臣に再任いたしましたので、一言ごあいさつを申し上げます。 まず北方領土問題について申し上げます。 今日、二十一世紀に向けて新しい国際秩序が模索される中で、日ソ関係の抜本的改善は、日ソ二国間のみならず、アジア・太平洋地域の平和と安定の強化、さらには、東西関係の一層の改善の観点からも重要な意義を持つと認識をしております。このような認識に立ち、戦後最大の懸案である北方領土問題を解決して平和条約を締結することを最重要課題として、日ソ関係を均衡のとれた形で拡大させつつ、その正常化と抜本的改善を図るというのが、我が国の基本的な考え方であります。 日ソ間においては、一昨年十二月以……
○中山国務大臣 我々の古来の領土である四島の一括返還を実現して、日ソ間に平和条約を締結するという政府の姿勢は何ら変わるものではございません。この平和条約締結に向けて、日ソ間には一昨年、双方で合意されました日ソ平和条約作業グループ、これによりまして五項目にわたっていろいろと事務レベルで協議が行われておりまして、私どもは、九月上旬に予定されるシェワルナゼ外相の来日を機に行われる日ソ外相会談において、いろいろと各般の問題について議論をいたしたい、このように考えております。
【次の発言】 委員からの、総理に対してこの北方四島の視察をぜひひとつやってもらいたいという御期待がございますが、私から委員の御発……
○中山国務大臣 このたび外務大臣に留任いたしましたので、一言ごあいさつを申し上げます。 御承知のとおり、国際社会は、今、歴史的変革の時期を迎えており、欧州情勢を中心とする東西関係、国際経済等の枠組み自体に大きな変化が見られております。このような国際情勢の中にあって、我が国の平和と繁栄を確保するために外交に課せられた使命は極めて大きいものと認識をいたしております。 諸外国の我が国に対する期待と関心はいよいよ高まり、我が国といたしましても、みずからの経済力、技術力、経験を活用しつつ、世界の平和と繁栄のために貢献をしてまいらなければならないと考えております。 このような認識のもと、私といたしま……
○中山国務大臣 委員お尋ねの在日韓国人の問題につきましては、私どもの国と韓国との間に長い歴史がございますが、その間には幾つかの不幸な消しがたい思い出が双方にございます。そういう中で強制連行され、日本において過去に働いてこられた方々、そういう方々が戦後日本の社会の中に住み込まれて、そして我々の社会を構成する一員として今日まで生活をしてこられておる。こういう考え方の中に立ちますと、いろいろな目的を持って日本に往来される外国の方とは違った意味でのお立場というものがあることを私はよく認識いたしておりまして、この方々の、いわゆる現在日韓両国間で問題となっております三つの点、すなわち、在日韓国人の方々の被……
○中山国務大臣 委員お尋ねのシアヌーク、フン・セン会談の日本開催の予定があると聞くがというお尋ねでございますが、私は、アジアの紛争地点が幾つかございますけれども、やはり現在内戦が最も活発に行われているカンボジアに和平を構築するために、昨年の八月にパリでカンボジア和平会議という国際会議が開かれまして出席をいたしましたが、周辺の関係国以外にカンボジア四派の話し合いというものが成立しなければ、外から幾ら和平構築をしようと思ってもなかなか難しいということを現地で確認をいたしました。それに同席をされたインドネシアのアラタス外相とかあるいはオーストラリアのエバンス外相とかいろい ろの方々から御意見を聞いて……
○中山国務大臣 今委員御指摘のように、この条約は一九七一年十二月に批准を条件に署名をいたしております。今日までこの条約が批准ができなかったということは、一つには、日本で麻薬の汚染が比較的少ない、よその国に比べて非常に麻薬の取り締まりが厳しかったということが背景にあると思いますが、なお国内の関係省庁との各種の関連法案、政令等のすり合わせに非常に時間を要したものではないか、私はそのように認識をしておりますが、ぜひ、今回これを御審議いただいて、一日も早く批准に持っていきたい、このように考えております。
【次の発言】 今委員お尋ねの国内法の整備とこの批准の問題につきましては、私どもは、ヒューストン・サ……
○中山国務大臣 海上における犯罪の防止あるいはまたそれに対する対応につきましては、かねていろいろと御議論をいただいておりますが、プルトニウムの海上輸送につきましては、海上保安庁の船を使うということで今回御審議をいただいているわけでございます。
【次の発言】 委員御案内のとおり、日本を初めアジア地域にもたくさんの原子炉が稼働中であり、また建設中であると認識をいたしております。現在、韓国では九基ございます。また、韓国との間には日韓科学技術協力協定のもとで若干の協力が行われてまいりましたが、本年五月二十五日に日韓原子力平和利用協力取り決めを行いまして、この安全性の確保のために二国間の協議をすることを……
○中山国務大臣 具体的には、お尋ねの点につきましては、平和的非爆発目的使用を明確にしたことでございます。核物質防護措置の規定を設けたこと、また核物質等の管轄外移転に際して、その条件を改正前に比して厳しくいたしたこと、また機微な技術の移転につきましても、新たな協定の対象としたことによりまして、平和的利用担保は一層万全なものになったと存じております。
【次の発言】 委員お尋ねの地球環境的に見まして、私ども工業化の進んだ地域におけるCO2あるいはSO2等の排出等の問題、またそれによって起こってくる、あるいはまた発展途上国における焼き畑農業の問題、そういうことを考える中で、さらにこの原子力の利用による……
○中山国務大臣 委員お尋ねのソ連における国内政治の状況は大変不安定、不確実、不透明な状況にあると思います。ゴルバチョフ大統領が推進しておられるペレストロイカにおきましても、この経済政策は効果を発揮しているとは言いがたい状態でございます。一方、民族運動が大変活発になっておりますし、また新しく民主化の波が進む中でロシア共和国ではエリツィン氏が大統領に選ばれる。そういう中で連邦よりも強化されたような制度をつくっていくという中で、ソ連がこれからどういうふうな方向を国内においてたどっていくのか。私ども政府は、ペレストロイカの正しい方向性というものを支持して今日までおりますけれども、民主化あるいは自由化が……
○中山国務大臣 今委員お尋ねの、日米安保条約が日ソの平和条約締結に関して、あるいは北方領土の問題とどのような関連性があるかというお尋ねでございますが、外務省といたしましては、日ソ平和条約作業グループ等におきまして、日米安保条約が今後の日ソ間の平和条約交渉に何ら障害になるものではないという認識であると認識をいたしております。
【次の発言】 先般の米ソ首脳会談において合意を見ました戦略兵器の削減交渉の合意事項で、もしそれが条約として発効する場合におきましても、現在米ソそれぞれが持っております約一万発近い核弾頭つき戦略兵器を双方が六千発にするということでございまして、このような現実の国際情勢の中で、……
○中山国務大臣 委員初め沖縄選出の国会議員の超党派の先生方が、この基地問題についてかねていろいろと御協力、御苦労をいただいてきたことを、この機会に敬意を表しておきたいと思います。
昨日発表いたしました事案以外に、沖縄県の知事事案及び日米安全保障協議委員会事案は、今後日米間で引き続き検討を行いまして、必要に応じて軍用地転用促進・基地問題協議会事案についても、今後とも検討を続け、沖縄の方々が待望されている沖縄の米軍基地の整理縮小の方向で、政府としては引き続き日米合同委員会で協議を続けていきたいと考えております。
【次の発言】 今委員御指摘の米軍基地の整理縮小を促進してもらうということにつきまして……
○中山国務大臣 今委員御指摘のように、今年は日米安保条約が改定されてちょうど三十年の記念の年に当たるわけでございまして、政府からは国民及び政府の代表というような形で安倍特派大使がワシントンを訪問された、こういう状況の中で、私どもは今委員の御指摘のように、三十年間平和の維持の中で我々の国が経済的にどのように繁栄できたかということを国民みんながここは一度振り返ってみる必要があるのではないかと考えております。 一人当たりの国民所得を安保が改定された三十年前と比べてみると、日本は一人当たり三百八十六ドルでございましたが、今年は一万八千二百六十八ドル、四十七倍に実は伸びております。アメリカの所得の伸び……
○中山国務大臣 このイラクの、クウェートに武力による侵攻が起こったという事態につきまして、まず基本的に日本の考え方、こういうものを申し上げておかなければならないと思います。 この武力による他国を侵略するということは、平和国家を理念とする日本国としては許しがたい問題でございまして、この点につきましては国連の制裁決議を国連加盟国として多国間で協力をしていくということが原点にあると思います。今委員からの御指摘のように、日本の対応が少し手ぬるかったのではないかという御指摘がございましたが、私はある意味で今日までの日本の国の安全、また在外邦人の問題も含めて、我々の国は極めて、戦後安全と平和が確保されて……
○中山国務大臣 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案の概要について御説明いたします。 改正の第一は、在外公館の設置についてであります。今回新たに設置しようとするのは大使館一、総領事館一の計二館であります。 大使館は、南部アフリカにあるナミビア共和国に設置するものであり、ナミビアの近隣国に駐在する我が方大使をして兼轄させるものであります。 総領事館は、英国のエジンバラに設置するものであります。英国北部において、我が国企業の進出が増大しており、在留邦人保護体制の強化を図るとともに、対英外交を一層強化するとの見……
○中山国務大臣 スーパー三〇一条は、いわゆる包括貿易法が採択された中の一部でございまして、この背景、どういうことでアメリカの議会でこういうものが立法されたか。それは、一九八七年の五百七十億ドルに上る米国の貿易赤字、これに対する議会のいら立ちがこの包括貿易法案を成立させたという背景があったと思います。 なお、この内容につきましてはUSTRに対して八九年、九〇年両年について米国が貿易自由化を求めていく上で優先的に取り上げるべき貿易慣行と貿易相手国を一方的に認定して、調査協議を行って、当該相手国との間で貿易問題の解決が見られない場合には対抗措置をとる、こういうふうな強い内容を持ったアメリカの国内法……
○中山国務大臣 私は自由民主党の公認候補でございまして、自由民主党は消費税の見直しということを党で決定しております。私が公認候補である以上、自由民主党の政策を守っていくという立場にございます。
【次の発言】 委員も御存じのとおり、選挙公報に掲載する政策につきましては、候補者独自の判断で書くことを認められておると存じております。
【次の発言】 先ほどお尋ねいただきましたが、公的ないわゆる公報には掲載をいたしておりませんでしたけれども、御承知のように新聞等の消費税に対する質疑については、私は次のように述べております。「経済活動の国際化が進む中で総合的に判断して、所得税の軽減、物品税の廃止を進めなが……
○中山国務大臣 池田委員御指摘のとおり、昨晩十時から、日米構造調整協議が開催をされております。昨晩始まりました会議におきましては、まず日本側から、先般、協議の積み残し事項でございました米側の問題点について意見を申し述べている段階であろうと考えておりますが、現在のところ、それ以上の情報に接しておりません。 しかし、政府といたしましては、今回の四月二日、三日の日米構造協議というものは、七月の最終報告を待たずに、でき得る限り政府も全力を尽くして日米間の貿易不均衡の改正を図るとともに、この両国関係の拡大均衡、さらに友好の一層の深まりを目して全力を挙げてただいま対処しておるということでございまして、御……
○中山国務大臣 今お尋ねの日米欧の三極対話、これに関しまして、事務次官級の政治レベルの協議が発足をいたすということはお尋ねのとおりであります。これについて、この安全保障に関するセミナーに事務次官級の者が参加をすることは、その方針でおります。
なお、CSCEの正式メンバーとなる考え方は、日本政府は持っておりません。
【次の発言】 そのとおりでございます。
【次の発言】 今おっしゃるように、NATO及びワルシャワ・パックは、今日までの軍事機構的な性格から次第に政治的な機構への変質が行われるものと考えております。
【次の発言】 おっしゃるとおりでございまして、軍事機構的性格を持っており、両者間にお……
○中山国務大臣 委員お尋ねの全欧における安保への努力、安全保障への努力というものは、長い歴史の中でNATO加盟諸国及びワルシャワ条約機構の国々、現在のようにソ連の新思考外交というものが当時ございませんでしたけれども、努力は積み重ねてきた。米ソそれぞれの努力の結果、今日のようなヨーロッパの平和への方向が出てきたのじゃなかろうかと思います。アジアにおいてこのような変化が起こることを私どもはもちろん期待をいたしております。 なお、既にモンゴルでは変化が起こりました。そして、この間からモンゴルの首相も来られておりますし、また議長もこの間日本にお越しになって、日モの友好関係を強化したい、しかも日本から……
○中山国務大臣 先生お尋ねのガットの加盟問題に対しまして、現段階でソ連の体制はガットに加入し得る状況にはないと日本政府としては考えております。
なお、オブザーバーにつきましては、先般三月八日に申請が行われ、三月三十日に日本へのそのオブザーバー参加についての了解を求める話し合いが始まっております。
【次の発言】 日ソ間において、残念ながら平和条約がございませんが、先生もよく御存じのように、日ソの貿易は六十億ドルに達しているわけでございまして、私どもといたしましては、この平和条約が将来締結されるようなことがあれば、日ソ間の経済交流というものは飛躍的に増大するものだというふうに考えております。
○中山国務大臣 日米間の構造調整協議につきまして、その内容を自分たちに公表しろという御指摘でございます。
政府といたしましては、この協議の内容につきまして、先般閣議でその中間報告を報告し、了解をとり、発表させていただいたようなことでございまして、もし御要請があれば、先般の政府の閣議了解をいたしました中間報告につきましては、委員長が御要請があれば院に提出をさせていただきたいと考えております。
【次の発言】 お話しのこの中間報告に至るまでの米側の日本側に提起をいたしました中身、これはあくまでも双方がアイデアを出し合っているという状況でございまして、もとは、御案内のように日米間の貿易不均衡に関する……
○中山国務大臣 委員の大変熱心なこの問題に関する御意見等十分拝聴をさしていただきました。米軍にとりまして、日米安保条約の目的の達成のために、米軍のパイロットの訓練というものは極めて重要な問題であろうかという認識を持っておりますが、米軍が地域住民に危険を与えるというようなことにつきましては、政府としてもかねてより米側に十分注意を払うように申し入れをしてきておるところでございまして、私どもといたしましては、地域住民の安全のために引き続き十分な配慮を払うように米側に要請をしてまいりたいと考えております。 ただいまのところ、御指摘のような地位協定の改定は考えておりません。
○中山国務大臣 今先生御指摘のようなことは、実は私自身もかつて参議院の議運の委員長時代に、安井参議院議長のお供をして、海外の空港のボディーチェックに遭ったことがございます。その際も非常に不愉快な思いをいたしまして、直ちに大使を通じて相手会社に注意を、抗議を申し入れた、こういう経験者でございまして、先生の御指摘の点はよく理解をできるものでございますが、こういう問題につきまして政府といたしましては、民族的な不平等的な扱いをしない、もちろん犯罪捜査のために予備的にチェックすることは航空会社の一つの大きな安全のための責任問題でございますから、それに干渉することはできませんけれども、差別をするということ……
○中山国務大臣 委員御指摘のヨーロッパにおける歴史的な変革というものは、ゴルバチョフ大統領の新しい新思考外交がその背景にあると考えております。そういう考え方の中で新しい外交戦略をソ連が構築をしている。しかも、この考え方の中で、かつてワルシャワ機構に加盟しておった東ヨーロッパの国々も、それぞれの考え方によってみずからの政府を選び、経済体制を選ぶということについては、ソ連は干渉をしないという考え方が現存しているものと思われまして、ヨーロッパは極めて好ましい方向に動きつつあるという認識を持っております。 しかし、委員御指摘のように、今軍備削減、軍縮は米ソの二国間においていろいろと協議が行われている……
○中山国務大臣 お尋ねのゴルバチョフ大統領の訪日の時期は、まだ具体的に日取りの確認はされておりません。ただ、先日も当委員会で御答弁申し上げましたように、その前に外相会談が開催されます。外相会談は、米ソ首脳会談の終わった時点でシェワルナゼ外相から私あてに来日の時期が近く通告されるもの、このように考えておりまして、そういう話し合いを通じて両国間の外相レベルでの両国の友好関係及び領土問題の解決等を踏まえた議論が展開されていく、そういう過程の中で大統領の訪日の時期を双方が確認した時期で設定をさせていただきたい、このように考えております。
【次の発言】 ソ連から外務省の招待で日本に来られるマスコミあるい……
○中山国務大臣 北方領土に関します御質問に対しまして、政府の見解を改めて申し上げさせていただきます。
四島の一括返還という政府の立場はいささかも変わっておりません。
第二に、昭和五十六年に既にソ連は二島の引き渡しを約束をいたしております。私ども政府としては、四島の返還こそが領土問題の基本である、こういうふうに考えまして、二島でとりあえずでも合意するとの選択肢はございません。
御指摘のとおり、四島一括返還こそ我が国の貫くべき道でございまして、国民世論の一致した対ソ対応がこれからも求められるところでございます。
【次の発言】 ちょっと、ただいまお答えいたしました中で、昭和五十六年と申しました……
○中山国務大臣 委員お尋ねの件につきましては、去る四月三十日ソウルにおきまして日韓外相会議を開きまして、次のようなことで一応の合意を見たわけでございます。 いわゆる在日韓国人三世問題について、在日韓国人法的地位協定第二条に基づきこれまで日韓間の事務レベルで協議を実施してまいりました。 その点につきまして、まず第一に、簡素化した手続で覊束的に永住を認める。 第二に、退去強制事由は内乱、外患の罪、国交・外交上の利益にかかわる罪及びこれに準ずる重大な犯罪に限定する。 三、再入国許可については出国期間を最大限五年とする。 四、指紋押捺については、三世以下子孫の立場に配慮しこれを行わないことと……
○中山国務大臣 委員お尋ねの、お言葉の内容について固まったのかという御質問でございますが、現在固まっておりません。
【次の発言】 委員お尋ねの外相会談における合意の問題点についてお答えを申し上げたいと思います。
まず第一に、いわゆる在日韓国人三世問題につきましては、在日韓国人法的地位協定第二条に基づき、これまで日韓間の事務レベルで協議を実施いたしてまいりました。
今般の外相会談の結果、三世以下の子孫に関しましては次のような方向で法的地位及び待遇に関する問題の解決を図ることにつきましては、日韓間で、第一に、簡素化した手続で覊束的に永住を認める。第二に、退去強制事由は、内乱、外患の罪、国交、外……
○中山国務大臣 ただいま議題となりました国際連合平和協力法案について御説明を申し上げます。 世界は今、歴史的な変革期にあり、平和と安全の新しい秩序を模索して種々の国際的な努力が行われております。そのような国際社会の努力の中心的役割を担うのが、国際の平和と安全の維持を主要な目的とする国際連合であります。今般の中東における危機的な事態に対しましても、国連は累次の安全保障理事会の決議等に示される毅然たる態度によって対応し、湾岸危機に対する国際社会の一致した行動の中心となっております。世界が、新たな国際秩序を模索する過渡期に特有の不安定性と不確実性に直面するにつれ、国連を中心とする国際の平和と安全の……
○中山国務大臣 国連の行います平和維持活動の中には、いわゆる平和維持軍というものとそれから停戦監視団というようなものが、この二つの項目に分けてあろうかと思います。 それで、平和維持軍というものは、あるいはレバノンとかいろいろなところに点在しておりますけれども、これはいわゆる武器を相当量維持した軍事力を持っていないと、この国連平和維持軍というものはなかなかその機能を発揮することはできない。一方、国連平和協力隊等が考えております停戦監視等に関しましては、原則として非武装ということが考えられております。 こういう中で、今まで国連が中心になりましていろいろとこの平和維持活動の中で行われたものを二、……
○中山国務大臣 先般、委員が主宰されましたアジア・フォーラムにも私出さしていただいて、リュウ所長にもお目にかからしていただきましたが、これはやはりアジアの各国の指導者に、日本の国連の決議に基づいて行う国際平和協力というものに関する法律案の趣旨というものをよく理解してもらうということが一番大事だろうと思います。 先般、国連総会におきましても、各国の外相に対しては、日本政府が現在立法を準備しているこの法案の内容については既に説明を申し上げました。中国の銭外相からも、不安が起こらないように慎重にひとつやっていただきたいというお話もいただいておりますし、先般、おとついの晩はベトナムの外務大臣にいろい……
○中山国務大臣 国連憲章に申します旧敵国条項は、第二次世界大戦後の経過的な規定として挿入をされておることは御存じのとおりであります。日本が国連憲章四条に言う平和愛好国として国連に加盟が認められて、国連加盟国として我が国との間の関係が憲章第二条、なかんずく主権平等の原則によって規律されることになった以上、日本にはもはや旧敵国条項というものは適用されていないと私どもは認識をいたしております。 私どもは、昭和四十五年、第二十五回総会以来、たびたび国連総会の場でこの旧敵国条項の排除の主張をいたしてまいりましたし、先般の九月の国連総会におきましても、日本政府としてそのようなことを申し上げてきた次第でご……
○中山国務大臣 突然の御質問で、あらかじめ数を正確に数えてはおりませんけれども、お目にかかった元首、大統領の数は恐らく三十人を超えているのじゃないか、あるいはまた、お話し合いをした外務大臣は百カ国を超えているのではないか、こういうふうな印象を持っておりまして、極めて、昨年の海部内閣発足以来、国際社会が激動し、新しい時代へ向かうときでございましたから、絶えず関係各国の外相が会議をするという、本当に想像を絶するようなことが続いておりまして、そういうことから、数を正確に計算するというようなことはやっておりませんが、極めて多数の外相たちと話し合いをいたしたということでございます。
○中山国務大臣 今お尋ねの国連憲章のいわゆる敵国条項は、第二次世界大戦後の経過的な規定として挿入されているものでありまして、我が国が国連憲章第四条に言う平和愛好国として国連に加盟が認められ、国連加盟国と日本との関係が憲章第二条、なかんずく主権平等の原則に立って規律をされることになった以上、我が国には適用をされないというふうに既に国際社会では認識されていると思っております。 なお、この問題は、憲章の改正について改正委員会等におきましても我が国からも意見を出したことがありますし、私が先般の国連総会で演説を行った中にもこの問題に触れましたけれども、ドイツがいわゆる第二次世界大戦終了後戦勝国によって……
○中山国務大臣 自衛隊法に定めるいわゆる防衛出動等に関しましては、この平和協力隊法のいわゆる目的と全くそれが違うという認識を持っております。
【次の発言】 お説のとおりであります。
【次の発言】 中曽根元総理は、政治家としての立場でこのイラクの今回のクウェート侵攻に対する反省を求めると申しますか、クウェートからの撤退、人質の解放について毅然たる態度で交渉をやっていただいておるというふうに報告を受けておりますが、細部にわたりましては政府委員からお答えをさせていただきたいと思います。
【次の発言】 委員もよくお話しいただいていますように、国立病院あるいは大学の附属病院から医師を出すといった場合に、……
○中山国務大臣 平和協力業務には、停戦監視あるいはまた選挙監視、選挙の実施、いろいろと、それからさらに地域の復興、医療活動、このようなものが一応この法案の中でその項目として掲載をいたしておるということも御理解をいただきたいと思います。
【次の発言】 今、委員お尋ねの多国籍軍への協力という形のものは、この平和協力隊ができました場合に、相手国、つまり多国籍軍がいる相手の国の政府と協議をしながら、その国における医療活動あるいは輸送活動に従事をするというものでございまして、多国籍軍のいずれかの軍の指揮命令系統に入るものではない、こういうことでございます。
○中山国務大臣 衆議院安全保障特別委員会の開催に当たりまして、我が国の安全保障について所信を申し述べたいと思います。 安全保障に万全を期することは、国家の独立と繁栄を維持し、国民の生命財産を守るために必要不可欠な条件であり、外交の基本的課題であります。私は、我が国の安全保障政策遂行の任に当たる者の一人として、その使命と責任を全うすべく全力を尽くす決意でございます。 昨年八月のイラクのクウェート侵攻に端を発する湾岸危機は、国際社会にとって一つの大きな試練でありました。幸いにして、危機への対応に当たっては米ソの協調関係が基本的に維持され、また国連の権威と米国の強力なリーダーシップのもと、我が国……
○中山国務大臣 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、外務大臣として一言ごあいさつを申し上げます。 まず北方領土問題について申し述べます。 日ソ関係の抜本的改善は、日ソ二国間のみならず、アジア・太平洋地域の平和と安定の強化、さらには世界全体の平和と安定の確保の観点からも、不可欠であります。そのためには、北方四島の返還を実現し、平和条約を締結して日ソ関係を政治的に安定した基礎の上に置き、あらゆる分野で質的に新しい両国関係を構築することが必要であります。このような認識に立ち政府としては、本年四月のゴルバチョフ大統領訪日を日ソ関係の抜本的改善の突破口としたいと考えております。 一月……
○中山国務大臣 ただいまの御決議に対して、所信を申し述べます。 政府といたしましては、ただいま採択された御決議の趣旨を十分に体しまして、今月予定されますゴルバチョフ大統領の訪日を通じ、北方領土問題の解決と日ソ平和条約の締結のため、全力を傾注しつつ、一層強力にソ連との交渉に当たる所存であります。
○中山国務大臣 今回のゴルバチョフ大統領の訪日に関しまして総括して申し上げれば、我々が期待した結果ではなかったということは率直に言えると思います。一方、従来我々が国会の決議も尊重しながら交渉に当たってきた一貫したいわゆる領土返還運動、四島一括返還という我々の考え方について、今まで日ソ間には領土問題はもうないと言ってきたソ連の大統領と日本の首相との間に、歯舞、色丹、国後、択捉という四島が両国のいわゆる領土問題として共同声明に載せられているということは、これは今後の交渉に一つの大きな舞台をつくったものである、私はこのように考えております。 なお、シベリア抑留の方々、また亡くなられた方々の名簿を受……
○中山国務大臣 ただいま議題となりました万国郵便連合憲章の第四追加議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 万国郵便連合は、郵便物の国際交換制度の確立を目的として明治七年に設立された世界で最も古い歴史を有する国際機関の一つであり、我が国も、明治十年に加盟して以来その活動に積極的に参加し、郵便の分野における国際協力のために努力してきております。 万国郵便連合憲章は、万国郵便連合の基本文書であり、第四追加議定書は、この憲章について万国郵便連合の組織及び運営の効率化の観点から、所要の改正を施すことを目的とするものであります。 この議定書を締結することは、我……
○中山国務大臣 ただいま議題となりました欧州復興開発銀行を設立する協定の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この協定は、中欧及び東欧の諸国の政治的及び経済的改革への支援に関する関係諸国の会議における検討の結果、平成二年五月二十九日にパリで作成されたものでありまして、我が国は、同日にこの協定に署名をいたしております。 この協定は、中欧及び東欧の各国の政治的及び経済的改革を支援し、これらの改革を実施している国の市場指向型経済への移行等を促進するため欧州復興開発銀行を設立することを目的としており、同銀行の設立、その目的、資本、業務、組織及び運営等について規定して……
○中山国務大臣 昨年十二月二十九日、外務大臣再任を拝命いたしました。早い機会にごあいさつを申し上げることを切望いたしておりましたが、本日その機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。 昨年八月二日に勃発した湾岸危機は、昨日のブッシュ大統領の演説をもって収拾の方向に向かわんといたしております。これは、我が国を含め世界の多くの国々が湾岸の平和と安定を回復するため、国連のもとに結束し、国連安全保障理事会の関連諸決議を堅持しつつ、相互に緊密な協力を進めてきた結果にほかなりません。 今や世界は、歴史的激動期の渦中にあります。特に、欧州における東西対立の解消と統合の時代の幕あけは象徴的……
○中山国務大臣 二十世紀の三大事件は何かというお尋ねでございますが、まず今世紀では第一次世界大戦、第二次世界大戦、共産主義体制の崩壊、これら三つだったと思います。
【次の発言】 当時のことを回想いたしますと、橋本大蔵大臣がこのEBRDの設立に当たって日本の円がその中に認められるということは日本のいわゆる経済力が高い評価を受けたものだという認識を持って発言をされたことを記憶いたしております。
【次の発言】 東ヨーロッパの国々を回ってみた率直な感想を申し上げますと、東ヨーロッパで自由化、民主化を進めている国々は、やはり統一するドイツの経済力、これが新しく民主化する国々に対してどのような影響力を深め……
○中山国務大臣 外務省といたしましては国際緊急援助隊の派遣の場合に、それはあくまでも二次災害、三次災害の場合を対象として現在考えておりまして、目下のところクウェートあるいはイラク等におきます人道的な観点から伝染病が発生したりした場合には、WHOと十分な緊密な連絡をとりながら応分の協力をしなければならない、このように考えております。
【次の発言】 現行法の手直しの場合には、戦争の被害による場合も国際緊急援助隊が出せるということになるものだと思います。しかし、現在のところ直ちに法律改正をするという考えは持っておりませんで、あくまでも現行法で伝染病発生の場合には対応を直ちに行うという考えを持っており……
○中山国務大臣 これからの日本外交というものがどういうふうな考え方で対応すべきかというお尋ねでございますけれども、今も委員から御指摘のように、米ソが対立していたという時代が、一応マルタの首脳会談によって冷戦が終わるという一つの区切りができて、米ソの間には話し合いが行われる、協力が行われる、国連の安全保障理事会では拒否権を使わない時代がやってきた、これから先どうなるか、まだわかりませんけれども、一応現状は拒否権は使われないという常任理事国の協力体制というものができてきた。 私は、日米安保条約が最初に締結されたときには、あの条約を見てみますと、結局十年間で廃止、十年間を一応期限としていたと思いま……
○中山国務大臣 アメリカがイラクのクウェート侵略という一つの国際社会に影響を与える重大な案件について、グローバルな観点からこの地域の平和の回復のために努力をしたという中で在日米軍が移動をするということにつきまして、私は日本の安全保障という観点で、外務大臣としては日本の安全が危険にさらされている環境ではあるかどうかということを絶えず考えておりますけれども、昨年の夏以降、アジア・太平洋をめぐる国際情勢は極めて平穏な状況の中で、米ソの関係も安定しておりましたし、私はそういう意味で日本をめぐる周辺の状況というものはさほど大きな不安を与えているものではないという認識を持っております。
○中山国務大臣 ただいま議題となりました所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とバングラデシュ人民共和国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 政府は、バングラデシュとの間で租税条約を締結するため、バングラデシュ政府と数次にわたって交渉を行いました結果、平成三年二月二十八日にダッカにおいて、我が方井口特命全権大使と先方カーン大蔵省国内資金担当次官兼国家歳入庁長官との間でこの条約に署名を行った次第であります。 この条約は、これまでに我が国が諸外国との間で締結してきた租税条約と同様に、経済的交流、人的交流等に伴って発生する……
○中山国務大臣 まず、日ソの首脳会談について御報告を申し上げます。 今次の訪日は、日露、日ソ間の歴史始まって以来初のソ連元首の訪日でありまして、国民を挙げてゴルバチョフ大統領を歓迎したところでございます。また、同時に大統領の滞在は、予定を三回超過した六回の首脳会談における日ソ二国間関係の根本にかかわる極めて率直で徹底した話し合いの場でありました。これらの話し合いの結果は、十八日深夜発表された日ソ共同声明に具現されております。日ソ間の最重要な議題たる領土問題の解決と平和条約の締結の問題を含め、今次会談の議論における話し合いと共同声明の内容は、今後の日ソ関係を新たに推進していく重要な基礎になるも……
○中山国務大臣 国内法の整備にしばらく時間がかかっておりまして、鋭意この問題の解決に努力をしている最中でございます。その点御理解をいただきたいと思います。
【次の発言】 今回の掃海艇派遣は、湾岸戦争後の平和回復のための目的ということが一つ、それから国際的に航行の安全を確保するということが一つの大きな条件でございまして、そういうことで、韓国政府もその点を理解するということでございました。実は、けさ八時から日韓外相会談をやっておりまして、掃海艇の派遣問題について日本政府として正式に韓国側に説明をいたしまして、韓国側もそれらのことで理解を示したということでございます。
○中山国務大臣 去る四月十二日に当委員会におきまして、上原委員より、沖縄の米軍車両に関して地位協定違反があるのではないかとの御質問がありました点につきましては、当方といたしましては調査をいたしておりますが、委員の問題提起については米側に伝え、話し合ってみたいと考えております。 いずれにせよ、仮に車体に明確な記号表示をつけぬままに一般道路を運行しているというようなことがあれば、米側に対し適切な措置をとるよう申し入れる所存であります。
○中山国務大臣 本日は、最近のペルー情勢について申し述べます。 去る七月十二日、ペルー共和国の首都リマから北北西約八十キロに位置するワラル所在の野菜生産技術センターがテロリストに襲撃され、国際協力事業団から派遣されている日本人専門家三名が射殺されました。まことに悲しく、かつ非道な事件であります。宮川清忠、中西浩、金良清文、三氏がこの残虐なテロリストの行為で亡くなられたことに対し、謹んで哀悼の意を表しますとともに、御遺族の方々に対し、衷心よりお悔やみを申し上げます。 襲われた野菜生産技術センターは、ペルーにおける野菜の生産技術の向上と安定供給に寄与することを目的に、我が国の無償資金協力により……
○中山国務大臣 多くの明治以来の外務大臣の方々は、それぞれに立派な政治家としての信念を持ち、日本の外交に携わってきておられると私は考えておりますが、特に日本の歴史上経験のなかった、日本が無条件の敗戦を迎えたときに、日本の国家の再建、また国際社会への復帰のために大変な決断をされ、今日の日本の繁栄の基礎を築かれた吉田茂元外相に対し、私は尊敬の念を特に抱いております。
【次の発言】 日本は、四面海に囲まれた島国でございますし、そこに一億二千万を超える国民が生活をしなければならない。そのような島国の国家にとって食糧の確保ということは国民生活に欠くことのできない重要な基本的な考え方であろうと思います。そ……
○中山国務大臣 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案について御説明いたします。 改正の第一は、在外公館の設置についてであります。今回新たに米国のマイアミ及びフランスのストラスブールに総領事館を設置するものであります。在マイアミ総領事館は、マイアミを初めとするフロリダ州における邦人・日系企業等の進出の増大等にかんがみ、日米友好協力関係の一層の充実を図るために設置するものであります。また、在ストラスブール総領事館は、同地を中心とするフランス北東部への邦人・日系企業等の進出の増大並びに同地に所在する欧州議会及び欧州……
○中山国務大臣 経済制裁を決断いたしましたのが安全保障理事会での決議を行いますちょうど半日ぐらい前であったと思います。日本はこの地域に対する一番の受益国ということで、各国から非常に注目をされておりました。そこで、国家としての明確な意思を示すということがどうしても必要であるという考えからそのようなことを外務省としては決断をいたしたというのが実情でございます。
【次の発言】 今までのいろいろな紛争地点におきましても、個人が人質にとられるというような判断をする場合と、国家が国家意思によって人質をとるといったようなことは戦後実は経験をしたことがなかったわけでありまして、我が国としては、このような行為が……
○中山国務大臣 今お尋ねのイラクとクウェートの国境問題についてのベーカー長官の発言は事実でございます。極めて意味の深いものだと認識をいたしております。 なお、今回の中東湾岸危機によって、石油を生産しない国家、また、多くの人たちをクウェートあるいはサウジに出稼ぎ労働者として出しておる国家、あるいはその国との貿易がとまっている国家、こういうところは大変経済的に深刻な打撃を現在受けております。アジアだけではございませんで、東ヨーロッパにおきましても、チェコ、ブルガリア、このようなところでは、ソ連からの石油の生産がダウンしているために供給が削減を通告されておりまして、さらに石油の代価の支払いがハード……
○中山国務大臣 今お尋ねの北朝鮮との間の国交再開についての交渉に当たりましては、ただいままでに予備会談を累次やっておりますが、この経過等について一月の末ごろに本会談を持てるように、政府としては極力努力をいたしておるところでございます。
【次の発言】 ただいままでの両政府間の代表の協議の経過を踏まえながら、双方まだ問題点が一、二点合意に達しない点がございますが、それが合意に達しますれば、今委員がお話しのように一月の下旬には本会談を持てるようになる、このように考えております。
【次の発言】 今北米局長がお答え申し上げましたように、一部即位の礼等で委員に対して御連絡を申し上げる手違いがあったというふ……
○中山国務大臣 戦争とは、私の頭の中で考える考え方というものは、国家がみずからの国の権益を守るために、あるいはまたみずからの国家の利益が損害される場合に相手国に対して武力を行使して、武力を持った集団が他国の領空、領海、領域に侵入して相手国と交戦状態に入る。そしてその国の持っているみずからの国に対する意思を粉砕するために戦争というものが今まで存在してきた、私はそのように理解をいたしております。
【次の発言】 委員御指摘のとおり、油の問題がその基盤にあると思います。
御案内のように、イラン・イラクは八年半に及ぶ戦火を交えました。そして、その間に石油価格は極めて大きく上昇したわけであります。その上……
○中山国務大臣 イラクが化学兵器についてどのような考え方を持っているかということにつきましては、総理からもお話しのように、昨日あたりの報道によりましても、化学兵器を使用する準備が行われているとも聞いておりますけれども、このようなことがあっては相ならないと私どもは考えておりますし、化学兵器の早期廃絶を求めている日本政府としては、フセイン大統領が国際世論にこたえるということの判断をぜひされるように期待をするものであります。
【次の発言】 今委員から御指摘のように、安全保障理事会の決議あるいは議論の中では兵器の使用の制限を決めていないわけでございまして、このようなことで私どもは、この核兵器の使用ある……
○中山国務大臣 今、私がこの一月十四日に、アメリカ大統領を初めアメリカ政府首脳と話し合ったことについて委員からお話がございましたが、詳細にそのときの話を申し上げておかなければならないと思います。 それは、日本政府としては、アメリカ政府に対して、この国連決議が期限切れになる一月十五日まで最大限の和平の努力をしてもらいたいというのが日本政府の大きな希望である、これを伝えたわけであります。そして、イラクがどうしてもこの国連決議を尊重しないでクウェートから撤退しないといったような事態が継続された場合に、アメリカを中心とする多国籍軍が国連決議の安保理の六百七十八によって行動する場合には、日本政府として……
○中山国務大臣 この難民輸送というものは、今総理からもお話ございましたように、国際社会で起こってくる難民問題を解決するために国連の要請を受けたIOMというものが、どこの地域にどのような難民が出てくるのか、またどこに集まってきた難民をどこの国へ移動させるか、そういうことを基本計画を立てて、それで、各国からあらかじめ報告を受けている提供されるべき航空機の情報をもとに、その最も有効とされる国に対してその移送を依頼するというシステムができておりまして、それに対して、その初動経費を三千八百万ドル日本政府は出したわけでございますから、要請があった場合にどこの国がどこへ運ぶかということは、その当時の状況に応……
○中山国務大臣 お答えをいたします。 委員は民間航空機の方を使った方がいいじゃないかというお話でございます。今日現在民間の方方の御協力で、lOMからの情報では、井上正信弁護士が二月六日アンマン―カイロ間、イエメン人百四十三名を運んでおられます。それから、二月八日に湾岸避難民救援実行委員会、日本カトリック司教協議会、プロテスタント系団体がスーダン人百七十五名を運ぶということでございます。問題は、このlOMからの要請状を私もう一度委員にここで申し上げさせていただきたいと思いますが、こういう文章になっておるわけでございます。 国際社会が湾岸における緊急避難計画を実施した一九九〇年九月から現在の間……
○中山国務大臣 日本政府としては、国連の加盟国の一国として国連からこの安保理決議の六百七十八を受けてこれに協力を要請されている立場でございますが、日本国も憲法のもとで我々が協力し得る限度というものはもちろんございます。そのような中で、難民を対象に医療活動をやる方々が日本のいろいろな医療機関でどの程度おられるか、その方々の御意思も承るべく所管の閣僚である文部大臣、これは大学病院関係です、あるいは地方自治体の病院には自治大臣、あるいは厚生省関係では厚生大臣にお願いをして、それぞれの所管官庁として希望者があればその参加を求めるということでございまして、目的は難民の医療援助、これに絞られているというこ……
○中山国務大臣 委員御指摘のとおりでございまして、国際的な紛争あるいは解決のために武力を行使しない、これは国連憲章の精神でございます。
【次の発言】 今お尋ねのソ連のプリマコフ特使がイラクを訪問されたことに関連する詳しい内容の情報はまだ私ども確認をいたしておりません。そのために、特にコメントをすることは差し控えたいと考えておりますが、いずれにいたしましても先般米ソ外相会談が行われております。そこでの両国外相の共同ステートメントにこのような言葉が書かれている。「イラクがクウェイトから撤退する旨明白なコミットメントを行えば、戦闘行為の停止が可能であると引き続き信じる。両国外相はまた、かかるコミット……
○中山国務大臣 委員が前回の第二次世界大戦の体験をされたお立場、私も同じ世代でございましたから、大都市の集中空襲というものを体験してきた人間として、戦争が最終局面を迎える段階でどのように一般大衆に被害を与え、死傷者を出すかということは、私自身もよく鮮明に記憶をいたしております。 そういう意味で、いわゆるイラクの本土に住む人、あるいはクウェートの中にいるクウェート人、これらの人たちがこの戦争を通じてやはり平和を求めていることには間違いがないと私は思いますが、一方、国際政治の舞台では、政府の首脳は従来の自分たちの主張、また国民に対する自分たちの政治姿勢、そういったもの、あるいはまたアラブの正義と……
○中山国務大臣 昨日行われましたアジズ・イラク外相とゴルバチョフ大統領の会談につきまして、ゴルバチョフ大統領からアジズ外相に提議された政治的解決のための広範な計画案というものは、アジズ外相がこれを本国に持ち帰っている最中でございまして、内容については一切公表をされておりません。
【次の発言】 日本政府といたしましては、数度にわたる安保理の決議に基づきまして、これの完全実施をイラク政府に強く要請をしてきたという経過がございます。八月二日以来、海部首相は、アンマンにおきましてラマダン副首相にも直接日本政府の意思をお告げになっておりますし、また最近におきましては、国連事務総長を通じて、たしかこの一月……
○中山国務大臣 盧泰愚大統領が訪日されました際に、海部総理より人道的観点及び福祉向上の観点から決着されました四十億円程度の支援の中身につきましては、平成三年度予算案には十七億円を計上をいたしております。
また、この資金の使途につきましても、これまでは韓国政府と協議してきた結果、在韓被爆者の方々の治療費及び健康診断費の支援並びに健康福祉センター建設の支援に充てることを考えておりますが、具体的にはさらに韓国政府と協議を続けてまいりたいと考えております。
【次の発言】 委員お尋ねのソ連の和平提案、この内容につきましては、日本政府としては直接内容を一々確認をしているという立場ではございませんが、関係……
○中山国務大臣 本日朝報道されたこのソ連のイグナチェンコ報道官の発表によりますと、今委員御指摘の八項目が示されているわけでございますが、日本政府といたしましては、いずれにしましてもこの湾岸の平和の回復が一日も早く行われるということが基本的な政府の考えでございますから、私は率直に申し上げて、この安保理の六百六十の決議を完全実施するということにイラク政府が踏み切っていただくことが一番早道であると考えておりますが、いずれにいたしましても、ソ連との間にこのような話し合いが行われている、また、安保理の国々にソ連が連絡をするということでございますから、なおきょう一日このアジズ・イラク外相とソ連の政府との間……
○中山国務大臣 今回の経過につきましては、政府といたしましても、この日限が切られた中でのソ連の和平案をめぐって、イラク政府声明等あるいはアメリカの大統領の声明等めぐりましていろいろと問題点が存在したことは事実でございます。 問題点は、国連安保理が決めた安全保障理事会の決議六百六十の完全実施から始まる六百七十八に至るこの諸決議が完全に実施されるということが国際社会の要請でございましたが、イラク政府はなかなか、このいわゆる全面受諾に同意せずにいろいろと条件をつけておったということも、日本政府としては問題点の認識として持っておりました。 まず、御案内のようにソ連の和平案というものについては、ソ連……
○中山国務大臣 委員からお尋ねの戦災をこうむった地域への緊急復旧、これをまず第一にどうするかという問題でございますが、この戦災を受けた地域への復旧につきましては、中東経済の復興に関連のある各国とも十分協議をしながら、日本としてどういうことができるかということをしっかりと検討をして、そして相手国の要請もよく聞きながらやっていくことが必要ではないかというふうにまず考えております。 また、援助の問題にODAを使ったらどうかというお話でございますけれども、現在戦火にさらされているクウェート、サウジ等は極めて豊かな国でございますから、この国に対してODAというものの概念で支援を被災者のために行うという……
○中山国務大臣 委員も御指摘のように、クウェートにおける被災民の救済という問題は、極めて大きな国際的な課題であります。そこで国際機関、つまり国際赤十字社とかといったようなところが既に活動を始めておりまして、それに呼応して日本赤十字社も既に人を出しております。今、クウェートは御案内のように相当な地雷あるいは火器が敷設されているということで、まず安全を確保するために軍事調査団が入ることが必要ではないかというのが国際的な常識になっているわけであります。もちろん安全保障理事会、国連を中心とした各国の機関がいろいろ動きますけれども、日本政府としては十分緊密な連絡をとりながらこれに対応していきたいと考えて……
○中山国務大臣 ブラッセルにおきますガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉におきましては、ノンペーパーの中に食糧安全保障という事項が一言も含まれていなかった、また事前に、ノンペーパーをつくる前に日本政府の意向も十分聞く手続が踏まれていなかったということで、我々は協議に入る前に、我々の主張というものが全然入っていないこのノンペーパーについては慎重に対応する必要がある。拒絶するものではないけれども、日本側の意思というものを十分踏まえるべきだ。政府としては、米及び稲作等の食糧の自給については、国会の決議も踏まえて今後とも対応していく考え方であります。
○中山国務大臣 委員御指摘のとおり、このアジア地域におきましても湾岸の影響を受けたところは大変たくさんございます。御視察いただいたバングラデシュもその一つでございます。しかし、この国々に対する協力は見直しをするというようなことはございません。 このような方針のもとで、本年二月末にフィリピンに対しまして、湾岸情勢によりもたらされた悪影響に対する支援として、第十七次円借款の一部として足の速い総額二億八千万ドル程度の供与を行う旨も表明をいたしておりますし、スリランカに対しましても、一月初めに交換公文を示した円借款の中に同様な目的で約一億ドルの速い支出のできる借款を決定いたしております。
○中山国務大臣 MOSS協議等において行われた話し合いの中で、いろいろと関税問題も含めてございましたが、原則として民間企業の商業行為でございますから、それは外国企業あるいは日本企業という区別で考えるべきものではないのではないか、私はそのように思っておりますし、一方、それを扱う側の利用者の方は、できるだけ精度のいいもの、値段は別として精度のいいものを学者としては求めていく傾向が非常に強い、そのように私は考えております。
○中山国務大臣 掃海艇の派遣につきましては、米国政府から日本政府に対して要請が来ているということはございません。
【次の発言】 先ほどからいろいろと平和協力の問題で先生からもお話がございましたが、先ほどお触れになりました掃海艇の問題、これはきょうの新聞でも大分にぎやかになっておりますが、この問題については、現在千から千二、三百個の機雷がペルシャ湾に浮いておる、敷設されておるというふうに言われているわけです。そこを航行している船舶、これはもう今戦争は終わっておりますから日本のオイルタンカー等もこれからそこをどんどん通るわけですけれども、この日本の船員と船舶の安全を一体どのようにして確保するかとい……
○中山国務大臣 先般の訪米に当たりまして、ベーカー長官あるいはヒルズ代表等との会談において、日米の通商関係の問題が出てまいりました。どんな問題が出たかと言えば、半導体のシェアの問題ですね、それから建設協議の問題等が中心でございましたが、私は率直に申し上げて、半導体問題は、これは民間業界同士で話が進められるべき問題で、政府としてはこれを支援するという形。 それで、八七年の当時の米国製の半導体のシェアが一一%、それが昨年度は一九%に伸びている、また売上高にすれば十二億ドルが二十六億ドルにふえているということで、傾向としては非常にいい傾向になってきている。そういう中で、両国政府がこの民間の業界の双……
○中山国務大臣 今、松浦議員に兵藤欧亜局長がお答えを申し上げましたように、ソ連の変化、これは我々も予期しなかった突然の変化でございまして、指導部の人員構成も変わってまいりましたし、今日までの日ソ間の交渉の条件というものが大きく変わってきたものと認識をいたしております。そのような中で、エリツィン大統領が五段階の説を私にも前回訪日されたときにおっしゃっていかれました。ハズブラートフヘロシア共和国最高会議の議長代行どこの間お目にかかりまして、ハズブラートフ議長代行からこれをもっと縮めるという考え方もお聞かせをいただいたわけでございますが、私は、この問題の解決のために首脳間でどのように具体的に詰めるの……
○中山国務大臣 本日は、ソ連情勢と我が国の対応について申し述べます。 十九日発生をいたしましたソ連の政変は、ソ連国家、ソ連国民が真に民主主義、自由、人権尊重に立脚した民主主義国家の道を歩み続けるかを問う最大の試練でありました。 我が国は、事態に対する強い遺憾の念を表明するとともに対ソ支援措置の停止を公表いたしました。特に二十日夜から二十一日朝にかけて実力による抑圧が行われたことに対しましては、官房長官よりこれを強く非難し即刻停止を求める談話を発表いたしました。これら我が方の立場は、逐次外務省欧亜局長より在京ソ連臨時代理大使に伝達せしめました。 我が国は、ソ連情勢の把握・分析に努めると同時……
○中山国務大臣 今回のブッシュ大統領の一方的な核の削減の宣言というものは、新しい時代、新しい世紀に向かっての平和を確保していくという意味で極めて大きな意義があったと考えております。 今委員からも御指摘のように、ソ連においては、クーデター失敗後のソ連の国内の混乱の中でソ連が有する核をいかに管理するかということが極めて大きな国際的な関心でございますし、我が国もまた隣接国としてこの核の管理の問題に重大な関心を持っておるわけでございますが、大統領のこういうふうな宣言がソ連の指導部に対して、ソ連の核の管理の確保とともに、ソ連がこれに対応して新しい平和のために思い切った削減に踏み切るように呼びかけたもの……
○中山国務大臣 ODAにつきましては、委員お示しのように、国民のとうとい税金を使ってやるわけでありますから、この相手国の国民から感謝をされるといったことが原則であろうと思います。ただこの場合に、相手国の自助努力ということが一つの大きな条件でございますし、また地域の環境破壊をしない、あるいは文化財を破損しないといったようなことも踏まえながらこれらのODAを実施していかなければならない、このように考えております。
【次の発言】 北方領土に関するアメリカとの交渉といいますか、アメリカ側への説明というものは、日米外相会談等を通じてあらゆる機会にやってきております。それで、アメリカも十分、この北方領土問……
○中山国務大臣 国連におきましては、今総理からお話がございましたように、率直に申し上げて、この冷戦構造が終わって新しい世界史が展開される、そういった中で、従来の常任理事国の拒否権を使った時代は既に過ぎ去った。こういった中で、私は新しい国連のあり方というものを今日本は強く主張する、こういったことが極めて大切だろうという認識を持ったわけであります。 日本政府といたしましては、通常兵器の移転の国連への報告制度の確立、あるいはまた、紛争が発生する情報が国連事務総長のもとに集められて、そして事前に警告が発せられて、そして紛争の発生を防止するというシステムを確立することが今後の国連にとっては極めて重要で……
○中山国務大臣 海外における日本のPKOの派遣に関する認識というものが、今回私、ニューヨークに参りまして、国連事務総長、デクエヤル事務総長に日本の現在の国会におけるPKOの法案の審議状況について御説明をいたしましたところ、国連としてはPKOがこれから非常に重要な問題になってくる、そして、単なる人的な貢献だけではなしに、資金的な貢献もぜひひとつ協力をお願いしたいという御要請がございました。 また、カンボジアのSNCに関しては、シアヌーク殿下から、カンボジアのいわゆる和平が成立をして、そして国連暫定機構ができ上がるといった場合には、ぜひひとつ日本のPKOの協力を期待したい。また、フン・セン首相も……
○中山国務大臣 国連は、率直に申し上げて、第二次世界大戦が終了したときに、この戦争に参加した戦勝国といいますか、それらの国々が、再び多くの人たちが戦禍によって生命を失うことがないという、新しい理想の世界を求めてつくり上げたのが私は国連であったと思います。それは国連憲章の前文にその大きな理想が書かれていると思います。また、我々が国家の安全保障のために結んでいるいわゆる日米安全保障の規定にも国連に関するものがそこに明文化されているということで、安全保障の面でも、日本の国家というものは国連とのかかわりというものは極めて明確に日米安全保障条約に書かれていると思います。 そして私どもは、この国連という……
○中山国務大臣 現在のソ連の状況につきまして、概略御報告を申し上げたいと思います。 昨八月十九日、ソ連邦におきましては、ゴルバチョフ大統領は健康上の理由によりソ連邦大統領の職務を遂行することが不可能になったということに関連をして、ヤナーエフが十九日からソ連邦大統領の職務遂行を開始したといったことが発表されております。また、昨日から六カ月間、ソ連邦の一定の地域に非常事態を導入する、並びに国家の管理と非常事態体制実施のため、ソ連邦国家非常事態委員会が設置される旨発表をされております。モスクワの市内では戦車、装甲車等が出動をしておりまして、一部は民衆と対峙する等懸念される状況が現在見られております……
○中山国務大臣 山口議員お尋ねのソ連の現時点における状況につきましては、昨夜来急速に悪化をしております。モスクワにおきましては、ロシア共和国最高会議の建物の周辺にソ連軍部隊が集結をし、既に一部実力行使が行われている模様でございます。事態は一刻の猶予も許されない段階に来ておりまして、このような実力行使が行われていることはまことに遺憾と私どもは思い、政府としては、この実力行使ということについては厳しく批判をいたしたい、このように考えております。 なお、政府といたしましては、せっかく自由化、民主化を進めている東ヨーロッパの国々についても重大な関心を持っておりまして、これらの国々に対する支援も引き続……
○中山国務大臣 昨夜来のモスクワにおきますクーデターの失敗と申しますか、この状況について、私は、やはり民主主義、自由というものを求めるソ連の国民が、エリツィン大統領を中心にこのクーデターの武力による弾圧、これに徹底的に抵抗する強い姿勢を示した、また国際世論はこれを支持したといったところに今回の一つの大きな特徴があったと考えておりまして、今憲法秩序が回復しつつあると考えております。 政府といたしましては、今回の政権獲得にとられた一連の措置に対して、武力行使の即刻停止と強い自制を求める等の意見を発表してまいりましたが、事態が我々が期待したとおりに進展をしたことを心から喜んでいる次第でございますが……
○中山国務大臣 串原先生がかねてからカンボジアの和平達成、あるいは自衛隊員あるいはUNTAC要員の安全につきまして、熱心に御心配をいただいていることに敬意を表するわけでありますが、今回の幕僚長の記者会見での話、これは、総理もたびたび国会で御答弁申し上げておりますように、我が施設大隊に与えられたPKO法あるいはUNTACの指図、そういうものに抵触をしない範囲で、物心両面にわたってできるだけの安全対策を図る、そういうことが総理、官房長官を通じまして防衛庁の方に伝えられておりますし、私自身も、かねてからそのような同じような趣旨のことを隊員に指示をしております。そういうことで、その趣旨の中で、その厳し……
○中山国務大臣 平成二年度外務省所管一般会計予算案の概要について御説明申し上げます。 外務省予算の総額は、五千三百三十九億二千九百九十七万九千円であり、これを平成元年度予算と比較しますと、六百七十二億八千七百七十一万一千円の増加であり、一四・四%の伸びとなっております。 戦後の国際秩序は、欧州を中心に大きく変貌を遂げつつあり、新たな国際秩序への模索が始まっています。このような中で、我が国は国際情勢の前向きの変化を定着させつつ、世界の平和と繁栄をより確固とする新しい国際秩序の構築へ向けて幅広い分野で積極的に貢献していかなければなりません。これは、国際社会に枢要な地位を占めるに至った我が国の重……
○中山国務大臣 平成三年度外務省所管一般会計予算案の概要について御説明申し上げます。 外務省予算の総額は、五千七百六十三億五千五十九万七千円であり、これを平成二年度予算と比較しますと、四百二十四億二千六十一万八千円の増加であり、七・九%の伸びとなっております。 国際情勢は、東西関係の変質という状況のもと、昨年来の湾岸危機、ソ連・東欧情勢の変化、さらには欧州における国際関係の変革等、新たな国際秩序への模索が始まっております。このような中で、我が国は世界の平和と繁栄をより確固たるものとしていくために幅広い分野で積極的に貢献していかなければなりません。これは、国際社会に枢要な地位を占めるに至った……
○中山国務大臣 委員お尋ねのブッシュ大統領の訪日の時期でございますが、現在のところ確定はまだしておりませんが、延期されたということではなしに日程がまだ検討段階、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
【次の発言】 私も同席したのでございますが、ブッシュ・海部会談のときにブッシュ大統領の方から来年の二月のある時期に訪問をしたいということで、日本政府としても海部総理が訪日を歓迎するというお話がございましたが、問題の湾岸戦争があのような事態で起こってまいりましたので、アメリカ大統領自身の政治日程が大きく変更したものだというふうに理解をいたしております。
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