このページでは椎名悦三郎衆議院議員の29期(1960/11/20〜)における国会発言(質問、答弁等)をまとめています。国会活動の統計や役職、質問主意書の数や内容は29期国会活動統計で確認できます。
○国務大臣(椎名悦三郎君) 工場の過度集中の傾向はすみやかに解消しなければならぬという見地から、通商産業省におきましては、工場立地調査法というものに基づきまして、おもなる各地点を調査いたしまして、これを工場立地の指導に使用しておるわけであります。しかし、これでは不十分であります。そこで、今回改正案を出しまして、今度は、各業種について、好ましい立地条件は何かというような点を主として調べまして、これを一般に提示し、あわせて、金融財政等の措置と相待って工場立地の指導の適切を期したい、かように考えておる次第であります。 なお、イギリスの工場配置法のごときものを出したらどうかというお話がございましたが……
○国務大臣(椎名悦三郎君) お答え申し上げます。 農産物の自由化に関する見解の御質問がございました。基本的には、農業経営も、その近代化、生産性の向上によりまして国際競争力を強化することが必要であるということは、言うを待たぬところであります。しかし、現実の問題といたしましては、二つに区別して考えなければならぬと思うのであります。 第一は、まずもって、現状ですでに国際競争力のあるもの及び関税の措置等によって自由化の可能であるというものは、逐次これは自由化して参りたいと思うのであります。しかしながら、主要農産物であって国際競争力のないものにつきましては、今後慎重に検討を加え、軽々にこれを自由化す……
○国務大臣(椎名悦三郎君) 自由化品目の非常に多くの部分が通商産業省所管の物資でございます。それで、昨年六月に決定いたしました自由化計画の大綱では、三年後に自由化率をおおむね八〇%まで持っていこうというのでございまして、これに石炭と石油を加えますと九〇%になる。石炭、石油を、いつ、どういうふうにやるかということにつきましては、まだ慎重に考究中でございます。政府は、昨年来、逐次この大綱に沿うて自由化を進めて参りましたが、本年の四月に、原綿、原毛等を初めとして、いわゆる早期自由化品目の大部分を自由化いたしたいと考えております。かような措置をいたしますれば、大体において六〇%を上回ることになろうかと……
○国務大臣(椎名悦三郎君) 昨三月九日、福岡県田川郡上清炭鉱において坑内火災事故が発生いたしまして、七十一名もの貴重なる人命を失ったのでございます。まことに鉱山保安の主管大臣といたしまして遺憾のきわみでございまして、ここに心から哀悼の意を表する次第であります。 ここに、所管大臣として一言被害の概況を御報告申し上げます。 昨三月九日正午ごろ、福岡県田川郡上清炭鉱本坑坑内コンプレッサー室から発火いたし、坑内火災を引き起こしました。当時の入坑者は九十一名でございましたが、そのうち、二十名は昇坑脱出をいたしたのであります。災害発生後、現地福岡鉱山保安監督部から直ちに係官が現地に急行いたし、また、付……
○国務大臣(椎名悦三郎君) 炭鉱災害防止に関する決議に対しまして所見を申し述べたいと存じます。 最近における炭鉱の重大災害の頻発ほ、政府といたしましてもまことに遺憾とするところであり、災害の犠牲となられました方々に深く哀悼の意を表するものであります。 申すまでもなく、人命尊重は何よりも重要でありまして、政府は、かねてから、保安の確保は生産に優先すべきものであるとの方針をもって鉱山保安行政を推進してきた次第でありますが、今後につきましても、ただいまの決議の御趣旨を十分に尊重いたしまして、すみやかに所要の施策を進めて参りたいと存じます。 すなわち、第一の点につきましては、通商産業省は、従来か……
○椎名国務大臣 椎名でございます。このたびはからずも通産大臣を拝命いたしました。
時節柄、所得倍増政策に関連いたしまして、いろいろ重要な案件があるのでございますが、何とぞ皆様の御協力によりましてこれらの問題を推進して参りたいと考える次第でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
【次の発言】 ただいま提案になりました商工組合中央金庫法の一部を改正する法律案の提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
商工組合中央金庫は、中小企業者を主とする団体の系統金融機関として、中小企業金融の円滑化を通じて中小企業の振興に重要な役割を果たしておるのでありますが、最近における中小企業の体質改……
○椎名国務大臣 ごもっともな御意見でございます。今長官から申し上げたように、もともと庶民金融機関として発足した関係上、実際問題として中小金融の一部をやっておることは事実なんで、そういう点から申しまして、われわれといたしましては、できるだけわれわれの中小企業に対する考え方を実行してもらうために発言権を強めて参りたいとは思いますけれども、共管の話はまだやったことがないそうであります。制度上の共管でなくとも、すでに一人通産省出身の者が入っておることでもありますし、今後はできるだけ御趣旨に沿うて、こちらの考え方を入れてもらうようにいたしたいと思っております。
○椎名国務大臣 ドル防衛に関連して、ヨーロッパの金利引き下げは金利がアメリカよりも高いので、ヨーロッパの方に高い金利を求めてドルが流出する、それを防止するという意味の金利引き下げでございます。たまたま同じ時期に中小企業の金利引き下げ問題が起こったのでありますけれども、これは直接ドル防衛には関係なく、一般の金利に比較いたしまして、中小企業金融の三つの機関はいずれも金利が高いので、これを中小企業のために三厘引き下げようということが前から言われておったのでありまして、今回のドル防衛の金利引き下げとは関係がないわけであります。
【次の発言】 今回の三厘の引き下げは、これをもって決して満足するところでは……
○椎名国務大臣 ハーター長官の趣旨は、おそらく既契約の分については、これは破棄しないというようなふうに解釈されるわけでございます。でありますから、もし既契約を尊重して、それ以後の調達ということになりますと、影響の現われるのは三十六年度の後半ということになるようであります。 それから特需関係、これもいろいろ研究してみたのでありますが、さしあたり一億ドルないし一億二千万ドルというものが、三十六年度から三十七年度にかけて影響が現われてくるのではないか、かように考えております。
○椎名国務大臣 離職者の救済については、当初の対策をただいまもそれを踏襲しておりますが、職のあるところに分散するという政策をとったわけです。ところが、御承知の通り、大体中年層が多いもんですから、なかなか移動がしやすくない。やっぱりあなたが言われるように、そのままにして、そうして炭鉱がだんだんさびれていく地帯、あるいはその付近にしかるべき職場を作ってやるということでいかぬといかぬのではないか、かように考えております。それで、これはまだ大蔵省と折衡したあとでどうなるかわかりませんけれども、とにかく産炭地振興対策、そのために要すれば事業団を設けるとかということをいたしまして、そうしてその付近の比較的……
○椎名国務大臣 記者会見のことは私は存じませんが、極力公共料金はこれを抑制するということは、閣議の席上において総理のお言葉として私は聞いております。私も公共料金はこの際極力これを抑制すべきものであると考えてはおりますが、九州電力の料金問題につきましては来たる二十日に聴聞会を開くことになっておる。国会の御意見ももちろん参考にいたしますが、この聴聞会の状況にもかんがみまして最終的の判断を固めたい、こう考えておる次第であります。 ただ御承知の通り、電力の状況は年々非常に需用が急増しておりまして、九電力の再編成の当時、水火力で九百万キロ程度のものが十年そこそこですでに二千万キロを突破しようとしておる……
○椎名国務大臣 千二百円の引き下げにつきましては、すでに過去三十四、三十五、二カ年の努力によりまして大体四百五十円見当引き下げに成功しておるものとわれわれは見ております。あと七百五十円、これは三十六、三十七、三十八、三年間の努力によってこの引き下げに成功したい、こう考えておるわけであります。そこで今回の運賃値上げによりまして、大体貨車乗り平均が六十三円程度トン当たり上がっておる、こういうことになるのでございますが、本来ならばこれは合理化によって吸収していくべきなのが当然でございますが、今申し上げたようにすでに千二百円の荷物をしょって今せっかく進んでおる、こういう関係でございまして、これをまたさ……
○椎名国務大臣 私も、就任後、補助団体の点につきましては、まだ十分に勉強しておりません。今、詳細に御指摘になりましたが、えてして補助団体につきましては、御指摘のような事例に流れやすいということも、私は感ずるのでございます。なかんずくジェトロの問題につきましては、きわめて補助額も多いし、それからまた、その使命とするいわゆる守備範囲も相当広いのでございまして、十分に目を届かせて、ますますその機能を発揮させるようにしなければならぬと考えておる次第でございます。その他の団体につきましても、御指摘の点を十分尊重いたしまして、本来の目的、使命というものを達成するように、十分注意して参りたいと存じます。特に……
○椎名国務大臣 よく事情を伺いました。今までは宅地等につきましては、線下の土地の使用方法を制限するような契約を、相当の対価を払った上で結んでおるのでありますが、今御指摘のように、林についてもこれは補償しておりますが、農地だけは線下の土地に対して補償をやっておらないのが現状でございます。そこで、従来から通産省の内部に補償問題研究会というものがございまして、関係各省の職員及び民間の学識経験者を入れて、各種の補償問題について相当綿密な研究をしてきておるのであります。しかし、今問題になっておる線下の農地の補償問題はまだ取り上げたことがなかったのでございますが、御指摘もございましたので、この問題を一つ至……
○椎名国務大臣 ここに第三十八回国会の休会明けにあたり、通商産業政策の重点について御説明申し上げたいと存じます。 本年度のわが国経済は、前年度に引き続き、きわめて安定した拡大基調をたどり、消費の堅調な上昇、設備投資の増加、輸出の順調な伸びにささえられ、年度間の経済成長率は実質で一一%に及ぶものと見込まれ、鉱工業生産も前年度に比し二二・六%の上昇を見るものと思われるのであります。しかもこの間、国際収支は順調に推移いたしておりまして、年度間の国際収支は、経常収支のみでも一億二千万ドル程度の黒字が見込まれ、資本取引をも含めた総合収支では六億ドル程度の黒字となり、年度末の外貨保有高は二十億ドルに達す……
○椎名国務大臣 輸出の問題につきましては、これは相手方のある問題であって、こっちが売るといっても向こうが買うかどうか。しかし、やはり努力目標は立てるべきであるという意味におきまして、従来の実績を考慮しながら新しく迎える年の努力目標を作っておる。これは私はいえると思います。輸入の問題につきましては、為替自由化なんというようなことを控えておりまして、そこが少し従来よりも変わってきているんじゃないか。それからまた、自由化する以前の状況におきましても、為替の割当を地域別にしないで物資別にしておる、そういう関係で、その物がアメリカにもあればメキシコにもある、あるいはインドにもあるというようなことになりま……
○椎名国務大臣 航空機工業振興法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案の提案理由を申し上げます。 今回提出いたしました航空機工業振興法の一部を改正する法律の一部を改正する法律案についてでございますが、この法律は昭和三十四年三月、に制定されましたが、その前年の昭和三十三年五月に制定されました航空機工業振興法の一部を改正いたしまして、輸送周航空機の国産化を促進するための措置として、日本航空機製造株式会社を設立し、輸送用航空機の設計、試作、製造等を行なわせることを内容とするものであります。 この一部改正法律に基づきまして、日本航空機製造株式会社が昭和一千四神六月設立され、以後現在まで、中型輸……
○椎名国務大臣 通産省の所管物資につきましては、いわゆる重要資材の卸売物価というものをずっと沿革的にトレースして、そして大体それを国際水準と比較いたしまして、日本の重要資材の卸売物価はもう少し下げなければいかぬ、あるいはこの程度ならば適当であろうという大体の見当はつけておりますが、小売物価については御承知のように通産省にはございません。
【次の発言】 大体そうでございます。
【次の発言】 小売物価につきましては、通産省といたしましては主として繊維でございます。ただいまの状況は大体繊維の生産が需要に追いついておるというような状況でございまして、一時ちょっと騰貴したことがございましたが、またそれが……
○椎名国務大臣 ただいま提案になりました中小企業金融公庫法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。 中小企業金融公庫は、昭和二十八年八月設立以来、年々貸出資金源を増大し、その機構も拡充整備して、その貸出残高は、昨年十二月末で千四百七十五億円をこえるに至りました。 しかしながら、貿易自由化に備えて、中小企業の経営の合理化、設備の近代化を促進し、その振興をはかる上において中小企業金融公庫の果たす役割はいよいよ重要であり、すでにこの一月より貸出金利を年九分に引き下げ、中小企業者の金利負担を軽減し、その貸出資金源についても、昭和三十六年度において政府資金四百……
○椎名国務大臣 至急に技術的に可能な対策を講じまして、今後そういう危険の防止に極力努めて参りたい、こう考えております。
【次の発言】 御指摘の点はごもっともでございまして、今後ともこの点につきましては両省の間であるいは特別の協議会なり、あるいは調査会なりその機構を考えなければならぬかもしれませんが、緊密な連絡をとって盲点の生じないように気をつけて参りたいと思っております。
【次の発言】 御指摘のように、エネルギーの今後十年間における需要というのは、全く圧倒的な数字であります。この相当に速度が早くそして非常な量に及ぶこのエネルギー関係の建設開発というものについて、根本的には何といってもこれは産業……
○椎名国務大臣 天然ガス探鉱補助として、きわめて少ない経費で恥かしいのですが、二千七百万円程度ございますが、今言われたようなきわめて重要な資源として、今後この探鉱には相当の努力をする必要があると思いますので、十分努力をいたして参りたいと考えております。
【次の発言】 天然ガスの活用については、近年とみに活発化して参りまして、一般の経済人もこれに相当のウェートを置いて考えるようになったのでございますが、今日の日本の状況は、これをもっともっと重要視して開発に当たらなければならぬという御意見に対しては全く同感でございます。これを今後開発する手段、方法の問題でありますが、このままでは不十分であるという……
○椎名国務大臣 石炭鉱業合理化臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び法律案の要旨について御説明申し上げます。 わが国の石炭鉱業が、石炭の販売価格を昭和三十八年度までに昭和三十三年度に比較して千二百円程度引き下げることを目標として、現在高能率炭鉱の造成及び非能率炭鉱の休廃止を中心とする生産構造の抜本的な合理化に努力しつつあることは、御高承の通りであります。 最近、鉱工業活動の好調、渇水等のため石炭の需要がやや好転しておりますが、これにより石炭鉱業の合理化の必要性はいささかも減少するものではなく、むしろ石油の長期的な値下がりの傾向から見て、今後一そうの合理化努力を傾注す……
○椎名国務大臣 中小企業の金融機関としての純粋な立場をとるためには、代理貸しよりも直貸しがよいにきまっております。ただ、実際にこれを運用する上において、なかなか手が回りかねると申しますか、必要な個所にすべて支店、出張所を設けるごとができないというような関係から、さような状況になっておるのでございます。しかし、先ほど来長官が申し上げたように、できるだけそれをスピード・アップしまして、そして直接貸しを多くするという方面に努力を払って参りたいと考えております。しかし、普通の金融機関が相手にしにくいようなものに相当力を入れるのだという問題でありますが、これは自分のところでまるまるどうもお相手できない、……
○椎名国務大臣 組合金融を建前として、その組合の構成員である組合員にも個人貸しをするということになっておると思いますが、やはり一つの機構を中心にして信用を供与するのでございますから、やはりある程度は保証もやむを得ないと思うのであります。しかし今おっしゃるように、やめたならば直ちに次の役員にそれを受け継がせるかどうかといったようなことは、これは実際問題としてその衝に当たる人の具体的な状況判断に待たなければならぬと私は考えるわけであります。個々の問題については、なかなかそう一様にもいかぬような場合もあるかもしれません。大体北野理事長以下を信頼して、その細目についてはおまかせするよりしょうがない、こ……
○椎名国務大臣 相互銀行が代理店をやっておるが、あるいは歩積みの問題その他において、本来の中小企業金融というものの理想に背馳するような動きをしておるのではないかというお話でございましたが、これらの問題につきましては、従来とも十分に弊害のないとこを期して監督指導して参ったのでありますが、今後とも御趣旨に沿うて、十分に、その弊害を除去するように努力したいと考えます。 それから、保険料率あるいは保証料率の引き下げ、この問題につきましては、もとより今日三厘の利下げをしたことは、決して満足なことではないのでございまして、今後とも中小企業金融の円滑化、負担の軽減ということに努力して参りたいと考えます。
○椎名国務大臣 ただいま提案になりました臨時石炭鉱害復旧法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び法律案の趣旨について御説明申し上げます。 臨時石炭鉱害復旧法は、十年間の限時法として昭和二十七年に制定されまして以来、現在までに約九年を経過しているのでありますが、この間に約八十億円に上る石炭鉱業及び亜炭鉱業による鉱害を復旧いたしまして、国土の保全と民生の安定に大いに寄与してきたのであります。 しかし、昨年通商産業省におきまして全国的な鉱害事業量調査を実施しましたところ、なお約二百四十億円に上る安定鉱害が累積して残存しており、そのうち臨時石炭鉱害復旧法による復旧の対象となるものはそ……
○椎名国務大臣 ただいま議題となりました輸出入取引法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明いたします。 現行輸出入取引法は、昭和二十七年九月輸出取引法として施行され、その後昭和二十八年八月輸出入取引法に改正され、さらにその後二回の改正を経て今日に至っております。その間輸出入取引法は、輸出入取引における秩序の確立についての基本法として、多大の役割を果たして参ってきたのであります。 しかしながら最近における世界貿易の情勢を見ますと、諸外国においては、依然としてわが国の一部商品の急激な進出が問題とされ、輸出取引秩序の確立のための施策がますます強く要請されているのであります。さら……
○椎名国務大臣 本日ここに御審議を願います計量法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由を御説明申し上げます。 あらためて申し述べるまでもなく、計量単位は、学術産業等の基礎になるものでありますので、普遍的なものであるとともにでき得る限り正確であることが要求されます。このため、わが国は、明治十八年にメートル条約に加盟して以来、同条約により定められる国際的な計量単位すなわちメートル法によりわが国における計量単位に普遍性と正確さを与えるよう努めて参りました。 しかし、現今の目ざましい科学技術の発達によって従来の計量単位の定義ではその正確さが不十分になり、昨秋パリにおいて開催されました第……
○椎名国務大臣 研究の問題でありますが、これは原則として研究は自由にやらして、そうして、あまりその研究を統制がましいことをやらない方が、私はいいと思うのでありますけれども、しかし所管は一方においてあるのでありますから、その所管の紛淆を来たすようなことは、なるべく避けなければならぬ。そこで鉱工業技術研究組合というものの所管でございますが、これは鉱工業に従事しておる企業が、いろいろな自分の仕事に関連して研究機関を持ち、あるいはその研究機関の手に負えない場合には、公の機関にこれを委託して研究してもらうというようなことをやっておるのでありますが、その研究が個々の企業では手に負えない、そうしてかなりその……
○椎名国務大臣 まあできることならば出資金でまかなうことも私はいいと思います。いいと思いますが、いよいよ量産体制に入るということで、これは別途の資金として借入金で将来は行こう、さしあたり民間でまかなう範囲というものは、力の及ぶ限度というものがどうも全体の三分の二くらいしかいかない、あとの三分の一は、どうすればいいかといったようなことで、結局政府が出資に応ずるのでなしに、債務の保証をすれば必要な資金が調達できるというので、この方法に出たのでございます。別にどの金をどうしなければならぬというような理論上の根拠があるわけではありませんけれども、大体において民間の資力の限度というものからいたしまして、……
○椎名国務大臣 ただいまの御決議は、まことに適切妥当なものと考えられます、政府といたしましては御趣旨に沿いまして善処したいと考えます。
○椎名国務大臣 今局長から言いましたように、従来の立地調査が大体において調査の重複を避ける、そして工業が進出しようという場合に、最もいい地点を選ばせるという参考資料を提供させる、こういう意味であったわけであります。それではまだ不十分でございまして、いろいろな工場、進出しようという業種から見て、あまり平面的な調査ではまだ物足りない。そういう点までもっと踏み込んだ調査を今回やる。それに基づいて各工場が、現実にどれくらい進出しておるかという点をはっきりつかむために、新しく地方に工場が進出する場合には届出をしてもらう。その届出によって立地調査が、どれくらい具体的に各産業によって利用され活用されておるか……
○椎名国務大臣 だんだんの御検討によって明らかなように、地盤沈下の対策がより緊急でございますから、あの地帯としては新しい用地造成をして莫大な水を供給しなければならぬというような状況は、かなり慎重に考慮すべきものである、こう考えています。
【次の発言】 大防潮堤を作って、道路が非常に行き詰まっておりますから、阪神間の高速自動車道路にするというような計画は、私は非公式には聞いたことがございます。これに関連して、内側を工場地帯にするかどうかといったような点は、不幸にしてその機会に聞いておりません。もし御指摘のように、その内側を工場地帯云々というようなことになりますと、これは工業用水の面からいっても非……
○椎名国務大臣 協同研究の必要性は、一個の企業でやるには少し負担が重過ぎる。かつまたそれが特定の企業にだけ関連する研究じゃなくて、その成果は広く多くの企業に関係があるというような問題について協同研究の組合が設置されるわけでございますから、いわばあくまで民主的な考え方で、民主的に運営されなければならない、そういう性質のものであることは申すまでもないのであります。従いまして、その協同研究の成果が特定の大企業にすべて独占される、そういうようなことは、この協同研究組合の性格からいって、厳にこれは慎まなければならない問題であるし、大体においてそういう性質のものじゃないと私は考えております。でございますか……
○椎名国務大臣 科学的に研究いたしまして、四〇%であればどうしても害があるというならば、これは当然やめさせなくちゃいかぬと思います。ただただいまのところでは換気装置、通風等が整備されておれば四〇%までは害がない、こういう科学上の結論だそうでございます。それを信頼して四〇%という線を引いておるわけでありますから、その趣旨におきましては、もしいかに換気装置を完全にしてもやはりだめなんだという結論がはっきり出ますれば、修正しなければならぬと私は考えております。
【次の発言】 だんだん公害、薬害の問題について掘り下げた御質問がございました。御指摘の通り将来ますます工業技術の進歩発達に伴いまして、かよう……
○椎名国務大臣 ただいまの御決議の趣旨によりまして、なお関係省に折衝を重ね、その実現に努力したいと考えます。
【次の発言】 予算補正の問題が仲裁裁定の問題に関連して、近く国会に上程されようとしておるのであります。しかしこれはあくまで大蔵省の主張が非常にかたくて、一般の予算補正は今の段階においては絶対に出せない。でございますから、国鉄の特別会計の予算補正だけに限定する、こういうのであります。でありますから、一般会計から石炭及び鉱産物の合計何十億ですか、これを持ち出して問題の解決をはかるということは、今のところは見通しは不可能です。でありますから、どうしても国鉄の特別会計の範囲内において、この問題……
○椎名国務大臣 きのう、これを特に助成するとか助長するとかいう政策は、この法律にはとられていないということを申し上げたのでありますが、ただいまの情勢はだんだん割賦販売が普及されつつあります。その間においてとかく消費者、購入者の方が経済的な立場においては弱いのでございます。その弱みにつけ込んでいろいろな割賦販売普及の情勢に乗って不適当な営利をむさぼるというようなことが、とかく行なわれがちであるというような情勢にもありますので、そういう点を防止いたしまして、健全な割賦販売が普及されることを期待はいたしますけれども、特にこれを政府の手でもっと助長しようというところまではいっていない、こういうことを申……
○椎名国務大臣 この問題はきわめて重要な問題として、われわれも最も近い機会に対策の施策を具現したい、こう考えておったのであります。しかるに今回提出しようとしておる特別会計補正予算につきましては、御承知の通り、人事院勧告に基づいてベース・アップを国鉄においてやることになりまして、その所要額が約二百億近いものになるわけであります。これを補正をせずにスタートするということによって、せっかく値上げした収入がほとんど半分方そっちの方に流れるということでは全然計画が挫折してしまう、こういうことでこれを補正していこう、こういうのでございまして、その内容は私はまだつまびらかにしませんけれども、一般予算の方から……
○椎名国務大臣 一応国際信用も相当ついておる業界であるというので、大蔵省が許したのであろうと思いますが、十分に事態を認識させまして、とにかく油断をしていると、また追い越されるおそれもある、やはり特定金利のもとに、この産業は守っていくべきものであるということに対する認識を十分に植えつけるように、今後努力いたします。
【次の発言】 ただいまの御決議に関しましては、法の運用にあたりまして十分にその趣旨に従いますように努力いたしたいと考えております。
【次の発言】 国によっては、日本の輸出の相手国としては相当な市場である、しかし輸入の相手方としてはどうも適当でない、あまりにフレートの関係なんかが悪い、……
○椎名国務大臣 そういう事実は初めて伺うのでありますが、まことにどうもけしからぬと思いますので、よく調査いたします。
【次の発言】 今小林委員と小山長官との一問一答を私は熱心に傾聴しておったのであります。私の答弁の有無にかかわらず、非常に熱意のある御質問に対しまして敬意を表します。そしてまた、おおむね正鵠を得た、問題をついておられる、こう考えておったわけであります。答弁の有無にかかわらず、これらの問題につきましては、十分に御趣旨を尊重してその実行に当たりたいと考えております。それからまた、こんなことを言っては――私の選挙区にやはり商工会が随所にできております。商工会議所を作るにはまだどうも地方……
○椎名国務大臣 諸外国の傾向はしばらくおくといたしまして、日本の重油は、国際価格から見てはるかに高値であります。そこでどうしても日本の重油の値段というものは、今後とも私は下がるものと考えております。そうすると、石炭との値段の開きが出て参りまして、千二百円の合理化では追っつかないのではないかということになるのでございますけれども、将来の重油の値段いかんにかかわらず、電力あるいは鉄鋼、セメント界、これら燃料を多量に扱う産業とただいま話し合いをしておりまして、重油の値段というものは将来どうなろうと、とにかく三十八年度までにトン当たり千二百円のコストを引き下げる、そして五千五百万トンの生産量を維持して……
○椎名国務大臣 ただいま議題となりました石炭鉱山保安臨時措置法案につきまして、この提案理由及び法律案の要旨について御説明申し上げます。 最近相次いで炭鉱の重大災害が発生しましたことは、政府としてまことに遺憾とするところであります。申すまでもなく人命の尊重は、何よりも重要なことでありまして、政府としても従来ともこの方針のもとに保安行政を推進してきたのでありますが、最近の状況は、さらに徹底した対策の必要なことを痛感せしめるに至ったのであります。また国会におきましても事の重要性にかんがみ衆参両院において炭鉱災害防止に関する決議が行なわれたのであります。政府はこの決議の趣旨を十分に尊重し、かつ中央鉱……
○椎名国務大臣 具体的に検討してみないとわからぬと思うのでありますが、ただ石炭の租鉱権についてそうであるかどうか、私は的確に見きわめたわけではないけれども、租鉱権を設定してその租鉱権者を中心とするいろいろな労働条件その他の経費を節減するというようなところをねらって、一応合理化するという場合もございます。そういう場合には、お説の通りその山で直接使っておると相当な賃金を払わなければならぬけれども、租鉱権者にこれを渡して租鉱権者の責任において何がしかの労務者を使ってやるという場合には、この本体と租鉱権との間に労賃の差が出てくるというような場合が、よくあり得ることだと思うのであります。しかしそれだけを……
○椎名国務大臣 できることなれば鉄道運賃の値上がりにつきましても合理化によって吸収するというのが一番いい行き方であろうと思いますけれども、たびたび申し上げるように、千二百円という荷物をしょっている。その荷物を片づけることすら容易ではございませんので、いろいろ研究してみましたけれども、この値上がりの問題につきましては、実質上負担の過重を来たさないように極力折衝いたしまして、ぜひ目的を実現したい。この問題につきましては、私は相当程度の見込みがあるというように考えておる次第でございます。
【次の発言】 池田通産大臣の答弁では、例外中の例外としてこれを認める、つまり非常にしぼって限定的にこれを認めてい……
○椎名国務大臣 具体的に問題に突き当たってみないと、実は何とも申し上げられませんけれども、しかしながら総体的に総理の考えておるような方向と違った方向がもし明らかになるならば、それに対する修正の措置を考えていかなければならぬ、こう考えます。いずれにしてもその場合に、具体的な問題に入って検討してみたいと考えます。
【次の発言】 産炭地の振興対策につきましては、われわれは現状にかんがみて最も憂慮しておるものでございまして、それの振興につきましてはあらゆる努力をしたい。ただしかし、その気持を一体具体的にどういうふうに表現し、どういうふうな効果をおさめるような手段を進めて参るかということにつきましては、……
○椎名国務大臣 一つのアイデアではあると思います。たとえば東北振興の問題をかつて取り上げて、それの母体になる東北振興という一つの特殊会社ができまして、そしてまた過般の東北振興特別総合開発の問題に関連して、このかつての東北振興が色揚げされて、そして東北開発株式会社というのになっておるわけでございます。こういったような例をわれわれは持っておるわけでありますが、産炭地に関して同様のアイデアを適用して、はたして適当であるかどうか、そういったようなものよりも、むしろ大体産業が興り得るような基盤を作って、そしてあとは自由濶達に民間の企業心というものを中心にして、そこに産業を興すという方法がよろしいか、これ……
○椎名国務大臣 貿易振興の方策は、これは一がいに言えないのでありまして、その地域あるいは国あるいは物によってそれぞれ違ってこなければならぬと思うのであります。しかしこれは概観して申し上げますれば、結局アメリカあるいはヨーロッパの先進国に対しては、やはり秩序ある取引構造ということに尽きるのではないか。それから後進地域に対しては、これから相当有望な市場でございますけれども、何といっても向こうの方に資力がない、しかし物はほしい、こういう関係でございまして、これらの地域の市場開拓のためには、やはり貿易金融を非常に豊富にして、借款あるいは延べ払いの方式によって売れやすくする。向こうからいうと買いやすくす……
○椎名国務大臣 三十六年度の見通しは、金額的にいうとお話の通りでありますが、三十五年度に比較して一〇%増、こういうことになっておりますが、ただいまのところでは、対米輸出がむしろ八〇%余になっておると思います、昨年の同期に比較いたしまして――一〇%に達しておらない。それからそれ以外の土地の伸びは五、六%くらいだと思いますから、これまた予定に達しておらない。これはしかし対米輸出に関しましては、思いのほかアメリカの景気後退の回復が早いようであります。ものによっては三月くらいから上昇カーブをとっておる、こういう状況でございまして、対米輸出は、アメリカの景気の立ち直りに従って、もちろんこれはこちらの方の……
○椎名国務大臣 流通面の合理化につきましては、これは数限りなく問題があると思います。まず私は、ただいま何千という銘柄があるが、その銘柄がそのまま認められて、そして取引を非常に混乱させておるような状況にございますから、大口需要者との関係において、これを混炭等の方法によって、もう少し銘柄を整理し、あるいはまた専用船によって石炭の輸入計画をもう少し整備するとか、いろいろあると思いますが、これらの問題につきましては、かなり困難な問題はございますけれども、着々この線に沿うて改善をして参りたいと考えております。
○椎名国務大臣 修正案中予算を伴う事項がございますので、政府といたしましては予算上の措置を御趣旨に従ってとりたいと思っております。
【次の発言】 中小企業の問題と農業の置かれておる事情あるいは従来からのこの農業政策、中小企業に対するもの、その二者の間におきましては、私は相当な趣を異にするものがあると考えるのであります。でありますが、しかし、客観情勢の推移もございますし、それからただいまの施策がこれで完璧であるとも思っておらぬのでございますから、この際、何らか総合的施策を行ないまして、基本的対策というものの検討を一つ行なって、御期待に沿うような方向に努力したいと考えます。
○椎名国務大臣 エネルギーの流体化は、最近における世界の趨勢でございます。各国ともこの趨勢に順応いたしまして、可燃性天然ガス及び石油資源の開発には積極的な助成を講じておるような状況でございます。かような趨勢にかんがみて、本委員会においても、ただいまのような御決議があったのでございますが、通産省といたしましては、十分この御決議の趣旨に従いまして、今後さらに一段と、これらの資源開発の問題につきましては、積極的な施策を講じて参りたい、かように考える次第で、ございます。
【次の発言】 新潟地区においては、天然ガスに依存する範囲なり程度というものは相当広くかつ深いのでありまして、地盤沈下の防止策として、……
○椎名国務大臣 わが国の産業が二重構造でございまして、これを解消して、産業全体の近代化をはかるということの大綱については、今さら調査会を設けてどうのこうのという必要はもちろんないわけであります。もうすでに自由化ということに当面しておる、また所得倍増計画のスタートを今や切らんとしておるという状況でございますから、その大きな見当について今さら調査をするというようなことでは、これはもちろんおそ過ぎるのでありまして、タイミングが合わないことは申し上げるまでもないのであります。ただそういう実施段階に入りまして、具体的に各産業別にどういうふうにこれを持っていけば近代化になるか、あるいは産業構造の高度化、あ……
○椎名国務大臣 通産省といたしましては、地域格差の問題に関連して、工業の分散をどういうふうに考えていくかということを大体腹案として持っておるのでありますが、これは自治省の広域都市あるいは建設省の基幹都市の構想と十分に練り合わせて、そうしてそこに何らか統一した結論を打ち出すということになっておりますが、ただいまの構想といたしましては、もう四大工業地帯というものはすでに飽和状態に近いのではないか。場所によってはまだこれからというところもございますが大体において飽和状態であります。それで別に地方の数個所に中核地帯を考えたい。六カ所ぐらいの中核的な産業地帯を考えております。それから三十カ所前後になるか……
○椎名国務大臣 御質問のうちに、日本貿易会の要望に関してのお話がちょっとございましたが、簡単にお答え申します。 日本貿易会からの要望といたしまして五点ございます。貿易閣僚会議の設置をしろ。第二は国際競争力強化のため、総合対策を実現せよ。砕いていえば物価の安定、企業体質の改善等のための税制、金融対策であります。第三は海外市場対策と調査研究機能の強化、相手国要人の招待等、経済外交を推進せよ、それからまた地域別貿易促進グループを設置しろ、こういう内容でございます。第四は輸出金融、保険、税制措置の改善、拡充。第五、輸出関係事務の迅速化、以上でございます。きわめてごもっともな御意見でございますが、ただ……
○椎名国務大臣 お答えいたします。対米輸出の実績は三十五年度におきまして鈍化いたしまして、前年度に比して五%程度の伸びであります。三十六年度におきましてもこの情勢は続くものと考えられますので、大体五%程度の伸びに終わるのではないか、かように考えております。対外貿易全体としては一〇%程度を期待しております。もちろんこれに対しましては、あらゆる輸出振興の施策を推進して参るつもりでおります。
【次の発言】 ただいまのアメリカの景気の動向は、何といっても鈍化の傾向にあるのであります。しかしながら大体において今年の半ばぐらいからアメリカの景気もだんだん上昇、回復のカーブを示して参るだろうということが言わ……
○椎名国務大臣 肥料工業の所管問題は、ただいまのところ、生産は通産省、流通関係は農林省ということになっております。しかし、この肥料工業そのものはまあ化学工業のこれは一環でございまして、特別に切り離してこれを考えることができるかどうかといったようなことが根本の問題であると思います。それはともかくとして、現状においては、農民にできるだけ安い肥料を供給する、こういう建前のもとに、いわゆるバルク・ライン方式というものができておるのでありますけれども、その当時の情勢と今日とでは、国際的な肥料を中心とした諸情勢が非常に変わっておる。そのために肥料生産工業としては痛しかゆしというような関係に立っておるのであ……
○椎名国務大臣 鉄鋼の価格につきましては、数年前に非常に鉄鋼危機に見舞われて、そして日本じゅう非常に大騒ぎしたことがあります。これにこりまして、鉄鋼界では年々非常に膨大な設備資金をやりくりして、そうして供給が需要に追いつかないというようなことが再び起こらないような努力をして参っておりまして、ただいま総理から申し上げるように、大体において今安定しておる、こういう状況であります。 それで、この価格についてカルテルを指示したことはないかということですが、カルテルはできておりません。鉄鋼協会というのがありますが、これはカルテルではない。ただ個別に業界の方からいろいろな相談に参りまして、それに対附して……
○椎名国務大臣 お答え申し上げます。 エネルギーの問題は所得倍増計画実行の上において非常に重要な問題でございます。それで、総合対策といたしましてわれわれが考えておるのは、この非常に大きな需要が急テンポにどんどんふえて参る、それに追いつくためにどうすればいいか、この量の問題がまず第一の問題であります。それから量もさることながら、供給の安定あるいは低廉化、そういう供給体制をどういうふうに整えて参るかということも急激な量の膨張と相待って非常に大きな問題でございます。それから御承知の通り、海外資源に依存する部分が非常に多いのでありまして、ただいまのところ三三、四%のものが四十五年度におきましてはほと……
○椎名国務大臣 技術革新の問題が主として大企業によって占められておるということでございますが、お説の通りだと思います。しかし中小企業が革新的な技術に結びつかぬかといいますと、必ずしもそうではない。電子科学工業等の面におきましては相当に第一流の斬新な設備を取り入れておるところもあるのであります。問題は、こういったようなことによってますます中小企業と大企業との所得格差が開いていくのではないかというお話でございますが、技術革新の問題が中小企業に一つも均霑してこないということになりますと、それは日本全体の産業界に及んでおるのでありまして、技術を独占するがゆえに中小企業と大企業との格差がますます開くとい……
○椎名国務大臣 お答えいたします。特許行政につきましては、最近出願件数が非常にふえて参りまして、とかく渋滞がちでありましたので、去る昭和三十年から五カ年計画で人あるいは施設等に相当増強をいたしまして、だんだんその改善の方向に向いてきておるのでありますが、しかし、また最近の出願件数は激増しておりますので、とても従来のままでは処理しきれないという状況でございます。ただいま特許、実用新案の件数だけでも二十三万件たまっておる。これでは、現在の処理能力では二年半かかるというような状況であります。その他意匠、商標あるいは審判の件において、いずれも現在の能力では数年かかるというような状況でございますので、さ……
○椎名国務大臣 私の方の所管問題につきまして、大体腹案を申し上げてみたいと思います。 大体六大工業地帯につきましては、すでに相当の程度まで発達して、限界にきたところもございますし、また、まだまだ余地のあるところもございますが、六大地帯は大体重化学工業の地帯に考えております。それから各県に一カ所くらい一般の工業開発地帯を設けるということはどうか、さらにその衛星地帯といたしまして、重化学工業あるいは各県に設定される一般工業の衛星地帯というものをともに考えていかなければならないのではないか。これらの問題につきましては、すでに従来の開発促進法に基づいて経済企画庁において施行しております制度もございま……
○椎名国務大臣 新聞にどう出ておったか、私は知りませんが、とにかく従来工場立地の調査を通産省でいたしております。それは目星をつけて、全国各県にまたがって、各全国通産局が主体となって調査をいたしております。当該市町村と共同して調査をやっておるのであります。それだけでは工場分散計画というものに有力な資料とはなりませんので、その規則を今度改正をいたしまして、今度は各産業の業種から見て、たとえば石油なら石油、鉄なら鉄、そういったような産業がどういうところならば、自分がかりにその工場を新しく建てる場合に、好ましい条件であるかというようなことを、各業種について調査をいたしまして、そしてその調査に基づいて、……
○椎名国務大臣 今回は第三回目の選挙でございました。まことに不徳のいたすところでありまして、毎回選挙違反を出しておりますことはまことに恐縮に存じております。今後は一そう戒心をいたしまして、さようなことのないようにいたしたいと思います。
【次の発言】 中小企業専門金融機関の預金量が減っているという御指摘でございますが、これはただいま調べてみます。
大体中小企業金融が昨年の七月、八月ころ割合に窮屈になっておったのであります。例年の通り年末資金の需要が旺盛でございまして、これに備えて昨年は、一昨年百億だったものを二百億これに準備をいたしました関係上順調に越年をした。こういう状況でありまして、その後……
○椎名国務大臣 昨日横山委員から、中小企業等協同組合法第二十三条の三に、「政府は一事業協同小組合の組合員に対し、税制上、金融上特別の措置を講じなければならない。」と書いてあるが、これに基づいてどういうことをし、またしようとしておるかという御質問がございました。あらためてこの御質問に対しましてお答えを申し上げたいと存じます。 中小企業等協同組合法第二十三条の三の規定の趣旨にかんがみ、次のような措置を講じております。 まず金融上の措置といたしましては、小組合及びその組合員に対する商工組合中央金庫の融資について、中小企業庁長官の通牒に基づいて、その円滑化をはかっている次第であります。なお昭和三十……
○椎名国務大臣 中小企業の生産性の向上という問題でございますが、ことに零細の中小企業の分野においては、近代の大企業の四分の一くらいの生産性しかないというような状況でございます。結局、中小企業振興対策のすべてが、この生産性向上の問題を目標として施設されておると言っても過言ではないと思っております。すなわち設備の近代化、これも三十六年度におきましては、ただ設備、機械等の近代化ではいかない。やはり中小企業の現在置かれておる環境そのものから変えていかなければならないというような点を目ざしまして、これの改善にも当たりたいと考えておるのであります。なるほど予算は少ないのでありますけれども、着々地についた施……
○椎名国務大臣 三月四日に、衆議院の予算委員会においてあなたに今言われたようなことを申し上げた、その後に出した、こういうのですか。
【次の発言】 重複いたしますが、私はこの前お約束した文句をもう一度読み上げます。「事外交上の非常に重要な資料にもなりますので、その点は、すべての取り扱いについては慎重を期して参りたいと思います。いろいろ御要求もございましたので、」以上私が申し上げたような「そういう点を十分に考慮しつつ、」、というのは、外交上の重要な資料でありますので、すべての取り扱いには慎重を期さなければならぬ。そういうことを考慮しつつ、なるべく早急に提出するように努力したい、こう申し上げた。そこ……
○椎名国務大臣 建値の制度はこの公販価格制度というものによって置きかえられて参っておるのでありまして、公販価格は御承知の通り全体の生産の九割程度を占めており、約三、四十社の会社の間において行なわれておるのであります。それで先般鉄鋼価格が建築ブームに促されて相当値上がりをいたしましたが、公販価格においては少しも動揺しておらない。わずかに一割程度の公開販売制度に加入しておらない中小メーカーの製品が著しく高いのでありまして、それが鉄鋼値段を非常につり上げられておるような格好になっておりましたが、公開販売制度に加入しておる業者の品物は依然として動かなかったのであります。それでこれに対処いたしましてこの……
○椎名国務大臣 農業基本法を生まれた根拠は、私は相当根深いものがあると思うのであります。従来の農業政策というものを全く脱皮して、そして近代的な農業というものに政策を踏み切ろうというのでございますから、これは今日の法律の提案を見るまでに、相当苦しみ抜いた結論であるということを察するのでございます。これとやや趣を異にしておるのが中小企業でありまして、今農業基本法が論議されておる、中小企業もこの例にならって基本法を作るべしというような意見もないわけではないように私も考えておりますけれども、農業の衣がえと違って、中小企業の問題についてはいろいろすでに各方面から論議されてきておるのでありまして、各般の施……
○椎名国務大臣 アメリカの景気の見通しについては、ほとんど意外に回復が早いということがいわれておるのであります。ただいま対米輸出が少し鈍化しておりますが、これがだんだん回復して参ることを予想しておるのであります。 それからヨーロッパの方の輸出の見通しでございますが、これはすでに相当動いております。品物は雑貨、繊維、それから軽機械、そういうものがおもなのであります。 アメリカ景気の回復とともにいろいろな連鎖反応と申しますか、ヨーロッパの買気も今後だんだんそれ以上に伸びていくというようなことをわれわれは期待しておるのであります。 それからプラント輸出は、これは東南アジアを初めとする低開発国、……
○椎名国務大臣 平均して硫化鉱などは二六%くらいになると思います。中に非常に遠くへ運んで処理するというようなところもなきにしもあらずで、あなたのような例はあるかもしれませんが、きわめて特殊な例であって、そういうのはもう少し売り先を考えて……。もっと具体的によく研究しなければいけませんから、その点は一つ研究さしていただきます。八〇%も運賃に食われるというようなことは、全くその業者にとっては耐えられない問題だと思います。でありますから、この問題については、どうすれば是正できるか、またあまり遠くに運ばずに近所で何か処理できるか、いろいろ考えなければなりませんから、考える余地は相当あると思います。
○椎名国務大臣 これはいきさつがございまして、理化学研究所の所管が当初から科学技術庁にあったのでございまして、それの拡大したのが今回の事業団だ、そういういきさつがございまして、科学技術庁の所管になったわけであります。それから大部分は従来理化学研究所の対象となるものは鉱工業関係でございますけれども、理論的には範囲はもっと広い。鉱工業のみならず厚生あるいは農林、建設各方面にわたる科学技術の分野を対象とするものである。こういうようなことで、科学技術庁の所管にわれわれは同意しているようなわけでございますが、しかし通産省の所管に重なる部分につきましては、今お話がございましたが、協議を受けるということにな……
○椎名国務大臣 ただばく然と自動車技術と、こう言われましても、非常な複雑なものでございますから、どの部分がどうだということを的確に突きとめて、そしてそれがまだ日本で確立されておらぬという場合には導入せざるを得ないと思います。
【次の発言】 今総理から答えられましたが、三十六年度におきましては、相当の人員を増加することにしておるのでありますが、やはり相当の専門家を見つけなければ、何の役にも立たないので数は制約されるわけでありまして、その点につきましてはできるだけ工業技術院等に、それぞれ配属されておる技術者の手を借りて、予備審査をして、そして審査等がきわめて短かい期間に達成されるようにしよう、こう……
○椎名国務大臣 資料は一つなるべく御希望に沿うような資料ができると思いますから、作ってお出しいたします。炭鉱災害についてはまことに遺憾でございまして、今後十分にこの保安については力を尽くして参りたい。すでに一般的な問題については、この席に総理が臨まれましてお答えしたそうでございますから、私は重複を避けます。
【次の発言】 三十何条とか、これは司法警察の問題ですか。――それは実際に発動したことはないと私は承知しております。(小林(進)委員「どうしてできないのですか」と呼ぶ)具体的の問題に触れて、局長からお答え申し上げます。
【次の発言】 歴年の、三十五年のうちで八件圧迫を受けたということは聞いて……
○椎名国務大臣 農業水産の振興をはかって格差是正をするのでございますから、国内、国外とを問わず、この趣旨、方針をもって施策をすべきものと考えるのであります。従って輸出あるいは輸入の問題に関連いたしましても同様であると考えます。
【次の発言】 さような結果にならぬように考えておる次第でございます。
【次の発言】 肥料は一つの好個の例だと思うのでありますが、やはり国内の肥料価格を国際価格までに引き下げるような合理化政策を実行するのが一番よろしいと思います。もしもそういうことでなしに、その準備なしに、ただ国内の肥料のみにたよるというような場合になりますと、これは需給の関係、あるいはまた国内産に対する……
○椎名国務大臣 昭和三十六年度の通商産業省予算の御説明を申し上げます。 まず、三十六年度通商産業省所管一般会計の予定経費要求額は二百三十四億二千五百万円でありまして、これを三十五年度予算額百七十九億四千百万円に比較いたしますと、五十四億八千四百万円増額することになります。 三十六年度予算のうち、政策事項につきましては、これを一、貿易振興及び経済協力費、二、中小企業対策費、三、鉱工業技術振興費、四、産業構造高度化及び産業基盤強化費、五、石炭対策費の五項目に分け、御説明申し上げます。 第一に、貿易振興及び経済協力費といたしましては、世界貿易における輸出競争激化の情勢と、昨年末発表されました米……
○椎名国務大臣 九州電力会社の財政状況は、他の電力会社の大多数のものに比して非常に苦しくなっておるということにつきましては、今床次委員からお話が出ましたように、水火力の調整金がなくなったということがかなり大きな原因である。また遠因といたしましては、水力条件に非常に恵まれておらない。その他いろいろ需用構成等もございましょうが、もし水火力調整が存続されておれば年額約三十億近いものになる。それで値上率の五%程度に相当するものでございますから、相当大きな要因であることはいなめないのであります。その他どの会社もそうでありますけれども、最近は資本費が非常に増高いたしまして、これのために財政状況がだんだん苦……
○椎名国務大臣 国際収支の問題は最近の情勢によりますと、悲観的な予想にもかかわらず、さらに堅実な歩調で黒字の情勢を続けて参ったのであります。これが最近ドル防衛あるいはアメリカの景気後退等によって、この国際収支の情勢というものは行き詰まるのではないかということをいわれておるのであります。そこでどの程度まで行き詰まるかというようなことについてよく検討しておるのでありまして、ドル防衛といっても、アメリカは別に輸入制限をするとか、その他の関税障壁を上げて、いわゆる保護政策に転換をするというようなことはいっておらない。あくまでアメリカとしては世界全体の貿易量をふやすことによって、ドルの防衛をしていくのだ……
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