このページでは佐藤栄作衆議院議員の31期(1967/01/29〜)における国会発言(質問、答弁等)をまとめています。国会活動の統計や役職、質問主意書の数や内容は31期国会活動統計で確認できます。
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) さきの総選挙において、わが自由民主党は国民多数の支持を得、私は、国会の指名により、再び内閣首班の重責をになうことになりました。私は、国民各位の信頼にこたえ、いよいよ心を新たにして議会民主政治の確立につとめる決意であります。(拍手)総選挙において公約した諸政策の実現はもとより、国民の付託に対する責任を誠実に果たしてまいります。 今日わが国は、経済の国際化、人口構造の変化、急激な都市化など、経済社会の構造的変化に直面しております。この変化は、急激かつ広範で、国民生活に及ぼす影響ははかり知れないものがあります。社会の主体は人間であり、経済の繁栄は人間の尊厳と社会の福祉……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 まず第一は、国会の正常化についてのお尋ねであります。 私は、今回の選挙を通じましていろいろなことを勉強いたしましたが、そのうちに特に国民の皆さんは、健全な議会制民主政治を守り、またそれを育ててくれろ、こういうことにたいへんな熱意を示されました。私は、現在の状態のもとにおきまして、この議会制民主政治をわれわれの力によってぜひとも確立し、これを守り抜き前進させなければならない、かようなかたい決意をいたしたのであります。これは、わが自由民主党ばかりではございません。おそらく選挙で選ばれた皆さん方も同じような気持ちを持っておられるだろうと思います。……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 景気の見通しと公債政策との関係について、ただいま川村君はいろいろ私見をまじえてのお尋ねでございます。この公債発行に踏み切りました昨年の経済状態に思いをいたしていただきたい。昨年は不況を克服するということが私どもに課せられた緊要な課題でありました。公債を発行することによりまして、この不況克服ができました。社会党の諸君は、公債を発行すれば必ずインフレになる、かように言われましたが、私は、国民の期待されるように、不況の克服ができました、これで公債発行は成功したと思います。 そこで、考えていただきたいのは、公債発行そのものには、いわゆる景気を刺激す……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 私からお答えするのが適当だと思う事項についてお答えいたします。その他は各大臣からお答えするつもりでございます。 まず第一に、地方自治団体の財政についていろいろの広範にわたる御意見が述べられました。そうして、この地方団体の自主財源を確立しろという御要望でございます。私は、そのお説の中に引用されました行政調査会だとか地方制度調査会等々がすでに答申しておりますその点について、政府が真剣に取り組んでおることをお話いたします。 御承知のように、国、地方、この団体間におきましては、行政事務が適当に配分されることが、まず一つの問題であります。適当に配分されました事務に対して……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 村山君にお答えいたします。 税制のあり方、お説のとおり、これは公正で、また公平でなければならない。税そのものは中立性が保たれなければならない、同時に、民主的にこれが決定されなければならない、かように私は考えております。各国の議会史をひもときましても、この税の問題が中心であることは御存じのとおりであります。 次に、交際費についてのお尋ねであります。交際費は、これは私が申し上げるまでもなく、いわゆる事業遂行上必要な経費でございます。したがいまして、お説のように遊興に使われているというだけのものではございません。問題は、この交際費を、どういうように節度あり、また良識……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 私からは、中小企業の位置づけとでも申しますか、あるいは今後の見通しにおいての中小企業のあり方、これをお尋ねのようでございました。その他各般にわたってのお尋ねでございますが、それらは各大臣の答弁に譲らしていただきまして、私はただいま申し上げるような点でお答えしたいと思います。 永井君の御指摘にもありましたように、わが国の中小企業は、数の上におきまして、わが国の産業の九九・四%だ。その大部分を占めておる。しかも、輸出あるいはその他の産業の面において果たしておる仕事量、これはまたたいへんなものでございます。しかし、最近におきまして、いわゆる労働力……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 ただいまもお話がありましたように、総合エネルギー調査会が政府に答申したこと、これはもう御承知のとおりであります。私は、この総合エネルギー調査会の答申は、わが国のエネルギー政策の方向を示すものだ、かように思っておりますので、この線に沿いまして、長期的また総合的観点に立ってのエネルギー政策を遂行していくつもりでございます。 その点から、あるいは、この際動力省を設置したらどうかというようなお話も出ておりますし、あるいは、基本法をつくったらどうかというようなお話もございますが、私は、ただいまのところは、この調査会の答申の線に沿って政策を進めていく、……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 河野君にお答えいたします。 私は国民福祉の向上、これは私の政治に課せられた一つの大きな柱だ、かように思って、そうして社会保障の充実をはかっておるのであります。 ただいま、私が貧乏人は死ねと言った、こういうお話でありましたが、さようなことを言った覚えはございません。河野君は良識の人でありますだけに、こういう話をされると、国民の間で、河野君のような良識の人がこういうことを言うといって、あるいはそれを真実にされる方もあろうかと思いますので、これは私が抗議を申し上げておきます。 それで、ただいま申し上げますように、国民福祉の向上をはかる、こういう意味から、社会保障の……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 福祉国家の建設は、私ども政治家に課せられた大きな課題だと思っております。私は、与党の協力のもとに、御承知のように社会開発を進めておりますが、この社会開発は、私が申し上げるまでもなく、社会保障制度、これを充実強化する、これがその中心をなすのであります。ことに、ただいまもお話がありましたが、この社会保障制度の充実強化は柱でございますが、その意味におきまして、医療保険の制度、これと真剣に取り組むつもりであります。 ただいま御指摘ありましたように、今日わが国の医療保険制度につきましては、もう根本的な改革を行なうべき時期にきておると思います。そういう……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 決算の重要性、これはただいま仰せになりましたとおりでございまして、私ども政府もさように考えております。そこで、決算を重視する、そういう態度でありますのは、決算の重要性からきておるのであります。 ただいまるるお話しになりましたが、その立場に立ちまして、決算に出されます説明、これが十分用を足さない、こういうような御指摘であります。私が申し上げるまでもなく、決算は、予算執行にあたりまして十分その目的を達しておるか、あるいは効率的な運用が行なわれたか、こういうようなことを事後になりまして調べるのでありますが、これは、申すまでもなく、計数的な記録やあ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 現状をいかに見るか、こういうお尋ねでございますが、お話にもありましたように、最近十数年来の経済の異常なる発展、これは国民に繁栄をもたらした、確かにそのとおりであります。また、各国から、たいへんすばらしい発展だ、かようにいわれております。その結果、都市集中化が行なわれ、産業の過大集中が行なわれた、そこでいろいろな問題が起きてきたのでございます。いわゆる公害に対するいろいろの意見がそこで出てきた。私がかねてから申しております社会開発の必要も、かような状態で最も必要なことがわかるわけであります。私は、しばしば、人間尊重、社会開発、こういうことを政治……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 選挙制度審議会から答申が出まして、もう相当の期間たちました今日、政治資金規正法改正案がまだ国会に提案することができませんこと、まことに私遺憾に思っております。この点ではぜひ御了承を得たいと思います。しかし、もうこの問題もたいへん長くなっておりますので、できるだけ早く、来週中にも必ず提案できるようにいたしたい、かように考えておりますので、いましばらく時間をかしていただきたいと思います。 次に、この内容の問題でありますが、これは私が申し上げるまでもなく、選挙制度審議会設置法、この法律の第三条には、他の審議会に書いてないような書き方がいたしてあり……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 まず最初にお断わりしておきますが、大出君は、社会党の立場から自衛隊に絶対反対だ、こういうことを言われながらいろいろ質問されました。したがいまして、なかなか意見は一致しにくい。私が説得力が足りないのじゃなくて、ただいま言われるような前提に立っておられる。そういう立場でお聞き取りをいただきたいと思います。(拍手) そこで、私はしばしば申し上げておりますように、わが国の安全を確保するということが、私に課せられた政治の大きな課題である、そういう立場から、わが国の安全はいかにして確保するか、この立場でものごとを考えております。そうして、社会党の賛成は……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 民主主義のもとにおきましては、お説のとおり、法律を守ることが絶対に必要であります。また、三権分立の原則、これも守らなければなりません。 ただいま、私のとりました処置は、行政事件訴訟法二十七条、法律に基づいてとった処置でございます。裁判官もまた第二十五条によって処置をいたし、私は二十七条によって処置いたしたのでございます。これは抽象的でございますが、この原則はぜひ守っていただきたい。 そこで、具体的に土曜日ではあまりたいしたことはないじゃないか、委員会も開かれず、本会議もない、また、月曜日もたいしたことはないのだ、そういう際のデモだからこれ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 只松君から三十八年以来のわが国の経済の動向について詳細な御報告がございました。しばしば議論されるところでありますが、いわゆる高度経済成長、これは、それなりにちゃんと目的を達したと私は確信しております。私が政局を担当するようになりまして、そのときの最も大きな課題は、いわゆる不況克服と同時に物価の安定である、今日さように考えております。この不況克服は、私どもの財政政策、金融政策よろしきを得まして、これが克服できました。(拍手)今日のようなりっぱな経済状態ができたのでございます。(打手) 私は、その中心をなすものがいわゆる公債発行政策であった、か……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 お話のうちにもありましたように、ただいまお尋ねになりました山田君と私は、同じ町の出身でございます。私の考え方は十分山田君も御承知のことだと思いますが、そのお話のうちに、私が勤労者を軽べつしておるとか、あるいはべっ視しておるとか、あるいは勤労自身を軽べつしておると、こういうようなお話がございましたが、同じ町の出身でありながら、かようなことを言われること、私はまことに残念に思います。(拍手)私は、絶えず、勤労こそこの世の中をよくするものだ、かように考えておりますし、勤労階級、その働きを絶えず高く評価しておるその一人でございます。どうか誤解のないよ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 御指摘のように、私ども政治家に課せられた今日の課題は、どうして議会制民主政治を守り抜くか、また、政党政治に対する国民の信頼を高めるか、こういう点にあると思います。これはお説のとおりであります。そういう観点に立ちまして、すでに選挙制度審議会におきまして種々審議を続けられておるのであります。その問題は、御指摘になりましたように、選挙区制の問題、選挙運動の方法、あるいはまた政治資金の問題さらには参議院選挙のあり方等々、いろいろ検討しなければならない問題があるのでございます。しかし、御承知のように、選挙制度審議会ができまして、第一回以来、この政治資金……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 私の次に計画しております東南アジア諸国訪問について、いろいろ問題を提供しておるかのような御意見がただいまございました。勝間田君の意見を中心にしてのお尋ねでございます。 私はしばしばこの席でも申しましたように、わが国の外交基本方針、これは申すまでもなく、私どもは自由を守り、平和に徹する、そうして国際友好親善関係を深める、これが私の基本的方針でございます。(拍手)この立場に立ちまして、今回の訪問では、私がアジアに対する理解と認識を一そう深める、そのために訪問をし、それぞれの政府の当局と話し合う、これがアジアの平和と繁栄のために絶対に必要だ、かよ……
○国務大臣(佐藤榮作君) 増岡君にお答えいたします。 私は、増岡君の御意見を私の席から謹聴いたしておりましたが、久しぶりに現実に即した建設的な意見を聞きまして、たいへんうれしく思いました。(拍手) 増岡君はすでに御承知のことだと思いますが、わが国で最低賃金法を制定いたしましたのが三十四年、それ以来今日までに、国内の賃金はほぼ倍額になっております。私は、この点でただいまの最低賃金法もずいぶん大きな役割りを果たしておると思います。また、賃金ばかりではありません。労働条件等の改善につきましても非常な貢献があったと思います。しかし、御指摘にありましたように、わが国で一番困っておる問題は、いわゆる産……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 御承知のように、農政の目標、これは申すまでもなく生産性の高い農業を確立して、そして国内の食糧自給度を維持する、同時にまた、農業従事者の生活向上をはかる、これが農政に課せられた使命だ、かように私は考えております。 ところで、農業基本法ができまして以来いろいろ各方面において努力されました。その結果、プラスの面もありますが、御指摘になりましたようにマイナスの面もございます。このプラスの面は、私が申し上げるまでもなく、機械化や近代化が進んだことであります。人間の労働が機械労働にかわった、こういう点は見のがすことはできません。また、専業農家もやはりそ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 私が出かけたのは、隣の国の大統領の就任式でございます。しかも、たいへん短い期間でございます。土曜、日曜、月曜、これで国会の審議や国政の審議に支障があると私は思いません。むしろ、隣の国の大統領の就任式に出かけることは、万障繰り合わせて出かける、こういう意味で、善隣友好外交の実をあげた、かように私は考えております。(拍手) また、ただいま、私は招かれざる客ではなかったかということでありますが、たいへん韓国政府からは丁重な招待をいただいたのであります。韓国政府ばかりではありません。ソウルの市民もたいへん平穏に、また、私が不愉快を感ずるようなことは……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 武部君にお答えいたします。 申すまでもなく、近代国民生活、これと郵政事業、これは切り離すことができない。この点はお説のうちにもその公共性を主張しておられる、そこでよくわかると思います。私はこの点に思いをいたし、国家の提供するサービスは普及しなければならない。これが特定の地区だけあるいは都会だけ、さようなところに集中してはいけない。いなかであろうがどんなところに住んでおろうが、国民はひとしくこの恩恵を受ける、こういうことでありたいと思います。したがいまして、二十四年に簡易郵便局制度を設けて、地方公共団体、さらにまた協同組合等でこの郵便業務を受託する、こういう制度を……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 都市計画法案の諸点についてのお尋ねでございます。私から基本的な考え方をお答えいたしまして、その他は所管大臣に譲りたいと思います。 御承知のように、国土の均衡ある発展をはかることは、政府、また政治に、私どもに課せられた重大なる使命でございます。そういう意味で、この均衡ある発展をいろいろ諸施策とともにはかってまいっておりますが、最近の都市化の傾向、これはたいへん急速にその方向に進んでおります。したがいまして、御指摘にありましたような過疎地帯もできておるわけであります。過密対策、過疎対策、これは二つとも同時にやらなければならないのであります。ただいま御提案いたしており……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします前に、今回の災害に際しましてなくなられた方に対し、心から哀悼の意を表し、同時にまた、被災者各位に対しましてお見舞いを申し上げます。(拍手) ただいま細田君からお尋ねがございましたが、政府の政治的な姿勢といたしましては、災害から、国土、さらにまた、国民の生命、財産を守る、これが基本的な姿勢でございます。 そこで、ただいま災害についてお話がございましたが、すでに災害対策基本法ができております。これに基づきまして、政府は防災計画を策定し、同時に各種の長期計画を立てておるわけであります。もちろん、長期計画を立てておりますが、今次の災害等から、さらにこれ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 伊賀君にお答えいたします。 林業の現状についての認識は、私も伊賀君が見るところと意見が一致するものが非常に多いのでございます。 そこで、御指摘になりましたように、過疎対策としても、同時にまた、防災の見地からも、国土の総合利用計画を策定すべきではないかというお考えには、私もその必要を痛感するものであります。できるだけ早目に総合的な検討を施して、この総合利用計画を立てるべきだと、かように思っております。しかし、各産業部門に対する適正な土地の配分であるとか、なかなかむずかしい問題もございます。今日までそれができ上がっておりません。今後一そう努力するつもりであります。……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 内藤君にお答えいたします。順序はお尋ねのとおりではございませんが、私一応整理したところでお答えいたします。 まず第一は、観光行政の一元化の問題であります。御指摘のように、十七省庁、三十五部局にわたっておる、そういう観光の仕事でございます。これを各省のうちから観光行政というものが抽出できるかというと、これはできない状況でございます。したがいまして、私は、これを一元化するという行政の一元化、これはいろいろ考えてはみますが、なかなかむずかしいことだ、かように思います。 そこで、そのかわりといたしまして、連絡を密にし、そうして協力関係を打ち立てるために、ただいま観光対……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 臨時国会が開かれるにあたり、所信の一端を明らかにいたしたいと存じます。 真の平和の永続的な維持は、世界人類の理想であり、日本国民の最大の願望であります。平和こそ不変の国是であり、長い将来にわたる民族繁栄のいしずえであります。(拍手) しかるに、ベトナムにおいては、関係各国の再三の和平への努力にもかかわらず、いまだ平和解決のきざしの見えないことは、まことに残念であります。長期にわたる戦争によって、とうとい人命の損失はもとより、一つの民族文明が破壊されつつあることは、同じアジアの一員として座視できない思いであります。(拍手)私は、ここにあらためて、紛争当事者に対し……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 沖繩問題についてのお尋ねでございますが、琉球新報の調査をまつまでもなく、沖繩百万の同胞、これは祖国復帰を心から願っております。また、沖繩同胞ばかりでなく、日本国民の念願でもあります。しかし、この事柄は、同時に、ただいま沖繩が極東の安全保障において果たしておる役割り、これも私どもは無視はできないのでございます。(発言する者あり)いままで絶えず同じことを言うておると言われますが、そのとおりでありますから、これは別に変えるわけにはまいりません。(拍手)私は、今秋アメリカに参ります際に、日米間の最も重大な問題でございます沖繩復帰の問題について話し合う……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 まず第一は、私のかねての主張と、今回の健康保険特例法案を提出したことは矛盾するのではないか、こういうお尋ねでございます。私は、私自身の今回の行動に矛盾を感じないものでございます。 さらに、その説明をつけ加えてみたいと思いますが、河野君は、ただいまの医療保険制度、これが保険制度であることはお認めだと思います。しかし、広義の社会保障の一環であること、一つの柱であること、これも認められると思います。したがいまして、いわゆる福祉国家を建設しようとするかねての私どもの政治的主張と、今回のこの特例法案を提出したこととは別に矛盾はないのであります。申すま……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 伏木君にお答えいたします。 御指摘になるまでもなく、議会制民主主義、この民主政治を守り抜く、この立場で私もこれまでいろいろ苦い経験をなめてまいりました。このたびの国会運営につき、また委員会運営につき、それぞれの御批判があることだと思います。一日も早く国会の正常化をはかって、そうして国民の期待に沿うようにいたさなければならないと思います。公明党、民主社会党、自民党、この三党が申し合わせをいたしましたのも、ただいま申し上げるような点に沿ってでございます。この申し合わせをいまさら読み上げるまでもないことでございますが、近く国会法を改正して、そうして議長によりまして不適……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 第五十七回国会に臨み、わが国が当面する内外の諸問題につき私の所信を述べ、国民各位の理解と協力をお願いいたしたいと存じます。 私は、先般東南アジア、大洋州諸国を歴訪し、さらに米国を訪問して、それぞれの国の首脳とひざを交えて率直な意見の交換をいたしました。これらの会談を通じて、わが国に対する各国の理解を深め、同時に国際的重要問題の所在を明らかにし得たことは、きわめて有意義であったと信じます。(拍手) 特に、東南アジアの諸国が社会的、経済的基盤を異にし、また、それぞれ独自の政治的立場をとりつつも、民族の尊厳維持と真の独立達成のため真剣な努力を重ね、同時に新しい連帯感……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) ただいま勝間田君から、私に反省を求められ、同時にまた、私のやり方が非民主的だと、こう言って、その態度も非難されました。私は、私の席におきまして静かに謹聴し、御意見を謙虚に伺ったのであります。しかし、その間には幾多の誤解もあり、また、十分理解もしていただけない点があるようでありますから、この際にお答えをいたします。 私は、まず、総理といたしまして一番の責任は一体何か。それは申すまでもなく、わが国の安全をいかにして確保していくべきか、これが私の責任でもあり、同時に、総理として私に課せられた義務である、かように感じております。(拍手)また、日本の安全は、アジアの平和と……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えをいたします。 今日までの経済の歩み、ことに戦後の歩みを見ましたとき、私は、わが自由民主党のとってきたその政策そのものが誤りでなかった、かように確信をしております。(拍手)御承知のように、戦後社会党が中心で政権を担当した際もございます。しかし、その際は一体どうであったか。その後引き続いてわが自由民主党が政権をとってから、ただいまは世界第三の工業国になりつつある、かような批判すら実は聞くのであります。すばらしい発展を遂げておる。それはわが党の自由経済、それこそが、統制経済に反しての自由経済こそが、との成果をおさめたと思います。もちろん、ただいま御指摘になりま……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 私は、申すまでもなく行政府の長でございますが、その意味におきまして、公務員にもちろん適正なる給与が支給されることを望み、またそれを確保する責任がございます。国民一般に対する国民の生活を確保することも、私の責任でありますが、同時に、ただいま申すように、行政府の長としてのその責任も、ただいま山本君から御指摘になったとおりであります。 ところで、私は、公務員一人一人もやはり全体の奉仕者だということをよく考えていただきたいと思います。さように考えますと、いわゆる団体交渉などでこの給与がきまるべき筋のものではない。これでただいまお話のありましたような……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 第五十八回国会に臨み、当面する内外の諸問題について、私の所信を明らかにしたいと存じます。 わが国はことしで明治改元百年を迎えました。国民各位とともに、明治の輝かしい経営のあとをしのび、国家民族の長い将来にわたる発展のため努力する決意を新たにしたいと思います。 明治維新は封建時代から近代への一大転換でありました。東洋の一小国であった日本は、ほぼ半世紀の間に世界的な国家に成長いたしました。当時、諸外国との友好を深め、進んで西欧文明を取り入れ、近代国家としての基盤を確立した国民の気概と活力、指導者の識見と勇断に深い尊敬の念を禁じ得ません。(拍手) 自来一世紀、われ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 江田君にお答えいたします。 私の演説に対する御批判と、並びに御意見を詳細に述べられました。私がお答えを必要としない面もあるようであります。それらの点を勘案いたしまして、私がお答えしなければならないと、かように感じました点をお答えいたしたいと思います。 まず第一、日米協力関係ということについて御批判がございました。私はもうすでに御承知のことだと思いますが、日本は、戦争に負けてからいわゆる平和国家として出発いたしました。他国に対して脅威を与えない、また、攻撃的な兵器も持たない、いわゆる平和国家として日本は世界において主要なる地位を占めたい、これが私どもの念願であり……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 八木君にお答えいたします。 たいへん広範なお尋ねでございますが、私からは二、三の点についてお答えをいたしまして、他は所管大臣の説明に譲ります。御了承いただきたいと思います。 四十二年度の経済見通しの問題でありますが、この見通しが狂った、かように仰せられます。しかし、私どもは、四十二年の経済見通しを立てました際に、大体実質成長率を九%にしよう、しかし、たいへん現時の経済情勢はむずかしい状態で、きびしい状態だ、したがいまして、この経済基調の変化というものに絶えず注意して、途中におきましても必要なる対策は立てよう、かように申してまいりました。したがいまして、御承知の……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 世論、大衆の意見に十分耳をかすかどうか、まず第一のお尋ねでございます。ただいま民主政治の世の中でございます。この時期に政治を担当する者が国民の意見を聞く、これは当然のことであります。御承知のように、今回の予算につきましても、所得税の減税についてはたいへんな支持を得ております。また同時に一面において、たばこその他の点で値上げをせざるを得ないやむを得ない事情も国民はよく承知をしていただいております。 次に、私は、さらにお答えをいたしますが、佐藤内閣は物価の問題を最大の課題として取り組んでまいっております。十分その効果があがらないといって社会党の……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 細谷君にお答えいたします。 大蔵大臣あるいは自治大臣、その他の答弁と重複しないように、特に名ざしをされました点についてお答えをしたい。 御承知のように、四十三年度の地方財政はたいへん明るい感じが持たれる、かようにいわれております。これは申すまでもなく、地方税並びに交付税の自然増収の結果であります。したがって、かような状態がいつまでも続くとは思いません。今日は、こういう際にこそ一そう地方財政の健全化について努力すべき状態だ、かように私も考えております。 ところで、地方の財源と国の財源、その関係についての言及がございました。同時に、国の仕事と地方の仕事というもの……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 武部君にお答えいたします。 お説のように、臨調の答申というものは行政各般にわたっておりますし、またその中身はずいぶん基本的な問題も含んでおります。したがいまして、この答申の趣旨には政府はもちろん異存はございませんけれども、これを実現いたしますためには、相当の時日を要することは当然でございますので、いましばらく時間をかしていただきたい、かように思います。今後の行政諸施策の上に十分答申の線を取り入れまして、これの実現をはかっていく考えでございます。また、行政監理委員会の意見も答申の内容と一致しておりますので、ただいま行政管理庁におきまして、行政改革三年計画の作成に当……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 島本君にお答えいたします。 物価安定、これは政府の重要施策、重要課題でございます。したがいまして、ただいまお読みになりましたとおり、私を中心にして、関係大臣が一体となって有効適切な対策を講ずる、これにつきましては、何ら変わりはございません。 四十三年度予算編成にあたりまして、一部公共料金等の値上げを計画いたしました。これらのものは、申すまでもなくいろいろの御批判はありますが、財政体質の改善、これを念頭に置きまして、やむを得ざる値上げを計画いたしたのであります。その場合におきましても、できるだけその値上げ幅を小さくするとか、あるいは同時に、大衆の負担、これについ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 珍しく格調の高い質問演説を聞きまして、私も……。(拍手) そこで、ただいま御意見を交えてお尋ねがございました。国会こそは、国権の最高機関として、政治の責任を国民に対して負っているところだと思います。政府の姿勢が悪いから国会の審議を放棄するとか、こういうものであってはならないと思います。私は、どこまでも国民のために国会の審議を真剣に続けられることが、それこそ民主政治下における議員諸君のつとめでもあろうかと、かように思います。(拍手)もちろん、ただいま述べられましたように、政府の政策が意に満たない点があるならば、それこそ国会の審議を通じて国民に明らかにしていただきた……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 山田君にお答えいたします。 山田君はみずからが被爆者であられ、したがいまして、原爆被爆者に対しての理解と同情は他の人より以上に深いものがある、かように思います。ただいまの質疑を通してのお話にも、その点が節々にあらわれておりまして、私はたいへん感動いたしたものであります。そうして、ようやく今回、各党の申し合わせにより、原爆被爆者特別措置法案を提出することになりました。この点では、お話しになりましたように、おそきには失したが、この際出ましたことは、これは前進である、かように考えております。 これは私が申し上げるまでもなく、衆参両院における決議なり、また各党が話し合……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) ジョンソン政権の課題は、私がこの機会に申すまでもなく、偉大な社会の建設とベトナム問題の解決にありました。したがいまして、ジョンソン大統領は、大統領就任以来五十数カ月、世界で最も責任の重い大統領として、世界平和の維持に心魂を傾けてきたことは世界周知のことであります。去る三月三十一日のジョンソンの演説は、ジョンソン大統領のベトナム和平にかける情熱のあらわれとして、私も、大平君同様、その決断に深い感銘を覚えたものであります。(拍手) 私は、御承知のように、昭和四十年一月、また昨年十一月、二度にわたってジョンソン大統領と会見して、ジョンソン大統領の、アジアのみならず、国……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 中谷君にお答えいたします。 沖繩問題と取り組んでおる基本態度、これは私しばしば申し上げましたように、もうそこには何ら重ねて申し上げるものもないように思いますが、私が昨年ワシントンを訪問いたしまして、そうして共同コミュニケを発表いたしました。そして、その際に、今後両国政府は沖繩返還について継続的に協議を遂げる、こういうことを実は申してまいりました。したがいまして、もうこの問題について多くを申し上げません。その際に、ただ、いま直ちに返還ができるわけではない、本土と沖繩との間には、制度上におきましても、その他の面においても、相当の格差がある。今日から、祖国復帰が実現す……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 渡辺君にお答えいたします。 新空港の位置を決定することは、御指摘のとおり、まことに重大な事柄でございます。したがいまして、この新空港、このこと自身が国家的な要請であると同時に、この決定をすることは、そう軽率であってはならない、かように思います。したがいまして、慎重にこの決定と取り組んだのでございます。したがいまして、ただいまお話のありましたとおり、知事と相談することももちろんでありますが、数回説明会を開いて、そうして地元住民の理解と協力を求めてまいったのであります。私は、それらの点におきまして、十分努力した、かように確信しております。その点では別に落ち度はない、……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 佐野君にお答えいたします。 わが国は先進工業国の一つといたしまして、従来から、発展途上国の経済的発展、経済的繁栄、これが世界の平和と繁栄に不可欠なものである、かような立場、その見地から、わが国はわが国の役割りを果たしてきた、かように私どもは考えております。したがいまして、今後とも、この観点に立ちまして経済協力を行なっていく考えでございます。 また、ただいまアメリカからわが国が安全保障を受けているから、その意味の代償として経済協力をしているのじゃないか、あるいはまた、アメリカの要請によって日本は経済協力をするのじゃないか、こういうようなお話でございますが、そのい……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 美濃君の御意見拝聴いたしましたが、私に対するお尋ねは、高度経済成長下における農業をいかに見るか、こういうことでございます。 お答えをいたします。御指摘になりましたように、高度経済成長下におきまして、農業はこれについていけない、おくれておる、そういうことで、御指摘になりましたよらな幾多の欠陥を実はあらわしております。もともと、古来から農は国本だ、かようにいわれております。今日におきましてもやはり農は国のもとであります。したがいまして、この農業を、経済成長におくれをとらないよう各種の改善をはかっていくこと、これが、かつての農業基本法、皆さま方が御制定になりました農業……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 木原君にお答えいたします。 国防の基本政策を変える考えはないかというお尋ねでございますが、御承知のように、わが国の基本政策は、日米安保体制のもとにおきまして、わが国も、みずからの国力、国情に応じ、有効な防衛力を整備いたしまして、侵略を未然に防止して、わが国の安全を確保するという考え方でございます。したがいまして、この考え方をただいま検討、さらに変えるというような考え方はございません。また、ベトナムに和平がまいりまして――ジョンソン大統領の声明があった、そういうことがありましても、今日、私どもはこの基本的な考え方を変えるつもりはございません。 ベトナムの和平につ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 民族精神の高揚が国民生活を圧迫する、こう言われますが、私にはその論理がよくわかりません。私は、民族を愛し、祖国を思い、祖国を守り、祖国に尽くすということを説いてまいっております。(拍手)国民生活を圧迫するというようなものではございません。同時にまた、私は、しばしば独立、自主、これを唱えております。そうして、独立の気概を持てと国民に呼びかけております。「独立心なき者は国を思うこと深切ならず」、これは福澤先生の喝破されたことばであります。(拍手)このことばが中共敵視政策につながる、そういう論理も、頭が悪いのか私にはわかりません。 次に、明治百年……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 山口君にお答えいたします。 去る四十一年三月に社会党から、この地方公務員の定年制についての申し入れ、これは確かにございました。そのとおりの経過でございます。しかし、政府自身は、この定年制を考える場合に、いわゆる公務員制度審議会にかけなければならない事項、かようには考えておりません。このたび、政府の責任におきまして、この法案を提案いたしておりますから、どうか十分委員会等におきまして論議を尽くしていただきたい、かようにお願いをいたします。 そうしてこれは、私が申し上げるまでもなく、地方公共団体の人事管理の適正化のために定年制を設けることができるようにするという、ま……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 私並びにわが自由民主党に対していろいろ御批判いただきましたが、しかし、私並びにわが自由民主党は、国民のために政治に真剣に取り組んでおるのでありまして、国民大多数の方はこれをよく理解し、私どもはその支持を得ておる、かように思いますので、この機会にはっきり態度を申し上げておきます。(拍手) 政治資金の問題は、これは政治の枝葉末節の問題ではございません。これこそは政治の基本的姿勢につながるものでございます。そういう意味で、私はこの政治資金の問題と真剣に取り組むつもりであります。かような意味から、前国会におきましても、この政治資金規正法案を提案いた……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 柴田君にお答えいたします。 私へのお尋ねは、林業の基本政策、これが第一点、第二点は国有林野の活用の問題でございました。 御承知のように、経済の発展に伴いまして、最近は木材の需要が急激に増大してまいりました。わが国の林業の状態は奥地林道の不足、さらにまた労働力の不足等から、この需要に十分こたえることができない。そのために外材を輸入する、かような状態になっております。それは御指摘のとおりであります。そこで、私どもはこの際、林業基本法の定むるところに従いまして、さらにその施策を強力に遂行していく必要があるのであります。申すまでもなく、林業基本法では、その生産政策、構……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 地方自治体の健全な育成、これこそは民主主義の要諦だ、かように私は考えております。そこで、地方自治体を中央政府の出先機関として扱って、いわゆる中央集権的な行政をしたり、あるいはまた住民に対して押しつけ的な行政をするようなことは避けなければなりません。こういう意味において私は今後とも努力をするつもりでございます。 そこで、(「三多摩発言はどこへ行った」と呼ぶ者あり)三多摩発言はどこへ行ったというようなお話が出ておりますが、私はこの機会に申し上げたい。政党政治の要諦は国民の期待に沿うことであります。私どもが多数を中央において持つ以上、国民は私ども……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 私は、政界の浄化の理想を捨てたわけではございません。今日も一貫して、政界の浄化を、また選挙の粛正をはからなければならない、これこそは真の、正しい民主政治を確立するものだ、かように私はいまなお考えております。しかし、この政界の浄化は、ただ政治資金規正のみによって達せられるものではございません。御承知のように、政界の浄化をはからんとすれば、まず、この政治資金の規正の問題もありますが、選挙制度の仕組みや政党活動の実際、同時に国民の政治意識の問題があるわけで、あります。これらと関連を持ちまして、一歩一歩着実に政界浄化の方向に進まなければならないのであります。小松君自身も、……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 小宮山君にただいまの質問に対してお答えする前に、私は、まず、田中大臣から御報告いたしました十勝沖地震の被害につきまして、今回多大の被害を生じ、また犠牲者の出られたことに対しまして、心からお見舞いを申し上げます。 被害の状況等につきましては、先ほどの総務長官から報告があったとおりでありますが、被害の規模等にかんがみ、政府としても万全の措置を講じてまいる考えでございます。(拍手) 次に、ただいまの小宮山君の質問に対し、私に対する一点だけなお答えをいたします。 佐世保に異常放射能が検出されましたこと。この原因は何によるものか、さらにさらに検討を必要といたします。こ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 今回の十勝沖地震は、その震度といい、また影響を与えた地域といい、まことに広大でございまして、したがいまして、各地におきまして、私どもの予想を上回るようなそれぞれの損害を発生しております。 私は、昨日もこの席上をかりまして罹災地の皆さま方にお見舞いを申し上げましたが、まずこの際も、だんだん調査が進んで実情がわかるにつけまして、多数の生命を奪われた、犠牲者を出したこと、まことに私残念に思っております。この機会に、つつしんでこれらの方々の御冥福をお祈りいたしますと同時に、多数の家屋の倒壊あるいは火災によって家屋を喪失し、また負傷者を生じました事柄……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 井上君にお答えいたします。 私は、国会答弁はいつも誠意をもって真剣に答えておるつもりでございます。これはいつも国民を相手にいたしておるのでありますから、国民はよく私の態度を承知してくれている、理解してくれている、かように考えております。 ところで、ただいま観光行政についてのいろいろの御意見を述べられました。私は、観光行政のこれからその重要性を増すことについては、井上君と同じ認識に立っております。したがいまして、この観光行政をさらに積極的に進めなければならないということ、これは私も同様でございます。しかしながら、予算その他の制約等を受けまして、なかなか思うように……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 第五十九回臨時国会が開かれるにあたり、所信の一端を申し述べたいと思います。 このたびの参議院議員通常選挙において、高い投票率が示されたことは、国民の政治に対する関心の高まりと、議会制民主主義に対する信頼のあらわれであり、政治に携わる者は、ひとしくこのような国民の期待にこたえるよう、一そうの努力を傾けなければならないと存じます。 私は、この選挙を通じて、政府並びに自由民主党の政策が国民大多数の支持と理解を得たものと確信し、その責務の重大さを思い、心を新たにして政局を担当する決意であります。(拍手) 私は、この選挙期間中、数多くの人々に直接わが党の政策と政治的信……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 三宅君にお答えいたします。 われわれ日本国民は、世界における唯一の被爆国民として、核兵器のもたらす悲惨な経験から、核兵器はつくらない、持たない、持ち込ませないという原則を国民の総意としてきめております。また、この基本方針のもとに、世界じゅうの核兵器が絶滅されることを念願しており、国際間の現実から見て、当面実行可能なところから核兵器の国際的規制や管理を行ない、核軍縮を実現するよう最善の努力を払っている事実は、国民各位の御理解と強い支持を得ているものと私は確信しております。(拍手) しかしながら、戦後二十数年にして世界第三位の先進工業国としての地位を占めるに至った……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 第六十回臨時国会が開かれるにあたり、所信の一端を申し述べたいと思います。 世界は、いま多くの分野で転換期を迎えていますが、特にわが国は、社会構造の急激な変化に伴って、大学問題をはじめ、数々の困難な問題に直面しております。これらは、いずれも、わが国近代化百年の歴史の中で、われわれが初めて当面した新しい試練であります。これを乗り越えて、十年先、二十年先、さらに二十一世紀へ向かって賢明に対処することこそ、政治の使命であると確信いたします。(拍手)私は、国民各位の御協力を得つつ、最も適切な解決をはかってまいる決意であります。 最近の国際情勢は、新たな局面を迎えつつあり……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 柳田君にお答えいたします。 私に対していろいろの御批判をいただき、同時にまた激励を賜わりましたことについて、厚く御礼を申し上げます。 私は、政局を担当いたしまして、なかなか十分の効果があがらない、そういう点については、なぜあがらないか、絶えずみずからも反省し、また、謙虚に各方面の御意見を拝聴しておるつもりであります。ことに、最近は、私が申し上げるまでもなく、たいへんむずかしい事態に当面しております。こういう際にこそ、身を粉にすることはもちろんでありますが、謙虚に各方面の御意見を伺って、そうして国政の伸展に尽くすべきが私の当然の責務だと、かように考えます。そうい……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 第六十一回国会が開かれるにあたり、当面する内外の諸問題について所信を申し述べたいと思います。 教訓に富み、波乱に満ちた明治百年を終え、新しい百年に向かって第一歩を踏み出したわが国は、多くの分野で転換期を迎えつつあり、これからの数年間はきわめて大切な時期であると考えます。時代の流れを的確に把握し、誤りなく歩を進めることこそ、現代に生きるわれわれの使命であります。工業生産力において世界第三位を占めるに至ったわが民族の活力は、さらに豊かな未来を創造する可能性を十分に持っております。人間の尊厳と自由が守られ、国民のすべてが繁栄する社会を実現するとともに、国際的信頼にこた……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 成田社会党委員長にお答えをいたします。 あなたと私は、いままでしばしば、衆議院本会議の席上あるいは予算委員会等で議論をかわしたものでございますが、今夜はこんな深夜、しかも初めての党首として、ただいま御意見を発表されながら、私に対するお尋ねがございました。 私もさような意味で、実はただいまの御質問について、たいへん緊張して拝聴いたしたのでございます。しかしながら、残念ながら多くの点におきまして意見を異にするといわざるを得ないのであります。(拍手)特に、国家の基本的命題である安全保障問題につきましては、基本的な認識を異にしているということは、国民の皆さんに対しまし……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 丹羽君にお答えいたします。また、私からは二点ばかりお答えいたしまして、他は大蔵大臣に譲りたいと思います。 特殊法人の統廃合につきましては、昨年郵便募金管理会ほか三法人を整理いたしましたが、今国会では糸価安定特別会計を廃止して、日本蚕糸事業団との機能を一元化するため、法律案を提出する予定であります。 また、今後具体的な日程にのぼっているものとしては、漁業協同組合整備基金ほか二法人の整理を予定しております。 今後も社会、経済情勢の推移に応じ、必要なものがあれば統廃合を進めるとともに、その事業運営についても、すべてが非能率、不満足とは考えませんが、不十分なものにつ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 野間君にお答えいたします。 答弁の順序についても御注文がございましたが、ただいま指名がありましたので、一括して私お答えいたします。御了承いただきたいと思います。 来年度の物価の上昇は五%の範囲内にとめるよう、政府としては最善の努力を払う所存であり、この場合、国鉄運賃の引き上げによる消費者物価への影響は〇・二%程度と考えられております。ただいま御指摘になったとおりであります。そこで、便乗値上げさえ誘発しなければ、国鉄運賃の値上げが物価対策を破綻させるようなことにはならない、かように考えております。 第二に、そういう意味合いで、便乗値上げは極力認めないという方針……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 まず、財政硬直化打開の声が陰をひそめているではないか、かようなお話でございますが、決してそのようなことはありません。国債の依存度の引き下げや、両米価の据え置き方針の強い決意などをごらんいただけば、政府が相変わらずこの問題と取り組んでいるその姿勢がおわかりだと思います。 次に、自然増収は減税優先にと、こういうように主張されましたが、政府といたしましては、ただいま借金をしておる、その意味で、国債の発行額がなお相当額にのぼっております現在としては、何をおいても国債の依存度を引き下げることが財政体質の改善のために望ましいものである、かように考えてお……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 私は、近代的な農業の達成のためには、何といっても農業が自立できる、いわゆる自立経営農家をできるだけ育成していくことが大切であると、かように考えております。このところ、自立経営農家の比重が少しずつではありますが高まってきておりますことは、そういう意味で歓迎すべきことと考えております。 しからば兼業農家はどうなってもよいのか、あるいは積極的に減らしていくのか、かように申しますと、やはり兼業農家が数多く存在しているという現実は、これは無視するわけにはまいりません。また、現在の段階では、積極的な離農への施策を進めるということは、必ずしも適当でないと……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 島上君にお答えいたします。 まず、政府の住宅建設五カ年計画につきましていろいろ御批判があったのでありますが、当初見込んだ建設計画の戸数につきましては、御指摘にもありましたように、おおむね計画の線に従って順調に進捗しております。政府は、その目的の達成のために、なお一段と努力する決意であります。しかしながら、国民の生活水準が向上するにつれて、国民の住宅に対する希望は、必要な量の確保とともに質の向上という点に向けられております。また、御指摘になりましたように、都市への人口集中、これは単に労働人口の移動ばかりではありません。全人口の集中によりまして、国民の住宅に対する需……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 松前君が三党を代表して質問された各項目につきまして、私から二、三の点についてお答えし、その他はそれぞれ所管大臣からお答えすることにいたしたいと思います。 まず第一は、宇宙開発はわが国としても強力に推進してまいる考えでございますが、その推進にあたっては、従来たびたび明言しておりますとおり、平和目的に徹してこれを行なう所存であります。このように宇宙開発を平和目的に徹して行なうにあたっては、松前君が御指摘のとおり、原子力の場合と同様の三原則に立ち、その原則を含む宇宙開発基本法を制定すべきであるとの考え方には、私も基本的には同感であります。ただし、基本法制定にあたりまし……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 私から基本的なものの考え方を申し上げまして、その他の具体的な点については所管大臣からお答えいたします。 いままでの石炭対策は、必ずしも思うようにいかなかったことはたいへん残念であります。今回、あらためて第四次答申に基づく石炭対策としての法律案なり予算なりの御審議をいただいているのでありますが、まず、巨額の国費を投入して石炭産業の対策を進めていこうとする政府の熱意のほどをおくみ取りいただきたいと思います。 この第四次対策が従来と同じやり方ではないかとのお尋ねでありますが、私はさようには思いません。従来の足らざるところを補い、さらに、積極的にその対策を進めていこう……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 八木君にお答えいたします。 ただいま国民年金に関連して、たいへんきめこまかなお尋ねがございました。社会福祉についての八木君の御熱心さに、まず何よりも先に敬意を表しておきます。(拍手)同時に、政府といたしましても、国民福祉の向上をはかるため、社会保障の充実に引き続き一そうの努力を払う決意であることを申し上げておきます。また、こまかな点につきましては厚生大臣からお答えすることにいたしまして、私からは大綱についてお答えしたいと思います。 国民年金は、制度創設以来まだ日が浅いにもかかわらず、一応の水準まで改善をはかることができたものと思っております。厚生年金との差につ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 島本君にお答えいたします。 今回私どもが御審議いただこうという公害関連の二法は、その内容は、公害対策として全く新しいものでありますし、また四十四年度予算はたいへん少ない、こういう御批判でありますが、四十四年度予算は積極的に充実をはかったつもりでありますので、公害対策は飛躍的に充実するものと、私はかように確信しております。社会党の方が先入観で、産業優先で、公害被害に対して政府がこれをあとにしているんじゃないか、こういう考え方、これは先入観を持っておられるようですが、今回の処置は決してさようなものではございません。 また、公害対策のための七名の増員さえ認めない、こ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 まず、運輸委員会において強行単独採決、これは暴挙なりとの御批判でありました。私は、運輸委員会において、よく十分審議を尽くそうとされなかったのは一体どの党なのか。これは民社党がそうだと申すわけではありません。念のために、その党はいずれの党であったか、この点を十分考えていただきたいといわざるを得ないのであります。反対のためには手段を選ばず、審議を拒否する、あるいは引き延ばす、これでは議会制民主主義、これは守れません。堂々と委員会の開催に応じ、あらゆる角度から議論を展開し、最終的に、その結論に対してはいさぎよく応ずる、そういう姿勢こそ、議会制民主主……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 加藤君にお答えいたします。 まず、今回の四ツ木橋災害並びに雄別炭鉱の災害で不幸にもとうとい人命を失われた方々の御冥福をお祈りするとともに、遺家族の方々に対して心からお悔やみを申し上げます。政府といたしましては、その原因の調査につとめることはもちろんでありますが、同時に、再びこのような災害を発生しないように十分の対策を進めてまいりたい、かように存じます。 人間尊重は私の基本的政治理念でありますが、同時に、近代国家形成のための基本テーマであると確信いたしております。国民各位もこの点は特に御理解をいただき、あらゆる職場において、いやしくも人命をそこなうことのないよう……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 橋本君にお答えいたします。 最近、災害が相次いで発生し、多数のとうとい人命が失われたことは、まことに遺憾にたえません。橋本君は、不慮の事故で親を失った子供の悲しみを切々と訴えられました。災害や交通事故でとうとい人命が失われることは、当の御本人はもちろん、残された遺族にとってこんな不幸なことはありません。私がかねがね人間尊重ということを強調しているゆえんであります。進歩する社会においては、ともすれば人間の尊厳が見失われがちでありますが、いかなる場合においても人命を軽んずるようなことがあってはならないと思います。国民を事故、災害から守り、その安全を確保するため、政府……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 森君からは、林業基本法の関連立法がほとんどなされていない、かような御批判をいただいたのであります。しかし、決してさような事実はございません。すでに御承知のように、入り会い林野近代化法、山村振興法の制定をはじめとし、森林法、森林病害虫等防除法等の既存の法律改正を行なってまいりました。また、国有林野の活用に関する法律もたびたび提案しておるのでありますが、いまだに御賛同を得ていないことは、まことに残念であります。政府としては、さらに森林組合制度の改正を主眼とする森林法の改正や、森林国営保険制度の改正等を取り上げ、林業の発展と林業従事者の地位の向上の……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 まず、政府の都市政策の進め方についてでありますが、人口、産業の都市への集中に伴って、都市周辺部へ市街地が無秩序に拡大していくのを抑制するとともに、既成市街地については極力再開発を行なって都市機能を回復し、向上させることが都市政策の基本的課題であります。このため、昨年制定された新都市計画法と近く御審議を願う都市再開発法案の二つを軸にして、強力な都市政策を推進してまいります。また、都市の諸施設を整備する場合、関連工事の同時施行については、今後一そう努力いたしますが、特に、共同溝のように、将来にわたっての基本的な都市施設となるべきものにつきましては……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) まず、有本警部補の殉職に対して心から哀悼の意を表し、つつしんで弔意とお見舞いを申し上げるものであります。 さて、ただいま田村君から御指摘がありましたように、有本警部補の殉職事件は、もはや学園の自治の限界をはるかに越えたものであり、まことに憂慮すべき事態であります。同時に、学生運動自体が学生運動の範囲を越えて、誤った方向に走りつつあることを示すものであります。今日、学生運動は世界先進国の共通の悩みといわれますが、特に、わが国の場合、あらゆる既成秩序を否定する破壊主義、暴力主義が横行し、単なる教育問題にとどまらず、大きな社会問題、政治問題となっているのであります。私……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) まず、漁業白書が単に事実の記載のみにとどまっているとのおしかりでありました。私も、国民の漁業に対する最大の関心事は、漁業が転機にあるということを指摘することではなく、どうしたらその困難な局面を打開できるか、その点が聞きたいのだと考えております。そういう意味で、漁業の動向について生きた分析を行ない、今後の施策の方向を示すことは、漁業白書の当然の責務であり、今回の白書がこのことに全然触れておらないというのではありませんが、今後一そうその内容の充実につとめてまいります。このことをお約束したいと思います。 次に、私も、御趣旨のとおり、長期的な観点に立って水産行政を総合的……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 山田君にお答えいたします。 最近の朝鮮半島における緊張の根本的原因は、北鮮の南北統一政策にあります。そうして、北鮮はこれを達成するため、平和的な手段によらず、昨年一月の大統領官邸襲撃事件及び十一月の東海岸上陸事件などに見られるごとく、大規模かつ半ば公然と武力挑発行為を行なっております。北鮮のゲリラ浸透工作の目的は、威力偵察と、韓国に対する撹乱、ゆさぶりにあると見られますが、韓国側の努力によって、いずれもいままでのところ失敗に終わっております。 今回の米軍機撃墜事件は、このような北鮮の対韓工作の行き詰まりを打開するための方策として打ち出されたとの見方もありますが……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 健康保険特例法は、二年間の時限立法として制定されたのでありますが、政府としては、この期限内に抜本対策の実現をはかるべく具体策の検討に全力を注いでまいりました。しかしながら、この問題は、きわめて広範多岐にわたるほか、根深い問題点を有しており、現在のところ、最終的な結論を得るに至っておりません。このことは、この法律の制定経緯等にかんがみ、まことに遺憾に存じます。 政府としては、さらに一そうの努力を重ね、抜本対策の早期実現を期する決意であります。これが具体的な実施に至るまでの間、当面、保険制度を維持し、国民に必要な医療を確保することがぜひとも必要と考えられますので、こ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 阿部君にお答えいたします。 今回、登録制から許可制に改めようとする理由につきましては、先ほど建設大臣から提案趣旨説明において申し上げたとおりであります。現行の登録制度では、ややもすれば起こりがちな弊害を防止しようとするものであります。中小零細業者や一人親方といえども、従来から誠実かつ適正に工事を請け負ってきた方々は十分許可を受けることができるものであり、大手業者を優遇しようという意図のものでは全くありません。この点につきましては、誤解のないように御理解をいただき、政府のあたたかい思いやりの措置をひとつ理解していただきたいと思います。 次に、建設工事は、各種の専……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 私に対する質問は、沖繩復帰のめどについて話をしろというお尋ねであったと思います。 御承知のように、私は本国会の初めの施政演説で、本年の年末までの間に、適当な時期に訪米をいたしましてニクソン大統領と直接話をし、そうして沖繩復帰のめどをつける、こういう演説をいたしたものであります。私は、日米両国の相互理解と友好裏にこの話を片づけたいと思います。もちろん、その際におきましては、その返還の時期等につきましては、十分日本国民、沖繩県民の意向を踏まえて、そうしてニクソン大統領と十分懇談を遂げ、できるだけ早い時期に実現するようにいたしたいものだ、かように心がけております。(拍……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 金丸君にお答えいたします。 過密過疎対策は、経済社会の飛躍的発達のために解決しなければならない今後の大きな課題であります。したがいまして、新全国総合開発計画におきましても、真剣にこの問題を取り上げていることは、あらためて申し上げるまでもございません。私は、現下の深刻な都市問題、すなわち、都市への人口集中による過密化と不合理な土地利用とにより、都市機能の低下と都市環境の悪化を招いている当面の既成都市を、今後総合的にかつ計画的にできるだけ改善してまいりますが、その際に、御指摘になりました過疎対策をもあわせて行なっていく考えでございます。 以上、お答えいたします。(……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 山本君にお答えいたします。 お尋ねというよりも、私に対しては、もう一度公務員制度審議会に差し戻して、そうして審議し直せ、こういう御要請であったように伺います。しかし、事柄の性質上、政府の考えるところを率直に申し上げまして、御了解を得たいと思います。 私が申し上げるまでもなく、公務員制度審議会の審議事項というものは、総理府設置法におきまして「労働関係の基本に関する事項」と規定されておりますが、これは労働基本権に関する事項と解しております。定年制は離職の一つの態様にすぎません。労働基本権に関する事項ではないと考えられますので、特に公務員制度審議会に諮問しなかったも……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 石田君にお答えいたします。 いろいろ広範にわたってのお尋ねでありますし、それぞれの大臣からお答えする点も多いのでありますが、基本的なものの考え方について私から説明したいと思います。 まず、石田君は、米価据え置きが不当だ、こういう見解を述べられましたが、私は、そのようには思っておりません。また、心ある農民諸君も、そのやむを得ない事情につきましては、よく御了解いただいているところと私は信じております。(発言する者あり) まず、おとなしく聞いていただきたいのですが、米の生産過剰は、すでに御承知のように、貴重な米を飼料にまで格下げしなければならない状況になっており、……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 安井君にお答えいたします。 政治の基本は人間尊重にある以上、何よりも国民生活を守るためにどうすればよいかを考えるべきであることは、あらためて申すまでもありません。公害問題は、とかく公害の原因あるいは責任の所在を明らかにすることが困難な場合が多い点に、問題のむずかしさがあるのでありますが、それだからといって、企業の立場を擁護する立場に立って、原因の究明を明らかにすることをためらうようなことがあっては、断じてなりません。そういう意味では、企業に対し、きびし過ぎるほどきびしくあってしかるべきであると、かように考えます。 問題は、公害対策と経済発展の調和であろうと思い……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 長谷川君にお答えいたします。 学生運動が政治と無関係でないことは、長谷川君の御指摘をまつまでもありません。わが国の場合、多くが安保、沖繩問題をテーマにしていることも事実であります。しかし、青年はいつの時代にも自我の確立を欲し、周囲の社会体制に反発してきました。それにもかかわらず、国際的視野が開け、人生を見る目が開けてくるにつれて、常に新しい時代のにない手として成長してきたのであります。それが歴史であります。わが国の大多数の青年たちがはっきりと時代認識に目ざめたとき、自由を守り、平和に徹し、民主主義体制を守り抜くという決意を固めるであろうことについて、私はいささか……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 西風君にお答えいたします。 まず、医療問題の抜本策について、そのおくれておる理由、今後の見通しなどにつきましてお尋ねがありましたが、これらの問題につきましては、すでに去る五月八日の本会議における健保特例法の趣旨説明の際にお答えをいたしたところでありますので、詳しくは申し上げませんが、国民医療を確保するためには、医療保険制度ばかりでなく、医療制度の関連諸制度につきましても総合的に検討する必要があり、それだけに、問題の所在は根深く、かつ複雑な問題をはらんでおりますので、特例法を延長して、いましばらくの猶予をいただき、この間、各方面の御意見を十分伺いながら、鋭意作業を……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) まず第一に、私の政治責任感についてのお尋ねがありました。私は、機会あるごとに申しておるのでありますが、私が政治、政局を担当しておりますのは、国民のために、また、国民とともに政治をするというのが私の政治責任であります。この点をはっきり申し上げておきます。 ただいまお尋ねになりました真珠対策行政にいたしましても、これが場当たりにすぎないとの御批判でありましたが、決してそのようなことはありません。最近の真珠の需給の動向に即応して生産規制を強化してまいりましたが、幸いに業界の自粛機運の上昇と相まって、価格も安定のきざしを見せてまいりました。今回の法案も、この機会に、重点……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 和田君にお答えをいたします。しばらく静かにひとつ聞いてください。お聞き取りだけはお願いいたします。 ただいま和田君は、和田君の御意見をまじえながら、また同時に、強い御批判のもとにお尋ねがございましたので、それらの点についてお答えをいたしたいと思います。 私が申し上げるまでもなく、政府原案は、健康保険特例法の延長によって、政管健保等の財政対策を行なおうとしたものでありますが、修正案は、その対策を最小限にとどめようとするものであり、実質的な内容におきましては、異なるものではありません。 なお、国会は国権の最高機関であり、政府提案の法律を、その意思に基づいて自由に……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 楢崎君にお答えいたします。 沖繩からの致死性ガスを含む化学兵器の撤去につきましては、すでに米国防省が公表しているとおりであります。撤去の状況等につきましては、今後の推移を注意深く見守っていきたい、かように思います。 また、日本本土におけるCBR施設につきまして、どう考えるかとのお尋ねがありました。この点は、すでに米国政府が明言しているとおり、政府は、これらの生物・化学兵器が現在持ち込まれていないし、将来持ち込まれることもないと確信しておりますので、特に問題はないと考えております。しかし、いろいろ御注意もありましたように、わが国民の安全確保のために、いままでも注……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 川崎君にお答えいたします。 政府が本国会に提出いたしました大学の運営に関する臨時措置法案は、紛争によってそこなわれている大学本来の機能を回復し、教育と研究が正常に行なわれるよう、大学の自主的解決を助けるものであります。 御承知のように、知識が現代社会の中心的資源となり、一国の経済力の決定的要因としての性格を強めている時代であります。紛争によって大学本来の機能が停滞している現状をただ黙認することが、責任ある政党として、はたして許されるでありましょうか。私は、この問題を、党派を越えて、真に国民的最重要な課題として取り扱っていただきたいと念願していたのでありますが、……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 第六十二回国会が開かれるにあたり、所信の一端を申し述べたいと思います。 私は、このたび米国を訪問し、ニクソン米大統領と親しく会談いたしました。その結果、沖繩は、一九七二年中に返還されることとなり、(拍手)長きにわたる日本国民の一致した願望が達成されました。(拍手)ここに訪米の成果を報告することができることは、まことに喜びにたえません。(拍手) およそ戦争によって失った領土を平和裏に回復するということは、世界の歴史上たぐいまれな事柄であります。(拍手)奄美、小笠原に引き続き、今回話し合いによって沖繩返還の実現を見ることとなったのは、日米両国間の信頼と友好関係に基……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えいたします。 政界の長老川島君がみずから代表質問の第一陣に立たれるその姿こそ、今次国会に臨むわが自民党の気魄と意欲を示すものであり、満腔の敬意を表したいと思います。(拍手) そこで、御質問に順次お答えいたします。 責任政党たる自民党が、安保条約を相当長期にわたって堅持する方針をきめたことは、まさしく国益に合致するものであり、現在の国際情勢を十分認識した上での適切な措置であると思います。 今回の私とニクソン大統領との会談の基調となったものは、国際間の緊張を緩和しなければならないという共通の観点であります。この点で、世界最大の国力を持つ米国と自由世界第二……
○佐藤内閣総理大臣 帆足君にお答えいたします。 沖繩問題につきまして、いろいろ現地を視察され、さらにまた、その得られたところから、ただいまのような御質問と思います。 私が申し上げるまでもなく、沖繩はわが国の領土の一部である、ただいまもお話のありましたように、九十五万の同胞が住んでいる、そういうところでございますが、戦後不幸にして外国の施政権下にある、その形は全く不自然であります。これらの同胞が現状に不満を訴えておる。そればかりではございません。一億の同胞もまた同じ気持ちを持っておる、こういう状態である。これは党派を別にいたしまして私どもがひとしく認めるところでありますし、また、今回この委員……
○佐藤内閣総理大臣 これはもう私が申し上げるまでもなく、原子力基本法がございますから、平和三原則、これを守らなければいけない。また、その立場に立って今回の事業団もつくるわけでありますし、また、基本法にのっとってこれからも運営される、かように私は考えております。原子力委員会等におきましても、それらの点では何ら疑問を存しておらないのであります。 ただいま言われます核燃料の国家管理、これが民有に移っているのではないか。そういう点はございますけれども、しかし御承知のように、原子炉等規制法がございますから、平和利用あるいは安全というようなことについては、その規制法の適用でこれは十分でございます。したが……
○佐藤内閣総理大臣 巷間で二元外交云々という批評があるという、これは紙上にもそういう文字を私も散見しました。しかし、三木君の発言は、私のかねての主張と何ら変わりございません。申すまでもなく、平和に徹する、いずれの国とも仲よくする。もちろん相互に独立を尊重し、そうして内政に不干渉、そういうもとにおいていずれの国とも仲よくするという、これがいわゆる平和共存というような表現をされるのでありまして、私との間に何らの意見の相違はございません。ことに、いまお話しになりました中共あるいは国府との関係等につきまして、長い目で、長期的な観点に立って共存ということを主張しておりますが、現時点においては、いままで言……
○佐藤内閣総理大臣 吉川君は決算委員長の御経験もありますので、あまり詳細な長い説明は要しないと思います。決算委員会はもちろん重要な委員会でございますし、ことに予算の審議とちょうどうらはらをなすと申しますか、事前の予算審議については特に各方面で関心を寄せられますが、この予算執行後のトレース、これもなかなか大事なことであります。これが十分できてはじめて、予算の審議、予算の編成がうまくできるわけでございます。やはりそういうことを考えますと、十分気をつけなければならないと思います。しばしば指摘されるのでありますが、国務大臣の出席が悪いというようなことがありますが、そういうことのないように努力しておりま……
○佐藤内閣総理大臣 これは別に食い逃げはしていないし、また岡本君もその経過をよく御承知だと思います。確かに私この席に参りまして、税の問題とあわせて収用法も通すということでお願いをしたのでございます。 その際に問題になりましたのは、いま御指摘になりますような開発利益、これはやはり何が開発利益かという、またどれだけが開発利益というのか、こういうたいへんな問題があるわけであります。そこで御承知のように、衆議院はでき上がりましたが、参議院にまいりまして、これについての批判がなかなかきびしかった。結局この法律は成立を見なかったという経過がございます。 そこで私ども、今回ぜひこの土地収用法といいますか……
○佐藤内閣総理大臣 本会議でお答えいたしたとおりいまだに考えておりますが、私が申し上げるまでもなく、政治の要諦は人間尊重にあるということを申しております。経済開発も政治活動も全部人間、そこに帰一する、こういうことでなければならないと思います。ただいまいろいろ経済が発展いたしまして思わない公害を生じておる。それが国民の健康をそこなう、したがって、国民の健康を保持する、あるいは国民の健康を守るためこういう必要もございます。また、社会環境そのものが乱れておる、こういうような点から公害対策をひとつ積極的にやろう、そうしてただいま御指摘になりましたように、経済開発もさることながら、国民の生命、健康、また……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま御提言が一つあったようですが、同時に私どもの基本的な考え方についてどう考えるかという御懸念からかとも思います。私も岡田君が苦労をされたように、石炭対策にずいぶん長い間苦労してまいりました、大蔵大臣、通産大臣、さらにまた今度は総理として、過去の答申があるたびに私が関係しているようなことでもございます。したがって石炭産業のあり方、また現在当面しておるきびしい情勢下に置かれておることもよくわかったつもりでございます。そういう立場で石炭産業を見ておりますが、ただいまお話がありますように、エネルギー源としての国産のエネルギー、その意味の石炭、こういう意味で政府は、特に産業が困……
○佐藤内閣総理大臣 それはもう武藤君も御承知のように、税の特別措置でございます。これは名前が示すように、こういう制度がいつまでも恒久化されるという筋のものじゃございません。だから、これは政策的減税だといわれておりますが、その目的を達した、あるいは十分効果を発揮しないとか、そういうようなことを十分考えまして流動的に処置する、さようなものでございます。
【次の発言】 これは税調の答申を十分尊重して実はきめたのであります。こういう問題を、思い切って短期間の間に解決するというのは少し無理がかかる、だから、漸進的にひとつ解決しよう、こういうのでございます。中身はよく御承知だと思いますから重ねては申しませ……
○佐藤内閣総理大臣 私も、総理であり、政治家でございます。したがいまして、ただいまのように六代目の大統領就任式に参列すること自身、もうすでに政治的な行動だと言われてもしかたないような問題でございます。私が出かけますに際しましても、そういうことで、国会開会中でありますし、実は慎重になかなかきめかねておりました。かねてから韓国は訪問したいということをしばしば思っておりましたが、しかし、国会開会中でもありますから、行かないほうがいいんじゃないだろうか、こういうふうにも思ったわけでございます。しかし、内々いろいろ意見をたぐってみますと、社会党の方も、事柄が就任式じゃないかという、そういう意味で、わりに……
○佐藤内閣総理大臣 小峯君と私の考え方と食い違っていたらたいへんなんですが、幸いにしてただいままでの前提のお話では食い違っていないようで、私も、ただいまの需給の関係を見た際には、いま物価論争で一番問題になるのは、供給者側に特別な力が加わる。そういうものを取り除いて、公平な、また公正な需給関係に立つ、これが必要なんではないか、かように思います。 もちろん需給関係は、ただ関係者だけで簡単にきまるわけのものでもない。ここにやはり生産の増強だとか、あるいは消費者行政を特に取り上げたり、いろいろの行政指導の問題があると思います。これは私ども政治家に課せられた役目だ、かように思っております。いずれにいた……
○佐藤内閣総理大臣 いまお話にありましたように、信なくんば立たず、これは政治の基本的な大事な問題だと思います。私は、根本君がただいま述べられたことについて、全面的に同意見でございます。私どもこの上ともみずから反省し、自粛し、自戒し、もって国民の政治に対する信頼を高めようとするものでございます。
【次の発言】 政治道義の確立と同時に、党の近代化、これは私の公約でもございます。そこで、党員各位の協力を得まして、近代化を積極的に進める、それには御指摘になりましたような派閥をなくする、このことがただいまの近代化の中心をなす課題だ、かように思っております。そういう意味で、党自身におきまして、この派閥解消……
○佐藤内閣総理大臣 議会民主政治のあり方から申しまして、公約を忠実に履行する、これはもちろんでございます。
【次の発言】 これは、横路君がお尋ねになるまでもなく、本会議で話したばかりでございます。私、今日、もちろん変わっておりません。ただ、その私のしゃべりましたことについて、要点といたしましては、六%のものが五%以下にとどまった、そういう意味で、やや努力の効果が出てきたように思うけれども、しかし五%自身、まだまだたいへん高いんだ、だから、これをさらに下げていかなければならないんだ、だから経済社会開発計画の最終年度におきましては、これをさらに三%にするというふうに、その目標を明示しております。そ……
○佐藤内閣総理大臣 お答えいたします。 私は、政治道義を確立することが政治遂行の基盤だと、かように思っております。その意味におきまして、最近の不祥事件、これは国民の信頼を失うものではないかと、こういう点について深く私どもは反省し、自粛し、みずからをひとつ責め、そして国民からそういう非難を受けるようなことのないように、また国民に対する責任を十分果たしていく、こういう心がけで今後とも取り組んでまいるつもりでございます。 ただいまのお話にありましたように、さきの総選挙によりまして出直しの結果をした、しかしながらこれで済んだのではない、それはそのとおりであります。私は、絶えずそういう国民に対する責……
○佐藤内閣総理大臣 私は、総理であると同時に総裁でもございますから、便宜お答えいたします。
矢野君からお尋ねがありましてから、幹事長を招致し、いろいろ検討もし、報告も求めましたが、わが党の国会対策費が他党へ流れておるようなことは絶対にございません。
【次の発言】 日本社会党も、さようなものがわが党から流れたということは御迷惑だと思いますし、私のほうの党も、さようなものを社会党へ流した、それ自身たいへん迷惑でございます。したがいまして、かようなことは、よく調べたのですが、絶対にございません。
また、ただいま、今後の問題につきまして、各党の心がまえについての御意見がございましたが、そのとおり、……
○佐藤内閣総理大臣 公債の発行について、基本的にずいぶん考え方が食い違っておるようであります。しかし私は、いま大蔵大臣並びに日銀総裁が説明をいたしましたとおり、このいき方でいわゆるインフレになるというようなことはない、かように確信をいたしております。したがいまして、在来の方針同様、今後ともこの状態でいくつもりでございます。
【次の発言】 私は、景気論争をよほどいたしましたので、重ねてするつもりはございません。私もいわゆる経済評論家ではございません。しかし、経済を担当しておる政治家として言いますると、公債はりっぱにその目的を達し、成功しておる。これは、何とおっしゃろうと、不況を克服するために、公……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま御指摘になりましたように、私は議会制民主政治を確立して国民の政治に対する信頼を高める、これが今日私どもに課されたと申しますか、あるいは国民の至上命令だと、かように実は感じておるのであります。ただいま北山君が御指摘になったとおりであります。その場合に、この議院内閣制をとってはおりますが、少数の意見についても十分注意を払わなければならぬことはもちろんであります。問題は、やはりわれわれの政治の目標は一体何なのか、このことを考えますと、多数、少数と、かように分かれてはおりますが、国民の福祉向上、そこの一点に共通の場があるわけでありますから、とるべきりっぱな考え方は、少数だろ……
○佐藤内閣総理大臣 これは平和主義に徹した規定だ、かように考えております。
【次の発言】 私も猪俣君と同じ考え方を持っております。したがって、わが国民、これも理解し、ただいま平和憲法は国民の血となり肉となっている、こういうことを申しておりますが、平和に徹している規定だ、かように思っております。
【次の発言】 そのとおりでございます。詳しいことは法制局長官から説明させても差しつかえございません。
【次の発言】 猪俣教授に私が試験を受けておるようですが、御承知のように、日本の場合、第九条は「国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」武力の行使は放棄する。かような規定でございます。だか……
○佐藤内閣総理大臣 先ほど判決があったばかりです。私も他の席でただいまの判決主文だけは聞いたのでございます。しかし、理由等まだ十分伺っておりません。したがいまして、検察当局においては、もちろんこれをとくと検討するだろう、検討した上で善処する、これはもう当然のことであります。
【次の発言】 自衛隊については、砂川事件でかつて最高裁判決がございます。私どもは、そのもとにおいてただいまの制度を確立しておるのであります。ただいませっかく谷口君からの御要望でございますが、これはやめる考えはございません。
【次の発言】 やめないということを、はっきり申し上げておきます。
○佐藤内閣総理大臣 医学問題懇談会でいろいろ取り上げているが、私はことしの状況についてはたいへん心配した一人でございます。とにかく新しいお医者さんが出てこない、しかも、いまの制度を、これはちょっと私は解せないのですが、ストライキ的な形において改正させよう、こういうのはちょっと本筋でないように思います。しかし、医学問題懇談会ではインターン制について現行のものに必ずしも賛成ではないようだ。それではあとどうするかというと、それはまだはっきりきまらないようでありますから、できるだけ早くこれを片づけるようにいたしたいものだと思います。一年に二回、いまの制度は受験さしておるようですから、秋までにはもっと見……
○佐藤内閣総理大臣 風格のある日本社会、これは私は、おわかりになるように二回ばかりお話をいたしました。しかし、また重ねてのお尋ねでございます。風格ある社会とは、私の観念で一つの解釈を与える、こういうものでないこと、これを前もって御了承おき願いたい。 いろいろ経済は進んでまいりました。経済的に進み、また近代文明も発進してまいりましたが、何だかどうも十分でないんじゃないだろうか。どうも合理主義的な、あるいは合目的主義な、あるいは実利主義的な、そういう考え方がわれわれの生活を全部支配しているような気がする。どうもこれは困ったことだ。だからそういう意味で、日本人が考えまして日本人らしい社会、そういう……
○佐藤内閣総理大臣 率直なお尋ねでございまして、意思統一をしたのはどういうわけかと言われますが、これは私が答弁いたしました際に、通産大臣の答弁とだいぶん食い違っているのではないか、あるいはニュアンスが違うのではないか、こういうような話がございました。この点は、通産大臣の答弁をことばどおりとりますと、やや食い違っているようだ、しかしながら、通産大臣に対する質問の要点と申しますか、その要点は、いわゆる武器輸出することによって、国産兵器のコストダウンをはかっているようなことはないか、コストダウンのために武器を輸出するようなことはないか、こういう点が通産大臣に対する質問の要点だった、かように思います。……
○佐藤内閣総理大臣 いま、日本社会党の諸外国とのつき合いについての態度をお話しでございます。私も全然同一の考え方を持っております。すべての国と仲よくしていきたい、これが本来の自由を守り、平和に徹するというその基本的態度でございます。その点は同じだと、かように考えております。
【次の発言】 私は、しばしば個人的な感覚で私の意見も表明しております。いま社会主義国家と言われますが、私は、共産主義、イデオロギー的にもこれを納得できない、そういう立場でございますから、そういう意味で、共産主義国に対する批判は今日もしておると、かように思います。
【次の発言】 私は、あらゆる国と友好でありたいと、かように念……
○佐藤内閣総理大臣 私はあまり状況を知りませんから、あるいは外務当局が知っておるかと思いますが、知っておる限り事務当局から答えさせたいと思います。
【次の発言】 小平君、昨日もるる説明をいたしました。あまり変わった話もないことを、ただいま半分は御非難――大体日本の外交、その真価を疑われるんじゃないか、こういうようなお話でございます。しかし、外交というものは一体どういう姿が一番望ましいのか。非常にはでな外交、まあ、口八丁手八丁、そうして効果のあがらないこと、そういうのはどうも外交としてはいい方法じゃないんじゃないかと思います。私は、このベトナム問題の重大性を小平君に負けない立場で評価いたしており……
○佐藤内閣総理大臣 予算編成当時、御審議を通じまして、いわゆる税収が非常にふえたら一体どうするのか、こういうお話がございましたが、そういう際に政府としてまず第一に考えなければならぬことは、ただいま借金政策をしておりますから、いわゆる健全――公債の発行はしているが、まずその発行公債を減額する方向で取り組む、また、ただいま言われましたことですが、災害その他によりまして必要なる支出はしなければならないけれども、経常費としては、ただいま言うような借金を減らすというその点に重点を置くということを申し上げております。最近の望ましい傾向にあるということ、これは予想を上回る上昇傾向をたどっているということは、……
○佐藤内閣総理大臣 たいへん急いでのお尋ねでございますけれども、したがいまして、私がもし落としている点がございましたら、重ねてお尋ねをいただきたいと思います。一応お答えいたします。 この沖繩の軍基地が果たしておる役割りは、これはまあたいへん高く評価されておる、現時点においてですよ、これから先どうなるか別ですが、この共同声明で申しておるのは、現在のところというものが入っておる。ところでいま御指摘になりましたように、この中共の核兵器の開発、これがどんどん行なわれておる。このことは私どももしばしば、まことに遺憾だ、こういうことで、核開発、爆発実験をするたびに、私ども、その方針については遺憾の意を表……
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの御意見、私、組閣以来、もちろん政界の浄化について特に意を用いてきたつもりでございます。ことに、昨年共和製糖事件が発生し、また一部におきまして批判も受けた、こういう点から内閣改造をいたしたり、非常にこの点では政界の浄化に気をつけてきたつもりでございます。 最近になりまして、LPG事件といわれる大阪タクシー事件等が、ただいま捜査が進行中であります。まことに遺憾なことだ、かように考えますが、ただいま捜査進行中でございますから、その事態そのものについてとやかく説明する自由は私持っておりません。しかしながら、いずれにいたしましても、この種の事件が起きたことについてはまこと……
○佐藤内閣総理大臣 私の昨日申しましたのは、流動性を弱めるようなことはこの際しないと――現実の問題でございます、この際しない、もしことばが足らないとすれば、この際ということをはっきり申し上げておきます。
【次の発言】 いま申し上げたとおりですよ。昨日それはそのとおりのことを言わなかった。しかし昨日の質疑の応答のしぶりから、いま北山君も言われるように、この際買うか買わないかということだ、かように思いますので、私はこの際買わないということを申したんだ、こういうことを申し上げている。未来永却買わないというようなことを言ったわけじゃございません。だからその辺は、いま私が申し上げたこと、間違いはないんで……
○佐藤内閣総理大臣 この点につきましては、過日もこの席から国民に私の心境をお話しいたしました。政治の国民からの信頼を高めること、これが私ども政治家として当然考えなければならないことだ、これを不信を買うようなことがあってはならない。そういう際にまたこの種の不祥事件が起きたということは、まことに私は遺憾に思い、残念に思っております。ただいま結論として言われたごとく、事実は事実として、そうして適正にこれらを追及していく、そうして国民の前に事態を明らかにしていく、これが私どもの責任ではないか、かように思っております。
【次の発言】 何だか私自身が犯人であるかのような言い方ですが、さようではございません……
○佐藤内閣総理大臣 米価審議会は、ただいま言われるように、小さな審議会でないこと、これはもうはっきりしております。小さな審議会ではございません。だから、いまそれはもう農林大臣がその点は取り消している。だから、もうそのことはおっしゃらないように願いたい。 そこで、基本的なものの考え方なんですが、三権分立といいますか、この立法、司法、行政、その三権のこのそれぞれの担当はひとつ守っていこうじゃないか、これが一つの考え方、ことにその中でも価格決定というようなことは、これは行政に関することではないのか、行政のものは行政にまかしたらどうかというのが臨調でこの答申をよこした骨子になっています。かって私は、……
○佐藤内閣総理大臣 三木君の考え方と私の考え方はおおむね同様でございますが、私自身、政府でありますだけに、御指摘になりましたような不安を実は持っておらないので、ただいま平和に徹する日本の態度から見まして、宇宙開発、また平和利用、そうして人類に貢献する、こういう方向で研究するという考え方でございます。したがって、何らの不安を持っておりません。しかし、まだ、ただいまようやくわが国の宇宙開発はその緒についたというばかりであります。たいへんおくれておる。そういうわけで、今日、基本法を制定することができない、その材料もまだございません。ただいま御審議をいただいております宇宙開発委員会、この委員会で特に力……
○佐藤内閣総理大臣 お答えいたしますが、小泉君はわが党の方ですから、まさか誤解はないだろうと思います。私、戦後の日本のあり方がどこかもう一つ、独立というか、そういうものが完成されていない、そこにみんな一つの不満を持っているんじゃないだろうか、かように思います。私は、自民党だけが愛国心あるいは国防を売りものにしておるとは思いません。社会党の方も民社の方も同様だろう、かように思いますが、これはやはりその前提になるものに、独立というか、完全独立というか、そういうものが一つないと、話が十分できないんじゃないかと思うのです。口に独立を申しましても、いままでのような依存体制、そういう意味ではどうもうまくい……
○佐藤内閣総理大臣 森本君にお答えいたします。 決算委員の方々が熱意を持って終始この決算を御審査願った、私はそういう意味でたいへん感謝申し上げるわけであります。ただいまも批難事項としての件数、金額がやや減った、かように言われますが、しかし御承知のように抜き検査でございますし、また全貌についての検査というわけじゃありません。いまのわずかでも減ったということは喜びにはたえませんけれども、これをもって全部の動向をトするのはまだ早いと思います。なかなか事務の不なれ等もございまして、いろいろ意に満たない点がございます。予算審議においてのあの熱意、やはり予算の執行においても同様の熱意が必要だと思います。……
○佐藤内閣総理大臣 最初は御高説を拝聴しておりましたが、しまいになるとやや恐喝じみてきて、約束ができないときょうの採決は無理だというふう言われると、ちょっとそこらがやや話が違うように思います。 とにかく、いま岡本君がいろいろお話しになりましたが、土地で一番問題なのは、土地の取得にも困難ですが、それよりも、何といっても投機的にこれが扱われて、物価の基礎になるものだ、こういう批判を受けておる地価がどんどん一方で上がる一まああまり下がるものはございませんが、そういうところでこれはたいへんな問題です。しかし、そのためにはどうしても利用計画を立てなければだめだ、ここらまでは皆さんから賛成をしていただく……
○佐藤内閣総理大臣 おおむね私も同じような考えです。
【次の発言】 私が政界を浄化したいという、その考え方には今日変わりございません。昨年も、また一昨年以来、私は一貫してこれを考えております。ただ、その行き方として、昨年御審議をいただきましたような政治資金規正法、この行き方もあると思います。またそれが、審議の経過等にかんがみまして、私はやはりこれを変えて、ことし提案しておるような一歩前進、現実に即したものにする、かような行き方もあります。したがいまして、ただいまの御批判は私の行き方についての御批判だと思います。私自身は、ただいま政界浄化について考え方を変えておりません。そうしてこのことは――い……
○佐藤内閣総理大臣 いま私突然入ったので、どういうようなやり取りをしておられるかわかりませんが、ただいまちょっと片言で聞くと、原形復旧、これが原則だと言う。しかし事と性質によりましては十分考慮して同じような災害を繰り返さないようにしなければならぬことは当然のことであります。
【次の発言】 私の気持ちには変わりはございません。今回の地震災害は、一日も早く罹災者の方々がこの不幸から立ち上がられるように、政府といたしましてもあらゆる措置をとりたいと思います。また、なくなられた方々に対しましては心から御冥福を祈るのみであります。問題は、政府自身がこまかな注意をいたしまして、あたたかい対策を立てると同時……
○佐藤内閣総理大臣 お説のとおりでございます。
【次の発言】 御承知のように、わが国の公害立法がたいへんおくれておりますから、できるだけ早く、かような意味でございます。
【次の発言】 準備でき次第、また厚生大臣が――これは予算的措置も必要だろうと思いますので、それらのことを勘案して、できるだけ早く出すように、私は申しております。
【次の発言】 所管大臣がお答えしたことを総理大臣はバックアップする、支援しますし、支持する、かように御了承いただきたいと思います。
【次の発言】 一応、ただいまのように、所管大臣の決意を総理は支持する、したがいまして、所管大臣が早く出すと申しておれば、さようにその額面……
○佐藤内閣総理大臣 中村君にお答えいたします。 大体、基本的な問題ですから、各大臣からお答えしただろうと思います。ただいまお尋ねがありましたように、私どもが協力する場合、経済的協力だと、かように申しましても、その態様はいろいろあると思います。その態様の中には、ただいま御指摘になりましたように、資金的な援助ばかりではなく、技術援助、そういうものにも力を入れろ、これはもうお説のとおりであります。ことに私ども開発途上の国に対しましてのいわゆる資金的援助、これによって経済を立て直す効果はございますが、技術的な援助をいたさないと、基礎がどうしてもはっきりしたことになりません。ことに、日進月歩の状態のも……
○佐藤内閣総理大臣 お答えいたします。 ただいまお話しのように、今後いろいろ歳出の増が予想されるおりからであります。また、同時に国民の所得、これも経済の発展に従いまして増大すると予想されます。そういうことを考えると、税というものは今後どうあったらいいか、私は、ただ単に税負担を軽くするというだけでなく、また、それかといって重くすることは困りますから、これは実際に国民負担の実情というもの、そのあり方、これはたいへんむずかしい問題だと思います。そこで、税制調査会にまず働いていただいて、長期税制計画というものを立てる。この長期の税制計画の答申が近く出る予定でございます。近く出ましたら、その答申の線を……
○佐藤内閣総理大臣 私も、実は長いこと官僚をやっておりました人間でございます。官僚機構のいいところもわかりますが、悪いところもどうも二、三目につく。そこで、思い切ってこういうものをひとつ変えていこう、こういうことであります、御承知のように、どんどん局、部、公社、公団等はふえてきております。過去において、どうもあまり整理されておらない。しかし、法律そのものにしても、法律を一つ出せば必ず人間をふやす。目的を達した法律ならば定員が減るべきだが、それも減らない。こういうことを考えると、やはり思い切って機構の簡素化をはかり、在来の仕事のしぶりを変えていくということはどうしてもやらなければならない。それこ……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま言われますように、経済発展、経済伸展、これの最終目標、経済活動の最終目標は国民生活の向上にあるのだ、そして、国民生活の向上にあるのだというところから消費ということが考えられる。そして私ども、しばしば企業家あるいは勤労者それぞれの立場が違うと言いながら、生産者も同時に消費者である。これは農村でも農民、食糧生産に携わっておるが、やはり消費者の立場だ。工業生産に携わる者も、同時に消費者の立場だ。かように考えますと、やはり生活の向上、そのことは同時に、消費者としての立場において経済発展の利便を享受するということにあるだろうと思うのです。ところが、いままで議論されてきたものが……
○佐藤内閣総理大臣 最近の交通事故、これはほんとうにいわゆる交通戦争というその表現がされるように、不幸な犠牲者をたくさん出しておりますが、政府は、ただいま御指摘になりましたような人命尊重、そういう立場に立ちましてこれと真剣に取り組むという態度でございます。しかし、この問題は政府だけがどうこうするという問題ではなく、また国民すべての各界各層の御協力を得なければ、これは目的を達するものではございません。 そこで、政府がいままでとってまいりましたものは、すでに御承知のことだと思いますが、国民総ぐるみ運動を展開する、そうして各界各層に呼びかけ、その基本的な政府の考え方の方針、それに協力を得て進めてい……
○佐藤内閣総理大臣 いま中立というお話です。中立の国、これはございます。中立の国は。しかし、非武装中立という、そういう国はない。ここをやはり区別していただく。ただいまおあげになりましたスイス、またその他の諸国にいたしましても、中立ではある。また非同盟という態度をとっております。しかし、武装しないという、そういう国はない。百二十ばかりの国がございます。が、ただいま非武装でその国の安全が保ててる、こういうことはどこの国も考えてない、必ず分相応あるいは分相応以上の武装をしておるというのが現実でございます。したがいまして、非武装中立論ということは、たいへん耳には入りやすいことであります。しかし、なかな……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま仰せになりましたとおり、よく注意してまいるつもりでございます。
【次の発言】 いろいろな問題が起こりまして、ただいまのお尋ねの結論としては、エンタープライズはなぜ入ったかという非常に簡単なことのようでありますが、しかし、前提となります事柄について、まず国民の皆さんの御理解もいただきたいと思います。また、山本君はその点はよく御承知のことだと思いますが、いまのようなお尋ねだと国民に与える影響等もありますから、私はわが国の基本的方針、これを重ねてこの機会に申し上げてみたい。
私どもは、自由を守り、平和に徹する、いずれの国とも仲よくするという、いわゆる平和国家としての日本……
○佐藤内閣総理大臣 私は、核政策に対して、本会議の席上におきましても、私の態度をはっきり明確にいたしました。また昨日も核政策に対するわが内閣の態度をはっきりいたさせました。それは四つの柱でございます。そのうちの一つにこの核兵器に対する三原則がある、かように御了承いただきます。
【次の発言】 柳田君からいろいろただいまの事件についてお話がございました。私は先ほど来、倉石農林大臣がお答えしたことを実は信じておりますが、しかしこの問題につきましては、いまこの席でどうこうという問題ではない、かように私思いますので、ただいまお話のありました点については、なお私が十分調べてみることにいたします。
○佐藤内閣総理大臣 私は、従来から、平和に徹し、現行憲法を守ることを政治の基本とし、施政の全般を通じてこれを忠実に実践してまいりました。この機会に、平和に徹し、現行憲法を守るという内閣の姿勢にいささかも変わりのないことを重ねて明らかにいたしたいと思います。(拍手) 次に、わが国漁船の操業の安全を確保することは、政府の使命であります。日本海における漁船の安全操業確保のため、先般、外務省を通じて米国、ソ連及び韓国に対し、わが国漁船の操業の実態と操業安全のためにとってきた措置を説明し、わが国漁船の安全操業が確保されるよう十分配慮されたい旨の申し入れを行ないました。これに対し相手国からそれぞれ、申し……
○佐藤内閣総理大臣 お答えいたします。 お答えいたします前に、ただいま加藤君が言われましたごとく、十七日間の国民不在の国会、開会、審議に入ることができなかったことは、まことに私も残念に思っております。こういうことがあってはならない。国民のための政治、国民の代表として私どもは国会に送られておるのでありますから、この点はどういうことがありましても、ぜひとも、遺憾に思っておるということを率直に与野党ともに国民の前に表明すべきだ、かように私は考えます。 ときに、ただいまのお尋ねの点でありますが、この十七日間の国会空白の間にも、それぞれの災害が起こり、また政府といたしましては現実の政治と取り組む立場……
○佐藤内閣総理大臣 B52の沖縄へ飛んできたことについて、また、それをただいまのように常駐体制だと断定を下して横山君はお尋ねでございます。政府自身は、常駐体制だとは思っておりません。しかしながら、住民の嘉手納を中心にしての多数の反対、また一部の不安、こういうものが醸成されておりまするので、ここに施政権はアメリカにありましても、住んでおる諸君はわれわれの同胞でありますし、そういう立場から、日本政府におきましてもこの問題を重視しておりまして、関心を持ちましていろいろ交渉したのでございます。その交渉の内容並びに経過等につきましては、外務大臣からお答えさせます。 ただいまのお話、常駐体制、かように言……
○佐藤内閣総理大臣 お答えいたします。 ただいま言われますように、ただいま政党政治だ、民主政治のもとにおきまして政党政治が行なわれておる、同時に議会政治ともいわれておる、そしてそういう場合には、ただいま言われるように、多数決原則をこれは認める、こういうお話でございます。私はたいへんそうなくちゃならないと思います。私は同時に総理でありますが、申すまでもなく総裁でもございます。ただいまのところ総裁が総理になるという、これは国会の多数の推選によりまして私が総理になっておるのであります。で、ただいま御指摘になりましたように、総理としての話はわかったが、総裁として党をまとめておらないじゃないか、党のほ……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま楢崎君の言われるように、国際人権宣言、それから申しまして、帰国自身は、これはもう私どもがとやかく言う問題ではございません。もう申すまでもなく帰国は自由だ。その方法を一体どうするか、こういうことで、今回の日赤を中心にしての交渉、これは成功するだろう、成果をあげるだろうと、実は非常に期待したものであります。私はいま、この話がどういうわけでこわれたとか、かようなことをせんさくするつもりはございません。また、今日もなお、日赤が在来から、政治とは別に、人道上の見地から話し合いを続ける、こういう立場に立てば、また相手のほうも協議する、こういうことであれば、私は協議をして、ぜひそ……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま山中君の御議論、私もこの席から拝聴いたしておりました。その前段、ものの考え方といいますか、その発想、構想については私も同一に思っております。申すまでもなく憲法こそ私どもの生活の基盤をなすもので、その中に教育も入っておるし、防衛も入っておるし、何もかもみんな人っておる、憲法をかように評価して初めて憲法の意義があるのだ。基本法だと言っているのはそこだと思います。それに基づいてすべてが考案され、くふうされ、政治が進んでいく、また、そういう観点からは政治の目標も教育の目標もそれは同一でなければならない、私はかような思っております。 いま私どもの考え方が、あるいは右寄りだと……
○佐藤内閣総理大臣 これは党の問題だと思いますけれども、私は、きょうじゅうには出す、かように伺っております。ただいま党におきましても、そういうことで、成案を得べくたいへん努力している最中であります。
【次の発言】 間違いないように思います。
【次の発言】 ちょっと待ってください。――ただいまのは米審に関することだ、また非核のほうはまだもっとおくれているのじゃないか、かように私思いますから、その問題として私お答えした、かように御理解いただきたい。
【次の発言】 森本君の見識に敬意を表します。ただいま言われるように、世界的な大事業であるし、またわが国にとりましてもたいへん大事な使命を持つ橋でござい……
○佐藤内閣総理大臣 たいへん困った問題、率直にお尋ねがありまして、結論を出せということですが、まあ多賀谷君もずいぶん長いこと石炭問題では苦労しておられる。私もいまお話になりましたように、石炭問題とは真剣に取り組んだつもりでありますし、また内閣自身、党自身、この問題とは真剣に取り組んでまいったつもりであります。そうして、それぞれの時期において適切だと考えた対策、その対策を立てて、今度こそはこれで基本的な根本解決ができるだろう、かように言ったものが、もうその翌年からくずれてきている。これが実は現状であります。私は四十二年のあの対策を樹立したとき、今度こそはこれでしばらく過ごせるんじゃないか、だれし……
○佐藤内閣総理大臣 私がちょうどその機会におりませんので、ただいまの防衛庁長官がどういうようなお話をしたのですか、私は確認しておりません。まことに残念で申しわけないことですが、この機会にもう一度防衛庁長官の答弁を求められるようにお願いしておきます。
【次の発言】 そのだんだんふえるという仕組み、そういう仕組み、そんなことは私ども考えておりません。ただ、このバッジの問題がたいへん金がふえたという、そういうことでおしかりではないかと思いますが、当初予定しなかったような、機密事項でアメリカから公開してくれないのではないか、かように思ったものがありますが、しかし、それがアメリカのほうで、機密事項でない……
○佐藤内閣総理大臣 先ほど、最近の実情についてどういうように政府が考えているかということで大蔵大臣から概要を申し上げました。河野君がいま御指摘になりますように、ポンドの国際決済通貨としてのその地位が大変動を来たし、さらに、それに関連いたしましてドル自身の国際決済通貨としてのその地位がたいへん心配になる、しかも、そのドル自身の不安というものが、結局はゴールド、金の問題だ、こういうことにつながっておる、これはもう御指摘のとおりであります。そうしてまた、そういうことが一部の投機者の投機、そういうことで一そうそれをあおっておる、こういうようなところが見受けられるのであります。したがいまして、いまお話し……
○佐藤内閣総理大臣 伏木君にお答えいたします。 私、別に伏木君とここで論争するつもりではございません。私の姿勢が右傾化している、こういうことを指摘されました。そうして倉石あるいは灘尾発言というものが右傾化の一つの証拠だと、かように言われます。祖国を思い、独立を進めることがなぜ右傾化ですか。はっきりそのことを知ってもらいたい。これこそ正しい政治のあり方だ、かように私、確信しております。そういう点を、ただ右傾といって政府をどなりつければそれで事が済むように考えられることは、私まことに残念だ。私はそういう点を正確に把握してもらいたい、まずそのことを申し上げます。 そうして、最近の状態は戦争への危……
○佐藤内閣総理大臣 私が、ドルを強化することがひいては円の強化、そのことにも役立つということを申したのは、北山君御承知のように、いま国際決済基軸通貨、そういうものはドルかポンドだ、こういうことでございます。その国際決済の基軸通貨というものが強化されなければ、国際決済ができない、国際経済というものが成り立たない、こういう観点でございます。ただいまはもちろん一国経済ではない。一国経済の場合だったら、円が独立して、円だけで強化する方法もございましょうけれども、いま国際経済の観点に立つと、やはり基軸通貨というものがはっきりしていないと困る。いろいろ金の問題が起こりましても、あるいはドイツのマルクが基軸……
○佐藤内閣総理大臣 北山君にお答えいたします。 ただいま御指摘のように、もう収穫期を前にしてなお米価がきまらない、これは私まことに残念に思っております。もちろん重大なる問題でありますから、なかなか簡単にもきめかねる、これはもっともだろうと思います。 そこで、ただいま米価決定の基本的考え方はどうか、これはもうすでに御承知のような過去の方針を私踏襲しております。もう北山君もその道のベテランですから、政府の基本的方針はよく御了承だと思います。私、重ねて詳しいことは申し上げません。これをひとついままでの経過どおりお考えいただきたい、かように思います。
○佐藤内閣総理大臣 お答えいたします。
わが国の基本的外交方針は、善隣友好、平和外交に徹する、この一語に尽きると思います。このことはたびたび申し上げたので、もうすでによく御承知のことだと思います。
ベトナム戦争は一体どういう性格のものか、こういうお尋ねでありますが、これは、御承知のように、ベトナムに一度和平が来た、ジュネーブ会議で、そういう安静というか、鎮定さすその状況のもとにおいてそれが守られなかったというところに原因があった、かように私は思います。
【次の発言】 私はさように考えます。
【次の発言】 私は、さような点については詳しくは知っておりません。
○佐藤内閣総理大臣 そのとおりでございます。
【次の発言】 たいへん申しわけないことですが、ついせんだって予算委員会で答えた当時から、あまり私自身の考えは変わってないのです。したがいまして、ただいまのようにどういうようになるかということについて、もう少し時間をかしていただく、その上で結論を出す。しかし、もちろん、いまお話しになりましたように、沖繩が返ってくれば、当然本土で行なわれておる憲法はそのまま実施されるし、また特別の定めなき限り安保条約、これも適用されるんだと、かように御理解をいただきたい。私、それより以上ただいまの段階では別に変わっておりません。
○佐藤内閣総理大臣 委員長御自身からお尋ねをいただいておる問題でございますので、これまた当委員会の問題でもあろう、かように思います。 公務員の天下り人事というのが批判の対象になっておりますが、私は公務員といえども、その所を得て、そうして国家、社会に奉仕すること、働ける間は働くことがよろしい、実はかように考えております。しかしどうも、ひもつきであるためにとかく誤解を招きやすいような言動がある、こういうことは慎まなければならない、かように思いますが、天下り人事が悪い、こう一口にはなかなか言えないのじゃないのか、かように思います。ただ給与がたいへん高いという、そういう意味から、いま給与について、内……
○佐藤内閣総理大臣 島本君ただいま御指摘になりましたウ・タントさんの国連における勧告というか、各国に対する注意の喚起と申しますか、その記事は私も読みました。ただいま御意見を述べられたように、私も同感を持って、実はこのウ・タントさんの処置についてわれわれも協力すべきだ、かように考えております。 ところで、公害そのものについていろいろの議論がなされておりますが、私はこれは必要悪とでも申すべきものじゃないだろうか、実はさように思っているのです。と申しますのは、いま経済を発展さす、その目的は一体何か。これは申すまでもなく、われわれ人間、その生活に寄与するというか、われわれがしあわせになるために経済発……
○佐藤内閣総理大臣 まず最初に、今日補完して申し上げます。 本会議でも申しましたように、期限を切った健保特例法、さらにまた同じような二年間の延長、これはいかに弁解しようともまことに遺憾なことでございます。これは申し上げるまでもないことだと思います。その点を心から私の気持ちを率直に表明したいと思います。 さらにその問題は、いまも御指摘になりましたように、いろいろな事柄でも、公約違反はけしからぬ、そういう非難は当然であります。ことにこの健保の特例法そのものは、私のかねてからの社会開発あるいは人間尊重、それにつながる国民の生命、健康を確保する観点に立って社会保障を進めていく、同時にまた社会保険制……
○佐藤内閣総理大臣 中国大陸との貿易についての、いろいろな見方がございます。昨年の後半においては、どんどん伸びていった。したがってこれからの、ことしについては明るい見通しというか、増加する方向ではないか。せっかくただいま古井君と田川君とが、さらに民間の岡崎君も出かけて、いわゆる覚書貿易、それをひとつ長期化する、そういう取りきめをしようといって、いま努力しておる最中でございます。私はそういう意味で、ちょっとことばは在来から使っておることばでございますが、いわゆる政経分離の形においてこの貿易は持続し、さらにそれをふやしていく、増加していく、こういう方向でぜひやりたい、かように思って、せっかくいま努……
○佐藤内閣総理大臣 これは大出君もずいぶん勉強していらっしゃるので、むしろ私のほうがしろうとかわからぬが、今回提案して御審議をいただいておるのは、これは確かに政府とすれば画期的な法律で、ひとつ思い切って行政の簡素化をしよう、それには仕事のほうからくる場合もあるんだ、どうもなかなか理屈が多くて仕事の面からなかなか片づかない。この前ショック療法したその経験からも、相当われわれが思い切って定員を減らすんだ、仕事の簡素化をやるんだ、これは両々相まってやらざるを得ないのじゃないか。それが国民も期待するところだろう。 そこで、いま言われた点については私も全く理論的にはお説のとおりだと思う。しかし、これは……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま八木君からいろいろお話がございました。私、もちろんいままで各大臣がお約束したこと、これを忠実に履行するその責任がございます。その点はもういまさらあらためて確認されるまでもないことであり、必ずいたします。はっきり申し上げます。 ただ、私この際に、この事柄について、ずいぶん長くかかった問題だが、しかし各党の話し合いにより方向がきまった。自民、社会、民社、公明各党が、ほんとうに民族の非常に悲しむべき事柄について、これからどうしようかという、そこを腹を打ち割って話をした結果解決をした、このことが私は非常にうれしいのであります。ことにこれが解決したことにつきましては、一人、……
○佐藤内閣総理大臣 この委員会でどういう論議があったか、私十分は知りません。また、いまの記事自身、これも私と外務大臣との話を正確に伝えておるものではありません。私、これは別に、何というか秘密事項でもありませんから、誤解のないようにこの際申し上げておきたいのですが、愛知君が帰ってまいりまして、いろいろ話をしていると、どうも私と愛知君との間にも食い違いがあるようだし、全部内閣としての話を十分まとめる必要がある。それで、見てやや気になるのは事前協議の問題です。どうも質問はそれぞれが、みんな事前協議のフォーミュラというようなものが前もってきめ得るんじゃないのか、こういうところに質問が集中している。ケー……
○佐藤内閣総理大臣 まず第一に、この事前協議の問題について私が申しますように、イエスもノーもある。これは事前協議の性質上当然だ。これに対しまして、社会党――この代表として、イエスもノーもあるというような、そんないいかげんなことを言わないで、ノーと言え、戦争に巻き込まれる危険の絶対ないようにしろ、こういう強い御要望のあることも承知の上で、ただいまの事前協議というものはそういうものです、ということを申し上げております。したがいまして、私は国内に、絶対にノーと言って歯どめの役をしろという強い意見のあることも承知の上で、十分慎重に扱わなければならぬということを申しておるのであります。この考え方について……
○佐藤内閣総理大臣 石田君にお答えいたしますが、私から、農政通というか、農政のベテランの石田君にお話しするのは、あるいは逆かもわからない、しかし、いま事を分けてのお尋ねですから……。 いま私どもが当面する問題、これは最近の産業革命というとことばが大げさ過ぎるかわかりませんが、とにかく時代が非常に移り変わっております。そこで、それに適応する産業があってほしい、基本的にそのときに応じた各産業のあり方を考えるべきであろう、かように私、思います。しかもその見方が、あるいは都市化という方向に重点を置いてみますると、あるいは農業に対する正しい見方を考えそこなうかもわからない。また農業の保護育成という立場……
○佐藤内閣総理大臣 内田君にお答えいたします。 今日のような大学の騒ぎができたこと、政府といたしまして、まことに私自身遺憾に思っております。もちろん教育の場で起きた問題でありますから、当初の原因などは、これはもう教育問題でもあり、社会的な問題でもあった。そういう面が多分にありました。しかしながら、それがだんだん進んでまいりまして、そういう暴動化した今日の状況、ただいま内田君が指摘されるように、これが政治的なイデオロギー的な一つの目的を持った、そういう問題じゃないか、かようにも私ども思うのでありまして、したがいまして、これに対する対策がただ単に教育上の問題だけでは済まなくなっておる。政治的目的……
○佐藤内閣総理大臣 そういうことを話したようです。
【次の発言】 私は、いわゆる国際の平和が力の関係で保たれている、かようには申しました。いわゆる力の均衡によって保たれている、かように私は申したつもりはございません。力の関係、自由主義陣営が――いわゆるわれわれの守る自由主義陣営、そのほうが力においてすぐれておる、これが平和勢力なんだ、そこで戦争が起こらないのだ、こういうことを申したつもりです。
ただいま言われるような恐怖の均衡、これもございます。もちろんそういうものも戦争をやらない。しかし、そのもとはただいま申したように、力の関係、その関係の優劣、それが戦争を起こしておらないのだ、こういうこ……
○佐藤内閣総理大臣 ただいまのお話、るるお述べになりましたが、要は、日本の安全保障の形態はどういう形が望ましいのか、そういうところにきているようであります。この点では、遺憾ながら楢崎君の所属する社会党と私どもの主張は基本的に違っております。私どもは、憲法九条のもとにおいて自衛隊を持っておる。自衛隊で不十分なところを日米安全保障条約によって補っている。これがわが国の安全保障確保の方法であります、手段であります。しかし、楢崎君のほうは、申すまでもなく非武装中立論、ここに基本的なものの考え方があります。したがって、たとえばいまの椎名君の考えにいたしましても、私どもは、これはただいまアメリカが沖繩に施……
○佐藤内閣総理大臣 山中君のいま、現代の政治の課題、これが沖繩であり、物価であり、大学問題である、お説のとおりだと思っております。私も、この三大重大政治課題を賢明に解決することができたら、国民はたいへんしあわせだと思っております。その意味において、山中君と同じように政治課題を指摘することができます。そして、ことにそのいずれもが単純なものでない、複雑多岐にわたっておる。民族の独立精神からだけで解決のできない問題もあって、たいへん複雑多岐にわたっておる、かように思います。 そこで、御指摘のように、何といっても人間形成、そういうことが抜かってきた、戦後の教育のあり方からそういうことが抜かってきた、……
○佐藤内閣総理大臣 私は、けさテレビをニュースの時間にかけたとたんに、この惨事をテレビを通じて見たのです。ほんとに驚いた。しかも深夜というならともかくも、あの時間、まだ宵の口ですね。それもまだ九時にならない、その前に起きた。その火事でこれだけの多数の犠牲者を出した。私はその点にたいへん驚いた。昼間の火事でももちろんですが、あの宵の口の火事でこれだけの犠牲者が出る。一体こういうことはどうなっておるのか。この前、有馬の温泉の火事、多数の犠牲者を出し、そうしてその意味において各観光地や観光施設について、あの有馬の不幸な事故を、ああいうものを再現しないように、それをひとつ例にとって十分よく見ろ、よく調……
○佐藤内閣総理大臣 最近の経済発展、昭和三十年代とかように申してもいいですが、この年代における経済の急激な発展があった。そうしてその経済発展をささえているもの、それはやはり片一方で都市化という、そういう形であらわれておる。その都市化があらわれるが、同時にまた、その都市化を形成するためのそのもとは一体何か。これは、地方から出ていく、そこでいわゆる過密、過疎、こういう現象が生じてくる。国内の現象でありますが、いまのようないわゆる経済の急激な発展、その結果招来した現象ではないか、かように私は見ております。
【次の発言】 私の説明したのはその原因でございます。
そこで、それじゃいまの出ている過密、過……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま大蔵大臣から社会保障についてのものの考え方を申しましたが、私はそれに答えようというわけじゃありません。最初山内君が、何か内政問題、ことに社会保障というようなじみな問題と取り組む、そういうことで国民の理解を求めるような特に発言がございました。私は、本来、内政にうんと力を入れないことには手が国際的には伸ばせないという基本的な考え方がございます。その意味では山内君と私の考えが同一でありますので、そこでただいま立って、ぜひひとつ内政についての審議を積極的にやっていただきたい、そのうちでもことに国民生活、いわゆる弱者、弱い者、日の当たらない者、そういうものについての意見を率直……
○佐藤内閣総理大臣 私もまことに残念な事故が起きた、かように考えておりまして、被災者の方々に対し、死者並びに負傷された方に対して心からお悔やみとお見舞いを申し上げる次第であります。 そこで、ただいまも報告がありましたように、いろいろの原因があるだろうと思いますので、簡単に調査を終わるわけにいかない。部内におきまして事務次官を長とする調査研究会をさっそく開くことにいたしまして、そうして十分その原因を調査して、しかる上で対策を立てたい、かように考えております。 いずれにいたしましても、市街地の上でかような事故が起こり、そうしてそれが火災また多数の被害者を生じたということ、まことに残念にたえませ……
○佐藤内閣総理大臣 お答えいたしますが、楯君のお話を聞いておりまして、いままでの質問とよほど形が変わっておる。いままでのお尋ねは、多く観念論的な問題でございました。だから憲法上、この条文はどういうように解釈するのか、そういうお話に終始していた。そこで、法制局長官も、やはり法制局ですから、そういう意味で権威をもって観念論的な法律論をやったわけです。けれども、いまお尋ねになるように、政治にはやっぱり法律論も必要だが、実際には一体どうするのか、これが問題だと思います。でありますから、私は最後にあまり観念論ばかりやっていてもいかないから、佐藤内閣の間は、つくりもまた持ちもいたしません、こういうことをは……
○佐藤内閣総理大臣 鈴木君にお答えいたします。 いま、大学でいろいろ学生運動が行なわれておる。この学生運動の起きたそれぞれの学校において、それぞれの特異性はある。しかし、今日、いまの学生運動そのものをどういうように見るか、これが一つの問題だと思います。本来、学園内の問題でありますから、教育問題が主であるべきものだと思う。ところが、いまやっておるのは、どうも教育問題ではなくて、むしろ政治問題が主になっておる。それが治安の問題として、暴力行動として取り締まりの対象になる、こういうような方向へ行っておる。そこで、いま鈴木君が言われるように、もっと原因も十分探求しなきゃなりませんが、さらにもっと広い……
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの外務大臣の発言につきましては、私も同感であります。今後この種の発言につきましては、十分注意いたさせます。
【次の発言】 一般質問に入って私が呼び出されて、何ごとかと思ったのです。さぞ重大なことが起きているだろう。事柄はたいへん重大な事柄であります。
私は、しばしば総括質問におきましてもお答えしたように、沖繩の問題は簡単な問題じゃない。たいへん複雑な重要な問題だ。したがって、これと取り組む総理の姿勢、これは慎重な上にも慎重でなきやならない、かように実は私は審議が進むに従って考えておる次第であります。したがいまして、ただいまも外務大臣にいろいろお尋ねになっておる。外……
○佐藤内閣総理大臣 いま解散含み云々ということがありましたが、別にことばにこだわるわけではございません。これは別に解散と関係があるわけじゃありませんが、いまの大学問題、これはまことに、国民として、私は、いわゆる大学の自治というだけで事柄は済まないように思うんです。いま管理能力がはたしてあるかどうか、かように私ども考えますと、子供を持つ親はもちろんのことです、また受験生そのものも、これはたいへんなことだと思うのですが、それよりももっと国家的な見地に立って、この状態をとにかくほっておくわけにはいかないじゃないか。政府の責任、これはもう最高責任者でございますから、そういう意味でこの問題とひとつ真剣に……
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