このページでは佐藤栄作衆議院議員の32期(1969/12/27〜)における国会発言(質問、答弁等)をまとめています。国会活動の統計や役職、質問主意書の数や内容は32期国会活動統計で確認できます。
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 新しい年を迎え、第六十三回国会が開かれるにあたって、所信を申し述べます。 私は、まず、さきの総選挙において示された国民各位の力強い支持と信頼にこたえるべく、心を新たにして、国政に取り組む決意であります。一九六〇年代は、長年にわたる国民の念願であった沖繩の核抜き、本土並み復帰が決定し、「戦後」に終止符を打つと同時に、わが国経済力の著しい充実を背景にして、国際社会での地位の向上をはかることのできた時期でありました。これは、ひとえに国民各位のたゆみなき勤勉と努力のたまものであり、衷心より敬意を表するものであります。(拍手) 一九七〇年代は、この成果の上に立って、さら……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 成田委員長にお答えいたします。 施政方針演説で申し述べましたとおり、一九七〇年代は、わが国といたしましても、さらに大いなる前進と飛躍が期待できる時代であると同時に、試練の時代でもあると考えます。国民のエネルギーを結集して、一そう国力の充実をはからなければなりませんが、中でも政治の責任はきわめて重大であります。国会における実りある論議を通じて、国運の進展に寄与したいと念願しております。具体的な問題に入る前に、まず、この点につきましての御協力を特にお願いいたしたいと思います。 さて、平和を確保し、国民生活の向上をはかるという基本的な命題につきましては、成田委員長も……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 角屋君にお答えをいたします。 まず最初に、新聞の読み方からお尋ねでございますが、私は、新聞を見るときは、まず第一面から順を追って見ます。この点をはっきり申し上げておきます。しかしながら、私は、ただいまの政治問題についての第一面にも注意いたしますが、三面記事といわれる、いわゆる国民の日常生活をいかに各新聞が受けとめておるか、こういう点についても十分注意しておるつもりであります。私は、政治の責任者といたしまして、国民生活全般について注意深く見ているつもりであります。 時代のテンポが早く、政治の対応策が必ずしも十分でない面が多々あることは十分承知しております。このお……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 松沢君にお答えいたします。 米の生産調整の問題でありますが、農民諸君もこの措置が日本農業の自衛の方策であることをよく理解して、この方針に協力されることを私は心から期待するものであります。 ただいまも農民大会におけるその一場面を御紹介になりましたが、私どもは、ただいま申し上げるような期待を持って、ただいま施策を進めておる次第であります。政府、地方団体、農業団体、農民諸君の一致した協力があれば、多少の困難も必ず乗り切れるものと、かように確信しております。 次に、農地法の改正は、農地の流動化を促進して、農業に専念しようとする農家の経営規模を拡大し、今後総合農政を展……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 阿部君にお答えいたします。 まず、租税特別措置を全廃せよとの御提言でございましたが、そう一挙に極端な措置をとるわけにはまいりません。課税の公平の原則と特別措置のねらいとしている政策目標との調和をはかりつつ、実情に即した改善を行なっていくべきであり、今回の改正におきましても、適切な、ただいま申し上げるような態度で、改善をはかったものでございます。 利子・配当の課税についても、ただいま申し上げたような趣旨におきまして、所要の改正を行なったものであります。 今後におきましても、総合課税の原則に帰することを基本的方向としながら、国民の貯蓄の動向や、税制に対する国民の……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 山本君にお答えをいたします。 まず、国庫優先を改めて、地方公共団体の財政を重要視せよとの御意見でありましたが、従来から地方公共団体の財政を軽視しているようなことは決してございません。住民の日常生活に密着した地方行政を充実することは、内政充実のためきわめて必要であり、四十五年度の地方財政計画におきましても、地方財政の充実について十分配慮しているところであります。御了承をお願いいたします。 次に、地方行政のあり方についてでありますが、要は地方公共団体が地域住民のための行政をやりやすいようにする必要があるとの山本君の御意見には、全く同感であります。中央と地方行政との……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 大出君にお答えをいたします。 ニクソン米大統領は、アジア政策の指針として、米国が条約上の公約のすべてを守ることを明確にしていることは御承知のとおりであります。と同時に、核保有国が米国と集団安全保障条約を締結している国の自由を脅かす場合には、米国は防御手段を提供することも明らかにしており、その他の型の侵略の場合には、米国は条約上の公約に従って、軍事的、経済的援助を行なうが、その場合、直接脅威を受けている国が、自国の防衛のため、第一義的責任を負うことを期待しているものと考えます。お尋ねの趣旨で申せば、米国政府が、わが国の防衛に関し、わが国に期待するところもまた同様で……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 田中君にお答えいたします。 まず、七〇年代における農政の基本的考え方についてのお尋ねがありましたが、私は、七〇年代初頭における農業の課題は、何をおいても、古くからの米麦中心の日本農業からの脱皮であると、かように考えます。この大きな、また困難な転換期を無事に乗り切って、需要の動向に即応した農業生産体系に移行し、そこに産業としての国際競争にも耐え得る近代的農業の確立をはかり、そうして新しい、住みいい農村社会の建設を推進してまいりたい、かように考えます。これが基本的な考え方であります。 次に、最近再び農業従事者と勤労者との所得格差が拡大しつつあることは、残念ながら御……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 石川君にお答えをいたします。 中小企業省の設置の御提案がありましたが、中小企業政策は、関連産業との統一的視野に立って進められて初めてその成果をあげ得るものでありまして、中小企業行政のみを実施する新たな機構を設けても、かえってその実効は期待し得ないもの、かように考えます。行政簡素化の大方針もあり、新しい省の設置は考えておりません。 なお、現在の通産行政が、中小企業を守る立場よりも大企業の立場に立ちやすいという御批判は、私は当たっていないものと考えます。中小企業行政は、金融、税制等の総合的施策によってその充実がはかられるべきものであり、今後とも関係各省との連携を一……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 私は、今回の事件が、紆余曲折を経ながらも、政府及び国民の一致した願望どおり、乗客及び乗務員の安全をそこなうことなく解決されたことを、心から喜んでおきます。(拍手) 特に、社会党はじめ各政党が、超党派で問題解決に協力していただいたことを、この機会に心から感謝申し上げるものであります。(拍手) また、本件の発生によって、近隣諸国に思わざる御迷惑をおかけしたことを深くおわびいたします。特に、問題の「よど号」が金浦空港に到着してからの韓国政府の御努力と御理解とには深く感謝している次第であります。(拍手) さらに、軍事休戦委員会のルートを使用できたことは、米国政府の協……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 先刻、参議院における緊急質問に答えて冒頭に申し上げたことではありますが、まず今回のガス爆発事件により、多数のとうとい人命が失われたことはきわめて遺憾であり、ここに、不幸にしてなくなられた方々の御冥福を心から祈るとともに、遺家族の方々にお悔やみを申し上げる次第であります。また、多くの傷つかれた方々には、すみやかなる御本復を心から祈念するものであります。 さて、人命尊重、人間尊重は私の基本的政治理念であり、そのもとに、社会開発の諸施策は各方面において広く展開されているのであります。今・回御審議いただいております公害二法なり、あるいは過日可決いただいたガス事業法などは……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 土井君にお答えいたします。 まず、地方団体が、国の行なうべき行政を補完的に、あるいは先行的に実施している面が多いとの御指摘でありました。国としても、限られた財源のもとで、これを最も有効適切に配分するよう最善の努力を払っているものでありますが、古くからの数多くの懸案が、一挙に解決されることは不可能なことであります。そこにある程度の行政のおくれとか、ひずみが残ることは、真にやむを得ないことであり、地方団体が、その判断において、その欠陥を最小限にとどめるべく、それぞれの地域の実情に応じた特色ある行政を展開されることは、これこそ地方自治行政の一つのメリットであり、むしろ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 横山君にお答えいたします。 いろいろ御意見をまじえて述べられながらお尋ねがございました。 そこでまず、私が申し上げるまでもなく、白書、これは国民各位にそれぞれの実態と施策の現状について理解と認識を深めていただくためのものでありまして、また白書の分析は、政府の施策に的確に反映させるための反省のかてでもあります。ただいま、対策がない、ただ分析倒れだ、かような御批判がありましたが、これが白書というものだと私は思っております。 ところで、これが十分施策の上に取り入れられておらないという。その白書のねらいが十分に効果を発揮できず、せっかくの分析が分析倒れとなってしまっ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 最近、カンボジア問題をめぐってインドシナ半島の緊張が高まっていることは、まことに遺憾であります。私は、すみやかに事態が収拾され、これ以上戦火が拡大しないよう強く望むものであります。 近くジャカルタで開かれるアジア会議については、愛知外務大臣が出席いたしますので、外相から詳しくお聞き取りいただきたいと思いますが、私といたしましては、この会議において、カンボジアが中立を回復すると同時に、その平和と安全をはかる建設的な方式が見出されることを期待しております。 また、カンボジア問題が沖繩返還に影響を与えるようなことはありませんから、西村君への答弁を通じて国民の皆さんに……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 川俣君にお答えいたします。 まず、用材供給の中に占める輸入材の比率が非常に高まってきたことは、白書の指摘するとおりであります。この傾向は、今後一そう強くなることも予想されます。国土の六八%を占める森林王国日本といわれておりますが、絶対面積の狭隘はいかんともすることができません。この点に、わが国の森林資源では、世界に例を見ない高密度経済下における木材需要の急速な増大を充足することが困難であります。戦中戦後の乱伐の影響を考えると、いまはむしろ外材依存度をふやし、国内資源の生長を待つべきときともいうべきではないかと思います。 もちろん、かように申したからといって、こ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 井野君にお答えいたします。 近年、わが国の貴重な自然が無秩序に破壊され、良好な生活環境とレクリエーションの場が失われつつあることはたいへん残念なことであります。さきに策定をした新全国総合開発計画におきましても、国民的資産である自然及び歴史的環境を長期にわたり保護、保存するための具体的方向を明らかにしたのでありますが、その実現については、今後一そう努力してまいる決意であります。 御提案の、公園敷地内の必要区域の確保につきましても、つとに助成措置を講じていることであり、また、交換方式による用地取得も可能であります。井野君のお尋ねの趣旨に沿って、自然景観が民間施設に……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 第六十四国会が開かれ、所信を申し述べるに先だって、本日、この国会に沖繩から衆議院議員五人、参議院議員二人を新たに迎えることができましたことを、国民各位とともに心から喜びたいと思います。(拍手)政府は、去る三月に決定した沖繩復帰対策の基本方針に基づいて、諸般の準備を進めつつありますが、国会並びに各界各層の御協力を得て、復帰対策の万全と豊かな沖繩県づくりのため全力を尽くし、一九七二年祖国復帰という歴史的事業の完遂に遺憾のないようつとめたいと思います。(拍手) 私は、先般、国際連合創設二十五周年記念総会に出席して、自由を守り、平和に徹するわが国の基本理念を広く世界に訴……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 下平君にお答えをいたしますが、およそ民主主義国家におきましては、国の進路をきめるのは国民であることは、御承知のとおりであります。しからば現在、大多数の日本国民は、自分自身の国家目標を軍事国家に置いているかといえば、私は絶対にさようなことはないと、この機会にはっきり申し上げるのであります。(拍手)申すまでもなく、国民の合意は平和国家であると思います。 ただ、今日、世界でも枢要な経済力を持つに至ったわが国に対し、それと見合った軍事力を持つのではないかと心配する向きもあるようでありますが、日本はそういう道は歩まないんだということを、機会あるごとに強調し、理解してもらう……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 春日君にお答えをいたします。 まず最初に、私の自由民主党総裁としての四選について言及され、いろいろ御批判をいただきました。私も国会に議席を持つ者であり、議会政治、民主政治、これが何を意味するか、また、どういうことが守られなければならないか、このことは十分知っておるつもりであります。春日君のお話では、政権の交代が主権者である国民の意志とは別にとり行なわれるような御意見であったように聞きます。その点は、もし違いであるならば、私が誤解ならば私のほうが訂正をいたしますが、わが党は、選挙を通じて国民の支持を得ておる、その点をはっきり申し上げておきます。(拍手)そうして、ま……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 古川君にお答えをいたします。 国民の福祉を最重点として、多様化し深刻化しつつある公害対策に、全力をあげてまいる決意であることは、さきの所信表明において、あるいはその後各党からの代表質問に際して、申し上げたとおりであります。私は、公害問題を、人の健康や環境に問題が起きたときに対処するという、いわば受け身の問題としてではなく、積極的に、りっぱな環境を取り戻す、美しい自然を永遠に子孫に残していく、こういう前向きの姿勢で、真剣に取り組んでまいる決意であります。(拍手) 本日提案いたしました公害関係各法案は、今後の公害行政を進めていく場合において、大きな前進と飛躍を可能……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 私は、昭和三十九年秋以来政局を担当し、国運の進展と民生の向上に全力を尽くしてまいりましたが、新しい年を迎え、その任のいよいよ重きを痛感いたしております。ここに第六十五回国会が開かれるにあたり、内外の情勢を展望し、内閣の施策の基本について所信を申し述べたいと存じます。 一九六〇年代においてわが国は、恵まれた国際環境の中にあって、国民の勤勉と努力により、飛躍的な経済発展と完全雇用の実現など歴史的な進歩を遂げることができました。また、国力の充実を背景に、平和外交を積極的に推進した結果、国際的地位も著しく向上いたしました。しかしながら、その間、世界にもまれな高密度社会が……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 成田君にお答えいたします。 政治の国民に対する責任は、第一義的には、国の安全を確保し、文化を興隆し、国民生活の向上をはかることにあると考えます。しこうして、平和外交を積極的に展開することによりまして、わが国の平和を維持し続けてまいりました。さらに、国民の勤勉と努力を根幹とし、機動的かつ弾力的な財政経済政策の運用によって、画期的な経済発展を遂げることができたと信じております。しかしながら、その間、物価や公害問題など、必ずしも政治の責任を全うすることができなかった面も多分にあることは、まことに遺憾に存じております。 ただ、わが国のように、国民のエネルギーが横溢し、……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 佐々木君にお答えいたしまするが、前提としての御意見は、私は謙虚に承ったつもりでございます。 そこで、具体的の事例として、まず年をとられた一市民の切実な要望を代弁されました。 第一の老人医療の無償化については、率直に申しまして、公費負担によるべきか、あるいは医療保険制度の抜本改正の一環としての老齢保険制度の創設で対処すべきか、私自身判断を下しかねております。なお十分検討を加えてまいりたいと考えます。ただし、御披露がありましたように、この問題は当面の切実な問題であって、最終的な結論を得るまでの間、放置することはできませんので、さしあたり四十六年度予算においては、健……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 高橋君にお答えいたします。 昭和四十四年度決算におきまして、会計検査院から百五十三件の不当事項、さらにまた、十七件の制度改善処置の要求事項の指摘を受けましたことは、まことに遺憾であります。 租税等の徴収不足について指摘のあった事案については、すでに徴収決定等を完了し、収納に鋭意努力しているところであります。今後とも、納税者等に対する法令の周知と指導の徹底を期し、内部において職員の専門知識の向上につとめるとともに、内部監督の充実等により、適正な徴収をはかってまいります。 また、補助事業における工事の設計施工の不良等については、すでに手直し工事を施工させ、または……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 大出君から、防衛白書を中心にして、わが国防衛のあり方について種々お尋ねがありましたので、基本的な問題の諸点についてお答えをいたします。 まず、われわれ日本国民は、過去の苦い経験から、自由を守り、平和に徹することの重要さを、世界のいずれの国民よりも痛感しているのであります。そのため、政府の防衛政策も、国力、国情に応じ、他国に脅威を与えないというのが基本であることは御承知のとおりであります。今後とも、この基本方針に変わりのないことを明確にしたいと思います。 私としては、第二次大戦を正当化しようとするような考えは毛頭ございません。このことも、はっきり申し上げておきま……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 佐藤君にお答えいたします。 まず、今回の所得税の減税は、実質減税になっていないとの御意見でありましたが、今回の改正の結果、課税最低限は、一〇%程度引き上げられることになり、消費者物価の上昇を見込んでも、なお相当の実質的負担の軽減になっているものでございます。 給与所得者の定額控除については、その引き上げが、低額な給与所得者から強く望まれており、前回の所得税法の改正に際しましても、特に議論のあったことは私も承知しております。今回の改正案におきましても、基礎控除や扶養控除引き上げに対して、定額控除の引き上げに重点を置いたことは、佐藤君も十分お認めいただけることと思……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 山口君にお答えいたします。 お尋ねの順序ではございませんが、私のメモでお聞き取りをいただきたいと思います。 国民生活に密着する事業は地方自治体の仕事であり、そのため地方財政の規模が大きく拡大することは当然であるという御意見には、私も異論はありません。地方財政計画が十四年ぶりに国の一般会計の規模を上回ることとなったのも、その一つのあらわれであります。 しかしながら、山口君は、事業執行面における地方のウエートに対し、財源面でのウエートはその約半分にすぎないとして、これが非常に不均衡であるかの御意見でありましたが、これには若干異論を持つものであります。 現在、国……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 藤田君にお答えをいたします。 自動車新税が高負担政策のあらわれと見ることは、妥当ではありません。国民所得に対する租税負担率におきましても、四十六年度は四十五年度のほぼ横ばいで推移するものと見込まれておりますし、先進諸国の負担率と比べても決して高負担というべき状態ではない、まずこのことをよく御認識いただきたいと思います。 私は、新経済社会発展計画でも指摘しているように、社会資本の充実、社会保障の拡充等、政府の施策に期待される分野が次第に拡大されていくにつれ、国民の税負担はある程度上昇せざるを得ないものと考えますが、その中心的にない手を自動車新税がつとめるものでな……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 川俣君にお答えをいたします。 児童手当の創設を提案してから、かなりの時日がたっていることは、川俣君御指摘のとおりであります。児童手当制度は、わが国の社会保障の体系の中で欠けていた制度であり、それだけに、制度の内容及び他の制度との調和が大きな問題でありました。また巨額の原資を必要とするだけに、産業界や地方公共団体の十分の理解と協力とが必要不可欠であったのであります。昨年秋に至りましてようやく関係審議会の答申を得ましたので、このたび児童手当を発足させることとしたのであります。 児童手当のように画期的な新しい制度が生み出されるまでには、以上のような、あらゆる面で機が……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 武部君にお答えをいたします。 御承知のように、データ通信技術は電気通信と電子計算機についての高度の技術が結合したものでありますが、電電公社はこれらについて多年にわたり技術、要員、経験などを蓄積しておりますのみならず、全国をカバーする保守体制を持っておりますので、その能力を十分に活用することが国益と国民の要望にも沿うものであり、また、国産技術の振興にも役立つものと考えます。このような意味において、電電公社が公共的なデータ通信サービス、全国的規模にわたるデータ通信サービス、あるいは情報産業の発展に寄与する通信サービスを中心として公衆回線の利用を認めることは、情報化社……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 後藤君にお答えいたします。 まず、雇用の不安定状態の責任について追及されましたが、私は、全体として見て、雇用の機会は拡大し、雇用失業情勢はかなりの改善を見ているものと考えます。現に、失業率は一%前後の低い水準を維持しており、日雇いあるいは臨時といった雇用形態で就業している人も、全体の就業者の中に占める比率は低下してきております。また、この傾向は、長期的に見て今後も続くものと考えます。 このように、私は、一般的には雇用問題は改善されつつあると思いますが、その中で、一部になお不安定な雇用が残っていることも否定いたしません。雇用形態の改善や労働条件の向上には、今後と……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 田中君にお答えいたします。 農業基本法が制定されてから、ちょうど十年たちますが、この間、基本法が日本農業に寄与した功績は、私は高く評価しております。特にその主要なねらいであった他産業との生産性及び所得格差の是正という面において、顕著な改善を見、農村の生活水準は飛躍的な向上を見たのであります。 しかしながら、率直に言って、基本法の目ざした需要構造の変化に見合った農業生産、いわゆる農業の選択的拡大の面におきましては、残念ながら十分な成果はおさめ得なかった、かように思います。 有史以来の日本農業の大きな転換であるだけに、容易に完全な成果をあげ得るものでもありません……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 渡邊君にお答えいたします。 私は、かねてから……(「田邊、田邊」と呼び、その他発言する者あり)失礼いたしました。失礼いたしました。田邊君です。田邊君にお答えいたします。 私は、かねてからの主張である人間尊重の政治の実現のためには、経済成長の成果を、成長に取り残されやすい階層分野の方々にまで行き渡らすことが何よりも必要であり、まさに社会保障の任務だと、かように考えております。 ただ、わが国の近代国家としての立ちおくれから、これと並行して社会資本の充実にも大きな力をさかなければならないところに問題のむずかしさがあります。次のゼネレーションに引き継がれる遺産ともな……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 千葉君にお答えいたします。 米価据え置きの方針は、先般の施政方針演説において触れただけではなく、昨年の施政方針演説におきましても同様の方針を明らかにしたところであります。 私は、米の供給が需要を大幅に上回り、他の成長農産物への転換が農政の最大の課題である今日、もしここで、米価対策に再び返るような政策がとられるといたしましたならば、結局は、農業の構造改革を逆行させ、農業を再び混乱におとしいれるものと考えます。施政方針演説は、予算編成に際してこのような農業政策についての政府の基本的な半与え方を明らかにしたものでありまして、その所信は、いまもなお変わっておりません。……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えをいたします。 まず、情報基本法を策定せよとの御提案でありましたが、私も情報処理問題の重要性にかんがみ、いずれ基本法を制定せねばならぬものと考えております。ただ、情報処理はわが国におきましては全く新しい分野であり、かつきわめて広範な問題を含んでいる問題でありますので、なお十分検討を要すべき段階にあるものと考えます。各方面の意見をも十分伺った上で、この問題に本格的に取り組む所存であります。 なお、米田君は、情報機能が一部の者に壟断されつつあるとの御発言でありましたが、私はさようには思いません。私は、言論の自由、これがわが国ほど自由濶達である国は世界でも例を……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えをいたします。 最近の水産物の需給の動向から見ると、増大する需要に対し、供給が十分対応するに至っていない状況であります。政府としては、今後とも新漁場の開発等による水産資源の維持増大、漁港等の生産基盤の整備、沿岸漁業構造改善事業の推進等による沿岸中小漁業の近代化等についての諸施策を総合的に推進してまいります。具体的対策はそれぞれ農林大臣からお答えいたします。 次に、漁業の環境保全を確保するため、他産業と水産業との調整を進める必要があるとの御意見は、私も同感であります。先般整備を進めました公害関係法の適切な運用をはかるとともに、今国会に提出している海洋水産資……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えをいたします。 石川君からは中小企業省を設置せよとの御意見でありましたが、中小企業行政は、本来、産業行政と一体となって運用されることが望ましく、かつ必要であります。この意味において、製造業や流通業など産業の大部分を所掌する通産省が中小企業行政をも取り扱うことが適当だと考えております。この点では、社会党から毎年中小企業省を設置しろといわれますが、政府は同じように毎年ただいまのような答弁を繰り返しております。この点を御了承いただきたいと思います。 そこで、せめて次官会議に企業庁の長官でも出せ、かような御提案でございました。私は、現在の次官会議の構成で十分事足……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 第六十六回国会が開かれるにあたり、所信の一端を申し述べます。 この秋、天皇、皇后両陛下には、ベルギー国、英国、ドイツ連邦共和国三国の公式御訪問を中心として、ヨーロッパを御旅行になります。両陛下おそろいでの外国御訪問は、有史以来初めてのことであります。友好各国との親善関係の上に、まことに意義深いことと存じ、喜びにたえません。(拍手)両陛下には、御平安に御旅行の上、御無事で御帰国あそばされますよう、国民各位とともに心からお祈り申し上げます。(拍手) 本年は、去る四月の統一地方選挙に引き続いて、このほど参議院議員通常選挙が行なわれました。政府は、この二つの選挙を通じ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) いろいろ御意見を述べられて、佐藤内閣を御批判いただきましたが、私に対してはむしろそれが御鞭撻のことばであるように聞きとれたのであります。厚くお礼を申し上げます。 まず、内政問題からお答えをいたします。 医療保険制度の抜本改正問題につきましては、政府がかねてから努力を重ねてまいったところであります。しかしながら、北山君も御承知のとおり、この問題は利害関係が錯綜しており、まことに複雑で、関係者の御協力のない限り、その解決は容易ではありません。政府といたしましては、関係者のそれぞれが、自己の主張に固執することなく、医療を受ける国民の立場に立って、譲るべきはこれを譲り……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 第六十七回国会が開かれるにあたり、所信を申し述べます。 天皇、皇后両陛下には、去る九月二十七日、ヨーロッパ御訪問の途につかれ、十月十四日、お元気で御帰国になりました。まことに慶賀にたえないところであります。(拍手)その間、アンカレッジでニクソン米国大統領のお出迎えを受けられ、ヨーロッパにおいてはベルギー、英国、ドイツ連邦共和国を公式に、デンマーク、フランス、オランダ、スイスを非公式に訪問されました。両陛下の外国御訪問は、わが国にとって有史以来初めてのことでありましたが、各国の王室、政府、国民によって心あたたまる歓迎を受けられ、わが国とこれら諸国との友好親善のため……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 赤松君からたいへんたくさんの、また多岐にわたってのこまかな御質問をいただきました。できるだけ忠実に、順を追ってお答えするつもりでございますが、あるいは落ちるものがあったら、他の機会に譲らしていただきたいと思います。 現在、国際間の緊張緩和につきましていろいろな努力がなされておりますが、特にニクソン米大統領の北京訪問あるいは中華人民共和国政府の国連加盟が実現すれば、アジアにおける緊張は大いに緩和されるものと思います。政府としては、このような傾向は、平和の達成という成果となって実ることを強く希望するものであります。 申すまでもなく、国際間の緊張は、政治、軍事、経済……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 今澄君から、まず、転換期に立っての基本的認識はどうかとのお尋ねがありました。 私は、このたびの所信表明演説において申し述べたとおり、現在の国際間の諸問題は、もはや戦後体制のワクの中では処理し切れなくなっていることを痛感しているものであります。中国問題にしろ、IMF体制にしろ、それなりの歴史的背景を持って今日まで推移してきたのでありますが、それがいまあらためて見直されていること自体、大きな意味を持っていると思うのであります。しかしながら、このような時期であるだけに、国際情勢についての一段と冷静な現状認識を踏まえつつ、わが国益が那辺にあるかを見きわめることが必要であ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) お答えをいたします。 戦後体制が行き詰まっているとの認識については、所信表明演説で述べたとおりでありますが、これがどうしてそうなったかということにつきましては、いろいろの見解があると思います。 私は、第一に、現在の国際秩序は、主として、さきの大戦後、戦勝国側だけの話し合いによったものだけに、戦後二十余年たって、いろいろな点で無理が生じてきたと思います。 中国に二つの政権が存在することは、戦争の結果他から押しつけられたものではありませんが、ドイツやベトナム、朝鮮半島における二つの政権の存在は、戦後体制を象徴するものと言えます。 経済問題につきましても、基軸通……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 石橋君にお答えいたします。 サンフランシスコ平和条約第三条の規定が法律的に無効であるという社会党の年来の主張は、十分に承知しておりますが、政府としては、すでに繰り返しお答えしているとおり、この御意見には同意できません。(拍手) 戦争の結果としてわが国の施政の手を離れ、二十有余年の間異民族の統治のもとにあった百万県民の住む沖繩、これがいよいよ本土に返ってこようとしているのであります。私は、いまこの時点で、沖繩が戦争で失った領土であるかどうかということを論ずることよりも、沖繩県民が置かれてきたこの歴史的事実をしっかりと認識することのほうが、より大切だと考えるもので……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) まず、このたびの不測の事故によって、多数のとうとい人命を失ったことは、返す返すもまことに遺憾であります。なくなられた方々に対し、深甚なる弔意をささげると同時に、御遺族の皆さまに、国政の最高責任者として、心からおわび申し上げる次第であります。 また、けがをされた方々に対し、この機会に心からお見舞いを申し上げます。 わが国の国土の特質を解明し、国民を災害から守るための実験において、安全対策が十分でなかったばかりに、当事者ばかりでなく報道関係者にも犠牲者が出たことは、まことに申しわけのないことで、政府としては深くその責任を痛感しております。今後再びこのような事故を起……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 一言申し述べます。 非核三原則を遵守することは、私がすでに繰り返し申し述べているところでありますが、本日、本会議における決議の採択にあたり、政府として非核三原則を遵守する旨、あらためて厳粛に声明するものであります。(拍手) 今般の決議の趣旨にかんがみ、返還時に沖繩の核抜きがさらに明らかになるよう、適切な措置を考究したいと存じます。 また、核の持ち込みに関しましては、本土、沖繩を問わずこれを拒否することは、政府が従来より明らかにしている政策でありまして、この機会に、さらにあらためてこれを確認するものであります。(拍手) 沖繩における米軍基地の整理縮小につきま……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 内藤君にお答えをいたします。 私がリーダーシップをとって、事故の未然防止、災害救助等の対策をとるべきだとの御意見でありました。 現在の制度のもとにおきましても、大型タンカーの事故防止及び災害救助につきましては、他の交通事故、災害とともに、その対策の基本計画は、総理大臣の主宰する中央交通安全対策会議及び中央防災会議によって決定されており、総理大臣が総合的見地から対処することとなっております。私は、今後ともこの制度をより一そう活用し、事故防止、災害救助に遺漏なきを期してまいる決意でございます。何とぞよろしく御声援のほどお願いをいたします。(拍手)
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 堀君にお答えをいたします。 堀君からは、御意見を交じえて、多岐わたってお尋ねがありましたが、私は、そのうち、基本的な問題についてお答えをいたしたいと思います。不十分な点につきましては、所管大臣からお答えすることといたしたいと思いますので、前もって御了承をお願いいたします。 まず、今回の円の為替レートの引き上げは、主要国が公平かつ妥当な為替レートの設定に協力し合うならば、わが国としても応分の協力を惜しまないとのかねての方針によりまして行なったものであります。 切り上げ幅についていろいろと議論のあることは承知しておりますが、私は、先ほど大蔵大臣から御報告のあった……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 新しい年を迎え、第六十八回国会が開かれるにあたり、所信を申し述べたいと存じます。 まず、戦後二十有余年の長きにわたって、米国の施政権下に置かれてきた琉球諸島及び大東諸島は、本年五月十五日、わが国に復帰することになりました。(拍手)ここにつつしんで御報告申し上げ、国民各位とともにこれを喜びたいと思います。(拍手) 沖繩の本土復帰は、長期にわたる民族的宿願の達成を意味するものであり、わが国の歴史上きわめて大きな意義を有するばかりでなく、戦後の国際関係の推移にとっても、一つの時期を画する重大なできごとであると考えます。これをなし得たのは、沖繩県民をはじめ一億国民の英……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 成田委員長にお答えをいたします。 サンクレメンテにおける私とニクソン米人統領との会談につきましては、日米共同発表並びに記者会見におきましてすでに明らかにしたとおりであります。当然、中国問題につきましても率直な意見の交換を行ないました。米国が従来の態度を捨てて、ニクソン大統領みずからが北京を訪問することをきめたいきさつにつきましても、面接その間の事情を聞きました。現在わが国も米国もともに中華民国政府と外交関係を持っているわけでありますが、アジアの緊張緩和をはかるためには、中華人民共和国政府との関係を改善していくべきであるという点について意見の一致を見ました。 し……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) まず、春日君の政局に対する御意見は、しかと承っておきます。たいへん言いにくい事柄もずばりとおっしゃって、その点では私も敬意を表しますが、私の進退問題は私におまかせ願いたいと思います。同時に、春日君の御意見並びに御叱正に対しましては、この機会にありがたくお礼を申し上げておきます。ありがとうございました。 次に、政策についてのお尋ねにお答えをいたします。 経済政策についての御質問にお答えをするのでありますが、最近における内外経済情勢及び国民意識の変化に伴い、現在、わが国として、従来の経済成長パターンを修正し、国民福祉充実に一そう重点的な資源配分を行なうよう政策の転……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 野田君にお答えいたします。 御承知のとおり、今回の米中共同声明の中で、米国側は台湾からすべての米国軍事力と軍事施設を撤退させるという最終目標を確認し、当面、この地域の緊張が緩和するに従って台湾の米国軍事力と軍事施設を逐次減少させることを明らかにしております。しかし、現在の台湾につきましては、双方の見解が併記されていることも事実であります。サンクレメンテにおける私とニクソン大統領との会談におきまして、同大統領は、台湾に対するコミットメントは順守するとの意向を表明しております。いずれにいたしましても、米中間におけるこの問題は、ニクソン大統領がいみじくも申しております……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 藤田君から、いろいろ各方面にわたってのお尋ねでございます。私からは、今回の税制改正の基本的考え方、これについてお答えをいたしまして、その他の点は大蔵大臣あるいは企画庁長官に譲らしていただきたいと思います。 今回の税制改正におきましては、昨年秋の所得税の年内減税に引き続き、個人住民税の軽減により一般的な個人課税の負担軽減を行なって、国民生活の充実をはかることとしているほか、老人扶養控除の創設や寡婦控除の適用範囲の拡大など、国民福祉向上のための種々の措置を講ずることとしております。 他方、企業課税につきましては、法人税の付加税率の適用期限の延長、輸出振興税制の大幅……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 山本君にお答えをいたします。 まず、四十七年度の地方財政計画は長期展望を欠いた借金政策に終始している、かようなおしかりでございました。地方財政の運営につきましては、長期的な展開から、それぞれ地域の実情に応じて、生活関連社会資本の整備や社会福祉の充実など、住民福祉の向上を計画的に進めていくことが大切であり、政府はそのような観点に立って地方財政計画を策定しております。 なお、昭和四十七年度の地方財政計画につきましては、経済の動向、国及び地方の財政事情、地方財政における後年度の財政負担等を十分考慮して所要の措置を講じたものであり、地方財政の運営に支障を生ずることはな……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 森下君にお答えをいたします。 決算は、国会の議決により成立した予算の執行実績であり、きわめて重要なものであることは言うまでもありません。決算の性格は過去の事実についての計数的な記録であり、これを予算と同様の案件と考えるのはいかがかと思います。しかしながら、決算の重要性にかんがみ、政府といたしましては、国会における審査結果を重視し、批難、警告があった事項につきましては、その後の予算編成及び執行にあたり、十分留意しているところであります。 また、決算の国会への提出をなるべく早くすることは、予算編成あるいは長期計画の重要なデータとするためばかりでなく、決算の効果的な……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 私は、中山君の御質問にお答えする前に、浅間山荘において、人質救出にあたって敢然とその任務を遂行され、ついに職に殉ぜられた二人の警察官の御冥福を、心からお祈りいたしたいと思います。(拍手) 中山君御指摘の、被害者に対する事後の処置につきましては、殉職された二警官並びに一市民、この残された御家族の今後のお暮らしが少しでも明るく、将来への希望が持てるように、物心両面のお助けをいたしていくこととしております。また、過激派集団の不法行為によって傷ついた方々に対しても、長期にわたる予後措置を含め万全を期する所存であります。(拍手) 次に、民主主義についてのお尋ねがありまし……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 岡田君にお答えをいたします。 まず、戦後の地域開発関係法は、いずれも地方の工業開発の推進、地域格差の是正、過密過疎問題の解消など、それぞれの時代と地域の要請に応じて制定されてきたものであり、それなりに今日の繁栄を確保するのに役立っており、また、その役割りを果たしてきたものと考えております。このような点につきましては、岡田君にも正当に評価していただきたいと思います。 しかしながら、過密過疎の問題は依然として深刻であり、また、新たに環境問題等が生じていることも事実であります。政府といたしましては、今後とも地域開発制度の一そうの整備を進め、従来つちかわれてきた国力を……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 内藤君にお答えをいたします。 国鉄財政が、わが国輸送構造の変化に伴い、昭和三十九年赤字に転じて以来悪化の一途をたどっておることは、内藤君御指摘のとおりであります。この間に政府は、国の財政措置、国鉄の近代化、合理化努力、運賃水準の適正化などを中心とする各種の再建対策を実施してまいりましたが、その後も、自動車輸送等との競合による輸送量の伸び悩み、人件費の予想以上の大幅な上昇等により、遺憾ながら国鉄財政は悪化の度を強め、このまま推移した場合は、四十七年度にはかなりの償却前欠損を生ずるという憂慮すべき事態に立ち至っております。 このような事態に対処するため、政府といた……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 土井君にお答えをいたします。 たいへん多岐にわたり、また、こまかな問題にもお触れになりました。(「重要だよ」と呼ぶ者あり)私は、重要であることには異存はございませんが、私からお答えするのは基本的にとどめますから、不足の点は他の関係大臣から追加いたしますので、事前にお許しを得たいと思います。 まず、土井君から因果関係の推定規定を置くべきだ、こういう御意見がありました。政府といたしましても、この問題につきましては、慎重に検討したところでありますが、このような推定規定が置かれた場合、一方では、これが拡張して解釈されるおそれがあるという問題があり、また、現段階であまり……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 松浦君にお答えいたします。 まず、松浦君も御指摘のように、わが国人口の大部分が東京、大阪、名古屋の三大都市圏に集中しており、国土利用が片寄っているという問題があります。新全国総合開発計画では、このような土地利用の偏在が、都市における過密、地方における過疎、この現象を発生させているとの考えに立ち、大都市地域における人口集中を抑制し、かつ、分散を進め、国土の均衡ある発展と腰かな環境の創造をはかることとしております。 また、松浦君から、大都市への人口、産業の集中の抑制をあわせて行なうことにより、ただいま趣旨説明を行なったこの法律が十分な効果をあげ得るという御指摘があ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 後藤君にお答えをいたします。 後藤君からは、広範な問題にわたって御意見をいろいろ述べられました。具体的に私に対しては三点を御指摘の上、お尋ねでございましたので、三点についてお答えをすることにいたします。 まず第一は、申すまでもなく老人対策が現在及び将来にわたって重要な課題であることは言うまでもありません。政府は、従来からその充実につとめてまいりましたが、本年度におきましては、当面緊急に対応を要する老人医療費、老齢福祉年金等について処置を講じたところであります。 なお、今後の対策につきましては、老人問題が所得、健康、住宅、就労、生きがいなど、広範多岐にわたるこ……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 左藤君にお答えをいたします。 左藤君も御承知のように、中小企業は、これまで、わが国経済発展の中で市民の生活を潤し、また輸出伸長の原動力として、常に欠くことのできない重要な役割りを果たしてまいりました。今日もなお、その役割りの重要性は、決して減ずるものではありません。しかしながら、このことは、中小企業が従来と同じ経営の方式により今後の事態の変化に対処していけることを意味するものではないのであります。国民所得水準の上昇に伴う需要構造の変化は、発展途上国製品の追い上げとも相まって、より多様化、高級化した製品分野への移行を必要とし、また勤労者意識の変化など、福祉社会への……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 松木君にお答えをいたします。 政府は、ベトナムの情勢が悪化したことをきわめて憂慮しております。一日も早く話し合いが再開され、和平がもたらされることを念願するものであります。 わが国としては、米国のベトナム政策の究極の目的、これは南ベトナム国民が民族自決の原則に従って、外部からの干渉を受けることなく、みずからの将来をみずから決定し得るような環境をつくることにあると考えております。政府としては、このような政策の志向するところを支持してきたものでありまして、今後とも同様の方針で臨む所存であります。 次に、米国政府は、米国の南ベトナムに対する軍事的支援並びに軍事行動……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 千葉君にお答えをいたします。 わが国森林、林業は、山村地域社会の中核的な産業として重要な位置を占めるとともに、国土の保全、水源の涵養、その他森林の持つ公益的な役割りを果たしてまいっております。ところが、千葉君も御指摘のように、近年木材需要の増大に対処する外材の進出の中で、木材価格の低迷や林業労働者の減少傾向など、林業経営にとってきびしい情勢を迎える一方、自然環境の保全に対する国民的要請は、一段と強まってきているのであります。 このようなわが国の森林、林業をめぐる諸情勢の変化に対処して、国内森林、林業政策を今後いかに進めるかにつきましては、治山業等の公益的事業の……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 江藤君にお答えをいたします。 今日のわが国農業の生産性及び農家の生活水準は、農業基本法制定暫時に比して著しい向上を示しております。すなわち、労働出産性はこの十年間に二倍近い向上を示し、また、農家の世帯員一人当たりの家計費で見た生活水準は、勤労者世帯のそれに対して九五%の水準に達しております。 しかし、最近のわが国農業をめぐる諸情勢はきわめてきびしいものがありますが、このような中にあって経営規模の拡大等を進めている意欲ある農家が育っていることも事実であり、今後の農政の推進にあたっては、国民の食生活安定のために、このような農家を中核としてその育成と生産の組織化をは……
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 中村君にお答えをいたします。 中村君からも御指摘のように、地方団体の社会資本の整備を強力に推進し、住みよい生活の場と豊かな地域社会を建設していくためには、それぞれの地域の将来像を描き、これに基づいて長期的視点に立って計画的な財政運営を進め、積極的に住民の要請にこたえていかなければならないと考えます。さらに、このような地方財政の計画的な運営に資するためには、地方財政全体についても適切な長期ビジョンを策定し、これに基づいて、地方財政の安定的確保とその充実をはかっていくことが重要であります。したがって、今後は国民経済全体の立場から、資源配分にあたり、公共部門の大幅な拡……
○佐藤内閣総理大臣 いわゆる中国問題、これ肝一番むずかしい問題だと思います。ただいまもお話にありましたように、近くて遠い中国大陸、こういう感じが多分にするのであります。と申しますことは、地理的には非常に近いけれども、お互いにどうも実情の認識を欠いておる、そういう意味ではたいへん遠い国だ、こういうことが言えるのではないだろうかと思います。 私どもはサンフランシスコ条約締結後、いわゆる台湾にいる中華民国、これを中国の正式な代表者だ、こういうことでこれを選んだのでございます。私は当時の選択は間違っていなかったと思います。したがって、その後台湾にいる中華民国が大陸に対して施政権を全然持たない、そうい……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま両大臣からお答えいたしましたように、公共用地の取得にはずいぶん骨が折れるのでございます。しかしながら、その処理が、ただいま言うようなずさんなことであってはならないと思います。事柄が、大事な所有権移転の問題だし、また、関係する訴訟その他等もそのことによって起こるのでございますから、この点は、御注意がありましたように、一そう厳重に私からもそれぞれの所管省に厳達するつもりでございます。 そして、かような事柄が再び行なわれないように、いかに取得が困難であると申しても、ただいま申すような未登記、そうして処理される、こういうようなことではこれは申しわけがないと、かように私思い……
○佐藤内閣総理大臣 閣僚会議はけっこうだと思いますが、いまの状態ですぐ基本法と、これは私ちょっとまだ早く、政府自身もちょっとまだ検討、研究が十分積んでないように思います。
【次の発言】 いま申し上げたとおり、基本法はちょっと早いように思っております。
【次の発言】 事柄が新しいだけに、私で答えられることもありますが、専門的な通産大臣からお答えする、これは別に軽くした意味じゃございませんから、その点は御了承いただきたい。私も関心は持っておりますが、十分説得するだけの知識がまだございませんから、これを正直に告白しておきます。
いまお尋ねのような点も、ただいまちょうど日本国内で養成中じゃないか、か……
○佐藤内閣総理大臣 いまいろいろお話しになりましたが、長期税制の答申、これは一通りとにかく達成された、これはそのまま評価してしかるべきじゃないかと私は思います。もちろんその間にいろいろな、世の中は変わってきておりますからいろいろな批判があるだろうと思います。しかし、とにかく長期税制改正の答申はそのまま実施した。 それからもう一つは、わが国の総人口でただいま中産階級というのはどういうような地位を占めておるか、一体どのくらいのパーセンテージを占めておるか、こう考えると、これは非常に高い中流階級だというようにいえる。いわゆる、いま言われた昔の百万長者という、そういう部類のもの、億万長者がきわめて少……
○佐藤内閣総理大臣 まあ一、二年の間にどうこうなるとは私も考えませんが、一九七〇年代にはもっと双方の誤解が解けるというか、あるいは不信がなくなる、そういうような状態をぜひとも招来したい、かように私は思います。長いこと戦争をした、その関係で講和条約は締結してない、そういう意味から、中国大陸のわが国に対する認識もずいぶん違っておる。新しい時代の認識はよほど変わっているようでございます。まあそれらの点が、誤解あるいは曲解とまで解されるような発言のもとじゃないか、かように思いますので、そういうことがまずなくなることが何よりも必要なことじゃないかと思います。まあ私は、サンフランシスコ条約当時、中国の代表……
○佐藤内閣総理大臣 お答えをいたしますが、私になってから農業に対する認識が基本的に変わったようなことはございません。在来からも同じ考え方でこの問題と取り組んでおります。ただ、問題の指摘できる点は、いままで米が不足していた、そういう時代から、いまは米が過剰だ。いわゆる国民の主食のほうが過剰になっている。そういうところに、非常な農業の果たしてきた、また農村の農業従事者の苦労が実った、こういうことではありますが、とにかく余ったというところに一つの問題が提起をされておる。これは一体どうしたらいいか。たいへんな変わり方だと思います。おそらく日本の長い歴史から、米がただいまのように過剰な状態、しかもそれが……
○佐藤内閣総理大臣 一九七〇年代の大きな課題としては、隣国中国大陸との友好関係をいかにとり進めるかと、こういうことだと思いますが、私は、いま小坂君からあげられた二つの理由、それもあるでしょうが、もう一つ大事なことがあるのじゃないか。一番大事なことは、中国の事情を知らないということだ、かように思います。 これは、小坂君自身がお出かけになってごらんになりましたが、もうすでに日に新たな中国でございますから、その後の変化は非常に変わっておるだろう。そうして大きな中国、人口七億五千万あるいはもう八億にも達しておるんじゃないかとまでいわれておるこの中国、その実態が十分わからない。これを双方が理解し合おう……
○佐藤内閣総理大臣 江田君にお答えいたします。 昨年末の選挙、これは時期といたしましても私はよくなかったと思っております。ただいまも言われるように、二千万の棄権者が出た、これは忙しくもあっただろうが、同時に政治不信でもあるのだ、こういう御指摘でございます。私は、むしろ忙しかったということのほうが主たる理由じゃないだろうか。もちろんこの政治不信というような問題が芽を出しておれば、これこそたいへんだ、かように考えております。私は、現代の情勢は、民主政治というものがだんだん国民の間に根を張ってきた、かように考えておりますから、いわゆる政治不信だという、そういう意味からの棄権というような形での批判よ……
○佐藤内閣総理大臣 御承知のように、ニクソンと私との共同コミュニケが出されております。また、これと同じ趣旨のことを私はこの国会の施政方針演説でもはっきりしたつもりでございます。私、この日米間の問題がとかく軍事的にだけ云々されやすい、このことは非常に誤解を招くのではないか、かように考えますので、特に日米間が政治、経済、あらゆる面において相互に理解と提携がなければならないということを申し上げております。この基本的な思想があの共同コミュニケにも実は出ておるのであります。したがって、アメリカの新聞が何と書こうと、私どもはその点では責任は負えませんから、これは私、共同コミュニケを軽く見たという意味じゃご……
○佐藤内閣総理大臣 私が申し上げるまでもなく、また、たぶん公明党も御賛成だと思いますが、自分の国はみずからの手で守る、みずからの力で守る、これが本来の独立国家のあり方だろうと私は思います。いままでは御指摘のように、日本の国力がなかなかそこまでついていない。あるいは国防という方面に国費を使うという、そういうことをあとにしても、とにかく国民生活あるいは民生に重点を置かなければならない、こういう状態であったと思います。しかしながら、ただいまは経済も発展し、わが国力はよほどふえてきております。したがいまして、特殊な兵器は持たないという国民的約束はありますが、本来の姿である、みずからの国はみずからの力で……
○佐藤内閣総理大臣 いまいろいろの問題が想定されますが、先ほど外務大臣がお答えいたしたように、日本政府としては在来からの態度に変わりはございませんと、かように申しております。これをひとつ御信頼していただいて、われわれが方針を変えるとか、あるいはわれわれのいままでの考え方に修正が加わる、そして適当なときにそれを発表し得る、こういうことならば、それはそれとして御信用していただきたい。この段階では、ただいま外務省自身も別に変わった考え方をまだ持っておりませんと、かように申しておりますから、その事態を十分監視していただくということが望ましいことではないか、かように思います。いろいろの問題が交渉の途中に……
○佐藤内閣総理大臣 政府委員をして説明させます。
【次の発言】 御承知のように、そのときの最高政治責任者の約束でございますから、これは長く両国政府を縛るものだ、かように思います。
【次の発言】 さようでございます。
【次の発言】 私は、もしもこれが変わるという場合においては、あらためてその変わったことを声明すべきだ、かように思っております。
【次の発言】 ほかにございません。共同声明そのものでございます。
【次の発言】 万一社会党内閣ができれば、そういうものは御否定になるだろうと、かように思います。はっきり申し上げておきます。
【次の発言】 こういう問題を、先ほどお答えいたしましたように、ただ……
○佐藤内閣総理大臣 私は、これは重大な食い違いがあると思っております。先ほど言われるように、交付税は三二%、これはもう先ほど言われるように、私の記憶をもってしても、二九・五%から三二%までにだんだん上がってきた。同時に、たばこやなんかもだんだんふえている。これは交付税の財源ではございませんけれども、だんだんふえて地方には交付しておりますね。そういうことは別として、ところでいまの三二%、これは一般の問題ですから、私はこれは適当なときがあれば、もう一度中央、地方一緒にして財源の再配分、これは適正であるべきであろう、かように思います。 それは、先ほど大蔵大臣は、――減らそうという考え方、必ずしも私……
○佐藤内閣総理大臣 普通なら、ただいま仰せのごとく、予算委員会の審議でございますから、大蔵大臣がいないというわけにもまいりません。したがって、私は適当な、最もその代理をつとめるのにいい方が、元大蔵次官をやっていた経験もございますので、今回急に臨時代理を置くことにいたしまして、そういうことで発令をしたばかりでございます。どうぞよろしくお願いします。
【次の発言】 どうぞよろしくお願いします。
【次の発言】 オーバーな表現をしてまことに相すみません。正確に申せば、せんだっても申したのですが、戦後は一応終わった。一応ということばが要るかと思っております。ただいま御指摘になりますように、北方の領土はま……
○佐藤内閣総理大臣 先ほど防衛庁長官がお答えしたように、この種の事柄については慎重にいたしますと、かように申しておりましたから、それで御了承いただきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 いま外務大臣から詳細に報告をいたしました。日米間の問題についてただいまなかなかむずかしい段階になっております。私ども、皆さん方からいろいろ御要望なさるそのお気持ちはわからないではございませんが、ただいまの段階においては、どうもそのまま皆さん方の御要望に沿うわけにいかない。ただいま外務大臣がお話ししたような事情でございますので、御了承をいただきたいと思います。
【次の発言】 解散後の国会でございますので、特別会、さように私は理解しております。また、そういうことでこの国会を開いております。
【次の発言】 いまお答えしたとおりなんですが、私ども強い願望を持っていること、これはおわ……
○佐藤内閣総理大臣 もう多くを言う必要はないようで、ただいまも事情を御存じのとおりでございます。政府としてこれが早く、その時期を明確にすることができないこと、私は何とも申しわけなく思っております。ことに積極的に児童手当を創設しようと、かく申したのが私自身でもありますし、そういう意味からこれをただいまもなおその時期が明確に申し上げられないことはいかにも残念であり、遺憾しごくでございます。しかし近く審議会から答申も出ることだ、かように期待しておりまするので、答申を得た上で私どもがさらにこれを具体化する、その努力を続けたい、かように思いますので、御了承をいただきたいと思います。
○佐藤内閣総理大臣 日ソ間の関係は、御承知のように、鳩山さんが出かけられて共同宣言をした。平和条約こそまだ締結されておりませんけれども、しかし、その後の両国間の関係は、漁業交渉あるいは航空協定、その他シベリア開発等々におきましてたいへん親善の度は増しております。また、今回万国博が開かれるについては、いち早く参加している。ソ連からも最高議長が出てこられる、こういうやさきであります。また一方、もうかねてから日ソ間で開いている商業見本市、その見本市がことしはモスクワで開かれることになっておりますので、その特使として、本来なら通産大臣が出かけるのでございますが、ちょうど、あいにく国会開会中でございます……
○佐藤内閣総理大臣 浜田君、最近の紙上やあるいは雑誌その他等について、公害問題と取り組んでいるその形について、いろいろの感想を述べられましたが、私は、本来政治というものは、国民とともに政治をするのだから、いろいろの批判を国民から受ける、そういう意味で、それはやはり謙虚に聞くべきものは聞く、こういう態度でなければりっぱな政治はできるとは思いません。したがって、まず、浜田君にもそれだけの度量を持っていただきたい。とにかく、自分たちの考えと反対するものはすべて気に食わない、こういうことで争ってはならない。やいり、政治を担当するものは、どこまでも謙虚に国民の声を聞く、ときには声なき声すらわれわれが聞く……
○佐藤内閣総理大臣 いまの新聞記事、第一、日本が発意者だ、発案者だと、こういう点でありますが、私どもはさようにはいままでの経過を聞いておりません。これは、やはり友好国の間でただいまのような案がきまった、かように聞いておりますので、どの国ではどうしたとかあるいはどの国は熱心だったとか、こういうことは、私はどうもわかりかねる、かように思います。いわゆる新聞記事の真疑を批判するのではなくて、私の感じを申し上げたとおりであります。 また、中国、いわゆる中共が国府にかわって入るという、そういうものの考え方、これはもう、申すまでもなく重要事項であるだろう、かように思いますので、これをもっていわゆる敵視政……
○佐藤内閣総理大臣 まだ具体的にどうこうするという段階にまで至っておりません。そのことは一応断わっておきますけれども、しかしやはり日中間の関係をいまのままでほうっておくわけにいかない、何とかこれを解決する、そういう意味で、積極的な前向きの姿勢になる、そういう場合のことを考えると、やはり私は私なりに自分の信頼する人、そういう人が出ていく、また政権但当、そういう意味からも、相手方もつかみやすいのじゃないのか、責任所在がはっきりしておると、相手方もそういうとり方をするでしょうから。そう意味で、先ほどのような話でいま呼びかけておる、そういう発言がされておる、かように御理解をいただきたいと思います。いま……
○佐藤内閣総理大臣 森下君のいまのお尋ね、その中には御意見もまじえてお述べになりましたが、私も、決算というものは予算の審議に対応するきわめて重要なものだ、かように思います。ことに予算が政策目的、はたしてそれと合致し、あるいは目的を達しておるかどうか、こういうことを十分検討し、次の予算編成に役立ち、さらにまた執行におきましても遺漏なきを期する、こういうことでなければならない、そういう意味で、決算はまことに重要な問題でございます。 いままでも皆さんから御指摘になりました事柄あるいは会計検査院から指摘された事柄等につきまして、それぞれ所要な措置をとって、それぞれ各省で十分目的に沿うように努力する、……
○佐藤内閣総理大臣 いま浜田君がいわれるように、法律ができただけじゃだめだ。もちろん十分運用のできるそういう予算的措置ができているかどうか、これはもう仰せのとおりであります。しかし、国の支出で全部対策を立てるのか、あるいは地方費、あるいはまた事業者負担とか、それぞれの負担区分があるように実は思っております。したがって、そういうものを見て、はたして対策十分なものができないのか、これを考えるべきだ、かように思います。ただ、予算的措置がないから、その穴埋めに、しかたない、予備費を使え、そう簡単にはいかない、かように思います。しかし、いま御指摘になりますように、ねらいは実施ですから、行政の実施というこ……
○佐藤内閣総理大臣 中村君にお答えいたしますが、香港の特恵関税、この問題は、いまのように、私が向こうへ出かけた際に、向こうから特別に考慮してくださいと、こういうお話がヒースさんからありました。これは事実であります。しかし私が、いま特恵を差し上げるとか上げないとかいう問題でもないので、これは具体的な問題としてこれから十分よく検討していただきたい、かように思っております。 私は、申し上げるまでもなく、いま言われた御意見の中にありましたような、特恵を受けたいという、そういうことは、自分で選択するという気持ちがないと、こちらから特恵を差し上げますと、こう言うものでは実はないようですし、まず希望したと……
○佐藤内閣総理大臣 実は私、最初平林君が何を聞いておるか、よくわからなかった。いまのような、脱法とは言わないが、法の不備をねらって非常な所得を得ておる、そういうものがあるということを、やはりそういうものは取り締まるというか、ないようにするのが公平の原則から申しまして当然だろうと思います。どうも、株式の流通を何か阻害するようなお尋ねかな、どうかなと思って、ちょっと意外に思っておったものですが、いまよくわかりました。また大蔵当局もすでに一案を用意しておるようであります。これは早急に、ただいま言われますように四月一日から、ひとつお約束してもいいのだけれども――これは準備をしっかりよろしくお願いいたし……
○佐藤内閣総理大臣 私の発言が、これは党の参議院選挙対策、その席上での発言がただいま問題になって、たいへん関心を持っていただいて恐縮に存じます。いまお話にありましたように、私ども党の基本方針として自主憲法を持つ、これはもう党ができてから一貫した基本的な方針でございます。自主憲法を持っていく、そういう立場でいろいろ議論はしておりますが、私はかつて、私の在職中にはさような問題にはなりません、こういうことを実は申し上げたのであります。これは申し上げるまでもなく、一党でそういう問題を取り上げましても、これはなかなか容易にできる問題ではないし、憲法の改正というような問題になりますと、もちろん国民とともに……
○佐藤内閣総理大臣 ただいまも美濃君が御指摘のように、最高裁の判決があった。とにかく三権分立のたてまえから、法の解釈、これはもう最高裁の判決による以外にはございません。われわれ行政府といえどもかってなことはできない。これはもう基本的な態度であります。ただ、いま御指摘になりますように二十年も前の価格、ただいま物価が非常に高騰した、また銭というような単位は考えられない。そういう際に昔の買収価格で払い渡す、こういうことになるとどうも国民感情が納得しない、何かいい方法はないか、こういうことで農林省もいろいろ考えておる。この検討の段階であることだけは一応わかるのです。しかしながら判示があった以上、それに……
○佐藤内閣総理大臣 最高裁判事、これは内閣が責任をもって任命しております。不幸にして畑君と私の考えが違うようですが、私は適任だ、かように思って任命したのでございます。その点は政府は、もちろん任命した以上政府に責任があると、かように論理的にお話しになって差しつかえないことでございます。 また、下田発言なるものについての批判を求められましたが、いまもお話のうちにもありましたように、あれは新聞で報ずるところで、ただいま本人はノーコメントだ、こういうことを言っておられますから、私自身がそれについてコメントするのはどうかと思います。ましてや任命権者ではありますけれども、ただいま最高裁の判事になっておれ……
○佐藤内閣総理大臣 松野君からいままでの経過その他過去の政治を振り返りながら幾つかの問題を提案されましたが、それらはいずれ追って具体的に入るとして、ただいま具体的に提案されておりますのは、沖繩の交渉の経過はどうなっておるか、こういうことであり、またその見通しはどうかというお話でございます。 沖繩の返還問題については、私はこれと取り組みまして、ほんとうにただいま一九七二年中に沖繩は返ってくる、しかもそれが本土並み、核抜きである、そういう大原則のもとに祖国復帰を実現しようとし、また基本的な合意ができておること、これをあらためて考えてみまして、まことに感無量なものがございます。ジョンソン大統領、さ……
○佐藤内閣総理大臣 石橋君から、私の施政方針を聞いての率直な御意見をただいま伺うことができました。私としても、たいへんよく聞いていただいたと、かように思って、お話を謙虚にただいま承っていたつもりであります。 私が現代の世相について感じておること、これはあの施政方針演説で尽きるように思いますが、直ちにそのことは、事象として、現象としては認めることは同感だけれども、その原因の究明については全然見方が違う、まあ全部政治不信、こういう立場からお考えになっておるようでありますが、私は、そこまで政治不信をすぐ結びつけるのには、やや飛躍があり、どうもぴったりこないものもあるのではないか。しかし、まあとにか……
○佐藤内閣総理大臣 なかなかむずかしいお尋ねでございまして、日本の場合は、戦争に関係しておらないのですから、みずからやっておれば、どういうことになるかとかいうことの予想もつきましょうが、どうも外の事柄ですし、ただ、新聞その他で報道を見たり、あるいはその他外交ルートを通じていろいろ事態の進展のぐあいを把握したり、また、そこにある程度の希望的観測をも含めて見るものですから、必ずしもそれが当たっているとは思いませんけれども、私は、いわゆるベトナミゼーションと申しますか、アメリカがだんだん撤兵をして、ベトナム自身がそれにかわると、こういう形になりつつあるということは、とにかくおさまりつつあるのだ、いわ……
○佐藤内閣総理大臣 大久保君にお答えいたしますが、大久保君もこれは十分御承知のことだと思います。私どもも別にいまさらあらためて現在のかもし出している公害の原因、これを指摘するまでもないことだと思っております。申すまでもなく、一口にいえば非常に経済膨張が急激であり、それがまた非常な力をもって発展した、そういうところに基因している、かように思っております。これは一口に申してそのとおりでございます。その場合に、われわれがいままで取り組んでいたその考え方も悪かったんではないか、かようにも思います。 申すまでもなく、わが国は産業がおくれている、やはり産業を発達させなければお互いのしあわせがないんだ、こ……
○佐藤内閣総理大臣 いずれ後ほど建設大臣あるいは経済企画庁長官からもいろいろ私の話を補足するだろう、かように思いますが、ただいまのお尋ね、全く都市開発、そういうものと取り組まなければならない。私が申し上げるまでもなく、いままでの都市そのものは、どちらかというと、貧乏人が自分たちの住まいに建て増し建て増しをやってきたような、そういう意味の小改造は行なわれたわけです。しかし、やはり基本的なものの考え方をしないと、時代の要求する都市開発にならないのではないだろうか、かように私は実は思います。 ただいま、思い切って、インフレの危険をおかしても都市開発を開発途上国だってやっているじゃないか、これはとり……
○佐藤内閣総理大臣 いま御指摘のように、これから先、エネルギーをいかにして確保し、いかにして利用するか、また、いかなるエネルギーをこれから使っていくか、こういうことが問題だと思います。ただいま言われるように、八〇年代にもなれば、いまのような状態ではない、すばらしき変わった状態、エネルギーの試算もしておるわけであります。そういうことを考えながら、国内においてエネルギー源の不足しておる日本は、海外にその資源を求めなければならない、こういうような実情でございますから、最近のOPECの出方あるいはこの問題の取り扱い方、そういうことに対しまして非常に敏感に、これがぴんぴんとわが産業界に働きかけている。私……
○佐藤内閣総理大臣 大原君もいま指摘されましたが、いいほうについては、これは佐藤企画庁長官の説明を納得されておるだろうと思います。また悪いほうについては、私も同感でございます。なぜ日本がそれだけおくれているか。私ども古い歴史だ、かようには申しますが、近代国家としてはわずかな歴史しか持っておりません。私どもの私生活を考えたときに、これで近代的国家と言えるか。いま言われた水洗便所がいい例であります。一体いつになったら国内に水洗便所が普及するか。私どもつい最近までこの水洗便所でない便所を使っていた。しかも、われわれのはき出す屎尿、これが唯一の肥料だ、そういうようなもとで生活をしてきた。ここにたいへん……
○佐藤内閣総理大臣 いま不規則発言で、立候補を予定しておられる方の議論をすることはどうかという議論がございますけれども、しかしせっかくの松本君のお尋ねですから、私の感ずることを申し上げたいと思います。 秦野君個人のことを申し上げると、あるいはいま言うような選挙にかかわり合いがあるかと思います。思いますが、とにかく秦野君が東京改造について非常なビジョンを持っている。そのビジョンはただ単なる夢というにしては、どうも現実に即しておるものでございます。私は一兆五千億、いつまでにそれだけのものが出るか、そういうものの約束はしてございません。また彼も、自分の言っている都市改造、それがわずか一、二年のうち……
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの御意見のうちにもありましたが、民間では春闘相場一万五千円、これを要求する。しかしこれは要求で、結果はどうなるかわからない、こういうお話でございます。(田中(武)委員「応援して取らすよ」と呼ぶ)応援して取らすというお気持ちのようですが、これはそういうことになるかどうか、まあ結果を待ちたい。 それに対しまして、政府の場合は一体どうなるのかと。これは申すまでもなく、政府の場合は、人事院という制度を設けて、そうしてそこで民間給与との均衡をとっていく、こういうたてまえでございます。私ども、いまのたてまえ、政府が主導的な立場でなくて、人事院という、中立的な性格を持つ人事院が……
○佐藤内閣総理大臣 私は、ベトナム問題がインドシナ半島全域にわたって拡大しないことを願うと同時に、このベトナム問題解決、これはすなわちインドシナ半島に平和が招来されることだ、そういう意味で同時に解決を要するものとしてラオスの問題を忘れてはならない。事あるごとに実は注意してまいったのでございます。ベトナムでは戦火、戦いが行なわれておる。ラオスは一方的に内乱状態が続くような形でそのまま推移しているけれども、やはりベトナムの南北の問題を解決した際に、同時にラオスも解決すべきだ、こういうことを、プーマ首相が来たごとにそういう話し合いもしておりますし、またアメリカに出かけた際もその点を強く指摘していたの……
○佐藤内閣総理大臣 お答えをいたしますが、御承知のように日中問題、これはきのうきょう始まった問題ではございません。戦後長く続いている問題でございます。これはもう御承知のとおりだと思います。ところで、なぜこの一両年特にやかましい議論になっているか、これは申すまでもなく中国大陸における中華人民共和国、これが非常に確立された、安定的な形になりつつある、こういうことだろうと思います。いままでもっと早く解決さるべきものがなかなかできなかったのも、そういうところにあるのだろうと思うのです。その点から見ますると、私は両国間の関係でいま一番必要とするのは、相互理解の問題ではないかと思うのです。私どもの態度は非……
○佐藤内閣総理大臣 本会議の質問に対しましてもその態度を明らかにしたつもりでございますし、また、私のやっております内閣改造等もその一端である、かように御理解をいただきたいと思います。 私、ただいま言われますように、漫然と政治をしておるわけではありません。また、国民のために、国運のために、やはり絶えず伸展をはかっていく。そのためには飽きあるいは人心がうむ、かようなことがあってはならないと思います。ただいまの議会政治のもとにおきましては、私どもは民主主義を尊重すると同時に、人心をしてうまざらしめる、そういう方向で人心一新も必要ではないか、かように考え、新たな組閣もしたような次第でございます。また……
○佐藤内閣総理大臣 國場君にお答えいたします。 ただいま質問に入る前に、沖繩住民の一人としてその心情を訴えられました。私は、あのお話を聞いていて、私が施政方針演説でもお答えしたように、戦時中は本土防衛の第一線となり焦土と化した。そして二十数万の方がとうとい犠牲者とかられた。そうして戦後は米軍の施政権下にあって、非常に長い御苦労を重ねられた。私は、ほんとにいま祖国復帰の協定、これに対する御審議をいただくに際しまして、心から皆さん方に長い間御苦労でした、かように申し上げる以外にことばを知らない、かように申しましたが、これが先ほど言われたあいさつ、それに答えるものでございます。私は、何よりも早く祖……
○佐藤内閣総理大臣 先ほど外務大大臣から詳細にお答えをいたしました。もちろん私は、沖繩の方方がずいぶん苦労されたことについては心情的に非常に同情しておるその一人でございます。私は、皆さんに負けないような、心情的には心から御同情申し上げております。しかし、ただいまのような問題になると、これを包括的に直ちに、よし引き受けた、かようには申し上げかねます。したがって、十分調査して、それに適切なる処置をとる、これだけは申し上げておきます。
【次の発言】 条約の問題は条約局長から説明させますが、どういう気持ちで対米折衝をしたか、こう言われたその事柄に、私ぜひ理解していただきたいと思うのです。国民の皆さんに……
○佐藤内閣総理大臣 久保君にお答えいたしますが、もちろん委員会は審議を尽くしていただきたい。また、その間においてそれぞれの立場においての意見の相違はありましても、審議を十分尽くして、ただいま御指摘になりましたように、沖繩祖国復帰、施政権が日本に返るというその中身をなす当委員会にかかっておる諸法案でありますから、十分審議を尽くしていただきたい。幸いにして皆さん方におかれてはたいへん御熱心に御審議をいただいておるようでございますから、どうかこの上ともよろしくお願いいたします。
【次の発言】 目は通しております。
【次の発言】 いまお尋ねになるのは、平和で豊かな沖繩県づくりとこういうお話でしょうか。
○佐藤内閣総理大臣 いまのは法律関係ですから、法制局長官から説明させます。
【次の発言】 いま防衛庁長官がお答えしたとおり、私は別におかしくはないように思います。
【次の発言】 いま西村防衛庁長官がお答えしたように、私は、一年限りでやむものだ、かようには思いません。使用契約そのものは一年ごとに更新はしておるけれども、それはやはり永続的に使用される、しかし、それがあまり継続的に長くなっては困る、こういうことで、ある程度、期間的に三年ぐらいならその間は大体いいだろう、こういうような考え方で、私は別に矛盾はしておらないと思います。ことにこれがアメリカの施政権下でいろいろな事情がある、そういう場合に、……
○佐藤内閣総理大臣 過日のこの席における西村君の記者会見のその場の話、これは私もまことに重大だと思って、昨日西村君自身から私は実情を聴取いたしました。 そうすると、先ほど西村君がこの席で答えたように、まあ何ぶんにも古いことですから十分の記憶はございませんということでありますが、ただいま官房長からもいろいろ報告がありました。私は、皆さん方が御不満であり、いろいろこの問題をめぐって御意見を持たれておる、このことは私も同様でございますので、実は私自身が、先ほど申すように西村君から直接昨日聞いたばかりであります。まあその趣旨から申しまして、とにかく過去のことをいまさら言ってみても、もう済んだことだ、……
○佐藤内閣総理大臣 私は皆さん方がたいへん熱意を持って沖繩にお出かけになり、しかも先島にまで渡られて公聴会を開かれた、そのことを高く評価しております。したがいまして、皆さん方がお出かけになった、さらにまたお帰りになる、こういうことでお出迎えをいたしたわけであります。 ところが、その皆さん方がお帰りになるまでの新聞の論調では、どうも行政協定、そのほうが強行採決をした後であまり効果がない、こういうような話が伝わっております。この……(「行政協定はおかしいじゃないか」と呼ぶ者あり)行政協定はおかしいのですが、返還協定の強行採決の後のこの公聴会、これは時期を失しているんじゃないか、こういうような批判……
○佐藤内閣総理大臣 三原則はそのまま尊重すべきものだ、かように考えております。
【次の発言】 もちろん三原則が、いま本土に返ったその瞬間に、直ちにそのまま実施される、そうして、たいへん見違えるような状態になる、かようなことは、私ども、沖繩の方々もまさかそこまでは予期してはおられないだろうと思います。ただいまの三原則は三原則、その方向でものごとが進む、かように私は考えておりますし、われわれの取り組む姿勢も、過渡的にはいろいろ考えなければならないこまかな点のあること、これは御承知のとおりであります。多くは申しませんが、過渡的にはある程度そこに現実の問題との差のあることも、私は了承しております。
○佐藤内閣総理大臣 田畑君にお答えいたしますが、もちろん、国会におきましては十分審議を尽くしていただく、これが何よりも大事なことだと思います。私は、本委員会におきまして、与野党ともに合同審査あるいは単独委員会等におきましてたいへん審議を尽くされたこと、また尽くされつつあること、これには心から敬意を表しておる次第でございます。 ただいま、このほうと強行採決したことについての反省はあるかというようなお尋ねでございましたが、私は、国会運営については、もちろん、与党の総裁として、また同時に内閣の首班といたしまして、そういう点が十分尽くされることを心から願っておるものでありまして、ただいま申し上げます……
○佐藤内閣総理大臣 私の名前が出ましたから……。
モブツ大統領その他と会見したそのおりに、メモはとっておりません。はっきり申し上げます。
【次の発言】 私の名前が出ましたから、私に関することを申し上げます。
もちろん私も、総理をやっておると何もかも知っておるわけじゃございません。したがって、外務省から、その国との間にはこういう懸案事項がございますとか、ただいまこういう状態にございますとかいう、大体の私自身が勉強する材料をまず出してくれるのです。それをまず……(「それはあたりまえだ」と呼ぶ者あり)それはあたりまえだと言われるいま不規則発言がありましたが、そのとおりあたりまえであります。私は、……
○佐藤内閣総理大臣 いま冒頭に、戸叶代議士の御逝去をいたまれたおことばがございました。皆さん方も先輩の遺志を継いでその審議に全力を傾ける、こういうお気持ち、私もこれを心から了承し、また同時に、沖繩の問題はさほどにわが国にとりまして、また沖繩県民には申すまでもなく、重大な問題でございますから、十分御審議のほどいただきたいと、かように思います。 ところで、昨日は沖繩でゼネストが行なわれた。一部過激派の言動とはいえ、警官が死亡する。その写真までけさは伝えられております。私はたいへん残念なことであったと思います。屋良琉球主席がこれについて談話を出しておられる。私はたいへん残念なできごとだと思います。……
○佐藤内閣総理大臣 昨日民社党の曽祢君の同じ質問に対して、私のプレスクラブにおける表現は、ことばが不足、不十分でありまして、どうも真意を誤解されがちでございますから、これはあらためて、事前協議については、国益に従って自主的に決定をいたします、イエスもありノーもある、こういうことをはっきり申し上げたのでございます。おそらく不破君がいらっしゃらなかったか、かように思いますので、もしいらしたら、どうか速記をお調べの上、ただいまの点をはっきり申し上げましたから、さように御了承いただきます。
【次の発言】 御存じならたいへん話がしいいのです。それはもう昨日も申し上げましたように、昨日の答弁が私の真実でご……
○佐藤内閣総理大臣 返還の際に、これらの諸問題、いろいろ問題ございますが、これらをできるだけ現地の同胞の要望にこたえるようにいたしたい、その方向で最善の努力をすることを、この機会にはっきり申し上げておきます。
【次の発言】 お答えをいたします。
私も、別に逃げの答弁をしたり、あるいはごまかしの答弁を――聡明な皆さん方ですから、私などからとてもごまかされるようなはずじゃございませんで、そのことは、新聞が何と言おうと、私もさようには思いません。また、厳粛なる意味で、国会の審議、これを通じて、ただいま沖繩の施政権を――外国の施政権下で苦しんでおる百万同胞をあたたかく迎えようという返還協定、その御審……
○佐藤内閣総理大臣 外務大臣がただいまお答えいたしましたから、なるべく重ならないように申し上げます。 本来、沖繩は本土と切り離されるべき領土ではございませんし、また、ここに住んでおる県民は、これまたみんな日本人であります。私はそういうような前提を十分わきまえ、これがなぜアメリカの施政権下に置かれているか、そのことに思いをいたさなければならないと思います。これがサンフランシスコ条約第三条だ、あるいはその前に戦争が行なわれた、そうしてこれが本土防衛の第一線になり、全島あげて焦土と化した。当時は百万ではございませんが、全島民あげて戦禍をこうむった、十四万の死者を出した、たいへんな犠牲でございます。……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま言われたものをもし持ち込むことがあれば、私どもに事前協議する、こういうことでございます。その際には私どもはノーを言う、これはもうはっきりしております。
【次の発言】 核に関する事柄、これはもう一切私どもは持ち込まない。先ほど楢崎君が私にお尋ねがあったのは、核弾頭の場合どうですか、さようなものは、事前協議を受ければ、ノーと申します、かように答えたのでございます。さらに中距離弾道弾とか、その他の問題が出てきておりますが、これはいわゆる事前協議の問題、こういうように御理解をいただけばいいと思います。
【次の発言】 私は、核がいままであったその状態は変わる、核抜き、したがい……
○佐藤内閣総理大臣 河村君にお答えいたしますが、ただいま河村君が言われるように、事柄は委員会のことだ、だからこれは委員会のことだと、こう言ってしまえば、政府とすれば一応答弁が立つかもしれぬと思いますけれども、私は、同時に自由民主党の総裁です。したがって、議会制民主主義、その立場に立つ限りにおいて、十分審議が尽くされなければならないこと、これはお説のとおりであります。 ただ、いままでもしばしば経験したことでありますが、とかく、それぞれの党派がそれぞれの党是によって、いわゆる質疑が完全に行なわれない、いわゆる平行線をたどる、こういうような事柄をしばしば見受けるのであります。そのいわゆる平行線をた……
○佐藤内閣総理大臣 今回の不祥事件については、ただいま当委員会において究明されておりますから、原因その他あるいは対策等についていろいろさらに明確になるだろうと思いますが、しかし、私は何よりも私自身が政治の最高責任者である、そういう立場に立って見ますとき、今回の問題が政府の側において自然の究明にしろ、自然を対象にしての究明にしろ、どうもその慎重さを欠いた、かような非難が当たるのではなかろうか。また、それにいたしましても現実に十五名も多数の方を一瞬にしてその生命を失ったということ、そこに政治的責任を感じないわけにはいかないと思います。 私は、さような意味において、この事故発生後において国民の皆さ……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま田澤委員長から御発言のありましたことについて、先ほど本会議の所信表明でも申し上げましたとおり、最近、日米間の繊維交渉が始められ、そうしてそれが調印にこぎつける、こういうところに来たのであります。これは私が申し上げるまでもなく、いままで院議があればこそ、そういうことで折衝を続けてきたと思います。先ほど申したとおり、これはどうもやむを得ない措置であったと受けとめていただきたいのであります。と申しましても、院議の方向に反した結果になったことにつきましては、好ましいものとは思っておりませんけれども、詳細の経過につきましては、通産大臣がその衝に当たっておりますからお答えさせる……
○佐藤内閣総理大臣 公債発行については、もちろん前段に言われるように、やはり節度ある公債発行でなければならぬこと、これはもうお説のとおりでございます。私どもも、そういう点で大原君のお説には全然同感であります。 ところで、四十年と今回の処置、これは違うのは一体どうなんだ、こういうお話だと思いますが、とにかくこれは四十年当時の予算は、初めて公債を実は発行した、かように私は理解しております。それまでは戦後、公債発行がなかったように思っております。したがってこの公債についての感じ方もよほど違っておるのじゃないか、かように思います。当初予算に公債発行が計上されておらないばかりでなく、補正予算で公債を発……
○佐藤内閣総理大臣 いまのわれわれが当面している経済自体をどういうふうにつかまえるか、あるいはどういうふうに把握しているか、こういう基本的な視点に立っての御意見だと思います。私も同じようなことを実は考えております。ただいま言われますように、従来と同じような発想だけでものを考えてはどうもいかないんだ、もっと根本的に発想の転換をして、そうしていま押し寄せている経済界の諸問題について対処すべきそのときが来ているんだ、かように思っております。 まあ今回わずかなことではありますが、年度内において大幅減税を実施した、そのことなどは発想の転換なくしては実はできないことであります。ただ従来の考え方だけでは、……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま事故の概要については運輸大臣からお答えをし、さらにまた、これに対する対策等についてもるる説明をいたしました。 いずれにいたしましても、この際にかかる不祥事故を惹起し、そうして多数の方を失ったこと、何とも残念にたえません。私も心からつつしんでなくなられた方々の御冥福を祈るとともに、同時に、御遺族の方に対しましても心から御弔間申し上げる次第であります。また、三百十三名という多数の負傷者を出したこと、これらの方々が一日も早く御全快なさるように、これまた心からお見舞い申し上げる次第でございます。 問題は今後の処置、もちろん重ねて事故を発生してはならないのですが、同時にま……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま田中君からお尋ねの点、私はこう思います。社会党がとか、あるいはだれがとか、こういう意味ではございません。しかし、最近の傾向そのものから見ますと、新聞その他の世論等も対中一辺倒の記事が非常に多い。こういうような見方が一部でされておる。そういうことを実は率直に私は申し上げたつもりです。これは、よく十分考えてみないと、やはり間違ってくるのではないだろうか、かように私は思います。これはマスコミ云々――不規則発言に一一答えるわけでもございませんけれども、とにかく、私はそういう意味の感じを受けますから、そういう点では、これはいかぬ、やはりわれわれは、どこまでも、自主的な、本来あ……
○佐藤内閣総理大臣 二見君と大蔵大臣とのやりとりについて、いろいろ私も伺っておりました。私は、前回の福田蔵相の際の特例法をなぜ採用しなかったか、その前例を踏まなかったか、これはそれなりに理由があると思います。当時は全然公債発行というものになじみが薄かった、したがってまた、基本的にもさようなことが考えられていなかった、中間において特別な処置をとらざるを得なかった、こういうことでございますから、特例法を設けて国民の特別な考え方を、理解を得るということ、これは当然のことだったろうと思います。しかし、今回とりました処置は、もうすでに公債発行についての政府の態度については、皆さん方からも、ある意味におい……
○佐藤内閣総理大臣 地価対策、これは現在一番むずかしい問題でございます。これはいまさら私がそのむずかしさを説明する要のないほど皆さん方も御承知のとおりであります。問題は、これに対する適切なる対策がありやいなや、こういうことだと思います。過般、この席で社会党の阪上君からも提案がありました。やはり土地を前もって先行取得するような方法はないのか、公共団体や国、それが取得するということによって地価が投機の対象にならない、こういうようなことになれば、ただいまのような弊害はよほど除去できるのじゃないか、これなども一つの案として十分真剣に考うべきことではないだろうかと私は思います。また、需要に対して供給が少……
○佐藤内閣総理大臣 久保君にお答えをいたしますが、この問題はすでに大蔵大臣からお答えをした、こういうことで、私からとやかく申さなくても、もうすでに御承知のことだと思います。ただいまのわが国の経済、これは最近はたいへん経済が拡大した、そういう意味で一面それを自慢もしております。しかし、一面どういうわけで国際基準通貨であるドルがこうたまるのか、こういうことを考えると、いわゆる金利が国際金利と必ずしも均衡がとれてない、経済の平常化と申しますか恒常化、さらに景気の挽回等を考えるときに、いわゆる金利、これはやはり国際的に均衡がとれるということが何よりも必要なことだと思います。ただいま預金金利を下げるとい……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま外交の基本は脱イデオロギー外交、現実的な処理だ、こういう御意見を述べられましたが、私が平素いつも口ぐせのように申しておりますのは、自由を守り平和に徹する、これがわが国の外交の基本である、かように申しております。このことは、もちろん現実に即した外交をやるということでありますし、どこまでも平和に徹するということで、自由を守り平和に徹する、これが私の所信でもあります。
【次の発言】 私は今回のベトナム問題、これで非常に心配したのは、沖繩の祖国復帰、返還、これにどういう影響を持つかという、そういう問題でございました。私がアメリカに出かけてニクソン大統領と話し合って帰りました……
○佐藤内閣総理大臣 海外経済協力についての基本的な考え方、これは申し上げるまでもなく、OECDにおけるDACの申し合わせ、決議、その線を忠実に行なおう、これが日本の態度でございます。またそういう意味からも、いままでやってきたことについていろいろ反省もしながら、いわゆる民間経済援助はDACの大体のねらいであるGNPの一%に近くなっておりますけれども、政府間の援助、そのほうがまことに少ないというのでこの割合を高める、こういう方向にさらに努力をする、これが現状でございます。
【次の発言】 西宮君のただいまの御指摘のように、ただいままでのところ政府べースはわずか〇・二〇%、これをようやくこしているくら……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま最初から伺わなかったので、あるいは最初のほうはどういうお話であったか、私聞き漏らしておりますが、ただいま私に対してのお尋ね、この点は十分理解したと思いますから、その点でお答えをいたしたいと思います。 御承知のように、私ども政治をやるものといたしましては、何と申しましてもいろいろのキャッチフレーズ、あるいは目標、国家建設の目標がございますが、何といっても国民福祉の向上をはかるという、これは一つの大きな私どもの政治目標でございます。このことは国民からも、いままでとってきたことについて理解を得ておる、かように私は確信しておりますが、そういう際に原労働大臣の失言、これは失……
○佐藤内閣総理大臣 田邊君からいろいろ私どもの政治責任、また公約等についてお話があり、どちらかといえば批判されたかのように私受け取ったわけでございます。しかし御承知のように、わが国の社会保障制度、これは発足間もない、歴史はまだ浅い、そのために私はずいぶん基本的な問題で、取り組み方も先進諸国に比べましてたいへん違っておる、かように思います。またこの問題自身は、私が言うまでもなく、受診者あるいは負担側と、また診療側と、そこらにもいろいろ利害も錯綜しております。したがいまして、簡単に抜本策を立てる、かように申しましても、なかなか利害衝突している。ことに最初申しましたように、歴史の浅い、そういう点から……
○佐藤内閣総理大臣 どうも大蔵委員会とあまり関係はないかと思いますが、ただいま御指摘になりましたように、とかく保守ということばがそういうにおいを持つものですから、ただ、いままでのやり方をそのまま守っていく、こういうような感じを持たれるのですが、しかし政治に志す以上、悪いものは勇断をもって処理していく、またいいものは幾ら古いものであろうが墨守していく、こうなくちゃならない、かように私は思います。そこらに保守党のよさ、保守党哲学というものがある。しかし、どうもその保守党哲学なるものが理解されておらない、そういううらみもありますからただいまのような発言が出たのだろうか、かように思いますが、そういう意……
○佐藤内閣総理大臣 ただいまお話がありましたように、佐藤君はじめ皆さん方、現地に直接行かれて、現地の市当局あるいは市議会等、また市民代表とも懇談されたということ、これはたいへんな努力であったと思います。もともと、自衛隊にいたしましても、駐留する米軍にいたしましても、地域住民の理解と協力、これは最も大事でございます。この理解と協力のもとにおいて初めて、それぞれの目的、自衛隊の目的あるいは駐留軍の目的、これが達せられる、かように私は考えますので、ただいまの問題は、一そう理解を深める、ぜひとも協力を得るようにこの上とも努力して、そうして地域的な問題が解消するように最善の努力を尽くしたい、かように思い……
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの大出君のお話、現地に右翼あるいはばく徒等がいた、そういう意味でたいへん正鵠を得ない多数市民の意見の形成ではないか、こういう御指摘がありました。 この問題ばかりではございません。最近のできごとで、私どもの扱い方いかんによっては、どうも左右の激突、これが考えられるのでございまして、そのいずれにもくみしてはならない。右に対しても左に対してもくみしてはならない。また、われわれの歩む道はどこまでも民主主義、その方向でなければならないように思います。したがって、いままでの、表現の自由あるいは思想の自由、こういうものに立ち入らすつもりはございません。私どものとる道は、どこまで……
○佐藤内閣総理大臣 これは、去るサンクレメンテの会談におきまして、外務大臣とロジャーズ国務長官、同時にまたニクソン大統領と私との間で、核についてたいへんわれわれとすれば心配なのだ、どうかその心配を晴らす、ないようにしてくれ、そういうような努力をしてくれないか、その辺どういう形がいいか十分検討してもらいたい。そういうところから、いわゆる返還時においてさらに核のないということをはっきりさせよう、こういう話ができたのでございます。それが外務大臣がしばしば答えておるような書簡の形式になる。その中身のことは私どもわかりません。しかし、いまのような背景でございますから、これが十分果たしてくれるものだといま……
○佐藤内閣総理大臣 沖繩の問題については、与野党ともたいへん国会を通じまして御審議いただいて、またその審議を通じて、県民の利益になるようなずいぶん御配慮をいただいたと思います。私はそういう意味におきまして、これはただ、私が言い出した、そうして沖繩が返ってきた、こういうだけでなしに、与野党ともに責任は十分感じておる。またそういう意味において、沖繩の方がよりしあわせになれるように、平和であるように、これまた努力をしなければならぬ、かように実は思っております。 そこで、いまの為替レートの問題でございますが、私がかつて大蔵大臣をやっております際に、軍票をドルにかえた、こういう経験があります。今回は私……
○佐藤内閣総理大臣 これは、第四次防、いわゆる防衛計画とは関係がないと、はっきり申し上げておきます。 私が申し上げるまでもなく、国防関係は、これは国力、国情に応じて整備するというわが国の基本的方針でございます。わが国の基本的方針に変わりはただいまももちろんございませんが、そこで第三次と第四次、第三次が切れたこの暁において第四次防、国力も相当増進したから増強されるかと、かようなお考えかと思いますが、今回の防衛予算、これは四次防計画を閣議で策定する前に実は編成せざるを得ない状況になりました。したがって、沖繩関係、新しく返ってまいります沖繩関係の防衛関係費を除いては、新しいものとしてはまずないとい……
○佐藤内閣総理大臣 政府の統一見解を官房長官から朗読させます。
○佐藤内閣総理大臣 別にことばじりをとるわけではございませんが、総理が考え方を押し通した、こういうわけでも実はございません。会議体ですから、みんなの御意見もよく聞いて、そうして決定された。ただ皆さん方その席にいらっしゃいませんから、いまのようなお話が出ておりますが、これは申し上げるまでもなく、できれば三次防が片づいた際、期限が経過した際、四次防はつくるべきだ、これは普通いわれておることであります。また事務当局もそういう意味からずいぶん早くから研究しております。また、問題になりましたいわゆる中曽根案なるものは、四次防というものはずいぶん早く世間にも宣伝されております。したがいまして、その事務当局……
○佐藤内閣総理大臣 昭和四十七年度の防衛関係予算と四次防との関係をめぐって疑義を生じ、そのため委員会の議事を混乱させ、長日時にわたって審議が中断するに至ったことはまことに申しわけなく、深く反省いたしております。 国防問題は、国の将来にとって重要な問題でありますので、それだけに厳重な文民統制のもと、いやしくも国の内外に疑義、疑惑や不安感を生じさせることがあってはなりません。政府は、このたびの議長あっせんの趣旨を体し、予算の修正を行ない、今後とも文民統制の実をあげるため、適切な措置を講じてまいる決意であります。
○佐藤内閣総理大臣 ニクソン大統領が、まだ国交の正常化がはかられておらない、また未承認の国、中華人民共和国をみずから訪問され、そうして米中両国の間で忌憚のない意見を交換された。このことは世界、ことにアジアにおける緊張の緩和に非常に役立つ、かように私は考えております。また、そういう方向で今後の推移を見守らなければならない、かように私は考えております。
【次の発言】 昨年国連に中華人民共和国が議席を持ったということ、さらにまた安全保障理事会の常任理事国の一つになったというこの事実が、もうそのこと自身で非常にいままでの経過と変わってきている。したがって、ただいま御指摘になりました一九六九年の私とニク……
○佐藤内閣総理大臣 先ほど福田外務大臣から、さきの戦争についての真に反省したそのことばを発言されました。また、ただいまは過去の三総理大臣のアピールを引き合いに出されまして、そうして現在の内閣はどういう考え方を持っておるかと、こういうお尋ねであります。私は、民間でアピールすることも、これも一つの方法かと思いますけれども、国家における最高の政治機関、この議場を通じて私どもの真の考え方、受け取り方、これを率直に表明することが何よりも、より以上の効果のあることではないかと思います。先ほど外務大臣がこの席をかりて、そうして受け取っておるその所信をたいへん簡単ではありましたが表明をいたしました。私はそれを……
○佐藤内閣総理大臣 非常に具体的な問題で申せば、世界の平和を維持――いわゆる自由陣営、そのほうのチャンピオンはアメリカだ、こういうこでございます。またわれわれも、わが国の安全、独立、これを確保する、こういう観点に立つ。しかもそれが自由主義陣営の一国である、そういう意味からは、日米間で、ただいま言われるように、国際的平和を確保する、またそれが繁栄への道だ、かように考えますから、そこらで相共通するものがある、かように私は思っております。問題は、いろいろな表現はされますが、いまの日米間の関係においてはただいまの表現でいいかと思いますが、私は、絶えず考えることは、やはり戦争に負けた後の日本の行き方、そ……
○佐藤内閣総理大臣 先ほど来お話がありますように、核部隊と核兵器、これは全然別のものではないかと、私はかように考えます。
【次の発言】 いまその核部隊が必要であるかないか、これはまた別のことですが、日本政府としては核兵器の持ち込みは許さない、こういうはっきりした態度を示しております。
【次の発言】 私はいまのような、観念的には区別される、かように思っておりますが、実際の扱い方は防衛庁長官のほうからお答えさせます。
【次の発言】 ただいま防衛庁長官が答えたとおりでございます。私は、さような部隊はない、かように思っております。
【次の発言】 私は部隊の編制はどういうようになっておるかわかりませんが……
○佐藤内閣総理大臣 いつも国鉄の場合に問題になりますのは所有財産、これが活用できないか、全国的にずいぶん使っていない土地等の財産がある、こういうことが実は問題になっております。したがいまして、鉄道当局といたしましても、これが活用方についてずいぶん気をつけておることだと私は思います。これは私が在官当時から今日まで変わらないことだ、かように思っております。ことに現在のような事態になりますと、あるいは施設そのものはありましても、施設の上にさらにそれを利用するようなこともできるのじゃないのか等々の考え方をあわせて持ってやっていかなければならない、かように思っております。ただ、不用の土地、これを処分すれ……
○佐藤内閣総理大臣 いろいろ御迷惑をおかけして、皆さんからいろいろ私の真意についてもお尋ねがございました。問題を紛糾さしたことについては、政府としてもたいへん残念に思っております。
あの私が矢野君にお答えしたところのもの、これはただいま統一見解を出したばかりでございます。どうかその統一見解で十分御了承願いたいと思います。大体、私の言ったこと、これはこの精神においては変わりはございません。どうかそういう意味で御理解をいただきたいと思います。
【次の発言】 ただいま外務大臣がお答えしたとおり私も考えております。
【次の発言】 外務大臣から詳しく申し上げましたが、私どもの考え方、これはサンフランシ……
○佐藤内閣総理大臣 一口に土地問題といわれますが、ただいま阪上君が御指摘のように、すでに農地改革は行なわれた。林野の問題については、自然保護の観点からいろいろの要望は出ているけれども、これはいますぐ触れる問題でもない。工場用地等についてはこれまたそれぞれの企業が確保している。そうすると、あと残っているのは、ただいま御指摘のように住宅の土地の問題だ、しかもこの住宅の土地の問題がやはり偏在するというか、どこかにかたまる、こういうようなところに非常に問題の解決を要するものがあるんだ、かような御指摘であります。私もやはり、そういう点がこれから考えていかなければならないのではないだろうか。同じような市街……
○佐藤内閣総理大臣 国防会議に付すべき事項、それはもちろんかけなければならないと思います。また、ただいま言われておる点がたいへん、どこまでを国防会議にかけるか、これは議長そのものがきめるべきことだと思いますが、具体的にはまだまだずいぶんきまっていないものがございます。たとえば、三千二百名あるいは三千三百名というようなものは前国会できめてはございますが、さらにそれをどういうような時期にどういうような方法でというようなことは、これはやはり沖繩県民の感情をも十分理解を得るためにわれわれが努力しなければならない、かように思いますので、それらの点についてはもっと詳細にかける必要がある、かように私は思って……
○佐藤内閣総理大臣 沖繩への物資の輸送に関する件及び立川基地への部隊の配置に関する件につきましては、防衛庁長官から申し上げさせます。
【次の発言】 ただいま三君から発言がありましたが、これはいずれも党を代表していた、かように私感じますので、そういう意味で社会党を代表しての辻原君、さらにまた公明党を代表しての鈴切君、さらに民社を代表しての和田君、かような意味で三君に政府の考え方をお答えしたいと思います。
まず第一は、文民統制の問題であります。三君とも同じように、どうも文民統制、これがことばはできておるがその実があがっていないじゃないか、こういうおしかりを含めての政府に対する批判でございます。私……
○佐藤内閣総理大臣 辻原君にお答えをいたします。 ただいまお話しになりましたような経過をたどって本日の最終日と申しますか、予算の審議の総括締めくくり質問、こういう段階になりました。あらためてただいまのことを重ねて申しませんが、ただ私が申し上げたいのは、四十七年度予算の防衛予算と四次防問題と、これがからんでたいへんな審議上問題を残して、そしてこれが空白になり、同時にただいまのような政治問題化した。このことについて私自身がもちろん責任をとるべきだ、かように私は思っております。 責任のとり方は一体どうするのか。いろいろあると思います。私はやめることも一つの方法だと思います。同時に、問題は防衛関係……
○佐藤内閣総理大臣 ただいま塚本君が述べられるように国際事情いろいろ変わりつつあります。激動の時代だ、かように言うべきかと思います。私は、外国がどういうようにあろうともそのことにはあまり触れないで、日本の場合、日本の立場、この立場から考えますのに、とにかく隣国との間の問題、これを調整しなくて独立あるいは安全を口にするわけにいかないとすら実は考えております。ただいまお話のありました中国の問題にいたしましても、中国と隣同士である私どもが政府間の交渉を持ち得ないこと、この意味においてはまことに残念に思っております。もともとことばとしては国民外交ということばがある。こういう場合に国民外交が政府の外交に……
○佐藤内閣総理大臣 国鉄総裁、さらにまた、ただいまは丹羽君からいろいろ責任の所在も明らかにし、国民におわびを申し上げております。私は行政府の最高責任者として、ただいまのような点をまことに遺憾に思っております。立法府からおしかりを受けることのないように、この上ともさらに引き締めていくつもりでございます。
【次の発言】 賛成です。憲政の常道に従ってやろうとおっしゃること、もっともです。私は今回暫定予算を出さざるを得ざるに至ったその経緯はここで重ねて申しません。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【次の発言】 私は、国会というところは審議をするところだと思っております。それは審議は政府だけ……
○佐藤内閣総理大臣 内外の時局はきわめて重大であります。このときにあたり、四十七年度総予算審議中に種々の批判を受ける事態を招いたことにつきましては、まことに遺憾であります。政府の責任者として深く責任を感じております。各党の本件に対する御意向はよく承知しております。国民生活に重大なる影響を持つ予算案の成立に対し、この上とも御協力を切にお願いいたす次第であります。
【次の発言】 いま、当時の模様を外務大臣から詳しく申しまして、私からつけ加えることございませんが、最初の出が出でございますから、三億二千万ドルまでよく下がった、その辺で話をきめる、それは適当だろう、かように私は政治的に判断をいたしました……
○佐藤内閣総理大臣 ただいまの基本的な政府の姿勢、これは、すでにもう本会議においての所信表明、さらにまた、各党代表質問に私がお答えし たところで尽きると思います。 問題は、われわれが経済発展をいろいろし、これは結局、手段だ。やはり目的、目標、これは何といいましても、人間尊重、住みいい社会をつくり上げることだ、ここにあるものですから、やはり私が、標語ではございませんが、一言にしていえば、福祉なくして繁栄なしというこのことばどおりに、われわれはこれからやっていかなきゃならぬと思います。 ところで、そういう意味の基本法やその他の関係法令を整備はいたしますけれども、これはようやくスタートしたばかり……
○佐藤内閣総理大臣 お答えいたしますが、ただいま古屋君の御意見どおり、何にもつけ加えるものはないように思います。私は、全国の公害発生の模様を見まして、非常にうまくいっている地域、そういうところでは地域住民と企業者との間のコミニュケーションが十二分にいっております。しかしながら、本来さような事柄が話がつかないのかと思うほど、両者の間が隔絶しておる例がある。こういうことを考えると、企業者そのものが、まず第一に自分たちの社会責任を感ずると同時に、その地域の住民も積極的にやはり企業に協力する。協力を通じて理解をし、そして同時に公害発生を未然に防ぐとか、あるいは発生がやむを得ない場合に、事後の措置につい……
○佐藤内閣総理大臣 いろいろお尋ねになりたいことがあるだろうと思いますが、ただいま三原則、これはこれで達成されるか。もちろんニクソン大統領と私と、最高責任者同士の相談でありますから、約束でありますから、これは必ず実現される。ややくどいほど三原則になっている。核抜きということは、本来なら本土並みということでもうわかっておるはずだと思いますけれども、核抜きを特にメンションしたことは、沖繩の現状等からいたしまして当然の注意事項であります。したがいまして、これが入っているというところに特別な意味のあること、これを御理解いただきたいと思います。 また、核の撤去、これについての確認、これをどうするのか。……
○佐藤内閣総理大臣 いろいろ経済企画庁長官等からも、御説明すでにお聞き取りだと思いますが、なかなか政府が予想したとおり、あるいは予定したとおりには進まないで、消費者物価が上がっておる、これが現状でございます。これをどうしてもやはり、われわれの見通しのようにもっと低いところへとめたいと、ただいま努力中でございますが、ただいまたいへん開きがある、その点で申しわけなく思っておるような次第です。
【次の発言】 消費者物価のわれわれが計画したところのものと実際が非常に違っておる、こういうことを御指摘でございました。これについては、先ほど砂田君にもお答えしたとおりに私思いますが、その原因は一体どこにあるの……
○佐藤内閣総理大臣 もちろん消費者物価の問題で、輸入政策を取り入れることによって解決するものもございます。しかし、輸入政策も簡単にはできない面があります。ことに、ただいま言われますようにわが国の農産物、ことに台所で使われる消費者物資、こういうものは、いわゆる小規模の小農がやっている場合が非常に多い。大農の場合には大体まかないはうまくつきますけれども、小規模の小農がやっている場合、そういうものに対して生産者保護、これに力をいたさなければならないというのがいままでのやり方であったと思います。したがいまして、そういう意味から農業の適正規模というものの育成も積極的にはかってまいりますが、そういうところ……
○佐藤内閣総理大臣 申すまでもなく、国会は国権の最高機関、国民に伝えるとき、この最高機関を通じて政府の考え方を申し述べるということ、これは当然のことであります。私は、その意味におきまして、ただいまも運輸大臣から事故の概要についての報告があり、その中において、政府のとるべき責任等については、十分国民の皆さまにおわびを申し上げたつもりであります。 もちろん私、運輸大臣あるいは防衛庁長官――防衛庁長官をかえたというだけでその責任が果たされた、かようなものではございません。政府の責任といたしましてももちろん重大なる、私の政局担当下においてこの事故が発生したのでございますから、そういう意味合いにおいて……
○佐藤内閣総理大臣 原則としては、ただいまお話しになるようなことを政府も考えております。同感でございます。ただ、相手のあることでございますから、なかなかその原則を貫くということはたいへんむずかしいことである、そこらに相互の歩み寄り等も考えられる、こういうことが実際の問題であります。
【次の発言】 私はその点存じませんので、外務大臣からお答えいたします。
【次の発言】 私の発言が問題になっておりますが、当時、短縮するとはっきりは言わなかったと思っておりますが、これはもちろん、ただいま御審議をいただいておるのでございますから、その御審議の結果を待つというような表現はしただろうと思います。もちろん、……
○佐藤内閣総理大臣 通産大臣や山中総務長官からおそらくお答えしただろうと思います。ただいま政府におきましても、いま御指摘になったような方向で予算編成その他の諸準備にかかるべきだ、かように思います。もちろん多額の金額を要するものでありますが、一ぺんにそれを予算化できなくとも、着実に実行のできるような、そういう方向で予算編成もし、諸準備を進めるべきときに来ている、御指摘のとおりでございます。同感でございます。十分注意するつもりでおります。
【次の発言】 沖繩の祖国復帰、これは何を意味するか、こういうようなお尋ねかと思いますが、これは申し上げるまでもなく施政権の返還、ただいまアメリカが持っている立法……
○佐藤内閣総理大臣 この問題でたいへんな疑念あるいは不信を持たしたことは、私の答弁が不十分であったと、かように思います。いまも久保君が御指摘になるように、最後には、事前協議があってもノーと言う、かようにはっきり申しておりますから、その点では別に、結論としては誤解はないだろうと思います。 しかし、その間に、やりとりとして、いかにも誤解を招くようなことばが出ておる。そういうことが、一々いまあげられたのであります。あらためて明確にして、今度は申し上げます。 私どもは、非核三原則を守る、これを厳守する、こういう立場でございますし、また、過日も国会において決議がなされました。このときは社会党の方は不……
○佐藤内閣総理大臣 長谷川君はわが党ではありますし、また報道関係の出身者でもあります。そういう立場から、経験に基づきながら、新しい民主主義の時代がいかにあるべきか、こういうことを基盤にしてのお尋ねだろうと思います。あるいはそのお尋ねにぴったり答えているかどうかわかりませんが、私の所信を申し上げたいと思います。 いろいろ問題になりました報道の自由、知る権利、いかにも政府の態度を明確にしないために、政府は国民に対して秘密主義あるいは知らさない、よらしむべしというようなまだ古い考え方ではないか、こういう誤解もあるのではないかと思っております。まず第一にその点を明確にしておきます。たびたびの機会に、……
○佐藤内閣総理大臣 ただいまも外務大臣からそういう話を聞いております。万一さようなことがあれば、もちろん私ども責任をとる、これに間違いはございません。はっきり申し上げておきます。
【次の発言】 外国の事柄、御承知のように核兵器を持っている国がただいま五カ国もあるのですから、これはとやかく言うことはない。また、それぞれの必要があっておそらくそういう国は持っておる。しかし、わが国の場合は、政府がかねてから一切さようなものは持ちません、非核三原則を守ります、かように申しております。政府だけでは不十分だ、こういうことで、国会においてこのことは、非核三原則、これは確認されました。私は、今日かような状態、……
○佐藤内閣総理大臣 電気、ガス、水道、この料金を押えるかどうか、こういうことですが、公共料金そのものにつきましては、全面ストップとは申しませんけれども、極力抑制する、私どもはこういう態度をとってまいりました。電気、ガス、水道等につきましても同じような考え方であります。すでにある一部からは、いまのままではやっていけない、その値上げ、ぜひこれを決定してくれ、私どもこういうような話を聞きますけれども、ただいままでのところ、いまの抑制方針、これに間違いはございません。
【次の発言】 青木君のただいまのお尋ね、御意見を交えてのお尋ね、これについては私もさように考えます。
ところで、物価と申しますと物価……
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