このページでは灘尾弘吉衆議院議員の30期(1963/11/21〜)における国会発言(質問、答弁等)をまとめています。国会活動の統計や役職、質問主意書の数や内容は30期国会活動統計で確認できます。
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答え申し上げます。 まず、大学生の急増対策、これに関連する私学振興についてのお尋ねでございますが、お話のとおりに、いわゆるベビーブームの波が大学に近く押し寄せてまいるわけでございます。文部省といたしましては、国立、公立、私学を通じましてこれが対策を樹立するために鋭意検討をいたしておるところでございます。もちろん、私学の努力に期待するところも大きいのであります。したがいまして、私学振興という問題が一そう重要性を加えてきたわけでございます。御承知のように、今日大学生の約七割は私学に籍を置いております。六十四万人といわれておるのであります。このような国民の大学教育に対す……
○国務大臣(灘尾弘吉君) 農業の近代化をになうべき後継者につきましては、先ほど総理からお答えになりましたのであります。その趣旨に従いまして、文部省といたしましても、農業教育の体質改善に努力をいたしておるところであります。 農業近代化に対応するためには、農業自営者には相当高い資質を必要といたしますので、高等学校における農業教育の近代化を積極的に進めまして、また特に、自営者養成のための新しい農業高校の奨励をはかるとともに、大学におきましても、農業教育の改善に鋭意努力いたしているところでございます。(拍手)
○国務大臣(灘尾弘吉君) このたびのまことに不幸な事件が十九歳の少年によって引き起こされましたことは、ただに遺憾と申し上げるだけでなく、文教をあずかる者といたしまして、心からその責任を痛感いたしております。国民の間に、人命の尊重、暴力排除というようなことが強く叫ばれておりますやさきにおいて、かような事件が発生いたしましたことは、返す返すも残念でございます。 青少年の教育にあたりましては、人間尊重の精神に満ち、秩序を守り、事の毒悪を判断し得る若者を育成することが基本的な要務であると考えまして、学校教育、社会教育を通じて、知育、体育、それとともに徳育の充実につとめ、豊かな人間性の涵養をはかること……
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えをいたします。 まず、国立高等専門学校に関連した問題でございます。 従来、御承知のように、国立高等専門学校は、それぞれの地方の非常な熱望にこたえて設置せられたものでございます。当該地方の住民に多大な便益を及ぼすものと考えますが、しかし、地方財政法等の関係もございますので、現在文部省といたしましては、校舎敷地等につきましては、自発的な地方有志の申し出にかかる寄付を受ける場合を除き、地方公共団体から寄付させたり、あるいは不当な寄付金を地方住民に割り当てるというようなことはいたさないつもりでございます。なお、可能なものにつきましては、国有地との交換等により取得する……
○国務大臣(灘尾弘吉君) お答えをいたします。 施政権の問題につきましては、外務大臣のお答えになりましたとおりであります。われわれも、一日も早く施政権が返還せられることを熱望いたしておるわけであります。 教育の問題といたしましては、それまでの過程におきましての問題であります。御承知のように、お話の中にもございましたが、沖繩では日本国民としての教育をやっていくという理念が確立いたしておるわけであります。沖繩の人たちは、むしろ本土よりももっと日本人らしい教育をやっていこうというような気持ちを持っておるようでございます。(拍手) 問題は、その教育の水準を向上するということであります。これにつき……
○国務大臣(灘尾弘吉君) 今回の震災によりまして、山形県下の幼稚園の園児その他若干の痛ましい児童等の犠牲者を出しましたことは、まことに残念に存じております。心から哀悼の意を表する次第でございます。 お尋ねの老朽校舎でございますが、従来からその改築に鋭意努力してまいりました。昭和三十八年現在、なお今後改築を要する老朽建物が約二百十万坪ございます。これを今後五カ年間に耐震耐火の構造に改築する計画を立てて推進しておるところであります。 なお、昭和二十一年以降今日までに約五百四十万坪の鉄筋鉄骨づくりの校舎建築が行なわれており、昭和三十七年度の実績におきましては、公立学校建築坪数のうち七五%が鉄筋鉄……
○灘尾国務大臣 一言ごあいさつをさせていただきたいと存じます。 去る七月の第二次池田内閣の改造に際しまして、また文部省の仕事を担当することに相なった次第であります。その後本委員会においてごあいさつを申し上げる機会もなく打ち過ぎておりましたような次第でございます。続いてまた先般の衆議院の総選挙後の第三次池田内閣の組閣に際しまして、引き続いて文部省の仕事を担当することに相なりました。本日、本委員会において皆さま方にごあいさつを申し上げることをまことにしあわせに存ずるものでございます。 申すまでもなく、文教行政の使命はまことに重大であると考えておるのでございます。それにつきましても、御承知のよう……
○灘尾国務大臣 ただいま上提せられました二法案につきまして、その提案理由を順次御説明申し上げます。 このたび政府から提出いたしました義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律案の提案理由及びその概要について御説明申し上げます。 さきに第四十回国会において義務教育諸学校の教科用図書の無償に関する法律が制定され、義務教育諸学校の教科用図書はこれを無償とするとの方針が確立されるとともに、その具体的措置は、文部省に置かれる無償制度調査会にはかって別に法律をもって定めることとされたのであります。 政府はここに、調査会の答申の趣旨を十分尊重して、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律……
○灘尾国務大臣 お答えいたします。
この案件が決定いたしましたら、直ちに地方に通達いたしまして、おくれないようにやらせるつもりであります。
【次の発言】 僻地教育の改善充実につきまして、これは大きな課題であるということは申すまでもないことであります。いろいろな角度から検討をいたさなければならないと思うのであります。特にまた、お話しになりました教職員の給与の角度から改善をするということも確かに一つの方法であろうかと考える次第であります。現在は、辻原さんよく御承知のとおりに、僻地手当というものを出しておるわけであります。お話のとおりに、一般的に僻地に勤務する教員に対しまして特別な加俸をするという……
○灘尾国務大臣 産炭地の特殊事情についてのお話を伺いましたわけでございますが、児童数の減少に伴いまして、現在の標準法によりますと、教員の定数も減らさなければならぬことになっております。この問題も十分考慮いたしまして、今回標準法の改正をいたしたいと考えておる次第であります。その標準法の改正案が成立いたしますと、全部の学級編制につきまして、五年の間に順次最高四十五人となるようにいたしたい、こういう案になっておりますことは滝井さんも御承知のとおりであります。これの扱い方は、教育行政の見地からいたしまして、特定の地域だけに限ってまた特別の掛倒を講ずるということば必ずしも適当でないのではないか、かように……
○灘尾国務大臣 昭和三十六年度及び三十七年度決算外三件の概要につきましてはお手元に印刷物をお配りしてございますので、それによって御承知おきいただきたいと存じます。
何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
【次の発言】 ただいま押谷委員の御質問の御趣旨は、十分私ども了解いたしております。現在の私学の状況、ことにまた国立と対比しての御説明も大体そのとおりだと私どもも思います。この問題につきましては、御承知のように明治以来私学につきましては、その建学の精神と申しましょうか、独自の立場において教育を展開していく、こういうたてまえのもとにきわめて自由な活動をやっていただき、同時にまた政府もこれに干渉す……
○灘尾国務大臣 お答えいたします。
現行法のもとにおきましては、校長、教頭、一般教員一緒に組合をつくるようなことになっております。これをどうするということはございません。今度の改正法におきまして、先ほど両大臣からお答えになりましたように、明確に区分をいたしたいと考えております。
【次の発言】 私のお答え申し上げましたのは、一般の教員と管理職たる者との間の区分を明確にしたいということを申し上げておるわけであります。その管理職の範囲につきましては、教育公務員については政令でもって基準を定めたい、かように申し上げておるのであります。
【次の発言】 公立学校の管理職員の職種あるいは職制等につきまして……
○灘尾国務大臣 日教組と文部大臣との間のやりとりの場というお話でございますが、日教組の諸君は、私と会って、そうしていろいろな問題について交渉することを望んでいらっしゃることは、よく承知いたしております。ただ、この問題につきましては、私は具体的にひとつお答え申し上げたほうがあるいは御理解がいただけるかと思うのでありますが、昨年の九月、日教組から私に対しまして、教員の賃金の問題でありますとか、予算の問題でありますとか、あるいはILO八十七号条約批准と国内法改正の問題であるとか、教科書法案の問題、こういう問題について話し合いをいたしたいということで申し入れがありました。これに対しまして、私はこのよう……
○灘尾国務大臣 両大臣のお答え申し上げましたとおりであります。
【次の発言】 管理職の範囲の問題につきましては、ただいま御指摘のような点もございますので、ことに学校の職制等につきましては法律できめておりますので、それと違ったことになりましても困るわけでございますので、学校の教職員につきましては政令でもってまず一つ基準をきめて、それからひとつやっていただこう、こういうふうにいたしておるわけでございます。
○灘尾国務大臣 私はこのように考えておるのであります。いわゆる職員団体の団体交渉と申しますか、この関係から申しますならば、地方の教職員の勤務条件その他についての交渉、この問題は文部省としては関係がないと思っておるのでありまして、文部省は地方の教職員のいわゆる中央団体たる地位にはおらない、さように考えておる次第であります。そういう意味におきまして、交渉する立場にはないわけであります。また、いわゆる中央交渉といわれておりますものの中にもいろいろあろうかと思いますけれども、その中にはつまり教育行政について交渉をしようというお考えがあるように思うのであります。私は、教育行政につきまして職員団体と交渉し……
○灘尾国務大臣 たびたびお答えを申し上げましたところでございますが、問題を教職員と文部省という関係に限って申し上げますれば、しばしば申し上げておりますように、文部省と教職員の団体との間にいわゆる交渉というふうな関係はないと思うのであります。ただ文部行政を進めてまいります上において、各方面の御意見、御要望等を伺うことは、これは当然のことでありますので、教職員の諸君といえどもあるいは陳情するとか、あるいは意見の表明をするとか、言われることを別に拒もうとも思っておらぬわけでありますが、ただ同時に、この問題は、権利とか義務とかいう問題ではないと思うのでありまして、私のほうといたしましても、絶対に会って……
○灘尾国務大臣 憲法にいわゆる労働者に該当すると考えております。
【次の発言】 この問題につきましては自治大臣からお答えを願うほうが適当かと思いまするが、お名ざしでございますので、私がお答え申し上げます。
公務員はその従事する公務の性質から、先ほどお話もありましたように、公共の福祉のためにストライキ権が認められていない。これはやむを得ないものであると考えるのでありますが、これに関連いたしまして、そういう場合に公務員に対しましては適当な代償措置と申しますか、救済の措置がなければならぬ、こういうことも当然のことであろうと思うのであります。現在、現行法のもとにおきましては、地方公務員については、勤……
○灘尾国務大臣 管理職の範囲をどうするか、この決定については私は詳細は存じませんけれども、いわゆる労働組合におきましては相互の話し合いによってきまっておる。こういうふうなことになっておるように伺うのであります。しかし、公務員の場合になりますと、必ずしも一般労働組合というふうなやり方では適当でないものもあろうかと私は思うのであります。御承知のように、公務員につきましては法令でもってその職務内容等がきまっておるものも多々あるわけであります。その職務の内容にはいわゆる管理職の仕事としてきめられておるものがあるわけでありますから、これが相互の話し合いできまるというようなことになりますと実情に合わないと……
○灘尾国務大臣 教職員関係の管理職の問題でございますが、御承知のように学校教育法等によりまして、学校長あるいは教頭等の管理職たる地位は明らかであろうと思うのであります。したがいまして、これが地方の公平委員会あるいは人事委員会等できめられる場合にも、法制上すでに管理職たる地位のはっきりいたしておるものにつきましては、これはまちまちにならぬようにいたしたいと考えまして、まずもって政令でもって基準をきめまして、地方によってまちまちになることのないようにいたしたい、かように考えました次第であります。
【次の発言】 まだ具体的に決定はいたしておりませんが、大体このような基準が必要ではないかと思うのであり……
○灘尾国務大臣 お尋ねの問題につきましては、しばしばお答えを申し上げましたところでございますが、田口さんは交渉ということばを非常に広い意味と申しますか、お使いになっていらっしゃるように思うのでありますが、私が先般来お答え申し上げておりますのは、この地方公務員法に基づく職員団体の、いわゆる勤務条件等に対する交渉の問題は、そう広い意味における交渉ではないと思うのでありまして、いわばいわゆる労使の関係に立っての交渉、こういう筋合いのものではないかと思うのでございます。その意味におきましては、先般来お答え申し上げておるところでございますが、国は、地方の公務員である教職員団体、教職員のいわゆる職員団体、……
○灘尾国務大臣 お答えいたします。 地方公務員たる教職員の勤務条件の問題につきましていろいろ交渉が行なわれる場合、中央の関係において直ちに解決することが困難な場合もあるいはあろうかと思うのであります。しかし、毎々申し上げておりますとおりに、この勤務条件等に関する地方当局に対する交渉は、申さばいわゆる労使の関係に立っておる間の話と考えておる次第でありまして、その意味におきまして、政府は地方の公務員たる教職員との間において労使関係というがごときものはないというふうに私どもは考えておる次第でございます。ただそういう関係でありますので、いわゆる団体交渉めいたものが中央のわれわれとの間に行なわれる余地……
○灘尾国務大臣 お尋ねの全国都道府県教育委員長協議会、それから全国都道府県教育長協議会の名において要望せられました事項でありますが、三点ございます。一つは日教組等の中央地方交渉について、それから校長、教頭等管理職員の範囲について、それから登録と交渉について。伝えられる倉石修正案には、特にこの三項目についてはなはだ不満を感じておるので、条約の批准関係法案の審議にあたっては御配慮を願いたい、こういう趣旨の要望でございます。
【次の発言】 この要望は、私目当てに出されたものとは存じません。私にも出されましたが、関係方面にそれぞれ要望せられた事項だと考えます。御承知のように、政府のほうとしましては、今……
○灘尾国務大臣 地方公務員たる教職員の給与の問題、あるいはその他の勤務条件の問題でございますが、私はこれらの問題につきまして、文部省といたしまして関係があるということは、もちろん認めておるわけでございます。たとえば給与に関する国庫負担金の問題があります。こういうふうな予算措置は文部省がやっておるわけであります。また、給与に関する標準というふうなものを示すとか、こういうふうなことも文部省が関係をいたしておるわけでございますが、現実に地方公務員の給与を決定し、あるいはまた勤務条件についての管理、処分をなし得る権限を持っておりまするのは文部省ではない。地方のそれぞれの当局である、かように考えておる次……
○灘尾国務大臣 お答えいたします。 今回の国立学校に関する特別会計法の問題でございますが、他意あっての提案ではございません。別に政治的にどうとか、あるいは国防の関係がどうとかいうふうなことではございません。法律提案の理由の趣旨の中にも書いておりますように、ひたすら国立大学の施設設備の充実をはかってまいりたい、と同時に経理を明確にしてまいりたい、このような趣旨で提案せられたものでございます。 われわれといたしましては、今日数におきましては世界にその比を見ないくらいたくさんの国立学校、ことに国立大学を時っておるわけでございますが、その国立大学の内応、実質あるいは施設、設備、そういうふうなものの……
○灘尾国務大臣 今回政府から提出いたしました文部省設置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 この法律案は、文部省の職員の定員を合計において三千八百七十九人増加するものであり、その大部分は、来たる四月から新設され、または拡充されます国立学校の教職員の増員に関するものであります。 すなわち、国立学校におきましては、大学の学部学科、大学院等の新設、拡充、国立工業高等専門学校十二校の新設、大学附置研究所等の新設整備をはかるため、これに要する教職員の新規増員並びに学年進行による増員を合わせ、教職員三千八百四十二人の増員を必要といたすのであります。 ……
○灘尾国務大臣 大学に対する入学希望者の増が、ことにベビー・ブーム関係が近く押し寄せてくるわけであります。文部省としましても、最も重要な課題であると考えておる次第であります。お話のとおりに、大学ということになりますれば、その教育水準を確保していかなければならない、こういう点を考えますと、むやみやたらに学校を多くするというわけにも参らない実情がございます。いろいろな困難を伴うと考えておりますので、われわれとしましては、国公私立をあわせまして、目下慎重に検討をいたしておるところでございます。明年度の予算におきましては、その計画に基づいての要求もいたしたい、かように考えておる次第であります。詳細は政……
○灘尾国務大臣 学習指導要領を中心にいたしまして、教科書の編さんが行なわれるわけであります。学習指導要領の趣旨に反したものは、検定上認めるわけにはまいらないのであります。この学習指導要領につきましては、ただいま局長からお答え申し上げましたように、終戦後数回改訂を加えられております。最近のものは、独立を回復して後の日本の立場におきまして、学習指導要領を改訂したつもりでございます。しかし、何にいたしましても、教育の基本は、新しい憲法並びにそれに基づいてつくられております教育基本法の趣旨にのっとって教育を進めていくということに、何の変わりもないつもりでございます。将来ともにその精神でもって教育行政を……
○灘尾国務大臣 今回の省令を制定するまでには相当な期間をかけまして、各大学との間に打ち合わせ、協議を遂げまして、その結果として制定をいたしましたようなわけでございます。その経過等につきましては、政府委員からお答え申し上げることにいたしたいと思います。
【次の発言】 ただいま村山審議官からお答えいたしましたとおりと、私ども思っております。現在の制度のもとにおきまして、大学の性格を変えるとか、本質を変えるとかというふうな考え方はいたしておりません。ただ、教員養成の問題につきましては、重要な課題といたしまして、文部省としましては検討いたしておるところであります。御承知のように、かつて中央教育審議会の……
○灘尾国務大臣 姫路城の修理に従事しております職員の措置につきましては、ただいま事務当局から御説明申し上げましたとおり、昨年来誠意をもって配置転換等を行なわしておるわけでございます。今日まで未定のものにつきましては、三月末までに責任を持って就職あっせんをいたさせたいと存じております。なお、その場合、少なくとも現在の給与、現給は保障し、現給より下がるようなことはいたさないつもりでやっております。
【次の発言】 いわゆる給与三本立ての問題かと存ずるのであります。現在の制度のもとにおきまして、大学、高等学校、義務制の学校、それぞれ別別の俸給表が定められており、大学の卒業者の初任給はいずれも回顧でござ……
○灘尾国務大臣 昭和三十九年度文部省所管予算案概要の説明をいたしたいと思うのでありますが、まず文教行政に関する所信の一端を申し上げたいと存じます。 わが国の教育は、学制頒布以来九十余年を経てますます普及発達の度を加え、その水準は世界に誇るべきものがありますが、これひとえに教育関係者をはじめ全国民の熱意と努力のたまものであり、御同慶にたえないところであります。しかしながら、近時、科学技術の発達、物質文明の繁栄に比し、精神面でのおくれが痛感され、人間性の涵養、国民精神の高揚が強く要請されております。 民族の繁栄、国家の発展は、安逸と放縦の中から生まれるものではなく、高い理想を求めてあらゆる難難……
○灘尾国務大臣 このたび政府から提出いたしました国立教育会館法案につきまして、提案の趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。 教育を振興し、次代をになう青少年を健全に育成していくためには、常に教育職員その他の教育関係者の資質の向上をはかっていくことが重要であります。これらの教育関係者の効果的な研修に資するため、これにふさわしい研修施設を設けることとして、一昨年来東京都千代田区霞ケ関にその施設の建設を進めてまいりました。近くその工事は完成いたします。 右の研修施設を適切に運営し、教育職員その他の教育関係者の資質の向上をはかるため、特殊法人国立教育会館を設立し、これに国が建設した施設の財産を現……
○灘尾国務大臣 現在の国民生活の状況から考えまして、また特に今年度は東京でオリンピック大会が開かれるという特別な時期に際会しておるわけであります。このような時期においてただいま国旗あるいは国歌についての御所見を伺ったわけでございまして、まことに私は適切な御所見と伺ったわけでございます。われわれはこの国土の上に生まれ、また死んでいくわけでありますが、お互い国をなすものが常に自分の国土を愛し、自分の国土に誇りを持ち、そうしてまた日々の努力、日々の活動を通じまして受け継いだこの日本というものをさらによりいいものにして次の世代に送っていく、これが無限に継続していかなければならないものと心得ておるわけで……
○灘尾国務大臣 この前の所信で申し上げましたことについてのお尋ねでございますが、申し上げましたとおりということでございまして、別に変わったことはないのでございますが、人生を過ごしてまいります上に、われわれは幾多の困難にも遭遇するわけでございます。その間に処してりっぱな人生を過ごしていくためには、苦しいときにも理想を求めて、そうしてその苦しさに耐えて進んでいくという精神が必要ではないか、かように考えるわけでございます。また国家、社会の発展をはかります上にも、常にそのような心がまえを持ってお互いが協力して進んでいくということが大事な道筋ではないか、かような考えを持っておりますので、先般申し上げたよ……
○灘尾国務大臣 今回、政府から提出いたしました義務教育諸学校施設興国庫負担法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 現行の義務教育諸学校施設費国庫負担法は、昭和三十三年に制定され、公立義務教育諸学校の施設の整備に要する経費について国がその一部を負担する制度が確立されたのであります。 政府は、この制度のもとに、翌三十四年度を初年度とする公立文教施設整備五カ年計画を樹立し、義務教育諸学校の施設の整備につとめてまいったのでありますが、ほぼ当初の目標を達成して本年度をもって終了いたすこととなったのであります。 昭和三十九年度から新しい計画をもって、……
○灘尾国務大臣 宗教と文化の関係でございますが、私は宗教そのものが大きな文化ではないかと思います。同時にまた宗教活動が国民の文化の向上の上にかなり大きな影響あるいは感化、こういうものを持つものと思います。
【次の発言】 従来の取り扱いから見まして、特定の宗教活動そのものをとらえて文化功労者ということにした例はないようでございます。ただ宗教家として偉大な存在であります鈴木大拙先生あるいはまた宇井伯寿先生、これらの方々は文化功労者として顕彰せられておるのでありますが、今日までの扱いといたしましては、いずれもその学問的な業績に対しましてこれを顕彰するというふうになっておるのであります。また一般の勲章……
○灘尾国務大臣 非常に抽象的なお答えにならざるを得ないと思います。
申すまでもなく、日本の教育の基調は、新しい憲法並びにそれに基づいてつくられておりますところの教育基本法、その趣旨にのっとりまして教育を進めていくところにあると思うのであります。
【次の発言】 現行教育基本法につきましても、いろいろな方々からいろんな御意見もあるように承知いたしております。ただ現在ただいまの教育基本法を改正する意思ありやいなやというお尋ねがあるといたしまするならば、私は、この段階において教育基本法を改正するつもりは持っておりません。
【次の発言】 どういう関係で、あるいはどういうつもりでそういうことを述べられた……
○灘尾国務大臣 いろいろお話を伺うわけでございますが、ただ山中さんはそういう事実に基づいての御質問のように私伺うのです。事実をもっての御質問のように伺うのです。したがって私も御返答いたしにくいのであります。そういう事実がある、それを事実を離れての御質問のような形でおっしゃっておられますけれども、そのお返事に対しまして、直ちにその具体的な事実に適用してかれこれ言われるということは、私はいかがであろうか、そういう意味でお返事はまことにいたしにくい問題のような気がするのでありますが、先般も申し上げましたとおりに、いわゆる不当労働行為はなすべからざるものであります。不当労働行為をどんどんやっておるとい……
○灘尾国務大臣 ただいま御意見御要望あるいは質問の意味での御発言がありました。岐阜県の問題につきましてはすでにしばしば私の所見を申し上げたつもりでおるわけであります。ここであらためて申し上げます。 およそ地方公務員法で認められた教職員組合に関し、教育行政機関がその組合への加入または脱退について干渉すべきでなく、また組合員のゆえをもって不利益な取り扱いをすべきでないことは、言うまでもないことと存じます。万一さような不利益な取り扱いが行なわれた場合には、それについて実情を調査し、是正するよう適切な指導助言を加えたいと存じます。
○灘尾国務大臣 東京のような状態から考えますれば、学校の行き帰りということが交通の問題に関連なしとは考えません。またその間にいわゆる安全の問題もあるわけであります。いろいろな意味におきまして、交通問題につきましては、われわれとしても関心を払わざるを得ないわけであります。いわゆる時差通学と申しますか、そういうふうな問題につきましても、従来からも東京でいえば都の教育委員会等で交通当局といろいろ話し合いもいたしてまいっておると思うのであります。また教育委員会の所管外の大学等の問題につきましては、政府のほうで交通当局と話し合いをしまして、時差通学というふうなこともやってまいっておるわけでありますけれど……
○灘尾国務大臣 朝鮮の人たちの教育の問題でございますが、これにつきましては現在までも特別な配慮をいたしてまいっておると思うのであります。いわゆる国交正常化ができ上がりました後も、現在の朝鮮人に対する教育上の取り扱いと大きな差異はないだろうと私は思うのであります。ただ問題は、もう今後長く永久に日本に居住する、こういうふうな立場に立たれました方々の子弟に対しまして、何か特になすべき必要があるかないか、こういうふうな問題はあろうかと思うのでありますが、ごく大まかに申し上げまして、朝鮮人の子弟に対する教育上の態度としましては、私は大差はないもの、かように考えております。
○灘尾国務大臣 国立教育会館の設立の趣旨、目的につきましては、すでに法案提案の際に御説明申し上げたところであります。その国立教育会館設立の趣旨、目的にかないます限りは、あるいは、これに反しない限りは、これは最も有効に活用せられなければならぬと思います。そういう意味におきまして、特にどの団体を差別、この団体を差別とかいう意図のもとにこの教育会館はできたものではございません。要はこの会館設立の趣旨、目的に反しない限りは、これを差別あるいはあれを差別という考えは持っておりません。地方の教育会館につきましても、この会館設立の趣旨、目的と協調し得るものにつきましては、これと協調してやってまいりたいと思っ……
○灘尾国務大臣 一般的な議論といたしましては、二宮さんのおっしゃることもごもっともな点があろうかと思うのであります。国でこの種の施設を設けるわけでありますから、何もよそを当てにすることはないのであります。国が全部持ってやって何も差しつかえないことでございますし、最初の計画の立て方いかんによることと思うのでありますが、二宮さんのおっしゃることも決して私は理由なしとは思いませんけれども、この教育会館の建設につきましては、国費でもってある程度のものを出し、そのほかは一般の国民の協力を求め、浄財を集めて実現するという考え方のもとに出発したものと私は了解いたしておるわけであります。これはこれとしてひとつ……
○灘尾国務大臣 その当時の質疑応答につきましては私十分勉強もいたしておりませんが、ただ当時としましては、いわゆる仮称教育会館なるものをどういうふうにして経営していくかということについては、文部省としましてもまだはっきりした結論を持っていなかったのではなかろうか、つまり直接文部省が経営するか、あるいは特殊法人という形においてこれをやっていくか、こういうことについては、先ほど来のお話を伺っておりましてもはっきりしていなかったのではなかろうかと思うのであります。もともとこれを文部省が考え出しましたのは、荒木大臣も言われましたように、いわゆる文部省が主催する研修の場というものがないために、何か適切なも……
○灘尾国務大臣 この教育会館の設置の目的と申しますか、あるいは教育会館の業務の範囲と申しますか、これについてのお尋ねでございまして、先般もこの委員会で御指摘がございまして、私も速記録を拝見いたしまして、大体川崎さんの御指摘の事項があるわけでございます。私は当時の大臣なり、あるいは局長のお答え申し上げました趣旨は、もちろんこの会館という入れものをつくる予算についての御審議を願った際の答弁であると思うのでありますが、申すまでもなく、今回の法律の条項によりますれば、一番先に書いておる「教育職員その他の教育関係者のための研修施設を」設置し、またこれを運営する、これが根本の目的であるということは申すまで……
○灘尾国務大臣 局長が答えたとおりでございます。私は、この会館の使命を達成する上からも、最も適当だと考えられる方をお願い申し上げたいと思っているわけであります。その選考の範囲も、決して小さく考える必要もないと思います。学校関係の方からも適当な人があればなっていただきたい、このように考えている次第であります。要は、会館の目的にかんがみまして、これをりっぱにやり遂げていく上に貢献していただけるような人を広く選考いたしまして人選をいたしたいと思っております。
【次の発言】 文部省は申すまでもなく教育行政をつかさどるところであります。したがって、憲法、教育基本法等いわゆる教育関係の諸法令のもとにおいて……
○灘尾国務大臣 私立学校の振興という問題は、年来の問題でございますが、ことに近来その声も一そう高くなったかと思うのであります。御承知のように、今日学校教育の上におきまして私立学校の果たしております役割はきわめて大きいと思うのであります。その観点からいたしまして、現在の私立学校の状況を見ました場合に、われわれといたしましても一そうその内容の充実をはかり、また活発な教育活動をやってもらいたいと念願しておる次第であります。御承知のように今日の私立学校につきましては、私立学校振興会を通じまして財政的な援助をはかりますとか、あるいは税制の上におきまして特別な措置を講じますとか、あるいは特殊の目的に対しま……
○灘尾国務大臣 およそ教育をいたします場合に、単なる技術のみを授けるということは、私は教育制度としては欠けるところがあるのじゃなかろうかと思います。いかなる場合においても、教育を受ける人たちが職業人、社会人として必要な、一般的な教養もあわせて受けるということは、常に配慮しなければならぬことではないかと思うのでございます。 今回の短期大学の目的についてでございますが、いわゆる四年制大学の目的に書いてあります字句と異なっております点は、四年制大学が一般教養を授けることを特に重視いたしておると思うのでありますが、ことばが過ぎるかしれませんけれども、大学は直接社会の要求に直ちに役立つということよりも……
○灘尾国務大臣 文部省の立場から申しますれば、今日の状況からいたしまして、私学の振興についてさらに積極的に努力をしなければならない段階にあると思うのであります。その意味におきまして、いろいろな助成、育成の方策を立ててまいらなければなりません。この場合に、大蔵省の御協力がなければもちろんできない話でありますが、そういう意味で、始終大蔵省をわずらわしているところでありまして、今日までもその意味におきましては、毎年々々大蔵省の御協力をいただいて、逐次改善をいたしてまいったと思うのでありますが、まだまだこんなことではどうにもならぬというのがいつわらざる私の心境でございます。したがいまして、今後も大蔵大……
○灘尾国務大臣 このたび政府から提出いたしました教育職員免許法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 このたびの改正案は、高等学校教育の充実に資するため、高等学校の教諭の免許状について特例を設けるとともに、小学校、中学校、高等学校及び幼稚園の教員の免許資格を上進するために必要とされている在職年数の取り扱いを改め、教員の資質向上への意欲を助長しようとするものであります。 まず第一に、高等学校の教諭の免許状の特例を設けたことであります。 最近に至り高等学校の教育が普及し、その教育内容も漸次改善充実を見つつありますが、高等学校においては、小学校ま……
○灘尾国務大臣 従来からの経過もあろうかと存じますので、まず初中局長から一応お答えいたさせます。
○灘尾国務大臣 大学急増の問題につきましては、これまでも申し上げておりますとおりに、真剣に実は検討いたしておるところであります。国民の教育という点から申しますれば、大学に入学することを志望する人の数に応じてやはり受け入れ態勢のことは考えていかなければならぬということは申すまでもないことであります。同時に、また大臣の使命、こういう点から考えまして、大学教育の水準というものはどこまでも維持してまいらなければならぬ、こういうふうな要素を勘案いたしまして、妥当な結論を得たいと思っております。新聞紙上等にあるいは十万人を予定するとかあるいは私学にどの程度を予定するとかいうような数字がちらほら見えておりま……
○灘尾国務大臣 先ほど来お話を伺っておりますと、ごもっともな御意見だ、このように考える要素もたくさんあるように私は思うのであります。この新制大学ができました当時のことは、私どもまだ国会に出る前でございます、事情を十分つまびらかにいたしておりませんが、その際に、新しい制度として、新制大学にするには不十分であるけれども、さりとてこれをつぶすということは不適当であると、将来の発展を期待してのいわゆる短期大学制度が暫定的に認められたと思うのであります。同時に、そういいながら、やはりこの種の学校制度というものにつきまして、あるいは父兄負担の関係とか、あるいは実務者を養成するとか、あるいは女子教育というふ……
○灘尾国務大臣 どうも格下げとか格上げとかおっしゃる御趣旨がよくわからないのでありますが、私ども今回この法律案を提出いたしましたのは、短大の現状に即して現在の短大を大体その姿において恒久的な制度としようとして、こういうふうな法律案を作成いたしたわけであります。中教審あたりで大学制度の問題等についていろいろ御検討願いましたが、その中にもやはり趣旨においてはこの法案と同じような考えも出ておるように思うのであります。そういうことでありますので、今後大学制度全般にわたりまして検討いたします場合に、どういうことになるか存じませんけれども、私は現在のこの短期大学というものを現状以下にする、こういうようなつ……
○灘尾国務大臣 私学に対する国の援助のこれまでの経過につきましては、山中さんがよく御承知のとおりだろうと思うのであります。私学に対する援助が非常に積極的にまたは大々的に行なわれてまいっていないという事実は、われわれも認めざるを得ないのであります。しかしだんだん時世の進歩に伴いまして、国民の教育に対する熱意も非常に高まってまいりました。同時にまた、私学において学ぶ学生生徒の数も非常にふえてまいっておるのであります。そういうような事実並びに私学に学ぶ人たちの経費負担の問題、このようなことを考えました場合に、従来のような角度からの助成だけで適当であるかどうかという問題に逢着いたしておるわけでございま……
○灘尾国務大臣 この問題についての山中委員の御趣旨は、私は了解できると思うのであります。ただ、政府側としましては、先ほど局長も申しましたように、免許状の種類をいろいろつくるということは、この際どうであろうかというようなところから、普通免許状の中に包括することにいたしたのでございます。私は、この問題は、政府側の答弁の趣旨は、普通免許状として扱いましても、実際問題として考えます場合に、きわめて限られた特定の技能を取り扱う教師ということでありますので、実質的には他の普通免許状を受けている普通の教員の諸君たちの間に、これによって低下するとか低下しないとかいう問題は起こらない、かように考えて、主として実……
○灘尾国務大臣 お答えいたします。 物価の推移等も関係のあることと存じますが、各学校の経営の上にだんだん窮屈な事情もできておるように思うのであります。したがいまして、現在主として私立の学校だと思いますが、明年度から授業料の引き上げを行ないたい、こういう空気はかなり濃厚のように伺っております。しさいなことは私どもよく承知いたしませんけれども、そのような空気にあるようでございます。公立のほうも若干そういうふうな気分でおるところもあるやに聞いておりますが、詳細なことは私承知いたしておりません。国立のほうにおきましては、学校の運営につきましての予算については、事情の推移に応じまして予算の増額等のこと……
○灘尾国務大臣 お答えいたします。 戦後新しい教育制度がしかれまして相当な年数を経たわけであります。したがって、この制度についてもいろいろな検討すべき問題もあるかと思うのであります。いまお尋ねの大学院大学のことでございますが、これはさきに今日の大学制度の改善について中央教育審議会に文部大臣から諮問をいたしました。その諮問に対する答申をいろいろいただいたのでありますが、その中にこの大学院大学という構想が盛り込まれておるわけでありまして、これは、現在の高等教育機関を、大学院大学、それから大学、それから高等専門学校、短期大学、この種のものに分ける。そして、大学院大学は、高度の学術研究を行ないますと……
○灘尾国務大臣 お答えいたします。義務教育関係における父兄負担の問題でございますが、先ほど来お話もございましたように、なかなか父兄の負担も重いのであります。政府としましては、この父兄の負担の軽減については年来努力してまいっておるところでございますが、PTA等の寄付を通じまして、本来公費でまかなうべき学校経費につきまして父兄が負担いたしております額は、最近の数字はまだわかりませんですけれども、昭和三十六年度の決算が約百五十六億ぐらいになっておるのであります。それも三十五年度に比べますと十一億円ばかりの減少になってきております。だんだん公費でまかなうべき経費の父兄負担は減少の傾向を示しておるように……
○灘尾国務大臣 お尋の点は非常にむずかしい、お答えしにくい問題だと思うのでありますが、総理大臣が先般の施政演説におきまして、総理の所信として人つくりの問題に触れておられるわけでございます。総理大臣の所信として述べておられる事柄を、ことばとしてあらわしてまいりますと、やはり意を尽くせないというような点も出てくるのじゃないかと思うのでございます。一口に人つくりというものをどういうふうにやるのか、こういうお尋ねになりますと、まことにお答えしにくいわけであります。結局お話が抽象的にならざるを得ない。同時に、言い尽くせないというようなところもあろうかと思います。簡単に言えば、われわれの安心できる、将来を……
○灘尾国務大臣 学校教師の身上の問題につきまして、すなわち人事を行なうに際しまして、組合員たるがゆえに不利益を与える、こういうことはあるべからざることと思うのでありまして、もしそういうことがあれば、それは間違った取り扱いであると言わざるを得ないのであります。ただいま御指摘になりました事柄につきまして、文部省の事務出局のほうもそういう話を聞きましたので、県の教育委員会と連絡いたしまして調査をいたしたのでありますが、その調査の結果によりますれば、新聞に出ておりますような方針をきめ、これを実施したことはない、こういうような回答に接しておるわけでございます。そのようにひとつ御了承をいただきたいと思うの……
○灘尾国務大臣 産炭地の教育につきましては、教育環境といたしましてもまことにむずかしいところでございますので、各教育委員会におきましても特に留意いたしておるところと存ずるのでありますが、ことに産炭地におきましては――ひとり産炭地だけの問題でもございませんけれども、特に少年の非行化というような現象が目につくのであります。また、貧困児童が多いということも目についておる問題でございますので、文部省としましては、この少年の非行化の問題は全国的に心配にたえない問題でございますけれども、特にそのような非行化少年の多い地域に対しましては、教育委員会の特別な留意を求めておるわけであります。また、生徒指導につき……
○灘尾国務大臣 非常に示唆に富んだ御意見と伺ったのであります。義務教育の課程におきましては、何しろ年齢の低い子供のことでありますから、あまりむずかしいことを教えるわけにもまいらぬと思うのであります。年齢に応じ、学年に応じまして、いろいろと先生が手がけておるわけでございますが、やはりものを大事にするとか、あるいはこれを有効に活用するとか、そういうふうなことは常に教育の課程において指導いたしておるところでありますが、そのほかに、あるいは勤労を尊重する精神でありますとか、あるいは明るい家庭、こういうふうないろいろなことを教えておるわけでございますので、これが総合的に考えてみますと、大体あなたのおっし……
○灘尾国務大臣 お答え申し上げます。 高等学校は、高等学校教育の普及及びその機会均等の精神にのっとりまして、高等学校に入学することを志望いたしております者はなるべく多数入学させることが、一般的に望ましいと考えるわけでございます。しかし、一方席等学校の教育課程は、御承知のようにかなり専門化されてまいっております、また分化されてまいっておりまして、一定の水準を要求されていることでございますから、当該高等学校の教育課程を履修できる見込みのない者まで入学さぜるということはいかがであろうかと思うのでありまして、高等学校を出ます者は、あるいは社会に直ちに入りまして、いわば中堅的な地位におって活動してもら……
○灘尾委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、これから政府に対して若干の質問をいたしたいと存じます。 まずその前に、委員長に一言お伺いしたいと思うのでありますが、今回の国会は、世上、変則国会といわれております。野党の諸君の出席のないままに審議が本会議においてすでに行なわれてきたわけでございますが、本日のこの委員会におきましても、相変わらず野党の諸君は一名も出席しておらないのであります。ときどき退場せられるということは野党の諸君の例とするところでありますが、最初から本会議、委員会に出席しないというような態度をとられるということは、はたしていかなる理由に基づくものであるか、まことに不可解千万と……
○灘尾国務大臣 この特別会計設置の趣旨につきましては、すでに申し上げたところでございますが、国立学校の充実をはかるということが、その大きな眼目になっておるわけであります。その趣旨をもって設定した特別会計でございます。したがって将来特別会計にしたために、予算的その他大蔵省あたりから締めつけられるというような予想は、私は全然いたしておりません。もしさような予想がなされるならば、私はこの特別会計の設置に断じて同意しなかったと思うのでありまして、将来にむしろ希望を持って、この特別会計の設置に同意をいたしたような次第でありまして、大学の施設設備の充実はもちろんのこと、大学の研究費その他の増額をはかってま……
○灘尾国務大臣 昭和三十九年度文部省所管の予算案につきまして、その概要を御説明申し上げます。 まず、昭和三十九年度文部省所管の一般会計予算額は、三千九百一億九百一万二千円、新設予定の国立学校特別会計の予算額は、千三百九十四億五千九百三十七万六千円でありまして、両者を加えた文部省所管予算額の純計は、四千百五十億五千四百二万九千円となっております。この純計額を前年度当初の対応予算額に比較いたしますと、六百四十三億円余の増額でありまして、この増加率は、一八・三%となっております。 以下、昭和三十九年度予算案において、特に重点として取り上げた施策について御説明申し上げます。 まず第一は、初等中等……
○灘尾国務大臣 憲法の精神にのっとりまして文部行政を行なうことは当然のことでございます。
【次の発言】 政府といたしましては、憲法にいう義務教育無償ということは、義務教育をするにつきまして対価を取らない、こういう趣旨に考えておるのであります。現実の法制のもとにおきましては、国あるいは公共団体、いわゆる国公立の義務教育諸学校においては授業料を取らない、これでもって憲法の無償の原則に従ったものと心得ておる次第であります。ただこれは法律の解釈論と申しますか、現実にそのような考えをいたしておるわけでありますが、その心持ちをさらに、その趣旨をさらに押し広げると申しますか、そういうような意味におきまして、……
○灘尾国務大臣 政府委員からお答えいたさせます。
【次の発言】 ごもっともなお話でございますが、外務省ともよく相談いたしまして積極的に検討いたしたいと思います。
【次の発言】 現地の実情をつまびらかにいたしませんので、的確なお答えができないのですが、お話の御趣旨はよくわかります。われわれとしましては関係の外務省等と相談をいたしまして、考えてみたいと思っております。
【次の発言】 受験資格をそういう形で制限するということになりますと、なかなか議論のある問題だろうと思います。ただわれわれとしましても、ある特定の学校にみな集中するということは、いろいろ問題を起しておるわけでありますので、学生の特性、……
○灘尾国務大臣 従来取り扱いましたことにつきましては、まず政府委員からお答えさせていただきます。
【次の発言】 先ほど来いろいろ具体的な資料を持ってのお話でございまして、私も注意深く伺っておったつもりであります。芸術院というような機構は、申すまでもなく、日本といたしましては、芸術方面における公の最高の機関であると思います。したがいまして、この芸術院会員に選ばれるということは、芸術家としましては私は最も名誉あることであろうと思うのであります。ただ名誉あるところにはこれに伴いましてその名誉を獲得するためにいろいろな弊害をかもし出すということもこの世の中にはしばしばある。あるいは人間性の弱点というこ……
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